■ 巻 頭 言
今、なぜ、会営薬局か! 福岡市薬剤師会 常務理事 中島英之

医薬分業は、ここ数年、本格的に急速に進展してきている。その第1の要素が、厚生省事務局の非常に積極的な取り組み方である。その歴史を見ても、昭和58年度に「医薬分業推進懇談会」を設置、昭和60年度から、全国8地区で「医薬分業モデル地区事業」を、昭和63年度からは、それを県レベルまで拡充して「医薬分業基盤整備事業」を実施し、平成4年度からは、医薬分業推進の拠点ともいえる「医薬分業支援センター事業」がスタートしている。市薬でも代議員会、理事会の承認を得て、中央区地行浜の現在建築中の国立病院の隣で、ドーム球場の斜め前の市薬所有で未利用になっている建物を建て直して、平成5年度、備蓄センター、調剤センター、研修センター、基準薬局としてのOTC販売の機能を持った全営薬局の設立を計画、平成6年3月完成を目指して事業を進めている。薬局全般の施設、設備に対しては福岡市から。備蓄センター、調剤センターの施設、設備には、福岡県と共に、厚生省からも、この事業の一環として、相当額の補助金を受ける予定になっている。補助金の金額は、国、県、市ともに、三者同額の見込である。

衆知の通り、平成4年6月、医療法が抜本的に改正され、医療の基本理念が明示されて、薬剤師が医療の担い手として、医師、歯科医師とそれぞれの職能を分担する責任が明確化された。さらに、平成5年4月、厚生省から通達のあった薬局業務運営ガイドライン(以下GL)では、薬剤師の責任と義務を果たす具体的な方法が明示された。最大のポイントは、薬局のたくさんある業務の中で「調剤」が第一義に位置づけられたことである。医療の細分化により、一人の患者が複数料受診して、それぞれの医療機関から薬をもらうことも多くなり、また、OTC薬や配置薬など、われわれの周囲には、たくさんの薬があり、それらの薬の相互作用も問題となってきた。そのためには、患者本位の医薬分業すなわち、面分業を推進させ、地域住民の薬の相談役として、各薬局は、信頼される「かかりつけ薬局」に育成されなければならない。市薬としても、各薬局が「調剤を通じ、国民に良質かつ適切な医療の提供」をするために、備蓄薬や調剤業務の研修など、いくつかの問題を解決していかなくてはいけない。今回の会営薬局は、これらの問題を解決するための一つのステップである。次に、計画している薬局の機能について、述べてみたい。

(1)備蓄センターについて

各薬局が面分業を推進させるための最大のネックは備蓄薬の問題である。GL「(12−1)処方せん応需」には「薬局は責任を持って、処方せんを応需しなければならない。恒常的に処方せん応需を拒否する薬局は、他の医薬品販売業に転換することがのぞましい。」と記されている。OTC中心の薬局、また、漢方専門薬局にとっては、漢方相談による自家製剤漢方薬の投薬は、「薬局資格による薬局製剤」によらなければならないので、難しい局面に相対し、新薬中心の調剤用医薬品の備蓄は、大きな問題となる。現在、市薬では、会員薬局の全備蓄薬をコンピューターに入力し、他薬局からの要望に応じる供給システムをとっているが、広域病院の処方せんで処方薬が多い時には、何軒も薬局を訪れて依頼しなければ、全てをそろえられない場合の多いのが現状である。しかも時間的制約がある中で、これは大変な業務である。1軒である程度の薬をそろえられる方法や、各薬局にとって備蓄することが困難な希用医薬品の入手の方法も構築されなければならない。GL「(9)医薬品備蓄」には、薬局は地域の実情にあわせた調剤用医薬品を備蓄することが示され、地域薬剤師全が設立する備蓄センターの利用も明記されている。これらが、これまでの方針と変って、備蓄センター設立計画に至った理由である。

故松下幸之助はたくさんの著作を残しているが、「人生訓」として解かれている言葉の中ゆうすうむに、「融通無碍」がある。これは「素直な心で、一つの見方、考え方にとらわれるのでなく、自由自在にものを見、考え方を変え、よりよく対処していく」ことの重要性を述べておられる。備蓄センター設立の必要性は、時の流れによって、この時期に至っている。と私は考える。

(2)調剤センターについて

市薬は面分業の推進にFAX分業を当面続けていく予定だが、広域病院、とくに国立福岡中央病院の院外処方せん枚数アップの障害になっている一つの因子に、近くに薬局がなく、「かかりつけ薬局」を作れない地域の患者の問題がある。それらの患者のために調剤センターを設立して対応することは必要であり、このことが全院外処方せん枚数アップにつながる要因にもなる。ひいては面分業の推進に役立つと考える。「かかりつけ薬局」の理念からも、全営薬局に来られた患者の中に、近くに「かかりつけ薬局」があれば、次回以降は、、その薬局を紹介することは当然必要である。

GLの「(10)開局時間」「(11)休日、夜間等の対応」は全薬局の問題でもある。これには、県業務課、厚生省の指導を仰ぎながら、市薬として会員に代り、実情も考慮して、対応できる態勢を構築する必要がある。

また、昭和60年代からの、市薬と国立福岡中央病院との院外処方せん発行の話し合いの中で、病院が地行浜に移転後には、市薬としても、全営薬局設立を検討するという申し合わせの問題もある。

結論として、形態としては、確かに門前薬局だが、その運営は、いわゆる門前薬局にならないように、患者のための、会員のための「かかりつけ薬局」の理念を厳しく貫いていく方針である。また、この周辺は、商業地域ができる予定もある。そうすれば、他地区で見られるような営利本位の大型門前薬局が進出してくる可能性もある。これは正しい面分業発展のために望ましいことではない。今般の設立計画はその阻止の目的もある。

(3)研修センターについて

全薬局が処方せん応需するためには、OTC薬局や漢方専門薬局など、調剤業務から長く離れている薬剤師の研修の問題がある。そしてGL「(8)薬剤師の確保等」には員数の問題が示され、今後、薬剤師不足が深刻になってくることが予想される。そのためには、未就業薬剤師の掘り起こしと研修が大切な問題となり、研修施設の整備が必要になってくる。現在、市薬では学術委員会が中心になって、薬局実務研修会を行っているが、調剤理論が主であるのに対し、研修センターでは、調剤実務中心の研修を計画している。

(4)OTC販売について

GL「(13)一般用医薬品の供給」、基準薬局としての理念からだけでなく、ここまでの薬局建設についての地域住民との数回の話し合いの中で、調剤のみでなく、OTCも準備して欲しいとの強い要望がでている。スペースの許す限り、来局する患者や地域住民の要望に応えたいと考えている。

以上のような機能を持つ患者のため、会員のための会営薬局設立計画を進めている。

【特集・在宅ケア】 福岡市歯科医師会における『在宅寝たきり老人訪問歯科診療』について 福岡市歯科医師会 専務理事 秋山治夫

1・在宅寝たきり老人訪問歯科診療の歩み

わが国は平均寿命が80歳となり、65歳以上の人口比(平成2年)で12%と世界最高の長寿国になりました。それと共に在宅で療養する高齢者も増加してきております。

歯科においての在宅治療には種々の問題点があります。医科のような往診が通常では行えず、在宅寝たきり老人は歯科医療の谷間にあると言われております。

高齢者(有病者)の歯科治療については普通でも困難な場合が多く、これを医療設備の整わない在宅で全てを行うことには多くの問題があります。しかし、現実には多くのお年寄りが苦しんでおられます。

福岡市においては、そういった方々のために昭和52年に福岡市歯科医師会有志(歯科医師10名)でボランティアグループ「八重歯会」を結成し活動してきました。

この活動の中で、岨囁能力の向上による高齢者の体力や気力の回復、生活意欲の改善が見られると同時に、生活動作の回復により介護者の負担が軽減しました。また義歯装着による発音の明瞭化、顔貌の若返りが見られ心理的な効果もあり一応の成果をあげてまいりました。

しかし、急速に進む高齢化社会に対応するには限界があり、これを個人やボランティアレベルで対応していくことは大変なことであります。これを安定した事業としていくために多くの歯科医が組織的に取り組むべきだと考え、本会では昭和61年から全会員に2回にわたってアンケートをとりました。その結果、この事業に対し多くの賛同を得、会員の中から協力医を募り、行政からの協力をいただき「在宅寝たきり老人訪問歯科診療」を本会独自の事業として昭和63年10月より開始しました。ここで、11年間の活動を行ってきました「八重歯会」は発展的に解散しました。

在宅寝たきり老人訪問歯科診療も保険制度の中に入れられ、その活動は一応の定着をみせています。幸い一件の医療事故も発生せず今日に至っています。

訪問歯科診療を組織的に実施したのは九州では本会が初めてでしたので、実施要綱・実施手順を盛り込んだ独自のマニュアルを作成し、協力医に対してはオリエンテーションを行ってきました。

2.実施要綱

事業の実施主体は福岡市歯科医師会で福岡市の協力を得て実施しています。このことは行政の委託を受けて行っている郡市が多い中、福岡方式の大きな特徴であろうと思われます。

診療の申し込みは福岡市歯科医師会事務局で受けつけ、実施に当たってはこの趣旨に賛同した福岡市歯科医師会員が行います。本事業の対象者は原則として65才以上の在宅寝たきり老人としています。診療内容は原則として保険診療とし無理なく実施可能な範囲としておりますが、往診機器設備の面や容態の変化等で在宅では加療困難とみられる場合には、受診者や家族の了解を得て二次医療機関への紹介をするようにしています。また、個人で購入しがたい小型移動歯科治療機器や使用頻度の高い切削機器などは歯科医師会が設備し協力医に無料で貸与しております。

この事業の連携を円滑に行うため行政、大学、総合病院歯科と福岡市歯科医師会とで行われる歯科衛生協議会を年一回開催しております。

訪問歯科診療の実施手順は図1に示すような流れで行います。

(1) 診療の申し込みは歯科医師会事務局で受けつけます。

(2) 事務局はただちに協力医に出動を要請します。要請に当たってはかかりつけの歯科医師又は近くの協力医に連絡します。

(3) 協力医は受診者と診療日時を決めた後に訪問歯科診療を行います。

(4) 必要ならば医科の主治医に全身状熟こついての情報の提供をいただき、場合によっては立ち会ってもらいます。

(5) 協力医は診療終了後(中断も含む)は所定の用紙に必要事項を記入し歯科医師会に報告します。

図1在宅寝たきり老人訪問診療の流れ

※受診者が保健婦の訪問指導を受けている場合、保健婦から協力医に訪問歯科診療に必要な受診者の容態に関する情報の提供がある。

※在宅ケアホットライン等を通じて保健婦の訪問指導を受けている方々からの申し込みの場合には、事前に受診者の容態や生活環境等に関する情報提供をしてもらい、医療事故や患者さんとのトラブル防止に大いに役立っています。

(6) また在宅での診療が困難な場合には、歯科医師会が二次医療機関を紹介します。

3.在宅寝たきり老人訪問歯科診療の実績

昭和63年10月から平成4年2月末現在の申し込み総数は257名です。月平均の申し込み者数は4.8人で、平成4年度だけで見ますと6.5人と申し込み総数について増加傾向が認められます。1人当たりの平均往診回数は3.9回です。年齢別では75−85才未満が一番多く40%で、90才以上も全体の15%おられます。診療内容は圧倒的に義歯関係が多く、入れ歯の新製や裏打ちなおし、修理や調整など、次に抜歯、むし歯治療、口腔衛生指導と続いています。

4.在宅訪問歯科診療の問題点とその対応

訪問診療は殆どの方が有病者で、又診療設備が診療室とは大きく異なった環境下で行うので、種々の問題点があります。問題点をまとめますと

1.歯科医師や衛生士は全身管理の対応法にっいての研修が医科に比べて十分ではなく苦慮することがあります。今後は高齢者歯科、在宅医療に対応出来るような大学教育の改善が必要と考えます。

2.全身状態の厳しさや容態の急変のためや往診用治療機器設備の面から訪問診療には限界があり、通常診療室で行うような診療ができないことが多い。治療時に伴う唾液や切削時の冷却水の処理の難しさ、手指の消毒などにも不便を感じます。

3.歯科診療を行う場合はミラー、ピンセット等の小器具以外に切削機械の動力源、□腔内照明機器、]線装置等が必要です。これらの機械器具は最近では訪問診療用に開発され以前に比べてコンパクトになってきましたが、それでもかなり大型で重量があり、歯科医師会よりの貸し出し、返却、現場での組み立てや撤去にかなりの時間と労力を必要としております。

4.訪問診療の大部分は寝たままで行うので頭部の固定や照明方法等、専門の助手が必要です。

以上のことから、時間、労力、人手の面から医業としては採算がとれません。さらにボランティア精神が必要なので、会員全員ではなく協力医を募り診療を依頼しておりますが、この事業は行政が主体で行うべきではなかろうかとも考えます。

5.在宅ケアホットラインと福岡歯科医師会

我々歯科医師会は在宅医療の後方支援団体として、この在宅ケア支援事業と合体し、一本化して円滑に機能していけるような支援シーステムの構築を図る必要があると思います。

在宅ケアホットラインが設置されてから、訪問歯科診療希望者が増加しております。そうなると今までのシステムではいろいろな問題が生じてきます、すなわち受診者の全身的な管理の困難性、治療内容の限界、歯科医療機器の形態・設営の煩雑さ、二次医療機関の受け入れ態勢の不足・不備などのために対応できなくなる恐れがあります。在宅寝たきり老人訪問歯科診療は計画的かつ定期的なものでなければならず、保健婦や医師との連携が大切であります。保健婦やヘルパーの方達が要望のあった家庭を訪問して在宅での療養や看護などの方法をアドバイスしておられますが、歯科的な訪問保健指導はなされていないように思います。

口腔清掃、義歯の使用方法、手入れの方法等の保健指導を実施することにより、老人の口腔状態の改善を図ることができ、その結果、生活意欲の向上などがみられるので、訪問歯科保健指導体制をこの支援事業に組み込んでいかなければならないと考えます。平成2年の診療報酬改定において、在宅患者在宅老人の訪問指導を歯科衛生士が行うことができるようになりました。在宅ケア支援事業の中に歯科衛生士も参画するとよいと思います。

在宅歯科診療の成否は、治療がなされた後の保健指導がどのように継続して進められるかにかかっているといっても過言ではありません。歯科衛生士も自分たちが行うサービスを、在宅ケアという総合的なサービスの中に位置づけ、保健婦、ヘルパーと連携していくならば、口腔内疾患の予防、さらに早期発見による早期治療につながり、在宅での困難な治療が避けられるのではないだろうか。歯科保健指導が寝たきりであった方々を起こすきっかけにもなろうかと考えます。

6.薬剤師会へのお願い

在宅寝たきり者に発行する処方箋については訪問投薬をして頂き、患者あるいは介護者に服薬指導をお願いできればと思います。その他に、薬局に在宅介護グッズコーナーを設置し、その中に口腔衛生・清掃製品を一緒に陳列していただければと思います。

口腔内の清掃不良が全身の健康や生活に予想以上に大きな影響を与えております。

例えば、義歯の清掃不良では、カンディダアルビカンスが口内炎や歯肉の炎症を惹起し、食欲減退や歯肉がやせる原因となっています。この場合は義歯清掃歯ブラシの使用や、義歯洗浄剤での洗浄を行うとよいでしょう。残存する歯の清掃不良では、歯槽膿漏の悪化や根っこのむし歯の発生につながります。塩化セチルビリチオンやグルコンサンクロルヘキシジンなどの殺菌剤や、歯垢分解酵素のデキストラナーゼなどの配合された薬用歯磨剤や洗口剤で歯槽膿漏菌やむし歯菌の殺菌を。歯と歯の問は糸ようじゃ歯間ブラシで清掃を行うとよいでしょう。義歯不適合の場合は、歯肉を損傷したり、喫めないことにより胃腸障害を起こしたりもします。この場合は、一時的に義歯安定剤を使用し、栄養補給を第一と考える方がよいでしょう。上肢の傷害のある方は電動歯ブラシを使って、本人または介護者が歯磨きをすると効果的です。もともと電動歯ブラシは、病床にある高齢者や肢体不自由者の方々のために開発考案されたものです。

またむし歯になりにくい砂糖のパラチノースを使った菓子製品も置いていただければと思っております。もともとパラチノースは子供のむし歯抑制のために開発された代替糖ですが、一般にお年寄りは甘い物を食べられることが多いと思います。特に低血糖、胃切除されたお年寄りには栄養の持続的な補給が必要で、結構口の中は砂糖漬けになっていることが多いようで、パラチノースが効果的と考えます。また口腔内乾燥症の方も唾液が出るようにとガムを喫んだり飴玉をしゃぶることもあると思いますが、その場合にも効果的と思います。

ぜひこれらの製品を介護グッズの中に置いて、来局される介護者の方々に「寝たきりだからと決してあきらめないで!」と励まして下さい。症状がひどく歯科の往診が必要と思われる時は、どうか各保健所に設置の在宅ケアホットラインや福岡市歯科医師会の在宅寝たきり老人訪問歯科診療事業のご紹介をお願い致したいと思います。介護者の方々との情報交換の場としてサポートして欲しいと考えます。

「会営薬局の名称決定日」

先生方に早くお知らせしたかったもので「特集・在宅ケア」のコーナーに割り込みます。ごめんなさい。

私、ようやく名前を付けてもらいました。『福岡市薬剤師会薬局』です。名称表示の下方には調剤センタ一・備蓄センター・研修センターと、業務内容を表示してくださることになっています。

なんとなく固い感じがするなぁ、でしょうか?私は、けっこう気にいっているんですけど…。

会営薬局委員の先生方は、医師会病院があることから、○○薬剤師会薬局がいいだろうと、○○のところをシーサイドとか、百道などと、私のためにいろいろと知恵を出し合ってくださいました。そして、やはり『福岡市』しかないなぁということで決まった、福岡市薬剤師会薬局です。

会員のみな様方、末長くどうぞよろしくお願いします。

=福岡市薬剤師会薬局=より

【特集・在宅ケア】 福岡市市民福祉サービス公社の概要と
その他の在宅福祉サービスについて
福岡市市民福祉サービス公社 事務局長 小河泰久

我が国における急速な高齢化の状況は、皆様方、既にご承知のとおりでございます。

その中で、ねたきりや痴呆等、介護を必要とする状態になりやすい後期高齢者(75歳以上の高齢者)が、著しく増加することも予測されています。

一方、高齢者を支える介護力の状況を見ますと、子供との同居世帯が減少し、ひとり暮らし老人や、高齢者夫婦の増加等の家族構成の変化や、女性の社会進出等により、家庭における介護能力は、低下の一途を辿っています。

また、援助を必要とする、多くの高齢者や心身傷害児・者にとって、住み慣れた地域社会の中で、家族や友人達に囲まれながら、生活を続けたいとの思いは強いものがあります。

これらのニーズに応えるためには、医療・保健・福祉の一層の充実、連携・協力に加え、地域社会のサポート等も必要となってまいります。

例えば、ねたきり老人等が、自宅で生活をするためには、主治医の往診や訪問看護、保健所の保健婦による訪問指導、介護力の不足している世帯に対しては、ホームヘルプサービスを始めとする在宅福祉サービスが、一元的・総合的に提供されること、地域住民による、自主性、自発性に基づく、ボランティア活動とのネットワーク等が望まれます。

福岡市医師会による、在宅医療への積極的な取組や、福岡市歯科医師会による、「在宅ねたきり老人訪問歯科診療事業」、保健所の「在宅ケア・ホットライン」等、本市における医療・保健・福祉の協力関係は、他都市に誇れる状況にあると言っても過言でなく、私達福祉関係者としても、心強く思っているところでございます。

福岡市では、きたるべき21世紀の超高齢社会に備え、これからの福祉を積極的に推進するためには、市民の相互扶助の精神を活かし、市民参加の下に社会全体で支えて行くシステムの構築が必要と考え、その中核として、住民参加型の福岡市市民福祉サービス公社を、平成2年9月に設立致しました。

市民福祉サービス公社は、福岡市から受託した、ホームヘルプサービス事業を主要事業として運営されていますが、その内容についてご説明申しあげます。

◎ホームヘルプサービス事業 (問い合わせ先 TEL431−2088及び各区役所福祉課)

1.事業の内容

日常生活を営む上で支障のある高齢者や心身障害児・者の世手酌こホームヘルパーを派通して、自立のお手伝いをします。

2.派遣の対象者

○おおむね65才以上の高齢者がいる世帯であって、高齢者又はその家族が高齢者の家事・介護を必要とするとき。
○重度の心身障害児・者のいる世帯で、家事・介護を必要とするとき。

以上のように、家庭内に介護者がいる世帯にも、派通します。

3.サービスの内容

○身体介護サービス
排泄介助、おむっの交換、入浴介助、身体の清拭、外出・通院時の介助、食事介助、着替えの介助等。
○家事の援助
炊事、洗濯、縫い物、掃除、買い物等。
○相談・助言に関すること。

4・サービスの時間

○月曜日から土曜日(祝・休日、年末年始を除く。)の午前9時から午後5時までの問サービスを行っています。
○高齢者又は心身障害児・者の心身の状況及び介護者の状況により、1週間当たり4時間から18時間までの範囲でサービスを提供します。(これでも足りない方については、必要により、公社事業として、前記のサービスを含め、最高36時間までのサービス提供が出来ます。)

5.利用料金

○利用者の世帯の所得の状況により1時間当たり無料から860円まで段階的に分かれています。(但し、公社事業を利用した時 は、サービスの内容、所得に応じて220円から980円までの利用料金を頂きます。)

6.サービスの担い手

○ホームヘルプ協力員(平成5年7月末現在 登録人員1,038人)
福祉に関心と熱意のある市民の参加を頂き、厚生省が定めたカリキュラムに従い講義、実技、実習等の研修(家事援助・軽介護等までのサービス従事者は50時間、入浴介助等の重介護のサービス従事者には123時間)を実施し、協力員として登録し、公社の依頼により、サービスに従事して頂いています。
○業務指導員(17人)
看護婦、介護福祉士、及びホームヘルパー、施設寮母等で5年以上の経験を持っ人達です。
協力員が休みをとった時の代替サービス、非常に難度の高いケースの直接サービス、ホームヘルプ協力員の実地指導を行います。
○調整指導員(28人 うち保健婦4人)
福岡市からの出向職員等で、利用申込み者の実地調査、協力員の選定、利用者と協力員に対する相談・助言・指導、保健所・医療機関・福祉事業所等関係機関との連絡調整等を行います。
特に、調整指導員の中に保健癖を配置し、専門的立場で、サービス利用者の身体介護上の留意点について、主治医の指示を仰いだり、保健所との連携を進める等、他都市のホームヘルプサービスには殆ど見られない機能であり、福岡市市民福祉サービス公社の特徴の一つと言って良いのではないかと思います。

7.運営実績

別表1のとおり、市民福祉サービス公社が本格的にサービスを開始した平成3年3月と本年6月を比べますと、サービスの量は人員、時間数とも5倍以上となっており急激な伸びを示しています。

サービスの内容についてみますと、介護を含むサービスの利用時問が約7割を占めており、医療機関や保健所との連携が重要となっています。

又、利用者に対し、サービス内容についての満足度を、アンケート調査させて頂きましたが、幸いに、80%以上の方から満足であるとの回答を得ています。

これも、ホームヘルプ協力員の皆さん方が、誠心誠意、利用者のお世話を頂いている結果と喜んでいるところでございます。 今後とも、市民の皆様方に満足して頂けるサービス提供を心掛けてまいりたいと考えています。なお、ホームヘルプサービス事業は、福岡市社会福祉協議会でも、福岡市の委託を受けて実施しており、平成5年5月の実績では、101人のホームヘルパーにより、388人の利用者にサービス提供が行なわれており、市民福祉サービス公社と併せ、1,400人に近い市民の皆様方にご利用頂いています。

◎その他の公社事業について

○おとしより相談事業(TEL472-5000)
高齢者及びその家族の悩み、心配ごと等の相談をトリオホン(3人で同時に話せる電話)を活用し関係機関と連携しながら問題解決に努めています。

○福祉機器の展示や情報提供事業(TEL431-2525)
特殊寝台や特殊尿器、車いす等の介護機器138点の展示をするほか、福祉関係の情報提供を行っています。

○障害者・高齢者住宅改造相談等事業(TEL414-8000)
住宅を身体障害者や身体機能の低下した高齢者に適するように改造する場合の相談、助成事業の調査等を行っています。

◎その他、福岡市の在宅福祉制度の主なもの(問い合わせ先 各区役所福祉課)

○デイサービス事業
在宅の虚弱・ねたきり・痴呆のある高齢者を昼間、デイサービスセンターに送迎し、日常生活訓練や、入浴・給食等各種のサービスを提供し、高齢者の心身機能の維持向上を図ると共に、併せて家族の身体的・精神的負担の軽減を図ることを目的としています。

○入浴サービス事業
在宅のねたきり老人に対して、健康保持を図るため、自宅を訪問したり、施設に送迎し、入浴の機会を提供するもの。

○ショートステイ(短期入所)事業
ねたきり老人又は痴呆性老人を家庭で介護している人が、病気、事故、冠婚葬祭、リフレッシュ等(理由の如何を問わない。)で一時的に介護できない場合、ねたきり老人等を短期間、特別養護老人ホームに預かり、お世話するもの。

○日常生活用具の給付と貸与事業
在宅のねたきり老人又はひとり暮らし老人等に対し、日常生活用具を給付又は貸与し、生活の便宜を図ることを目的としています。
特殊寝台、浴槽、湯沸器、マットレス、エアーパット、腰掛便器、特殊尿器、入浴担架、体位変換器、火災報知器、自動消火器、電磁調理器、痴呆性老人排桐感知器、車いす、歩行器、移動用リフト等。

○緊急通報システム
在宅のひとり暮らし老人等が、家庭内で急病や事故等の緊急事融こおちいった時、胸に掛けたペンダント等を押せば、近隣の協力員や消防局に電話回線を通して自動的に通報する装置を設置し、生活の安全を図るもの。

○障害者高齢者住宅改造助成事業
視覚又は肢体の障害のある方(1〜2級)がいる世帯、もしくは、身体機能の低下した、おおむね65才上の人がいる世帯で、その障害者や高齢者が、暮らしやすい生活ができるよう、例えば、手すりを付けたり、部屋の段差をなくしたり、住まいを改造する場合、その費用の全部又は一部を助成する制度です。(最高で45万円、所得により制限があります。)

以上のように、福祉サービスは、メニュー、質、量共に充実してまいりました。 市民福祉サービス公社でお世話している皆さん方の中にも、医療、保健、福祉サービスを上手に活用され、自立した生活を送られている重度の傷害を持つひとり暮らしの高齢者も多数見られます。

福祉サービスは、全ての人に、平等に利用する権利があります。(勿論、所得に応じた負担もして頂きますが。) 従来の「在宅サービス無しにお互いが無理を重ねる介護」から「在宅サービスを適切に活用する家庭介護」へと発想の転換をし、大いに福祉サービスを活用して頂きたいと思います。

薬剤師全の皆様方におかれましては、介護用品や介護機器、服薬指導等を通じて、在宅ケアに係わられる場面も多いのではないかと思います。

援助を必要とする人に、必要なサービスが提供されるよう、福祉制度等の紹介も、是非お願いしたいと思います。 福岡市市民福祉サービス公社に対する日頃からのご協力に感謝いたしますと共に、今後とも変わらぬご支援をお願い申し上げます。

<私と薬> アトロボスとクレオパトラ 城南区広瀬眼科医院 院長 広瀬泉

父が眼科医で教職にあったため、アトロピン、ピロカルビンという薬の名前は小学校の3〜4年頃から知っていた。というのも学生の試験の答案用紙を盗み見るとカタカナで書いてあるのがこれらの薬の名前であったからである。

その他に大きな瓶があって燐酸コデインというレッテルが張ってあった。子供の頃よく風邪を引いたものである。ヒュウヒュウいう様な呼吸音がして、耐えがたい咳が出る、息が苦しい、といった時に父が、象牙とおぼしい小さな竿計りでべっこう色の皿に少量の粉薬を量って飲ませてくれた。すると次の朝には痍が切れて息苦しさも治ったものである。その効果は絶大なものであった。アトロピンの方は戦争中5〜6cm角位に包装された紙づつみが棚に無造作においてあったのを想い出す。

長ずるに及び医学部に進み、やがて燐酸コデインが麻薬であり、大人の常用量が0.06gである事を知ると共に、父が計ってくれていた粉薬は十倍酸であったのだろう等と悟ることになる。一方アトロピンの方は全身麻酔の前投薬、胃十二指腸潰瘍、便秘等色々なことに使われるのを知り、眼科学を習い始めるとピロカルビンと共に眼科に必要不可欠な薬で、閉塞隅角緑内障には点眼が禁忌であると教えられた。棚においてあった包みは戦争中の物資不足に備えたもので相当に高価な隠匿物であった。

突然話は変るが、家に雌の黒猫がいる、尻の穴が鼠色であるのと虹彩を除いては真っ黒である。ご承知の様に猫の瞳は光が入ると縦長のスリット状に縮む。TVの推理物で、黒猫の眼が大写しになると縦に一線の紡錘状の瞳孔が黒いのを除けば、金色の虹彩がランランと輝いて猫の嫌いな人でなくとも気味悪く感じるに違いない。ところで家の黒猫を観察していると夜の方が可愛く見える。光が少ない所では瞳が丸くなり、金色の部分が少なぐ、いわば黒目勝ちになる。そのため可愛く見えるものの様である。黒き汝が瞳、なやましや……という訳であろうか。

話はアトロピンに戻る。散瞳作用のあることは皆さん先刻ご承知の事であるがベラドンナからアトロボスを抽出して媚薬としてクレオパトラが用いたという。想うに彼女は紅毛碧眼、虹彩が虹の彩りと書くように日本人の褐色一点張りでなく、緑色や若しかしたら金色だったかも知れないと思うのである。それはそれなりに魅力となり、美貌に華を添えたことであろうが、そこはそれ女心、夫アントニウスの寵愛をいやが上にも高めるためにアトロボスを愛用したのではないか。

ただ散瞳して黒目勝ちになるのはよいが、一週間は調節麻痺が起こり老眼状態になるばかりでなく、昼間酷く眩しい筈である。

女性は自分の魅力を増すためには労を厭わないものと理解しているから、この位の不自由は物ともしなかったであろう。唯緑内障の心配であるが、クレオパトラは毒蛇に自らを噛ませて落命したというだけで、寡聞にして眼が悪かったとの記録は識らない。

ここ迄下らぬことを書き並べていると眠くなってきた。今夜も黒猫の黒べえを抱いて寝ることにしよう。

<私と薬> 幸福 早良区歯科医師会 専務理事 堀田謙一郎

三ケ月前、二年ぶりに診療に来られたAさんが椅子に坐るなりこんな話をはじめた。「先生、私は腎臓がだめになり、現在は一週間に三回人工透析を受けているんですよ。今になって、おしっこが出ることのありがたさをつくづく感じさせられましたよ。」

私は五年前、地下鉄の階段で足を踏みはずして転倒し、右膝の皿を割り二ケ月間歩行困難になって、初めて松彙杖を使用したことがある。その時、足が自由に動くことのありがたさを痛感したが、いつの間にか「当たり前」となり忘れていたのをAさんの話で思い出した。

元京都大学総長の平沢興先生は次のような歌をよまれている。

「けさもまた さめて目も見え 手も動く ああ極楽よ この身このまま」

「当たり前」のことを「当たり前」と思わず、「当たり前」を「極楽」と言われる平沢先生の豊かな感性に敬服である。

平沢先生のような眼で、自分の周囲を見わたしてみると「当たり前」で感謝すべきものがいかに多いか驚ろかされる。

「人われに 幸はと問わば 答けん 生命のめぐみ すでに幸よと」

私達がこの世の中に生まれてくる確率は、自分の父と母が出会って一緒になった後でも、三十兆に一くらいのものだそうである。これは化学的事実である。となると今、生きているのを「当たり前」と思うよりは、不思議な力によって生かされていると感謝すべきではないだろうか。

現在、私の母は胆石で福大病院で手術を受け、二ケ月近くの闘病生活を送っている。見舞いに行って、母や他の病人の方を見るにつけ、自分が日頃忘れている「健康」のありがたさをつくづく感謝する。

「空気に感謝しているだろうか」「太陽の暖かさや明るさに感謝しているだろうか」「目が見えることに感謝しているだろうか」「耳が聞え、口がきけることに感謝しているだろうか」「小便・大便のできることに感謝しているだろうか」

感謝すべきことばかりである。しかしそれは「当たり前」のことでもある。となると「感謝」と「当たり前」の違いはどうして生じるのか。それはその人、一人一人の「ものの考え方」によるのではないだろうか。

ある人はこんなに言っている、

「感謝の心の中に幸福はある」

「目が見えること」を「当たり前」と思う人と、「感謝」する人では、毎日の生活に大きな違いが出てくるのではないだろうか。平沢先生のように、自分のこの身がそのまま極楽と思えるようになったら、どんなに毎日が楽しいだろう。

感謝すべきものをたくさん与えられているのに、それを「当たり前」と思い「感謝」の念を忘れて、不平不満ぽっかりの毎日だったら、それこそ一度しかない人生を駄目にしてしまうのではないだろうか。 私の尊敬するデール・カーネギーは、私達にこんな言葉を残してくれた。

「覚えていたまえ。幸福というものは、あなたがどういう人間で、どういうものを持っているかなどということは、まったく関係がないということを。幸福と関係があるのはあなたのものの考え方、ただ一つだけなのだ。だから毎日、一日の始まりにあたって、自分が感謝しなければいけないあれこれのことに思いをめぐらしてみることである。それは、今日あなたが心の中でどんなことを考えるかによって、あなたの将来が大きく左右されるからなのだ。だからいつも希望と自信と愛と成功につながる考えで、あなたの心を満たしておきたまえ」

<会員の広場> 愛犬なな 城南支部別府部会 占部薬局 中山廣子

我家の愛犬を紹介します。名前は“なな”と言います。柴犬の雑種で生後三年位になります。何の芸もない普通の犬ですが、我家の一員というか娘みたいなものです。三年前、赤間にいる友達から電話がかかってきて「犬が生まれたからもらってくれない?」と言うことでした。まず見てからということにしようと、小学一年生の息子を連れて出かけて行きました。生後一ケ月の手のひらに乗る位の小さくて丸っこい、おとなしい犬でした。子供がどうしても飼いたいとせがむので、ダンボールに入れて、電車に乗って連れて帰りましたが、道中まったく鳴くこともありませんでした。しかし、さすが夜になると親を慕うてクンクン泣きどおしでした。主人は徹夜でふところに抱いて親代わりをやってくれましたので、“なな”にしてはもう主人が親以上の人となったわけです。

何の予備知識もなくてもらって来ましたので、犬一匹飼う事がどんなに大変か思い知らされました。排泄のしつけ、食事の世話、散歩等。また不慮の事故や病気も心配な事です。犬は猫と違って高い所が苦手で、“なな”はいすから落ちて足を骨折してしまい、10日間位、板をはり金で固定させた不自由な生活を送りました。いろいろな事がありましたが、それ以上にかわいさが増してくるものです。靴をくわえてどこかへ持って行ったり、庭のあっちこっちを掘ってえさを埋めますので、庭は穴ぼこだらけです。

我家の前は小学校の通学緒で、朝小学生が通学するのを塀越しに顔を出していっも見送ります。みんな「ななちゃん」と言って頭をなでて行きます。そのあとは近所の方が通ると鳴いて呼び止め頭をなでてもらいます。知らない人にも吠える事なく、顔をすり寄せて甘えます。まったく番犬になりません。近くの公園へ散歩に連れていくと同じように散歩に来た犬とじゃれあって遊びます。友達がたくさん出来ました。

また車に乗るのがとても好きで、どこへ行くにも一緒です。車た乗って外の景色を興味探げに眺める様子は、小さな子供が一心に景色を見ているのと一緒です。でも“なな”に一つの弱点があります。花火が大嫌いで花火の音が遠くで聞えようものなら飛んで家へ帰りテーブルの下で震えています。今では“なな”も三才となり、人間でいうと三十才位になります。りっぱな成犬となり落着きも出てきました。最近は、昼間は悠々と寝てばかりです。犬の世界は、力関係がはっきりしていますから、息子を自分の下と見ているようなしぐさをして困ります。息子が呼んでもフンと鼻であしらうような素振りをします。息子もあまりななの世話をしなくなりました。同じように大型犬が近づいて来るとすごすご引き下がりますが、小型犬だと猛然と自分の領域を示します。犬は飼い主に似るとも言います。

意地っぼりの所は息子そっくりだと主人と話しています。犬の親子は情愛がとても深いと聞いていますので“なな”にもー度は子供を生ませてやりたいと思っています。もっか花婿さん募集中です。何だかとりとめのない事を書いて紙面を汚したのではないかと心配になってきました。軽く読み流して下さい。

※柴犬について

日本犬種の中で最も小型な犬です。毛色は赤とブラックアンドタンで体が丈夫で性質がしっかりして飼いやすい犬です。柴犬は猟犬としてもすぐれています。柴犬という名の由来はやぶをくぐって走るところからつけられたともいわれます。

いまいづみ日記

広瀬先生は別府2丁目のバス停前で眼科医院をされています。

今年の4月、城南支部の研修会で「老人性白内障」というテーマで講師をお願いしました。わかり易く、とても好評でした。その広瀬先生に、わずか1カ月の問に4回もお会いしたのです。

1度目は末娘のコンタクトレンズを作りに伺った折、母親として。2度目は市薬ジャーナルの原稿依頼に、広報委員として。3度目は急患センターで当番医で入られ、私は薬剤師として。4度目は原稿を頂きに。

どの折も、先生の気さくな人柄が表われ、楽しい再会でした。偶然とは重なる時は重なるものですね。

頂いた原稿に目を通しながら、飄々とした中にさらりと艶っぽさを忍ばせた文章に魅せられています。先生、ありがとうございました。

(坂田)

<会員の広場> 5日間の台湾旅行 城南支部 別府部会 サカタ薬局 坂田博子

去る8月18日〜22日の5日間、台湾に遊んできました。目的はもちろん、薬局見学。新聞やテレビで見る台湾を直に見ることです。

ふとした折、中野先生の数回に及ぶ中国行きを伺って私もいつか是非中国へと、お願いしていたら、そのいつかが、この8月になったのです。「今年は台湾にしましたが、何如ですか?うちの奥さんも女性の従業員さんも一緒ですよ」と連絡を頂いた。遠い将来のように思っていたいっかが、すぐ目の前に降ってわいたようで心が騒いだ。留守中の薬局や家族の顔がチラついたが、生きたい!折角の機会だし、橋口先生も行きたいと想いは一緒、行こう、と決まり中野先生にお願いしますとお返事をした。

中野先生ご夫妻、お務めの越智さん、橋口先生、文乃ちゃん、私の、黒一点の6人グループで、それに他の参加者を加え、総勢24名の「楽楽台湾5日間」の出発となりました。

18日当日が来た。出国の手続を済ませ、やっと、中華航空の飛行機の中に坐る。心は踊って、子供に帰ったようで、文乃ちゃんと同じ気分となる。

機上にて時差の1時間を遅らせる。「モモ」の時間泥棒を思いながら、不思議な体験をする。

乗ること2時間、否1時間?台湾の中正国際空港にゆっくりと着陸した。

静かな税関から、入国手続を済ませて台湾のロビーに入る。そこは一変して賑やかな沢山の人と台湾語の飛び交う場となる。台湾の人も日本の人も見分けがつかない。中野先生ご夫妻がたよりで、見失なわないように後からついて行く。大きなテレビの画面が天気情報を映している。どうも「台湾の南西部に台風接近中」といっているらしい。中野先生に話すと「そんなもん大丈夫です」と、台湾のことは何んでもご存知らしく落ち着いて動じない。流石です。

ロビーから、外へ出てバスへ乗る。蒸し暑い。晴天だ。日本で忘れかけていた太陽を見る。台風接近中のことも一遍で吹きとんでしまった。ガイドの陳さんの流暢な日本語を聞きながら外の景色を見る。バスは高速道路を走っている。両脇に爽竹桃、ゴムの木、ネムノキ…街路樹がのびのびと大きい。ゴムの木など日本の鉢物に見慣れているから、この数倍の大きさが本来の姿かと驚いた。時々、薬局、薬房という看板が目に付く。慌ててガラス越しにシャッターを切る。

雨が暫く降っていないらしい(乾期?)大きな河川敷に比べると川床の流れは細い。建物も木も何となく墳っぼく見える。

台中に近くなるとヤシの木、槙榔子、バナナの植林が遠くの山や平野に見える。ここは南国、果物の地、とれたてのバナナが食べられる所。バスにゆられて数時間、お腹も空いてきたのだろう。食べ物のことがチラついてくる。タイミング良く、中部にある天然湖の景勝地、日月澤に着いた。今宵の宿の地はここ。

黄昏時、ホテルのテラスから見渡す日月澤は淡く、靄がかかって吸い込まれそうになるほど美しかった。文乃ちゃんの透き通った高い声が湖に響いている。中野先生のビデオがまわっている。とても静かだ。

待望の夕食の時間がきた。本場の台湾料理なのです。円卓に坐り、湖をバックに、次から次へと来るお皿に箸をとる。これは何だろうと目や鼻や口、体全体で味わう。油っこいが美味しい。野菜も豊富に入っている。合い間に暖かいウーロン茶を飲む。飲みながら食べ、食べては飲む。このウーロン茶がまた美味しいのです。お腹が一杯になってきた頃、フルーツが来る。西瓜、蕃果、パイナップル、スターフルーツ、またまたお腹が一杯になってしまった。これほど出る料理殆どに油が使用してあるのにそれほど肥満っぽい人はあまり見かけない。勤勉でよく体を動かすからか、ウーロン茶が洗い流してくれるのか不思議だ。

私はすぐ太る体質だから、ウーロン茶を無理にでも飲んでと頭で考えていたが、何のことはない、ウーロン茶が美味しくて仕方なかった。皆も、お代わりを頼んでいたのはウーロン茶だったけ。

満腹になって、台湾の第一夜はすぐに寝てしまいました。

(つづく)

<会員の広場> ドイツ原理原則 欧米薬局レポートその5 博多支部 千代吉塚部会 荒巻薬局 荒巻滋

4−3

ローデンベルグを後にドイツ最古の学園都市ハイデルベルグへ。ホテルで休憩の後、町のめぬき通りにあるビアホールSepplへ行く。

ここは400年の歴史を持つ店だ。ハイデルベルグに大学ができたのが14世紀、そして薬学部ができたのが16世紀だから、この店は世界で最も古い薬学部とともに歴史を刻んできたわけだ。店に入ってまず目を引くのは壁にずらりと掛けられた学生達の写真や落書き。きっとその中には後に世界的に有名になった学者や政治家が沢山いることだろう。

大きな長靴ジョッキでビールを回し飲みする。地元の常連客が大声でピアノに合わせ歌を歌う。日本人ならば演歌、アメリカならばジャズ・ブルース・カントリー&ウエスタン、そしてここハイデルベルグの酒場で歌われていたのはシューベルトの歌曲。日本の酒場でこんなもの歌うやつがいたら本当にしらけてしまうのだが、ここドイツではごく自然に耳に入ってくる。

ドイツ人は古来森の人で、大昔は木の上で生活していたそうだ。外敵が侵入すると見張りがドラムで合図し木の上にのがれた。そのため音感が非常に発達しドイツではよい音楽ができるようになったという。美しい森のせせらぎ、ゆるやかに流れる川の音。こんな環境で生れ育まれた音楽が人の心を静めてくれるのもごく自然なことだろう。

ドイツ人は自然を大切にする。環境保全に対する意識も非常に高く、山を歩いてもごみ一つ落ちていない。ドイツのごみ対策は画期的であると同時にその厳しさで日本でも有名だが、逆にドイツでは子供達でさえ日本による木材乱伐のことを知っている。しかしドイツ人の環境に対する考えかたはあくまでも合理的なもので、日本の割り箸反対論者のように単にヒステリックなだけのものではない。

ドイツ人の歌が終わったら今度は日本の童謡が流れだした。ピアニストからわれわれへのプレゼントだ。これにつられて何人かが歌っていたのだが、まわりのドイツ人客やカナダからやって来たと言う学生達まで我々のテーブルにグラスを持ち寄り、大合唱となった。

店を出て通りをうろうろ。2〜3日後は雪の予想だというのに、道端にベンチを並べ茶やビールを楽しんでいる。木造りの店内ではやさしいボサノバのギターが奏でられている。寒さの厳しい土地の人はこうやって貴重な春の日ざしを楽しむのだろう。

寝る前の腹ごしらえに中華料理でもと店に入る。とてもスパイシーな味付けにびっくり。 ここでは郷土料理に限らずすべてがスパイシー。ハーブにとても馴染みの深い土地柄のようだ。ひりひりする口の中を気にしながらベッドにはいる。

4−4

4月13日、市内観光の後、丘の上に威容を誇るハイデルベルグ城へとむかう。城内には私がこの旅で最も楽しみにしていたハイデルベルグ薬事博物館がある。

館内に足を踏み込む。ここにはヨーロッパの各地から移設されて来た数々の薬局が当時のままの姿で保存されている。本来写真撮影は禁止だが、特別に許可をもらう。しかしストロボの使用は絶対禁止。展示されている薬品が分解するからで、ぴんの中の薬品もその薬局で実際に使用されていたのと同じ状態で保管されている。

薬局というよりは京都の寺で仏像を見ているという雰囲気。(4−4−A)それもそのはず古くは修道院の薬品保管庫をアポテーケと呼び、ここにある展示物の多くも修道院から集められた物だそうである。中世は宗教万能の世の中でギリシア・ローマ伝来の自然科学が著しく衰えた時代だと聞いているが、その間修道院でそれらの医薬が保存されたというのは一見皮肉に思える。

そこでは医師も当然僧侶であり他の者のアポテーケへの立ち入りは堅く禁じられていたという説明を受けたが、フリードリッヒ2世の薬局制度制定により薬剤師が誕生してから後の事はよくわからない。

薬ぴんのラベルに王冠のマークがついているのは王家直系の薬局のもので、税制その他の優遇をうけていた。また3つの王冠はそれぞれ薬の原料となる動物・植物そしてミネラルをあらわしている。くびれた砂時計のような薬ぴんは尼さん用で、小さな手で持ちやすく座りがよいようにできている。

天井からワニやノコギリザメ・カメレオンなどをぶら下げている薬局が多い。昔アラビアの商人が、薬に使ってみないかと持ち込んだものらしい。これらは装飾品として用いられることはあっても実際に薬品として用いられることはなかったそうだ。しかし驚いたのはエジプトから輸入されたというミイラで、これは近年になって人間を薬に使ってはならないという法ができるまで実際に薬品として用いられていた。

いろんな薬局のなかで最も印象に残ったのは王家や修道院の薬局ではなく町方の薬局だ。(4−4−B)中2階が設けられており、そこには薬剤師の椅子と机が置かれている。そこから薬剤師が下で働く沢山のスタッフを監督したのだそうだ。左側には大きな窓がありここから客が持ってきたレセプト(処方せん)を受けとり、製剤した後またこの窓から代金と引き替えに薬をわたす。作業台の上に貯金箱の穴のようなものがついており、そこから薬の代金が台の下の金庫へと納められる。この穴がついているかどうかで町の薬局かどうかがわかる。

日本ではズボンのチャックが開いている事を“世界の窓が開いている”と言うがドイツでは“アポテーケの窓が開いている”と言う。 開きっぱなしはみっともないわけだ。これは一般の人達が、薬剤師が薬をきちんと管理さしていると言う事を認めている証拠だと思う。 やや露出症気味の私の薬局を反省した。

地下に降りるとそこにはハイデルベルグ宮廷薬局の跡がある。(4−4−C)薬局というよりは実験室である。薬の保管庫としてアポテーケと言う言葉が通常用いられるが、実験室的性格が強い場合はオフイツイーンともよばれたそうだ。ここで現存するものでは世界で最も古いといわれる蒸留装置をみせてもらった。17世紀、その高度な蒸留技術によりドイツの薬剤師の地位は確認された。

通路の壁面になにげなく展示されているのは、最も古い部類に属する医薬品集だ。(4−4−D)それらの表紙にはその医薬品集が作られた地方の風景や、医師と薬剤師が医薬品集を王に授けるところが描かれている。「この世に完全な医薬品などありえない」というのが近代薬学発祥の地ヨーロッパの考え方であり、常に医師と薬剤師が情報交換しその結果を医薬品集に記し、より完全な医薬品を作って行こうと努力を絶やさぬようにしているのだと感じた。薬品の添付文書などあくまでも参考のデータとしか考えていないようである。

実生活のなかで文字どうり試用を繰り返す事によりその薬品に関する様々な情報が集められ、記録されることにより、より完成度の高い物となっていく。薬品を使用するということはある意味において実験の繰り返しに他ならないわけである。今日でも地域においてはその地域において編纂された医薬品集に載っている医薬品とその製法が立派に公のものとして通用するそうだ。ドイツ医学の歴史の深さを思い知らされる。

この素晴らしい薬事博物館が地元薬剤師会により管理運営されているとは実に驚きだ。

博物館見学の後、地元薬剤師会の役員の方からドイツ薬事情勢に関するレクチャーを受ける。ドイツ薬剤師会はカマと呼ばれ、16の州に17ある。薬剤師は全員カマに加入しなければならない。カマとは別に経済的利益を守るための会としてアパテーカーフェラインという組織があり、カマとアパテーカーフェラインの共同組織をABDAと呼ぶ。

以前は薬局開設に当たって距離制限があったそうだが、第2次対戦後は自由開局制となり距離制限が無くなった。原則として薬剤師しか開局することができないが、その薬剤師が死亡した時に限りその妻子が薬局を他の薬剤師に貸すことができる。現在、旧西ドイツ部において1800薬局。人口3300人〜3500人に1薬局でその割合は日本とほぼ同じである。

病院で用いられるものもふくめ全医薬品の約80%が薬局経由で末端消費者の手に渡る。 通常、薬局の売り上げの約80%を医薬品が占めている。医薬品を販売方法からみると、薬局のみで販売されディスカウントが許されていない要処方せん薬およびOTC薬、そして薬局でない所でも販売ができディスカウントできるOTC薬の3種に大別できる。要処方せん薬に関しては流通コストを考慮してか、高い薬は低マージン、安い薬は高マージンとなっている。保険は90%が国営で、現在ドイツ連邦政府は医療費抑制のためOTCを推進している。

レクチャーの後、カマの方から昼食をごちそうになりほろ酔い気分となったころ薬局見学の時間となる。(続く)

くすりばこ

☆「リーン、リーン」
 「はい、入部薬局です」
 「○○薬局です。ちょっと、今外人さんが来とっちゃけど、英語おしえて。」
 「えー、何と言えばいいと?」
 「便秘薬をのんでみませんかって何ていうと?」
 「ちょっと待って。ベンピが解らん。辞書引くけん…」
 「それと、お金が足りんかったら後でいいですって言うのもおしえて」

 まあ、大変です。実力が足りないのにたいへんな連載を始めたものだから、英語の事だったら何でも聞けば解ると思われて目を白黒させる出来事が続いています。しかし、必要は発明の母、私の英語もだいぶ英語らしくなってきたと監修していただいている英語の先生からおほめの言葉を頂きました。

 使わないと退化するので実は毎日カゲ勉をしているんですよ。この忙しいのにまったく御苦労な事で…ブツプツ…

☆最近、在宅ケアに関心を持つようになったからか、店頭で、痴呆老人を介護している家族の方が目につく。薬を買いに来て、ひとしきりこぼしていかれる。「ホットライン」の事を教えてあげて、デイケアサービスを受けるよう勧めてあげると、非常に喜んで帰っていかれる。まだまだどういう行政サービスがあっているのか知らない人が多い。先日新聞でボラティア登録をした人が3000人を越えたという記事を見た。着々と、草の根レベルで浸透していっているのだなと嬉しく患った。

 私も店頭で大いにPRしようと思う。そして薬局も相談窓口になれる事を知ってもらいたいと思う。

(橋口)

〔フレッシュさん紹介〕 新米学薬日記 中央支部 ゼネル薬工西部(株) 千堂富士子

今年度から市薬に入会し、学校薬剤師の一員として活動に参加させていただくことになりました。担当校は中央区の薫の子小学校です。現在は直販メーカの管理薬剤師として勤務する傍らなのですが、幸いにも会社の理解を得て、スタートすることになりました。

3月の新人研修会に始まって、3ケ月は瞬く間に過ぎてしまいました。

総会。研修会。地区研修会。飲料水検査。給金センター環境調査。そしてプール水検査。

中でも7月8日と9日に鹿児島で開催された全国学校薬剤師講習会はその講演内容がとても興味深かったので、前もって参加を申し込んだところ、県学薬の方から出席許可をいただきました。

当日は「学校保健の現状と課題」と題して文部省の方から。あるいは「学校薬剤師に期待するもの」として、現場の校長先生からのお話。そして、子供たちの健康に深い関わりや影響を及ぼすものとして、食生活や環境汚染の話が伺え、大変有意義な2日間でした。

そもそも、私にとって“学校保健”という以前に小学校、中学校は遥か昔に縁遠くなってしまった所であり(やっと長男が来春就学いたしますが、)初めて担当校へ挨拶にいった時も何だか不慣れな場所に来たという感じがして妙にぎこちない面もちで参りました。

学校側も薬剤師をどう捉えていらっしゃるのだろうか?これも現時点ではそれぞれの学校で違いがあるように思えますし…。担当薬剤師の取り組み方も人それぞれの個性が現れて来るのでしょう。本当に学校薬剤師ってなんだろう?

それまでは私の中に輪郭も持たない影でしかなかった学校薬剤師という名称が、講習会の校長先生のお話をきっかけに少しイメージとして膨らんできたような気がします。それは以前、ベテランの先生が「本を読むより、とにかく学校へ行くことです。そこから始まります。」とおっしゃられた言葉とぴったりつながってくるのです。

では私に一体何ができるのか?一人の新米学校薬剤師としては全く白紙の状態です。とりあえず、先輩方のお話を素直に伺い、足を運んで自分なりに考えていきたいと思っています。諸先生方、どうかご指導やご助言をお願いいたします。

プール検査や飲料水検査で、残留塩素を測定していると子供たちがいっの問にか寄ってきて、「何しよると?」と興味深そうに尋ねます。

「みんなが使うお水がきれいかどうか調べよると」「ふーん」「ばい菌とかおったらいかんやろ?」「そうやねー…あっ今、色が変わったよね!」「僕も見せて!見せて!」などとやり取りしながら楽しくやっているこの頃です。

〔フレッシュさん紹介〕 薬剤師会との出会い 九州大学医学部附属病院 薬剤部 武智秀明

フレッシュさんと言うタイトルで原稿の依頼をうけましたが、いまさらフレッシュさんと言われるほどの新鮮さはないので、今市薬で目新しい者として、自己紹介させて頂きたいと思います。

市薬とのつながりを振り返ってみますと、今までは、一部の先生方としか縁がなかったようです。しかし九大病院の院外拡大発行を機会に急に市薬の先生方との交流が多くなりました。私はその当時、薬務掛でしたので院外拡大発行の仕事に加わり、処方支援情報のシステム化に取り組み藤田先生とは、何回も打ち合わせを行いコンピュータとのにらめっこの日々が続きました。薬局マスターや地区ファイルの作成等で、応需薬局名、薬局開設者、管理薬剤師などの名前を日々見ていますと、一方的に応需薬局の先生方とは、処方支援情報のファックスを通じて知り合いになれたような気がしています。

興味はスポーツが好きで、今流行のゴルフをはじめ、テニス、野球、そしてJリーグで熱狂しているサッカーなど、数だけはいろいろしています。しかしこれといって極めたものがなく、どれもほどほどに顔を出すといったていどです。ゴルフは100前後で伸び悩み、今シーズンは100を打たないことを目標としています。(今年は、まだ3回ぐらいしかしていないかな!)

今一番熟をあげているのが野球です。ポジションはサードとリリーフのピッチャー(これがちょっとしんどい)打順は日によって違いますが、ただいま6割ぐらいでチーム一の打率を残しています。九大病院の医局対抗の試合ではとりあえず1勝し、ただ今相手のチームと2回戦のスケジュールを調整しています。

このように私の自己紹介となりますとスボーッの話が多くなってしまうのも日々の生活の表れでしょうか。7月からは、以前から出動したいと思っていた急患センターに、行くことになりました。また9月から調剤室に部内移動したため処方検討会のC班を担当することになりました。今後、ますます多くの先生方と身近に知り合えることを楽しみにしています。

【特集・座談会】 「組織運営を考える」

日 時
平成5年8月25日(水)午後7時30分
場 所
市薬会館 第1会議室
テーマ
「組織運営を考える」
(1) 市薬組織について

a.代議員会はどうあるべきか
・日程の組み方、開催回数、代議員数とその選出の奉り方、代表質問を含めた質問のあり方、等々
b.選挙規程について
・役員選挙の実際について
・理事の選出方法およびその数
C.委員会制度について
・名称およびその枠組み
・市薬の委員会は、諮問のみならず実行機関でもあることから、人選にあたっては、委員長の要望を考慮できるか

(2) 支部の組織運営について
(3) その他
出席者
高杉正典 光安龍彦 清水達三 松島照幸 吉田斌 大庭秀臣
オブザーバー
 組織担当常務理事 山口利英
司会
樋口昌嗣
司会
本日はお忙しい中お集まり頂き、有難うございます。この度市薬で初めて選挙規定を持ちましたことを受けて、市薬組織運営について考える機会を持ちたいと、座談会を企画致しました。まず、代議員会はどうあるべきか、大庭先生からお願い致します。

大庭:
代議員会はやはり、重大な決定をする場ですから時間的余裕がないと議論が出来ない。従って、土曜の2時からが良い。又、代議員会は決算、予算と分けて2回持つべきである。代議員の数は現在10人に1人であるが、会員数も増えてきており、県薬に準じて20人に1人くらいで良いと思う。選出方法は選挙が一番良いとは思うが現在のところ、南区では推薦制にしている。

清水:
県薬に準じてやるように持っていくのが良いと思う。日程は、土曜か日曜。 又、決算、予算と分けて代議員会を行なわないと、執行部が交代した時など、前執行部の予算で運営していかなくてはならない不都合が生じる。代議員数については、10人に1人で良いと思う。 早良区では選出方法昼部会長に責任を持たせているが、現在のところ推薦制である。

光安:
日程、回数の制限は、市薬の問題が色々山積してきた時には是非、臨時の代議員会をどんどん開いてほしいという事である。代議員数は県薬なみにして良いと思う。要は代議員が末端の会員の意見をどう汲み上げるかにかかっていると思う。代議員の選出方法は中央区では部会から1人と、あと全体から割りふりしている。

吉田:
県薬では4月決算、6月予算の代議員会があるが、市薬は県薬に先行しないと、連絡事項などがうまく伝達されずに困る状態になっている。市薬では3月予算(その時期に役員改選も)4月決算が良いと思う。代議員数は10人に1人でよい。なぜなら、部会という組織は10人 前後であるから、20人に1人では部会を代表する代議員とならない。西区では推薦制である。

松島:
現在、旧理事が決めた予算を新理事が執行するという矛盾がある。役員改選を予算より先行させるべきだ。又、代議員会は随時行なうべきだが、予算をきちんとつけておいてほしい。代議員数は20人に1人で、選挙すべきだ。そうすると活性化が行なわれる。質問の形式については、代表質問にした方が質問が集約できるし、時間の無駄がなくなる。

高杉:
日程に関しては土曜より、日祭日が良い。回数は2回、間隔をあけてやるのが良い。又、代議員は各支部を代表して出ているのだから、個人の意見でなく会員の代表としての発言をしなければならない。その為には部会なりを頻繁に開いて会員の意見を吸い上げることが大切だ。

松島
私は支部で選ばれた以上、責任を持って個人の意見を発言して良いと思う。その為には選挙で選ばれているのがベターだが。

光安:
若い代議員の意見がなかなか出てこないように思う。

司会:
意見を吸い上げる為にどのようにされていますか。

清水:
早良では各部会共、年2回以上開いている。又、支部で何かの役を持っている人全員で構成する運営委員会があり、そこで討議した上で部会におろしたり代議員会に望むようになっている。運営委員会は現在15名で年5回以上。

高杉:
博多区では、部会長会、役員会を月1回くらい開いて伝達している。

司会:
各支部独自の方法で前向きに努力されていることがよく理解できました。

大庭:
しかし、B会員(勤務)を代議員会にどのような形で参加させるか、まだ課題は多い。

高杉:
支部に組み込むと矛盾はなくなるが。司会 次に選挙規定についてお伺い致します。

山口:
組織が巨大化して皆が顔見知りであるという状態ではなくなった。リーダーシップを持った人を選んで、組織としても脱皮する時期に来ているのではないか。薬剤師会をこうしたい、こうあるべきだという意見が出るようになればもっと活性化されると思う。

松島:
定款も少しずつ見直していく必要がある。

高杉:
理事も今は20名以内で会長が任命するようになっている。

山口:
理事を選挙で選ぶ方法もあるが、今一度に定款を変えるのは早いのではないか。

高杉:
ただ、会長が選ぶとイエスマンばかりになる恐れがあり、その弊害も恐い。

松島:
副会長の選び方では、それぞれの形態の薬局の代表権を持った人、すなわちOTC種体薬局の代表、調剤薬局の代表というようなバランスをとった選び方も一つの方法だと思う。

山口:
そういう意味では部会連絡協議会が力を持っていて、支部長が理事に入っていた時代もあった。

高杉:
とりあえず三役、監事あたりまで選挙で、二段階に分けて定款を変えればよい。

司会:
一遍に全部を選挙制にするのは難しいということですね。

松島:
今、各支部の会員のまとまりが出来つつあると思う。支部の組織が強くなってくると、市薬はむしろ対外的な組織になると思う。

司会:
そこで対外的な活動と委員会組織の問題になると思いますので、次に委員会制度についてお話を伺いたいと思います。

大庭:
各委員会の活動がオーバーラップしていて解りにくい。又、委員会の長は理事を兼務すべきだ。そうしないと意志伝達がうまくいかない。

光安:
今、委員会は極端に人を減らした状態でやっている。各支部から1人ずつ出すくらいでないと活動できない。

高杉:
委員全組織も見直し統廃合する時期に来ていると思う。

司会:
執行部に委員会組織を見直す委員会を作るよう希望しておられますが・‥。

山口:
委員会は現在、諮問機関であると同時に実行機関にもなっている。会務を執行する部を独立させるという形に持っていかなければならない。その為には、今の会員数では無理である。調剤薬局勤務の薬剤師を取り込んでいかないと限界にきていると思う。

高杉:
最後に、委員や理事の選び方に問題があると思う。事前に支部長を通して検討させてほしい。優秀な人材があれば推薦するし、支部の了解を取っていれば権威あるものになり、協力も得られやすい。1本釣りでは皆の信頼を得られない。

司会:
本日は貴重なご意見ありがとうございました。この意見を執行部に伝えまして、市薬の発展の為に参考にしていただきたいと思います。

(文責 橋口)


■■トピックス■■ 市薬学術委員会

脳血管性痴呆(記憶障害)に対する治療

1.記憶のメカニズム(どの段階の障害でも記憶は侵される)

(1) 新しいことを覚え込む〈記銘〉。
(2) 覚えた知識を長い間保存する〈保持〉。
(3) 知識を取り出して利用する 〈想起〉。

記憶の中枢は側頭糞内側部(海馬を中心)に想定されており、脳梁を環状に一周する神経線維回路(Papez回路)が形成され、記憶の制御に関与する。

海馬 > 脳弓 > 乳頭体 > 視床前核 > 帯状体 > 帯状回 > 海馬回 > 海馬

血栓によって、Papez回路を潜流する血流が一時的に途切れ、一過性の記憶障害が起こる(一過性全忘症)例もある。

2.治療

脳循環を低下させる脳卒中危険因子を取り除き、脳代謝低下を改善する。特に高齢者では夜間を含め急激に血圧を低下させると、海馬など虚血に鋭敏な神経細胞障害を増強し、痴呆を発展させる可能性が高い。やや血圧は高めに調節することが肝要である。

薬物では血小板凝集阻害葉と脳循環代謝改善薬が有効である。中でも海馬CAI細胞の虚血に対する保護作用が実験的に証明されているヘキストールには優れた臨床効果が認められている。

PTMVol.6,8(5)JUN.,1993

どうして薬剤耐性黄色ブドウ球菌が出現したか?

1940年
ペニシリンG使用
1944
ペニシリン耐性黄色ブドウ球菌出現(イギリス)。この菌は、ペニシリナーゼ(β−ラククマーゼ)産生菌であった。
1950-1970
マクロライド系、アミノグルコシド系薬剤が開発されたが使用頻度により、これらの薬剤に耐性の黄色ブドウ球菌が増加。
1960
メチシリン開発(ベニシリナーゼ産生菌でも失活されない)
1961
オキサシリン開発(ペニシリナーゼ産生菌でも失活されない)
1961
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の出現
1960前半
第一世代セフェム系抗生剤開発。ブドウ球菌に対して比較的強力な抗菌力を有する広域抗菌スペクトルを持つ薬剤
1970
弱毒グラム陰性梓菌による感染症の増加
1980
第二、第三世代フェラム系抗生剤開発

第三世代フェラム系抗生剤は黄色ブドウ球菌(SA)に対する殺菌的抗菌力の弱い薬剤である。この系統の薬剤を感染予防を目的に長期通用することにより、(1)β−ラクタム環を有する薬剤に耐性なSAの出現を誘導する。(2)菌交代現象が生じ多剤耐性黄色ブドウ球菌の増殖を優位にした。

医学のあゆみVol.166 No.7・81993.8.21

β−ラクタマーゼ産生株のβ−ラクタム剤に対する耐性機序

黄色ブドウ球菌には膜蛋白成分として、菌体の細胞壁の主成分であるムレインの網目構造を合成するに必要なムレイン架橋酵素群(ペニシリン結合蛋白群Penicillin bindingproteins PBP3、PBP4の4つの主成分とPBPm1、PBPm2の2つの副分画から構成されている。

β−ラクタム剤に感受性のβ−ラククマーゼ産色ブドウ球菌では、β−ラクタム剤がこれらのPBPsのいずれかに結合することにより菌体の細胞壁合成を阻害する。MRSAの耐性機序はβ−ラクタム剤によって親和性の低いPBP2’が産生され(PBP2の代替酵素)薬剤存在下でも細胞壁のムレイン蛋白合成が進行している。

 

 

「オケラ会」へのお誘い

9月23日脊振での薬草観察会の下見に参加しました。薬草の選定をされる薬局委員の先生方の後ろから山道を歩きます。

小川の水際に咲く可愛い花を見つけました。その名も「ミゾソバ」溝の側に生えるという名前の由来だそうです。

ピンク、紅色、白、と岸に沿って金平糖の花のよう。

「今日は、今が一番私たちの美しいとき、お会いできて嬉しい。」と耳元に囁き掛けるように優しく揺れるミゾソバ。まるで金平糖の妖精です。

今、薬局の中、遠い脊振の山中をおもい、じっと仔むミゾソバに焦がれています。

薬草に会いに山中を歩く、とても新鮮ですよ。市薬の有志による、薬草に親しむ会の「オケラ会」いかがですか?

(坂田)

[広報]

第29回臨時代議員会(第57回総会)

日 時
平成5年7月10日(土)午後3時
場 所
福岡市薬剤師会館講堂
出席者
三津家会長、細井、松枝、長谷川各副会長、合澤専務理事、山口、中島、小野、篠崎、木原各常務理事、 市花、城戸、成澤、鶴原、藤田、国武、松島各理事、藤原、豊福各理事、広報・坂田
代議員
 
東支部
松井昌也、井原俊一、入江理裕、藤野哲朗、戸田晶久
博多支部
高杉正典、深江昭夫、平野光佐子、冷川襄、森川公雄、市原和郎、河辺利也、蔵元良行、高丘章、吉田 徹、渡辺久代、田中伸一
中央支部
光安龍彦、副島恒夫、勢島充、樋口昌嗣、戸田重雄、梅末芳彦、小松秀美、西森基泰、下瀬和俊、三井所清澄
早良支部
清水達三、野田靖夫、本川栄、本村精也、南島敏彦、有馬純、青柳豊子
城南支部
栗田邦彦、小林智、浦野満津代、式町正信
西支部
吉田斌、中野勝郎、占部吉幸
南支部
大庭秀臣、木村英樹、石田和長、吉田邦夫、小林正治
勤 務
四宮国臣、唐沢博順、中尾泰正
 

代議員会次第

司会     市花理事
開会あいさつ 松枝副会長
会長演述   三津家会長

議 事

 議案第1号、第2号
  合澤専務理事、中島常務理事、小野常務
  理事より執行部説明
 議案第3号、第4号
  山口常務理事より説明
 閉会あいさつ
  長谷川副会長


総会次第

 1 開会あいさつ
 1 会長演述
 1 第29回臨時代議員全決定事項報告
 1 閉会あいさつ



付議事項

議案第1号 平成5年度福岡市薬剤師全歳入歳出予算補正の件

 医業品備蓄センター、調剤センター、研修センター、OTCなどの機能を有する会営業局を建設するため平成5年度福岡市薬剤師全歳入歳出予算第4款特別事業費以下を別紙のとおり補正いたしたいので承認を得たく提案いたします。

第28回通常代議員会で承認可決された「平成5年度福岡市薬剤師全歳入歳出予算」第4款特別事業費以下を次のとおり補正し、会館維持積立金及び分業推進積立金を会営業局準備金(会営薬局建設準備金改称)に統合の件

 

議案第2号 平成5年度会営薬局準備金予算承認の件

 議案第1号でお諮りいたしました会営業局の建設を促進するため平成5年度会営薬局準備金予算の承認を得たく提案いたします。

平成5年度会営薬局準備金予算決定の件


議案第3号 福岡市薬剤師会選挙規則制定の件

 福岡市薬剤師全定款第22条に規定する会長、副会長及び監事の選任を図るため規則を制定いたしたいので承認を得たく提案いたします。


議案第4号 定款一部改正の件

 平成5年度に会営薬局の建築を完了し、平成6年度より会営薬局として運営することになるので、定款第4条15号以下を別紙のように改正する必要がある。ご承認を得たく提案いたします。

第29回臨時代議員会は、会営業局問題と選挙規程についての開催。選挙規程については、執行部より提案された議案がそのまま承認された。

さて、会営薬局の運営費までを含めた総事業費は9,700万円。当面の措置として執行部が提案したのは、30ページをご覧になったら分かるように、平成5年度予算の分業推進費や積立金、そして予備費などから500万円、200万円と捻出した苦心の作。何とか乗り切るためにと、担当理事の先生方は夜を徹して、あっちから少し、こっちからも少しと頭を痛めておられた。しかしこれは、あくまでも当面の措置でしかない。

代議員会では、ご異論のある先生もおられたようだが承認され、いよいよ会営薬局事業は船出することになった。

是非とも、順風満帆…!?といきたいものですね。

 

 

会議報告

【第5回理事、監事会】

日 時
平成5年7月9日(金)午後7時
出席者
三津家会長、合渾専務理事、山口、中島、小野、篠崎、木原各常務理事、鶴原、松島、国武、成澤、市花、城戸各理事、豊福監事

議 事

1.会長あいさつ
   臨時代議員全を明日にひかえ、執行部として手落ちがないよう、議案説明をされる
  理事者および司会者など役割分担をよろしくお願いします。
2.会務報告
   合澤専務理事より報告
3.委員会報告
   ○組織委員会は、臨時代議員会に上提する選挙規程(案)を作成した。
   ○薬局委員会は、本年度の、薬草観察会は中止するとのことであったが、例年通り
  実施することに決まった。
   ○女子薬は福岡市部の総会を開催し、26名の出席者があった。

協議事項

1.臨時代議員会について
   議案上境者、司会者、答弁内容など詳細にわたって協議
2.その他


【三役・常務理事会】

日 時
平成5年7月21日(水)午後7時
出席者
三津家会長、細井、松枝、長谷川各副会長、山口、中島、小野、篠崎各常務理事

議 事

1.会営薬局建設について
2.九大処方せん応需拡大について
3.個別指導について
4.国際交流事業への参加について
 1 保健・医療・福祉海外視察事業
 (1)日  程 平成5年10月2日(土)〜11日(月)・10日間
 (2)訪 問 地 オーストラリア・シドニー市、メルボルン市、
         ニュージーランド・オークランド市
 (3)視察内容 エイズ対策、医療福祉システム状況視察等
    費  用 約50万円
 2 友好郡市医療交流事業
 (1)日  程 平成5年10月14日(木)〜23日(土)・10日間
 (2)訪 問 地 中国・広州市、西安、北京、桂林
 (3)交流内容 医療情報交換及び医療施設視察等
    費  用 約30万円


【第1回個別指導担当者会議】

日 時
平成5年8月24日(火)午後7時30分
出席者
松枝副会長、台澤専務理事、小野、山口各常務理事
県 薬
光安、正岡、藤田各委員
市 薬
遠藤、瀬尾各委員

議 事

1.個別指導実施要項について
 (1)処方せん末応需薬局の個別指導について今回は東区「K薬局」
 (2)個別指導にあたっての担当者の対応について
 (3)個別指導のポイント
 (4)9月のチーム編成
    光安組(光安、山口)
    正岡組(正岡、遠藤)
    藤田組(藤田、瀬尾)
 

委員会報告

【薬局委員会】

日 時
平成5年8月10日(木)午後7時
出席者
中島常務理事、国武、松島各理事、吉田、戸田、中野(勝)、中野(達)、本村、森川各委員

議 事

1.日薬学術大会出動の件
  11月6日(土)4名
    7日(日)4名  計8名
2.8月20日(金)薬局研修会役割分担について
3.薬草観察会の件
  10月3日(日)背振青年の家近辺の予定
  8月29日(日)福岡市との合同で下見する
  9月23日(祭)予備日9月26日(日)
   市薬会員にもFAXで参加を呼びかけて市薬「薬草観察会」とする
  9月28日(火)薬草のテキスト作成
4.各区健康フェアの件
  在宅ケア、介護用品を共通のテーマとする
5.薬局実務研修会の件
  薬局委員会担当
   講 師 中島常務理事
   演 題 「薬局業務運営ガイドライン基準薬局等について」
6.基準薬局認定項目について
   各薬局の管理薬剤師の研修会出席回数にポイントを置く、県薬薬局委員会の方針に
  歩調を合わす。

 

日 時
平成5年8月10日(木)午後7時
出席者
中島常務理事、国武、松島各理事、中野(勝)、吉田、戸田、本村各委員、冷川、大庭、有馬

「薬草観察下見」
   福岡市立背振少年自然の家近辺の山を探索クヌギ、イタドリ、ニワトコなど約50種類
  の薬草を観察

 

【学術委員会】

日 時
平成5年8月12日(木)午後7時
出席者
長谷川副会長、篠崎、中島、山口各常務理事、藤田、成澤各理事、石飛、山口各委員
 

議 事

1.平成5年度薬局実務研修会打合せ
 a.日程案
   11月13日(土)、14日(日)
   11月27日(土)、28日(日)
 b.募集要項
   前年度研修会と同じ
 c.広 報
   県薬会報、市薬ジャーナル、市政だより等に掲載予定
 d.テキスト追補版は参加人員決定後に作成する
 e.法規の部は県薬務課、末松係長が担当する

 

【急患委員会】

日 時
平成5年8月3日(火)午後7時
出席者
中島常務理事、成澤、市花各理事、小松、北島、井上、馬場、竹尾各委員

議 事

1.9〜11月の出動表作成
  女性の希望者が多いので、希望者には準夜に出動してもらってローテーションを
 組むようにする。
2.パラメディカルとの懇談会について成澤理事より報告
3.購入要望図書の選択について
4.県薬救急医療委員会について
  7月23日(金)午後2時 県薬全館において成澤理事より報告
5.急患センター各診療所へ薬剤師に出動してほしい旨の要望があるが、医師会の決定時点で検討する
6.日薬学術大会への出動要請の件

 

【広報委員会】

日 時
平成5年7月7日(水)午後7時30分
出席者
木原常務理事、坂田、橋口、荒巻各委員

議 事

1.市薬ジャーナル7月号の編集
  原稿の読み合わせ
2.対外的広報活動として「在宅ケア」への関わりについて、薬剤師会としてどのように参加
 できるかをリサーチしてみる。

 

日 時
平成5年8月4日(水)午後7時
出席者
木原常務理事、樋口、坂田、橋口、荒巻各委員

議 事

1.市薬ジャーナル7月号の反省
  「会報第54号」と「1993年7月号」の文字の場所を入れかえる
2.9月号の編集企画について
  「在宅ケア」について、歯科医師会の取り組みを秋山専務理事に、福祉面から福岡市民
 福祉サービス公社事務局長小河泰久氏に依頼する
  特集については、各支部長に座談会形式で「市薬の組織運営について」話し合ってもら
 う。

 

【第1回会営薬局特別委員会】

日 時
平成5年7月26日(月)午後7時
出席者
細井副会長、合澤専務理事、山口、中島、小野、篠崎、木原各常務理事、松井、高杉、光安、栗田、清水、吉田、大庭各支部長

議 事

1.会長あいさつ
  会営薬局が面分業の発信地となれるよう願います。各委員へ委嘱状を交付
2.会営薬局委員会を建設と運営に分け、建設は執行部(中島・篠崎・合澤・細井)で担当し
  運営委員会の方は栗田支部長に委員長をお願いする。
3.会営薬局の名称を市薬ジャーナルを通して広く募集する
4.建設にあたり撤去するコートハウスを無料で提供することで、撤去費用を不用にし、少し
  でも建設費用を捻出したい。市薬ジャーナルで知らせる。

 

【第2回会営薬局特別委員会】

日 時
平成5年8月19日(木)午後7時
出席者
細井副会長、合澤専務理事、山口、中島、小野、篠崎、木原各常務理事、松井、高杉、光安、栗田、大庭各支部長

議 事

1.会営薬局の名称について
  賞品として図書券5,000円分とする等、再度ジャーナルで募集し、できるだけ早急に決定
 する。
2.薬局人事に伴う就業規程は執行部で原案を作成する。
3.運営上の諸規程については、執行部で調査し、作成する。
4.実務面の会計部門については栗田先生にお願いする
5.その他
 ○1億円の返済方法については、次年度はユニバシアードや学術大全への協力金がいらない
  のであるから、それを充当する方向で考慮してみたい
 ○建築を九宅協で引き受けてもらえるかどうか危ぶまれている

 

【学薬のページ】 組織強化についてのお願い福岡市学校薬剤師会 副会長 吉田斌

さきに発表された薬局業務運営ガイドライン。基本的事項の17番目は薬事衛生等への参画であり、「薬局の薬剤師は薬物乱用防止、学校薬剤師活動、地域の環境衛生の維持向上等に積極的に参画するよう努めること」となっています。

その学校薬剤師は平成6年4月をもちまして法制化40年になります。わが福岡市学校薬剤師会も昭和31年4月に組織化され、そのときの入会者4名、36年4月入会者10名、今も元気に活躍して頂いております。

この時期に学校薬剤師会の会則を充実させ、また新入会員を多数募集し育てることは、ガイドラインの主旨に添うことでもありますし、組織の強化に繋がるのではないかと考えております。

現在、学校数 252校 会員数146名 不足会員数 約90名です。原則的に一人一校制にするには、かなりの数の会員数不足であります。

従って、一度に多数の会員募集をするに当たっては、会員各位のご理解とご協力が必要でございます。ここは各位にご推薦願い、育てて頂くのが早道ではないかと考えております。趣旨をよくご推察の上、ご協力をお願い致します。右記の学校薬剤師会の理事者に電話ででも結構ですので、宜しくお願い致します。多々ご不満もございましょうが会の発展の為、重ねてご理解とご協力をお願いいたします。

福岡市薬剤師会   714−4416
 三津家 正 友  771−4496
 吉 田   斌  891−5220
 木 原 三千代  503−1331
西 区
 竹 尾 禎 二  807−1850
 中 野 勝 郎  882−3004
早良区
 有 馬   純  801−4771
 橋 口 扶佐子  804−6660
城南区
 浦 野 満津代  871−3851
 坂 田 博 子  841−2173
中央区
 山 手 嘉 子  741−9446
 小 松 秀 美  781−7373
南 区
 深 見 朋 子  512−5356
博多区
 細 井 撤 一  431−1785
 阿 波 欽 治  582−6586
東 区
 吉 村 きく子  671−0790
 加 藤 正 剛  608−1186

 野 田 靖 夫  801−3188
 内 田 文 子  681−1600

※入会ご案内、入会申込書は薬剤師会、各区理事、監事、三役まで申し出てください。

 

【広報通信】 肩ひじ張らない参加から 福岡市薬剤師会 常務理事 木原三千代

(株)八幡薬剤師会創立75周年・会館落成披露にお招きを受けた。八幡薬剤師会は会員数200名。見学させてもらった3階建ての立派な会館は、補助金いっさい無し、会員の負担金だけで建てられたとか。その上、借入金の返済期間もわずか2年と聞いて驚く。社団法人設立75周年、福岡県下で一番早い設立だと阿部会長のご挨拶にあったのもうなずける。

八幡医師会の林経三会長は、来賓のご祝辞で「三師会では『八幡方式』といわれるやり方で、在宅ケアに取り組んでいます」と紹介された。それを聞きながら、市薬もしっかりしなければと、思うばかりの八幡だった。

さて、振り返って市薬の在宅ケアへの取り組みははどうだろう。前号と今号に特集を組んだ福岡市の在宅ケアホットライン事業。保健・医療・福祉、それぞれの代表4者に投稿していただいたことで、薬剤師会がどのようにかかわっていけばよいか、少し見えてきたように思う。

先の八幡薬剤師会の祝典会場で、若松の矢次支部長に在宅ケア先進地区の様子を伺った。

井上支部長の時代から、会の予算で一回の訪問服薬指導につき、5,000円を計上してこられ、来年、北九州市がスタートしさせる在宅ケアシステムには、最初から参加される予定だとか。福岡市歯科医師会の取り組みは11年前、初めは10名ほどのボランティアグループから。

歯科医師会としての準備は、5年も前からされている。市薬も、今すぐにでも準備に取りかかりたいところだ。

橋口さんではないが“薬剤師も参加しなければ”ではなく、“福岡市薬剤師会も参加しなければ”であろう。福岡市の場合、平成4年度から、すでにスタートしている「在宅ケアホットライン」なのだから。

まず衛生局の押領司保健所長は、在宅ケアホットラインに、紙おむつや介護のための用品を売っているところを教えてほしいとか、健康食品についてなどの問い合わせがある。今後は医師会のみならず、もっと幅広く理解と協力を求めていきたいと。

医師会の樋口理事は(1)ノンコンポライアンス是正への貢献(2)ワンドーズなど服薬しやすい環境作り(3)かかりつけ薬局における薬歴管理(4)看護婦や保健婦共々患家におもむき、現場での闘病環境作りへのアドバイスを行なう訪問薬務活動(5)介護用品の展示や説明コーナーの設置(6)在宅ケアホットライン事業の情報提供などを挙げられている。

歯科医師会の秋山専務理事は(1)院外処方の訪問服薬指導(2)介護用品展示コーナーに、口腔衛生・清掃製品、そしてパラチノースを使った菓子製品なども入れてほしい(3)老人訪問歯科診療事業の紹介など。

福岡市市民福祉サービス公社の小河事務局長は援助を必要とする人に、必要なサービスが受けられるよう、福祉制度の紹介を是非お願いしたいと述べられている。

このように、まず皆さんの口を揃えておっしゃっているのが、介護用品の展示と訪問服薬指導、そして情報の提供となっている。なにも在宅ケアへの参画などと肩ひじ張らなずとも、まずは在宅ケアホットラインの紹介パンフレットを、店頭に置くことからでも参加できるようだ。

まずは、できることからの参加を!!

 

【会員の移動】


訃 報

 冨永泰資先生(享年72才) 福岡市薬剤師会顧問 元福岡市薬剤師会会長

  西支部西部会(有)冨永薬局の冨永泰資先生が9月7日逝去されました。


 国武一人先生(享年85才) 元福岡市薬剤師会会長

  中央支部春吉部会(有)一丁目薬局の国武一人先生が9月8日逝去されました。


   謹んでご冥福をお祈りいたします

会 務 日 誌 (平成5年7月1日〜8月31日)

7月9日 理事会 19:00
  10日 第29回臨時代議員全 15:00
  12日 福岡市献血推進協議会 13:30
     薬局委員会 19:00
  15日 処方検討会Dブロック 19:00
  16日 学術委員会 19:00
  21日 三役、常務理事会 19:00
  22日 処方検討会 19:00
  23日 福岡市高齢者保健福祉計画策定検討委員会 19:00
  26日 会宮薬局特別委員会 19:00
  27日 学術研修会 19:00
  30日 福岡市地域保健医療計画推進協議会 15:00
8月3日 急患委員会 19:00
  4日 個別指導打合会 19:00
     広報委員会 19:30
     九宅協訪問(建築の件) 12:30
     すこやかライフくすりのセミナー(西保健所)
  5日 処方検討会Cブロック 19:00
  6日 支部長会 19:00
     福岡市福祉のまちづくり推進大会 13:30
  7日 西支部総会 19:00
  10日 薬局委員会 19:00
  12日 処方検討会Dブロック 19:00
     学術委員会 19:00
  18日 福岡医療圏打合会 15:00
  19日 会営薬局特別委員会 19:00
     処方検討会Aブロック 19:00
  20日 薬局研修会 19:00
  24日 個別指導者打合会 19:00
  25日 「組織運営を考える」広報座談会 19:30
  26日 処方検討会Bブロック 19:00
  27日 薬局委員会 19:00 健康週間実行委員会 15:00
  29日 薬草観察下見 10:00
  30日 九大応需薬局説明会 19:00


第一薬科大学リカレントセミナー

と き:平成5年11月20日(土)14:00〜16:00
ところ:三鷹ホール(福岡市博多区綱場町12−2 福岡第一ビル7F)
主 催:第一薬科大学 共催:第一薬科大学同窓会・福岡県薬剤師会
講 演
  1)「風邪の漢方」 (第一薬大・薬)木村 孟淳
  2)「高分子分離用素材の薬学領域への応用」 (熊大・薬)杉井  篤
参加費:無料
連絡先:〒815 福岡市南区玉川町22−1第一薬科大学学生課
        TEL(092)541−0161 内線326・5 FAX(092)533−5698

[編集後記]

○7月10日第29回臨時代議員全が無事に終わり、やっと一息ついた頃、中央支部長の光安先生からTEL。又、一瞬いや〜な予感がしたが…、案の定今度は永年六本松部会の部会長をやってこられた三津家先生の後任として、部会長をやってもらえないだろうかとの事。

○六本校部会といえば、前市薬会長の古賀先生、現会長の三津家先生を輩出した由緒ある部会である為、一度はお断りしたが、到頭引き受ける羽目になってしまった。

○昨年は三度も台風に悩まされましたが、今年は広報委員だけで精一杯なのに、代議員会副議長、六本松部会長となんと役職に悩まされることか。

○9月4日(土)、○○年振りに六本松部会が開かれた。席上、古賀先生から「部会長の任期は20年よ」といわれ、大ショック。お陰でアルコールの方は天井知らずになってしまい、とうとうアセトアルデヒドの状態で翌日はダウンしてしまいました。それにしても皆様、お酒のお強いのにはビックリ致しました。

○9月15日、秋晴れの爽やかな日、博多の街に秋の訪れを告げる“放生会”へカメラを肩にジャーナルの表紙の撮影に出掛けた。冷夏による不作を吹きとばせとばかり、人、人、人の披。汗だくで靴を踏まれながら押しもまれての悪戦苦闘。さて、出来映えの方はいかにの…?

○今年は何と台風の上陸の多い年だろう。私の広報活動の方もネタ切れとなりSOS。それじゃとばかり、一週間カナダへ新鮮なネタを求めて旅立ちました。次号をご期待下さい。

(橋口)


○先日、東京で開かれたFIP93に参加しました。GPP発表後の質疑応答では「正直言ってこの発表内容に私は失望しました」とアメリカから来た薬剤師が意見する一幕も見られ、欧米といえどもその国々により制度ばかりか考え方も様々だということ、言い換えれば自由であるという事を感じました。

 また、2日間にわたり行われたファーマシューテイカルケアのケーススタディーでは実際にアメリカの薬学部で使われているケースを用いディスカッションを行ったのですが、その実戦的内容もさることながら、生活者の要求すなわちマーケットの存在を前提に行われるアメリカの薬学教育の在り方に日本との大きな差を感じました。

 そして最後に「私は患者よりも顧客という言葉の方が好きだ」というスウェーデンの薬剤師に、大切なのは生活者保護の精神なのだと気づかされた3日間でした。 

(荒巻滋)

  

  

平成5年9月30日発行(隔月年6回発行)
福岡市中央区今泉1丁目1番1号
社団法人 福岡市薬剤師会
T E L 092-714-4416
発行人  三津家 正 友
編集入  木 原 三千代
広報委員 樋 口 昌 嗣
     坂 田 博 子
     橋 口 扶佐子
     荒 巻   滋
印刷所  (有)興英社印刷