■ 巻 頭 言
代議員会を終えて 福岡市薬剤師会 会長 三津家正友

4月24日に開催された第28回通常代議員会に於ては73名の出席者を得て、新正副議長大庭秀臣、樋口昌嗣両君の指揮により執行部提出の議案につきまして原案通り可決して頂きました。

九州大学病院、国立福岡中央、国立南福岡の各病院等広域病院の処方せん応需を始め、医薬分業の機運の高まる中で新年度の事業計画、予算等につきまして代議員諸兄より、多々御意見、御要望がありました事を糧として、本年度一杯執行部全力をあげて努力する所存でございます。

時あたかも厚生省において「薬局業務運営ガイドライン」が策定され、薬局に対する行政指導の指針として実施される事になっております。

医薬分業の理念と位置づけがより明確化されるこのガイドラインは、本来の薬局の又薬剤師の姿を再確認する形での調剤を通して良質、適正な医療を提供し、地域医療に貢献する様求められています。

これに対応する具体的な業務、作業につきましては今後目薬、県薬の指導を待ち、又行政ともよく話し合って「薬局業務運営ガイドライン」を有効利用して、薬剤師会及び全員諸兄のより活性化を計りたいと考えております。

特にその中での地域医療に関連しては、福岡県、福岡県福岡地区とそれぞれ「地域保健医療計画」が策定されているのは御案内の通りですが、福岡市におきましてはそれらの整合性を図りながら福岡市独自の「福岡市地域 保健医療計画」が策定される所であり、その中にあって私共医療人としての薬剤師として、医薬分業に際しては面により処方せんを応需して良質の医療提供を求められています。

地域(市民)への医薬品に関しての医療サービスの一環として福岡市薬剤師会が中心となり、

 (1)医薬品情報の提供
 (2)休日、夜間の薬品供給対応
 (3)医薬品の備蓄による処方せん応需への支援
 (4)在宅医療における薬剤師としての対応とその準備

等多々あげられており、福岡市行政当局に対しては、これらに対する薬剤師全の活動について、強力な指導と援助を頂く事になっております。

又、一方福岡県、厚生省に対しては福岡市薬剤師会として面分業推進のため、国の施策となる「医薬分業推進支援センターの施設・設備整備費の補助」の要旨にのっとって国、県への助成を申出ている所です。

 現在福岡市の医療施設の現況は、
   一般診療所  1,019
   病   院   118
   歯科診療所   702
   薬   局   522
 (福岡市衛生局統計年報平成2年12月による)

既存の薬局の分布状況では処方せん応需に不安が考えられます。面分業を前提として早急に処方せんを完全応需する薬局の適正配置が不可欠です。

専門職能団体として福岡市薬剤師会、会員の薬局が更に活性化される事をめざして前進したいと考えます。

<私と薬> 薬局とつつが虫病 太宰府市こでら内科医院 院長 小寺稔

日本医師会は最近家庭医ならぬ、かかりつけ医構想なるものを提唱し始めました。すべての国民にかかりつけ医を持っように説得し、かかりつけ医を持つことが、国民にとっていかに有利であるかを実証しようというものです。しかしかかりつけ医でも、保険証と初診料(甲蓑で1,980円)などに対する自己負担金を、用意していなければなりません。

かかりつけの薬局では、薬剤師に気軽に相談することができます。厚生省の医療費抑制政策が進み、医療機関への敷居が高められると、国民のかかりつけ薬局に対する期待はますます高まり、医療法の改正によって、医師、歯科医師、看護婦と並ぶ医療の担い手になった薬剤師の果たすべき役割が、ますます大きくなるものと思われます。医薬分業への動きは、未だに制度や機構といったハードの面が中心で、国民のメリットや心情というソフトの面が置き忘れられている現在、これから本当の医薬分業への道が始まるのではないかと、一開業医の立場でひそかに考えています。

木原三千代先生に、医薬分業について福岡保険医療研究会でお話し頂いたあと少しあって、市薬ジャーナルへの原稿依頼の電話を頂きました。私が興味を持っていたつつが虫病のことでも何でも良いですよと言われて、資料棚を引っ掻き回せば何とかなるだろう、と軽く考えてお引き受けしましたが、送られてきた雑誌の「私と薬」のページを開いて、頭を抱えてしまいました。怨みがましい思いで、木原先生が書かれた「くすりの本」をめくっているうちに、最後の章の「かかりつけ薬局」が目に入り、つつが虫病と結びつけて書くことを思いつきました。そこで私が薬局の薬剤師になって、お客さんとつつが虫病についてお話をしている情景を思い描いてみました。本物の薬剤師さんから見られると、どこか違うぞと思われるかも知れませんが…

つつが虫病は、つつが虫病リケッチアを保有するツツガムシの幼虫に刺されて発病する、急性発疹性熱性感染症です。秋田大学の須藤恒久先生は、こんなときはつつが虫病を疑ってみることとして、(1)ペニシリン系、セファロスポリン系が無効の高熱持続、(2)発熱に続く発疹、(3)白血球減少、CRP強陽性、更に、(4)リンパ節腫脹は?その辺の隠れたところなどに刺し口(紅囲ある潰瘍、痴皮)は?(5)発病の1〜2週間前の野外での生活歴をきく、を挙げています。

「こんにちは。どうしましたか。寒気とズキズキ頭痛がして、−39℃台の熟が続くのですね」福岡県で感染し、発病したつつが虫病患者の自覚症状は、発熱100%、悪寒85%、頭痛75%、関節痛70%、倦怠感40%、食欲不振25%でした。感冒と誤診されることが多く、セファム系、ペニシリン系、アミノ配糖体系が全く無効で、鎮痛下熱剤も奏効せず、医療機関の間をてんてんとし、薬局を訪れていた患者さんも数多くみられました。

しかしテトラサイクリン系で急転治癒することも特徴的で、3日間服用しても解熱しなければつつが虫病は否定的といわれ、治療的診断も有力な手段です。確定診断は拾ってからでも充分出来ますから、まず疑い、そして治すことが大切です。クロラムフェニコール系も有効で、昭和51年からの患者発生数の急上昇は、その生産量の下降と一致しており、両者の関係を推察する人もいます。抗生物質の選択を誤ったり、治療をせずに放置すると、重症化して死亡例の報告もあります。多くはLDH、GOT、GPT、CPKが上昇して、一時的に肝機能が悪くなりますが、放置したまま数週間で治ります。

「おや、顔に風疹みたいなプツブツが、それからからだにもできていますね。リンパ腺がはれているところはありませんか。痛くも輝くもありませんが、1cmぐらいの黒っぽいかさぶたはありませんか」他覚所見では、刺し口は100%にみられ、認識していた人は39%、皮疹も100%で認識していた人は67%、リンパ節腫脹は60%でした。皮疹に対しては薬疹やそのほかの皮膚病、刺し口に対してはフルンケルと誤診されていることもあります。

「10日位前の文化の日の頃、太宰府や背振のあたりで山に入りませんでしたか」ツツガムシ幼虫の発生時期に、吸着される機会となりうる行動を聞くことも大切です。福岡県で感染した患者さんの、1〜2週間の潜伏期問を経た発病時期は、10月中旬から12月上旬に限られており、タテツツガムシの幼虫酵化の時期と一致しております。そのはかフトゲツツガムシは春と秋に、アカツツガムシは夏に押化します。秋田、新潟、山形3県の河川敷で発生する風土病として、古くから知られていた古典的つつが虫病は、アかソツガムシの媒介によるものであり、昭和51年より鹿児島、宮崎両県を始め全国的に増えてきた。日当たりの良い山林や草地で発生する新型っっが虫病は、タテツツガムシとフトゲツツガムシの媒介によるものです。これは昭和10年から第二次世界大戦にかけて、広く東南アジアから西南太平洋地域にかけて発生した、アジアの地方病でもあることがわかりました。

福岡県では発生したことがないといわれていたつつが虫病ですが、昭和61年11月1日に私の診療所を訪れた患者さんが、最初の患者になりました。つつが虫病は届出伝染病ですが、平成3年までに福岡県に届け出られた患者は37人で、そのうち太宰府の宝満山および四王寺山周辺で感染した者は25人でした。最初の患者さんは宝満山の麓にある太宰府市北谷に住み、自宅近くの田で稲刈りをしていて感染しました。11月3日に同じ北谷に住み、稲刈りをして感染した別の患者が来院しました。なぜ突如この地で患者が発生したのでしょうか。リケッチア保有のツツガムシは雄が感染死を遂げるためなのか、雌のみしか存在しないことが判っています。人里離れた山の中に、雌のみのコロニーに健康な雄ツツガムシがやってきて、連綿と垂直感染を繰り返し、リケッチアを保持し続けたものと思われます。ちょうど鱒が河を逆のぼって、山の中に閉じ込められ、山女となって生き続けていると言われているように。同じ11月1日に九州大学からも届け出られていました。この患者さんは佐賀県神崎郡に山芋掘りに行き感染しました。

そのほか鹿児島県や熊本県で感染し、福岡県で発病した症例もありますが、この場合発病の時期がずれることもあります。「防虫スプレーや、ダニに有効な殺虫剤も置いていますよ」ツツガムシを根絶させるのは極めて困難ですが、幼虫に吸着されるのを防ぐには、次のような対策が考えられます。(1)幼虫発生時期.に推定感染地に立ち入らない。(2)素肌の露出を避ける。(3)草むらに衣服を置いたり、休息したりしない。(4)帰宅後必ず衣服を着替えて入浴し、ダニの吸着の有無を調べる。(5)皮膚の露出部を防虫スプレーで塗布する。(6)ダニに有効な殺虫剤を撒布しておく。

「お大事に」それにしてもかかりつけ薬局の仕事は、時間がかかって骨がおれますね。

<会員の広場> 「ええい!」 中央支部 警固部会 小野調剤薬局勤務 女賀信子

一年程前、「丘の会」の初代全長に選ばれた。話は十数年前に遡る。

高校の同窓生が福岡市議に立候補するというのだ。それまで言葉を交わした事もなかった彼が、当時、郊外に居を構えた私の所に、「是非、僕の為に応援演説を!」と訪ねて来てくれた。

三十代後半。彼の凛々しき初陣であった。父君の地盤、看板、そしてカバンを引っさげての華麗なる選挙戦と見えた。東京からも、父君の親友だという田中六助氏や森田折二氏を初め、鐸々たる弁士に混じって、この私も幾度となく壇上に上った。

一回めは楽々のトップ当選。ところが二回めは二位で、三回めは三位。父君他界後の一昨年の春の選挙は四位。彼の獲得する票がジリ貧であるという事は、誰の眼にも明らかになった。県議会議長という要職であった彼の父君の加護を受けてか、後援者には、父君同世代の人も多く、らつ腕で鳴らした選挙参謀も今や八十才を越えた。もはや、手をこまねいてじっとしている時ではなくなった。

彼を応援する為の、独自の同窓生組織を一刻も早く作ろうという意見が誰彼となく出された。そして、仲間からジャンヌダルクよ、マドンナよ、とおだてられ、とうとう会長というとんでもなく大変な役目を引き受けてしまったわけである。

会の名前は、恐れ多くも母校「筑紫ヶ丘」の「丘」を頂いてきっぱりと「丘の会」。会則も出来上り、発会式・第一回総会と、印刷会社を経営の同級生や新聞記者の後輩等も手伝ってくれたりで、とんとん拍子で事が運び、機関紙「丘の全だより」もB5判4頁、写真もふんだんに上質紙で刷り上り、全図に散らばる同窓生四百数名に読んでもらった。

国鉄マンから町議へ転身し、九十才で大往生する前日まで、町政に携わった祖父や他県には県議の親類がいたりもする。いろいろな事にワクワクドキドキで挑戦していた頃は、音楽部や美術部の他に弁論部にも籍をおいて、全校集会等で意見を聞いてもらった事もある。政治に全く無縁とは言わないまでも、選挙の為の後援団体の会長というと荷が重すぎはしないか。

いろいろな不安が頭をかすめるが、理解ある夫や子供達の的確なアドバイスを頼りに、気のいい仲間十数名も幹事として名を連ね、一緒にやろうよと言ってくれるので、「ええい!」手に手をとって清水の舞台から飛びおりたわけである。

明日五月八日は、その第二回総会である。ゲストに太田誠一氏を迎えている。派閥や、自民党員という前に、国民から委任された国会議員であるべきだと、勇気ある言動を続けている氏から、又、胸のすく様なちょっといい話が聞けそうで、楽しみだ。

<会員の広場> 「赤毛のアンの思い出」から4年 早良支部 原部会 敬天堂内田薬局 内田和江

4年前、木原先生から「市薬会報の会員の広場に何でもよいから書いてくれ」と電話があったので、“赤毛のアンの思い出”というタイトルで書いたことがある。

その時、謝礼にと岩田屋の商品券2千円分を頂いた。それで子供の好物のウインナーソーセージを買った。岩田屋などでめったに買物をしない私に、子供がどうしたのかと聞くので訳を話してやった。その時、長男は小学校4年生、長女は幼稚園の年長だった。

あれから4年、長男は私が“赤毛のアン”に出会った年になり、アンパンマンのビデオを好んで見ていた長女は、“赤毛のアン”に興味を持つようになった。

昨年、長男がカナダの同年代の子供に手紙を書くというので、どういうことを書くのかと思っていたら、「カナダといえば、“赤毛のアン”の舞台になったプリンスエドワード島という美しい島があるそうですね。母からよく“赤毛のアン”の話を聞かされていましたので、将来ぜひ行ってみたいと思っていた国です」というようなことを書いたそうだ。彼が小さい頃から、何かにつけて私が“赤毛のアン”の話をしていたので、彼も知らず知らずのうちに、心のどこかに“赤毛のアン”の国が住み着いてしまっていたのだろう。

その後、長男は“赤毛のアン”シリーズをほぼ読み上げてしまったようだ。感想は聞いていないが、文庫本などあまり手にしたことがなかった彼が、10巻を読み上げてしまったことは驚くべきことであり、男の子でもそのおもしろさ、すばらしさについっい引き込まれてしまったのだろうと私は思うのだが…。

長女も兄に刺激されてか、単行本で“赤毛のアン”を読んでいるようだ。時々「母さん、アヴォンリーに行ってみたいね。(小説と現実を混同して)私が、給料を貰うようになったら一緒につれて行ってあげるね」と嬉しくな るようなことを言ってくれる。

20数年前に出会い中学、高校、大学、社会人、家庭人になってもずっと一緒だった“赤毛のアン”。私の青春、心の友、宝ものであった“赤毛のアン”が、大げさではあるが、これから先、彼、彼女の人生にどのように係り、どのような位置をしめるだろうか。

(余談)

今回、橋口先生から「会員の広場に、固くなく気軽に読める原稿を」と依頼され、断るのも気がひけ、私なんぞにお鉢が回って来たということは、よっぽど引き受ける人がいなかったんだな。給食センターでお世話になっているので私で役に立てば、と引き受けてしまった。

然りとて、何の趣味、取り柄も無く、毎日店番と炊事、洗濯におわれている私のこと。上記のようなたわいない文となってしまった次第である。ご容赦のほどを。

<会員の広場> たかが車、されど車 中央支部 春吉部会 至輝宏寿望薬局 鳴海雅雄

自分は仕事がヘタだ。商売として今、低迷している。仕事のヘタなやつは結局遊びもヘタなのだ。そんな自分に市薬ジャーナルへの寄稿依頼があり、正直困った。「仕事」これは上手な人の寄稿を読まれた方がためになるのでやめておこう。「遊び」ドリカムよろしく−すこし気の多い私なりに回って来た道−肩の力を抜いて相手して下さい。

今日は車の話しにしよう。多くの人は我家の冷蔵庫や洗濯機と同一の感じで使用されていることと思う。また間違っているとは思わない。ここでは乗用車の話はおいておくことにする。

イタリアでは、「フェラーリにひかれて死ねれば本望だ」といわれているらしい。つまりフェラーリを誇りに思い、尊敬し、愛情をもって称えている。そういう車であり、そういう国なのである。乗り手をとろけるような官 能のサウンドでつつみ込む魔性のスポーツカーとよくいわれているが、8年程前、知人の所有するイタリアンレッドのフェラーリ308クアトロバルボーレに乗せてもらった。その時、エクステリア・コクピットのデザイン、メカニカルノイズ、サウンド、スピード等あらゆるものにひどく感激したことがある。シートに座っただけで真に血わき肉おどるのである。魔性の片鱗を見た気がした。知人は4〜5日貸してあげようと言ってくれたが、自分はこの高価なイタリアの貴婦人にケガをさせてしまっては大変と、即「NO!」と言ってしまった。こう言ったものの、後日思い出しては、何度も、ほんとうに何度も後悔したものである。

自動車文化、歴史、自動車工業そのものがまったく違う自動車量産国の日本では売れるものを作るし、数多く売る事が正義となっているようだ。そういった状況下において、スポーツカーは不毛か、と思いきやホンダはNSXを登場させ、さらにNSX-Rと続いて登場させた。最高の技術をもって作られ、だれでも乗れる最速の量産スポーツカーといわれ、事実NSR-Xの速さに振ったその性能たるやN1シビックのようなレーシングカー並。フェラーリもポルシェも顔色なしの運動能力(動力性能とはあえて言わない)を持った新しい考え方によるスポーツカー像をぶち立てた。

これは技術として評価できることだが、オーナーが愛着を持って長くつきあえるかどうか疑問である。自分はスポーツカーは見て楽しめることが重要であると思っているので、この点でNSXは大きく欠落していると思う。(NSXファンの方ゴメンナサイ)高性能なだけでは必ずすぐに登場するであろう他のメーカーのさらなる高性能車が登場したとき色あせて見えるだろう。そして徹底して走りに振った車であれば、つきつめればレーシングカーがある。スポーツカーに速さを求めるオーナーであれば、いっそのことライセンス取得してレーシングカー仕立てでサーキットオンリーで楽しんだほうが良いのでは。自分ならそうする。また、そうしている人も結構いる。これは正しいモータリング趣味であり、えらくカッコイーことだと思う。

公道でその車らしい走りをしたら免許証いくつあってもたりないし、反社会的である。また逆にその車らしい走りをしないことは、結局乗り手に苦痛をもたらすことになるし、車も苦痛であろう。エキセントリックなスーパーカーであるフェラーリや日常に潜む非日常性を持つポルシェ911などには、お互いまったく異なった考え方で作られた工業製品でありながら、見て楽しい、走って楽しい、サウンドが楽しい等、長年にわたって世界中の人々に愛されるだけの要素を多く持ち、乗り手に婚びないコントロールの難しさはあるものの、血がかよっているというか、生物のようだというか、言葉でうまく表現できないが車好きの人が乗ってみれば体で感じとることができると思う。しかも、スピード制限内で体感することが可能なのである。たかが車、されど車である。

昨年11月頃、当薬局前の道路上で危うく車にはねられそうになったことがある。その車はなんとバブル経済頂点時に2億5千万円の値が付いていた深紅のロードゴーイングレーシングカー、フェラーリF40であったのだ。その話をアルコスの常定君にした時、彼の言った言葉を今思い出した。「F40にはねられたら、自慢できたのに」なんと思わずうなずいてしまったのである。

誇りに思い、畏敬の念をもって人々に愛される。そんなもの日本にあったっけ。自分には思いあたらない。

<会員の広場> 私の趣味 東支部 名島部会 流通センター薬局 土器秀明

市薬ジャーナル及び以前の会報より、興味ある部分のみ拝見させていただいておりました。現在、九大病院の院外処方せん等の話題が大変多く、みなさまのご苦労をお察しいたします。私共も条件等を整え処方せん受付をめざしがんばりたいと思います。

さて、投稿のいきさつですが、市薬広報の荒巻さんとは高校の同級生という事もあって、お電話いただき、作文のへたな私にとっては一大事でしたが、趣味でもよいという事で、私の好きなテニスと野球の話を中心に書かせてもらいます。

Part1 テニスの話 私はテニスばかというぐらい好きで、妻、子供をひきつれあきもせず、お休みたんびに出かけています。(子供の迷惑かえりみず、外遊びという名目で楽しんでおります)

学生時代、卓球をやっていたせいか、球を回転させるのが好きで、基本にはほど遠いうちかたを体がおぼえてしまいました。卓球とテニスを比較すると、テニスは太陽のもとでできるので、明るいイメージが好きです。テニス歴は、約10年ほどで月1〜2回から、月4〜5回に勝手に増えてきました。テニスは、コート予約、天候条件、集まる時間、テニス仲間と、条件がそろわないとできないのに、それでもできる時は嬉しそうに一生懸命に走り回っています。テニスのおもしろさは何かというと、強い相手にぶつかった時、かなわないなりにたった一度でも相手からポイントを上げた時や、又ある種の緊張感を持続させ、それが成功した時の満足感を得るためと思っています。そして、その後のビールがうまいという事です。なお、その後の筋肉痛も毎度の事です。

Part2 野球の話 プロ野球をテレビで見るのもいいですが、子供相手にキャッチボールをやるのも楽しみのひとつです。まだ、5才と8才の男の子ですが、自分の楽しみのために、これからきたえていきたいと思います。市薬ソフトも、毎年参加させてもらっています。昨年は大会10日はど前にギックリ腰をやってしまい、参加をみあわせようとしました。しかし出たい気持ちも強く、動きの少ない場所ならどうかと試合にでると、舞い上がってしまい、ホームラン賞ねらいも手伝って、一生けんめい走ってしまいました。試合前は、緊張と不安のために落ち込んでいましたが、終わってみると体力の回復までをさせていただき、ありがとうございました。ただ、誰しも負けるとくやしい、勝ったらうれしい、又賞もほしいという勝負+αが好きみたいです。

また、これからも体の続く限り、東支部に、ある時は足をひっぼり貢献したいと思いますのでよろしくお願いします。もちろん、薬局業務もこの経験を生かし、緊張と緩和を繰り返しがんばりたいと思います。なお、乱筆のため、読みにくいところを最後に深謝いたします。

<会員の広場> スウェーデン 発想の違い 欧米薬局レポート その3 千代吉塚部会 荒巻薬局 荒巻滋

3−3

Sweden Apoteks Bolaget(スウェーデン全国薬局公社)は1971年に2/3を政府1/3を薬剤師年金基金の出資によって設立された。それまで、民間資本によりほぼデンマークのような形で運営されていた薬局はすべて公社に接収されている。したがって、現在個人経営の薬局は1軒もなくすべてこの公社の経営によるものであり、そこで働く薬剤師Apotekerや調合士Prescriptionist、助手Asistantはすべて公社の社員である。

薬の販売は薬剤師が独占しており、小売りはOTC・要処方せん薬にかかわらず薬局公社が独占している。卸は公社の傘下にあるKDAと民間によるKDの2社のみである。

公社においてレクチャーを受ける。スウェーデンは人口850万人、19万人/1平方kmできわめて高税。保険は強制で65才より老齢年金が支払われる。

基本的には物と情報を地域住民や医師、看護婦に提供するのが薬剤師の仕事であり、薬局は薬以外の物でも身体の健康に関する物に限り販売することができる。具体的にはOTC医薬品や医療雑貨、スキンケア用品などで、薬局活動とかけはなれたものでないこと、良質であること、安価であること、継続して品質管理ができるようアイテム数をふやさないことなどが条件づけられている。

余談だが最近スウェーデン政府はガラス製体温計の販売を全面的に禁止したそうで、日本製電子体温計が沢山輸入されているそうである。

全国それぞれの地域には医師と薬剤師とで構成される薬事委員会が設けられており、OTC薬とするか要処方せん薬とするかはそれぞれの委員会で決定されるのでその種類は地域においてまちまちだそうである。また客から医薬品に関する質問を受けたとき、どのような回答をするかということまでこの委員会で決定される。

医薬品価格は全国薬局公社が製薬会社と交渉して決定し、その維持につとめている。そして製薬会社が供給しえない医薬品情報まで伝達するようっとめているそうだ。

薬学部はリンネの創った癌物園で有名なウプサラ大学に1か所あるだけで、年間80人しか薬剤師は生まれない。薬学部を卒業して得ることのできる資格には2種類ある。一般教養課程を経た後2年間の専門課程を終えて調合士の資格を得ることができ、4年間の専門課程を終える事で薬剤師の資格を得る事ができる。スウェーデン薬剤師会は薬剤師と調合士の会である。

薬局内での仕事は薬剤師も調合士も全くいっしょで、ともに薬局の管理者となることもできるが、調合士は医師と対等の立場での情報交換ができない事、前記の地域における薬事委員会のメンバーに入れない事など、その活動範囲は薬局内に限られているようである。薬剤師の下で大勢の調合士やアシスタントが働くわけであるから、その埴位は大病院の医局長なみだそうだ。現在のところ薬剤師・医師・歯科医師の総数の実に70.8%が女性で、今後ますます女性優位の傾向にある。

薬局の総数は約850で人口10,800人当たり1軒の割合である。15〜20のファーマシーグループがつくられ、そのうちには1〜2軒の病院薬局がふくまれている。公社ができる前は町の薬局の割合が非常に高かったのだが、公社に接収後、コスト削減のため薬局過密地帯の薬局をつぎつぎと閉め、それを病院内やその近所に移設したそうだ。現在では薬局の1/3が病院内や病院の近所にある。また人口密度が極端に低いというこの国の特殊な情報を反映してか、僻地では雑貨屋などに処方せんを持って行くとそこに薬が届き、遠く離れた町の薬局までわざわざ出て行かなくとも薬を手に入れる事ができるシステムになっている。

公社内にはインフォメーションファーマシストを配置する情報部門、そして一か所でまとめて予製を行ったり医師からの特注製剤に応じるための製造部門が設けられている。予製や特注製剤はただ単に資金と労力と時間のむだ使いに終わることが多く、既成の製剤を使用した場合以上の効果を期待できることがまれなため、なるたけ控えるようにと医師に要請している。情報部門や製造部門が普通の薬局のなかにあるのか、それとも全くべつの施設内にあるのか、はっきりとは分からない。

とにかく全国薬局公社という世界的に見ても特殊な経営形態のなかで、かなり高度に薬剤師間の分業が進んでいるようだ。一つの理念と高い社会的地位と信用、安定した高い収入があって初めて可能となった事であろう。

3−4

レクチャーの後、市街の薬局へ。我々がおとずれたのは、16世紀にドイツ人薬剤師により開設されたApoteket Vita Bjbrn白熊薬局(3−4−a)で、現在では近代的な商業ビルの1階にある。偶然なことに昨夜タクシーから放り出されたのがこのビルの真ん前で、夜の11時というのに若者達で黒山の人だかりができていた。

要処方せん薬以外はOTC薬も含め、すべてセルフで販売されており、今回おとずれたヨーロッパの薬局のなかでは最もアメリカに近いという印象を受けた(3−4−b)。POSの導入によりアイテム数は極端におさえこまれている。来客者のうち25%が要処方せん薬の客でそのお客さん達がOTCやその他のお買い物もふくめ、実に全売り上げの75%をしめている。

約20人のスタッフのうち接客にあたるのはレジ兼OTCに1−2人と要処方せん薬に3〜4人で、あとはすべて製剤や情報活動(3−4−C)に忙しいそうである。

要処方せん薬販売カウンターはゆっくりと座って接客できるようになっており、客のプライバシー保全のため大きな間仕切りが設けられ、隣のカウンターに会話が聞こえないようにくふうされている(3−4−d)。日本で は「他になにか薬をのんでいませんか」などと気軽に客に質問する。ところがヨーロッパの多くの国では、法律でこのような行為は禁じられている。独特の接客カウンターは、客が自ら相談をもちかけやすいようにとの配慮 なのだそうだ。相互作用のチェックは、客からの要望が無い限り薬局側からは行えないということにくわえ、薬歴をとる事も禁じられている。プライバシー保全の法律にひっかかるからだそうだ。

ここまではまだよかったのだが、次に聞いた話には驚いた。「お客さんの話のなかから、もちろんお客さん自ら話された場合だが、相互作用の危険があると判断された場合、そのことを処方医に照合するか」の質問に「法で 照合することは禁じられている」との回答。「その結果事故が起こった場合の責任は」の質問に「処方せんにもとづいて正確に葉を客に売った場合、いかなる事故が起ころうともそれはすべて医師の責任であり薬剤師にはなんの責任もない。まちがった薬を売った場合は当然薬剤師の責任となるが」との回答。「処方せんによる正確な販売が行われた場合、いかなる事故が起ころうとも一切薬剤師には責任がない」ということだ。

我々一同唖然となった。我々が現在、日常業務のなかで行おうとしていることとあまりにもかけはなれていたからである。「何が分業先進地だ、日本の方がよっぽど進んでいるじゃないか」などと批判する人もいた。我々見 学者のあきれ顔にチーフの薬剤師は不機嫌な顔で説明を続けた。

1処方せん当たりの平均剤数は1.7剤。1枚の処方せんに3剤まで処方することができる。処方せん1枚あたりの客の負担額上限がきめられているので、客の経済を考えて最高3か月分まで処方することができる。負担額上限は確か90クローネだったと記憶している。ゼネリック(ゾロ品)への変換は認められていない。

白熊薬局での質疑応答は我々にとってたいへんショッキングなできごとで、その時点では私も、極度に神経質かつ合理的なスウェーデン人特有の気質のせいであろうと堅く信じていた。

3−5

見学を終えショッピングへ。ガラスぼりの土産物屋は通常鍵がかかっており、ガイドのまねきで店内に入れてもらう。日本人のみ25%offのフラッグがかけてある。「他の国の観光客が来る時はその国の旗を用意するのだろ うか、その時もやはり25%なのだろうか、本当に安いのだろうか」どうでもよい事をいろいろ考える。

まだしばらく時間に余裕があったので、店の槙にある地下鉄の駅に行って見ようと階段を降りた。ストックホルムの地下鉄の駅は1つの駅ごとに1人の芸術家がその演出をまかされたという事で有名で、その美しさは世界最長の美術館と称されている。

ところが期待はみごとに裏切られた。階段を5〜6歩降りた時に私が目にしたのは、なんと10数人の浮浪者の群れであった。世界最長の美術館に浮浪者の群れ、福祉大国スウェーデンに浮浪者の群れ。他の大都市ならば当た り前の光景ではあるが、期待が大き過ぎたのか私の頑は混乱気味となり慌てて今来た階段を引き返した。ああ、あんなところ見なければよかった。

市内のデパートでは、イースターを目前に卵型の菓子であふれ返っている。そのなごやかな雰囲気で白熊薬局での質疑応答や地下鉄の駅の事もなんとか忘れることができた。

夕暮れのなか夕食会場へと向かう。レストランは丘の上にそびえる塔の最上階にある。そこから見える景色のなんと美しいことか。森と海と湖と無数の島々、そこに生息する小動物たち。そしてその調和を決して乱すことな く約130万人の人々がここで生活している。人と人をつなぐように沢山の橋がかけられている。ネオンサインや流れる車のライトだけが、それが決してただの“つくりもの”ではなく“生きた郡市”なのだと言う事を教えてくれる。古来よりストックホルムが水の郡といわれているのもうなずける。

檻の中に雄雌一対のラットを入れて飼育するとどんどん増え、しだいにストレスなどのため皮膚炎で苦しむラットがあらわれだし、ついには増殖がぐんと悪くなるそうである。できすぎた話しだが、この恵まれた環境の国では先進国にしては珍しく出生率が上昇しているそうだ。あたりが真っ暗となったころ全はおひらきとなる。

タワーを下り、ガードマンにトイレの場所を聞く。“Where's the Restroom?”すると“I cannot speak English”という答えが返ってきた。旅行中トイレの場所を聞いて答えられない人はこのガードマン一人だけだ った。

ホテルにもどり昨夜同様Barへ直行。となりに座ったのはクラシックコンサートのためにノルウェーからやって来たという少女。チェロのはいった大きなケースをたずさえている。ヨーロッパ人は私が標準語と博多弁を使 い分けるように英語と母国語を使い分け、九州と関東・関西と行き来するように国と国とを行き来している。パスポート保有者は日本が全人口の10%なのに対しスウェーデンでは60%。日本の年間海外渡航者数は全人口の8 %であるのに対しスウェーデンでは航空機に限っても実に全人口の120%である。国際感覚において、我々日本人とはあまりにもかけはなれている。

3−6

4月11日AM4:30起床。あわただしく朝食をすませ空港へ。空港まで約40分のハイウェイを行きも帰りも暗闇の中。バスに揺られてうとうとしていると、かつてヨーロッパで暮らした事のある友人の話しを思い出した。 「日本の道路はくさ、50km/hのところは70km/hでちょうどよかろうが。ばってんゲルマン系の国行ったらそうはいかんっちゃんね。50km/hのところは50km/hで行かな本当に危なかもん。俺、曲りきらんで死ぬかとおもうたろうが。数字に対する考え方が目茶苦茶シビアーやもんね」彼は決して運転オンチの男ではない。フェアーリで六甲山を滑り下りたといっても不思議でないほどのスピード狂である。

車はいくら大切に使おうともあくまでも道具でしかない。安全につかえばとても便利だが。いくら正しく使おうとも、事故の可能性を常に秘めている。使用者本人のみその可能性があるのなら仕方のない事だ。しかしその危険性は、程度の差こそあれ地域で生活するすべての人々にかかってくる。車を用いるのはあくまで個人の責任だが、使用方法を間違えると自分はもとより他人の生命までおびやかしかねない。

ヨーロッパの人はその事をよく心得ているし、自分を大切にそして他人に迷惑をかけないために、車を正しく使うように心がけている。制限速度の定め方一つをとってもそのことが反映されているのだろう。薬に対しても同様である。地域の人々や医師や看護婦はその使用法に対してきわめてシビアーだろうし、それを用いる際のリスクについても充分認識していることだろう。

この国の薬局を批判する前に、この様な価値観の差にも目を向け、そして現在用いられている多くの医薬品がそのような背景をもとに生れ育まれたものだと言う事をよく認識する必要がある。

こう考えると昨日の白熊薬局の薬剤師の話しもなんとなく納得がゆく。絶対に事故の起こらぬ車がこの世にないのと同様、絶対に副作用の起きない薬などこの世にはないのだから。

スウェーデンボルボ社は、ドイツのベンツとならんで世界で最も安全な車を作ることで有名な会社である。事故が起こると直ちに現場へおもむき、その原因・結果・その対策について徹底的に調査研究する。車に欠陥がみつかればそれを公表し補修する。そして90年代に入ると“私達の製品は公害と騒音と廃棄物を生み出しています”という広告を行っている。

考え事をしているうちにバスはストックホルム国際空港に到着。SAS403便でコペンハーゲンを経由し、いよいよ薬局誕生の地ドイツを目指す。(つづく)

〔フレッシュさん紹介〕 生涯学習としての薬学 西支部 西部会 玄洋公民館主事 大内士郎

公民館主事という薬剤師らしからぬ仕事をしているせいか、他人からは変り者と思われているようです。でも、この仕事もやってみれば結構おもしろいもので、今は満足しています。私のところの公民館は、年間利用者が延べ3万人。そのほとんどが、女性と高齢者です。

薬剤師会も、卒後教育の充実に力をそそいでいるようですが、世間でも、女性や高齢者を中心にした“生涯学習”が花ざかりです。その学習意欲はすさまじく、サークル活動や講演会で狭い公民館はいっも満員です。特に高 齢者の学習意欲が高いのには肇かされます。高齢者の関心は、何といっても健康問題。とにかく健康でさえあれば「死んでもいい?」というぐらいですから、公民館でも各種健康講座が頻繁に開かれています。

私も薬剤師ということで、公民館の高齢者教室や婦人学級などに講師としてよばれることがありますが、講演内容はもちろん薬に関することが中心です。婦人学級など、女性が多い講座では、薬草の話しが一番人気があります。ゲンノショウコやドクダミなど、私たちの身近な薬草のスライドを見せながら、薬効や調製法を話します。興味を持って聴いてもらうためには、単に薬効の説明だけではなく、その薬草にまつわる話しを加えることが大切です。トリカブト殺人事件が世間を騒がせたころは、その話しだけで30分は時間を稼ぐことができました。

いろんな場所で薬草の話しをして気がつくことは、漢方薬と民間薬を混同している人が多いということです。それに、漢方薬についても長期連用をしなければ効果がないとか、漢方薬には副作用がないといった間違った認識 をされている場合もあります。

高齢者教室では、参加者の半数近くが、現在、薬を服用中といった状態です。ここでは自分の健康と、今服用している薬についての関心が高くなります。医療機関から薬をもらっできて服用している人の悩みは、薬の種類が多すぎること、どの薬をいっ服めばいいのかわからないといったことです。食前、食後、食間などの服用時間の違いも理解できていない人も多いようです。「薬が多すぎると思ったらどうしますか」とたずねると、ほとんどの人が「自分で適当に選んで服んでます」という答えが返ってきます。「お医者さんや薬剤師さんには相談しないんですか」と聞いてみると、相談しても良く説明してもらえないとか、うるさい患者と思われたくないとの答えです。このへんは、医療機関としても、考えなければならないことのようです。もちろん、本やテレビから得た中途半端な知識を振りかざして、うるさくわめきたてる人もいますが、一般的にはまだ患者さんは、弱い立場であることの方が多いようです。

私が、公民館で毎日多くの人と接していて感じることは、かなり薬不信の人が多いということです。私は薬剤師の資格は持っていますが、患者さんとは直接の利害関係がないせいか、薬に対する相談を良く受けます。薬を持ってきて「この薬は服んでいいでしょうか」というのが一番多い質問です。薬の種類はベればわかりますが、服んでいいとか悪いとか、答える立場ではないので困ってしまいます。

とにかく、お医者さんの指示どおりに服んでみて、調子が悪ければそのことをお医者さんに話してみて下さい、とだけ答えることにしています。このことからも、患者さんと医者、薬剤師の会話が少なすぎるのではないかと想像されます。薬剤師は技術系の職業ですから、比較的無口な人が多いように感じますが、患者さんと接する時は、もっとオシャベリになって、打ちとけた会話が交わせるようになる必要があるのではないでしょうか。

私の現在の仕事は、直接薬と関係したものではありませんが、薬剤師の資格を持つものの一人としての責任は果たしていきたいと考えています。

※ちなみに大内さんは福大の4回生。本人も書いているように薬剤師のライセンスでお給料をもらっていないのだから、私も変り者だと思っている。どうして玄洋公民館の主事さんがフレッシュさんなんだろう?と、皆さん に疑問を持たれるといけないのでご紹介します。

今回、学校薬剤師として久し振りにライセンスを使ってくれることになり、B会員で入会してもらったのです。

〔フレッシュさん紹介〕 フレッシュさん紹介に寄せて 中央支部 春吉部会 太陽薬局勤務 富田和音美

災難(?)は突然やってくるもので、それは天気の良い、暖かい昼下がりのことでした。みんなが多分そうだと思うのですが、このコーナーは私にとって見るものであって書くものではなかったのです。「趣味のことでも何でもいいですよ」という電話の優しい声に断りきれず、つい請負ってしまいました。慌てる私にみんなは気楽なもので、「載ったら見せてね」などと調子の良いことを言っている。小学生の頃より作文は大の苦手で、その文才は全く成長するところを見せず、未だにへタクソそのものである。しかし受けた以上は書かねばならないので、皆さんしばしこの新人のひとり言につきあって下さい。

私は去年の4月に、ずっとOTCだけをしていくことに不安を覚え、調剤を勉強しようと勤めていた薬局を辞めました。市民病院で臨時で働いた後、太陽薬局に入社しました。

OTCを辞めるまでは調剤薬局といえば、医師の処方通り薬を揃えて患者さんに渡すということだけを繰り返すと思っていましたが、入ってびっくり、その奥の深さに驚きました。医療人として薬剤師がどういう役割を果たさなくてはいけないか、それがいかにやりがいのあることかを教えられ、今まで自分の職業について何て知らなさすぎたのだろうと思いました。それまでは薬剤師という職が私にとって今一つ魅力的なものではなく、やりがいを感じることができずに「私は薬剤師にあっていないかもしれない。看護婦を目ざせばよかったのでは」とか、「頑張って医者になればよかった」などと思って混沌としていました。

折しも世は医薬分業が進みゆく頃、私はなんてラッキーな時代に薬剤師になれたのだろう。同期の友人の中には、昔の私と同じように薬剤師としてやっていくことに疑問を抱いている者が決して少なくありません。しかし薬剤師こそ、これから一番可能性をのぼせる職業ではないでしょうか。これからの薬剤師の立場が医療の中にどのように生かされていくか、それは今の私たちの頑張りしだいだと思います。

これからは面分業の時代、地域医療の充実のためにも、複数の病院の医師や看護婦と薬剤師の勉強会やカンファレンスをどんどんしていけば、と思います。

私はいまようやくスタートをきったばかり。先はまだ長いけれど、一つ一つ積み上げていきたいと思いますので諸先輩方、よろしくお願い致します。

いまいづみ日記

○今号の『私と薬』は、福岡県保険医協会の講演で、たいへんお世話になった学術担当の小寺先生です。後日、医薬分業について先生が機関紙に投稿された次のようなコラム『ちょっと一言』を送ってくださいました。
 皆さんは開局薬剤師として、どのように読みますか。

○32ページの代議員一年生さん。代議員会に会営業局の件が提案されなかったのは、じつは理由があるとですよ。平成5年度の予算案に会営薬局関係の予算が一緒に計上されていたら、すんなり予算が通ったと思う?もしも通らんやったら、職員さんのお給料も払えんようになるとよ。
 執行部で作成した会嘗薬局予算案には、返済金など方針に未確定の要素が多かったとです。そこで、そんなことになっては大ごとと思われた藤原監事が、「会営薬局の予算は本会計から外して、臨時代議員会で提案した方が良い」とアドバイスされたとです。ふつうは監事というと会計監査を思い浮かべますが、それだけじゃなかとですねェ。執行部のすることなすこと全て監査するとが、監事さんの役目とか。
 定款には、『監事は民法第59条の職務を行う』と、わずか14コの文字が並んでいるだけやったけど、この14文字は中々ですよ。

(市薬理事12年生)

■■トピックス■■ 市薬学術委員会

生まれる前から治療開始

胎児診断の進歩に伴い、出生前治療の時代へと入りつつある。

1.先天性副腎過形成 2.Vitamin B12代謝異常 3.フェニールケトン尿症の母が出産する場合 4.糖尿病母が出産する場合 5.不整脈などが、主な例である。

胎児に対する薬物投与の報告は、ホルモンなど欠損物質の経胎盤的投与、フェニールケトン尿症母に対する低フェニールアラ二ン食事療法、妊娠早期からインシュリンによる高血糖のコントロール、胎児不整脈に対してはシゴキシンの母体経口投与や静脈注射、経胎盤的投与、胎児の復水内への注入、超音波ガイド下に胎児の血管内へ直接授与する方法が考案されている。

胎児の薬物療法は幾つかの領域で開始されてはいるが、臨床応用としては持続性頻脈性胎児不整脈に対する体内治療の領域が現時点においては最も実用化が普及していると言える。がこれにおいてすら投与薬剤選択、投与方法など多くの問題を残している頻脈発作の例を除けば、より早期からの治療開始がより確実な治療効果と関係しているらしい。

VOL29,NO.31993JJSHP

老人と食道異常

嚥下運動は食魂を口腔から胃まで運搬する一連の運動で、口腔期(随意運動)→咽頭期(反射運動)→食道期(蠕動運動)からなっているが、加齢が進むにつれ嚥下機能は低下する。嚥下運動は連続的に起こる一連の運動であり、異常が考えられる場合にはビデオ記録を用いた]線透視検査によって詳細に分析する。

1)嚥下運動の老化による異常

神経細胞は80才になると20才に比べ37%に減少すると言われ、神経系の機能低下による運動機能障害は無視できない。また、食道の粘膜、腺組織、筋組織も40才から徐々に萎縮傾向が始まる。

2)嚥下障害を起こす疾患

脳血管障害、各種の食道損傷・浪瘍、食道憩室、下咽頭癌、食道癌、甲状腺癌、などがあり、確定診断が必要である。

No26 美蕾

HTLV−Iと民族疫学

「日本は世界でもATL(成人T細胞白血病)が最も好発している国であり、国内のHTLV−I(ヒトT細胞白血病ウイルスI型)キャリアの半分以上が九州地方に分布している」ということは以前、市薬の勉強会でも聴いた記憶があり、ご存じの方、関心のある方も多いと思う。

HIVがリンパ球を破壊するのに対し、HTLV−Iはリンパ球を変異・増殖させて血液の癌を起こす。HIVの感染者のほとんどがAIDS患者になると考えられているのに対し、HTLV−Iに感染して血清抗体が陽性になったなかでの発生率は、HTLV−Iキャリア1,000〜2,000人につき年間1人程度である。平均年齢が55才前後であり、高年齢になって発病するのが一般的である。したがってキャリアであってもATLにかからずに一生過ごす人が多い。

ただし、発病したら、いまのところ治療のてだてはない。

HTLV−Iの主要な感染経路は、(1)母乳を媒介とする母児感染(2)精液を媒介とする男性から女性への性行為感染(3)輸血による感染の3種である。また長期間に渡る接触により感染が成立すると推測され、それは遺伝に近い感染経路を持つウイルスを意味している。

将来のHTLV−Iキャリア率は献血者の統計およびシミュレーションから、急速に減少するものと思われる。

医学のあゆみ 4月第1土曜特集

 

 

[広報]

城南支部だよりから

城南支部では、会員間の相互理解や情報交換などに役立てるよう、パイプラインたらんと、「支部だより」を発行しています。まだNo.3ほどで、始まったばかりですが、ここにその一部を紹介します。

日 時
平成5年3月5日
場 所
「松幸」
出席者
栗田支部長、合澤市薬専務理事
小林副支部長、瀬尾杜保委員
笹野組織委員、松島薬局委員
坂田広報委員・会計

(1) 市薬予算編成における諸問題について合澤専務からの報告
  1.歳出増について
   (1) 広域病院の院外処方.せんにかかわるFAX設置による経費増について
   (2) 会営薬局の建設準備金について
   (3) その他
  2.歳出増に伴う対応について
   (1) 広域病院の院外処方せん応需薬局柱よる負担案
   (2) 特別会費の値上げによる案
   (3) 一般会費の値上げによる案
   (4) 現在の予算の洗い直しについて

コメント:
現在の所、市薬理事会で原案を検討中なので踏み込んだ意見の交換が出来なかった。しかし、歳出増に伴う会員のなんらかの負担はまぬがれないようである。

(2)福岡大学病院の院外処方せんについて
 現在迄の所、何度か病院側と話合いが持たれたようであるが、具体的な点については、まだ進展していません。

コメント:
福大病院との交渉は、市薬理事.会で承認された医薬分業推進プロジェクトチームが当たっています。後日、具体的な事業の進展に伴って当該地区の、会員による作業チームを組織する必要があると思いますので、ご協力の程お願いいたします。

(3)県薬・市薬代議員の改選について
 今年の4月末日で代議員の改選となります。県薬:2名 市薬:4名の定数です。代議員会へ積極的に参加されたい方はお申し出下さい。
 尚、今年度から城南支部の市薬代議員は、1名増の4名となりました。

(4)城南支部の運営スケジュールについて
 ◎定例支部総会は市薬代議員会の後に開催する。5月頃の予定
 ◎地区のドクターに講師をお願いして、生涯教育の勉強会を昨年にひきつづき行う。
  一応、4月頃を予定
 ◎薬剤師会未加入者の勧誘について

(5)各担当委員からの報告
 ☆瀬尾社保委員:九大病院処方検討会についての準備活動などで多忙
 ☆笹野組織委員:会長選挙規定案作りと一部定款改正の仕事
 ☆坂田広報委員・支部会計:市薬ジャーナルの原稿集めや構成の仕事
  現在、城南支部会計残高は約120万程あります。
 ☆松島薬局委員:今年度で更新の基準薬局の認定について協議中

 今回から、“支部だより”を作成することにしました。少しでも会員のコミュニケーションにお役に立てばと思っています。

(No.1平成5年3月10日発行 文責:松島)

  

【トピック】

(1) 前回の“支部だより”でも報告しましたように、市薬剤師会の運営事業がいままでのように、一般会務や継続事業だけではなく、新たな特別事業がでてきています。我々も、それに対応する姿勢が必要ではないかと思います。4月下旬に予定されている代議員会まで充分検討されんことを望みます。

(2) 『薬局の開設者は、医療の担い手である薬剤師であることが望ましい。』と、一般新聞紙上や業界新聞等で報道されました。このことはすでに御存じのことと思いますが、先般、厚生省薬務局企画課から出された〔薬 局業務運営ガイドライン(案)〕にそったものです。これは、薬局が患者本位の良質な医薬分業を進め、地域住民の「かかりつけ薬局」として地域保健医療に貢献するため、薬局の業務運営の基本的事項を定めたものです。薬事法、薬剤師法と相まって、今後の薬局のあり方、方向性に大きな影響を与えるものと思われます。いま一度、我が薬局のあり方を考えてみたいものです。

(3) 国立福岡中央病院からのFAX分業も満2年を過ぎました。会員相互のご努力によって、患者さん並びに地域に、着実に定着しつつあると思います。
 つきましては、これまでの購入医薬品のデッドストック情報・処分売買を行いたいと思っています。別紙の表にご記入の上、ご提出をお願い致します。

(4) 今後、支部活動が大きなウエイトを占めて来る可能性があります。幸いにも、城南支部会員数は40名弱(勤務薬剤師を含めて50名前後)と非常に纏まりやすい人数です。これからの面分業に備えて、会員間の互助と一層の親睦を図ることが出来ればと思っています。

勉強会、研修会、親睦会などご意見がございましたら支部長・副支部長までご一報ください。

(No.2平成5年4月5日発行 文責:松島)

  

【広報よりお願い】

毎日といってよい程、新聞紙上で目に止まる「AIDS」の記事、ご覧になられてありますでしょうか?

「Stop the AIDS」のもと、私達、薬剤師にも何か出来ることはないかと思い、「薬局で出合ったAIDS」と題して、広く情報を集めようと企画しています。

『店頭にてこんな質問を受けた。』で結構です。

お客様、患者さんとの接客の中で、AIDSに関する情報、ご意見がありましたらお聞かせ下さい。

又、現在なくても、これからチョット気をつけられて、集めて頂けませんか。宜しくご協力をお願い致します。

H5年3月15日
TEL、FAX(841)2173
市薬広報委員:坂田

城南支部研修会報告

場 所
城南市民センター
日 時
4月15日(木)
出席者
28名
講 師
広瀬泉先生
昭和27年 長崎医科大学卒
  35年 同大講師
  38年 山口県立中央病院
  49年 済生会福岡病院
  57年 城南区別府の現在地で開業
演 題
「老人性白内障」

平均寿命の延長・老人人口の増加に伴い今後ますます増えてくる眼疾患の一つです。水晶体の中心部が黄色く腐った状態を白内障といいます。歳をとるにつれて徐々にふえてきます。老年者の発生率をみると60代70代80代と65%、80%、ほぼ全員が白内障になります。眼科で白内障があるといわれて驚かれた方も多いとおもいますが、70代以降では白内障になるのが一般的で、全く水晶体の淘ってない人は少ないのです。見えなくなると想像しがちですが、手術をしなければならないほど進行する人は、70歳以上の6〜7%すぎません。1年間に約20万人が白内障の手術をうけ、視力の回復が望める疾患です。過去40年のあいだに手術の進歩は目をみはるものがあり、大きく3回かわりました。全く感無量です。

(文責 支部長 栗田邦彦)

お詫びと訂正

会報 第51号 P29
5行目 itcyy → itchy(かゆい)
12行目 Tt → It

   第52号 P36
訃報 勝野秀夫先生 → 季夫(スエオ)先生です。

読者の方に指摘されるまで気が付きませんでした。締切間際に大慌てで送った原稿は、やはりミスが多いですね。申し訳ありません。

(橋口)

お詫びして訂正いたします。

第28回 社団法人 福岡市薬剤師会 
通常代議員会(通算第56回総会)

日 時
平成5年4月24日(土)午後1時30分
場 所
福岡市中央区今泉1丁目1番1号
福岡市薬剤師会館講堂
出席者
三津家会長、細井、松枝、長谷川各副会長、山口、中島、小野、篠崎、木原各常務理事、市花、城戸、成澤、鶴原、藤田、国武、松島各理事、藤原、豊福各監事

代議員

東 支 部
松井昌也、馬場正任、藤野哲朗、永田静香、仁田脇三朗
博多支部
高杉正典、深江昭夫、向井光佐子、冷川宴、岸田秀明、市原和郎、河辺利也、蔵元良行、山本幸男、吉田徹、森川公雄、田中伸一
中央支部
光安龍彦、下瀬和俊、副島恒夫、勢島充、樋口昌嗣、戸田重雄、山手陽一、西森基泰、遠藤誉理男、川上繁、平島久美夫
早良支部
清水達三、野田靖夫、本村精也、橋 口扶佐子、南島敏彦、有馬純
城南支部
栗田邦彦、小林智、浦野満津代
西 支 部
吉田斌、中野勝郎
南 支 部
大庭秀臣、木村英樹、石田和長、岩佐周一郎、吉田邦夫、有田俊雄
勤  務
四宮国臣、唐沢博順、中尾泰正
来  賓
荒巻県薬会長
穂崖下福岡市衛生局長
成国福岡県薬務課長
久保田市議会議員

開会あいさつ 松枝副会長
会長演述要旨

本日はお忙しいなか、ご来賓の先生方には社団法人福岡市薬剤師会の通常代議員会にご臨席を賜わり心より御礼申し上げます。

さて、平成4年度は西日本地区における広域病院の勇をなすところの九州大学病院、また国立南福岡病院と2ヶ所の広域病院からの院外処方せん応需が新たにスタートしました。これで平成2年からの国立福岡中央病院と合わせて3広域病院からの院外処方せんを応需していくことになりました。ことに国立の2病院につきましては、門前薬局と称される施設もなく100%面で、それもさしたるトラブルもなく受けている点は大いに自慢できるものだと思っております。これも会員の皆さまの大変なご苦労とご努力によって成しとげられたものであり、心より感謝致しております。

また昨年来、懸案となっておりました百道のモデル薬局問題につきましては、本日お見えになっている衛生局の穂屋下局長、市会議員で市薬顧問をお引き受けねがっている久保田先生には大変なご支援を賜わっております。 また、県薬務課長の成国先生、県薬の荒巻会長、石井道子参議、太田誠一衆議にもご指導ご協力くださる旨お約束をいただいております。ガイドラインにもありますような、福岡市薬剤師会として誇れるようなモデル薬局にしていきたいと考えております。

後ほど代議員の先生方には、報告事項や議案事項など種々ご提案申し上げます。何とぞ充分なご審議をいただきますようお願い申し上げます。

1.来賓祝辞
桑原福岡市長(代理 穂屋下衛生局長)
成国福岡県薬務課長
久保田福岡市議会議員

荒巻県薬会長祝辞要旨

祝辞になるかどうかはさておき、一言ごあいさつ申し上げます。

銀行が、調剤薬局業界は企業が参入するための成長産業であるとの市場レポートを出している。まず第1に、医薬分業は厚生省主導のもとに着実に進展していくこと。第2に、現在の調剤薬局のほとんどが、個人の病院を対象にした門前型の零細企業であることなどを挙げている。全医薬品のわずか16%を占めるにすぎないOTC薬によって、薬局だけでなく薬種商や配置販売業も生計を立てている。福岡県の場合分業率30%として、70%の医療用医薬品のパイがまだ手付かずの状態にあるわけであるから、大手企業がだまって見過ごすはずがない。国が分業に救いの手を差しのべてくれている現在、開局薬剤師はそれを受けるか、受けないか、その選択をせまられている。

さいわい福岡県の場合は、それを支援する体制は充分に整っており、意欲さえあれば全会員そろって進んで行けるものと信じている。ただ、日本全国を見た場合は、残念ながら脱落者もでるだろうと危惧せざるをえない。

高齢化社会においては「かかりつけ医」が必要であるように「かかりつけ薬局」も必要となってくる。たとえ大型企業が参入してきても、かかりつけ薬局たる開局薬剤師は、必ずや国民が必要とするはずである。

市薬が進めようとしている会営薬局は、利益を生まない薬局であり、将来構想としてはとても立派で支持するが、いま建てるべきかどうかは一考をお願いしたい。

九大問題については、県薬はお金は出したがやはりこれは福岡市薬の問題である。今までに県薬が各支部の医薬分業事業を支援してきたのは、国立小倉、若松地区そして九大であり、これはそれぞれに画期的な意味あいがあったからである。九大問題を支援したのも、福岡市薬の分業を支援したものととらえている。

九大応需薬局を二人薬剤師で選別したことに批判があるのは承知している。基準薬局は対内的な規約であるから、少々ゆるめでも許されるが、九大については対外的なものであるため、トラブルは許されないとの観点から厳しくした。了承いただきたい。

FAX分業は将来的には廃止する方向で進みたいし、備蓄についても私の在任期間中に何とかスムーズに行くように卸に申し入れをしたい。

言いにくい事も言ったと思いますがお許しいただき、充分なご審議をお願いいたします。

1.正副議長選挙
  仮議長 高杉正典代議員
  議長立候補者 大庭秀臣代議員
  代議員会承認。副議長については立候補者がなく選考委員制で選出。
  議長  大庭秀臣代議員
  副議長 樋口昌嗣代議員

1.議事

議事運営委員会より提出された日程にそって、議長大庭代議員、副議長樋口代議員により進行されることになった。大庭議長「まず議事に先だち、物故者のかたがたに弔意を表し、一分間の黙祷をささげる。本日の出席代議員は62名中46名。よって今代議員会は成立する。なお質問は報告および議案事項について各項目毎に受け、一括しての質問は受けないものとする」。

議事録著名人 吉田斌代議員、冷川襄代議員

「11月の臨時代議員会で細井副会長より提出されていた副会長の辞任願いは轍回されている。また継続審議になっていた、(1)選挙規定の件(2)定款改正問題(3)会営業局の件については次回の臨時代議員会に上提させていただきたい旨、執行部よりお願いが出ているので承認されたい」。

〔1〕報 告

第1号 平成4年度会務並びに事業報告  三津家会長

1 一般会務関係事項

(1) 会員数 平成4年3月末現在 890名
       平成5年3月末現在 927名

  (内訳)薬局496、一般販売業112、薬種商4、勤務その他260、賛助会員33、C会員22

部会数・人員数

  平成4年3月末現在
   東支部5部会84名、博多支部10部会124名、中央支部7部会118名、
   城南支部3部会37名、早良支部5部会70名、
   西支部3部会41名、南支部5部会78名
   計38部会 552名

保険薬局数 会員423名

(2) 会議

  通常代議員会、総会(各3回)
  顧問会       1回
  三役会       7回
  理事会       12回
  常務会       9回
  支部長会      8回
  部会連絡協議会   1回
  流通対策協議会   1回 
  監事会       1回
  委員会
  組織委員会     8回
  薬局委員会     5回
  急患委員会     11回
  社保委員会     14回
  学術委員会     5回
  広報委員会     10回
  薬局実務研修委員会 2回
  情報管理委員会   12回 

(3) 高齢会員、還暦会員祝彰

  高齢会員
  岸田清輝(91)、松村定雄(91)、藤ヲサム(86)、工藤菊江(85)、
  尾崎松夫(85)、大黒隆男(84)、村上タカ子(84)、勝野季夫(84)、
  武田準一(83)、清水貞知(82)、三根孫一(82)、富安あやめ(81)、
  瀬上留治郎(81)、副島恒夫(81)、亀崎バツエ(81)、藤田脾(80)、児島豊(80)
  還暦者・該当者なし

(4) 表彰関係

  藍綬褒賞
    平成4年4月 小松眞佐雄
    平成4年11月 荒巻善之助
  九州山口薬剤師会長賞
    平成4年10月 木村英樹
  福岡県知事賞(薬事功労)
    平成4年10月 大黒隆男
           金山一彦
           大黒隆博
  福岡県知事賞(公衆衛生功労)
    平成5年1月 細井徹一
  福岡県教育委員会貿(教育文化功労)
    平成4年11月 堀江秀男
  福岡県学校保健会長賞(学校保健功労)
    平成4年11月 有田俊雄
  福岡県公衆衛生協会理事長賞
    平成5年1月 山手嘉子
  福岡市教育委員会賞
    平成4年11月 松尾英
  福岡市学校保健会賞
    平成4年12月 藤野嘉道

(5) 会員及び家族に対するお祝、見舞金

  1)結婚祝金
    槙野徹
  2)会員死亡見舞金
    藤原垂徳、岸田清輝、富安あやめ、松村定雄、勝野季夫
  3)会員家族死亡見舞金(配偶者、一親等)
    古賀隆、蓑田正和、青山敏信、仲上一成、田添喜久子、
    江崎香苗、小松至誠、大庭久光、藤原良春
  4)傷病見舞金
    員島圭次、小松貞佐雄、山口博

(6) 研修事業
  1)学術研修会   5回
  2)薬局研修会   2回
  3)漢方研究会   3回
  4)薬物療法研究会 3回
  5)薬局実務研修会 2回
  6)処方検討会   4回

(7) 親睦事業
  第13回ソフトボール大会
  日 時 平成4年11月8日(日)
  参加者 120名
  場 所 武田薬品工業グラウンド
  支部対抗戦 優勝 城南支部

(8) 試験センター業務
  1)市立学校飲料水水質検査(年3回229校)
  2)簡易専用水道施設検査(186校)
  3)県立高校プール水質検車(年2回25校)
  4)福岡県医薬品計画試験(検体数89品目、試験項目302項目)
  5)目薬統一試験(カンゾウ中のグリチルリチン酸の定量、イミプラミンの定量、
   イミプラミンの洋酒溶出試験、ユタクリン酸の定量、酸化マグネシウム中の鉄試験)
  6)酸性雨の観測

(9)広報活動の強化
  広報活動には、対内的なものと対外的なものがある。
  本年度はこの活動を充実させるため、委員会制度を発足させた。
  1.対内的活動
    会報は隔月に年6回発行。
    内容充実のため、各種特集記事や座談会などを企画し、学校薬剤師活動も紹介した。
    また、会報の名称を「市薬ジャーナル」に変更することで、より薬剤師会および薬剤
    師職能をアピールする手段として会報への充実発展をはかった。
  2.対外的活動
    委員会が組織されたのを機に、広報活動を推進していく上でマスコミ対策の必要性を
    感じ、「医療担当記者との懇談会」を初めて開催した。
    結果、西日本新聞には学校薬剤師活動が、そして、朝日新聞には「FUSAKOさんの英会
    話」が紹介された。また、消費生活センターから「薬の正しい知識と使い方」、福岡
    県保険医協会からは「インフォームド・コンセント医薬分業」についての講演依頼な
    どがあった。


2.重点事業報告

来るべき高齢化社会に対応すべく昭和23年施行以来41年振りに抜本改革された医療法の改正に依り、診療報酬改定、薬価基準改正、又再販制度の見直し等々、薬業界、薬剤師全、薬剤師にとって大きな変革期を迎えるに至った。

特に医療法改正においては、薬剤師が医師、歯科医師、看護婦と共に医療を担う一員と明記された事は、我々薬剤師にとって大きな意味を持つ事になり、その業務に新たな変革を持たらし、その社会的責務は一層大きなものとなった。

市薬に於いては現在進めている医薬分業を地域医療の一環として位置づけ、これを主事業として推進、特に面分業の促進に重点を置き、その応需に対する薬局、薬剤師研修を実施、広域病院の処方せん発行に対応し、市薬の基幹事業として再確認される結果となっている。平成4年9月より院外処方せん発行に踏み切った九大病院に対しては市薬全員95薬局が応需し、又、市薬の事業として国立中央病院に引き続き、平成5年1月より国立療養所福岡両病院の院外処方せんが発行され、更に今後ここ数年以内に新たなる広域病院よりの発行が予想される。これに対して医療を担う一員としてその応需体制の確立に更に努力しなければならない。

処方せん応需の最大の要件である研修は、市薬としては学術、薬局、杜保の各委員会は勿論、各院外処方せん発行病院の研修等が続き、ほとんど研修漬けと云った状況であり、会員各位の努力に感謝すると共に今後に向っての力強さを感じるものである。

一方、OTC薬品販売は調剤と共に薬局の主業務であるが、再販制度の改正によりその存続が激しくなり、その経営は益々深刻な要素を加えつつある。これに対して薬局委員会を中心に漢方講座等の研修を行い、又商組と連係して販売価格、流通問題、又県商組が積極的に推進している医薬品券事業、ヘルスギフト券事業等と協調しOTC薬局の活性化に寄与して来た。

  


第2号 第68回(臨時)第69回(通常)福岡県薬剤師会代議員会報告

1.第68回臨時代議員会

  日 時 平成4年6月27日(土)午後2時30分
  場 所 福岡県薬剤師会館
  議 題 議案第1号 平成3年度歳入歳出決算認定の件
      議案第2号 平成3年度収益事業決算認定の件
       平成3年度決算(平成3年4月1日〜平成4年3月31日)
       歳入金  159,952,940円
       歳出金  135,509,698円
       差引残額  24,443,242円

2.第69回通常代議員会

  日 時 平成5年3月28日(日)午前11時
  場 所 福岡県薬剤師全館
  議 題 報告第1号 平成4年度会務並びに事業報告
      報告第2号 日本薬剤師会第73回臨時、第74回通常代議員会報告
      報告第3号 平成4年度歳入歳出中間報告
      議案第1号 平成5年度事業計画決定の件
      議案第2号 平成5年度会費決定の件
      議案第3号 平成5年度歳入歳出予算決定の件
      議案第4号 借入金限度額決定の件
       平成5年度 歳入歳出予算(案)171,567,000円
             借入金限度額    50,000,000円

  


〔2〕議 案

第1号 平成4年度歳入支出決算認定の件 細井副会長









第2号 平成5年度事業計画決定の件 細井副会長

平成5年度 事業計画(案)

さきの国会で成立した第二次医療法改正において薬剤師は医療の担い手として明記され、その責務の厳しさを問われると共に厚生省に於いて薬局業務運営ガイドラインが検討されつつあり、我々は薬剤師として、又薬局業務にたずさわる者として大きな変革期を迎えようとしている。

現在院外処方せんが発行されている広域病院は、国立中央・九大・国立南病院等であるが、今後相次いで院外処方せん発行が加速され新しい展開を迎えようとしている。

一方、昨年4月の再販制度の段階的縮少の公示により第一段階として抗ヒスタミン剤等の10品目が削除され、価格維持が困難となりOTCを主とする薬局経営にも重大な影響を及ぼす事が予想される。この変革期にあたり市薬では、地域住民の信頼を保持するため、地域医療計画への参加を通じて医薬分業、OTC医薬品の販売、在宅医療計画への参画等により薬剤師法、薬事法、医療法、保険法に基づく真の薬剤師職能の確立を求め、面分業の推進、地域医療への参加を通じて薬局経営の安定化に努める。又、これらの事業計画を実現、支援する為、現在会嘗モデル薬局建設計画を進めている。今年度末までに完成の予定であるが、建設費その運営に関する問題、建 物、土地購入金返済、市供給公社、九宅協、又地元住民との話し合い等、多くの困難をかかえている。

今後充分協議の、検討の上慎重にこの計画を進めなければならない。

以上の認識のもとに本年度の事業推進を図りたい。

1.組織(支部、部会)の強化
 (1) 各支部の支部規則、部会別の収集・把握
 (2) 組織強化の具体案の検討
 (3) 全員相互の親睦
 (4) 定款・細則、所規定の整備及び選挙規定について
 (5) 会員拡大について
 (6) 商組活動への支援、援助
2.薬局業務の充実
 (1) 基準薬局の育成
 (2) 福岡市健康週間、各区健康フェアーへの協力、参加
 (3) 薬局製剤の活用
 (4) 各種研修会の実施
3.医薬分業の推進
 (1) 医薬分業の推進と備蓄薬品管理体制の強化
 (2) 保険業務の連絡と指導
 (3) 支部三師会活動への支援
4.研修事業の充実
 (1) 学術研修会及び薬局業務の充実に必要な研修会の実施
 (2) 初任者向実務研修会の開催
 (3) 県薬研修会への協力
5.地域医療への参加と職能の高揚
 (1) 福岡市、地域保健医療計画への参加と協力
 (2) 公的委員会、協議会への参加と協力
 (3) 学校保健活動、公衆衛生、薬物乱用防止活動強化への協力
 (4) 市立急患診療センター業務への協力
6.試験センター業務の拡充
 (1) 学校保健法施行規則第22条の2第1項による検査事業の実施
 (2) 水道法第34条の2第2項による事業の実施及び簡易専用水道検査貞の増員
 (3) 医薬品試験に関する厚生大臣指定機関としての医薬品試験の実施
7.広報活動の強化
 (1) 対内的活動 会報“市薬ジャーナル”の充実、他
 (2) 対外的活動 マスコミへのアプローチ、他
8.会営モデル薬局の建設
 (1) 会営薬局検討委員会の設立
 (2) 会営薬局建設期間中における諸問題の解決
 (3) 会営薬局完成後の利用計画、運営計画の検討


第3号 平成5年度会費決定の件 細井副会長

平成5年度の会費、入会金は次のとおりとする。
(1) 会費   A会員(薬局、一般販売業、薬種商等)年額 81,000円(県薬会費37,500円)   B会員(勤務、その他)       年額 30,000円(県薬全員18,000円)   C会員               年額  8,000円 (2) 入会金   A会員 保険調剤薬局   500,000円(県薬入会金50,000円)       その他のA会員  250,000円(県薬入会金50,000円)   B会員           20,000円(県薬入会金10,000円)   C会員          なし


第4号 平成5年度歳入歳出予算決定の件 細井副会長




  


質疑要旨

光安代議員提案

(1) 台澤専務理事に辞表を撤回してもらいたい。専務不在では議案も審議のしょうがないのではないか
(2) 辞表は受け取られたのかどうか

冷川代議員

 議長説明があった選挙規定の先送りは、私の専務理事時代からの懸案事項だ。執行部はもっとしっかり対応してほしい。福大の進展状況と両病院にかかっている経費は?11月の臨時代議員会で1億円の返済計画を本代議委員会に提出されるはずであったが。

三津家会長

 1億円の返済は平成7年からになっており、8月か9月に臨時代議員を開催する予定のためその時に上接する。
 福大病院については執行部に具体的な話の段階まできていたが、大学側の状況が変わり現在は凍結状態にある。南病院は全面発行という話だったが、現在30枚程度は発行されている。

冷川代議員

 南病院の経費はいくらかかっているのか。会営薬局のその後の取り扱いは?

三津家会長

 福岡市より1,000万円の補助はお約束いただいた。県と国からの補助は9月頃確定するので、会営薬局委員会で運営方針も含めて慎重に協議していく。

細井副会長

 南病院は薬剤師3名で人件費が98万円、FAXその他で80万円かかっている。

小野常務理事

 年間700万円くらいです。

栗田代議員

 そうすると1枚あたり1,000円ぐらいになりますね。

高杉代議員

 南福岡病院からのFAXで特定の薬局に患者を誘導した事実があるかどうか。

三津家会長

 絶対にありえない。

高杉代議員

 南福岡病院は南支部か、市薬かどちらが担当されたのか。

小野常務理事

 実務は南支部にお願いしたが、報告はきちんと市薬が受けている。

吉田徹代議員

 会議費320万を予算に計上されているが、会議回数31回で割るとおよそ1回10万円になる。大体どのような会議をされているのか。常務会とは何ですか。

三津家会長

 何回も理事会をするのは大変であるので、常務会で原案を作って、理事会で検討とするようにしてきた。

吉田徹代議員

 会議費が180万の予算に対して、320万もかかっている。もう少し詳細な報告をして欲しい。

三津家会長

 会計について報告するとなると、1時間位かかるがよろしいか。

光安代議員

 会の運営についての情報は公開されている。後はど確認されたらどうか。

冷川代議員

 九大の院外処方せん発行枚数は?

吉田斌議員

 九大は県薬の事業のはずだ。市薬で九大処方検討会が開催され、出動費が使われているのはおかしい。

小野常務理事

 3,000〜3,500枚。これは恵愛団さんも含んだ枚数であり、およそ80%を福岡市で受けている。九大処方検討会はまちがいでこ処方検討会となっている。

本村代議員

 1億円の返済も含め、会営薬局問題など大変重要な議案が全て先送りされているが、それでよいのか。

三津家会長

 会営薬局問題は補助金のはっきりしないものを予算化したのは、私のミスでした。9月に補助金がはっきりした時点でご相談申しあげたい。

冷川代議員

 はっきりしていなくても方向性だけはきちんとするべきだと思う。.このままでは、また11月の臨時代議員会と同じことを繰り返すことになるのではないか。

三津家会長

 申し訳ないが、今しばらく猶予をいただきたい。

清水代議員

 9月の臨時代議員会では、補助金と会嘗薬局の運営益でまかなうことで可決されていた。11月にはわずかの差で可決されたが、その時は予算についての議案は否決された。このままでは会費の大幅な値上げが予測されることに大きな不安を感じる。9月、11月と状況が変化したにもかかわらず、そのまま進められれているがどのようにお考えか。

三津家会長

 申請手続をするために致し方なかった。

栗田代議員

 荒巻会長は九大の2,000万円の借入金は、福岡市薬のものだと言われるが納得いかない。また南福岡病院のFAX分業は、交渉ミスではなかったか。

岩佐代議員

 ここで、先の高杉代議員の国立南に関する質問について、実務担当者として説明させていただきたい。木曜日の午後に調剤薬局が閉局されているため、それを知らせたことはあるが、決して誘導はしていない。 トラブルがあったため院内に戻ったものもあり、なかなか思うように進まないが、発行枚数が増えるように努力はしている。

栗田代議員

 南福岡病院の赤字を減らすために人件費を削減することをお考え願いたい。
 11月の目薬学術大会は北九州市にお願いしているが、福岡市薬としては、ただ黙って見ていて良いものではない。県薬へ200万円ぐらいの寄付をされたらどうか。

三津家会長

 九大問題も含めて走りながら考えてきた状態で、先生方にはご不満もあることは承知しております。今後努力していくことをお約束いたします。

深江代議員

 細井副会長は会計も兼務されているが、副会長との兼務は無理だと患う。ましてや専務理事不在では、会務が滞りなく進むとはとうてい思えない。早急に専務理事と会計担当常務理事を任命されるべきではないか。また市薬には4,000万円の流動資産があるが、これを会営薬局に充当されたらいかがか。

三津家会長

 代議員会で承認されれば、4,000万円は会営薬局に使わせていただきたい。

清水代議員

 国立病院の応需者負担金について、国立中央はスタート時に特別会費を2円上げることで、すでに話がついていたはずである。それを今になって200円を負担してくれと言うのは納得できない。

三津家会長

 おっしゃる通りで申し訳ないが、短期間に限るということで何とか了承してもらえまいか。

※このような質疑の後、執行部より提案された議案はすべて可決承認された。また、質疑とは別に光安代議員より、合澤専務理事に辞任を撤回し復帰してほしい旨の要望があり、会長より善処するとの答弁があった。

そして、藤原監事は監査報告の際、市薬の会計処理について、特別事業費が別枠で計上されているため、非常にわかりにくくなっている。現在の会の状況から考えて、特別事業費という枠組みを再考すべき時期にきていると指摘された。

閉会あいさつ  長谷川副会長

くすり箱

拝啓 市薬会長さま

代議員会に、まだ数回しか出席したことのない新米ですが、色々、不思議に思うことがあるので、是非この素朴な、初歩的な疑問に答えて頂きたく、一筆啓上申し上げます。

まず、今回の代議員会で、なぜ会営薬局の件を棚上げしてしまったのでしょうか。これこそ全員の最大の関心事で、たとえどんなに紛糾しようとも、何度でも審議を尽くすべきではなかったのでしょうか。

もちろん、執行部の先生方は寝る問も惜しんで案を練り、何度も協議を重ねて、仕事に支障を来すほどの努力をされただろうことは想像に難くありません。その御努力には頭が下がります。しかし、是非もう一度原点に帰って頂きたいのです。

前回の代議員会でGOサインが出たのは、補助金が出るという前提の基であったと思います。大前提が確定していない今、白紙に戻して、会員に補助金なしでも建設するかどうか、問うべきではないでしょうか。

巷では先行きを危ぶむ声を多く耳にします。最初にGOサインを出した会員自身が甘かったという事だと思いますが、今、執行部は、全然民意を反映していないように思われます。いったいこんな多額の借入金を、市薬の規模で背負っていけるものでしょうか。借入限度額は県薬の3倍です。

また、話を原点に戻して考えると、会営薬局を作る事は、市薬が一大事業としている面分業に、はたしてプラスでしょうか?必然性があるでしょうか?大型調剤庭が進出してくる危惧があるとしても、市薬がそれをすべきでしょうか?

多くの疑問を抱えたまま見切り発車することは、是非避けて頂きたいと思います。

お返事お待ちしています。

代議員一年生より

(樋口)

第54回社団法人 福岡市薬剤師会
総   会

日 時
平成5年4月24日(土)午後5時
場 所
福岡市薬剤師会館講堂
出席者
代議員会に同じ

議事
(1) 会長演述および代議員会報告
   三津家全長
(2) 高齢者表彰
   藤ヲサム (87才)
   工藤菊江 (86才)
   尾崎松夫 (86才)
   大黒隆男 (85才)
   國武一人 (85才)
   村上タカ子(85才)
   武田準一 (84才)
   清水貞知 (83才)
   松村チヨ (83才)
   瀬上留治郎(83才)
   副島恒夫 (82才)
   亀崎ハツエ(82才)
   藤田胖  (81才)
   児島豊  (81才)
   鶴原正蔵 (80才)
   冨永昇蔵 (80才)
   三井所清澄(80才)
   柴田伊津郎(80才)
(3) 還暦会員表彰
   江嶋亨弼
   大庭秀臣
   木村英樹
   城戸嘉寿子
   高杉信義
   田代貞枝
   冨田常緑
   野田靖夫
   花野京子
   真崎甚三郎
   峰麗子
   本村逸男
   山川勝也
   山田雅弘
   山手嘉子
   吉成親治
   横井陸夫

おめでとうございます

日薬有功賞

藤田胖先生
副島恒夫先生
児島豊先生

 永年にわたるご功績が賞され、上記の先生方に日本薬剤師会会長より、目薬有功賞が贈られました。
 賞状と記念品は総会席上で、三津家会長より手渡されました。

議長あいさつ 新議長からの提言 福岡市薬剤師会 代議員会議長 大庭秀臣

議長立候補に当って、かなりの勇気が要りました。まず自分の器量を考える時、その分際でないと忠いました。しかし定款第36条「議長及び副議長は、代議員会で選挙する」との主旨より正義を貫ぬく事と、薬剤師会の社会的使命を思う時、会員各位の意志を正しく、執行部に反映し、総意をもって会の方向づけをした上で、その事項を執行部に自信と情熱をもって実行して頂きたい一心から立候補を決意しました。他に立候補者がなく御指名を戴き、その責任の重大さに身の引きしまる思いです。

薬剤師が、医療人として認知された今日、大衆の目は「薬局屋さん」から「真の先生」へと変っています。また地域に密着した医療体制への協力と、公衆衛生事業に責献する事により、薬剤師の真価を世に示すには、今が一番大切な時だと思います。薬剤師としての意識の向上は当然ですが、薬剤師会の体質強化と目的意識の高揚があってこそ、大衆が薬剤師の存在を認めるものと信じます。

この間、会の運営に於て、一時の空白も許されません。議案審議については「是々非々」と決着をつけながら前向きに進まねばならない時期だと思います。議事進行に当り、多分に独占先行した事を反省しています。民主主義では「言論の自由」は絶対ですが、発言に対して「責任と義務」が伴う事を忘れてはなりません。「反対の為の反対」「他人の中傷」「人騒がせな噂」等々の発言は、議会の権威と維持を妨げます。

審議は杓子定規には進みません。意見は多種多様のものですが、本論に沿って粛々と討議し、妥協点を模索しなければなりません。そして総意をもって激動する薬業界の変化に対処すべきと思います。

質問に当っては、挙手によって、発言の意志を示し、所属支部と氏名を述べ、意見を発表して下さい。各位が幅広い多数代議員に発言の機会を御配慮下されば議事進行上好都合です。さらに答弁者の指名があれば、答弁準備が出来ます。そして的確な答弁を求める事が出来ると思います。執行部は、答弁分担の事前打合せを十分に行い、答弁に際しては、会長の指示もしくは、許可を受けて答弁して下さい。簡潔、明瞭に責任ある答弁をして頂きたいと患います。答弁の仕方によっては、「疑問が疑問を生む」結果となり、議事進行に支障が出る事を御承知ください。また請求された資料は、速やかに提示できる様に準備して下さい。

「主権は会員に在る」全員各位の意見を集合し、代議員会に計り、決議を得て施策となる過程で、執行部、代議員、議長の責任は重大です。私は議長として、927名の会員の為に、自由闊達な議論の場を作ります。発言者に平等の機会を計り、多数代議員の発言を求めながら、議論の「はみ出し」「ずれ」を調整し、機の熟した時点で採決を行います。厳正中立の立場にたち議事運営を行います。薬剤師綱領の目的である「(1)医療水準の向上(2)国民の健康増進に寄与する(3)人類の福祉に貢献する」事を目標にして努力いたします。樋口昌嗣・副議長には、一方ならぬ御儘力を頂きました。今後は良さ協力者として、相談しながら、信念をもって、議事運営に当る覚悟です。

副議長あいさつ 全く無名から最年少副議長へ 福岡市薬剤師会 代議員会副議長 樋口昌嗣

4月27日の午後、広報委員長の木原先生から電話。「先生、今日は頼みがあるとよ。副議長就任のあいさつをジャーナルに書いてくれんね」「ジャーナルにですか・・・。私は編集後記も書かないといけないしですね」「それはいいから。副議長の方が大事よ。先生は福岡市薬代議員会の最年少副議長よ!」

まあ、こんな遣り取りの後、とうとう副議長就任のあいさつを書く羽目になってしまいました。

私は7年前、会長の三津家先生の3軒隣に開局致しました。昨年ある先生から「貴方、会長の横に開局して厚かましいね」と言われましたが、今の場所がたまたま親戚の建物だったにすぎません。

それまでは、熊本大学薬学部で10年間研究と教育に携わって参りました。全く商売のことも面分業のことも分からず開局し、今日までOTC一本でやって来ました。その間、福岡商工会議所主催の講演会や公民館活動の一環である高齢者教室などの講師として、お話させて頂きました。もう既に、来年2月の予定が入って来ております。

会場でよく「先生は博士号まで持ってあるのに、どうして薬局をされているのですか」と尋ねられます。私は「中洲でお酒をお腹一杯飲みたかったから、大学を辞めて開局しました」と答えるようにしております。

本音のところは、開局薬剤師ほど素晴らしいものはないと患っております。年に1〜2度は海外研修が出来、病気が治ったといってはケーキや果物を持って来店されたり、「お陰様で元気になりました」と電話やお手紙を頂いたり。大したことも出来ない私ですが、本当に有り難いことです。開局薬剤師冥利に尽きます。

毎日、色んな苦しみや悩みを持つ患者さんに接し、相談に乗ってあげて元気になっていかれる姿を見る時、開局薬剤師で良かったと思う今日此頃です。

丁度今から2年前、六本松部会の小田先生の後任として、代議員に推薦されました。しかし、代議員といっても名ばかりで、全く市薬のことも面分業のことも分かりませんでした。それもそのはずです。それまでは、市薬会報に載ったこともない、ただ年会費だけを払う全く無名の一会員にすぎなかったのですから。

そして、昨年の5月から広報委員会が発足し、その一員としてジャーナルの編集をお手伝いさせて頂くようになり、色んな大先輩の先生方とも知り合い、少しずつ市薬の活動状況や面分業の実情が分かりかけたところです。

ジャーナルも広報委員になってから、表紙から編集後記まで目を通すようになりましたが、それまでは、積ん読でした。それで、全く市薬のことは分からなかったというよりも、知ろうとしなかったわけです。

そんな私に、第28回通常代議員会の朝、中央支部長の光安先生から電話があり、「副議長に立候補してもらえないだろうか」との事。正に“寝耳に水”とはこの事。「いや、立候補なんてとんでもない」とお断りしました。「じゃ、選考委員会で推薦するから。それならどうね」と。

つい、前日のPTA役員の歓送迎会で夜中の2時すぎまで飲み過ぎ、まだ二日酔いの真っ只中のこと。ついつい二つ返事をしてしまいました。

さあ、それからが大変です。二日酔いの勢いで二つ返事したものの、壇上で居眠りでもしたら大変と、早速、うたた寝してから胃腸内服液を服んで出掛けました。薬は良く効いてくれたようです。

そして2時30分過ぎ、選考委員会の先生方の推薦を得て、副議長に指名されました。

第28回通常代議員会においては、議長の大庭先生のお手伝いをさせて頂きながら、代議員の先生方の協力を得て、滞りなく議事を進行することが出来ましたが、緊張の連続の3時間でした。

私の好きな言葉に、広田弘毅先生の“かざ車風のない日は昼寝かな”というのがあります。今まで、市薬の活動に対しては正に昼寝をしておりましたが、この全く無名のかざ車に風が吹いて来ました。このかざ車が小さく回るも大きく回るも、代議員の先生方一人一人のご協力と前向きの姿勢があってのことと思います。このかざ車が大きく回り、面分業が一歩でも前進し、医療人としての薬剤師職能の向上に少しでもお役に立てればと思っております。

最後になりましたが、今後共、会員一人一人の先生方のご指導ご鞭接を切にお願い致しまして、副議長就任のあいさつとさせて頂きます。

部会連絡協議会

日  時
平成5年4月17日(土)
場  所
福岡市薬剤師会館講堂
出 席 者
三津家全長、細井、松枝各副会長、山口、中島、小野、篠崎、木原各常務理事、市花、城戸、鶴原各理事、藤原、豊福監事
東 支 部
松井昌也、吉村きく子、入江理裕、篠崎正十郎
博多支部
高杉正典、吉田徹、細川聡子
中央支部
光安龍彦、平島久美夫、平島公彦、梅末芳彦、遠藤誉理男
城南支部
栗田邦彦、松島照幸、浦本光憲
早良支部
本村精也、松尾英、西岡啓子、橋口扶佐子
西 支 部
吉田斌、佐藤衛二
南 支 部
大庭秀臣、岩佐周一郎、深見俊彦、石田和喜、織田登紀子、吉田邦夫
1.会長あいさつ

 通常代議員会を1週間後に控え、本日は支部長、副支部長および部会長先生方にお集まり願っております。執行部がご提案申し上げます報告ならびに議案事項につき部会長先生方にご説明申し上げますとともにご理解いただきたくお願い申し上げます。
なお、本部会連絡協議会は福岡市薬剤師連盟総会も兼ねさせていただいております。

議事

(1) 平成4年度事業報告及び平成5年度事業計画について
    三津家会長
    松藤副会長
(2) 平成5年度予算について
    細井副会長
(3) 会営薬局について
    三津家会長
(4) 薬局業務運営ガイドライン(案)について
    中島常務理事
(5) 平成4年度福岡市薬剤師連盟決算及び平成5年度予算について
    細井副会長

質問要旨

○会員が必要とする情報を提供されないのは許せない。
○会報に会長の考えが表わされていない。
○ガイドラインにある第二薬局問題は既得権についても問題提起していってほしい
○大型調剤薬局に対する策は何か考えておられるか
○未だに選挙規程が提示されないのはどうしてか
〇台澤専務理事が辞任された件について、その扱いかはどのよう.にされるのか。本音で聞かせて欲しい
〇九大病院の二次募集はされないのか
〇九大病院の研修を義務づけされるのはいかがなものか
○会営業局の補助金はどうなっているのか
○予算(案)・決算書について、会員がよくわかるように備考欄にもう少し詳しく記載してもらいたい
○平成7年から始まる育道の土地返済金1億円について、どのようにお考えになっているのか

会議報告

【第239回理事・監事会】

日 時
平成5年3月26日(金)午後7時
出席者
三津家会長、細井、松枝、長谷川各副会長、合澤専務理事、山口、中島、小野、篠崎、木原各常務理事、鶴原、松島、成澤、市花、城戸、藤田各理事、豊福監事

議事

1.会長あいさつ

本日は来月の代議員会を控え、会費値上げおよび応需者負担金問題、また県薬より言ってきております日薬学術大会負担金、ユニバーシアード福岡大会拠出金の件など、大変重要な事項がたくさんあります。ご協議のほどよろしくお願い致します。

2.会務報告 合澤専務理事

3.委員会報告

(1) 組織委員会 山口常務理事
  かねてより懸案となっていた選挙規程について、委員会で(案)を作成した。
(2) 社保委員会 小野常務理事
  国立中央の処方せん発行枚数は微増。南福岡は病院側との協議を重ね、20〜30%の発行
 率となっている。
  また「長崎大学院外処方シンポジウム」に参加したが、あまり得るところはなかった。

4.協議事項

(1) 平成5年度予算について
    会費値上げの件
    応需者負担金の件
(2) 平成5年度事業計画について
(3) 目薬学術大会負担金について
    A会員 10,000円
    B会員 6,000円
     を一括納入する。ただし、このうちの6,000円は参加費とする。
(4) 1995年ユニバーシアード福岡大会拠出金について
    医師会は12,000円の負担で1,200万円
    歯科医師会は6,000円の負担で420万円
    薬剤師会
    A全員 3,000円 4,000円 5,000円
    B会員 1,000円 2,000円 1,000円
    の3案で協議されたが、A会員 5,000円、
    B会員 1,000円で約400万円の案が有力。

【第240回理事・監事会】

日 時
平成5年4月20日(火)午後7時
出席者
三津家会長、細井、松枝、長谷川各副会長、山口、中島、小野、篠崎各常務理事、松島、国武、成澤、市花、城戸、藤田各理事、藤原、豊福監事


議 題

1.会長あいさつ

2.会務報告

3.委員会報告

4.学薬、勤務、女子薬、商組報告

5.協議事項

(1) 第28回通常代議員会について
司会は市花理事が担当
報告、議案などの提案者を決め、例年総会で行っている高齢会員表彰を祝賀会場のタカクラホテルに移すことにした。

【平成5年度第1回支部長会】

日 時
平成5年4月6日(火)午後7時
出席者
三津家会長、細井、松枝、長谷川副会長、合澤専務理事、山口、中島、小野、篠崎、木原各常務理事
支部長
松井、高杉、光安、栗田、清水、吉田、大庭各支部長


議 事

1.会長あいさつ

去る4月20日藤原、豊福両監事による本会計の監査も無事終りまして、あとは17日の部会連絡協議会と24日通常代議員会を残すだけとなりました。本日は代議員会にご提案申し上げます議案について、支部長先生方にご理解いただきたく開催致しました。

2.平成5年度予算について

特別会費の2円値上げと、国立中央、南福岡の応需者負担金200円について説明。福大病院のFAX分業の事業費6ケ月を見込んだ特別事業費は4,130万円で1,000万円アップの予算となっている。会営薬局問題については本会計とは別にして、8月か9月の臨時代議員会で上提する。

3.平成5年度事業計画について

4.その他

(1) 薬局業務運営ガイドライン(案)
(2) 社団法人福岡市薬剤師全会長・副会長
 および監事選挙規則(案)

福岡市薬剤師会 市薬役員選挙規則(案)について 組織担当理事 松島輝幸

市薬組織委員会で検討を重ねてまいりました、役員選挙規定の原案が作成されました。その原案をここに掲載し、会員諸氏へご検討をお願い致したいと思っています。

役員選挙については市薬定款の第22条(役員の選挙)で規定されていますが、細則の条項が不備で実務的ではありませんでした。

すでに御存知のように、私達、薬剤師の環境は急激な勢いで変化しつつあります。それに伴って、会員の権利とともに義務も一層拡大されるものと思います。今後、より良い指導者を得る為にも、早急に役員選挙規定が施行されることを望むものです。ちなみに平成6年度は改選の年です。

尚、役員選挙規定原案につきご質問並びに、ご意見がございましたらご一報下さい。

福岡市薬剤師会 FAX(714)4421

  

社団法人福岡市薬剤師会会長、副会長及び監事選挙規則(案)

平成  年  月  日
第  回 代議員会議決
平成  年 月 日実施

第1章 総則

(選挙事務の管理)

第1条 定款第22条による選挙に関する事務は、福岡市薬剤師会選挙管理委員会が管理する。

(選挙管理委員会)

第2条 選挙管理委員会(以下「選管」と称する)は委員8人をもって組織する。

2 委員は、会長が会員中より、当該選挙時の現職者及びその候補者以外の者から、当該選挙告示の概ね2ヵ月前に委 嘱する。

3 委員の任期は、概ね2年とする。

4 会長は、委員が欠けた場合、または故障のある場合は、速やかに代員を委嘱しなければならない。

5 会長は、委員が次の各号に該当するに至った場合は、その委員を解嘱するものとする。
(1)自ら立候補した場合。
(2)心身の故障のため、職務を遂行することができない場合。
(3)職務上の責を果たさず、また委員に適しない行いがあった場合。

6 委員長は、委員中より互選により選出する。

7 委員長は、「選管」を代表し、その業務を統轄する。

8 「選管」は必要あるごとに委員長が招集する。

9 「選管」の会議は、その委員の半数以上の出席がなければ開くことが出来ない。

10 「選管」の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは委員長の決するところによる。

11 前各項に定めるものの外、「選管」の運営に関し、必要な事項は理事会の同意を経て、「選管」がこれを定める。

第2章 選挙期日及び告示

(選挙期日等の告示)

第3条 選挙期日は、理事会の議を経て会長が定める。

  2 「選管」は、選挙を行う日の2ヵ月前までに、全会員に告知しなければならない。

(被選挙資格)

第4条 会長、副会長及び監事の被選挙資格は選挙を行う日の60日前までに、市薬への入会手続きを正式に完了している正会員とする。

第3章 候補者

(立候補届出)

第5条 会長、副会長及び監事の候補者になろうとする正会員は、第3条2による告示の日から選挙を行う日の1ヶ月前の正午までに、所定の文書により、本人もしくは代理人が「選管」に届出なければならない。

2 会員が他の正会員を候補者としようとするときは、本人の承諾を得て、前項に準じ、その推薦の届出をすることができる。

3 前2項の文書には立候補しようとする者の住所、氏名、生年月日、経歴を記載し、前項にあっては、本人の承諾書 を添付しなければならない。

4 前各項の届出があった場合は、「選管」はその届出順により、すべての文章を作成するものとする。

(立候補の辞退と推薦届の取下)

第6条 立候補者は、その選挙が行われるまでに、本人が署名した文書により、「選管」に届け出て、立候補を辞退することができる。

2 候補者の推薦を届け出た会員は、被推薦者の承諾を得て、前項に準じ、推薦届を取り下げることができる。

第4章 投票

(選挙の方法)

第7条 会長、副会長及び監事の投票権は、投票を行うため、議長が議場の閉鎖を命じたとき、議場内にいる代議員とする。

  2 投票は、会長選挙において単記、副会長及び監事の選挙においては連記により行う。

(投票管理者)

第8条投票の管理は、「選管」が行う。

(投票立会人)

第9条投票立会人は選挙ごとに、議長が代議員のなかから5〜8名選任する。

  2 当該選挙の候補者は、これを投票立会人に選任することはできない。

(投票用紙)

第10条投票用紙は、選挙ごとに「選管」がその様式を定め、印刷準備する。

第5章 開票

(開票管理者)

第11粂開票管理は、「選管」が当たる。

(開票立会人)

第12条候補者は、当該選挙の開票にあたり、代議員中より本人の承諾を得て、開票立会人となるべき者1人を定めることができる。その場合は、選挙の前日までにこれを「選管」に届けなければならない。

  2 「選管」は前項により届出された立会人を開票に立ち合わせなければならない。

  3 当該選挙の候補者は、開票立会人となることができない。

(無効の投票)

第13条次の投票は無効とする。
(1)正規の用紙を用いないもの。
(2)候補者以外の名前を記入したもの。
(3)白紙投票

第14条 無効投票の決定に疑義を生じたときは、開票立会人の意見を聴き「選管」がきめる。

(開票録の作成)

第15条「選管」は開票録を作り、開票に関する次第を記載し、開票立会人とともにこれに署名しなければならない。

(投票録及び開票録の保存)

第16条 投票は有効、無効に区別し、投票用紙は3ケ月間「選管」が保存しなければならない。

  2 投票録及び開票録は、「選管」が当該選挙にかかる被選挙者の任期間保存しなければならない。

第6章 当選人

第17条 会長、副会長及び監事の選挙にありては、有効投票の過半数以上の得票がなければ無効とする。この場合には有効投票の最多数を得たもの2名をもって候補者として選挙を行う。

(無投票当選)

第18条 届出候補者数が当該選挙の定員を超えない場合は、投票を行わず、当選人を決定する。

(補充選挙)

第19条候補者が、その選挙によって選ぶべき員数に不足するとき、その選挙を行う日の代議委員会の議決を経て、選挙規定を簡略化した方法により、補充選挙を行うことができる。

(当選者の碓定と宣告)

第20条 選挙結果が決まったときは、「選管」は直ちにこれを代議員会に各候補者の得票数その他必要な事項を発表し、当選者の確定を宣告する。

第7章 選挙会報

第21条「選管」は、立候補締切後、速やかに選挙会報を発行し、全会員に配布しなければならない。

  2 選挙会報に収載する事項は次のとおりとする。

    イ. 候補者の氏名、生年月日、住所

    ロ. 候補者の経歴(主として薬剤師会に関係あるもの)

    ハ. 候補者の抱負、公約

    二. その他「選管」において必要と認めた事項

第8章 異議の申請

(異議の申立)

第22条 当該選挙に対し、不服ある候補者及び会員20名以上の同意を有する会員は、7日以内にこれを「選管」に申立てることができる。

(異議申請に対する「選管」の処置)

第23条 前条の申立があった場合は、選挙委員長は速かに「選管」を開き、必要な処置をとらなければならない。

第9章 付則

(規定していない事項と疑義の処理)

第24条 本規則に定めていない事項、あるいは選挙に関する疑義は、「選管」で協議し、代議員会に諮って処理する。

(規則の改廃)

第25条 本規則は、代議員会の議決を経て、改廃することができる。

(付則)

第26条 本規則は平成 年 月 日から実施する。

この(案)は、組織委員会で検討されたものです。5月11日(火)の理事会での協議の際、藤原監事より第6章第18条(無投票当選)の項について、「立候補者が一人だけの場合の信任投票がうたわれていないのは議論が分かれるところであろう」との発言がありました。このように、まだまだ異論が多々あるかと思われます。ご意見をどしどし組織委員会へお願いします。

委員会報告

【選挙規定作成委員会】

日 時
2月24日PM7:00〜9:00
場 所
市薬第一会議室
出席者
山口常務理事、松島理事、蔵元、迫田各委員

【急患委員会】

日 時
平成5年3月15日(月)午後7時
出席者
中島常務理事、成澤、市花各理事、小松、馬場、竹尾、井上、北島各委員

議事
(1) 平成5年度事業計画について
 ・「処方と調剤に関する申し合わせ」にそって、急患センター内で各部会との検討会を行う。
 ・平成4年度の事業を継続する。
(2) 出勤者名簿の作成
(3) 「処方と調剤に関する申し合わせ」の校正


日 時
平成5年3月24日(水)午後7時
出席者
中島常務理事、成澤、市花各理事、小松、馬場、竹尾、井上、北島各委員

議事
(1) 「処方と調剤に関する申し合わせ」最終校正
(2) 各人提出の確認カードにより、出勤者表の改訂。土曜準夜希望の女性24名を土曜準夜に繰入れる。
(3) 出勤者の会員資格で問題のあったC会員4人については、会員A〜Bへの変更を了承


【学術委員会】

日 時
平成5年3月17日(水)午後7時
出席者
長谷川副会長、篠崎、中島各常務理事、成澤、藤田、市花各理事、真鍋、梅津各委員

議事
(1) 次回3月23日(火)開催予定の薬物療法研究会役割分担について打ち合わせ受付とのカード入力は学術委員、ビデオ撮影は情報委員鶴原、笹野
(2) 平成4年度事業のうち、図書の整理は来年度に持ち越しビデオの整理は完了した
(3) 平成5年度事業計画(案)について
  a) 学術研究会(4回/年)
  b) 薬物療法研究会(4回/年)
  c) 第4回薬局実務研修会(土曜2回、日曜2回)
(3) 次回薬物療法研究会予定
  4月26日か27日 「催眠導入剤について」

日 時
平成5年4月19日(月)午後7時
出席者
長谷川副会長、篠崎、中島各常務理事、成澤、市花、藤田各理事、石飛、真鍋各委員

議事
(1) 次回薬物療法研究会について
  4月26日(月)午後7時 演題「ベンゾジアゼピン系薬物〜主として睡眠薬について」
(2) 5月以降の演題について
  a)老人における耳鼻科疾患の特徴
  b)老人薬用量について(臨床薬学)
  c)喘息治療の新しい考え方について
(3) 図書の整理について

【広報委員会】

日 時
平成5年3月9日(火)午後7時
出席者
木原常務理事、樋口、坂田、橋口、荒巻各委員

議事
(1) 市薬ジャーナル3月号の編集について
(2) 対外的広報活動について
  衛生島の西岡参与からエイズの原稿をいただいたのを機に「店頭で出合ったエイズ」と
  いうテーマで取り組んでみる。
  a)城南支部だよりに、このテーマで呼びかける。
  b)県薬代議貞会の際にもアンケートを実施してみる。
  c)まとめたものを資料として発表する。

日 時
平成5年4月9日(金)午後7時30分
出席者
台澤専務理事、木原常務理事、樋口、坂田、橋口、荒巻各委員

議事
(1) 市薬ジャーナル5月号の原稿依頼について
  代議員会報告が入り、固い記事が多くなるため、会員原稿は随筆を依頼する。
  また合澤専務理事より、国立を応需し ている会員さんの座談会の提案があったが、
  タイムスケジュール的に無理、次号に企画することとした。
(2) ガイドラインの扱いについては、合澤専務理事の指示を仰ぐ。

日 時
平成5年5月6日(木)午後7時30分
出席者
木原常務理事、樋口、坂田、橋口、荒巻各委員

議事
(1) 5月号の編集
  原稿の読み合わせとレイアウト
(2) 長谷川副会長より申し出があった、九大病院および国立南の状況についての原稿依頼の件
  南福岡は原稿依頼をしているが、まだ原稿が上がっていない。
  九大病院については小野常務理事が県薬会報に詳細にわたって述べられているので
  市薬会報には掲載しない。

【学薬のページ】はめられた市学薬
=第40回 県学薬評議員会総会報告=

日 時
4月27日(火)午後2時30分
場 所
県薬会館
出席者
理事長、評議員、支部長、一般会員
福岡市選出県学薬役員

副会長 吉田斌、野口美智子
理 事 木原三千代、有馬純、内田文子
評議員 古賀隆、木村英樹、堀江秀男、細井徹一、野田靖夫、藤原良春、南島敏彦
議長・副議長改選

議 長 久保嘉柘
副議長 細井徹一選出

上記のように県学業評議員会が開催された。市学薬選出評議員数は7名。昨年度までは学業総数100名のため評議員数は5名であったが、今年度146名になったことから2名増員されている。ちなみに北九州市は、8名である。

岩橋県学薬会長は「会計報告の事業費の項をご覧になるとわかるように、昨年度は福岡市学校薬剤師全の活躍で、県学薬の事業も考えていた以上に実行でき嬉しい誤算でした。おかげさまでと申しましょうか、事業費が10万円ほどオーバーしております。

また、県薬副会長の古賀隆先生や県薬副議長の藤原先生が評議員と務めてくださるなど、それだけ学薬活動に重きをおいてくだきっているわけで、たいへん嬉しく思います。福岡市学薬の力は、とりもなおさず県学薬の力となるわけで、今後ますます大きな力となっていただきますようお願い申し上げます」とあいさつされた。

かねてより出版が遅れていた「学校環境衛生活動指針(仮称)」通称青本は、今しばらく出版の予定がたっていない。そのため、改訂に伴って早急に必要と思われる6項目についての冊子と、いわゆる赤本と称される「学校と学校薬剤師」は近々出版される旨、日学薬総会に出席された大神評議員から報告。一新入会者51名を数える市学薬としては、一日も早い出版が待たれるところだ。

総会終了後の懇親会場は、県薬2Fの第2会議室。始まる迄の待ち時間、会議室前のロビーで求人案内を見ていた。話題は、おりしも当日、新聞紙面を賑わしていた『北九州市、6市民病院で薬剤師不足29人!』の記事。北九州の千代丸先生いわく「福岡がぜ−んぶ取るけん、北九州が足りんごとなろうが」。しかし、お言葉を返すようですが、福岡も足りんとですよ。月に1〜2度は「どこかに薬剤師さんいないかしら?」と電話をもらうことが多いとですから。

今年の新入学薬さんには、女性で大学院修士課程を出た人がいる。その千堂さんは、鹿児島での学薬研修会にも勤務先が出張扱いにしてくれるからと、参加してくれることになっている。また、東区の永田静香さんは「学薬をお引き受けしたので、どんな組織なのか、何にでも出てみたい」と言って、一般会員として県学薬評議員会に出席してくれていた。

このような新人さんを迎え、51名のパワーが、福岡市学真のより素晴らしい力となり、必ずや来年度も県学業会長から誉められることになると信じて止まない。

(文責 木原)

 

福岡県下の学校薬剤師報酬額

国の積算基準    145,000円
最高(北九州市)  233,000円
最低(八女郡)    14,000円
福岡市       180,300円

【広報通信】 一木原先生保険医協会にて講演−

去る3月16日、国際ホール16Fにて午後7時より約2時間、木原先生が開業医の先生方の前で講演されました。

「インフォームド・コンセントと医薬分業、〜FAXによる面分業について〜」

福岡県保険医協会主催の研究会に、上のテーマでの講演の依頼に答えられたものです。

内容は、現在薬剤師会で行なっている面分業の実際について、服薬指導、薬歴管理、FAXによる院外処方せんの様子、そして更に、医薬分業での「かかりつけ薬局」の必要性などなど。スライドも利用して、医師の前、語りかけるような穏やかな口調で綿々と約1時間、日頃の薬剤師の仕事ぶりや想いを述べられた。

その後、質問の時間が設けられ、それまでの一方通行の講演から一転し、会場はフリートーキングの場となった。

好機到来とばかりに、医師より次から次へと質問が溢れた。

○これからの面分業の進む方向は?
○日本と韓国のみ、分業が立遅れているが、外国での医薬品の備蓄など現状ではどうやっているのだろうか。
○FAXは処方せんになりえるのか。
○薬局相互間での薬品の売買は、法的に許されるのか。
○病棟薬剤師、400点業務の将来の見通しとメリットは?
○面分業における患者のメリットは?
○薬価差がなくても、薬局の経営はなりたつのだろうか?マンツーマン薬局の将来性がわからず、危惧している。

いずれも、日頃より抱いてあるような率直な疑問ばかりで、一緒に考えていこうという前向きな提案のように感じられた。

木原先生は一つひとつ丁寧に答えられ、「面分業への道、それを支えるのは薬剤師としての使命感以外の何ものでもない」と結ばれた。

それに応えて、司会の小寺先生の締めの挨拶の言葉は、「難しい医薬分業という問題に触れていただいて、改めて勉強になりました。医薬分業は病院側のパイが薬局側に移るものかと思っておりましたが、現在は使命感でやっている状況だと伺ってとても感動的でした。やっていかれる中で又、何か開けてくるのかなあと希望を持ちました」。

医薬分業を叫ばれて久しいが、年月のほどには進んでいないことを知った。だからこそ、膝を交えてのこのような話し合いの場の大切さを感じる。この場限りに終わるのではなくもっと回を重ね、その積み重ねが分業を前進させていくのではないか。散会となってからも尚、質問者に取り囲まれる木原先生の姿を見て患い、会場を出た。

(広報委員 坂田)

【会員の移動】



訃 報

 磯田正之先生(享年66歳)

 東支部・馬出部会「(有)イソダ薬局」の磯田正之先生が、
 5月16日逝去されました。
 謹んでご冥福をお祈りいたします

会 務 日 誌 (平成5年3月〜4月)

3月3日 神奈川県藤沢市より医薬分業視察のため来館 13:30
  4日 処方検討会(博多区・早良区) 19:00
  7日 保険調剤業務研修会(県薬) 14:00
  9日 広報委員会 19:30
     九大応需の件、県薬打合 17:30
     (会長・合渾専務・小野常務)
  11日 処方検討会 (南区・城南区・筑紫) 19:00
     国立南調剤説明会(上記終了後)
  12日 福岡市地域保険医療計画委員会リハビリ部会 15:00(会長)
  13日 業務懇談会 19:00
     (合澤専務、南島、占郡、岩佐、深江、式町、冷川)
  15日 急患委員会 19:00
  16日 県薬代議員会予備会議 19:30
  17日 学術委員会 19:00
     組織委員会 19:00
  18日 処方検討会(中央区・西区・糸島) 19:00
  22日 三役会 18:00
  23日 薬物療法研究会 19:00
  24日 急患委員会 19:00
  25日 処方検討会(東区・粕屋・宗像) 19:00
  26日 理事会 19:00
     徳島県薬剤師会、分業視察のため来館 12:00
  30日 福岡地域保健医療計画策定委員会 15:30(会長)
4月1日 処方検討会 19:00
  2日 監査 13:30
  5日 山崎拓政経懇話会 8:00(会長)
  6日 支部長会 19:00
  8日 処方検討会 19:00
  9日 会営薬局検討会 19:00
     広報委員会 19:30
  13日 市薬代議員会運営委員会 19:00
  15日 処方検討会 19:00
  16日 合馬敬環境政務次官就任記念国政報告会 18:00(城戸理事)
     三役会 17:30
     常務理事会 19:00
  17日 部会連協議会 15:30
  19日 学術委員会 19:00
  20日 理事会 19:00
  21日 顧問会 19:00
     福岡市計量協会理事会 11:00(城戸理事)
  22日 処方検討会(Bブロック) 19:00
  23日 市薬代議員会運営委員会 19:00
  24日 市薬代議員会 13:30
  26日 薬物療法研究会 19:00
  27日 三役会 18:00

[編集後記]

○全国初の屋根開閉式スタジアムの福岡ドームが1日で開業1ヶ月。4月2日のオープン以来、ドーム人気は天井知らずとか…。それもそのはず、屋根があったり無かったりするのだから。

○早速、連休を利用してジャーナルの表紙の撮影に新緑の中出掛けた。まず、ドームの大きさに圧倒され、一周すると何と800m。日頃の運動不足も惣ち解消。都市高速の向こうには、博多湾に浮かぶ島々が見渡せ、地行中央公園の時計台や福岡市の眺めも素晴らしい。

○すぐお隣こは面分業発祥の地、これまたデッカイ国立福岡中央病院が建設中だ。その工事現場から聞こえてくる槌の音に、思わず“サンギリ頑をたたいてみれば文明開化の音がする”という吉葉を思い出した。今様にいえば、“国立福岡中央病院の槌の音を聞けば面分業の音がする”というところか。

○福岡市がアジアに開かれた都市といわれて久しいが、この地行浜の国立福岡中央病院、コートハウスが、全国に開かれた面分業推進の地にならんことを期待しながらシャッターを切った。

(樋口)


○4月の半ばから約10日間、アメリカへ研修旅行へ行ってまいりました。
 旅行に行く前に私が最も楽しみにしていたのは、Phamaccutical Careについて日本の薬剤師の目を通してでなく、直接現場の薬剤師から説明を聞けるということでした。
 そのなかで、Phamaccutical Careはもともと地域薬局に生れ、そして病院へと移り、また地域薬局へ帰りつつあるという話を聞くことができました。
 誇りを持って話す薬剤師の姿に“薬剤師の理念が本来は医師の独占領域であった病院の内にまで侵入してしまった”と言ったほうが適切なのではなかろうかとまで感じられます。

○「なんてすごいんだろう!それにひさかえ私はなんてつまらない仕事をしているのだろう」毎日が驚きと嘆きの連続でした。
 しかし、ボストンにもすでに2軒しか残っていないというソーダファンテンのある昔ながらの薬局では、この私も地域生活者に最も身近なところにいる幸せなCommunity Pharmacistの1人なのだということを思いおこさせてくれました。

○アラビアで芽生えそしてヨーロッパで深くたくましく根をはった薬剤師理念がアメリカで美しい花を咲かせていると聞き、めったなことでは体験できないその花見をずっと前から楽しみにしていたのですが、想像をはるかに越える美しさに今だ感動がさめません。
 花見の喧騒から一夜明け、なんとかあの美しい花をわたしの庭にも咲かすことができないものかと、現在とりあえずは10時間にも及ぶ録音テープと格闘中の私です。

(荒巻滋)



○第28回通常代議員会は、会営薬局や応需者負担金などの間嶺で、相当に紛糾するだろうと思われていました。執行部としては、ハラハラものだったのですが、懸案事項が先送りされたこともあって、提案した議案はすべて承認されました。ただ、応需者負担金については、異論のある代議員さんもおられたようですが、本会計に組み込まれていたことから了承していただきました。感謝申し上げます
 なお、33ページの質疑につきましては、重複した発言や記録として残すことにチュウチョされるものは省きました。また、テープの不備もあったことから、要旨とさせていただいております。ご了承くださいませ。

(木原)

  

  

平成5年5月31日発行(隔月年6回発行)
福岡市中央区今泉1丁目1番1号
社団法人 福岡市薬剤師会
T E L 092-714-4416
発行人  三津家 正 友
編集入  木 原 三千代
広報委員 樋 口 昌 嗣
     坂 田 博 子
     橋 口 扶佐子
     荒 巻   滋
印刷所  (有)興英社印刷