会報第11号 昭和55年12月15日
 ■ 巻 頭 言

「管理薬剤師の自覚を促す」     福岡市薬剤師会 会長  藤 野 義 彦

 本日は、時代の要請にこたえて、行政当局の御指導のもと、薬剤師会の会員であると否とを問わず、薬局の管理薬剤師を対象として講習会を開催いたします。管理薬剤師の職能と責任、義務を中心として、講習を行なうものです。これはすべて管理者たる薬剤師のためである点をよく理解してください。

 さて、所沢市の富士見産婦人科病院のように、医師でないものの病院経営が問題となっています。私どもの業界でも、開設者が薬剤師でない薬局に問題があることを知ってください。

 さきの県議会において、木原県議の代表質問と県当局の答弁で、開設者が薬剤師でない薬局数が福岡県では全体の30%強もあり、その30%強の薬局が昨年の薬事法違反の90%を占めているということが明らかにされました。これは薬を提供する行為、即ち調剤する、あるいはOTC薬を販売する際の取扱い方、売り方に問題があり、そのすべては、そこを管理する薬剤師の責任に負わされていることを、充分自覚しなければなりません。そして、一個人の非難は薬剤師会に及び、ひいては薬剤師全体が非難をうけることになるという点を、よく銘記していただきたい。

 この国会で、政府管掌健保の改正案が通過しそうですが、それと同時に、行政の医療監視も強められるといわれています。富士見病院の例が示すように、なれすぎて自分の行為に気付かなくなっている向きはないか、また甘さに埋没しきっている向きはないか、一度、チェックして反省すると共に、管理薬剤師の職能を安く売るようなことがあってはならないのです。

 現在、私どもを含めた周辺で、倫理、倫理、モラル、モラルが叫ばれているのは、そこにあると思います。本年の札幌での日薬学術大会では、富山大教授の「OTC薬の副作用の話」を開いて、薬剤師の職責の重大さと、より一層の勉強の必要さを痛感しました。本日の講習会にも、時間の許す限りで吉本先生のお話を入れました。

 近年、薬害が叫ばれております。そしてこれを故意に悪用する人が多くなっていますので、注意してください。県内で賠償問題を起している例が2例あり、その処置に苦慮しております。これには、会としても万全の対策で望もうとしております。このような場合、日薬会員に限る薬剤師賠償責任保険と、今回の薬事法改正により設置される国の救済基金で対応するのですから、会員でない方は早速入会されて、この制度を利用してください。

 薬剤師が、その職能をもって社会的活動を行なうとき、薬剤師の団結の中心がなければ、社会的な評価の確立や地位の向上は難しいのです。そして、いかなる薬剤師といえども、もほや個人単独では、職能の完全行使ができにくい状況になってまいりました。

 本会は福岡市の中心地に1億6千万円を投じて新会館を建設し、福岡市医師会、福岡市歯科医師会と友好を保ちつつ、医療担当者の一翼をになって、懸命な活動を続けております。皆さんが、薬剤師として社会で立派に生きぬき社会から尊敬を受けられるよう、公益法人である社団法人福岡市薬剤師会に入会されて、団結に参加してくださるよう強く望んでいます。
 (11月8日  管理薬剤師研修会 挨拶要旨)


「石館日薬会長をお迎えして」

 石館日薬会長は、福岡市薬剤師全会員を激励し、また新会館落成の祝福と視察のため10月24日御来館。藤野会長、白木前県薬会長、冨永副会長、古賀専務、竹尾、藤原、山手、三津家各常務理事、吉田事務長外一同会員を代表してお迎えしました。

 市薬会長応接室において藤野会長より福岡市薬の現況、支部、会員諸兄の各方面における活動状況につき詳しく説明いたし、また大研修室、試験室、情報センター等全館にわたって御案内しました

日薬石館会長を囲んで

 ■石館会長談話

 福岡市薬剤師会の皆様、日々の御健闘お慶び申します。福岡市薬剤師会とその会員諸兄は、西日本において薬業界をリードする立場におられることは常常承知しておりましたが、今ここに詳しくその現況を拝見いたし、日薬会長として改めて心強く感じさせられました。

 また政経の中心である福岡市の中央部に、か様に見事な会館(城)を落成され、祝福いたします。会員諸兄は、この城を団結のより処として、職能の発揮を通して薬剤師の社会的地位向上を目ざして努力されるよう希望します。

 今後、会長として全国各地の会員とお会いしますが、福岡市薬剤師会を披賞しつつ各地方の薬剤師会と会員諸兄の奮起をうながし、日本薬剤師会の発展を期したいと考えます。


組織の充実こそ力なり        組織委員会委員長 竹尾 啓司

 委員長 竹尾啓司常務理事、担当副会長 冨永泰資、委員 山手陽一・小村正治・石井多嘉子理事、地区委員(東)正岡民治・(南)赤坂信和・(博)斉藤徹雄・(中)山手陽一・(西)野田靖夫・(勤)吉本喜四郎 以上が組織委員会のメンバーです。
 組織委員会を2ヶ月1回開催し、組織の充実を図っております。

 現在602名の会員を有する我が福岡市薬は、全国的にも珍しい大世帯であり、一部の県薬並、否県薬より大きい世帯の誇りある薬剤師会であります。  その薬剤師会をより団結させ又、より充実したものにするべく、ある時は厳しく、又ある時はヤンワリムードで剛柔相まって会の発展のため努力しているのであります。

 藤野会長、三副会長、専務を中心の柱として毎月開催されます理事会は申すまでもなく、各委員会は活発に活動していることはすでに御承知の通りであります。この際、各委員会を念のため御紹介しておきます。

・社会保険委員会  委員長 高倉 博
・休日急患委員会     成沢哲夫
・学術委員会       野仲範子
・薬局委員会       竹尾啓司
・組織委員会       竹尾啓司

 何れの委員会も実に素晴らしく、活発に会及び全員のため薬剤師の地位向上のために鋭意活動しているわけであります。

◎親睦ソフトボール大会

 9月14日舞鶴小学校において、各支部対抗親睦ソフトボール大会を盛大に開催し、みごと東支部が健勝の栄冠を獲得されました。各支部長、組織委員として会員先生の絶大なる御協力を頂き、加えて福岡県薬務課長外薬務課の先生方の御観戦を頂き、組織の充実と友好のため大変有意義で、今後も続けられる様との温い御厚意と激励を頂きました。約70名の御出席をして下され、御協力に対し紙上をお借りして厚く御礼申し上げます。

◎会員のより団結を

 薬事法の改正、その他薬業界の変せんに伴い、日薬→県薬→市薬→会員と薬務行政の指導通達、情報伝達は縦横、スムーズに流れねばなりません。支部長、部会長の協議会は毎月開催し、会員の声その他を執行部にお聞かせ頂きたいと考えております。部会活動を是非頻繁に行って頂き、末端会員に流すと共に又会員の声をドシドシお聞かせ頂き、会の充実発展を念じる次第であります。

◎「入会のしおり」を作成

 委員会で、会員になった場合の特典を掲載した「入会のしおり」を作成し、理事会に図り立派なしおりが出来上りました。このしおりを未入会者全員にお送りしますので、支部長、部会長先生におかれましては未入会者宅へ訪問し、入会の勧奨をお願いして頂きたいと考えます。
 会に入会する事は開局の同志は当然の義務であり、薬務行政の方もそうありたいと願っておられますので、宜しくお願い申し上げます。
 会員諸兄も、友人知人もあると思いますので部会長、支部長先生と共に一緒に御協力下さるようお願いします。

◎管理薬剤師特別研修会開催

11月8日 郵便貯金会館において管理薬剤師特別研修会を開催いたしました。薬剤師の職能と役割り、又その責務は大変であります。管理薬剤師として如何にあるべきか? どんな他に特に気を配る必要があるか? と県衛生部薬務課長先生の深い御理解を頂いて薬務課後援の研修会を開催し、
 @ 現在の薬務行政について
 A 管理薬剤師としての実務について
   岩橋薬務課長、大庭薬務課長補佐両先生に講演を頂き、200名案内して120人の出席を得ました。
 B 大衆薬と副作用について
  市立第一病院の吉本薬局長(市薬副会長)が講演いたしまして市薬の会員研修事業の一部として聞いて頂きました。
 藤野会長と私(竹尾)から未入会者に入会を強く要望いたしました。
 私達は法治国家でありますので法は守らねばなりません。日薬並びに行政関係の通達情報は確実に流され、又それを遵守する必要があります。
 どなたかの間違い、知らなかった、失敗があっても困ります(薬剤師全体の責任と信用に於て)薬剤師会の責任が追求される訳であります。皆、同じ資格を持つ薬剤師であります。より多くの薬剤師が入会して頂き、共に学び共に平等の考え方で薬剤師の地位向上に邁進しようではありませんか。竹尾はかように考えておりますので会員諸兄の御支援御協力を切にお節いする次第であります。
 今後共宜しくお願い申し上げます。


経営の柱を樹てよう        薬局委員会委員会委員長 竹尾 啓司

 薬局委員会は隔月に開催し熱心に協奏しておりますが、その任に当っている委員を紹介します。
 副会長 冨永泰資、理事 小村正治・竹尾啓司、委員 東区馬出・磯田正之、博多区吉塚・柴田常孝、中央区春吉・小野信方、西区東油山・式町正信、南区大桶・井手晴子 以上 8名

 薬事法の改正 医薬品救済基金の新設等、薬業界の変遷と共に医療用医薬品、OTCの日進月歩は目を見張るものがあります。試験センター(試験室)の整備と機動化が流動的とはいえ、真剣に取組み検討してゆかねばならない時代になって参り、薬局委員会として重大な責務を負う時がやって来つつある様に感じられます。

 試験センターの設置、この機能について厚生省と日薬の見解が統一されてないように私は感じます。市薬会館の建設目的の一つの大きな目標もここにあり、福岡県薬から事業委託されている市薬の検査センターの機能をどうすべきか? 誰が何をするか真剣に考えれば考えるほど、そのあり方についても衆知を結集して進めて参らねばなりません。 諸兄の建設的な御意見をお聞かせ下さい。お願い致します。

 薬局委員会は前号会報に事業計画を報告致しましたが、委員長として県薬薬局委員となり、県薬の薬局委員会の状況把握した上で活動する計画でした。55年4月より県と薬局委員会の開催を待っていましたところ、来る11月17日第1回目の開催が発表され大変喜んだのは私1人ではないでしょう。だがしかし、膨大な巾広い議題で、頭を痛みつけていることは事実であります。その議題をお知らせ致しますので御智恵を拝借したいと願う次第であります。

 議題
@ 薬局開設に関する倫理親定作成の件
 (イ) 構造に関して
 (ロ) 資本金、役員等に関して
 (ハ) トルネル卸に関して
A 試験センター助成に関する件
 (イ) 福岡市薬に対する助成金の使途に関する件
 (ロ) 次年度の方向付けについて
B 薬剤師賠償保険について
 (イ) 審査委員会について
 (ロ) 保険契約内容と方向づけ

◎薬局製剤研究会開催

 10月15日薬局製剤研究会を開催致しました。医薬品製造業許可を有する会員280人に案内して60名の出席がありました。過去4〜5年前から懸案の事業でしたそうですが、開催して大変良かったと喜びの声を沢山頂いております。ホーム薬局の育成のために実際に実行されて成功しておられる佐世保の谷本英雄先生の赤裸々な御講演に熱心に拝聴され、即実行に移されておられる方もある様であります。

 会員諸兄、友人、部会長、支部内等で少しづつ行って頂いて成功されますものを薬局委員と共に研究会を持たれ進めて頂くと、大変喜ばしいものだと考えております。

 部会編成変更のお知らせ
 簀子部会と当仁部会は合併して9月より簀子当仁部会として発足しました。
 中央支部


福岡市学校薬剤師会報告

 福岡市学校薬剤師会(馬場正守会長)では、先の学校保健法の一部改正により学校薬剤師の勤務が義務化され、その業務も増大し、責任も重大になり、かつ学校等における薬剤師の社会的地位も一段と認められ、会員団結して研鑽に務めています。

・昭和55年度日学薬全国統一調査
 「学校環境衛生全国一斉調査」は学校給食、校内飲食物販売の衛生管理について行いました。
・昭和55年度福岡市学薬統一調査」は学校便所の管理状況の調査を行いました。

◎「集前回九州山口薬学大会」学薬部会において
・プール消毒剤、次亜塩素酸Ca錠、顆粒、LT錠及びLTA錠の試用試験について
  馬場正守・坪根百彦・篠崎正十郎・柴田伊津郎・内田数彦・◎木村英樹(発表)
・水泳プールでのトリクロルイソシアヌール酸の特性・第三報 腰洗い槽について
  馬場正守・篠崎正十郎・坪板百彦・◎井原俊一(発表)


返品半減運動について 市薬理事 山手 陽一 (地区薬業協同組合専務理事)

 医薬品業界において、現在流通段階での医薬品の有効性及び安全性の確保並びに安定供給をはかること、そしてそのためにも医薬品の管理が一層厳正にするため、昨年末「一般用医薬品の流通に関する倫理要綱が、メーカー、卸、小売、三者で討議され、本年になり成案が発表されました。

 それに基づいて現在流通の安定に努力しておりますが、その中に返品半減運動が取り上げられております。
 その内容を説明しますと、先ずメーカーとして
1.発注単位の適正化をはかり小売店に過重な商品にならぬようにし、過剰流通を是正する。
2.直送は卸、小売の発注のみに限る。
3.先切納入や大量納入を改める。
4.特売の内容量は、できるだけ弾性的に計画し一般小売店で無理なく消化できる内容として、量販店には口数による特売セットにする。
5.メーカーのプロパーによる受注は、卸と同行して、単独受注は遠慮する。

 次に卸段階では
1.小売店への訪問は、適当な回数を保つようにする。
2.品揃えにつとめ、小売店の要望に答えられるように
3.情報の通達については、適確な情報を小売店に伝える。
4.販売量の適正化につとめる。
5.小売店の販売促進活動を援助する。
6.小売価格の適正化と維持につとめる。
7.小売店の過剰在庫を適当な在庫量の確保にお互い協力する。
8.簾売店のチェック、対処にあたり、差別対価をなくす。
9.適正な売掛金の回収につとめる。
10.医薬品業界の商習慣の確立をはかり、卸小売間の円滑な商取引につとめる。

 以上のメーカー、卸の協力により、小売店は今までのりべ−ト、景品につられ、返品覚悟で過剰仕入れにはしり、デッドストックと返品のくりかえしの弊を断ち切るようにしたいと思います。


ADVICE FOR THE PATIENT    副会長 吉本 喜四郎(福岡市立第一病院薬局長)

 最近、医事紛争が各地で起こっていることは、皆様ご存知の通りですが、新聞等で報道されているのはごく僅かで、実際に行政当局や薬剤師会によせられる事件は、年々増加の一途をたどっているようです。それは、一つには現代において、消費者の権利が主輩されるようになってきて、薬局側の説明不足のために起こった医薬品の副作用について、患者から訴えられるケースがみられるようになったとのことであります。

 このことには私共病院薬剤師も関心を高めていることは、毎年10月に行なわれる福岡県病薬の研修会中本年のシンポジウムに、「患者へのアドバイス」をテーマとして選んだことでも、おわかりいただけると思います。その際講師の一人であります。

 日病薬理事の国田初男先生が話しをされた内容によりますと、患者が薬局に望む薬についての説明は、@使用法、A薬の効き目、B副作用、使用上の注意、E他の薬との併用の良否、D飲食物との併用の良否、E保存方法、使用期間であるとされ、これに対応する薬剤師の心得として、
@医薬品製剤の特性と使用方法を熟知しておくこと、A主治医の診療のさまたげになるような言動は慎しむこと、B処方せん記載以外の薬や治療法をすすめる言動をしないこと、C処方せんから推測できる病名はいわないこと、D自信のないあいまいな返事は患者に不安を与える、E患者自身の疾病については、主治医に聞くよう指示すること、F知り得た患者の秘密は厳守すること、G清潔な服装で、明るい言葉で答えること、等を挙げておられます。

 これ以外にも薬剤師が薬事相談にも応ずる場合に関与する要素としては、薬剤師の性格・仕事ぶり・教養・医師と患者の間の信頼感であり、更に最大の要因として、患者の年令や性格があります。

 神経質な人、あるいはむとんちゃくな人、老令者等教養に応じた説明の技術を必要とします。特に説明にあたって、患者の目をみつめて話すことは、信頼をます良い方法といわれます。予想される副作用を伝えるには、注意深い言葉を用います。特殊な医薬品の、めったにみられない副作用についてまでも、患者に話すべきではないでしょう。 この場合は、異常を感じたら医師へ連絡することを患者に忠告するのが良いと思います。

 胃に刺激を与える医薬品を渡すときに、「この薬は嘔吐をひき起こすかも知れません」というのは愚かなことで、こんなことをすれは、例え乳糖を飲ませても、患者は気分が悪くなるでしょう。このような時には、食物・飲食物等でその薬と相互作用を起こさないものを一しょに服用するように指示した方が良いと思われます。

 その他、抗ヒスタミン剤が処方されている時の、薬剤師の患者へのアドバイスもかなり問題があります。添付文書に記載してある、眠気を催すことがあるので、自動車の運転や機械の操作等には従事しないことの旨を患者に伝えるときに、「この薬は眠気を生じるかも知れない」と説明し、決して「眠気が起こる」といってはなりません。それは暗示にかけることになるからです。

 特に風邪薬の中に抗ヒスタミン剤が入っている時に、眠気の注意をすることが暗示をかけることになるので、いわない方が良いという人達もありますが、もし説明を行なわずに、風邪薬を服用した患者のいねむり運転による事故について、薬剤師の説明義務に対する法的評価が今後どのようになるのでしょうか。あるいは、最近P.T.Pのまま服用して、食道裂傷を起こした報告が、時としてみられますが、この場合の責任はどのようになるのでしょか。

 現在、アメリカにおいてFDAが、1979年より、PPI(患者用添付文書)プログラム実施の5年計画を立て、最初の2年間に50〜75品目、次の3年間に300品目を予定しているといわれます。そして本年9月に作られ既に使用されている10品目の中に、日本で発売されているものが8品目(アンピシリン、ベンゾジアゼピン.クロフィプラート、ジゴキシン、フェニトイン、サイアザイド、ワーフアリン、オクソラレン)あるそうで、やがて日本でも同様の動きになると考えられますが、これは一つには、薬物療法の安全を保つためには、医療人の努力のみでなく、患者の努力も必要であるという考え方があるのだそうです。

 私共薬剤師が持っている全ての情報を、個々の患者に知らせる必要はないと考えられます。取捨選択は私共が経験に照らし、文献に従って判断を下すべきですが、その判断こそ個々の薬剤師の医療技術であります。このためにも、常日頃の勉強の集積が大切であることは当然であります。


支部だより 博多支部の近況   博多支部長  堀江 秀男 (薬局ハルズミ)

 本年5月の支部総会で支部長に再任され、今年は支部の皆様に少しでもお役に立ちたいと奮起してまいりましたが、早いもので、年の瀬が近まりました。

 8月に立派な我々の市薬会館が落成し、漸く整備も完了し、運営も順調に各分野で活動されていることは会員の多くが知るところですが、なに分600名に近い会員ということで.組織面や会員への細部の情報伝達、会長相互の意見交換、会員相互の親睦融和等、支部単位で更に円滑化を図らねばならないと思います。

 博多支部の現況報告に入りますが、運営は隔月に行われます支部理事会にて冨永副会長ほじめ八部会長先生の真剣で前向きの御努力にて行われております。

 市薬主催の支部対抗ソフトボール大会には、若い方の総力で昨年4位でしたが、本年は準優勝の栄誉を頂きました。関口選挙には支部全員で当り御協力を感謝しています。また歯科医師会館での処方集講習会には3分の2の会員の出席をみました。支部ボーリング大会には24名の会員が楽しく親睦し、博多西部会の優勝でした。その後歯科医師会対抗ボーリング大会を実施し、惜敗はしましたが盛会でございました。今年も昨年同様果実狩りファミリー親睦会を企画しましたが、本年の冷夏による不作とバスの手配が遅れまして中止せざるを得ませんでした。

 博多東部会長高杉先生より、処方せん応需には病理・生理をしっかり勉強して医師と談合できる知識を身につけねばという御意見を頂き、先生に「生理学神経系統」の御話をお願いし、市薬学術委員成沢先生に御苦労をおかけして「抗生物質について」の研修会を、市薬会館図書室にて9月24日行いました。今後も続けていく予定です。なお、11月28日は、OTC薬局研修座談会を開催することにしています。

 忘れていましたが11月24日は、博多支部第1回囲碁大会が博多西部会長児島先生、住吉部会長冷川先生の御担当で行われます。趣味、スポーツ等、また研修勉強等で互に交流親睦して頂きたいと思っています。今後も種々の企画を支部理事会で決定して参る予定ですが、総てとは申しません何れか1つ2つに御参加頂ければと常々考えています。この頃は少しづつお顔が変ってまいりました、喜ばしいととと存じます。参加することで薬剤師会を見て、触れて、造って頂きたいのです。

 支部長としていつもお願いしていることですが、部会に必ず御出席頂きたいと思います。部会が順調に行われませんと、皆様の会への御意見を頂く立場にある私共支部の御世話役は大変困るのであります。会への、支部への御感想・御意見は沢山お持ちと存じます。また市薬から主要の件、至急の件は直接会員宛に文書等も参るのですが、支部への連絡事項、配付書類等も多くなって参ります。その都度部会長先生には大変御苦労をおかけ致しております。当支部では部会開催促進策として、部会出席会員1名につき600円の支部補助金を決めています。部会を開いても出席が少ないと部会長先生は困っています。最低年3回4カ月に1度位は部会に出席して頂きたい。2カ月に1回(至急のものは別に)部会長先生には市薬運営状況、支部状況等資料を差上げて参っております。

 どうか会員諸先生には部会長先生の御立場になって協調下されますようお願い申し上げます。現在、薬剤師会加入者が増えております。組織の力なくしては薬剤師職能の確立はおろか、我々は砂塵となってどこかに吹き飛ばされてしまいます。そのくらい80年代の社会経済は厳しいものになるでしょう、よろしく御協力お願い致します。


==お知らせと報告==

★第47回 九州山口薬学大会
 テーマ・地域医療における薬学的責任と薬剤師10月25日・26日、鹿児島市・サンロイヤルホテル
 各地よりあらゆる職域の薬剤師諸兄が参集して日常の研鑽の成果を結集して討議をつくされ、大会は大きな盛り上がりを見せました。
 福岡市薬会員も多数(福岡県薬の中心として)参加しました。次回開催地・宮崎市

★薬と健康の週間
 主催  福岡県・福岡県薬業団体連合会
 期日  10月17日〜23日
 行事 薬草展と漢方相談(天神地下街)
 福岡県衛生部薬務課と福岡市薬剤師会が主役で活動、好評でした。出動された多数の市集会員の諸先生方に御礼を申し上げます。

★薬局等の許可更新について
 標記については、昭和54年10月1日に公布された薬事法の一部改正が昭和55年9月30日から施行されることにより、許可期限が2年から3年に延長されることとなります。
 これに伴って、昭和55年9月30日以降の下記許可事業種の更新分については、許可期限が自動的に1年延長となります。
 許可証の取扱い等については、おって通知します。
           記
 対象許可業種 薬局・一般販売業・薬種商販売業・配置販売業・特例販売業・薬局医薬品製造業
 例えば、有効期間が53年10月1日〜55年9月30日の上記業種は、その許可期間が56年9月30日まで自動的に延長されるので、今年は更新申請を行う必要はない。(県衛生部薬務課より)

★計量器販売等事業の登録について
 150Kg以下のはかり(ヘルスメーター)、ガラス製体温計、アネロイド型血圧計の販売等の事業を行なおうとする者は、計量法第47粂の規定により県知事の登録を受けなけれはなりません。
手続の方法
・計量器販売等事業登録申請書、住民票(法人にあっては登記薄抄本)、登録申請手数料(1区分につき8千円=県証取)
・上記に関する講習会の後、販売に必要な知識を有するか否かの試験が行われます。
・試験合格者には、当日か数日後登録証が交付されます。……登録期限は登録後10年間 去る55年10月8日、登録にかかる試験が実施され市薬会員の方約100名受験、全員合格、未登録の方は市薬事務局または県計量協会へ問合わせて下さい。

★福岡市商組だより
 福岡市の母子ミルク受給業務につき御協力御礼申しあげます。福岡市よりの要望により4月より新年度会計になりますので、下記の通り取扱いますので、今一度手許確認の上未提出のないようお願いします。
@ 昭和56年3月分までは必ず昭和56年4月30日まで提出のこと。
A 上記期日後提出されると、年度の閑係上福岡市よりの支払いが困難となる恐れがあります。
B 毎月15日が締切日です。郵送または市薬会館へお届け下さい。
なお、表面の委託業者名は組合名を記載しますので取扱店名は裏面へ記入して下さい。ゴム印で可。

★清水文庫新規構入図書
 (昭和55年4月以降)
1.日本薬剤師会編「薬局製剤業務指針」
1.薬事日報社「医薬実務用語集」同社より
    寄贈
1.三省堂編「コンサイス外来語辞典」
1.日本規格協会「JISハンドブック」(公害関係)
1.中山医学編「漢薬の臨床応用」
1.日本薬剤師会編「病気と薬剤」T、U
1.日本薬剤師会編「医薬品貯法要覧」
1.高杉監修「薬剤識別コード辞典」昭和55年版(九宏薬品より寄贈)
1.日本薬剤師会編「一般医薬品業務指針」

★市薬ソフトボールチーム緒戦を飾れず
 10月4日午後3時より、市医師会の職員チームと南区の平和台球場にてソフトボールの試合を行いました。チーム結成後の第1戦でしたが惜敗、11対12の1点差で緒戦を飾ることができず、残念でした。
 中央区の永瀬永寿堂薬局の中野佐先生とお孫さんの晃くんのお2人が応援に駆けつけていただき有難うございました。
 得点は下記の通りです。
当日の市薬チームメンバー
打順  氏 名   (薬局名)    守備位置
1 中野 寛(中) (赤坂門薬局)    8
2 大久保俶住(南)(菊水薬局)     9
3 宮崎 和人(西)(サツマ薬局)    3
4 小田 芳郎(西)(オダ薬局)     6
5 松井 昌也(東)(徳松薬局)     7
6 日吉 益己(南)(ヒヨシ薬局)    2
7 高丘 章 (博多)(えびす薬局)   5
8 成沢 哲夫(南)(なりさわ薬局)   4
9 木村 英樹(南)(木村薬局)     1
仕事の都合で今回出場できなかった先生方も次回は是非御参加をお願いします。
世話人  成沢哲夫(福岡市薬剤師会常務理事)

★"祝”受彰
勲五等双光旭日章     白木 太四郎
福岡県教育委員会長表彰  高倉   博
(福岡県教育文化功労)
文 部 大 臣 賞    内田 数 彦
福岡市教育委員会長表彰  山手 嘉 子
(教育功労)


第2回 福岡市薬剤師会保険薬局セミナー

 11月22日(土)午後 福岡市薬会館・大研修室において多数の会員の参集を得て市薬主催の保険薬局ゼミナーが開催されました。
 藤野義彦会長と高倉博常務理事より、毎月のレセプト審査を通じて請求事務等の説明とともに
・医薬品の有用性を確保するための品質管理
・医療担当者に対する薬事情報の提供
・より高い安全性を求めるための副作用情報のフィードバック
・薬剤投与後の治療効果が確実となるよう血中濃度の測定
・処方せんの正確な調剤と患者へのアドバイス
保険薬局(保険薬剤師)の分野は広く、重大であると申し述べました。
 また行政当局、県衛生部薬務課、県民生部保険課の各指導官により、種々の問題点につき懇切な講演がありました。
 ゼミナー終了後、保険薬局(保険薬剤師)の職能発揮と福岡市薬の発展を祈念して乾杯し、盛大なパーティが続きました。
 「保険薬局ゼミナー」は、会館3階の試験センターの適切な運用とともに福岡市薬の重要な活動の1つです。 次回も全員の参集を希望します。


福岡市薬剤師会薬事情報センター業務内容

 医薬品の有効性と安全性を確保し、薬物等による危害を防止するため、薬事情報センターが発足し、4月より業務を開始しておりますが、9月には、県下6カ所にファクシミリが設置され、実働段階に入っております。
 業務内容は下記のとおりでありますので、御案内申し上げます。
1.中央薬事情報センター及び医薬関係者等から入手した情報、及び資料の整備並びに保管に関すること。
2.医薬品副作用等の情報収集及び中央薬事情報センターの報告に関すること。
3.医薬関係者に対する情報の提供に関すること。
4.医薬関係者及び県民からの薬事相談に関すること。
5.薬事情報等、刊行物の発行に関すること。
※電話による問合せは、
 福岡市薬剤師会   TEL 714−4416
 福岡県薬剤師会   TEL 271−3791
 担当専任職員 大坪万里子(県薬事務所)
 業務時間 AM9時−PM5時 (土曜日は正午まで)


編集余滴

 組織委(竹尾)が中心となり支部長、部会長、会員諸兄の協力により新規入会の先生方が続いています。図書室、情報室の整備も進んでいます。
 明るい事務室では吉田事務長外肥高、吉岡両事務職員が、笑顔で皆様の御要望にお応えしています。
 会員のサロン、新会館へお立寄り下さい。
広報担当 三津家


==市 薬 日 誌==

8月25日 福岡市長選挙に進藤一馬現市長が当選
  26日 社会保険委員会 (高倉委員長)
  〃  福岡市衛生局、議会挨拶 (藤野、荒巻、古賀)
  30日 福岡地方大雨により1階倉庫浸水
9月 2日 薬と健康週間打合せ会(藤野)
  6日 保険薬局講習会  市薬会館
  9日 市衛生局訪問 (古賀)
  11日 県薬務課訪問(藤野、荒巻、竹尾)
  13日 長崎大学高取名誉教授追悼会(藤野)
  14日 第2回市薬ソフトポール大会 優勝 東支部
23・24日 日薬学術大会出席・札幌(藤野)
  26日 理事会
  28日 学術研修会・市薬会館
10月3日 支部長会、三役会
10・12日 職員旅行
  13日 北九州市議芳野直行氏を励ます会(藤野、古賀)
  15日 薬局製剤研究会・市薬会館
  18日 西支部総会(藤野)
  19日 調剤実務研修会集中講義・県薬会館
20〜23日 薬と健康の週間・天神地下街で展示会
  22日 福岡市計量普及協会理事会(藤野)
  24日 石館日薬会長来会
  25日 九州山口薬学大会・鹿児島(藤野、荒巻、古賀、三津家、高倉)
  29日 学術委員会(野仲委員長)
11月1日 山崎拓防衛政務次官就任祝賀会(藤野)
   〃 持出理事会
  2日 青柳医師会長の医師会葬参列(藤野)
  4日 組織委員会(竹尾委員長)
  8日 勤務管理薬剤師研修会・郵便貯金会館
  10日 福大3年生を対象とした薬局職能についての特別研修会・福大(藤野)
  11日 保険調剤指導者講習会・県薬会館
  〃  福岡市国民健康保険加周年記念式典 電気ホール(藤野)
  13日 薬局委員会(竹尾委員長)
  15日 試験センター委員会 (木村委員長)
  22日 保険薬局ゼミナー・市薬会館
  25日 勤務部会例会