■ 巻 頭 言
今、テーマは在宅医療 福岡市薬剤師会「在宅ケアプロジェクト」委員 橋口扶佐子

そもそも、事の始まりは6月12日早良市民センターでのこと。この日、福岡市の在宅ケア・ホットライン開設1周年を記念してシンポジウムが開催された。木原理事とともに出席して愕然とした。主催者・後援者団体の中をいくら捜しても薬剤師会が見つからない。その上シンポジウムでは、私達に身近な問題がたくさん出てくるのに、薬局も薬剤師も全く“カヤの外”に置かれていた。私自身、在宅ケア?ホットライン?何それ?という疎さであったが、「薬剤師会も参加しなければ」との思いに駆られた。

これが契機となって、広報委員会では、在宅ケアキャンペーンを展開することになった。

市薬ジャーナルに連続して2回の特集記事を組んだ。そして4ヶ月たった今、ようやく市薬の事業として位置づけられるところまできた。その手始めが、市の行政、市医師会・歯科医師会に講師を依頼しての「在宅ケア講演会」、これがまず第1歩。次のステップは、ホットラインシステムに位置づけしてもらうことだ。

今、政治の世界と同じく、医療界もまた激しく変わろうとしている。その中でも第三の医療といわれる在宅医療は、国を挙げて押し進めようとしている。医療人たる薬剤師が、避けて通れるわけがない。厚生省が、目薬が展開している「かかりつけ薬局」とは、まさにこの在宅医療と直結している。そして、これに取り組むことは、薬局の生き残り策であり、浮揚策ともなりえよう。

さて、今後の取り組みは支部組織に移っていく。全員の皆様方の積極的な参加をお願いしなければならない。具体的内容については、去る11月6、7日(土・日)北九州市で開催された目薬学術大会で格好な話題が提供されている。

福岡県が開催県である為、私も、下働きに狩り出され、出席した。手伝いの合間を縫って分科会をのぞいたら、どこも盛況であったが、女子薬分科会では、テーマが「在宅医療の今後の展望と薬剤師の役割」というものだった。

まさしく今、私たちが目ざしているテーマがそこに掲げてあった。福岡市薬でも今、どのような形で在宅医療に係わっていくか検討中であるが、全国レベルでも、色々な角度から多様な取組みがなされ、発表されていたので、参考になればと思い、ここに紹介する。

まず、横浜市保土ヶ谷区薬剤師会では、目薬の在宅介護用品相談応需体制整備事業の介護推進モデル地区としての発表がなされた。福祉関係機関とタイアップし、パンフレットを充実させ店頭においている。また、福祉行事に参加し、介護用品を展示、相談に応じる。紙オムツと清拭剤の比較商品テストをした。薬 局店頑に「介護用品取り扱い店」のステッカーを貼り、在宅介護相談カードを作り実践している。

東京都女子薬剤師会では、在宅向け介護用品として補食器を開発。在宅における老人の注意すべき脱水状態を避ける為に、水分、栄養補給の為考案された。(投薬瓶にストローがついたような形)また、この事を通して地域で介護に係わる人達で「生活介護ネットワーク」を発足させて活動中である。

北九州市若松薬剤師会では、分業率60%以上という恵まれた状況を踏まえ、この処方せん応需での、薬歴管理、服薬指導を寝たきり老人のベッドサイドでも実践している。この事業は医師、歯科医師、保健婦との綿密な連絡が成功の鍵になることから、本人、主治医が了解した患者のみ訪問している(初回訪問時には保健婦と同行する)。医療チームの一員としてベッドサイド訪問に同行するのは、一個人の開局薬剤師では時間的に限界があり、専属薬剤師が必要かもしれないとの事だった。

秋田県では、ある特養老人ホームの処方せんを扱う事になった薬局が、直接患者に服薬指導を実践している.という発表があった。えん下困難な患者の場合、服用し易いように剤型の工夫(カユ状)をしている。これは在宅に通じる面がある。

北九州市小倉北保健所の保健婦さんから、「薬剤師に望むもの」という発表もあった。「在宅医療」とは医療と介護と生活が一体となった医療であり、医療と保健と福祉の分野だけでなく、地域の人々の支えが必要である。現在は保健婦がコーディネーターの役割を担っている。地域の薬局に期待する事は、(1)かかりつけ薬局からの院外処方せんによる調剤、(2)高齢者の服薬指導、服薬管理を通じて情報のフィードバック、(3)介護用品の斡旋と供給、(4)在宅推進協議会のネットワーク作りへの参加である。在宅服薬指導を充実してほしいが、早く制度化される事が望ましい。一度現場を見てほしいとも発言された。

以上、全国的に見てもさまざまな取組みがなされているが、地域のネットワーク作りでは、薬局がコーディネーターになれるのではないかとの展望が示された。

その他、薬局分科会、漢方分科会、病院薬学分科会、薬業経済調査分科会でも在宅医療が取り上げられていて、関心の高さが伺えた。

そして、すでに活発に活動している薬剤師会が多数あるという事に意を強くした。

11月18日の日刊薬業の記事によれば、厚生省薬務局の在宅医療薬剤供給推進委員会が開かれ、薬剤師の在宅業務を(1)プライ与リー医療、(2)セカンダリー医療、(3)高度在宅医療の三分野から検証し、今年度中に具体的な活動方針を示すとある。それも嬉しいことに、診療報酬などの経済的インセシテイブの配慮も必要、となっている。診療報酬の制度化は、思ったよりも早そうだ。

まずは“ケアへの参加を”どころではない。

国は薬剤師に在宅医療への参加を期待しているようだ。幸いにして、市薬には会営業局がある。ここを拠点にすれば、少なくともセカンダリー医療までは対応できる。

さあ!これで市薬の在宅医療参加への基盤は整った。あとは、会員が一丸となっ七行動をおこすことだけだ。

今、テーマは在宅医療である。

  

※ 今回の巻頭言は、「市薬会報」初の女性委員の登場です。本来、巻頭言は全の有り様を示す内容が要求されるため、全長、副会長、専務理事、常務理事などにお願いをしてきました。ところが、今号は何人かに原稿依頼をしたのですが、目薬学術大会の北九州市開催などで忙しく、皆さんに断られてしまいました。 そこせ、困り果てた編集者は勝手ですが、集まった原稿の中から巻頭言になりそうな内容のものを使わせていただきました。ご了承くださいませ。

 

(木原)

<私と薬> 記者が薬を学ぶ時 朝日新聞福岡本部社会部 大牟田透

東京科学部から福岡の社会部へやってきて7ヵ月あまり。ちょうど、10月22日に九大病院で行われた心臓停止後の肝臓移植を取材中のためか、今、薬というと、免疫抑制剤や、抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬といったものばかりが思い浮かんでくる。まったく因果な商売である。

本格的な薬の記事を初めて書いたのは確か、89年に科学部へ上がって間もなく。末期がん用のモルヒネ徐放錠の使用が、少しずつ広がっているというものだった。浦和支局時代から取材していた埼玉県立がんセンター病院長の武田文和先生が、世界保健機関(WHO)のがん痺痛対策の専門委員だったことを思い出してのことだ。

武田先生に、実際に徐放錠を使っている患者さんを紹介してもらい、病室で話を聞いた。

末期がんとは思えぬ晴れ晴れとした表情が印象的だった。半月あまりたったろうか。日曜版の健康面に、写真入りで記事が掲載される直前、再び武田先生に電話をした。先生を通じて、患者さんにご報告とお礼をしようと思ってのことだったが、思いがけず「危ないかも知れない」との返事がかえってきた。

急いで病院へ駆けつけた。「先日はありがとうございました。この写真を使わせていただきましたよ。元気になって読んで下さいね」。

薬でうとうとしていた患者さんに引き伸ばした写真を見せなが・ら声をかけると、うっすらと目を開けて、うなずかれた。付き添いの奥さんに一礼すると、不覚にも、目の前がにじだ。患者さんは、記事が掲載されて間もなく亡くなった。

同じ89年に書いた、もう一本の記事も思い出深い。日本化学療法学会の会長講演で、紺野昌俊・帝京大医学部教授(当時)が「抗生物質に耐性をもつ細菌が大学病院などで増えつつある。抗生物質の使い方を全面的に見直す必要がある」と話した。第3世代セフェム系薬に耐性を示すMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の広がりと院内感染を警告する内容だった。MRSAはおろか、第3世代セフェム系薬が何かも知らなかったが、「これは記事にする値打ちがあるかも知れない」と直感、講演終了後、紺野先生の下に駆け寄った。

「もう10年も前から現場では問題になっていることですよ」と先生。それでも「対策が不十分だとすれば、新聞で広く警告する意味はあると思います」と食い下がると、観念して(?)一連のいきさつを分かりやすく説明していただいた。記事は3段の見出しがついて、社会面に掲載された。自慢めくが、これが朝日新聞のデータベースに収録されている最初のMRSA記事である。

後日談がある。これを勧こ、院内感染問題の取材を進めていて、とくに国立大学付属病院の対策がお寒い状況と分かった。「どうなっているのか」と、文部省の大学病院課に取材に行った。「ああ、MRSA対策ですか」と、打てば響くような反応が返ってきた。当時は、医療関係者でもMRSAを知らない人が多かっただけに、驚いた。「いえ、前から問題だjといわれる専門家の先生はいたんですが、新聞でも取り上げられるようになったので、先日、委員会をつくり、対策を検討してもらっているところです」。どんな記事か、と問うと、台紙に張られた私の記事が出てきた。「してやったり」である。

もっとも、本当にMRSAや院内感染の問題が広く知られ、真剣な対策が立てられるようになるまでには、その後、さらに3年あまりの時が過ぎてしまった。その間に何百人か、多分それ以上の人が亡くなった。責任の一端は、私たちマスコミの力不足や怠慢にもあるといえよう。

科学部で医学・生物関係を担当したのは、在籍前半の2年あまり(後半は雲仙など地球科学や物理、化学、環境問題など)。その主要テーマの一つが、臓器移植だった。

89年、島根医大で行われた杉本裕弥ちゃんへの国内初の生体部分肝移植に始まり、信州大での生体肝移植、東京女子医大での膵・腎同時移植、ベルギーから肝臓を空輸しての脳死肝移植などなど、様々な移植の現場を経験した。「門前の小僧」よろしく、移植に欠かせない免疫抑制剤や抗ウイルス薬、抗真菌薬などは、名前程度だが覚えてしまった。

断片的な知識でも、これが取材のうえでは意外に役立つふ現在進行中の九大病院の肝移植では、連日、移植チームの医師が患者さんの容体について、簡単な記者会見をしているが、「たんなどからグラム陽性球菌が検出されたので、ハンコマイシンを使い始めた」と聞けば、「お、MRSAの疑いがあるのだな」と分かる。「菌交代現象が見られるので、抗生物質をトプラマイシン、ゲンタマイシンに変えた」なら、「グラム陰性梓菌か緑膿菌か」と見当をつける。ガンシクロビル、アシクロビルの名前が出てくると、サイトメガロウイルス(CMV)やヘルペスウイルスの活性化を心配しているな、と分かるわけだ。

こうして改めて振り返ると、私の場合、薬に関する知識(というより雑多な記憶)は、そのほとんどが取材の中で得たものばかりであることが分かる。もっといえば、薬に限らず、新聞記者になってから、自分で文献を読んで体系立てて学んだような記憶は皆無に等しい。

「分からないことがあれば、その道の専門家に詳しく教えてもらうのが一番」の精神でやってきたから、当然といえば当然なのだが、「横着な」といわれれば返す言葉もない。

ただ、この人頼み学習法を私はやめられそうにない。一つのことを学ぶたびに、人と出会えるからである。出会えば、そこには必ず、求めていた知識以上の触れ合いがある。疲れていても、嫌なことがあっても、取材先と意気投合することができた時、そんなものは吹き飛んでしまう。気持ちのいい取材自体が、私にとっての「疲労回復薬」なのかも知れない。

というわけで、拙文を読んでいただいている皆さんのところにも、いつの日か「すみません。ちょっと教えていただきたいのですが」とお邪魔するかも知れません。その節は、どうか邪怪にしないでやって下さい。

<会員の広場> グアム旅行 城南支部 支部長 栗田邦彦

慣例となったグアム旅行へ今年も妻と二人で出発した。8月はじめのM8大地震のため9月なかぼやっと福岡発11:40発進。思いがけずサイパン経由らしいと気づく。30分客待ち後古戦場あとを眺めながら涙する二人の廻りは若いカップルで騒がしい。30分で淡路島大のグアム島着5:20。入り日迄60分。ホテルニッコーグアム社長の出迎えをうけて最上階の「桃李」にかけつけ、マニラ湾の夕日にもおとらぬ風情をみながら乾杯。この瞬間から4日間アルコール浸けとなる。

今回はグアム3度目である。次弟が日航を定年となり社長として去年から始まった。1回目は宮脇小児科夫妻・高倉博さんと正月をすごし、ついで4月には兄弟寄りを夫婦同伴で。そして今度。

マンギラオコース・日陰温子でおなじみのコースにいき、海越え167ヤードをピンそばワンオンをはたし、アイスボックスにかき氷とオニストリヤ産天然水をいれてがぶのみしていたら、果たして12ホールでダウン。

ホテルといわずコース食堂でもデンファーレの一輪挿し一本100円。一週間は保つと。ホテルに戻ると九大・京大・東大の地震研教授等がきていた。500室のカラーテレビが365台もこわれ、この日160台がソニーアメリカから届いたという。近くのロイヤルホテルが半分ねじれて、ピサの斜ホテルになっている。ドカンドカンとたてゆれが一分間も続いたという。タンスの引き出しが飛び出し食器が割れたが、サッシの窓ガラスはどこも割れてない。

朝食は地下のマゼランでバイキング。

13ドル。飽食時代に育った人達の食い残しをみて、現地のボーイ連中はどう思うか。ポリネシャ・サモア・フイリッピン人のボーイが黒服でみている。旅行案内にもエチケットとしてサンダル・半ズボン・衿なしはいけないとかいてあるのに。必要以上皿にとりすぎる人が多い。

サブマリーン観光にでかける。小型バスで各ホテル巡りをして客をのせていく。時間通りにロビーまで出てくるものがいない。現地人運転手はプープー鳴らしてじっと待つ。日本人は初等教育から団体生活公衆道徳の勉強の必要がある。

マイクロネシア・モール;外国のスーパーに買い物にいく。30分ごとホテル前から周遊バスがでる。一人往復3ドル。マンゴー・メロン・リンゴ・洋ナシ・手当り次第買ってみる。

木綿ズボン           24ドル
バドワイザー         1,40ドル
アサヒZ           2,20ドル
バックル取り替え式バンド    59ドル
バイタリス整髪用ブリストル製 1,56ドル
メロン      25cm大   1,65ドル
カリフオルニヤ米 22kg入り   12ドル
V,E dl1OOOIU lOOp      15,69ドル
VB1,C 15−300mg lOOp     6,29ドル
Ca オイスター製 ファッション時計 息子の嫁に2ケで80ドル
チョコレートのお菓子

全島免税で安いとはいえ不要なものまで買いたいのをおさえ、バス持ちのあいだコーンにつめてもらったアイスクリームを立ち食い。

すこしも恥かしくないのがおかしい。

ホテルより3分の距離にある焼肉料理に行く。

一人35ドル。やわらかいアメリカ牛とエビ(ウチワエビに似ているので、先月亡くなった周船寺の冨永先生を思い出す)、野菜と、はじめてアメリカ米のガーリックライス。一応満腹するも隣席の若夫婦は大量に食べ残す。

その服装もソデなしノースリーブ。翌朝みれば日航ホテルの客であった。

4泊5日の旅も終わり早朝5時起床。空港にいき7:40発快晴のフライト。無事福岡空港に10:30着陸再度の訪問を的し旅は終る。

<会員の広場> 薬草観察会の下見に参加して 早良支部 原南部会 星の原薬局勤務 黒木ゆかり

九月の第一週くらいだったか、ピピッと薬局にファックスが入った。え、薬草観察ハイキング!私は、山歩きが好き、木々や草花が好き、しかも背振。自称ナチュラリストの私としては、これは、見逃せないと思った。でも、顔見知りがいないなあ。2、3日思案の末、よし、今月のストレス解消は、これに決めた。と参加することにする。

当日は、10時、背振少年自然の家の駐車場に集合。私の顔見知りは、近くで開局されている有馬先生だけ。

後は、市薬で活躍されている先生方の顔がある。22名、全員集合内、女性5名、子供2名。車にお弁当を積み込み、さあ、スタート地点へと移動する。11時前頃には、背振湖畔のアスファルト道路からそれて、山の中へと歩き始めた。10月3日の本番に備えて、名札を植物につけて行くのである。何人かの先生方は、本を片手に、一つ一つ確かめながらの熱心さ。私は、普段山で見かける草花の名前は、案外すんなりと頭に入って行く。

途中、前日の雨で、水の流れが深い所に行き当たり、これは、お年寄りの足には無理だねえと、しばし、足場作りの作業に熱中する水量も減り、踏み場としての適当な石もきちんとおさまって、一件落着。途中、物見高い背の黒光りした、大ガエルまで現れたが、騒ぎにあきれて退散したちしい。

ミツバアケビが、今日の私達を待っていてくれたかのように、丁度食べ頃で、いくつも枝になっている。突如、○○先生が、スルスルと猿に変身。特技の御披露。おかげで、私達は、淡く甘いもぎたてのアケビを賞味する事ができた。これは、何よりのおまけ、おみなえしには、ちゃんと、おとこえしというお相手がいた事。何か昆虫の擬態を思わせるヌルデの葉。精巧に描かれた幾何学模様のような、星形のアケポノソウ。今を盛りの紅色のイリフネソウ。(これは、大学時代の下宿を思い出させるような名前だね。と、ある先生)。山でいっも少し気味悪く感じていたのは、その名も、マムシグサ。ちなみに、これは、有毒。そして、ナンバンギセルは、すすきの根元で人知れず咲いている寄生植物なのでした。

ワイワイガヤガヤと50の札をつけ終え、出発点に戻ったのは、1時半頃。手分けして持った黒いゴミ袋が、いつの間にか、いっぱいになり、その重みが充実感となり快い。

ござを敷いて、早速、お弁当にかぶりつく。先生方の、多分、普段は聞けないような(内容は、想像におまかせします。)愉快な、楽しい話に花が咲き、笑いが絶えない。

私は、「オケラ会」を紹介され、今度から参加させていただく事になり、成果の多い一日となりました。

<会員の広場> ドイツ 原理原則 欧米薬局レポートその6 千代吉塚部会 荒巻薬局 荒巻滋

4−5

この日私達が訪れたのは16世紀に開局されたHirsch Apotehkeだ。(4−5−A)ここの薬剤師はたしか薬事博物館の顧問で館内の案内をしてくれた方である。薬棚にずらりと並べられた薬壷は150年程前までは実際にこの薬局で使われていたものだそうだ。また薬棚はすべて桜の木が使われており、重厚な雰囲気を醸し出している。(4−5−B)驚いたのは16世紀に開局され今日に至るまでに応需した処方せんのうち、100年程前のハイデルベルグの大火で消失した一部のものを除き、全て保管しているということだふ原則に忠実なドイツ人気質を感じさせられる。

1日の処方せん枚数は約100枚。約450の施設より来る。ホメオパシーの品揃えも充実している。おせじにも立派とは言えぬ品揃えのわりには、売り上げの約30%を化粧品やボディーケア用品その他の雑貨が占めている。レジスターもおそらくはスウェーデンスウェダ社製であろうか。うちの薬局でも10年程前に使用をやめたものである。

薬品の包装はスウェーデンやデンマーク同様N1・N2・N3と用意され、処方せんの記載にもとずき、箱ごと添付文書が入ったまま販売される。ここハイデルベルグでは1日に3回卸の配送があるので、在庫がない場合でもほぼその日のうちに客に薬を手渡す事が出来る。

客が処方せんを持ってきたら「何時ごろ取りに来るように」と時間を指定して帰すこともしばしばである。処方せん1枚中、平均1〜2剤、多くても4剤までで、客の負担額は3DMまでだ。

ヨーロッパでは他の国の医師が書いた処方せんを持った客が来るということも茶飯事のようで、この薬局で見せてもらった10数冊にも及ぶ医薬品集には、外国の処方せんにも対応できるよう各国の商標が記載されていた。

日本の薬局ではそのスペースのほとんどを客の空間として用いるところが多いが、ドイツではその空間配分が全くの逆で70−80%を製剤や試験・情報管理のために使用する。客の目の届かぬところで処方せんの処理ができ、とても落ち着いて仕事に集中できそうである。(4−5−C)

この薬局でも製剤が行われるが、そのうちわけは全処方せん薬のうち5%程度で、おもに軟膏である。

薬歴をとることや客の希望もないのに薬剤師のほうからあれやこれやと薬に関する相談をもちかけることは、ここドイツでもスウェーデン同様許されない。処方内容はコンピューターに6カ月保存される。

医薬品は壁一面に備え付けられた引き出しの中にきれいに整理され、その一つ一つにパンチカードがっけられている。今回おとずれた4ヶ国の薬局はすべてパンチカードをもちいて処方せん薬の在庫を管理しており、約3cm四方の小さな紙きれに、商品名・適正在庫数・仕入れ先・いくつづつ仕入れると最も得になるのかなどの情報がはいっている。POSが開発される以前に1〜2万種類にもおよぶ在庫を管理するためヨーロッパの薬剤師達がいかに苦労したかということが痛いほどよくわかる。(4−5−D)

すみのほうには薬品分析のための様々な機器が並べられ、すでにメーカーで検査された薬を再度ここで検査している。

とにかく薬局というよりは京都の老舗巡りをしているという感じ。とにかくすべてが美しい。そして何のいやみも感じさせないから不思議である。この美しいヒルシュ薬局で今日の予定を終え、一路フランクフルトをめざす。

4−6

ハイデルベルグのホテルでボーイが「フランクフルトは楽しい町、行くなら車で連れていくよ」ということだったが“100%夜の町”というのが実感だ。人口の実に60%が一人書らしときているからその雰囲気ははんばじゃない。べつにネオンがきらきらして華やいだ雰囲気ではないのだが、場末の酒場が軒を連ね出稼ぎふうの労働者達がうろうろしている。

皆で中華料理を食べた後、「よしここにするか」と飲み屋に入ったところ、最近日本でもあまり見られないような暗い店。日本のクラブのようにホステスがサービスする。女の子が“What’s Your Jab?”と聞く.ので“I’m a Pharmacist,APOTHEKER”と答えた。

彼女は天井を見上げテーブルを叩き笑いだす。

同じ質問を2度3度と繰り返してそのたびごとに大笑いするので、とうとう頑にきた私はバッグの中から財布を取り出し、確かその中にすてずに取っておいたはずの福岡県薬の講習カードを見せ、英字の部分を読んで説明してやった。それでやっと納得してくれたらしく私は気分すっきり。ホテルに戻りBarで飲みなおしてベッドにもぐりこむ。

あとになって知ったのだが、ヨーロッパのあの手の店は日本のクラブと違った意味を持つ場所らしい。店の女性と一夜を過ごすかの交渉をする場所であって、決して楽しく冗談を飛ばし、わいわいと酒を飲む場所ではないのだそうである。孤独の町フランクフルトに多いはずだ。どうりでParmacistと言った私の顔を見て大笑いするはずである。誇り高いヨーロッパの薬剤師があのような店に出入りするはずがないのである。女の子が信用するわけがない。すると県薬の講習カードまで見せて説明した私は単に日本の薬剤師の恥をさらしただけなのだろうか。こう考えるとすごく落ち込んでしまうのだが、どうせあの子のことだから、どこかで盗むか拾うかしたと思っているに違いない。ヨーロッパでは、薬剤師は決してあのような安っぽい場所には近づかないのだから。

中国語講座〈初級〉開講のお知らせ

11月4日より中国語会話の講座が始まりました。発起人は、中国、台湾の事なら何でも聞いてよ!とおっしゃる中野勝郎先生。私(橋口)も先月台湾に連れて行ってもらいましたが、英語は通じないし、直接コミュニケートしたいと中国語の必要性を実感して帰ってきたところです。

講師は中野先生の鍼灸のお知り合いで、北京に2年間留学経験のある方です。知的な美人の先生で、発音は非常にきれいだと定評があります。

現在9名程集まっていますが、世界中でもっとも美しい言葉の一つと言われる中国語、あなたもTryしてみませんか?

         記

  日 時 第1、第3木曜 PM7:30−9:30
  場 所 市薬会館 第2会議室
  講 師 菅 美恵子先生
  月 謝 2,000円
  連絡先 西区姪浜4丁目1−24 中野 勝郎 TEL882−3004

〔フレッシュさん紹介〕 病院薬剤師として 早良支部 さわら整形外科病院 佐藤栄利子

今年度から市薬に入会させていただきました。フレッシュさんと言うには名ばかりで薬剤師となって10年目となりますが、いっでも、何事にもフレッシュな気持ちをもち続けていたと思っています。

現在私は、福西会さわら整形外科病院に勤務しております。開院してまだ2年目の病院で窓を開けると、田んぼが広がりその向こうには山なみが見え、広々とした敷地にはゲートボール場、テニス場もあるという恵まれた(?)環境の中で仕事をしております。

少し病院の紹介をさせていただきますと、診療科目は整形外科、形成外科、スポーツ整形、リハビリテーションで整形の専門病院として高度で良質の医療を提供したいと心がけ、邁進中です。現在医師7名、看護婦60名、その他医療スタッフ50名、薬剤師3名で入院患者120名、外来1日平均130名の患者さんに対応し、毎日ハタハタと忙しい日々を送っております。

その中で今、薬剤部スタッフが新しく取り組んでいる仕事のひとつに病棟業務(400点業務)があります。薬剤師がじかに患者さんのベットサイドまで行き、服薬指導を行なっております。病棟で薬剤師が活動するには、前準備として患者さんの状況把撞、医師・看護部との討ち合わせ等いろいろと大変で時間もかかりますが、薬物療法の質的向上、チーム医療の充実、患者サービスの向上にちながればと思い、またそれを目指し奮蹄中の毎日です。

入院患者さんと接する・ということは、外来患者さんとはまた違った緊張感を感じます。入院中ということもあり、非常に気を使い遠慮されている方、無気力.な方、ストレスのたまっている方、それと樟反対に入院生活をenjoyされている方など様々で、それぞれの患者さんにあわせた服薬指導を行なうということはかなり神経を使うことだと実感しております。

薬局に戻ると「ふっ…疲れた…」とつい言ってしまうことがありますが、そういう時こそ気分転換をはかり(私の場合、読書、水泳、カラオケetc)、患者さんと接するときは、いつでも“フレッシュさん”の心でいたいものです。このように大変疲れる病棟業務でもありますが、大変やりがいのある仕事だとも思います。

今後は市薬の先生方とも広く交流できたらと思っています。

〔フレッシュさん紹介〕 市薬職員になって (株)福岡市薬剤師会 事務局 上田早陽子

はじめまして。10月に市薬に入社しました“上田早陽子”です。

只今、自分が今している事の表面が理解できる程度で、まだまだ心細いのですが、市薬の雰囲気にようやく慣

れ、毎日楽しく(?)仕事をしています。 入社早々に、レセプト受付初体験とソフトボール大会と私にとって緊張の日々が続きましたが、何とか乗り.きっています。

10月24日は、多少雲が気になりましたが、スポーツの秋にふさわしいソフトボール大会で、たくさんの先生方と直接にお会いできました。日頃は電話でお話しする先生方のユニフォーム姿を拝見し、親しみやすく感じたのは私だけだったでしょうか……。

そして、初めてのレセプト受付の日、私もまわりの方々も、多分私がパニック状態に陥るだろうと予想していました。

やっぱりその通りでした。

初めてお会いする先生方にあいさつをし、ドタバタと走り、その繰り返しでした。今日のこの1日が俗にいう“あっという間”なんだ…と思いました。まわりの方々は、このくらいだったらまだまだ、と平然そのものでしたが、私は目くぼり、気くぼりが全くできず、しかも、意味不明の行動に走ったりしました。(こ れには私自身、笑ってしまいました。)

そうして、どうにかピンチの1日をクリアし、ホッとするのもつかの問、2度目のレセプト受付が近づいています……。

1日も早く、先生方にとって縁の下の力持ち的存在になれるようがんばりたいと思います。よろしくお願いします。

くすりばこ

先日急患センターに勤務した時の事をお話しします。監査の先生が問い合わせでほんの少しの間、席をはずされた時のこと。窓口の近くに丁度いた新米の私は、薬を取りに来られた患者さんと目がバッチリ合ってしまい、とっさに「いらっしゃいませ」と発してしまいました。思わず飲み込んでしまおうとしたのですが、既に遅く静かなロビーに…。

普段のOTC販売の習慣が出てしまいました。「こんにちは」と、せめて言ってたら良かったのにと今、振り返って反省しています。調剤とOTCの薬局の雰囲気の違いを感じました。

恥をさらしたついでに、センター勤務の私のささやかな楽しみも。センター勤務、調剤の仕事はとても勉強になりますが、沢山の先生方との出合いは大きな魅力です。

3ヶ月毎に送付されてくる出勤表を見ては心がワクワクします。そして更に、各人都合で変更があることもあり、その当日までどの先生とご一緒かわかりません。凄い楽しみです。

(坂田)

■■トピックス■■ 市薬学術委員会

動脈硬化の予防もできるCa拮抗剤の話

−Ca拮抗薬の脂質代謝に及ぼす影響と抗動脈硬化作用について−

高血圧症の治療は長期にわたることが多い。降圧薬の選択にあたっては動脈硬化の進展に影響を及ぼすと考えられる脂質代謝に及ぼす影響を検討する必要がある。Ca拮抗薬は降圧薬の第一選択薬として広く使用されており、また最近では長時間作動型Ca拮抗薬が発売され降圧療法が容易になっている。

Ca拮抗薬が高血圧症、虚血性心疾患、不整脈、脳血管障害などの心血菅障害に繁用されている現在、これらの基礎病変としての動脈硬化を抑制することが可能であれば、その有効性は更に高まると思われる。

βブロッカーとQuaIity of Life(QOL)

米国の第5次高血圧の診療に関するガイドラインではライフスタイルの改善を強調すると共に第一選択薬として利尿降圧薬、βブロッカー、ACE阻害藁、Ca拮薬、a1ブロッカー、αβブロッカーを挙げている。利尿降圧薬とβブロッカーは心血管系合併症の抑制効果が認められ、二種薬剤の優先的使用を示唆している。本邦でも虚血性心疾患の増加傾向を考えると、βブロッカーの需要は更に増すと考えられる。

「全般的にβブロッカーは、QOLに対し好影響を与えない」とされていたが、βブロッカーの中でも大きな相違がみられ、QOLを改善する薬剤も見出されている。降圧薬の選択に際し、QOLを意識して治療を行うことが重要である。

 

 

[広報]

早良区健康まつり 早良支部 副支部長 本村精也

日 時
平成5年10月13日
場 所
早良保健所

 今年の健康まつりは例年と異なり、医師会のミニドック・がん検診・婦人検診等の催しは別の日の開催となり、例年ですと、検診持ちの人達が時間つぶしに色々の展示コーナーを廻るという図式で、来客数もほぼ予想がついたが、今回は多いのやら、少いのやら全く分りません。

 但し、今年は早良区薬剤師会長・清水達三氏の「一日保健所長」への就任と市薬広報委員・学薬理事橋口扶佐子女史への「特別講演」依頼があり、又、早良薬剤師会の展示会場は、一等場所で玄関ホール前25坪の部屋が割当てになりました。

 何か我々薬剤師会へ特別の配慮が感じられる。

 早速、9月9日に運営委員会を召集し、企画、検討致しました。

(1) 「医薬分業」アピールコーナー
  ・処方せんをもらったらのイラスト手書きパネル1mxl.5m(面分業説明)
  ・早良区全保健薬烏地図パネルlmx1.5m

(2) 「薬用酒」と「健康茶」試飲コーナー(有馬)
  ・大東酒・抱杷酒
  ・薬用酒の作り方パンフレット配布200部
  ・美人になる健康茶(ヨモギ・決明子・クマザサ・ハトムギ・)

(3) 「クスリと健康なんでも相談」コーナー(全員)

(4) 「民間薬・柴草」展示コーナー
  ・民間薬の実物を効用・煎じ方・解説(生薬30種)
  ・民間薬(60種)の効用説明手作りパンフ200部配布
  ・県薬の身近な薬草、100部配布

(5) 「漢方薬」コーナー
  ・高血圧・腰痛・関節痛・婦人病のタイトルで(黄連解毒潰)(大柴胡湯)(八味丸)
   (当帰苛薬散)(桂枝苓丸)。以上の処方を生薬見本46種を色テープで結ぶ(効能説明
  ・生薬カラーパネル展示(25枚)

(6) 「ビデオ放映」
  ・「現代医療に果たす東洋医学の役割」と木原先生テレビ出演の「ゴキブリ団子の作り
   方」

(7)「おみやげ」(メーカー各社より提供のあった、ポケットティッシュ・のどあめ・浴
   剤各種パンフレット類350部


 では当日の模様を時間とドキュメントで追ってみよう(9:00〜16:00)

9:00
薬剤師会々員の持ち場の確認、早くも2〜3人の客が入場。会員各々持ち場に散る。(午前の部出席会員・有馬・行実・青柳・本川・丸木・清水・橋口・土橋・村岡・本村の各氏)10名

9:30
押領司保健所長より清水早良薬剤師会長へ一日保健所長就任依頼委嘱状交付(所長室)就任挨拶・記念撮影

10:00
市薬会長三津家氏視察に現る。会場を一巡し、記念撮影後「中々盛況ですね」と一言感想を述べられ帰られる。
一日所長は胸に菊の花、扇から斜にタスキがけ、村長選挙の立候補の如し。本物の所長・課長方を従え所内 の催事状況視察巡回。会場は客が常時14〜15人会員各氏奮闘。

11:00
市薬専務合澤・薬局理事中島・広報理事木原の各氏視察に現る。余りの盛況に驚天・声なし。
そこへ、一日所長清水氏ホホを紅潮させ登場、近寄り難し。理事方と記念撮影。先程より薬用酒コーナーは、黒山の人だか−り、皆、手に手にコッ・プを持ち声高に「オイシー」を連発。
食前酒のつもりか、有馬氏汗だく。

11:40
保健所役職者と一日所長・講演々者橋口女史・市薬理事(2名)懇談と昼食の為外出
我々会員も交代にて昼食(午後の部出席会員・松尾・糸岐・南島・福岡・長野・清水・橋口・本村の各氏)8名

12:30
13:00より講演会出席の為、早良市民センターへ移動

13:00
驚いた事に、500席のホールが満員である。熱気ムンムン

13:07
押領司所長より一日所長の紹介・挨拶「我々薬剤師会は一段と高齢化社会へ突入して行く現在・保健所・医師会・歯科医師会の皆様と共に懇切・ていねい・親切に、医療活動に奉仕したい。又ここに御来場の皆様方・市民の皆様方・近所のかかりつけ薬局へ何事もお気軽に御相談下さい」。
一日所長より講師橋口女史紹介

13:15
講演「薬と上手につきあう法」
〜情報の洪水に流されないために〜 橋口扶佐子先生

スライドにて

・古代より現代まで、薬の発展の歴史

・西洋医学と東洋医学の考え方の違い

・薬の剤型(錠剤・カプセル・カブレット・徐放錠・粉末・顆粒・細粒・坐薬・軟膏・液剤)等の説明

・血中濃度を保つ為、服用時間の厳守・服用忘れの時は、食前・食間・食後とは

・福岡市薬剤師会の薬局では九大病院・国立中央病院・福岡南病院の処方せんをファックスで受け付けています。
 皆様の利便性を考え、都合の良い時自分のかかりつけ薬局へ受け取りに行く、お年寄りや体の不自由な方の為配慮を、服用忘れのないよう1回1回分包する等、服薬指導等きめ細かいサービスを致します。
 又重複通院の際、薬のチェック、藁歴管理等の指導も行う。

・高齢化社会へ向け、在宅ケア、介護老人間題に薬剤師はこれから係わりをもってゆきます。

・健康に不安をもつ方々をターゲットに、今マスメディアでは色々な種類の健康食品・薬草茶・薬まがい商品がはんらんしています。皆様はすぐそれ等にとびつかないで、行きつけの信頼できる、「かかりつけ薬局」へまず相談して下さい。
 あなたの体に合うかどうか、薬の専門家・薬剤師がチェック致します。
 早良区には、これだけ信頼出来る保健薬局があります。(スライドにて地図)


 女史は初めは、いくらか緊張気味ではあったが、講演が進むにつれ、時々ジョークを飛し、満座の人々を笑いのうずに巻き込み、1時間の持ち時間では話しつくせないと、ご不満な様子だが、続きは次の機会にと云う事で盛大な拍手の中で終了した。

15:00
講演会帰りの客で再び、健康まつり会場は満員。おみやげや、パンフレット類350部用意したが足りない。

15:40
一日保健所長職終了、押領司所長より花束贈呈、出席早良区薬剤師会々員と保健所職員との記念撮影。

16:00
全て終了皆満足

博多区健康フェスティバル

日 時
10月19日
場 所
博多区千代 博多保健所
出勤者
冷川、山口、深江、鶴原、森川、井上、蔵元、荒巻

前日昼過ぎ会場設営のため、仕事も途中で抜け出し博多保健所へと向かう。 すでに来ていたM先生「会場案内図を必死で探すけど薬剤師会の4文字がみつからないんですよ。医師会、歯科医師会、看護婦会、栄養士はちゃんと載っとうとにおかしいねと思ってずっと捜しよったら隅の方に“ヘルシーティー”て書いてあった。もうがっかりやが」

しかし今年は趣を変え博多区健康フェスティバルのテーマ、カルシウムの展示を主体に行なった。ヘルシーティーは今話題の杜仲茶を含めわずかに4種類。中でも最高傑作は“痩せるっ茶”で「これのんだら本当に痩せるんですか」と質問され「ただのしゃれですよ」と笑って答える。片手にお菓子むしゃむしゃで “痩せるっ茶”を飲む姿がまたユーモラス。

大きな骸骨にカルシウム説明用パネル、メーカーからもらったパンフレットやカルシウムの入ったお菓子を山のように用意する。ソファーを用意し骨粗鞋症のビデオを桟で流すとそこはもう待合室に早変わり。約500人の来場者でにぎわった。

(報告:荒巻滋)

城南区健康展

日 時
平成5年10月14日(木)AM9:00〜PM3:00
場 所
城南保健所

日々テレビや新聞、雑誌等で“ガンの予防法や告知問題”“エイズ”など健康に関する情報があふれている昨今、地球に根ざした恒例の城南区健康展が、開催されました。

会場には、朝早くから多くの区民の方々が詰めかけて来られました。当日はミニドックや種々のガン検診、骨粗髭症予防のための骨董の測定、栄養相談、老人介護の在宅ケア、エイズの寸劇、様々のパネル展示、4人の開業医の先生方による講演などが行なわれました。

薬剤師会では、会場の入口付近で“薬の相談コーナー”“健康茶の試飲コーナー”“生薬標本や民間薬の展示”及び“漢方薬や医薬分業のパネル展示”等を行ないました。

当コーナーへは、約300名の方が健康茶の試飲をしたり、興味深く展示物を見ながら出動されていた先生方と相談をされていました。

試飲コーナーでは、杜仲茶、どくだみ、よもぎ、健康茶を用意しましたが、テレビ放映で一躍ブームになった杜仲茶に人気が集まっていました。

薬用酒と動物生薬(水蛭、シャ虫、蛇虫、蝉退、地龍)を松島先生が特別出品されました。見学される方で“ゴキブリが薬ですか?”と驚く方もおられ強いインパクトを与えでいました。来年は、薬用酒の試飲コーナーも設けてみたらと思いますが、先生方の御協力をお願いします。

薬の相談コーナーでは、一般OTC薬(例、便秘薬の使用に関して等)、医療用医薬品(例、精神安定剤の長期服用について等)、漢方薬(例、煎じ方等)、疾患(例、肝炎、糖尿病等)など、多くの質問が寄せられました。

健康展に参加して感ずる事は、毎年マスコミによって民間薬ブームがつくりあげられています。このため民間薬の効能や副作用などの情報が正しく広まらない問題点があります。

地域医療に携わっている私たちが、民間薬に対しても正しいアドバイスが出来るように詳しい知識を学ばなければいけないと感じました。

最後に下記の先生方が、多忙の中、設営や運営担当とし出動されました。本当にお疲れ様でした。

前田、伊藤、小林、松島、坂田、白水、栗田、高木、磯本、浦本、大隈、苦竹、松岡

ありがとうございました。

(報告:別府部会 占部薬局 中山輝樹)

中央区健康フェア

10月5日(火)午前9時から午後3時半まで、中央保健所で“中央区健康フェア”が開かれました。

記念講演は、“すこやかに老いるために”というテーマで、福岡大学医学部教授の荒川規矩男先生が講演されました。

中央支部からは、午前中と午後にわかれ8名の先生方が出席され、“薬と健康相談コーナ”で、医療用医薬品、OTC薬、漢方薬や薬草の質問や相談に、てきぱきと答えておられました。

又、コーナーに設置した今テレビで評判の杜仲茶や美人茶に人気が集まり、当コーナーに来られた約250名の人々が試飲され、大変好評でした。

只、展示していたパネルの薬草や漢方薬の効能が、胃腸病や下痢などが多く、来られた方からは下痢なんかは滅多にしないんだからもっと成人病の高血圧や糖尿病、あるいは癌に効くような薬草や漢方薬のパネルを作ってほしいという声が聞かれました。

私は今回初めて健康フェアに参加させて頂きましたが、私の意見を言わせてもらえば、色んなパネルがあまりにも貧弱すぎるということです。今後、このような健康フェアを続けていくのなら、県薬あるいは市薬でもっとお金をかけて市民のニーズにあった立派なパネルを作って頂きたいと思います。

(報告:樋口昌嗣)

背振の秋日に

福岡市薬草観察会への参加

去る10月3日、恒例の福岡市薬草観察ハイキングが行なわれました。抽選で選ばれた幸運な約100名程、赤ちゃんから76才という幅の広い世代の方々が参加者です。満々と水をたたえた背振ダムの周辺を、ススキの歓迎を受けながらゆっくりとスタートしました。

「サワヒヨドリ」から始まって、薬局委員の先生方の作られた薬草の小冊子を片手に歩きます。私の参加は2度目です。去年は、今だから申しますが、逃げ廻ってばかりの恥ずかしい薬剤師でしたが、今年は問われる質問に、ほんの少しだけは進んで答えることができました。2度目はそれなりに2度目が果たせたかな?とささやかに自己満足したのですが、先生方の説明を伺っていると、足元にも及ばない事が、去年以上によくわかります。

「昔、この葉でくるんだ、いげの葉まんじゅうを食べていました」と、高齢な女性の懐かしそうなひとり言、

「ワァーこれがカゴソウですか。以前、薬局で買って服んでたんですよ。高かったんですよね」と、

また、「これは何ですか?」
「はい、ミソソバと言います」
「花はよく見かけて埋っているけど名前は知らなかったね、ふぅ〜ん、ミソソバと言うのですか」
「はい」

約2時間ほどの散策のあと、参加者の昼食です。ダムを見ながら、薬草を見ながら、自然の中に腰をおろして、明るい声が響きます。続いて楽しみな薬草クイズ。正解者の多いのにはただ、びっくりしてしまいます。

今回、数回の下見にも拘らず、当日に見つかった薬草があります。

「せんぶり」苦みとは思いも寄らない可憐な花です。雑草の問にひっそりと身を隠すように咲いていました。丈、10cmほどの小ささに膝を地面につけないとよく見れません。見つけた喜びと見ることのできる喜 び、両方を体験でき、先生方の情熱のおかげです。

参加者のバスを見送った後、先生方とのバーベキューの昼食会、沢山用意された肉や野菜と、冷たいビールは美味しく、お腹中にしみ渡りました。

本村先生が「美味しくて、明日の分まで食べたよ」とお腹をなでなでしながら苦しそうに言われました。

「来年もまた、来れたら」と、帰路についた1日でした。

参加者
松枝副会長、冷川県薬常務理事、中島常務理事、図式理事、松島理事、中野(達)、森川、戸田、本村、中野(勝)、吉田各薬局委昌、篠崎、大庭、有馬、本村夫人、坂田、計16名

(報告:坂田)

“悪夢の7回裏”−第14回市薬親善ソフトボール大会−

10月24日(日)、雲一つない爽やかな秋晴れの下、第14回福岡市薬剤師会親善ソフトボール大全が、7チーム参加のもと武田薬品工業(株)のグランドで行なわれた。

今大会は例年になくホームランが乱れ飛び、2勝を挙げた中央・南・城南支部の3チームが決勝進出をかけてジャンケンを行い、南・城南の両チームが決勝進出を果たした。惜しくもジャンケンで放れた中央チームは、1勝1敗の博多チームと3位決定戦を行い、大差で勝ち3勝したが3位に終った。

決勝戦(7回戦)は近年まれに見る好ゲームとなり、見る者の手に汗を握らさずにはおかなかった。先取点は城南が取ったが、南はすかさず5回に逆転し、更に7回表にも4点を追加し、つき放しにかかった。“5点差”だれもが南チームの悲願の初優勝を疑わなかった。

ところが、南チームにとっては悔んでも悔やみ切れない“悪夢の7回裏”がやってきた。

7回裏、それも2アウトから連続ヒットで2点を失い、3点差に追いっかれ、尚もランナー2・3塁と一打同点のピンチ。迎えるバッターはホームランバッターの辛島君、南チームは一塁があいていることから敬遠策を取った。ところが、それが裏目に出て長短打とエラーが絡らみ、あっという間に3点を失い同点に追い つかれ、延長戦にもつれ込んだ。

城南は8回表、南を0点に押さえ、その裏あざやかにさよなら勝ちを収め、昨年に引き続き2年連続優勝を飾った。

それにしても、応援席を沸かせ優勝決定戦に相応しい素晴しい試合をされた、両チームの先生方に心より賞賛の拍手を送りたい。

福岡市薬剤師会薬局 地鎮祭

日 時
平成5年11月1日(月)午前11時
場 所
現地 中央区地行浜1丁目29−80
出席者
薬剤師会  顧 問  藤野 義彦、古賀 隆
      会 長  三津家正友
      副会長  細井 徹一、長谷川宏明
      常務理事 中島 英之
      副議長  樋口 昌嗣
      事務長  二宮善四郎

九宅協      薙野事務局長

西岡弘建築工房  代表取締役 西岡  弘
               伊藤 宗明

エスティ・アナイ 代表取締役 穴井 常雄
               他  数名

幸にも気掛かりだった雨も降らず、11月1日の吉日を迎えた。

現地では、紅白の幕をめぐらした大きなテト内に祭壇がしつらえられ、出席者一同が着席し神式により地鎮祭が行なわれた。

初めに、「修祓の儀」続いて三津家会長の「初刈りの儀」設計の西岡先生による「鍬入れの儀」と施工者の穴井社長による「杭打ちの儀」が行なわれた。次いで、玉串奉負が三津家会長から始まり、藤野先生、古賀先生と続き市薬関係者は古賀先生に合わせて一緒に拍手を打ち拝礼をする。その後、西岡先生、九宅協の薙野事務局長となされた。

この後、一同で祭壇のお神酒をいただき、工事の無事と工期内の完成を心から祈って地鎮祭を終った。

思えば、用地取得の計画から銀行借入、利息の支払、代議員会、補助金申請作業、地元その他関係者との折衝、設計、建築業者の決定と地鎮祭に至るまでの道程は決してなまやさしいものではなかった。

その間、最善の方途を議論しながら心を一にしてきた会員の先生方、御指導と補助金にご尽力いただいた国、県、市の関係者の方々、建設にご理解くださった地元の皆様、地元を始め関係者との折衝にご配慮いただいた九宅協様、ユニークで素晴らしい設計をご追究下さった西岡弘建築工房様、そして、建築をご決断いただいたエスティ・アナイ様と今更に皆様とのご縁を思い、感慨一入である。

今後は、この会営薬局が会員のマイナス要因を補完し、会員の支援は勿論、地域医療の核になるような公共的役割を果たす事が出来るように、会員の先生方と力を合わせて運営に尽力せねばと切に願うものである。

(報告:細井)

会議報告

【第6回理事会】

日 時
平成5年9月24日(金)午後7時
出席者
三津家全長、細井、松枝、長谷川各副会長、合渾専務理事、山口、中島、小野、篠崎、木原各常務理事、鶴原、松島、成澤、市花、城戸、藤田各理事
藤原、豊福各監事

議 事

1.会長あいさつ
   8月は理事会を開催しておりませんので、報告事項がだいぶあります。協議事項の
  方も会営薬局の進展状況や、九大応需拡大、基準薬局の更新、そして新たなテーマと
  して在宅ケアへの参加について等、ご協議いただきたいことも多くありますので、よ
  ろしくお願いします。

2.会務報告
   合澤専務理事より報告

3.委員会報告

  組織委員会
   (1) 各支部、各部会ごとに入会金についてかなりのバラつきがあるので調べてみ
      たい。
   (2) 未入金薬局の入会促進については、まず実態調査をしてみる。
   (3) ソフトボール大会は、例年通り武田薬品グランドで10月24日に行う。

  社保委員会
    国立は7月1日開院の予定。4月〜7月までの3ケ月間、薬剤部は閉鎖の予定。

  試験センター
    9月1日から酸性雨の調査に入った。
    簡易専用水道検査(ビル管)の有資格者は9名だけであり、今後増やす方向でい
   きたい。

協議事項

1.会営薬局について
   名称は「福岡市薬剤師会薬局」で委員会決定したと、細井副会長より報告
   業者の選定については「STアナイ」社に決定、着工は10月の予定である
  旨、中島常務理事より報告

2.九大応需拡大について
   二次募集をしたところ、福岡市薬から27薬局の応募があった。県薬他支部と合わせ
  て100薬局。九大病院での実習の後、11月頃から拡大の予定。

3.在宅ケアへの参加について
   どのように参加したらよいかを広報委員会より木原、橋口、そして薬局委員会の何
  人かでリサーチしてみることになった。

4.その他
   今年は基準薬烏の更新年になっているため、市薬としてどのような対応をするかが
  協議された。

【第7回理事会】

日 時
平成5年10月26日(水)午後7時
出席者
三津家会長、細井、松枝、長谷川各副会長、山口、中島、小野、篠崎、木原各常務理事、鶴原、松島、園武、成澤、藤田各理事
藤原、豊福各監事

議 事

1.会長あいさつ
   2日より11日までオーストラリアに視察に行って参りました。10月は各区毎の健康
  フェアで、薬局委員の先生方は本当にご苦労さまでした。薬剤師会を大変アピールし
  ていただきありがとうございました。なお、市薬薬局の地鎮祭を11月始めに挙行した
  いと考えています。11月2日には、薬物乱用防止キャンペーンが市民会館で開催され
  るのでぜひ参加していただきたい。

   合澤専務理事は体調をくずされ1ケ月程お休みになります。専務理事不在で何かと
  ご不便をおかけするとは思いますが、理事の皆さんにはご協力のほどお願いいたしま
  す。

2.会務報告

3.委員会報告

  薬局委員会
    福岡市の「薬草観察ハイキング」の補助金が昨年は20万円だったが、今年は30万
   円になった。
    アトピー性皮膚炎の漢方研修会は、受講者170名と盛況であり、ドクターの受講も
   あった。

  社保委員会
    9月29日に国立の今後の対応について協議した
    11月中旬には、国立の状況を会員さんに説明する。

  学術委員会
    清水文庫の図書の整理を完了。不用と思われる書籍の処分について考慮中。

協議事項

1.会営薬局について
   取り壊わしは終了し、起工式は10月末か11月初旬の予定

2.九大病院院外処方せん発行拡大について
   FAX受付窓口は20番窓口から、薬剤部桟(恵愛団薬局の跡)に移転する。移転完了
  後、応需薬局の九大研修が終わりしだい16%程度拡大の予定

3.在宅ケアについて
   10月9日に、市医師会で在宅医療を担当しておられる樋口先生と会見。市藁から台澤
  専務理事、中島、木原各常務理事、そして広報の橋口委員が取材のために同席した。在
  宅ケア講演会の開催と各区の医師会在宅医療委員会ならびに保健所・福祉事務所の合同
  会議への薬剤師のオブザーバー出席をご助言いただいた。

4.その他
  (1) 基準薬局について県薬からはっきりとした指針が示されていないので、市薬の解
    釈で進める。現時点で基準薬局のところは、このまま3ヶ年問継続することとし、
    自動的に更新させることになった。
  (2) 学術大全の出動費について
    日当4,000円と交通費4,040円を支給するが、宿泊費については個人負担とする。

委員会報告

【薬局委員会】

日 時
平成5年9月23日(祭)9時〜16時
出席者
中島常務理事、松島、国武各理事、中野(勝)、中野(達)、戸田(垂)、吉田(邦)、本村各委員
冷川、大庭、有馬、篠崎(正)
その他一般参加者(90名)

1.薬草観察会の最終下見兼市薬会員薬草観察会
  ○市立背振少年自然の家近辺のコースを最終的に決定。
  ○約50種の薬草が見られ、それぞれに名符を付けた。

2.健康フェアの件
  他地区と実施日が重なっている支部のパネル選択について等。

日 時
平成5年9月28日(火)午後7時
出席者
中島常務理事、国武、松島各理事、戸田、中野(勝)、本村、吉田、森川各委員
冷川、大庭、有馬
衛生局から松田、田原

1.薬草観察最終打ち合わせ
  薬草観察ハイキング日程表
  と き 平成5年10月3日(日)
  ところ 背振少年自然の家
  <<タイムスケジュール>>
   9:00 市役所出発
   10:10 背振少年自然の家著(トイレ休憩)
   10:30 再びバスに乗車(背振ダムへ)
   10:40 主催者あいさつ(背振ダム入口にて)
   10:50 ハイキング開始(班ごと)
   12:40 昼食背振ダム(ダム別れ道)
    (フリータイム)
   13:40 薬草クイズ(“ダム別れ道”近辺にて)
   14:00 バス乗車
    (背振少年自然の家にてトイレ休憩)
   14:30 背振少年自然の家出発
   6:00 市役所到着 解散
  主催:福岡市健康週間実行委員会
  協力:福岡市薬剤師会
  協賛:大塚製薬、ツムラ

2.漢方研修会役割分担について

3.県薬主催「くすりと健康の週間」行事
  天神地下街イベント出動表作成
  10月6日(水)午前 戸田    午後 中島(勝)
    7日(木)午前 中島(達) 午後 吉田(邦)
    8日(金)午前 森川    午後 松島

 

【漢方研修会】

日 時
平成5年10月5日(火)午後7時
出席者
中島常務理事、国武、松島各理事、中野、戸田、森川、本村各委員
受講者
165名(この他に医師数名の受講あり。実質170名以上)
演 題
「アトピー性皮膚炎の漢方治療」
講 師
高山内科クリニック 院長 高山宏世先生

 

【基準薬局認定特別委員会】

日 時
平成5年10月13日(水)午後7時
出席者
松枝副会長、合澤専務理事、中島、小野各常務理事、国武、松島各理事

議 事

1.理事会に於て正式に基準薬局認定特別委員会としての組織の承認を受けること。

2.更新について研修(単位の修得)調剤拒否しない事を重点的にお願いする。

3.研修単位については、福岡市薬としてなるべくマスターできるよう考える。

4.更新時期が来ているものについては来年3月まで自動的は延長し、新年度を目指して届出手続きをとる。

5.新規受付について(年1〜2回)検討する。

6.手続として、各支部単位で各支部長の責任においてまとめていただき、委員会で総括し県に届ける手筈を整える。

 

【広報委員会】

日 時
平成5年9月10日(金)午後7時30分
出席者
木原常務理事、樋口、坂田、橋口、荒巻各委員

1.市薬ジャーナル9月号の編集について
  集まった原稿の整理
  表紙写真は“放生会”とし、樋口委員が撮影に行く。

日 時
平成5年10月6日(水)午後7時30分
出席者
木原常務理事、樋口、坂田、橋口、荒巻各委員

1.市薬ジャーナル9月号の反省
  読み合せが悪く、校正ミスが多かった。

2.11月号の企画、編集について
  市の健康週間行事は、今年は早良支部の活動を取材に行く。

3.在宅ケアについては、市医師会在宅担当理事の樋口先生に会見し、それを記事にする。

 

【第3回会営薬局特別委員会】

日 時
平成5年9月20日(月)午後7時
出席者
細井副会長、合澤専務理事、中野、篠崎、小野、山口、木原各常務理事
松井、高杉、栗田、大庭、清水各支部長

1.市薬ジャーナル9月号の編集について
  集まった原稿の整理
  表紙写真は“放生会”とし、樋口委員が撮影に行く。

議事に入る前に中島建設委員長から、建設業者(STアナイ)決定について、決定に至るまでの経緯も併せて詳細に報告された。また、9月17日付朝日新聞夕刊の会営薬局の記事についての説明があった。

議 事

1.会営薬局の名称
  会員から一名だけ応募があったが惜しくも採択されなかった。
  委員で審議の結果、「福岡市薬剤師会薬局」と決まり、理事会に報告、提案することにな
 った。
  また、名称表示の際、調剤センター、備蓄センター、研修センターと業務内容を併記する
 ことが望ましいとの提案があった。

2.薬局実務について
  ア 業務内容と分担(薬局長・薬剤師・事務)
  イ 備蓄薬品
  ウ OTC

    上記3件については、栗田運営委員長から運営委員会で別途に審議、検討すると
   の申出があったので、お願いすることに決まった。但し、アの件については、交渉
   の都合もあり可及的速やかに素案を出して欲しいと要望し了承された。

  エ 休日・夜間対応
    人件費の予算は計上しているが、実施の具体策については、もう少し様子をみて
   対応することに決まった。
  オ その他(就業規程、給与規程、退職規程について)

3.1億円返済の方向付けについて

 

【第4国会営薬局疇別委員会】

日 時
平成5年10・月22日(金)午後7時
出席者
細井副会長、山口、中島、小野、篠崎、木原各専務理事
高杉、光安、栗田、清水、大庭各支部長
市薬薬局の運営について

1.規程の整備
  就業、給与、退職手当、パート職員就業規則および運営委員会設置規程(案)について

2.薬局スタッフ3名(予定)の人事について
  規程が定まらなければ人員の確保ができないため規程の整備を早くすることになった。

【第2回 早良区三師会】

去る11月9日第2回目の三師会が開催された。医師会をはじめ、歯科医師会、薬剤師会の推薦する県議、市議を囲んでの懇談会で、医師会から18名、歯科医師会から8名、薬剤師会から清水、本村、有馬、南島、本川、松尾、冨田、西岡、福岡、橋口の10名が出席した。議題は特になかったが、現職の県議、市議に質問という形で、政治改革について、小選挙区制、比例代表制について、地方分権について、県議による「政治・経済」の講義と見まがうような真面目な研究会となった。在宅医療についても質問が出たが、はっきりした答弁は得られなかった。機会あるごとに三師会の意志の疎通を計り、在宅医療への取組みがスムーズに進む事を願ってお開きとなった。 

(橋口)

選挙規定がはじめて運用される会長・副会長・藍事選挙のQ&A市薬組織委員会 山口利英

 先の代議員会で採択された「市薬剤師会会長、副会長及び監事選挙規則」が来年度の役員選挙ではじめて、運用されることになります。市薬組織委員会では、この規則がスムーズに運用されるように、会員のみなさんにその仕組みを分かりやすく説明しようとQ&Aをつくり市薬ジャーナルの紙面をお借りして、お知らせすることにしました。

Q 会長、副会長及び監事には誰でも立候補できますか。
A 薬剤師の会員さんならどなたでも立候補できます。

Q 立候補するにはどんな手続きが必要ですか。
A 選挙の告示の日から選挙の1ヵ月前までの間に、所定の文書を選挙管理委員会に提出して
  ください。

Q 所定の文書とは。
A 所定の文書には次のことを記入するようになっています。
  立候補者の(1)住所、(2)氏名、(3)生年月日、(4)薬剤師会関係の経歴

Q 会員が他の会員を推薦して立候補させることはできますか。
A できます。そのときは所定の文書に本人の承諾書が必要になります。

Q 立候補の手続きを済ませていましたが都合により立候補を取り止めることはできますか。
A できます。選挙が行われるまでに本人が署名した文書を選挙管理委員会に届けでることに
  よって辞退できます。

Q では、選挙はどんなスケジュールで行われるのですか。
A 次の日程でおこなわれます。
  選挙の日(例年4月後半に行われる通常代議員会)からさかのぼって
  ・概ね2ヵ月前  : 挙管理委員会ができる。
  ・   〃    : 直ちに選挙告示を行う。
  ・1ヵ月前の正午 : 立候補締切
  ・立候補締切後  : 選挙会報の発行

Q 選挙会報の内容は
A 立候補者の(1)住所、(2)氏名、(3)生年月日、(4)薬剤師会関係の経歴
  それに候補者の抱負や公約を掲載。

Q 立候補者が定数の場合は無投票当選ですか。
A そうはなりません。その場合は信任投票を行います。そこで信任されなければ、当選人と
  は認められません。その場合は別段の方法により補欠選挙が行われます。

※ 今日ほど薬剤師会に強力なリーダーが必要な時期はありません。慎重に選挙にのぞんでください。会員の皆さんの協力が大切です。

 

【学薬のページ】 砂場の細菌および回虫卵の検査について 福岡市学校薬剤師会 副会長 木原三千代

教育委員会・保健体育課の木原さん。同姓のよしみで等価騒音を測定するから、デジタル騒音計を買ってとか、モーター式のふんじん計は、か弱い!?女性が持つには重すざるからデジタル式のにしてだのと、いつも無理を言っている。

その木原さんから「新聞に公園の砂場60%から、大腸菌や回虫卵が見つかったと書いてあったけど、学校の砂場を調査された事はありますか」と電話があった。それじゃあやってみましょうかと、いうのがきっかけだった。

学薬の研究課題としてもってこいのテーマ。幼稚園、養護学校などを重点的に小学校を何校か入れて、35校ぐらいをやってみることになった。

まずどのような検査をしたのかを、新聞に載っていた市の公園緑地課に尋ねた。大腸菌と回虫卵の検査をしたのは福岡市の衛生試験所。さっそく、衛生試験所に検査方法を習いに行った。大腸菌は食品検査、回虫卵は臨床検査と2セクションで検査されていた。大腸菌群は水質検査やプールなどの検査項目になっているので、大腸菌(大腸菌と大腸菌群では、検査方法が異なる)については少しは馴染みがあったが、回虫卵の方は臨床検査項目になるため、皆目見当がつかない。

しかし、捨てる神あれば拾う神ありとはよく言ったもの、強力な助けっ人が現われた。学業の有馬理事は、福大を卒業してから群馬大の徴生物学教室に勤務していたとか。顕微鏡を覗くのはプロ。衛生試験所に行った時もサンプルに持っていった3検体の中から、なんと衛生試験所の技師さんよりも先に回虫卵を見つけてくれた。

実際に市薬試験室で検査する時も、検査に使えそうな器具をホームセンターで見つけてきてくれた。探してきたところが、ホームセンターというのが中々いい。それがまた、とても使い勝手が良いのである。「これは、衛生試験所に教えてやらなね」などと言いっつ顕微鏡を覗いた。

顕微鏡などほとんど覗いたことがない私は、中々ピントを合わせられない。モタモタしている間に、有馬さんは「覗いてごらん」と回虫卵を見せてくれる。「本当は家内の方が専門家やけどね」と。有馬夫人は群馬大で有馬先生の助手をしておられたそうだ。それにしても、回虫卵検査で有馬夫妻の馴れ初めを聞けるとは思ってもみなかった。このように、有馬理事なくしてはできない砂場の検査であった。

次のような35校の検査をした結果、5.6%に回虫卵が、そして11.1%に大腸菌不適という結果がでた。

考察すると養護学校、幼稚園のように、学校の施設が、比較的地域の人達に解放されておらず、門扉などがきちんと管理されていると思われる施設が良好であった。逆に、検査結果が余り良くなかったのは、市街増よりも郊外地の学校のようだ。また夜間、地域に学校の施設が開放されているようなところが多かった。養護学校や幼稚園のように、比較的抵抗力のない子供達の施設が良好であった事は幸いであった。

今回の砂場の検査は、教育現場の先生たちの関心度が高く、砂の採取に行った学薬理事の先生たちに「結果を教えてほしい」と言われた学校が多かったようだ。

市議会でも取り上げられた公園砂場の調査は、14ヶ所から来年2月の調査では一気に100カ所に増やされた。今回限りと言われていた教育委員会保健体育課でも、来年再来年の調査も依頼されている。

市薬に試験センターができて15年。かかりつけ薬局には、地域における環境衛生への参画も求められている。今回の砂場の検査にしても「薬剤師会に試験センターがあるなら検査をお願いできませんか」と公園緑地課維持係の人と、春日市の幼稚園からの依頼もあった。しかし、今回は学校薬剤師会の研究テーマとして実施したものであるからとお断りをした。市薬会館3Fのかなりのスペースをとっている試験センター。薬剤師の調剤業務とともに、もう一つの職能アピールに必要な試験センター。医薬分業の進展にともない、薬局・薬剤師のあり方も変わりつつある。そろそろ真剣に拡充を考える時期にきているようだ。

調査学校
西 区 愛宕小、女子校付属幼稚園、北崎小、下山門小、城ノ原小
早良区 野芥小、原西小、大原小、早良小、入部幼稚園
城南区 堤が丘小、長尾小、鳥飼小、別府小、城西中
東 区 舞松原小、和白幼稚園、名島小、東福岡養謹、香住ヶ丘小
中央区 舞鶴小、赤坂幼、笹丘小、草香江小、大濠養護
南 区 大桶小、玉川小、柏原小、西花畑小、若久養護
博多区 東月隈小、席田中、住吉小、東住吉小、坂付北小

 

第26回目薬学術大会 学校薬剤師分科会報告 福岡県学校薬剤師会 理事 木原三千代

平成5年11月7日(日)、北九州市のリガーロイヤル小倉において、学校薬剤師分科会が開催された。出席者数およそ300名、会場はほぼ満席の状態となった。

まず、初めにご挨拶に立たれた日本薬剤師会担当副会長の境野雅憲先生は、「今年は日本薬剤師会創立100周年という節目の年にあたります。9月には、アジアで初めてのFIP世界大会が東京で開催されました。その中で諸外国の先生方が大変注目をされたのが、外国に余り例を見ない、わが国独自の学校薬剤師制度であります。薬剤師の職能を地域社会の中で還元するというこの制度は、これからの薬剤師の地域でのあるべき姿として、十分に見つめていきたいというのが大方の意見でした」と挨拶された。続いて部会長の松尾学先生は報告の前に、先に急逝された日本薬剤師会副会長であり、兵庫県学校薬剤師会会長でもあった室明先生のご訃報にふれられた。そして、部会報告に入り、会員包位にはぜひこの枝幸に学校保健ならびに学校環境衛生に関する課題について、自ら課題を掟起し、その実践の内容を発表されることを期待すると述べられた。

ついで、全国学校保健調査・実行委員会委員の中村陽一氏から「平成4年度全国学校保健調査について」の報告があった。今回の調査は、水泳プールの施設・設備と水質管理および排水を調査し、あわせて保健室の管理についての質問をした。今年大変問題となった腰洗い槽の使用状況については、学校の種類、県別での差が大きく、設備していない学校もかなりある。学校の種類では小学校が91.4%と、高い率で使われている反面、高校定時制では50.5%の使用にとどまっている。地域的には東北、関東でよく使われている。また排水に際しては、なんらかの処理をした後に排水されているのは10%以下であり、のまま排水する場合の放流先も、公共下水道とその他で約半々であった。そして、定期検査・日常点検とも正しい管理のあり方は周知されているようだが、器具の配置や検査の実施で若干の地域差があったと報告された。

特別講演は「学校保健の課題と学校管理者の役割り」と題し、福岡県北九州市立二島中学校校長の永野教任先生から、学校保健と地域保健の連携をテーマにご講演があった。学校保健の組織活動における課題として、学校薬剤師の勤務内容にふれられ、環境衛生や定期検査のための時間は48.2%とかなり多いが、学校保健委員全への出席はわずかに7.8%で1.5日。また学校保健管理の専門的事項の指導に従事するは、4.3%とさらに低くなっている。

このことから、学校側がいかに先生方の職能を理解していなかったか、私自身この会に出席して大変反省させられた。そして最後に、保健管理には当然のことながら保健指導が伴う。

この保健指導の部分に学校薬剤師の先生方のお力添えとご助言をいただきたいし、また私どもはそのための機会を積極的に作っていくことが必要である。保健指導の充実こそが、学校教育の大きな課題であり、その成否は学校菅迦者の識見と実践力に負うところが大きいと締め括られた。

会員発表は時間の関係で8割に絞られたが、その内容について少し説明を加える。

発表1:「学校を中心とした通学児童生徒の受ける空気環境調査報告について」 杉並区学校薬剤師会の北原真純氏は、有害ガスの二酸化窒素、ホルムアルデヒド濃度をトリエタノールアミンのパッシブ法で、空気汚染の個人暴露童を調査した結果、かなりの精度で測定できた。学校環境調査においては、生徒一日の生活時間サイクルを考えると、教室内外の環境管理以外に、家庭等の環境調査も重要であると報告された。

発表2:「スギ花粉飛散調査第4報=山口県花粉情報システムの再構築とその現状」 山口県学校薬剤師会の杉浦保男氏は、数年来の花粉情報システムの実績が評価され、平成5年には県レベルでの予算が計上され、新システムのもと、県医師会に事業委託されるにとになったと発表された。

発表3:「学校における有害生物の調査=ダニ=」 北海道苫小牧学校薬剤師会神谷恵理子氏は、苫小牧は夏でも20℃を越える日は、数えるほどしかない低温気候地帯であるにもかかわらず、調査対象校2校のうち1校の給食室でダニが検出された。今後ダニの調査は学校環境衛生調査内容に含まれる時期にきていると報告された。

発表4:「学校における危険物薬品の実態と薬剤師の対応」 新潟県学校薬剤師会朝妻エツ子氏は、行政監察局から学校における毒劇物および危険物薬品の管理が徹底していないとの伝達を受けたのを毒酎こ、定期検査の点検項目の見直しと充実をはかってきた。従来、学校の薬品管理指導としては、理科用薬品の管理を重点的に調査し、指導助言してきたが、新潟県の場合は、冬期問にもっとも利用率の高い、灯油に対する危険物としての貯蔵と取り扱いについては、今後見なおす必要があると発表された。

発表5:「服薬相談と学校薬剤師の役割」久留米薬剤師会の岡野吾郎氏は、医薬品の保管状況と公衆衛生に関する事項について養護教諭に質問した結果、新聞・テレビのコマーシャルや家庭用のビルブック等から情報を入手していることがわかった。養護教諭自身の努力だけでは医療情報を稿極的に入手し、理解するのは困難な状況にある。学校薬剤師が機会あるごとに、指導助言をすることが望まれると結ばれた。

発表6:「性教育について」 東京都共立薬科大学の松本佳代子氏は、高校生に対する性教育の意識調査を行なった結果、エイズに関しては高い関心が寄せられたが、他の性行為感染症には低い値となった。また妊娠検査薬は本来の使用目的と異なる使われ方をしている様子が伺えた。正確な情報を理解してもらう ため繰り返し教育していくことが必要だと報告。

発表7:「薬物乱用と児童生徒の認識」 東京都練馬区学校薬剤師会の吉田定氏は、小中学生は、テレビドラマ・漫画などから知識を得ることが多いのを知り、アニメビデオを使って薬物乱用防止教育をしたところ、大変有意義であったと発表された。

発表8:「私立学校の学校薬剤師組織化への取ほしなり組みについて」 大阪府学校薬剤師会保科寛氏は、私学の学校薬剤師の組織化に、積極的に取り組んだ結果、大阪府私立学校保健会に学校薬剤師部会が設置され、私学学校薬剤師活動の第一歩を踏み出すことができたと発表された。

(11月25日放送 ラジオ短波「薬学の時間」学薬アワー原稿より)

おめでとうございます

公衆衛生功労 厚生大臣表彰

 三津家 正 友 先生(66才) 福岡市薬剤師会会長  福岡市学校薬剤師会会長

薬事功労 福岡県知事表彰

 長谷川 宏 明 先生(55才) 福岡市薬剤師会副会長 済生会病院薬剤部部長

 藤 原 良 春 先生(53才) 福岡市薬剤師会監事 前福岡市薬剤師会副会長

公衆衛生功労 福岡県知事表彰

 野 田 靖 夫 先生(59才)

日本公衆衛生協会長表彰

 堀 江 秀 男 先生(63才) 元福岡市薬剤師会副会長

福岡県教育文化功労表彰

 小 村 正 治 先生(62才)

福岡県公衆衛生理事長表彰

 椛 島 和 子 先生(57才)

福岡市教育委員会表彰

 冨 永 雄 造 先生(59才)

 小 松 秀 美 先生(56才)

福岡市学校保健功労表彰

 細 井 俊 一 先生(67才)

 森 田 幸 枝 先生(64才)

 藤 原 良 春 先生(53才)

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訃 報

 大黒隆男 先生(享年85才)
 元福岡市薬剤師会 理事  (平成4年度 薬事功労福岡県知事表彰受賞)

  昨年3月、南支部・野間部会の「みどり薬局」を閉局され、市薬B会員として
 籍を置いておられた 大黒隆男先生が、11月10日逝去されました。
  謹んでご冥福をお祈りいたします

冨永泰資先生を悼む

 弔  辞

冨永先生、私のこれまでの人生で青天のへきれきとはこういうことかとがく然となりました。

一昨日先生の入院を聞き、昨日.お見舞し今日訃報を聞く。言葉のかけようがありません。

私があなたに幽名別離の言妻を述べる最も哀しい役目を負うことになりました。無情と云う外ありません。

福岡県薬剤師会は今は神谷先生と私が委員となって百年誌の編さんをしておりますが、先生の今はなき岳父の事蹟等知ることが出来ました。先生のところは福岡県薬局許可第一号です。そのような名門薬局の長男として大正十年生を受けられ昭和十六年熊本薬学専門学校を経て冨永薬局を継がれ今日まで隆々の経営に励まれ、今長男計久先生へとバトンが引継がれています。その間主な公職だけでも周船寺村会議員、司法保護士、福岡市薬剤師会会長、福岡県薬剤師会副会長、福岡煙草販売協同組合理事長等の要職を歴任されました。

その間昭和五十八年には厚生大臣賞等数々の栄誉を受けられました。

先生の歩いて来られた人生、それはあなたが積んだ徳、その外の何物でもありません。

今先生の前でむなしいくり言を述べておりますが、その言葉も我が心に、あなたをおいて一方通行で話すむなしさが悲しいのです。

先生とは昭和二十七年、私がかけ出しの薬剤師として開局して以来四十有余年、日本薬局協励会或は市の薬剤師会でお互い切珪琢磨しながら勉強し議論も数限りなくやりました。

私と先生は、その性格は正反対ですがこれまで薬剤師として薬業人として仲よく来られたのも、先生が持前の辛抱強さと謙譲によって私に合わせてくれたからです。感謝をしお礼を言います。

今は亡き竹尾君と三人でよくゴルフに行きました。

今盛会に続いている協励会のゴルフ会が世代交代で消えそうな時三年程三人で芋こじ会をつなぎましたね。又、数回の海外旅行、とくにアフリカケニヤへの旅行など思いではつきません。お互いよく呑みました。先生がよく言っておられました、お互い呑み過ぎる方で、人生七十以上はもうけもんじゃけん人に迷惑かけず、身体も、心も、エンジョイせにゃねと。般若心経の一つも称名していこうじゃなかなと、お見舞に参りましたとき意識もうろうの中で左目だけあけてくれた先生。私が手を差しのべると盃を出す様な仕草をされたことは私の心に刻まれて忘れることができません。

あれやこれやと、よき先輩として過させて頂きました。

楽しかった事、情けなかった事、悔しかった事、どれもが走馬灯のように思い出されます。

天地の悠久に比べたら寸陰の経過かも知れませんが先生の七十余年、国の消長、産業経済の大変革した時代に生きた先生。薬剤師として常に前向きの姿勢と責任感に感じ入ります。

重い病床にあって必ず「私の務めは終わった」として永眠につかれたと思います。最後に終始変らぬ御厚誼に対し厚くお礼を申しあげ先生の右天の「みたま」が安らかに、平和に、とこしえに、鎮まらんことを祈ります。

 さよなら

  平成5年9月8日

藤野義彦

先生と約束して果たせなかった、二人しての般若心経の称名を俳となられた先生と、同行二人して般若心経を称名いたします。

松風が頭上を粛々と吹き過ぎて行く。 周船寺の竜松寺境内を埋めつくした参列者は寂として声なく本職の僧侶5人を後ろにして藤野義彦先生の般若心経がながれていく。 日頃熱心な妻の後ろできくだけだったのを恥じ入るしだいです。 藤野先生に是非ともとお願いして友人代表の原稿を市薬に出していただいた次第です。

城南支部 栗田邦彦

会 務 日 誌 (平成5年9月1日〜10月31日)

9月2日 処方検討会Cブロック 19:00
     麻薬覚せい剤禍撲滅運動福岡大会打合会 13:00
     福岡市高齢者保健福祉計画策定検討委員会 15:00
  6日 国立診療所福岡南病院長講演会 19:00
  8日 組織委員会 19:30
  9日 処方検討会 19:00
  10日 広報委員会 19:30
  14日 新規保険薬局個別指導 19:00
  15日 (株)八幡薬剤師会新築記念パーティー 18:00
  16日 処方検討会Bブロック 19:00
     就業規程検討委員会 19:00
     第2回福岡市社会福祉審議会審査部会 16:00
  17日 就業規程検討委員会 19:00
  20日 金営薬局特別委員会 19:00
  22日 学術研修会 19:00
  23日 薬草観察会 11:00
  27日 杜保委員会 19:00
  28日 麻薬覚せい剤禍撲滅運動福岡大会実行委員会 13:30
     薬局委員会
  29日 処方検討会Cブロック19:00
10月1日 九宅協、穴井建設来館打合11:00
  2日 会長 保健衛生海外視察
     (11日まで)出発
  3日 薬草観察事業(背振青年の家)
  5日 中央区健康フェア93
     漢方研修会 19:00
     広報委員会 19:30
  7日 会嘗薬局窪設契約 13:30
  12日 新規保険薬局個別指導 19:00
  13日 南区健康フェア
     早良区健康まつり
     基準薬局認定委員会 19:00
     福岡市計量普及嘩会理事会 11:00
  14日 城南区建康展
     西区健康フェア
     処方検討会Bブロック 19:00
     福岡市健康づくり財団設立準備会 11:00
  15日 東区健康展
     学術委員会19:00
  18日 太田誠一セミナー
     「立法府の蘇生」 14:00
     福岡市健康フェア93’サテライトシンポジウム 13:30
  19日 博多区健康フェスティバル
  20日 理 事 会
  21日 処方検討会Cブロック 19:00
     麻薬覚せい剤禍撲滅運動福岡大会実行委員会 13:30
  22日 学術研修会 19:00
     全営薬局特別委員会 19:00
  24日 支部対抗親善ソフトボール大会 9:00
  25日 市議友杉淳拾祝賀会 11:30
  26日 医事専門委員会メディカル・コントロール部会 15:00
  28日 処方検討会Dブロック 19:00

ご結婚おめでとう!

 満 生 清 士 先生
     豊 子 先生

 満生先生はジャーナル第48号にフレッシュさんのコーナーで登場して頂いています。
 城南支部の若手ホープの先生です。
 お2人共薬剤師で、学生時代からのお付き合いからこの10月3日に挙式されました。
 お住いは中央区大名とか、それを聞いて「夜、飲みに行くのに申し分のない良い所
 だなあ」とある先生が話されてありましたよ。

[編集後記]

○早良支部の健康フェアに出かけました。内容は詳しく本村先生に書いて頂いて、楽しい 報告です。

 橋口先生の講演に、同じ広報の一員としてか、私まで緊張してしまいました。

 終ってからの「あーあ、疲れた。どんどん飛ばして言いたいことが言い尽せなかった」と残念そうな橋口先生、大役を果たされて嬉しそうな笑顔が印象的でした。

○今年の冬は暖冬になりそうと新聞に載っていました。犬と散歩をしているとカサカサと落葉を踏む音がします。イチョウの葉やサクラの葉が風だまりに積っています。犬はそんなところが大好きです。

 サクラの葉の紅葉が今いち、鮮やかさが足りないと思いませんか。数年前はもっと赤いのがあって、あまりの美しさに拾ってきては薬局に飾ったこともありました。

 紅葉のしくみを何かの雑誌で読んだら、クロロフィルとカロチノイドの主役の交代で緑から赤に代わること、鮮やかに紅葉するには秋に入って良い天気が続くこと、それに気温が一気に下がることの条件が大切であると。

 山々の紅葉はどんなだったのだろう?

 四季の季節感が少なくなったからか、紅葉が気になるのです。

○合澤専務が体調をくずされて、療養中です。しばらくは安静が必要とのこと、早く回復されます様にと願わずにはいられません。

 一方、じきに2ケ月になんなんとするのに、専務不在の執行部、大変なのではと推測しています。これからの初めての選挙や、会営薬局の問題等、控えた難問が山積みの市薬です。

 三津家会長、全会員が見守っています。何らかの対策がとられるのでしょうか?

 ご奮闘下さい。

(坂田)

○秋はキライです。何でこんなに多くの行事が集中するのでしょう。優柔不断な性格が災 いして何もかも引き受けてしまい、店頭に立つと新鮮な気持ちさえ感じます。

 又、講演をさせて頂きました。「大丈夫!慣れよ。なれ。」という木原先生の心強いはげましの言葉で、本当に今回はだいぶ慣れてきました。

 かかりつけ薬局のことをアピールしたかったので、一時間という持ち時間は少なすぎて個々の薬にまつわるエピソード、薬の使用法の注意あれこれは多少はしょってしまい、言い足りなかったかも知れません。しかし出席して下さった方は、こういう話を聞きたければ、かかりつけ薬局を持つことだという事を分って下さったと思うので、先生方の薬局にもしも薬剤師と友達になっていろいろ為になる話を閲きたそーな顔をしたお客様が来られましたら、是非ちょっと時間を割いて相談に乗ってあげて下さい。

(橋口)

  

  

平成5年11月30日発行(隔月年6回発行)
福岡市中央区今泉1丁目1番1号
社団法人 福岡市薬剤師会
T E L 092-714-4416
発行人  三津家 正 友
編集入  木 原 三千代
広報委員 樋 口 昌 嗣
     坂 田 博 子
     橋 口 扶佐子
     荒 巻   滋
印刷所  (有)興英社印刷