会報第10号 昭和55年9月15日
 ■ 巻 頭 言

「会館落成にあたって」     福岡市薬剤師会 会長  藤 野 義 彦

 福岡市薬剤師全会員の総力で福岡市薬剤師会館が漸やく念願かなって、このたび完成をみました。省みますと、昭和46年御供所町の福岡県薬剤師会館が火災で消失して以来、博多駅南1丁目の岩戸ビルに、更に昭和47年住吉の現薬剤師会館に移転し、この間、県薬剤師会館の一隅を借用しながら、組織の充実と薬剤師職能の涵養に歴代会長、役員あげて努力を尽してまいりました。

 しかしながら、現代の高度な社会構造と、めざましい医療の発展と改革にともない、医療の一端をになう薬剤師(薬剤師会)として今後専門職としての職能の発揚が要望されています。その主要な事項として、
 @ 医薬品検査試験
 A 医薬品情報提供の強化と処方せん応需
 B 学校保健と公衆衛生への積極参加
 E 休日急患医療への協力
 D 薬剤師卒後研修
があり、この事業推進にあたり、どうしても試験、検査、情報、研修の各施設を完備する会館の建設が必要となり、その構想を練ってまいりましたが幸い前会長斉田和夫先生在任中昭和48年に福岡市当局の御理解により市有地でありました今泉の土地(新会館所在地)156坪の払下げを受けたのであります。

 その後、約6年間諸種の事情により空白期間はありましたが、市薬執行部においては、長期的展望にたち、慎重かつ真剣に計画を練り、調査を重ね,代議員会、総会の議決を経て、55年12月20日着工、今日待望の完成をみたのであります。

 施設については、特に試験・検査部門の充実をはかり、学校水質検査受託可能な十分な広さと設備に意を注ぎ、また、電話ファックス設備を有する情報センターを設置、会員の研修に支障なきよう研修室には十分な配慮をいたしました。

 ここに至るまでには、進藤一馬先生はじめ福岡市当局ならびに久保田秀己議長はじめ市議会の絶大なを御理解・御支援を受けたことであります。会館完成にあたってここに深甚なる謝意を表するものであります。

 会館建設については、八千代建設株式会社の周到な計画と献身的な作業によって、事故もなく、誠心誠意、建設していただきましたことに衷心よりお礼を申しあげます。

 今ここに会館の完成をみて、私はじめ会員の喜びは申すまでもありませんが、これを期に私どもは、私達に課せられた使命と職能を社会に還元する責任の重大さを自覚しながら、なお一層精進をする覚悟であります。会館落成にあたり一言御礼と御挨拶を申しあげます。


「市薬会館の落成を祝す」          前会長 斉 田 和 夫

 社団法人福岡市薬剤師会館の竣工にあたり心からお祝い申し上げます。

 九州の雄都として発展を続ける福岡市、また福岡県薬剤師会の3分の1を占めるにいたった我々福岡薬剤師会会員600名にとって、会館設立は早くからの熱望でありました。

 しかしながら、会館の完成を迎えるまでには色々と紆余曲折がありました。蘇りみれは7年前、市有地の払下げをお願いし、市当局及び市議会議長久保田先生の御理解ある暖かい御好意により、一応土地を確保できました。

 しかし、その後、いろいろな事情もあり、一時は暗礁に乗り上げたこともありました。54年12月やっと着工の運びとなりましたが、これに至るまでには、藤野会長、荒巻、富永の両副会長、古賀専務の御苦労は大変であったことと思います。更に困難な財政面の担当の藤原先生ほか諸役員の先生方の御努力に心から感謝の意を表したいと思います。

 この困難なる大事業を遂行するにあたり、私は途中で会務より離れ、藤野会長に後事を託したわけで、何のお役にも立てず各先生方に御迷惑をかけたことを心苦しく思っています。

 しかし、ここに80年代に先がけ、内容外観共に完備した新市薬剤師会館が、地理的にも恵まれる都心部に竣工したことは、全会員にとってまことに喜こばしいことであります。この充実した新会館をおおいに活用されて、福岡市薬剤師会並びに会員諸先生方の研鑽と発展向上の基となされんことをお祈りいたします。

 重ねて申しあげます、会館の新築落成お目出度うございました。


会館落成に至るまで        会館建設プロゼクト委員長 副会長 冨 永 泰 資

 昭和55年8月12日記念すべき福岡市薬剤師会館完工の日である。21日には落成式が盛大に行われ、薬剤師会が立派に一人立ちしている証として披露されるであろう。

 福岡市薬剤師会館建設は.薬剤師会発足以来の会長並びに会員の切々たる希望であった。中でも歴代会長は戦後の仮住いから火災による転々としてきた時代を思う時、さぞや苦痛にも似た思いをされて来たものと思う。

 斉田前会長の英断と会員の理解・協力により先ず土地入手に成功したとき、遠からず我々にも会館が持てると意を強くしたものである。それが又昨年初頭より会館建築の気運が発生、年度が変るに及び会員の意識も急激に前進、代議員会、地区別支部総会を経てゴーサインを受けたこと、会員の熱意の現れと深謝する次第である。

 さて、プロゼクト委員に次の如く推され、その長となるに及び非常に困惑した次第であるが、代議員会、支部総会等々における会員の意向と建築気運のよって起った処を考慮し、
 1.会員の為の会館、為には研修・情報・検査試験各室の充実
 2.一方に学薬の仕事が一つの大きな推進力であること
 3.会員と会のパイプを強化する為の会館でなけれはならない
 4.会員負担を可能な限り軽くすること
等々当然のことながら何もまとまるところがなく心配されたわけであるが、幸い各委員にそれぞれ経験豊かな方々を持ったため、設備・構造等の概要は順調に進み、各地−熊本、広島県薬会館−の調査も参考程度であり、より以上のものが期待出来ると思われる。

 その他の設備、構造、機器類については、各委員の英知と経験、更に市教育委員会の御協力により理想的に設置されることは疑う余地なし、全く喜ばしい次第である。それにも増して我が意を強くしたことは、かねてから不合理、不必要と感じていた薬局試験室の改廃と意義ある新試験室構想が日薬より打出されたことは、この会館建設の意義を一層明確にし、会員の納得を更に強く得るものであり、薬剤師組織の強化と拡大につながるものとして期待を大にし一日も早い実現を祈る次第である。

 今後進展拡大されるであろう分業調剤業務のため、またそのために起るであろう薬害、公害の件更に公衆・環境衛生の発展のため貢献する我々薬剤師の心と技の寄り所とし、会館をフルに活用したいものであり、そのことを会員と共に誓って筆をおきます。

 プロジェクト委員会
   委員長  冨 永 泰 資
   委 員  荒 巻 善之助
       河 野 義 明
       柴 田 伊津郎
       白 木 太一郎
       馬 場 正 守
       高 倉 博


会館要記

・所在地 福岡市中央区今泉1丁目1番1号
・土地面積 515.4u  (156.18坪)
・建築面積 928.567u(280.9 坪)
    1階 348.781u
    2階 282.768u
    3階 281.519u
    塔上 15.506u
・設計施工 八千代建設株式会社社長 田中 清
      本社 福岡市中央区薬院3−2−9
・工事監督 西南建設技術研究所社長 小野好直
・着  工 昭和54年12月
・竣  工 昭和55年 8月

 施設概要
 ○研修室(3階)
  100名の研修を可能とし、スライド使用の場合も筆記に適したスポット照明を付設し、防音窓を採用、全て能率的に研修が行われるよう配慮した。(90u)
 〇試験室(3階)
  薬局に義務づけられている医薬品試験室の業務代行が可能な規定試験設備を完備し、会員の常時利用に支障なきよう配慮している。
  学校飲料水、プール原水の17項目検査設備、大型実験台、オートデシカ全自動乾燥器、光電比色計、水質分析器、規定排水処理装置、リフト等設置。(76u)
 ○検便・検尿室(3階)
  法規定の検査設備完備、顕微鏡20台、乾熱滅菌器、高圧滅菌器、大型フラン器、等設置(30u)
 ○機器室(3階)
  分光光度計、ガスクロ計、原子吸光計等設置し、これに必要な特殊ガス用の配管を施設している。(福岡市学校薬剤師会が主として業務に当る)(33u)
○図書・情報室(2階)
  県薬より直接の電話ファックスを設置し、薬事情報の正確迅速な提供、情報資料の収集を行う。又医薬学図書、雑誌、資料等を充実し会員の閲覧、利用に開放する。(26u)


会 館 落 成 祝 賀 会

会館修祓式
・日時 8月12日(火)午前11時
・新会館において神式により修祓式が行なわれ、建設工事中の無事故を感謝し、将来、会館と会員の発展を祈願しました。
・出席者 藤野会長ほか全理事、監事、顧問、各支部長、市学薬、八千代建設、西南技研
・来賓 久保田市議会議長、神谷県薬会長

移 転
 新会館の前途を祝して、連日の雨も久万ぶりに晴れあがり、午後より理事全員で新会館への移転作業を行った。
 什器、備品の搬入、設置作業に汗ばみ、日暮れを忘れる多忙な一日でした。(全理事の方、事務職員の方、お疲れさまでした)

社団法人福岡市薬剤師会  会館落成祝賀会  (各界代表をお招きして)

▲日時 55年8月21日(木)大安吉日
▲場所 新会館・大研修室(3階)
▲祝賀式  (司会 竹尾常務理事)
 ・開式のことは         富永副会長
 ・会長あいさつ         藤野会長
 ・感謝状贈呈      八千代建設社長殿へ
 ・来賓祝辞
   進藤一馬福岡市長殿、 久保田秀己市議長殿、酒井義明県衛生部長殿、阿部輝明市医師会長殿、 加藤担市歯科医師会長殿
 ・よろこびのことぱ
  上田先生、土岐先生、河野先生、堀岡先生 ほか多数の方
 ・祝電披露      石館目薬会長殿、外
 ・閉式のことば        荒巻副会長
▲祝賀の宴  3階の全ホールを開放して盛大に行なわれました。
▲御出席頂いた方々  各界の代表の方100名

会館落成祝賀会(会員)

▲日時 8月23日 午後1時より  東支部・博多支部・中央支部
   午後4時より  西支部・南支部・勤務・会員・その他会員
 福岡市薬会員・全員(ほぼ全員)が一堂に会し感激の乾杯で(我々の)新しい殿堂の完成を祝い更に団結して国民医療の向上に貢献し、お互いの健康と発展を誓い合いました。


女子薬剤師として想う事 (女子薬担当) 理事 石井 多嘉子

 女子薬剤師会が、田中美代先生外諸姉により発会して、20有余年になります。長い間、御世話して下さいました江口先生が御都合により辞任されその後を継くことになりました、江口先生同様によろしくお願い致します。

 今回女子薬剤師会福岡市支部を行政の区制の様に中央、東、西、南、博多、筑紫と6部会に編成致しました。これは、前部会長の方々のお骨折りによって出来ました。今後は1日も早く薬剤師会の女子部として運営される方向に前進したいものと願っています。

 折角、薬学部で身につけた技術ですから、自分自身の為、社会の為にお役に立って欲しいと思います。家庭に入られた方も許す限り再教育を受けて、調剤の現場に立ち、薬剤師になって良かったという実感をお持ち下さい。仕事をしているという事は、本当に素晴らしい事です。

 私が24年に開局した時はペニシリンやストマイが珍しく、闇で動いていましたが本当に今昔の感があります。右往左往しているうちに30年が過ぎ御近所に6軒あった薬局も2軒になりました。分業運動も徐々に高まってきました。開業医さんとの地理的な関係他、むづかしい点も多々あると思いますが、意欲だけは充分持っています。

 今まで私は、薬剤師会の会員としてきましたが、今年は、思いがけず女子薬剤師会の支部長となり、理事として理事会に出席し、議事に参加致しております。不馴れの為,行き届かない事も多いと思いますが今後ともよろしく御指導の程、お願い致します。


委 員 会 報 告

○ 組 織 委 員 会

委員長  竹尾 啓司常務理事
委 員  山手 陽一、小村 正治、石井多嘉子理事、(東)正岡 民治、(南)赤坂 信和、(博)斉藤 徹雄、(中)山手 陽一、(西)野田 靖夫、(動)吉本喜四郎
 昭和55年6月25日午後1時より県薬会館において第1回の委員会を開催しました。
 議題は、先きの代議員会において承認を頂いている本年度の事業計画に基き真剣に討議開催
1.薬剤師名簿を完全に整理し会員、非会員を把握する。非会員の入会勧誘に努める。これは、支部長、部会長の御協力と御努力を要請したい。薬剤師会々員ほどんなに素晴らしいメリットがあり、非会員が如何に損をしているか?を検討していく。
2.新規薬局開設者申請書配付方法について
 開局後仲良く部会員としていくことが和であり、組織の充実のためにも必要である。そこで開設希望者は、支部長、部会長連名の別紙紹介状及び入会申込書を添えて申請書を貰いにくること。一方部会長、支部長は、コミニケーションに努め、現地視察確認をしておき入会、部会所属方充分説明して頂く。これを行うことが仲間意識の高揚にもなり、後刻起って来る保険薬局指定の場合、審議に大いに役立つと考えられる。
3.部会の開催について
 真剣に協議される三役会、常務会、理事会、支部長会等の上意下達、下意上達をよりスムースにするためには、やはり活発な部会開催が望ましい。支部長会に要請したい。
4.保険薬局であり会に未加入者について
 県薬務課、保険課ほか行政官庁のお力を借りて入会勧誘を行う。
5.部会の再編成について
 (イ)簀子当仁部会を合併することを確認し、理事会へ具申する。
 (ロ)部会の再編成についてほ、支部長及び支部の意見を尊重する。従って支部内で意見調整して統一意見を申出て頂くこと。
6.親睦趣味の同好会結成について
 全会員に趣味をお尋ねするアンケートをお願いし、同好会を結成する資料を強め、親睦を図るためにもまた三師会よりの対抗戦も可能であり、コミュニケーションに大いに役立たせたい。
7.親睦ソフトボール大会の実施
 とき、9月14日日曜日 小雨決行とし雨のため止むなく中止する場合ほ、支部長へ連絡する。集合8時30分、開会9時、閉会5時の予定。表彰式は新築なった市薬会館において取り行う。場所 舞鶴小学校、試合方法、ルールについては後日支部長並びに組織委員にお送りする。1試合7回戦とし1時間で打切る。対戦相手を決めるクジ引きは、当日試合開始前に行う。病薬の先生は病院の所在地の支部に配属し、親睦が目的であるので、会員の出場が望ましく、1薬局より1名とし、女性の出場、御家族の方々の観戦、応援大いに歓迎します。
 賞金、優勝チームに2万円、2位1万5千円3位以下5千円。昨年度第1回は西支部が優勝の栄冠を獲得しました。果して本年度第2回の栄冠はどの支部へ移ることでしよう。なお、本年は御要望に従い個人賞(ホームラン賞)を設けました。来賓及び役員外の昼食及び飲物は本会で用意しますが、監督、選手の昼食、飲物は各支部で御用意下さい。救急箱、ゴミ袋等もお忘れなく。大会の役員業務分担を作成(別紙)し理事会の承認を得たならば、各役員諸兄の御協力をお願いする次第です。各支部共お早目に運動神経を活発に動かしておいて頂きたい。最後にお願い!!試合終了後市薬会館へ向う配車は、各チーム別に分乗し、乗車料金は各車別に支払って下さい。

○ 薬 局 委 員 会

委員長  竹尾 啓司常務理事
委 員  小村 正治理事、(東)磯田 正之、(南)井手 晴子、(博)柴田 常孝(中)小野 信方、(西)式町 正信
 去る6月24日県薬会館において市薬事業部担当富永副会長の御出席のもとで未年度の事業計画を立て、その遂行を期するため、委員の事業分担を決定するための第1回委員会を開催しました。
 その真剣な討議の内容を詳細に御報告したいのですが、紙面の都合上割愛させていただくことをお許しください。
※ 勤務管理薬剤師の特別研修について
 学術委員会、休日急患委員会、社保委員会の御尽力と御協力をいただいて、また県薬務課の御指導を仰ぎ、薬事法・保険法・教育面を学ぶとともに薬剤師の地位向上を目的として開催する。
 また一方においては勤務薬剤師部会を結成されるよう呼びかけながら、その組織化を図りたい。
 係は、小 野、井 手、式 町、柴 田の各委員
※ ホーム薬局の育成
 各委員会の御協力を得て、学術研修を行うとともに、薬局製剤活用の研究開発を行う。
 市単位では無理であろう!県単位で研究開発する方がよりベターであろう。との意見が多々ありましたが、会員がどれだけ関心があり、また希望しておられるか、それを知るには、先ず会員の御意見を聞く必要がある。そこで先ず実行しよう!!と決定。
 @ 薬局製剤の活用法
 A 添付文書、包装化について実際に活用しておられる人を講師に迎え研究会を開催し、御意見を聞いて行きたい。
 係は、冨永副会長ほか磯田、柴田、式町各委員
※ 薬局管理自主指導機構の研究開発
 行政官庁の御指導を仰ぎつつ具体的に研究・検討してゆきたい。
 係は、冨永副会長、竹尾・小村理事
※ 保険薬局備蓄薬品リストについて
 この素晴らしいリストの有効的な使い方を保険薬局にPRする。
 係は、横田委員
 薬局委員会は薬局全体が対象であり、分業応需以前のことをすべきで、保険薬局のみの対象とは違うのである。従って、この備蓄薬品リストの作成の責任は、社保委員会が担当するのがよりベターであるとの結論に至り、次回の理事会に具申することになった。薬局委員会の仕事は大変幅広く且又奥深い。
 以上の計画を真剣に前向きに進めて行く一方、県薬の薬局委員会の方向姿勢も検討して、両横えで研究して行きたい、と考えております。
★ 会員先生へお願い
 薬局委員会にこんなことを考えてみては、またこんなことを是非実行して見てほしい、と云うことがございましたら、是非御意見をお聞かせ下さい。
 文責 薬局委員長 竹尾啓司

○ 学 術 委 員 会

委員長  野仲 範子常務理事
委 員  成沢 哲夫常務理事、木村英樹・木原三千代理事、甲斐田 茂(川口屋〕、伊藤 鉄郎(九薬)、山田 雅弘(九 宏)、吉本喜四郎(学術担当 副会長)
学術委員会の活動
 去る6月25日 学術委員会を開き、今後1年間の計画について協議しましたので、報告かたがた学術委員会の担当する分野と、今後の方針について述べてみます。
1.学術研修会
 これは昨年度より始まった、「処方せん応需に当って必要な基礎講座講習会」を継続することにし、年4回の開催を予定しています。また、学術研修会は休日急患委員会、組織・薬局委員会、女子薬部会との共催で行なうときもありますので、必要に応じ例会の演題として各委員会が話をする幾会を設けます。
 テーマについては、次の4つのジャンルに分けて検討します。
 a、調剤関係:薬剤師が講師となる
 b、病態生理と薬物療法:主に医師が講師となる
 C、基礎的なもの:薬学、医学の基礎的なこと、(例 抗生物質の基礎知識、免疫のはなし、臨床検査関係、等)
 d、教養的なもの:日常業務とは直接関係がないが、現在話題となっていることや薬剤師となって知っておきたいこと。(例 薬物の体液中濃度測定、CTスキャン等)
 以上4つのジャンルのテーマを適当に組み合わせ、多くの会員に喜んでいただける研修会にしたいと思っています。
2.情  報
 川口屋、九宏、九薬のDI室に開局薬局に対する”Q&A”の協力をお願いしておりますので、今後ともご利用下さい。
 日本と各支部を結ぶ電話ファクシミリが、市薬にも設置されました。日薬(親ファクシミリ)に入り、県薬から加工した情報が、市薬(孫ファクシミリ)に入るようになります。得た情報は必要に応じ、会員の方々に伝達されます。また、孫同志、孫から子へ親への交信も可能ですが、ファクシミリ使用の希望があるときは、学術委員会あるいは事務局へ連絡して、その指示を受けて下さい。
3.図  書
 現在、「清水文庫」を中心とした蔵書があります。従来は、場所の関係もあり、それほど会員の利用がなされていませんでしたが、新会館には図書・DI室が設けられましたので、研修会等で会館においでの際にお立ち寄り下さい。
 利用法
 閲覧:国書・DI室で閲覧して下さい。
 貸出:”禁帯出”の印がない本は貸し出します。期間は1週間以内で、1回につき3冊以内となっています。事務局に申し出て、「貸出簿」に記入の上、ご利用下さい。
 新規購入希望の図書があるときは、学術委員あるいは事務局に連絡して下さい。 4.その他
 今年7月より8回シリーズで、「漢方講習会」が開催されておりますが、これも学術委員会でお世話しています。
 以上を本年度の学術委員会の業務と考えています。今後とも、会員皆様のご希望にそうよう、委員一同努力いたしますので、皆様のご協力をお願いいたします。
文責  野仲 範子

○ 社 保 委 員 会

委員長  高倉 博 常務理事
委 員  井原 俊一理事、(東)松井 昌也、(南)村田 正利、(博)冨永 雄造、(中)西森 基泰、(西)宮崎 和人
 保険調剤指導者講習会に出席して
 社会保障制度の冠たる国民皆健康保険制度は、世界で最高の長寿国に成し得た要因で、非常に歓迎されている制度である。然しながら、それに比例し、毎年の医療費の伸びが取りさたされ、その赤字もうなぎ登り、国家予算も危幾に頻している。
 医薬分業も急増し、我々保険調剤請求額もすでに9億2千万円(福岡県5月分)に達した。福岡県内1,174軒の保険薬局で割ると、1保険薬局で90万円(月)となる。それにつれ、請求書類の審査も厳しくなっている。我々保険薬局も気を引締めて間違いのない請求をしたいものである。
 7月13日、AM11:00−PM17:00までぎっしり講習を受けた。県薬の社保委員の講師の先生方も必死で講義されたのが印象的であった。詳細は「保険薬局業務指針」日薬発行、「調剤報酬の加算と剤数について」県薬発行に載せられている。
 特に今回、審査委員会よりの注意事項をあげます。
 @ 請求明細書の処方せん欄には、必ず用法を明記すること。
 A 同一処方せんに用法及び投薬日数の同じ処方が複数ある場合は、必ず1剤にまとめて、請求すること。
 B 薬剤料が30円(実質35円以下)の場合は、記載省略となっているが、用法だけは必ず記載すること。
 C 用法は、3×、4×だけでは不十分、3×N、2×朝、夕食後、4×6時間毎に、あるいは、4×Nおよび就寝前など、正確に記入されたい。今後とも薬剤師会から送られてくる保険請求に関する通達や書類は、全てホルダーにて保存するのが重要である。
 講習会の締めくくりとして、直接にレセプト作成に取り組む。各種の請求明細書から総括表までのトジ込みまで実地に訓練。公費に携わることからして、大変なことではあるが、正確な請求書類作成に真剣に取り組まなくてはならないことを再認識した次第である。
文責  理事 井原俊一

○ 休日急患委員会

委員長  成沢 哲夫常務理事
委 員 (東)篠崎正十郎、(南)川畑健次郎、(博)岡村 紀子、(中)安藤 満夫、(西)瀬越 寿、(勤)金山 一彦
 休日急患診療は6年目を迎えることになりますが、会員の皆様のご協力により今日まで1件の過誤もなく診療業務に参加協力できますことを心からお喜び申し上げます。
 年度の始めにあたり、昨年度1年間の委員会運営にご協力頂いた方々をご紹介しながら、簡単にその活動を振り返ってみたいと思います。
 先ず最初に医薬品集第2版の発行ですが、編集には九大歯学部病院薬剤部長の河野義明先生を委員長に、委員は荒巻副会長、吉本喜四郎、仲尾次広子、柳原孝之、市花晃の諸先生にお願いして、約8カ月にわたるご尽力の結果4月1日に発行されました。
 7月には休日急患診療5周年記念式典が催され、市薬剤師会も福岡市長より感謝状を頂きました。
 8月には、勤務部会の委員としてこれまでお世話下さいました福大病院副薬剤部長の木村浩三先生が県病薬の会計を担当されることになりましたので、市立第一病院薬局長の吉本喜四郎先生と交替されました。
 木村先生には休日急患診療開始当初より勤務部会の先生方のご出動に関して多大のご協力とご指導を賜わり、委員一同有難く感謝いたしています。県病薬でのご活躍誠にご多忙とは存じますが、今後も何かとお気付き点をご指摘頂き、ご指導下さいますようお願い申し上げます。
 さて、9月になりまして研修会「処方せん応需に当って必要な基礎講座」を計画しましたところ、自勢副会長ご担当の学術部で早速取り上げて頂き学術委員長の河野先生と同委員の吉本先生のご指導により3回の講演を開催して頂きました。
 河野先生は本年度勤務部会の会長に就任されましたので、市薬の役員を辞退されましたが、これからも今までと同様ご指導下さいますようお願い申し上げます。
 暮から新年度にかけての年末年始診療も、今年は例年より1日多い5日間でしたが、お蔭様で無事に切り抜けることができました。
 一方、調剤実務便覧の作成と新規出動希望者研修会には勤務部会より、河野貞子、片桐寛子、古賀国臣、松岡佑の各先生にその都度ご出席を頂き委員会に貴重なご意見を賜わるなど内容の充実を図ることができました。各先生には本年度も引き続きご協力をお願いします。
 次に、委員の交替をお知らせします。勤務の委員でした吉本先生は本年度は市薬学術担当副会長としてご指導下さることになりましたので、千早病院薬局長の金山一彦先生と交替、南区の木村英樹先生は学術委員と学薬・試験室などを担当されますので川畑健次郎先生と、博多区の木原三千代先生は学術委員としてご活躍下さることになりましたので岡村紀子先生とそれぞれ交替されます。各委員の先生には1昨年、昨年と引き続き大変なご尽力を頂きました。厚くお礼申し上げます。
 以上現在までの経過を辿ってみました。
 さて、本年度の主な事業計画は下記のとおりです。
T 研 修 会
(1)新規出動希望者研修会
 随時開催しますのでご希望の方は事務局まで。
(2)学術研修会
 次のような希望テーマを学術委員会にお願いしています。
@ 免疫について
A 薬物の血中濃度測定の意義と現状
B 抗生物質の基礎
E 臨床検査について(続き)
D 漢 方
II 調剤実務便覧の内容充実
 (1)DIについて
 (2)薬物の血中濃度測定の意義と現状
 (3)液剤の配合について
(4)臨床検査値に対する薬物の影響等
V 学術研究費について
 昨年と同額の30万円を7月24日に市医師会にて戴きました。
W 医薬品集追補(T)の配布について
 追補が発行されました。まだお取りになっていない方は薬剤師会にあります。
X 委員会の開催
 年6回(2ヵ月に1回)の予定で委員会を開きます。各区委員までご意見を。
 以上の通り6月24日に第1回の委員会を開き、今までの経過報告と大まかな方向づけをいたしましたのでご報告申し上げます。
文責 8月5日 成沢 哲夫

○ 広 報 部

三津家 正友
 広い研修室、試験室、図書室等は研修と集いの場として明るい会員の顔が見られ活気に溢れています。我々福岡市薬剤師会員はこの新会館を城として常に福岡県薬の先陣に立って職能向上に努力しましょう。
 次号(11号)は12月15日発行の予定です。
各支部毎における会員の活動、勤務の会員と開局会員との連携作業、学校薬剤師会の活躍等について報告します。更に会報の愛読と御指南をお願いします。


   = 市  薬  日  誌 =

6月3日 理事・顧問会
  7  中央支部総会 電信電話会館 藤野
    計量協会総会(大手門会館) 藤野
  8  谷口よしのり候補応援 長崎市 藤野
 10  南支部総会 南区民センター  藤野
 15  東支部総金 香椎一品香    藤野
 17  三役会
 23  関口けいぞう 第19位で参議院全国区に当選
 24  薬局委員会  (竹尾委員長)
    休日急患委員会(成沢委員長)
 25  組織委員会  (竹尾委員長)
    学術委員会  (野仲委員長)
 27  福岡県薬臨時代議員会
    福岡県薬電話ファックス実演研修
    野仲、木原、ほか
 28  市勤務部会総会        藤野
 30  久保田市会議長・市衛生局長と懇談
    藤野、古賀
7月2日 三役会
  5  新会館植樹木選定交渉
  7  波多江嘉一郎元会長葬儀会員多数参列
  9  理事会
 13  保険指定薬局講習会
 14  市衛生局訪問  古賀
 15  県薬支部長会  古賀
 18  三師会(三光園)
    藤野、荒巻、古賀、竹尾
7月19日 白木先生叙勲祝賀発起人会 出席藤野
  19  支部長会
  21  久保田市議長と懇談
  22  救済基金説明会 (第1日)
  24         (第2日)
  25  福岡市「マスタープランを考える会」 出席 古賀
  26  緑進会議総決起大会 藤野、古賀、三津家、山手、ほか多数
  27  卒後教育スクーリング(アサヒクラブ)
     歯科医師会 開口けいぞう後援会出席
  30  県献血推進運動大会(勤労青少年文化センター) 藤野
  30  市国保運営協議会 藤野
8月 4日 福岡市長選告示
     進藤先生出陣式出席 藤野ほか多数
   5  理事会
  10  学術研修会 センタービル  野仲
  12  市薬会館修祓式
  12  新会館へ移転
  13、 14、15日  休館(盆休み)
  21  薬会館落成祝賀会(外部招待者)
  23           (会員)
  24  福岡市長選挙投票日