■ 巻 頭 言
残された今世紀最大の課題 (社)福岡市薬剤師会 会長 藤原良春

新年を迎え、平成12年の実施に向けて、いよいよ介護保険法案が審議されることになろう。その行方については、薬剤師としても、また一国民としても最大の関心をもって注目しなければならない。

公的介護保険制度とは、要介護者に対する各種のサービスを提供することであるが、実際実施するに当たっては数々の混乱と、難しい問題の浮上が予想される。

昭和30年代、国民皆保険制になったとき、医療も薬剤師を取りまく環境も混乱を伴いっつ大きく変化した状況があった。幸いにして高度成長という経済条件に恵まれ乗り切ってきたが、いまはそこが異なっており、21世紀の高齢社会において地域福祉をどのようにするのか、この問題は今世紀残された最大の課題といえる。

さて、介護保険のサービスのなかに医師、歯科医師、薬剤師等による医学的管理等サービスが規定され、薬剤師や薬局が介護サービスの提供者として組み込まれることになっている。

薬剤師や薬局にとって医療保険と介護保険との根本的な違いは、医療保険ではマンツーマン分業の形でも参加できるのに対し、介護保険では、ケアチームの一員とならなければ参加できないことである。ここに、介護に携わる関係者間との連携、そのための支部組織を含めた組織活動の活性化が一段と重要になってくる。

現在福岡市における高齢者福祉の取り組みについては、在宅ケア・ホットラインという総合相談窓口が設置されて、在宅福祉、施設福祉、保健・医療等各種のサービスが行われており、さらに急ピッチで拡充されつつある。 したがって、介護保険の実施に際しては問題はあっても、比較的スムーズに対応できるのではないかと思う。

福岡市在宅ケア支援システムのなかに、市薬はもとより、各区薬剤師会がすでに組み込まれており、日薬がいまになって必死に呼びかけている高齢者サービス調整会議への参加もすませており、薬剤師がその機能を発揮すべき土壌はできあがっている。

しかし、市薬が平成6年から進めてきた薬剤師の在宅医療への参加は、一部地域を除いて、3年を経てもまだ大きな進展を見せていない。 この在宅医療への取り組み、経験、そのノウハウこそが、介護保険制度のなかの要介護認定、ケアマネージメント(ケアプラン作成)に生かされてくるのである。

本年度市薬独自で、在宅ケア・ホットラインへのケース紹介に情報提供料を予算化したのも、介護保険へ向けてのものに他ならない。

平成12年まで残された期間は3年、準備期間としては長いようで短い。この間に何としても、在宅医療へ積極的に参加し薬剤師としての足場を固めておく必要がある。

とかく医療保険の動向だけに注目しがちであるが、介護保険は車の両輪として、薬局・薬剤師には経済的にも大きな意味を持っている。 と同時に、地域医療における薬剤師職能が試されることを強調して、新年のご挨拶と致したい。

<新年のご挨拶> (社)福岡市医師会 会長 多田秀敏

新年あけましておめでとうございます。

藤原会長をはじめ、薬剤師会々員の皆様方におかれましては、麗らかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

昨年は色々な面で薬剤師会のご支援を賜り大きな成果を上げることが出来ました。中でも、衆議院選挙におきましては、初めて三師会合同による選挙活動を展開し大きな成果を上げ、三師会の結束を誇示することができました。

これも偏に、平素からの連携の賜と感謝申し上げる次第であります。

福岡市薬剤師会におかれましては、一昨年度、本会博多区医師会が参画させて頂きました「在宅医療における薬剤供給モデル事業」に続き、本年度より在宅医療における医薬品使用の適正化を推進するための「在宅医療における薬剤使用の実態調査及び事例集作成事業」に取り組まれておられます。この事業にも本会南区医師会が参画させて頂き、薬剤使用における問題点などの抽出・把握の一助となっていることを光栄に思います。

さて、昨年11月19日都内虎ノ門ホールで会員1600余名の全国から参集の下に、日本医師会主催による「国民医療を守る医師総決起大会」が開催されました。大会では、医療保険改悪反対を宣言、決議を採択致しました。

同大会には、日本薬剤師会吉矢会長もご臨席され「本大会の趣旨に賛成するとともに、今後とも三師会協力して目的を達成したい」と決意宣言が発表され、三師会の協力体制を強調されました。

政府は今年「公的介護保険・医療保険の抜本改正・医療法改正」の3つの法改正を予定しております。本会といたしましても、来るべき21世紀の高齢社会を健康で明るく乗り越えるため、医療保険制度の改悪を絶対阻止し「国民の立場に立った医療保険制度の堅持」「医学医療の進歩と医療の質の確保」を推進しなくてはならないと考えております。このことを実現するためには、医療現場を担当する三師会が更なる結束を進めるとともに、貴会のなお一層のご支援を賜らなければなりません。

この新しい年が、福岡市薬剤師会にとって、また、三師会にとっても難問題に対し着実に歩を進め、繁栄に向かって邁進する年となりますことを祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせて頂きます。

<新年のご挨拶> (社)福岡市歯科医師会 会長 秋山治夫

あけましておめでとうございます。

会員の皆様方には、ご清勝にて新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

昨年中は、藤原会長をはじめ皆様の温かいご指導とご協力を賜りましたことに厚く御礼申し上げます。

さて、福岡市人口は130万人に増加し、同時に環境整備も進み、市民の生活は豊かになっております。この高度な時代において、医療も病気を治すだけではなく、その医療の質が問われているように思えます。

また、厚生省大臣官房統計によれば寝たきり老人は全国で現在100万人弱ですが、15年後はその倍の200万人に増加すると予想されています。来たるべき21世紀の少子高齢化社会を迎えるにあたって、高齢者に快適で活力のある生活を営んでいただき、またより豊かな社会へと発展していくために、我々は良質で適切な医療を継続的に提供するという重大な責務を認識しております。

新しい年を迎えるにあたり、人口構成変化に対応し、さらに市民のサイドに立脚した「新しい時代の医療サービス」と医療保険制度の改善を、行政および三師会の連携によって実現しなければならないと考えます。

このような長期的なビジョンにもとづき歯科医師会ではご承知のように「8020運動」、「在宅訪問歯科診療」、「訪問口腔衛生指導」、「障害児歯科検診」等の事業を推進しております。

他に、今後の歯科保健では、医療提供体制の整備を行い、患者の療養環境の整備、および医療サービスを担う人材の確保と資質の向上に努めていきたいと考えております。

しかし、一概に歯科保健といいましても、ライフステージによって医療の内容が異なります。各ステージにおける問題点を明確にしなければなりません。そのうえで、個々の市民にふさわしい「新しい時代の医療サービス」をいかに会の活動の中に位置づけるかが重大な課題です。また、行政および三師会の密接な連携によってはじめて解決できる課題もあります。

現在、薬局において歯科保健の普及啓発活動の一端を担っていただいております、歯科検診の勧め、訪問口腔衛生指導の周知、各種ポスター等による情報提供をはじめ、口腔衛生関連用品の販売・説明指導にご協力をいただいております。今後ともこの活動へのご支援、ご尽力を賜りますようお願い申し上げます。

これからの「新しい時代の医療サービス」を実現するためには、目的の具現化を行い、科学的な議論に基づき、貴会との協議を図る必要があります。その上で、発展的な歯科保健対策が大きく展開できるものと考えます。

最後になりましたが、本年の皆様方の益々のご健勝と貴会のご発展を心から念願申し上げ、年頭のご挨拶に代えさせていただきます。

<新年のご挨拶> 環境庁長官就任ご挨拶 国務大臣 環境庁長官 石井道子

謹んで、新年のおよろこびを申し上げ、昨年中に賜りましたご厚情に対し、心より感謝申し上げます。激動する政拾・経済・社会情勢の中で、薬剤師をとりまく環境の変化はめまぐるしく、今年も山積する新たな困難な課題に、勇気をもって組織をあげて取り組まれ、薬剤師職能が国民の医療、福祉の向上に責献出来ます様、皆様の更なるご活躍と薬剤師会のご発展をご期待申し上げます。

昨年は、橋本連立内閣のもとで、新制度による衆議員選挙を戦い抜いた結果、第2次橋本内閣(自民党単独)が誕生しました。11月7日、思いがけず国務大臣 環境庁長官・地球環境問題担当大臣を拝命し、大いに感激し、その重責に身の引き締まる思いです。これもひとえに長い間に亘り、私の政治活動を支えていただき、私を3期当選させて下さった福岡市薬剤師会の皆様の力強いご支援の賜物と、心より厚く御礼申し上げます。特に、薬剤師初の大臣として、皆様の信頼と期待に応えて、職責を全うする覚悟を新たにしております。

環境行政は人間のいのちとくらしを守るため、より質の高い生活環境づくりをすすめ、地球規模においても世代間を越えて、人類の生存を左右する分野として取り組むべき重大な責務があります。今日、地球温暖化やオゾン層の破壊と共に、河川、湖沼、海洋、地下水の汚濁と大気汚染、酸性雨や有害物質のリスク対策等への取り組みが求められています。今年は「環境影響評価制度」の法制化を含めた見直しと共に、平成4年、「地球サミット」以来、国際的取り組みが進められている中で、本年6月、国連環境特別総会の開催や、12月の「地球温暖化防止京都会議」の成功を期して、リーダーシップを発揮し全力をあげて取り組む所存です。

尚、環境行政、学校薬剤師、主任計量士、衛生検査業務に携さわる薬剤師の皆様の地域に根ざした前向きなご活躍をご期待申し上げます。

今年も心新たに橋本内閣の一員として、行財政改革等の重要課題に取り組み、国民に信頼される責任ある政治の安定を目指し、心豊かな活力ある福祉社会実現のため、その責務を全うする所存ですので、よろしくご支援、ご協力の程お願い申し上げます。

石井道子先生、御入閣誠におめでとうございます。大変感動致しております。

(社)福岡市薬剤師会

<新年のご挨拶> 自由民主党政調会長 衆議院議員 山崎拓

新年明けましておめでとうございます。

福岡市薬剤師会の皆様におかれましては、ご清栄にて新春を迎えられたこととお慶び申し上げます。

昨年10月に行われました衆議院選挙に際しましては、皆様に大変お世話になりました。小選挙区という新しい選挙制度のもとで行われました昨年の選挙は、私にとりましても大変厳しい選挙でありました。党三役の一員として全国遊説を余儀なくされ、候補者不在の選挙でしたが、皆様の強力なご支援により、無事九期目の当選を果たすことが出来ました。衷心より厚く御礼申し上げます。又、その後、自民党政調会長に再任され、引き続き重責を担うこととなりました。重ねて厚く御礼申し上げます。

さて、今日のわが国を取り巻く環境は、少子・高齢化の進展、財政の危機的状況、産業の空洞化等、山積する課題に直面し、これを放置すれば世界の潮流から取り残されかねない状況にあります。次の世代のためにも、今こそ政治、行政、経済、社会の変革を何としてもやりとげねばなりません。

その実現のため、私は、国民一人一人が将来に夢と目標を抱き、21世紀においても国民が安心して暮らしていくことのできる社会、すなわち子供たちが健やかに生まれ育つことができ、誰もが長生きしてよかったと患える社会を建設すること、そのための改革を勇気を持って実現することを私の政治姿勢として、皆様方のご支援とご期待に応えることができるよう、国政の遂行に全力を傾ける決意です。

皆様方の変わらぬご理解をお願いし、私の新年のご挨拶と致します。

新年を迎え、皆様方のますますのご活躍とご発展を祈念いたします。

<新年のご挨拶> 自由民主党筆頭副幹事長 衆議院議員 太田誠一

新年明けましておめでとうございます。

福岡市薬剤師会の皆様には、ご家族一統様お健やかにて輝かしき新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。

日頃より、医薬分業の推進とともに、医薬品・介護用具等の供給を通じて、保健衛生の向上に多大なご尽力を賜わっておりますこと、心から感謝申し上げます。

さて、昨年10月には、小選挙区比例代表並立制が導入されて後の初の総選挙が施行されましたが、選挙区は狭くなったものの当選か落選か二つに一つ、私にとりましても大変厳しい選挙戦でございました。

福岡市薬剤師会の皆様の力強いご推薦をもとに選挙区以外の方々からもご紹介等積極的な運動を展開して頂き、皆様の温かいご理解とご支援を賜りまして、無事6期目の当選を果たすことができました。この紙面をお借り致しまして改めて御礼を申し上げます。

昨年は、北海道のトンネル内落石事故や新潟・長野県境の土石流事故など予想できない自然事故をはじめ、薬害エイズ問題から0−157感染など大衆社会で起きる事故、そして通産省や厚生省を舞台にした官僚の汚職事件等、これら国内における出来事だけでも目を覆いたくなるようなことばかりでした。

いよいよ21世紀を目前にした今年こそ、穏やかな年であってはしいと願うところでございます。

わが自由民主党でも行政と医療事業が一体となった保健環境行政を推進して参るところでございますが、業界の皆様のご協力はもとより、国民の心身共に健やかなる意識の向上を望むところでございます。

年頭に当たり、私も皆様と相携えながら、生命が尊ばれる血の通った社会の実現へ向けて、努力邁進する決意を新たにするところでございます。

福岡市薬剤師会の更なるご発展と、会員皆様の益々のご多幸を心からお祈り申し上げ、1997年、新年のご挨拶とさせていただきます。

<新年のご挨拶> 参議院議員 長峯基

謹んで新年のお慶びを申し上げます。 皆様におかれましては、穏やかな新春をお迎えのことと存じます。

旧年中は、福岡市薬剤師会の皆様には格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

昨年は、先輩である石井道子先生が環境庁長官に就任されました。今年も石井先生をはじめとして、薬剤師国会議員全員一丸となって、国政発展のために尽力していく所存でございます。

さて、昨年一年を振り返りますと、私は「薬害エイズ問題」を忘れることができません。本来は国民の生命や健康を守るべき厚生省や医師、製薬会社が引き起こしたこの問題には、多くの国民が強い怒りと大きな朱望を感じました。

私たち国会議員は、「薬害エイズ」の被害者の方に対する診療体制の整備や補償制度の充実を図ることはもちろん、このような悲惨な薬害を再び引き起こさないための抜本的対策をとる必要があると考えます。

具体的には、「行政改革」を断行することで肥大化した官僚の自由裁量権を見直し、「情報公開」を進めることで行政をガラス張りにし、政治の透明性・公平性を高める必要があると考えております。

私も、今年の7月で国会活動3年目に入ります。今年も『政治に愛を』を信条に、真に国民の立場に立って、政治活動を全うしていく所存でございます。

最後になりましたが、福岡は私が大学生活を過ごした青春の思い出の土地です。福岡市薬剤師会の皆様には、本年もより一層のご指導、ご鞭接を賜りますようにお願い申し上げますとともに、益々のご発展とご健勝を祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。

<新年のご挨拶> (社)広島県薬剤師全 会長 吉田鹿

明けましておめでとうございます。昨年の長崎の学術大会でわが郷里の福岡市薬の先生方とお金いする機会を得まして、大変楽しい日を過ごしました。

この度、市薬ジャーナルの原稿のご依頼をうけ新年のごあいさつを書いておりますと、学生時代のこと、30年前の薬剤師会のことが思い出されます。

当時はまだ医薬分業はゼロに近く、薬剤師も現在のように医療人として認知されていませんでした。厚生行政も決していいものではございませんでしたが、今日のように厚生省の不祥事が新聞の一面をかざるような情けない時代ではございませんでした。

私共を監督、指導をする行政がこういう状態では正に世紀末の様相と云わざるを得ません。 95年度国民医療費は、年間27兆2千億円まで膨張し、このままでは医療保険制度が崩壊するのは時間の問題です。

このようなお話は新年にふさわしくありませんのでこの辺で打ち切り、夢のある新年のお話にかえたいと思います。

私は、油絵を描くことが学生時代から好きで、全国各地に行きます。 この新年号が届く頃はきっと富士山のあさひを描きにいっていることと思います。ここ10年以上、富士山は描きつづけておりますが、大変尊いお山で日の出を待っておりますと、いつの間にか手を合わせています。家内安全はもとより、薬剤師会にとって本年はいい年でありますようにきっとお祈りをしていることでしょう。

これからも福岡市薬の皆様とも一緒になって薩長土肥連合(九州ブロック、中国ブロック、四国ブロック)で薬剤師会の平成維新を酉から起こしていこうではありませんか。

特集・日薬長崎大会大特集


特集・日薬長崎大会日本薬剤師会学術大会の歩み


特集・日薬長崎大会 長崎へ大集合 広報委員/上村義徳

長崎駅に到着した広報委員の5名(JR班)は、まずホテルJALシティ長崎を目指して電車に乗った。電車の便が非常に良く、今回の旅行は電車を乗り継いでの賀沢な旅となった。各駅の名前を確認しながらの旅は、決して自動車では味わえないその街の空気を感じることが出来る。駅名でも金座、銀座は聞いたことがあるが銭座もあった。

1番の正覚寺下行に乗って4つ目の築町駅で降り、少し遠まわりはしたけれど新地中華街を通ってホテルへ着いた。チェックインは2時からで荷物をフロントへ預けて昼食に向かった。すぐ裏の中華街に、あらかじめフロントで聞いておいたおいしい店をたずね歩いてすぐに見つかった。特上皿うどんを食べたが少し甘みが強いように感じた。

こうして広報委員会のメンバーは、今夜の懇親会の会場であるグラバー園での再会を的して、兼ねてより打ち合わせていた分科会の会場へと散っていった。

私は長崎県立総合体育館で開かれる薬局分科会に出席させていただいた。電車は長崎駅前へ戻り、浦上駅を通って、地図に印をつけておいた大橋駅に止まった。大橋駅ではかなりの人が降り、登り坂を足早は会場へと向かった。みな全国から集まった薬剤師の先生方であった。

受付で「講演要旨集」などをいただき早速分科会場へ向かった。講演はすでに始まっており広い体育館はスライド説明で真曙であったが、足元を確認しながら奥へ進み、座りよい角の椅子を選んだ。

「医療保険制度の今後と薬局のあり方」と「日本型薬局の創造と実践−グランドデザインの達成に向けて」というテーマをプログラムで見たとき、聴いてみたいなと思った。薬局の将来はまだまだ不透明で、大きな流れはあるが、いま問題になっていることは何か、将来の方向性など、シンポジウムの先生方は具体的なお話の中から深く分析されておられた。特に長崎県の吉村先生のお話では、今年に入って、十善全病院、長崎市立病院、市立成人病センター等の院外処方箋発行に伴って突然小売りの来店客が処方箋を持参するケースが増えてきているなどの具体例を示し、さらにコンピューターによる情報の入手、薬歴管理、服薬指導などの充実を計ったことなどは、近い将来の薬局の進むべき姿ではないかと思わせた。また養護福祉施設(園)での服薬指導などスライドで見せていただくと、まだまだクリアしていかなければならない問題も沢山あることが分かった。

内容については他紙にも載るだろうからこれくらいで割愛させていただきたい。分科会終了後送迎バスに揺られて市民病院前で降りた。バスの中であたりの景色はすっかり暗くなった。市民病院前から築町まで市内電車だとひと駅の距離なので、歩いてホテルへ向かった。荷物を置いてカメラのみ手にして表へ出ると同宿の中野先生と出会い、「おけら会」は薬草園を見学したということだった。

JALシティホテルの前の道を東へまっすぐに歩いて、東急ホテルの角から左へ急な坂道を登ると、大全の白い制服を着た実行委員の先生方が先導してくれた。岩に埋め込まれたようなエスカレーターを3度乗り継いでグラバー園へ到着した。

懇親会のテーブル表を見ると50カ所あって、野外での懇親会は解放感があった。しかし人数が多く肩を触れ合いながらの懇親会だった。 飲んだり、語らったり、旧交を温めたり、カメラを撮ったり、笑ったりでグラバー園はこの目、日薬の先生方の向学心、エネルギーに驚いたに違いない。

やがて時間がきて、二次会に行くもの、帰るものと、次第に会場も静かになっていったが、私は「おけら会」「中国語の会」の面々と同行させていただいた。久しぶりのカラオケを多いに楽しんだ。飲み放題のアルコールは歌声に反映してエスカレートし、本当に楽しいひとときであった。家内に嫌われ剃らざるを得なかった私の髭のことを考えると、息子さんに好かれた木村先生の良く似合う髭はうらやましかった。冷川先生のデュエットも聞けたし、さらに個人的には中野先生の諷々とした河内音頭が声にも似合っておもしろかった。

帰り道、同宿の中野先生と占部先生とご一緒させていただいた。近くの中華料理店にて水ギョウザでビールを飲み、帰りのレジで中国の女性に語りかけた中野先生の中国語は、かなり長かった。女性はにっこりと笑い、ふたことみこと中国語で答えた。会話は2、3度行き来したが、内容は薮の中だった。もう一度ジャーナルの『中国語講座』を読み返してみる気になった。店を出てアーケードをくぐりぬけ振り向いて看板を見ると、そこが思案橋だった。

途中、清水先生と出会い、部屋で再び缶ビールを飲んだ。時計を見るとすでに1時30分だった。部屋に帰り、眠り薬の本を読みながら休んでいると、突然広報委員の津田先生から電話がかかった。広報で集まっているということだった。そこでさらにVSOPを飲みながら語らった。3時の時報を聞き限界を感じた。

7時に目覚ましをかけて、広報委員全員に電話をかけ、長崎の朝の新鮮な空気を吸っていただいた。バイキングの朝食を済ませて、漢方分科会の会場である県医師会館へと電車で向かった。

今回は小柴胡湯の間質性肺炎の問題が大きなテーマとなり、国立小倉病院消化器科医長の水野修一先生の講演が特別講演だった。病院での漢方の使用状況などをお話いただき、小柴胡湯はB型肝炎の治療効果には優れているものの、C型肝炎にはかなり治療効果が落ちるなど、データにそって詳しく説明があった。インターフェロンについてもデータを集めておられ、細かい分析があった。そして検査、診断などは進んでいるが、治療方法が少ないのを嘆いておられた。

さらにシンポジウムでは福岡の内山先生、会員発表では福岡の磯本先生の講演があり、特に内山先生の漢方の加減のお話は力の入った講演内容だったと思う。漢方使用は病名によるのではなく、証に従って加減するのが当然であるとの意見は、漢方をされている先生方はどなたも感じておられることではないかと思った。

昨日のアルコールと睡眠不足で、どっと襲ってきた疲労に耐えながら、帰りの列車に乗り込んだ。地図に印をつけておいた孔子廟には行けなかったが、ゆったりと満足の行く旅行であった。

特集・日薬長崎大会 公衆衛生分科会報告 発表者/長崎県衛生公害研究所 熊野眞佐代

日 時 平成8年11月3日(日)
    午後2時〜5時
場 所 長崎県医師会館講堂

本分科会は薬剤師がすすめるべき公衆衛生の問題をテーマとし、特別講演と会員発表6題であった。そこでその概要について報告する。

1.特別講演

「ダイオキシンについて」

第一薬科大学物理分析学教授 増田 義人

PCDDは、一般にダイオキシンと言われているもので、75種の同族体がある。このうちTCDDは毒性が非常に強い。PCDDと共に環境を汚染していて、性質が似ているものにPCDFがあり、135種の同族体がある。PCDDsとPCDFsを合わせてダイオキシン類と呼ばれている。

最近、カネミ油症原因物質のPCBの中にもダイオキシンと同様の毒性があることがわかってきた。

TCDDの毒性は合成化合物の中で最強の毒性を示し、動物の種類により大きく異なる。

PCDDは同族体によりその毒性が大きく異なる。これらの化合物の動物に対する毒性症状は胸腺萎縮、肝臓肥大、皮膚病変などがあり、長期投与により肝臓などに腫瘍を形成する。ダイオキシン類の毒性の強さは世界各国の研究機関によりTCDD毒性に換算したTCDD毒性相当量係数が示されている。

ダイオキシン類は除草剤や殺菌剤の製造時の副反応として生成され、製品中に不純物として微量混在する。その農薬などを使用する過程で環境に放出される。

一方、都市の焼却炉などで高温処理によりダイオキシン類が生成され環境中に放出される。環境中のダイオキシン類は低濃度ではあるが、空気、水、土地、底質などからも検出され、植物、魚、鳥、動物なども汚染され、食物連鎖により人体もかなり高濃度で汚染されている。


2.会員発表

(1)「山口県内の1職域集団における花粉症実態調査成績」

山口宇部環境保健所 森重徹洋

山口県のほぼ全域における成人の花粉症状況を調査した。花粉症有症者のうち約90%の者が2−5月に発症しており、この集団のスギ花粉有症率は10.9%となった。追跡調査の結果、1年後はスギ花粉抗体強陽性者の40.6%が花粉症予備軍と思われた。また、花粉症に好発年齢はない。

(2)「山梨県の降雨特性」

(社)山梨県薬剤師会 環境衛生検査センター 小沢一昭

平成5年度〜7年度の調査で酸性雨の出現回数は5年度28回、6年度25回、7年度13回であった。

降下物量のうち、陰イオンで硝酸イオンと硫酸イオン量が多く、陽イオンでアンモニアイオンとカルシウムイオンが多い傾向にあり、pHとの相関がみられた。

(3)「プール水、特に細菌検査について」

(社)広島県薬事衛生会館検査センター 松谷衛

プール水の細菌検査で、残留塩素濃度と大腸菌群、一般細菌数の関係について調査した。

プール水中の残留塩素濃度「目標値」を1.0mg/Lとし、1.0〜0.7mg/Lにコントロールすれば、大腸菌群や一般細菌数の問題は解決することが実証できた。また、大腸菌(0−157)は検出しなかった。

(4)「福岡県内の主要河川水中の無機イオンについて」

福岡県保健環境研究所 馬場義輝

河川水中のイオン濃度の基礎資料として、福岡県内の河川の主要イオン成分を把握するため、県内43地点で1年間調査した。

雨の少ない時期(A期)と雨の多い時期(B期)に分けて、比較を行った。カルシウムイオン、ナトリウムイオン濃度はA期が高く、クロールイオンなどもA期が高かった。A期にイオン濃度が高くなる原因の1つは雨量が少ないこと、福岡県は北西を海に囲まれるなどの影響が大きくなることも考えられる。

(5)「ICP−MSによる水道水の金属分析の実際」

福井県(財)北陸公衆衛生研究所 安栗由嘉里

上水試験法における金属類の一斉分析としてICP−AESが示されているが、前処理が煩雑なことから、近年、ICP−MSが環境水の分析に採用された。水道水の基準項目であるCdはか7項目、快適監視項目であるALほか3項目について、ICP−MSの検討をおこなった。 絶対検量線法で良好な回収率が得られた。

(6)固相抽出/LC−MS/MSによる水中の農薬の分析」

(財)岐阜県公衆衛生検査センター 加納芳直

水道水の水質基準で規制されている農薬チウラム、シマジン、チオベンカルブのLC−MS/MSによる同時分析法について検討した。

各農薬の検量線、定量限界値もクリアできた。回収率はチウラム、シマジン、チオベンカルブとも良好な結果が得られた。


3. まとめ

特別講演「ダイオキシンについて」は環境汚染の問題化など興味深い内容であった。

一般発表は花粉症、降雨特性、プール水の細菌検査、河川水中の無機イオン、ICP−MSによる水道水中の金属分析、農薬分析と多岐にわたる発表であった。

特集・日薬長崎大会 小柴胡湯について考える 発表者/南支部 高宮部会 薬局 漢方大桶 内山ゆき

〔前書き〕

平成8年3月、「小柴胡湯で死者十余名」と言う記事が著名新聞の第一面を飾りました。漢方界にとっては、見過ごしておけない内容を含んでおりますので、日薬漢方部会でシンポジウムを公開することとなりました。

平成8年11月4日、日薬学術大会、長崎大会の漢方分科会で、表題に掲げたシンポジウムに私が出演する機会を与えられました。

私にとっては初めてで、多分最後と思いましたから、日頃考えていること、是非言いたいと思っていたことを述べさせて頂きました。

次頁に、大会会誌上の全文を載せました。これを補足して口述したものをこれから記します。

           *    *    *

シンポジウムに参加した4人(厚生省技官、日薬漢方委員、開局者は東京と福岡の私)の発言内容が重複することを予想し、時間短縮のため、私の発言は◎印の項に関わることだけに留めました。※P16に全文記載

【要旨】Bは文章そのまま。漢方治療の根源は、これが総てでございます。

【解説】CDE

科学化について

漢方は森羅万象を観察し、測量し、整理して出来上がった哲理を人体の健康と結びつけて、幾世代も重ねて理論化したものであります。(西洋医学のウイルスを追いかけてイタチゴッコしているようなこととは根本的に異なります。) 薬局製剤について「薬局製剤に限る」のであれば、毎日変化しながら生きている人間に対応することは出来ません。これ迄私は、漢方はケースバイケース、適材適所と称えてきましたけれども、今後は「適時」の語を加える事にしました。(西洋医学には「時」の認識がありません)

1日に昼と夜の違いがあり、朝と夕べの違いがあり、1年には春夏秋冬の違いがあり更に暖冬や涼夏など、生物総てに反応しますから、治療には手加減が是非必要です。

私の所属している九州漢方研究会では、漢方の古典の大御所である「素問」の勉強を開始してから、もう10年近く経過し、現在2巡目をやっております。この困難な勉強をすればするほど、如何に遠大な知識が隠されているか!我々はその中の一部分を治療に使っているに過ぎません。

「薬局製剤」は、必要最低限の知識と考えています。"少なくともこれだけは知っていて下さいヨ。大過なく使うことが出来ますから"ということです。

漢方方剤には「加減方」という補記が沢山あり、これは大変な努力と経験の積み重ねなのであります。薬剤師は、自分の首を締めるような事から抜け出し、薬局製剤を超える努力が必要です。反論はあると思いますが、私の発言を叩くだけではなく、薬剤師のため、病人の為、プラスになる助言を頂けますなら嬉しいです。

           *    *    *

シンポジウムの最後に。

厚生省技官に対して
世間の有識者が言っているように、今後は漢方を西洋医学から離して、独立別個の対応をとって下さるようにお願い致します。

日薬漢方委員に対して
(処方箋のチェックに、薬剤師にも責任云々と書かれてあったので)他人の書いた処方箋の内容から、医師と同様に病人を判断する責任を、薬剤師に求めるのは酷であります。毎日病人に接している私達でさえ苦労しているのですから。今後は、戦前の薬剤師がそうであったように薬剤師自身が漢方を選択し、調合できるように、若い人々をご指導下さるようにお願い致します。

          *   *   *

(シンポジウムに先立って特別講演がありました)大会終了後、その特別講演の水野修一先生(国立小倉病院消化器科医長)が私に、「先生方が医師に向かって、ここが間違っていると教えるようにしなければいけない」と申されました。

(平成8年11月記)


特集・日薬長崎大会 小柴胡湯の誤用問題について 発表者/城南支部 友泉部会 はくすい薬局 磯本美穂

11月3・4日長崎で開催された日本薬剤師会学術大会の漢方分科会で、小柴胡湯の使用問題について発表させて頂きましたので報告いたします。会場では、小柴胡湯の説明の一助に「小柴胡湯について考える」を配りました。

今年3月漢方小柴胡湯による副作用の新聞記事が大きく報道されました。漠方案と言っても、湯液(煎じ)もあり、散(原末)もあり、エキスもありますが今回の問題は漠方エキス製剤で健康保険適用の慢性肝炎という病名投与によるものです。東洋医学会名誉会員の伊藤清夫先生は、今回の間質性肺炎の問題は医師が漢方の知識をもっていて更に病人の西洋医学的診断を頭において漢方湯液の治療をする場合は起こりようがない問題であるといわれています。40年来大切に使ってきた小柴胡湯に対する考え方をお話いたします。

小柴胡湯は傷寒論太陽病中篇にあります。

傷寒五六日、往来寒熟、胸脇苦満、獣獣不欲飲食、心煩喜嘔、或胸中煩而不嘔†或渇、或腹中痛、或脇下宿鞭、或心下悸、小便不利、或不渇、身有微熱、或咳者、小柴胡湯主之、小柴胡湯方、柴胡、黄等、人参、甘草、半夏、生姜、大桑 小柴胡湯は少陽病の代表的薬です。少陽之為病、口苦、咽乾、目眩也 小柴胡湯は三禁湯ともいって、汗吐下による治療つまり発汗、吐かす、下す治療を禁じ和解の方を用いています。小柴胡湯は清和なりとあります。清とは少しおだやかに冷し熟をとることです。すこし冷して和す、小柴胡湯の和解の方とは利尿性治療持帰を起こさせる事です。小柴胡湯は少陽病の代表薬で柴胡剤の主な効能は少陽系の発熱です。足の少陽胆系の薬であり胆関係の異常が原因で生じた、例えば発熱頭痛等によく、肝が悪くて発汗吐下剤の使用による治療が出来ない時に使います。小柴胡湯の候文の初めに往来寒熱、胸脇苦満とあります。往来寒熟の症状だけでは必ずしも小柴胡湯の適応とはかぎりませんが、胸脇苦満がなければ柴胡剤は使えないものです。

胸脇苦満は小柴胡湯の一番大切な症状で又診断法でもあります。この胸脇苦満は他の場合には無いし、之さえあれば他の症状は揃わなくとも柴胡剤を使用できる位大切な症状であります。胸脇苦満の有無を忠実にたしかめて使えば絶対使用間違いのないものであると云われています。

胸脇苦満とは胸脇が苦しい張る圧迫感・痛みなどで脇とは側胸部と肋骨に沿う部分を内に指で押すと緊張しており苦しいとか痛いとかの反応があります。

胸脇苦満に似た症状に心下宿があります。心下(みぞおち)をおさえて苦しい、気分が悪い、痛い等です。柴胡剤の適応症には決して(心下宿)は起こらないものです。

小柴胡湯の副作用により間質性肺炎を起こしたと云われています。問質性肺炎は労作時の息切れ・発熱・乾性の咳・全身倦怠感等の症状があり、細菌性のものでなく、免疫学的異常によるものと云われています。之はまた降圧剤をながく続けていられる方からもよく訴えられる症状でもあります。小柴胡湯が傷寒五六日から慢性肝炎、C型肝炎の病名投与になるに従って病気の巾が広くなってきました。漢方分科会ではその間に小柴胡湯を服用された方達の症例を幾つかお話致しました。

その中の一例に肝機能を気にして医師を訪れ、かなり小柴胡湯を服用していた方があまり変わらないが、この頃、喘息になった、動きすぎると息が苦しくなる、等のお話に驚いて胸脇苦満を御自分でしらべて頂きました。場所をおしえてあげて肋骨に沿う部分に内に指が入りますか。おして苦しくないですか。ここは苦しくないがみぞおち(心下)がとても気分が悪い。柴胡剤に(心下宿)はありません。御本人にも助言して薬は半夏清心湯になりました。間もなく体調がよくなり、こんなに効く薬は始めてと喜んで後、廃薬されました。小柴胡湯は胸脇苦満がなければ使えない薬だと息いました。

小柴胡湯は3〜40年前までは虚弱者の薬でしたが、陰症の老人に使うことはありませんでした。今回の問題は病人の年齢・長期投与(証が変る)があると思います。

漢方薬は古典による診断の方法を知って、医師も薬剤師も対応しなければならないと思います。数千年の長い年月に人体実験をくりかえしながら私達後輩に大切な医薬の知識と哲学を遺して下さった世界の先輩方に感謝致します。

特集・日薬長崎大会 漢 方 分 科 会 広報委員/伊東美穂

この3月に降って沸いたように、小柴胡湯による間質性肺炎だけが(OTC薬のかぜ薬にも配合されているダーゼンRにも副作用として間質性肺炎の記載がある)新聞の一面を賑わした。この事に対して医師の立場から、行政の立場から、開局薬剤師の立場から見解が示された。

結論は「漢方薬には副作用※がないという説は流言飛語の類いに過ぎなかったと考えるベきだ。毒も名医にかかれば薬となり、薬も薮医の手では毒となる」という特別講演をされた水野修一先生の言に集約されよう。

漢方の世界に片恋いの当方は更に深く研鑽を積むのみ。漢方薬も含めて医薬品の適正使用をめざそう!!

※過敏症などのアレルギーを含む広義の副作用  (注 伊東)

特集・日薬長崎大会 卸勤務薬剤師分科会に出席して 特別投稿/鶴原吉井株式会社 管理薬剤師 栗田三喜

「卸の管理薬剤師はどんな仕事をするのですか」と時々聞かれることがあります。そのとき私は薬品の流通段階での保管管理と配送時のチェック、それに医薬情報の収集と提供などと答えるのですが、内心‘‘ふ〜む”と一瞬考え込んでしまうのです。あまりにも漠然とした答であり、実際にどれ程これらの仕事をこなしているのか、情報の収集、提供をどのように成し遂げているのか、又、全うするための環境に私共がおかれているのか、疑問に思えてなりません。従ってこのような質問に、いっ明快な回答ができるようになるかが、私の仕事上のテーマではないかと思っています。

自分なりに途中経過を省略して結論的に言えることは、「卸という流通業の中において(自己の職場で)常に良品を在庫し、得意先の要望に応じて薬品を何の間違いもなく、安全且つ迅速に、しかも滞りなく供給できるよう」助言を与え、指導するのが管理薬剤師の任務だと思います。ただ具体的にどう取り組むかが問題です。

あれこれ模索を続けている折から、この度の日薬学術大会に参加する機会を与えられ、卸勤務薬剤師会分科会を聴講することができました。まず感じたことは、卸薬剤師の会が薬剤師会の中で一つの部門として明確に位置付けられてきたことです。そのことによって卸薬剤師の立場も責務も一層明確なものになったと言えます。同時に一企業に留まらず卸間の横の連携も深まり、職務の遂行に大きなプラスになることでしょう。例えば発表にあった「管理薬剤師の為の薬事関連業務マニュアルの作成」は大手卸5社と1団体の共同作業で討議されています。従来も各卸毎にはあったのですが、共同作成によって更に充実し、現実に即した新しいものになっていると思います。又「卸における薬事活動の現状と課題について」は、卸グループが共同研究として発表されました。多岐に亘る業務を如何に効率よく捌くか、ヒントが得られました。このような傾向は医薬品の流通部門において、薬品の管理を万全にし、社会的使命の一翼を担おうとする卸薬剤師の熱意に他ならないものです。

最も苦慮している情報の収集と提供に関しては、現状報告がなされましたが、軌道にのせるためにはメーカーとの連携、情報伝達のシステム化、管理薬剤師及びMS(マーケティング・スペシャリスト)のレベルアップが必要で、やはり医薬の動向に対して私共が感性をたかめ、情報をキャッチし、学び、そして活用する心掛けが必要でしょう。短時間でありましたが学会出席による収穫は大変大きいものがありました。早速今後の業務に役立てたいと考えます。

メーカー在籍中以来の学会参加でしたが、想像以上の熱気を感じました。多くの演題や発表テーマを拝見しただけでも、新しい時代の薬学の台頭を感じ、心強く患うと同時に、自らの自覚を促されたような気持になりました。

又学会を機に曽てお世話になった旧知の先生方や、同期の諸兄にお会いできたのも学会ならではのことで、大変貴重な体験でした。

特集・日薬長崎大会 女子薬剤師分科会での講演、その後 発表者/博多支部 月隈部会 シティ薬局 木原三千代

シンポジウムのテーマは「在宅医療への参加−導入から専門的取組みまで−」。ターミナルケアやIVHなどの高度在宅医療に取り組んでおられる先進的な地区もあるなか、全国の薬剤師が集う学術大会で、博多区薬剤師会が発表できることは、関係職種との連携をおいてない。与えられた時間は17分、訪問看護ステーション博多のカンファランスと、9月に発足したばかりの博多区在宅ケア懇談会のことを中心に託した。

5人の講演が終わって、パネルディスカッションに移ったとき、横に座られた佐世保市の松尾会長に、「先生のところは、きちんと進んでいますねぇ」と言われた。先生は、平成4年度から在宅医療には積極的に取り組まれており、平成6年度のモデル事業ではご一緒させていただいた。

博多区は四苦八苦しながら、6症例をやっとの思いで出したのだが、佐世保市は早々と30症例を報告されていた。それほどの実績をお持ちの松尾会長の言葉なのだから驚く。このような佐世保市でさえ、まだ実務者レベルでのカンファランスは、組織化できていないそうだ。

帰って翌日、岡山市と静岡市の薬剤師会から問い合わせがあった。できるだけの資料をお送りしたが、電話をくださった静岡市薬剤師会の担当理事はお子さんを3人抱えた女性の理事さん。[一緒じゃないですか]と、ちょっぴり電話代を気にしながらも、話は果てしなく続く。やはり同性の気安さは、女子薬剤師分科会の賜物(!?)。

特集・日薬長崎大会 地域が求めるもの 広報委員/伊東美穂

在宅医療に関心を示しながらも、それぞれの専門職のチームの中で薬剤師の役割りは具体的にはどんなものだろうかと疑問を持っていました。それで女子薬分科会に出席しました。テーマは「在宅医療への参加」−導入から専門的取り組みまで−です。

少し前までは女子薬部会というと、参加者は全て女性という印象でしたが、タイムリーなテーマのせいか今回は男性が多数参加されていました。

 それぞれ取り組みを発表された先生方は、ただ在宅患者の処方箋を待っていたのではなく、積極的に行動を展開され道を切り開いておられます。その熱意が伝わってきました。

又、松尾豊先生(佐世保市薬剤師会会長)は私の疑問に次のように答えて下さいました。

「代謝機能の低下した老齢者が異物である薬物を服用するのであるから、副作用が必ずあるという眼で観察し対応し得る力をつけることが、チームの中に薬剤師が参加する意義である」と。有意義な会でした。後は行動あるのみ?

〜長崎おもしろ雑学コーナー〜

しっぼく料理

出島に入った中国料理や、西洋料理と長崎の郷土料理がミックスした料理。しっぼく(卓祢)は中国語で、卓はテ細プル、椎はふくさの意味で、朱塗りの卓を白布でおおわないしきたり。山海の珍味が大皿盛りされた豪華版で、自分の好きなだけ取り合い格式張らない長崎ならではの郷土料理である。

ちゃんぽん

明治の末から作られるようになった郷土料理。新地の中国人の多くは福建省出身だったが、その福建料理がちゃんぽんの原点という。長崎の新鮮なイカやカキなどの魚介、そして野菜類を使い、安くて簡単で栄養満点と非常にバランスのとれた料理である。ちゃんぽんの名は中国語のシャンボン(食べる)からきたというのか定説。

じゃんけんポイ

じゃんけんポイやグーチョキパーの生まれは中国。様挙元宝(ヤンケンエンポウ)と書き長崎に来て種々の勝負の方法が変った。「挙」遊びの原形である。

カステラ

ポルトガル以来400年の銘菓。小麦粉に卵、砂糖、水飴と材料はシンプルだが、卵の配合と焼き方によって微妙に味がちがってくる。もともとは「カステラ(CASTILOS)国のパン」であったが、日本人の好みに合うようなお菓子に改良されたものである。カステラ国は今日のスペインの一部に位置する。

長崎なんでも初物語

長崎の町を歩くとあちらこちらで「○○発祥の地」とか「○○伝来の地」という石碑を見かける。鎖国時代、長崎は唯一世界に開かれた窓だったから“日本初”が多いのも当然だがそれにしてもすごい数なのだ。一例を上げると…日本で初めてのアスファルト舗装、潜水器利用、ソロパン製作、造船所、近代医学学校、活版印刷、写真撮影、時計製作、カン語製造、ビリヤード、タバコ栽培、汽車の運行、検尿、眼鏡製造、気象観測、女医、ストライキ、発声活動写真上映、ラジオ放送、英和辞典編集、金星観測、検疫所の設置、鉛筆伝来…etc、え、これもそうなの?というものばかりである某調査によると2500は下らないとか。

特集・日薬長崎大会 観 光 分 科 会
〜長崎は今日は晴れだった〜
スナップ/広報委員会



 

@日本二十六聖人殉教地
1597年2月5日秀吉の命により、京都地方に伝導していたフランシスコ会宣教師ぺトロパプチスタ神父以下6名の同会修道着及び披等と関係のあったパウロ三木他20名の日本人信徒が鞋刑に処せられた場所である。

A平和公園
昭和30年に5年の歳月と浄財で完成した平和祈念像、北村西望作。毎年8月9日平和祈念式典か厳かに行われ、全世界に向って平和を訴えている。また「平和の泉」「平和の森」が寄贈され、平和公園としての風格をそなえた。

B孔子廟
現地から職人を呼び寄せて造られた。
2Fは故宮博物院、3Fは中国歴史博物館で、2年に1度展示物を入れ換えている。

C坂本外人墓地(国際墓地)
明治25年設置。フランス、イギリス、ユダヤ、米人等の墓があり、原爆の人長崎市名誉市民永井隆の墓、仏商人ピナテールの墓、グラバー一家の墓がある。

D浦上天主堂
明治28年から30年間をかけて信徒たちが作りあげた石とレンガ造りの東洋一のロマネスク様式大聖堂も、爆心地に近かったため一瞬のうちに破壊された。
しかし、昭和34年見事に復元され、赤レンガが美しい天主堂として蘇った。長崎カトリックの中心地として、アンジェラスの鐘を今日も響かせている。

E一本足の鳥居
山王神社の鳥居で原爆の旛風で一本足になったまま現在も原爆の恐怖を物語っている。


〜お楽しみ編〜







特集・日薬長崎大会 面分業 v.s. 処方箋誘導 支部参加者/西支部 壱岐部会 (有)吉田薬局商店 富田徹

長崎に行ってコンピューターの展示場を見て来年の4月から薬剤情報をしなければならないんだなーと思い、二次会では長崎の同級生から面分業の成果を聞き(受け取り枚数500枚、発行医療機関30、備蓄薬550品目)、京都の人から医師の処方箋の薬局誘導に対して断固として戦っているのを聞き、山口では医師が処方箋を受けてほしいと頼まれたと聞くと、なんとなくさびしくなった長崎でした。

特集・日薬長崎大会 日薬長崎大会に参加して 支部参加者/東支部 箱崎部会 馬場薬局 馬場正佳

このたび、東区から参加させていただきました。

薬剤師会に入会して十数年、はじめて日薬大会に出席して会員の熱意に圧倒され、現在の我々を取り巻く環境が音を立てて変化しているのを、感じさせられました。

式典、表彰のあとの特別講演で、舟橋昭先生の「米国のインフォームドコンセント」は、興味深いものがありました。午後からは、薬局分科会と製薬薬剤師分科会を拝聴しました。
 特に、医薬品の適正使用について発表された、永井修一先生の話には感銘させられました。私が今までなんとも感じてなかった添付文書に、疑問をなげかけてありました。

展示場では、レセプト用のコンピュータが並べてあり、患者に説明できる資料まで出せるようになっているのには、驚きました。

懇親会は夜のグラバー園です。エスカレーターで高度を上げるに連れて、長崎の夜景が広がっていきます。あまりの美しさに魅せられているうちに、会場に着きました。ここで、現実に引き戻されます。1,700人以上の参加があるとは聞いていましたが、ものすごい人波です。来るのが遅かったのか、テーブルの上にはほとんど料理が残っていません。暗がりの中、人ごみをかき分け、料理を求めてさまよいました。

翌日は医薬品情報分科会で、患者に薬の説明をするとき使えるパソコンの無料ソフト(!)があるのを知らされました。

今、時代が大きく変わろうとしている中、薬剤師が世間から尊敬され、必要とされる職業になるよう各自、そして全員のより一層の努力が求められていると痛感しました。

お医者さま、医者には「さま」が付きますが、我々薬剤師はそう呼ばれたことがありません。これから、薬剤師が世間に高く認識されるかどうか、試される時代が来ると確信して、長崎からの帰路に着きました

特集・日薬長崎大会 福岡の井の中から日薬大会に出席して 支部参加者/早良支部 原北部会 たつみ薬局 清水達三

久しぶりの長崎、久しぶりの日薬学術大会で前夜より京都や関東から我が家に前泊に来て夜おそくまで語り合い飲んだせいか、当日は疲れ気味。気温もよく自家用車で三瀬峠を越え高速を通って2時間20分で長崎の会場までスイスイと到着。

さて、さすが全国大会だけあって参加している人たちも薬局薬剤師の最前線を引っ張るリーダーが多く、その発表や講演にも活気が満ち圧倒され気味。全体的にはこれからの薬剤師に課せられる様々な義務に対しての積極的な活動に感心しました。

分科会は沢山あって、私はつまみ食いであちこち顔を出した割にはまとまりがつきませんでした。面分業への推進については各県がその地区の事情に応じて国立病院院外処方箋応需に苦労されているようで、特に門前大型調剤薬局の進出が面分業を阻害しているようです。その点福岡市の国立院外処方箋応需は幸いだったと思いました。

その他、グランドデザイン薬局、在宅介護、面分業についても全国にはこんなに頑張って対応している薬局・薬剤師達がいるのだナァーと驚きました。福岡市の井戸の中から外の情報を得ていたのとは大ちがいでした。

大会会場ではコンピューター会社や調剤機器のメーカーが展示をしておりましたが、これもドンドン進化していて簡単にはついて行けない(価格に於いても)と思いました。特に「薬剤情報提供」の部門でのコンピュータ全社の競争は、今後はレセコンのない薬局は苦労せざるを得ないと思いました。しかし月に国立院外処方の20〜30枚ぐらい受けている薬局では経費的には採算があわないし、場合によっては少ない処方箋の薬局を苦しめるばかりの「薬剤情報提供の義務規定」になるのではないかと思いました。どちらにしても医療制度改革の中で面分業もマンツーマン分業も、その激流の中の木ノ葉の様に流されてゆくような気がして来ました。

それにしてもOTC部門は淋しかった。「規制緩和反対」といってもなんだかかけ声ばかりで吹き飛ばされてしまいそう。この不景気と大型ドラッグの価格破壊の中で既存のOTC薬局はなんとか面分業に一縷の望みを見いだすしかないのでしょうか。

夜のグラバー園での懇親会では久しぶりの同窓生とも再会し、薬剤師職能の情報交換も出来て楽しいひと時を過ごし、翌日は疲れ切って福岡にたどり着きました。これからはこれらの情報を地区の薬局薬剤師と共に生かして行きたいと思っています。

特集・日薬長崎大会 「日薬長崎大会」に参加して 支部参加者/南支部 野間部会 福岡調剤薬局 吉田邦夫

薬局分科会11月3日(日)14時〜17時

1.基調講演「医療保険制度の今後と薬局のあり方」  厚生省 安倍退治氏 

医療保険制度に付いては現在委員会別政府(厚生省)に答申されている状況である。答申通り、患者負担、特に老人の1割〜2割負担となった場合、分業推進に影響が出るのでは? 又、薬価差については、現状のデッドストック問題が有り、どのように解決されるのか。

2.シンポジウム「日本型薬局の創造と実践」

青森、長崎、大分、三県の先生が発表された。我々が行っている事と差はない様に思ったが、長崎市では、長崎大学、済生会、十善会、長崎市立、市立成人病センター等広域病院から院外処方が出ているとのことで、福岡でも早くもっと広域病院からの院外処方せんの発行を期待したい。

特集・日薬長崎大会 日薬学術大会参加の印象 支部参加者/城南支部 七隈郡会 せお調剤薬局 瀬尾隆

このような大きなすばらしい大会に参加させていただき、大変、感謝感激しております。 本当にありがとうございました。そこで気が付いた事をのべさせていたたきます。

1.大会へ行けなかった会員先生方へのフィードバックの方法

執行部の先生方のほとんどと支部より2名以上の参加があった状態で開会式や各分科会への出席した感想の伝達がなされていないように感じます。もう少しプロジェクトを組んで各分科会の責任者も決め、全分科会を網羅するくらいの気迫ある会運営・企画をのぞみます。市薬としてはいいことをやっているのに、参加された先生方の意識の格差がひどい。もう少し目的意識を会として示唆しなければ…‥・(組織作りのためにも重要とおもいます)。

2.OA機器について

会場にあれだけのメーカーが来て、ハード・ソフトいろいろ出品してありましたが、どれを見てもいいものだらけでした。そこでもう1つ……。

市薬として公平にみて各メーカーのポイントを論評・紹介をしてみてはいかがでしょうか?各薬局の先生方の興味のあるところです。

好みの問題ではありますが、市薬がやっていただけるところにも意義・価値があると思います。いかがでしょうか!!

特集・日薬長崎大会 日本薬剤師会学術大会 支部参加者/城南支部 七隈部会 七隈調剤薬局 満生清士

受講講演
11月3日 薬局分科会    14:00〜17:00
11月4日 薬業経済調査分科会 9:30〜12:30

*薬局分科会では、厚生省保険局の「医療保険制度の今後と薬局のあり方」の中で、薬局がここ1〜2年の内に保険医療や地域医療に貢献しているという実績を求められていることがつよく感じられた。

*薬業経済調査分科会では、医薬分業の地域差、組織の重要性、薬剤師職能のアピールと構築、など考えさせられた。ある薬局では常に設備投資をして、たとえば機械化により調剤業務の事務的な作業を省き、患者との対面時間などにあて、「薬局サービス」の向上を目指し口コミ等で処方枚数や医療機関数を増やしていた。

*最後に講演をきくなかで自分の薬局の未熟さと、医療への使命感を感じ日常業務に反映したいと思う。

特集・日薬長崎大会 日本薬剤師会学術大会報告 支部参加者/南支部 大橋部会 スエタ薬局 末田順子

南区薬剤師会は総勢6人(末田、吉田、井上、木村、中島、冨田)で参加した。

折よく好天に恵まれ、修学旅行の様な雰囲気に包まれて、同一車輌に他の区の薬剤師の方々の姿も見え、和気窟々と楽しい旅が始まった。

しかし各個人個人の胸の内には、薬業界のこの激動の時に、この荒波を乗り切る術を学術大会の中でみつけようとする意気込みが感じられた。

長崎県立総合体育館「アリーナかぶとがに」での開会式、吉矢会長、長崎県知事、石井遺子参議院議員などの出席のもと、盛大なセレモニーが繰り広げられた。

吉矢会長は薬剤師の医療、福祉への立ち遅れをこの会場の「かぶとがに」に比喩して、批判、叱咤激励をなされ古代の化石「かぶとがに」にならないように着実な進化を望むとの厳しい要望をなされ、石井議員は薬剤師の生涯教育の充実を切望された。

薬局分科会は、薬事法、薬剤師法の改正に絡み、今後の薬剤師の在り方について討議され介護保険についても検討がなされた。

各会場をまわりながら、21世紀への薬剤師の進むべき姿を深く考えさせられ、ボヤボヤできないというあせりを感じた。

石井議員も薬剤師として初めての大臣環境庁長官になられ、公的な大きな目で国民を主体とした医療、福祉の環境整備に力を注いでいただき、薬剤師サイドにたった行政改革を託し、我々は地道に、足元から薬剤師の職能を固め、広げて行き、社会のニーズに応えられる薬剤師にステップアップしていかねばと思う。

特集・日薬長崎大会 日本薬剤師会学術大会に参加して 支部参加者/南支部 井尻部会 さくら薬局 警弥郷店 冨田裕子

「新しい医療環境に活きる薬剤師像を」というのが今回のテーマであった。

薬剤師4年目の私にとっても、「薬剤師としていかに生きるべきか、どうあるべきか」というのがテーマである。

ここ20〜30年間、新薬開発がめざましく、また、医療技術、医療環境の変化が著しいにもかかわらず、わが国における薬剤業務は殆ど改革なしに経過してきた。しかし、医療環境を取り巻く状況が大きく変化し、薬剤師に求められるものも徐々に明瞭になってきている。

ただ、調剤報酬が改定され、請求可能になったからと、活動しはじめた薬剤師を患者が信頼するはずがない。薬剤師の価値観が問われる最前線に位置する「薬局」で、何よりも大切なのは、信頼だと私は信じている。くすりのスペシャリストとしての専門性をふまえた上で、やはり「1人の薬剤師、人間として、どう生きているのか」にたどりつく。

投薬は、薬を通じて心を投げかけていたいと感じている。

特集・日薬長崎大会 法規分科会に出席して思うこと 広報委員/戸田昭洋

薬事法、薬剤師法に新たな条文が加わり平成9年4月より施行される。

法は人間にたいする不信の上に成りたっている。人間が他人にたいし危害を及ぼす可能性を秘めていると判断すればこそ「…してはならない」「…しなければならない」という禁止あるいは義務規定が定められる。それゆえ今回の法改正は薬剤師法にかぎっていえば過去より現在の薬剤師免許取得者が他人に危害を及ぼす可能性がより高いということを国民に知らしめた点では、残酷な制度であり薬剤師性悪説を深めた制度といえる。

しかしひとたび法が公布され法を犯すものにたいし制裁を加える仕組が生れると法はおおよそ遵守され法網を破り又潜ったりするものは少数にとどまると予想している。そういう意味ではまんざら性悪説ばかりでなく性善説も必要としているのである。結局薬剤師にたいする疑と信のあいだできわどく平衡が保たれるところで今回の条文は機能する。

高知地裁平成7年1月30日判決の骨子及び高松高裁平成8年2月27日判決(確定)を載せた。医師を薬剤師に置き換えて読んで頂きたい。いかにお考え頂き、どんな行動をおとりになるか。

高松高裁平成8年2月27日判決の第2審骨子

「患者に対して投薬の必要がある場合、その薬剤の選択については、担当の医師が総合的な診療方針のもとに、最良と考えられる薬剤を決定すべきであって、その点については医師の裁量が認められるということができる。そして、薬剤の投与に際しては、時間的な余裕のない緊急時等特別の場合を除いて、すくなくとも薬剤を授与する目的やその具体的な効果とその副作用がもたらす危険性についての説明をすべきことは、診療を依頼された医師としての義務に含まれるというべきである。この説明によって、患者は自己の症状と薬剤の関係を理解し、投薬についても検討することが可能になると考えられる。

幸代※に対しては、抗痙攣剤の投薬の必要性があったのであるから、その際の薬剤の選択は豊永医師に任されていたと解されるが、投薬の目的や効果、副作用については幸代に説明すべきであったということができる。

被控訴人は、アレビアチン等によるTEN※の発症する確率は極めて低く、死亡や重篤な後遺症等の重大な結果の発生が一定の蓋然性をもって予測されない以上、説明義務はない旨主張するが、副作用の発生率が極めて低い場合であっても、その副作用が重大な結果を招来する危険性がある以上は、投薬の必要性とともに副作用のもたらす危険性を予め患者に説明し、副作用の発症の可能性があっても、その危険性よりも投薬する必要性の方が高いことを説明して理解と納得を得ることが、患者の自己決定権に由来する説明義務の内容であると解される。

(中略)

入院中におけるアレビアチン等の投与の際に、幸代に対して副作用の説明をしていれば、アレビアチン等でなく他の抗痙攣剤を選択してTENの発症を防ぐことができたという因果関係を認めることはできない。

(中略)

豊永医師が幸代に与えた薬剤であるアレビアチン及びフェノバールは、いずれも副作用としてTENの発症が起こりうる薬剤であり、アレビアチンが原因と考えられる薬疹については豊永医師自身も以前に症例を経験していたこと(証人豊永)に加え、幸代は、前回の手術の際に薬疹と思われる皮疹が出たことがあって、薬剤に対して過敏であることが疑われたのであるし、薬剤によるアレルギーは、投与を始めてから1、2日の内に現れることもあるがその後ある程度の期間をおいてから現れることもあり、そのような場合には投薬を中止しなくてはならないことは豊永医師は十分に認識していた(証人豊永)のであるから、幸代の退院に際してアレビアチン等を2週間分処方するについては、単に『何かあればいらっしゃい』という一般的な注意だけでなく、『痘攣発作を抑える薬を出しているが、ごくまれには副作用による皮膚の病気が起こることもあるので、かゆみや発疹があったときにはすぐに連絡するように』という程度の具体的な注意を与えて、服薬の終わる2週間後の診療の以前であっても、何らかの症状が現れたときには医師の診療を受けて、早期に異常を発見し、投薬を中止することができるように指導する義務があったというべきである。

(中略)

そして、このような指導があれば、幸代としては発疹の出た11月20日ころからあまり時間的に経過することのない時期に、K病院等で診療を受けて早期に適切な治療を受け、死の結果を防止することができたものと解される。

被控訴人は、豊永医師にTEN発症の予見可能性はなかった旨主張するが、幸代は以前薬疹と患われる皮疹が出たことがあるのは豊永医師も知っており、昭和63年当時、アレビアチン、フェノバール、ラキサトールの各薬剤による副作用としてTENの発症についての情報が、医師に対して一般的に知らされていた(証拠省略)以上、発症の可能性は極めて稀であっても、予見可能性はあったというべきである。

また、アレビアチンをとってみても極めて多くの副作用を起こす可能性があることは認められる(証拠省略)が、これらをもれなく説明するのは困難であるとしても、副作用の中でも重大な結果を招来するものについて説明し、情報を提供することは可能であったし、重大な結果の回避のために必要であったというべきである。

豊永医師は、幸代の退院の際に「何かあればいらっしゃい」との注意をしただけであって、副作用を念頭においた具体的な指導は行わなかったのであるから、豊永医師には右の義務を怠った過失があると認めるのが相当である」

高知地裁平成7年1月30日判決の第1審骨子

「本件においては、診療経過等から薬剤性のTENと考えられること、TEN発症例の報告されているアレビアチン、フェノバール、ラキサトールを相当量投与しており、投薬時期と発疹の発生時期の関係について前記のとおり不自然な点はないこと、他にTENを生ずる可能性の高い要因が認められないこと等本件の諸事情を総合考慮すれば、本件TENは、アレビアチン、フェノバール、ラキサトールのいずれかの副作用による症状であると確認するのが相当である。(中略)したがって、アレビアチン等との相互作用を前提にするラキサトールについての注意義務違反は認められないから、TENの原因がラキサトールとアレビアチン等のどちらによるものかを特定できない本件においてはアレビアチン等についての注意義務違反の有無をさらに検討するまでもなく、原告(幸代の家族)の請求は認められないという外ない」

※TEN:Toxic Epidermaru Ncrolysis 中毒性表皮壊死症(別名 ライエル症候群)
※幸代:被害者(注 戸田)

特集・日薬長崎大会 生涯教育、薬学教育合同分科会に出席して思ったこと 広報委員/戸田昭韓

少子時代をむかえマンパワーをいかに充実させるか、これが現在の日本の命題である。薬剤師もしかり、付加価値を付けねばならない。

その為の生涯教育である。付焼き刃でも場あたり的な教育でも通らないよりは良いが、薬学教育6年を卒業しライセンスを取得した薬剤師と同程度の実力をそなえた真の意味の認定薬剤師になりうる様、きちんとしたカリキュラムにのっとった生涯教育を受け得る体制の方がより良いのである。

明治薬科大学修士課程に『臨床薬学専攻』という教育のみの講座がある。そこは現在業務にたずさわっている薬剤師にも門戸を開くべく講義は夜間に行われ試験を受け単位を取得するシステムになっている。

 今や行政改革で政府はおおわらわであろう。
文部省がどんな行革を行うのかはしらぬが、教育改革、特に生涯教育を含めた教育投資の充実は急務である。


話は変るが、人間は所詮言糞の動物である。患者に情報を伝えるにも、そのコンプライアンスやQOLを高めるにもつまるところは言葉通いの良し悪しできまる。言葉遣いの正確さ、落ち着き、織細さ、面白さなどが人間関係のあり方を定める。かような態度で患者に接しうる薬剤師になりうるよう鋭い雄叫びをあげるべきではなかろうか。

「21世紀は薬剤師の時代、薬剤師が薬剤師たりうる生涯教育を受けうる体制に」と…。

※「(財)日本薬剤師研修センターFAXサービス」、「薬剤師生涯教育の指標項目」を参考までにP35・36に掲載する。

特集・日薬長崎大会 かぶとがに内探険 広報委員/津田和敏

第29回日薬学術大会初日、市薬広報委員の大移動、博多より長崎へ。昼食はもちろん、中華街へ直行。チャンボンでお腹を満たし、さて会場へ。浦上川を逆上るように市電にゆられアリーナかぶとがに調剤技術分科会を固いた。

 GPP※がテーマとされたが、調剤哲学にはあまり盛上りを感じられなかった。途中、申し訳ないが薬局分科会へ移動した。ここでの討論では厚生省より保険局医療課薬剤管理官の安倍氏も出席され活気あふれる会となった。

2日目は学校薬剤師分科会を聞いた。今回は0−157の影響が参加者もいいかげんではいられない。大腸菌はたいへんな問題を投げかけてきたが、薬剤師の意識向上にはそうとうな影響を与えたようだ。他の分科会が、薬剤師が行なうことを問うのに対し、学薬分科会は、どう地域や人の為にできるかの問いかけであった。

※Good Pharmacy Practis(薬剤師業務基準)


(財)日本薬剤師研修センターFAXサービスのご案内

当センターでは、4月1日より、FAXサービスを開始いたしました。サービス内容は以下の通りです。

操作方法は、FAXつき電話機よりお電話いただければこちらよりメッセージが流れますので、それに従って操作して下さい。なお、ご使用のFAXがダイヤル回線の場合、ボックスナンバー入力の前に*を入力して下さい。

FAXサービスの電話番号は
   03(5386)0560



薬剤師生涯研修の指標項目(自己診断用)

Revd.Septl,1996

◇本指標項目は、全職域にわたる薬剤師を対象とし、受講者が自ら研修するべき内容を選択調整したり、あるいは研修した内容を整理碓認するときの目安として用いる。

◇原則として受講による学習とするが、*印は一部実習あるいはロールプレイを必要とする。

◇(A)には各項目に1〜10点を記入(通常の必要度5点)総計75以上100以下とする。
(B)には0〜5点を記入(通常の知識経験2点)総計50以下とする。(A−B)の値により相対的に重点を置くべき研修内容を自己判断する。


特集・日薬長崎大会 ポスターセッション 広報担当常務理事/北島啓子

会場に入ったとたん、まず、その広さに圧倒され、フェーン現象による蒸し暑さと昨日のホテルの部屋での深夜にまで及んだ広報会議(ガソリンを補給しながら)に於ける激論の疲れのせいか、一瞬、軽いめまいを覚えた。

しかし、見回してみれば、ポスターパネルに顔を近づけて喰い入る様に文字を追っている人、少し離れて写真やグラフを見つめている人、担当者の説明を受けながらしきりにうなずいている人、皆それぞれとても熱心で向学心に燃えている人達ばかりだ。

すぐにやる気を取り戻した私は“お仕事、お仕事…”とうわ事の様につぶやきながら行動を開始した。以下はその成果である。

詳細な説明は日薬雑誌その他でごらん頂きたい。


特集・日薬長崎大会 受賞に際して
〜日英功労賞〜
(社)福岡市薬剤師会 顧問 古賀隆

この度、11月3日・4日に開催された第29回日本薬剤師会学術大会(長崎市)において、日薬功労賞受賞の栄に浴しました。

永らく福岡市薬・県薬の役員をやらせていただいたお蔭で、今日まで県知事賞、厚生大臣賞、文部大臣賞など数多くの賞をいただきました。又これらの賞については、広く知られておりますが、日薬賞とか日英功労賞についてはよく知られていない様に思います。それは毎年日薬賞が全国で6〜7名、日薬功労賞が13〜14名程度と極めて少数に限られていることも馴染みの薄い原因ではないかと思います。私の受賞も福岡県薬では平成4年に梶原現県薬会長が受賞されて以来のことになります。 それだけに、考えますと幸運な星のめぐり合せとでも言いましょうか、大変名誉ある有難い賞を私ごときにいただいたと感激いたしております。

当日表彰状のはかに額に入った「薬師如来」像を記念品としていただきました。

薬師如来と言いますのは、西方浄土の仏さまが阿弥陀如来で、東方浄瑠璃浄土の仏さまが薬師如来と言われております。つまり薬師如来さまは、現世の人々に応病与薬の本尊として、健康を守って下さる仏さまであります。

薬師如来を本尊としているお寺で有名なのが御承知の奈良の薬師寺ですが、その由来は天武天皇が奥さん(のちの持統天皇)の病気を治してもらいたいと発願されて建立されたのが薬師寺です。その様に健康を見守って下さる仏さまですから、私達薬剤師とは非常に縁の深い仏さまでもあります。薬師のあいだに「剤」という字を入れれば「薬剤師」となります。この度いただいた記念品も、そういう意味合いをこめて、今後益々薬剤師の道を精進しなさい、と励まされたものと受けとめております。

長崎ではグラバー園を借り切って大学別に盛大な懇親会が催されましたが、終って藤原会長はじめ多くの先生方が祝ってくれ、2次会を楽しみました。重ねてお礼申しあげます。

薬剤師会にも余り役立たない年令になりつつありますが、会員みなさんのお蔭で今日在ることをあらためて感謝申し上げ受賞の弁といたします。


<会員の広場> 閉局にあたって
〜たまにはお茶を飲みにいらっしゃいませんか〜
中央支部 繁子・当仁部会 山手薬局 山手嘉子

薬局をやめます。38年も働きました。65才でやめる筈でしたが思いがけず病を得て、ちょうど63才です。呼吸困難ということで鼻にチューブをさしこんで02ボンベお供に暮すことになります。小児結核の後遺症とか。

足もとをすくわれた思いです。可逆性はなさそうで、このままひきこもるかボンベをひきずりながら大道をかっ歩するか、我ながら今は全く不明です。役にもたたないのにいろんな事をさせて頂きました。有難いことに思って居ります。このままひきこもるにしても生ある限り楽しく暮したいのでどうぞいらして下さい。お茶はセルフサービスになりますがお湯だけはきらさずにお待ちします。

※福岡市中央区荒戸1丁目6−15
TEL 751−3544

<フレッシュさん> 患者さんのキモチわかりますか…? 城南支部 友泉部会 メイプル薬局 福田恵三

空の色、山の景色そして風の匂いにも、季節の移り変わりが感じられます。深まり行く秋をさがLに山へドライブ!都会のオアシスじゃ物足りないですよね。人が自然を求めるのは、そのキモチよさを感じたいのに他なりません。しかし、自然にふれあっても、爽快な気分を味わうことができず、リフレッシュも不十分。そんな現代人が、たくさんいるように思います。彼らの原因の多くは、体だけでなく、心の現代病なのかもしれません。

私の、以前置かれていた環境の中に、対照的な3人の自然人がいます。1人目は白血病で余命いくぱくもないのに、それを知らずに必死に家族を守っている人。2人目は大腸癌と告知され、全身に転移しているにもかかわらず、独自の治療法を見出し、Dr.と融合させて、病気と前向きに取り組み、今なお元気でいらっしゃる人。腫瘍マーカーも今では正常値を示しているそうです。そして、もう1人は、心電図やその他の検査では異常がないけれども、自分は「狭心症」で、いっ発作に襲われるかと、死の恐怖におののいている人。皆さんに共通していることは、とても真面目な方だということです。

自然には一定のサイクルがあり、人も動物も植物も、その季節に合わせて暮らし方を工夫してきました。しかし現代社会では、人間は自らのコントロールができなくなり、さまざまなトラブルに見舞われています。

もちろん、そのトラブルに対するテスターはDr.であり、その後のメンテナンスを受け持っのが、医療スタッフ全員だと患います。私達、薬剤師は今まで以上に医療従事者としての責任を問われる時代になってきているようです。情報の方向にアンテナを合わせ、常に向上心と優しさを持っていたいと思います。

人間は本来自然治癒力をもっているはずなのに、ストレスなどによる心の問題で元気になれない、そういう患者さんの話を聞いてあげられる、心のCTスキャナーになれればと思っている毎日です。

<フレッシュさん> コアラの母子とわたくしと 第一保育短期大学 松本紀子

壁にかけたカレンダーも薄くなり夕陽が透けて見えるようになった今日。 それでも新しい年は確実にくると思うと勇気が湧いてくる。

ところで、フレッシュさんコーナーに満55歳になる私が書くのはいささか気が引ける。今年、市薬剤師会に入り研修をうけ実務実習も受けさせていただいたし、何よりも小松秀美先生の励ましのお言葉を支えに初心者になりきって、しんまいの薬剤師として述べさせていただきたいと思う。

薬剤師の免許をとったけれど、大学の研究室に勤め1度も使わないまま30年近くたった。

実際に現場での調剤業務を経験したのは、学生時代に慶応大学付属病院薬局での2週間の実習だけである。当時を振り返ると、大学病院といえども手作業が多く、ベテランの女性薬剤師の仕事の手際のよさは見事で、薬包紙のうえに調合した薬を手品師のように正確にわけ包んでいかれる。この時さんざん鍛えられたお陰で、国家試験の調剤実習試験は楽勝であった。

製剤室にいくと、石川式らいかい機がゴロゴロ回り軟膏剤を作り、打錠機は鎮痛剤を打っていた。錠剤用顆粒の作り方のノウハウも、注射剤の作り方、アンプルの熔閉の仕方もここで習った。よく親切に丁寧に教えてくださったものだと今振り返って思う。いまだにあのときの心地よい緊張感と楽しさは忘れられない。そして、先日の市薬剤師会薬局での実習もまた楽しいものであった。

6年前から第一保育短期大学で小児保健学を教えている。小児医療は薬物療法が多いはずだと思った。当然、薬剤師も関与しているはずである。しかし、取り寄せた数冊の教科書には小児保健学に携わる職種として、医師、薬剤師、看護婦、保健婦、保母……と記載されたものは1冊だけであった。実習書には与薬の実習が載っているのに。小児の場合は看護婦さんの領域のようであったが、実習を教えにきている看護婦さんに「こどもと薬」のことをもっと教えてほしいといわれた。さて、こどもの生理を薬学で習ったかなと思った。考えた末、何度も目的と理由書を書き直して九大小児科の臨床講義の聴講生の許可をいただいた。

講師は各分野一流の専門家で最新の講義をされる。難しいけれど、分かりやすい。大人とちがうこどものからだの素晴らしさを習った。こどもは一生懸命なところが良い。病んでる子も健康な子もこの点は同じだと、当たり前と笑われるかもしれないがそう思った。

今年、小児保健学の教科書に共同執筆者として「子どもとくすり」の章を入れていただいた。なんだか夢のようである。少し休息したいなどといっていられなくなった。そして、この仕事が出来上がる過程で女子薬の先生の温かいお心をいただいたことに心から深謝している。

男女平等の世の中といわれる。でも、世の中がどんなに進んでも男が女に女が男になれるはずがない。女性がもつ優しさと患いやりは男性のものとは別である。服薬指導がいわれるようになった。女性の出番のような気がする。研修に参加して、薬剤師として再び現場で働きたいと思っている女性は多いように思う。それも、いろいろな知識をため込んだ女性達のように思う。女子薬が入り口を広くして受け入れてくだされば幸せである。

さて、私も足を地につけ気持ちを若くして頑張ろうと思っていたら、短大生が車につけていたコアラの母と子の飾りを見て言った。 「先生、これお孫さんの?」、「うゝん、ちがう車の!」と切り返してしまった。

<フレッシュさん> 自分大事のススメ 南支部 大橋部会 スエタ調剤薬局 井戸由美子

突然ですが、皆さんは歯は大丈夫ですか?何でもおいしく食べることができますか?実は今、私は歯の治療に通っている。もともと自分でも気を付けているつもりだったし、痛いところも、困ったこともなかったのだが、某歯科から毎年頂く定期検診の案内のハガキを手に気軽に行ったのが運のツキだった。小さな虫歯をいくつかみつけられてしまい、いやみつけて頂き、治療の日々となった。

食糧難の時代に育った両親が、歯が弱かったことで不自由したためか、唯一私には歯並びだけは気を付けてくれた。(もっと他の事を気を付けてくれてもよかったのだが……)せっかくこの世に生まれて来たからには、平均寿命くらいまで世の中の移り変りを眺めてみたい。その時、自分の歯が20本位あれば!などと言うと周りの人達に笑われてしまうのだが、私は大まじめにそう考えているのだ。年を重ねると行動範囲も自然と狭くなってしまい、特別な趣味でも持たない限り、「食」というのは大切な楽しみの1つだと思う。それが何かの理由でおいしく食べられないとなると、食いしん坊の私は目の前が真っ暗になってしまう。

病気やケガを治すことはとても大事なこと。でもできる事なら予防したい。「予防医学」という程大げさなものでなくても、今自分ができる事を、できる範囲でやってみたいと思う。

というわけで歯科通いなのだが、やっぱりイヤですね−。治療台の前に小さなテレビが置いてあるのだが、痛いものは痛い。あの神経をかきむしる音もイヤ。何より格好が情けない。「痛かったら遠慮なく言って下さいね」とは言ってくれるものの、言ってどうなる!?もっともっと悪い状態になり、抜くことを考えるとしっかり我慢できるから不思議だ。よほど食いしん坊なのだろう。

歯が悪いと、胃腸も悪くなり易い。胃腸が悪いと、肩こりや頭痛も起き易い。逆に、口の中を少し掃除してもらうだけで、つらい肩こりが治ることだってある。歯って以外と大切だと思う、歯には自己回復力がない。心当たりのある方は、思いきってお近くの歯科へどうぞ。

それから、薬局に来られるいろいろな患者さんを見ていて思うことをひとつ。「どうしてそんなになるまで放っておいたのですか?」と言いたくなることがよくある。きっと仕事や家事や育児などが忙しいとか、あるいは目が離せない高齢の方がいらっしゃるとか、人それぞれ理由があるのだと思う。自分のカラダと、自分自身と向き合う時間がないのかもしれない。自分の事は後まわしになってしまうのだろう。でも全ては健康なカラグあってのこと、もう少し自分を大事にしてあげてもいいのではないだろうか。それは甘やかすことではなく、自分を自分で守るという原始的なことだと思う、カラグが発する危険信号に耳を傾けることであり、時にノックして調べてあげることではないだろうか。

薬剤師とは町の相談役である、と習ったのは学生時代だったが、どれくらいそれに近づくことができているかわからない。まだまだひよっ子だが、毎日が楽しく、いっも前向きな気持ちでいたいと思う。元気すぎて患者さんに申し訳ないくらいなのだが、こんな私をみて「自分もはやく元気になろう」と思ってくださる方が1人でもあれば幸せに思う。

春の薬草

漢方処方にも配合

今回はお正月に相応しい“梅”をご紹介します。

梅はバラ科の落葉高木で、観賞用および食用として栽培されています。原産は中国で、日本では九州の一部に野性化したものが見られます。福岡県には太宰府天満宮があって、とくに梅とはなじみ深いですね。

梅雨が近づくと、太宰府天満宮では梅の実ちぎりが始まります。干して塩とシソに漬け、ご存じの梅干になります。

薬用にも「青梅」を干して使います。生薬としての名前は「烏梅(ウバイ)」といいます。下痢止め、吐き気止め、咳止め、解熱、去痰(キョタン)や回虫駆除といった目的で、単味、あるいは漢方処方に配合して用いられます。代表的な漢方処方は烏梅円(ウバイエン)(烏梅丸)です。

 そのほか、青梅は焼酎に漬けて梅酒として利用されます。成分としてはクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、オレアノール酸、アミググリンなどが含まれています。青梅を生で食べて中毒するのはよく知られていますが、それはアミググリンが胃の中で胃酸によって分解され、青酸を発生するからです。

 また青梅をゼリー状に煮詰めて「梅肉エキス」や「梅ジャム」として利用することもあります。

梅肉エキスを自分で作るときは、ときたま青酸が残ることがありますので、時間をかけて、アンコのようによく練り上げながら煮詰めてください。

(冷川 襄)◆冷川先生の著書“身近な薬”より

<フリートーク> よい街の条件に 南支部 野間部会 さとう薬局 佐藤安彦

福岡市薬剤師全会員の先生方はじめまして。

今年6月に入会させて頂き野間大地にて調剤薬局を開局しております。わからない事ばかりの3ケ月でしたが、幸いにもご関係の皆様の暖いご指導のお蔭で何とかここまできた次第です。はなはだ勉強不足でお恥ずかしい限りですが思いっくままに現在の心境など書いてみました。

私は自分の職場や住居のある街がいっまでもよい街であって欲しいと思います。そこでどんな街がよい街かを考えてみました。

まずハード面では、第一に基本的な社会資本が整備されている事が大事だと思います。これは上下水道、電気、ガス、通路、公共交通機関、公園、住宅等です。第二に生活の利便性が要求されると思います。近くにないと皆が困ると思うような設備、店舗等です。例を挙げれば、郵便局、銀行、学校、幼稚園、コンビニエンスストア、飲食店、様々な物販店、美容室、理髪店、スポーツ施設、カルチャーセンター、娯楽施設等です。病院、診療所、歯科医院等も当然含まれると思います。これらはその街で生活する人々の年齢構成や時代の変化と共にその重要度が変わっていくだろうと思います。

次にソフト面を見てみますと、これはその街で生活する人々との触れ合い一人間関係−によるところがほとんどではないでしょうか。私達の子供の頃は大人の社会も子供の社会もどこかに皆が集まる場所があって、何人かのリーダーを中心にいっも大勢で遊んだりいろんな行事に参加したりしていたような気がします。今はそういう面倒なつきあいが好きでない人も多いようですが、私にとっては例えば博多祇園山笠のような地域行事のある人達がうらやましい限りです。

それはさておき、今後は年齢構成の変化等にともない今までとは違った形での地域での触れ合いが必要であり、少しずつではありますが現実に変化が現れているように思います。

さて、今現在私の薬局はよい街づくりのためにハード面でもソフト面でも少しでも貢献しているだろうか。例えばアンケート調査を実施して、よい街の条件に何人の人が調剤薬局と答えてくれるだろうか。そんな事を自問自答していますと、今日から具体的に出来る事を一つでも実行に移していかなければならないと思います。

私達スタッフ一同はこの3ケ月でたくさんの患者さんに出会い、お叱りいただき、喜びを教えていただきました。私もいっの問にか生活の比壷が野間大池へと移ってきているように患いますし、それだけこの街が好きになってきました。客観的に見ても今でも充分によい街だと思いますが、できるならばもっとすばらしい街づくりのために“さとう薬局”として責献していきたいと思います。

最後になりましたが、入会に際しましては南支部長の末田先生、野間部会長の戸田先生を始め皆様に大変お世話になりありがとうございました。今後共どうぞ宜しくお願い申し上げます。

<急患センターだより>

今回より急患センターに出動された方々に感想を伺うコーナーを設けました。しばらくの間シリーズで続ける予定です。“出動してみようか”とお考えの方の参考になれば幸いです。

急患センターに出動して 九州大学医学部附属病院 薬剤師 佐藤智昭

新年あけましておめでとうございます。早いもので私自身、今年で薬剤師として6年、急患センターに勤めさせて頂いて2年になります。 とは言っても、10回程度しか出動していませんが…。

まず、私が急患センターで勤務させて頂くことになった経緯についてですが、それはまわりの先生方の勧めによるものでした。私自身、岡山大学病院、九州大学病院と大きな組織、そして大勢の人の中での勤務は経験していましたが、他の病院、あるいは薬局の先生方と一緒に、数人で働くという経験はありませんでした。そういった意味も含め、視野を広げなさい!という、先輩先生方のご配慮だったと思います。

急患センターで勤務し始めて、まず感じたことですが、普段働いている病院とは違い、救急患者さんが対象であり、薬の処方は無論それ用の内容であり、必ず患者さんに丁寧に服薬指導する点でした。多くの患者さんにおいて、慢性疾患で来られる場合はなく、自分の服用しようとする薬について知識が乏しいという点が挙げられると思います。私は、幸いにも今までに多くの疾患の処方を調剤してきたこともあり、ここでの薬の用法・用量、また処方医の意図といったところは把握できました。どれが・何の薬なのか、いつ・どのように服薬するのかといったこと、薬の必要性等を理解してもらえるように丁寧に説明しています。

また救急施設ということもあり、子供の患者さんが多く、病気でしんどいながらも薬を大切に持って帰っている姿をみると、“ほっ”としたりもいたします。日頃のルーチンワークの中、患者さんと少し離れた距離(無菌製剤室)で仕事をしている私にとって、なにか自分が薬剤師を目指していた頃の初心を改めて思い起こしました。

またこれとは別に、ここでの勤務の魅力の一つに、他の施設の先生方とコミュニケーションを図れる点があります。病院での勤務経験しかない私にとって、薬局ではどういったことをしているのか?今、何が問題になっているのか?今後、我々に何を期待しているのか?など、仕事の合間にいろいろとお教え頂きました(うるさい奴だと思われた先生、どうもすみませんでした!)。仕事面では勿論ですが、多くの先生方と知り合いになれたことは、私にとって大きなプラスだったと思います。

本格的な寒さはまだまだこれからと聞きます。風邪の流行る時期でもあり、皆様お忙しいと思いますが、市薬の会員の先生方とも今後、急患センター、ソフトボール大全、またはボウリング大会等でお会いすることがあると思います。一度見たら忘れられない体型(最近の流行り言葉で、チョベリブー)ですので、遠慮なく声をかけてやって下さい。

福岡に来てちょうど2年が過ぎ、博多弁にもすっかり慣れ、行動範囲も広がった私です。今後、“よく働き、よく遊び、更によく遊び!”をモットーに頑張っていこうと考えています。私自身、まだまだ未熟な点が多いわけですが、諸先生方同様に信頼される薬剤師でありたいと思っておりますので、今後ともご指導の程、よろしくお願い致します。

<急患センターだより> 急患センターに出動して 中央支部 春吉部会 光安調剤薬局 吉田理

 ある日電話で、
「はい吉田です」
「もしもし小松ですがこんにちは。実は急患センターに出動されている先生に投稿をお願いしているのですが…」
「えっ?(調剤の手が止まる)他に誰かいないんですか?」
「なかなか書いて頂けんもので」
「私も最近ずっと忙しいんですよ、で締切りは?」
「今月一杯です」(日にちがない、また手が止まる)
「それは無理です」
「では12月5日まででいいですけど」
「・‥じゃあいいですよ」(はやく切りたくて返事をしてしまった)
という訳で投稿させて頂くことになりました。

私が急患センターにお世話になって4年程になります。今振り返ってみると4年という実感はありません。2ケ月に1度程の勤務なので、まあ仕方がないと思います。ご一緒させて頂く先生がいつも替わるため、毎回新鮮な気持ちで仕事をする事ができます。

薬剤師は、とかく井の中の蛙になりがちで、ややもすると自分の技術・知識に不満や疑問を持たなくなるものです。しかし、多くの先生と接触することができて色々な情報を得ることができました。またドクターの書かれたカルテを見ることができるので、問診→診察→診断→処方(処置)が一目でわかり非常に勉掛こなりますし、限られた薬の中で苦慮されている様子もうかがえます。投薬口からロビーに目をやると、病気で苦しむ方、痛みに耐える方、付添いの方等々、わが子が苦しむのを見かねて事務に怒りをぶつける方もいらっしゃいます。そういう光景を見ているとやはりボランティアなのだと私は思います。

間もなく、平日急患診療が始まろうとしています。日常業務の後の出動、考えただけでゾッとします。しかし、薬剤師としての活動の場を広げ、責任を負うことによって私たちの地位は向上していくものと私は考えます。できる限りの範囲で急患センターと長く関わっていきたいと思います。

諸先生方、これからもどうぞ宜しくお願致します。

■■トピックス■■ (社)福岡市薬剤師会 学術担当理事 千阪善弘

PTPの誤飲の現状とその対策について

近年患者が「PTPシートから薬剤を取り出さず、分割したPTPシートのまま飲み込む」誤飲事例で、緊急処置を要する症例が増加傾向にありますので、その対応について至急検討するよう日本気管食道科学会より日本製薬団体連合会等に要望がありました。

日本製薬団体連合会では、安全性委員会に「PTP検討部会」を設けて誤飲対策を検討し、日本気管食道科学会、日本病院薬剤師会、日本薬剤師会および厚生省からなる懇談会において協議した結果、下記の対応策について了解が得られ、日本製薬団体連合会加盟各社の「自主申し合わせ」として実施することになりました。

1.対象医薬品

医療用並びに一般用のPTPで包装した医薬品

2.対応策

(1)PTPシートの最小分割を食通異物になりにくい大きさにするために、スリット、ミシンを削疲する。 PTPシートにスリット、ミシンを入れる場合は横方向のみとする。ただし、製品の特性上、縦方向のみとすることも可とする。

(2)薬剤をPTPシートから必ず取り出して服用するため、ケアマークをPTPシートの裏面に表示する。
ケアマークは統一するが、レイアウトは各社自由とする。

(3)添付文書への記載

@ 医療用医薬品
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

A 一般用医薬品
取り扱い上の注意(錠剤又はカプセルの取り出し方)
下図のように錠剤(又はカプセル)の入っているPTPシートの凸部を指先で強く押して裏面のアルミ箔を破り、取り出してお飲み下さい。
(誤ってそのまま飲み込んだりすると食道粘膜に突き刺さる等思わぬ事故につながります) 


3.実施時期

平成8年8月1日より順次実施し、平成9年12月末までに完了する。

以上の対策が実施されているが、本邦におけるPTP誤飲に関する文献調査が報告されている。

1985年1月から1994年12月までの10年間、「JMEDICIN」のデータベースより該当文献を抽出している。重複報告を除いて抽出された文献は68報で、その内、具体的な症例報告36報を表1に示す。

○文献より求めた10年間のPTP誤飲の総発 生件数は239件で、年平均の発生件数は23.9件であった。

○誤飲患者の平均年齢は66.2歳で、その内訳は70歳代がもっとも多く、70歳代と60歳代を合わせると全体の60%以上を占め、高齢者に誤飲発生が多い傾向が見られた。

○誤飲患者の来院時の主訴としては、胸部 異物感、胸痛、囁下時捧痛がもっとも多く全体の37%を占め、以下、咽頭・咽頭 異物感16%、腹痛14%、囁下障害8%、発熱7%、嘔吐5%、その他13%であった。PTPの停滞部位は食道が圧倒的に多く、全体の79%を占め、以下大腸7%、小腸4 %、胃3%、十二指腸1%であった。消化管内に停滞することなく、そのまま肛門より排出された症例もあった。

○PTP誤飲の要因としては、「外出のため急いで服用した」「会話しながら服用した」「テレビを見ながら服用した」「散薬に錠剤を混ぜて服用した」などがあげられ、PTPから取り出して服用することがわからずに、PTPを誤飲した事例の報告はなく、薬剤服用時に、注意が他に向けられていたことに起因する例が多かった。

○患者側にPTP誤飲により重大な障害が起こりうることを認識させることも重要と考えられる。 そのために薬剤師として患者に対して「PTPをバラバラにしないこと」「服用時 に内容薬剤を一つ一つ取りだして服用すること」「薬剤の服用時には時間的な余裕 を持ち意識して服用するよう心掛けること」などについて指導することが重要と考えられる。

※ 参考までに次頁に症例報告を記す。


 
 

薬剤師会薬局

 

[広報]

会議報告

【理事会】

日 時
平成8年11月18日(月)午後7時30分
出席者
藤原会長、細井、光安、篠崎各副会長、南島専務理事、川上、入江、市花、市原、冨永各常務理事、中野、小松、千阪、山本、白木、田中各理事、井原監事

議 事

1.会長挨拶
 現在の執行部になり早や8ヶ月過ぎ、各委員会も軌道にのったことと思います。来月10日の臨時代議員会では、補正予算を主とした事業計画の提案を行いたいと思います。
又、介護保険と在宅医療ときってもきれない関係−その中における薬剤師の役割、位置付けを確固たるものにするためにも、今攣いっそう努力してゆきたいと患っています。会の運営がスムーズに末端にまで伝わるような会でありたいと望んでいます。

2.報告事項

3.協議事項
(1) 臨時代議員会・総会
 ・12月10日火曜日午後7時に市薬で開催
 ・12月17日火曜日午後7時(福新楼にて)理事・支部長持出合同会
(2) 在宅医療関連事業の進展について
 ・市薬の事業とし南区がモデル地区となって取りくみ、在宅委員会があとおしする。
(3) 医薬品情報委員会の設置について
 ・「くすりの相談窓口」を開設し、委員会を設ける。
(4) その他

4.学薬・勤務薬・商組・女子薬報告
 ア 学校薬剤師会
  ・11月13日全国大会で木村先生大臣表彰
 イ 勤務薬剤師会
  ・11月21日武田薬品で例会
  ・新年例会は1月14日、八仙闇で開催予定
 ウ 商組・広告に店名、管理責任者の氏名の表示のないものがあるので、再確認。
  ・規制緩和に伴い医薬品の有効性、安全性をアピールしていく。

(Ma.H.)


【支部長会】

日 時
平成8年10月23日(水)午後7時30分
出席者
藤原会長、細井、光安、篠崎各副会長、南島専務理事、川上、入江、市花、北島、市原、冨永各常務理事、長谷川監事、藤野、木原、梅末、松島、本村各支部長、井上(南区専務)
議 事

1.会長挨拶

先ず20日の選挙の件でございますが、酋さま方には一所懸命頑張って頂きまして、結果的には満足のいく成績であったと思い、そのことに関しましてお礼申し上げます。なお初めての選挙でありましたのでいろいろ出だしの頃三師会でぎくしゃくした面もありましたが、結果的にはよく協調でき、次にこういう形でやるのであれば、よき反省材料として考えていかねばならないだろうと思います。

しかし、大きな成果がありました。特に、各区毎の対応でございましたので、県会議員、市会議員の先生方が、一所懸命に頑張られました。また、それと同時に、我々もそれに対応してきましたので、大きな評価を得ました。.会の事業を進めて行く上において非常に役に立ったというのが一番大きな成果ではなかったかと思います。皆さんどうもご協力ありがとうございました。

選挙も終わりましたので、市薬としましても各事業に取組まなければいけないわけで、今まで6ケ月たちまして、だいたい主な常置改革も進んでいます。これからは、各委員会共、中味を詰めていかなければならないと考えております。また、後程、それぞれの委員会から報告があろうかと思いますので、詳しいことは申し上げません。それから昨日、県の各区の連絡協議会がございまして、表彰お祝いがございました。福岡県知事表彰を木原先生が受賞されております。おめでとうございます。

それから欠席された支部長先生もおられますので簡単に主なことだけ申し上げておきます。梶原先生のご挨拶の中で、「規制緩和問題が、日薬レベルで決起大会が10月5日開催され、その中で保険医療審議会が出している案、これは、規制強化それに反して、OTC薬の規制緩和になろうとしている。 そのへんの矛盾をこれから突いていかなければならない。それと政治力を使う」ということが、対策の中味でございました。

委員会報告の中では、社保委員会の方から、薬剤情報提供これが中心となっていきましょう。分推関係も薬剤師法の改正の問題でございますが、情報提供料が受けられます。これについては、日薬レベルでの対応中です。それから、後程出てまいりますが、九大のオーダリングが1月から始まるということについては、県薬も詰めを行なっておりません。

その他、いろいろありましたが、議題の中で、顧問弁護士ですが、県にひとりおいて、市はどうするかということを検討しなければなりません。

それから、規制緩和対策については、休日夜間の対策を在宅委員会で検討されてみてはどうでしょう。

最後に、本日の資料の中に7月時点での未入会の薬局一覧を入れておりますので、支部長先生方の‘ご協力をお願い致します。

2.委員会報告

3.協議事項
(1)九大事業移管問題について
 ・12月に臨時代議員会・総会を開き、補正予算をかける。その折に九大事業移管問題を話し合いたい。オーダリングが出ると院外が減るかもしれない。
 ・県から市へ移管するようであれば300円を考える必要がある。
(2)日薬学術大会参加について
 ・各区の参加者の確認
 ・旅費は後払いにしたい
 ・懇親会は自己負担です
(3)その他
 ・手島市議より、市に薬剤師のポストを作りたい、との意見があった。
  市の行政改革については三師会共同で歩調を合わせていく。
  区役所の職員の中には、薬剤師が40名程在籍しているので役立てたい。
 ・支部長は薬連の役員であることを認識して頂きたい。
 ・建議機関を作る必要があると思われる。
  拓薬会、薬誠会の活動が認められ、評価が高く、三師会の評価が改まった。


支部長会を傍聴して

開会して、会長あいさつが始まった。薬連の三師協調に対する支部長への感謝の気持ちが、文面では表わしにくいがよく伝わって来た。少々残念だったのは、あいさつの中で委員会報告の中味にふれられた点だ。ここであまり触れると常務理事の報告が2度聞きで、この点は報告中、又は最後に補足されるべきではなかったかと思う。委員会報告に入ってからは、南支部より新鮮な印象の質問が多く出され盛り上り、意義多い会となった。それだけに、支部長の席が一席空席で代理すら出されていなかったことを残念に思った。

薬剤師法改正に当り、管理薬剤師の研修会を行なうという点で、某支部長より管理薬剤師を研修に出すと、管理職を降りたいと言い出すのでこまるという意見が出た。薬剤師とはまだこの程度の意識しかもっていないのか。三師会の中でこのような点が自分達の地位を下げているのではないか。情けない。

自賠責の問題は、今が第1歩といっも思っておかなければならない大変な仕事のようだ。社保委員の諸先生方よろしくお願いします。

服薬カレンダー定価販売でなければ、お貸しする形をとってもらうよう、定価又は0でお願いしますとのことだった。

まだまだ議題は底知らずのようだ。役員の先生方本日はどうもお疲れまさでした。

(K.T.)


日 時
平成8年11月21日(木)午後7時30分
出席者
藤原会長、細井、光安、篠崎各副会長、南島専務理事、川上、入江、市花、北島、市原、冨永各常務理事、井原監事、藤野、木原く梅末、松島、本村、吉田、末田各支部長

議 事

1.会長挨拶
 新執行部発足以来8ケ月となった。市薬としてようやく軌道に乗ってきたと言える。
 今年度新規事業を行うことに伴い、新たに補正予算の編成を行いたい。この審議の為、臨時代議員会・総会を12月10日(火)に予定している。多くの会員に出席頂き今後の活動について理解と協力を頂きたい。
2.委員会報告
3.協議事項
 (1)臨時代議員会・総会の開催について
 (2)在宅医療関連事業の進展について
 (3)医薬品情報委員会の設置について
 (4)その他
   支部単独事業に伴う予算とその運営について

(K.K.)

委員会報告

※11月30日提出分までを報告します

【組織委員会】

日 時
平成8年10月11日午後7時
場 所
すし幸本店
出席者
細井副会長以下組織の役員、南島専務、委員、市薬職員、深見会員(南区)

議 事

反省点を各先生方より話して頂いた
・組織委員の方々は、識別出来る帽子か腕章を付けて欲しい。
・優勝トロフィーの返還がなかった。
・ゼッケンの装着等に手間取り試合開始が遅れた。
・掲示板が見にくく、又、進行案内が十分でなかったので、戸惑う人がいた。
・城南支部のチーム構成について再考を促したい。
・女性の参加について検討して欲しい。他


日 時
平成8年11月15日(金)午後7時30分
場 所
すし幸本店
出席者
藤原会長、細井副会長、南島専務、川上常務理事、小松理事、吉村、見元、福岡、東、松浦各委員

議 事

○C会員の処遇
・来年の3月末をもって廃止する方向で検討
○未入会薬局の状況
・支部別に分類し、各支部長に提出。今回の支部長会議の時に現状報告をお願いる予定。
○来年1月12日(日)の管理薬剤師の研修会
・薬局委員会と12月初めに内容の最終討議をする。
○ボーリング大会
・各支部の委員の方々に、計画表、並びに参加者リストを配布。次回の組織委員会迄に、参加者名簿の作成をお願いした。
 又、競技規定についても来年の組織委員会で決定確認の予定。
○定款改正及び選挙規則
・定款については、会員資格から代議員の選出方法、あり方・‥。
・選挙規則について、選挙の有無から選挙になった場合の方法等について継続審議。


【広報委員会】

日 時
平成8年10月12日(土)午後7時30分
出席者
細井副会長、北島常務理事、伊東、上村、津田、堀之内各委員

議 事

・各原稿を集める(次号掲載分)
・委員会報告原稿の作成(コピーして掲載用に赤ペン添削作業)
・7月号、9月号市薬ジャーナル掲載分の写真の整理
・9月号の礼状、記念品の送付の確認
・第29回日本薬剤師会学術大会への出席、取材の振り分け

日 時
平成8年11月6日(水)午後7時30分
出席者
藤原会長、細井副会長、南島専務理事、北島常務理事、戸田、上村、伊東、堀之内、東、津田、小松各委員

議 事

○1月号の予定報告
・日薬大会の報告
・“急患センターに出勤して”を題に2名書いてもらう。
・市薬事務局のコーナー、お知らせ等のページを作る。
・製剤実習(薬局委員)の取材
・薬連のページの原稿収集について
○11月号の校正
・委員会報告の簡素かつ充実化をどうしたらよいか。
・薬連のページをどの位置に入れたらよいのか。

日 時
平成8年11月30日(土)午後7時30分
出席者
細井副会長、北島常務理事、伊東、上村、小松、津田、戸田各委員

議 事

○新年号の原稿の収集・日薬長崎大会の特集のため原稿、写真がいつもより多い。
○今回は作業の合理化(時間短縮)のため一校(第一校正)は北島常務に一任(新しい試み)。二校は各委員が分担して行う。
○構成を今までとかえて表紙から数ページはグラビアにしては?という意見を採用して新年号で試みる(予定)
○表紙の写真を工夫したい(カラーに?)
○広告を市薬ジャーナルにのせることの是非を検討
○広報委員会の予算が心細い
・支出の明細の検討(発送費など)
・毎号80ページを越えている
・今年度は実質4、5、7、9、11、1、3月号の年7回発行予定。
・外部の方などの原稿増で謝礼もジャーナル送付料も増えた(その他諸々のそれなりの事由有)


【在宅委員会】

日 時
平成8年9月26日(木)午後7時30分
出席者
入江常務理事、田中、蔵元、下瀬、浦上、原田、柴山各委員

議 事

○ホットライン提供用紙の件
・薬局ホットライン紹介データー用紙作成の見直し
○その他
・在宅処方箋応需申請薬局の名簿作成
・手島敏文(福祉と薬剤師の接点)講演会の協力要請
・中央区在宅定例会の報告

日 時
平成8年10月9日(水)午後7時30分
出席者
入江常務理事、原田、蔵元、光安、下瀬、冨田、田中各委員

議 事

○市薬薬局からの情報提供
・薬剤服用歴管理指導記録簿内容のチェック項目と薬歴簿見本
○木原先生からのお願い
・原三信病院からの在宅処方箋を現在双和薬局が応需しているが手いっぱいのため協力要請あり
・双和薬局から在宅処方箋の依頼の斡旋→各支部在宅委員→患者の近くの薬局を紹介
○やさしい介護
・高齢者在宅介護サービス、高齢者福祉のあらましのプリントを各薬局へ配布(保険薬局)
○服薬カレンダーについて
・各支部へ10部配布(各支部で有効に活用されたし)
・市薬でカレンダー斡旋(担当田中さん)、販売中〔定価 2,380円〕
○1,500円のフィーのカウントの仕方
・1人につき1件、1,500円(月に何度しても1件とみなす。月が変わればよい)月1回
・内容は広い範囲の事で良い(例えば…お元気ですなど)
・ホットラインにのせた以上毎月、薬剤師からみた月1回の情報を継続する事。
○ミニドック、各種ガン検診について各薬局に配布済など支部状況報告される。

日 時
平成8年11月13日(水)午後7時30分
出席者
光安副会長、南島専務理事、入江常務理事、馬場、蔵元、下瀬、浦上、原田、柴山、伸上、田中、井上、吉田各委員

議 事

○手島敏文市議講演会の反省
○長崎日薬大会の報告
○各支部状況報告
○日本薬剤師会から要請のあった「在宅医療における薬剤使用の実態調査及び事例集作成事業」をうける南支部井上先生のお話し事業実施日的、計画、予定期間、内容など
○提 案
・各保健所で「ホットライン」についての勉強会の実施のお願い
・各保健所の主査と在宅委員の会議の実施のお願い
○健康保険組合連合会から「高齢者介護サービスに関する調査」協力要請について


【市薬薬局委員会】

日 時
平成8年10月8日(水)午後7時30分
出席者
光安副会長、南島専務、川上、入江、市原各常務理事、山本理事、江田、江崎各委員

議 事

○市薬薬局入口ドア改善の件
・西岡設計より見積りは10万円下がると連絡あるものの自動ドアにすれば車イスが入らない。とりあえず、ストッパーをつけてドアーの開くのを防ぐ案を西岡設計に依頼する。
○市薬薬局9月の報告
○9月26日集団個別指導の報告
○11月29日大阪より三師会・保健所合同の察予定


【薬局委員会】

日 時
平成8年11月14日(木)午後7時30分
出席者
光安副会長、冨永常務理事、中野理事、加藤、真鍋、占部、満生、行実各委員

議 事

○西区薬局委員
・石郷先生より占部先生に交代
○薬草観察会反省
・会員講師の場合、講師料を値上げしてはどうか
・備品(腕章、名札等)の確認
○各区健康フェア報告
・薬草展、薬酒、健康茶、体脂肪計、野菜 (医食同源)、消毒薬(0−157)、パネル、ミニ講演会等を行った。報告書を県薬に出す事(市薬でまとめて)。
○市薬実態調査
・分析して今後活用していく。
○県薬実態調査
・集計業務をやるのかどうか。分析して今後活用していく。
○薬局製剤研修会
・市薬薬局に備蓄を希望していた薬品は、備蓄完了(ジャーナルに載せる)。
・次回は12月5日(木)感冒剤14号を予定。必要な器具を報告しておく。
○くすりの相談窓口の件
・非常によい事だが専任を1人常駐してもらう。具体的に検討する必要がある。
○休日夜間対応策
・今後必要になってくる。青森県薬の方法を一例として各支部に持ちかえり検討してもらう。
○管理薬剤師研修会
・平成9年1月12日 明治生命ホール 
行政側
・薬務課より中島先生…薬事法改正について 
日薬側
・中西常務理事…薬局のグランドデザインについて


【社保分推委員会】

日 時
平成8年10月15日(火)午後7時30分
出席者
光安副会長、市原常務理事、藤田、山本各理事、江藤、田中(範)、森、鶴原、吉田(理)、北、瀬尾、吉田(徹)、川原、荒木、田中(さ)各委員

議 事

○安田火災の方からの話
・交通事故の自賠保険について(強制)
 自賠責保険→対人に対してのみ ケガ120万円(最高)
 任 意  →うわのせ保険
      自動車   
  死亡・後遺症3,000万円(最高)
 自賠責保険をカバーするもの(日算会)
  調査事務所へ送る
 保険会社 60%→政府からお金が返る
      40%→プール
・自賠責保険審議会がいろいろと話し合う
・任意保険会社が自賠責もする(一括払)
・昭和59年に答申が出る。労災に準ずる請求方法にしようという話が出る(基準案として)
〔労災指定申請書指定薬局に関わる請求書、内訳書〕……市薬に準備

〇九大病院、平成9年1月4日からのオーダリングについて
○実態調査、九大、南福岡(末配布)、医療センターへの資料の配布
○急患センターの平日夜間対応→小児科の方を特に。アンケートを配る。
○労災他院外で処方せんが出る様になる。

日 時 平成8年11月12日(火)午後7時30分 出席者 光安副会長、市原常務理事、山本理事、江藤、田中(範)、森、鶴原、遠藤、吉田(理)、北、清水、瀬尾、吉田(徹)、川原、荒木、田中(さ)各委員 議 事 〇九大病院応需薬局第3次募集について ・12月7日申し合わせ事項説明会  実習について  応需薬局の要件について ○処方検討会 ・支部の処方検討会の見直し ・検討会の本の作製 ○モニタリングレポートの活用(医師への情報フィードバック) ・相互作用・重複投与など
日 時
平成8年11月12日(金)午後7時30分
出席者
光安副会長、市原常務理事、山本理事、江藤、田中(範)、森、鶴原、遠藤、吉田(理)、北、清水、瀬尾、吉田(徹)、川原、荒木、田中(さ)各委員

議 事

〇九大病院応需薬局第3次募集について
・12月7日申し合わせ事項説明会
 実習について
 応需薬局の要件について
○処方検討会
・支部の処方検討会の見直し
・検討会の本の作製
○モニタリングレポートの活用(医師への情報フィードバック)
・相互作用・重複投与など
・ドクターと共により良い薬物療法を目指して
○アポネットの設定について


【学術委員会】

日 時
平成8年10月3日(火)午後7時
出席者
篠崎副会長、市花常務理事、千阪理事、豊福、藤田、橋口、石飛各委員

議 事

実務研修会反省
・申込者37(会員25+非会員12) 
 出席者 1日目32名、2日目33名、3日目35名、4日目33名。
 実習希望者12名(Bクラス4名、Cクラス8名)市薬薬局にて。
・出動者のゆとりがなかった。受付1名必要(出席、遅刻、早退、キセルのチェック)
・テキスト30冊程度残っている。来年度それを消化する方向で検討(定員を限ってやるのはどうか、資料として古くなった部分は別綴で補う)
・締切がおそく、人数の把握が難しかった。(早めに締切らないと資料の準備が大変)
・終了証 当日手渡す手配が大変だった。後送も考える。
・初日に受講の心得(遅刻、早退)を伝える。
 マナーが悪い。
・案内書に出席完了者の終了証を発行することを明記する。
・休み時間が必要
・県薬ステップアップセミナーとの関係を検討(市薬をより実践的なものにする)

学術研修会について
・11月20日(水)循環器丸岡先生
・1、2月でピル関連の薬物
・学術研修会予定・講演のスライドのコピーを資料としてほしい。
・イス用収納台車を要望する。
・受講者多数の時の為に第1会議室にテレビをおろす事を検討してほしい。
・帰りに非常口のカギ、トイレの窓のチェックを。
・受講者にイスを片付けて帰る様、司会が要望する。

次回学術委員会
・11月12日(火)3月以降のテーマ検討の予定

日 時
平成8年11月12日(火)午後7時
出席者
篠崎副会長、市花常務理事、千阪理事、豊福、藤田、橋口、石飛各委員

議 事

・11月20日学術研修会 役割分担について
・1月  薬物療法 ピルの種類と特徴
・2月19日中村先生学術研修会(婦人科)
・3月  免疫又は眼科疾患(単発又は2回シリーズ)
・来年度ターミナルケアについても単発で入れる(麻薬製剤について)
・薬局実務研修会のアンケートの分析・‥千阪(次回委員会までに)
・来年度の薬局実務研修会のアンケートの内容検討…千阪、橋口(次回委員会までに)


【急患委員会】

日 時
平成8年9月25日(水)午後7時30分
出席者
光安副会長、南島専務理事、市原常務理事、成澤、中尾各委員

議 事

・平日・夜間アンケート結果の分析 ・準夜・深夜連続勤務及び専任制の検討 ・その他


日 時
平成8年11月6日(水)午後7時30分
出席者
光安副会長、南島専務理事、市原常務理事、成澤、中尾各委員

議 事

・新規出動者説明会10月16日(水)午後7時
 報告(5名)
・12、1、2月の出勤表の作成
・医師会との話し合いの報告
・平日夜間専門希望者について

支部だより

【城南支部】

平成8年度第10回福岡市城南区健康展
日 時
平成8年10月8日(水)
午前10時〜午後3時
出席者
松島、合澤、瀬尾、坂田、前田、中山、山本、東(ロ)、田代、松田、田原、東(ラ)、満生
議 題

今回のミニ講演会では、あいざわ薬局の合澤先生から「薬との上手な付き合い方について」の講演があり、薬局と薬店の違いや、お薬の種類・保管方法、上手な服用法、外用薬の使い方、お薬をもらったときの注意、かかりつけ薬局についてひとつひとつ例をあげながら分かりやすく説明がありました。

そのはか城南区医師会、城南区歯科医師全から、それぞれ約30分はど講演があり、100人ぐらいの方が熱心に聞かれていました。

城南区薬剤師会では、お薬相談コーナー、「処方せんもらったら・‥(3枚組)」「かかりつけ薬局」「学校薬剤師」「薬局製剤」「薬剤師の日々の業務」etc…のパネルや薬草の展示、健康茶‥・3種類、薬用酒…5種類の試飲。

市薬より用意してもらったカルシウムウエハース、タケダなどの健康食品、かかりつけ薬局、家庭害虫の手引き等のパンフレットの配布を行い好評のうち無くなりました。

今回、薬草の展示では、油山から採取してきた薬草の鉢植と中山先生(占部薬局)が採取してこられた薬草約50種類を展示しました。

健康相談では、12人ほどが相談され、服用している薬の安全性から、家族や本人の病気の事、健康食品などの相談があり、300人程が健康茶の試飲や、展示の見学に来られました。

今回も、展示についていろいろと話し合いましたが、なかなか名案が浮かばず、去年と同じような展示になりました。

お忙しいなか、健康フェアにご協力していただき有難うございました。 

(満生活士)


忘年会
日 時
平成8年12月6日(金)午後7時より場 所 愛光(城南区荒江)


【東支部】

新年を迎えて
☆会長より

新年明けましておめでとうございます。

本年は、薬事法等の一部改正、医療費改正、規制緩和等大変な問題をかかえた年であります。これらの諸問題を市薬を中心として、東区薬剤師会も全面的に協力して解決していきたいと思っております。

東区は人口26万人をかかえる一番人口が多い区です。これら東区民の医療と福祉を考えながら、医師会、歯科医師会、保健所と団結協力して、東区薬剤師会を運営していきたいと思います。御協力を御願いします。

追伸

父藤野義彦が昨年11月11日に宮中春秋の間において勲五等双光旭日章を賜りました。その折福岡市薬剤師会の先生方の御厚意で祝賀の宴を催して戴きありがとうございました。紙上をおかりしまして御礼申しあげます。         (藤野哲朗)


☆副会長より

今年を良い年にするのも、悪い年にするのも貴方しだいです。貴方の知恵と汗にかかっています。

今、時代を考え観察すると見えてきますか。信じようと信じまいと体制がきしんでいます。東西ドイツがドイツになり、ソ連の共産主義が終り、連邦は崩れ、多数の独立国を産み出しました。アフリカにおいても、民族戦争は各所で続き、難民が生じ、子供達はゴボウのようになって餓死しています。

日本においても、ワイロが今だに通用する政治、官僚の世界が存在しています。ワイロは市民を裏切り、市民の怒りを呼びます。日本にも市民という考えが定着するでしょう。この考え方が全く想像できない新しい世界を創りだすでしょう。この事は、江戸時代の末期から明治時代への変化の時とよく似ています。

未来が過去のデータで全くわかりません。すなわち江戸時代の考え方では明治時代は、わからないという事です。江戸時代の人達が未来においてチョンマゲを切るという事が想像できたでしょうか。武士がいなくなり、身分制度がなくなるという事を、だれか一人でも考える事が出来たでしょうか。

私にもこれからの10年はどうなるか、想像がつきません。多分今の医療制度は、大変形をしていることでしょう。薬局も変ります。介護保険が発達していくと、薬局がデイサービスセンターやデイケアセンターを自分の薬局の2階に作り、フィーを獲得するようになるでしょう。町の福祉の情報発信及び着信の重要拠点の店となっていくでしょう。

各自が自分でしっかり考え、いかにしてしぶとく生き残るかが大事な事です。一人では出来ません。薬剤師会を大事にしましょう。

(入江理裕)


☆副会長より

福岡市薬剤師全が新執行部になり、支部活動の活性化を計るということで、新体制が発足致しました。

平成8年の春頃、新東区会長の藤野哲朗先生より、「名前だけでも」という言葉で、つい首をタテに振り、受けてしまいました。自分の能力も省みず、受けて後悔することも度々でした。しかし、役員会も何度か行なわれる内に(11月こそ休みましたが、7月から毎月実施)出席率も良く、会議もスムーズに話合いがもたれる様になってきました。健康フェアーに対しても、皆様の協力でチームワーク良く成されました。発足当時と比べても、ムードがずいぶん変ってきた様に思われます。

任期(2年)も残すところ1年と一寸ですが、東区の和をもっと青くむと同時に、中央で行なわれている事を支部長(東区薬剤師会会長)を通じて、少しでも多く末端に伝えるパイプ役を務めたいと思います。

旧年中の御協力を感謝致しますと共に、新年度も引き続き、宜敷くお願い致しまして、御挨拶とさせて頂きます。

(加藤正剛)


☆会計より

「どうして東区は今年から区薬剤師会で6千円とるようになったの?」という質問に、会計の立場から答えさせてもらいます。

昔、区の薬剤師会としての仕事や集まりは、今はど多くなかったように感じます。ところが数年前、九州大学病院や旧国立中央病院などの広域病院からの面分業が始まり、各区で処方検討会が開かれるようになりました。東区はよその区に比べて面積が広く、文字どおり東のはずれで会員も点在しております。それで処方検討会や理事会を開催するとき、天神や博多駅の様に電車やバスなどの公共交通機関の路線が集中する場所が少なく、どうしても車を使用せざるをえない会員もおり、自然と会場が限られてきます。

よその区の様に公共施設を利用したり、メーカーや問屋の会議室を貸していただいたりできるといいのですが、駅から遠かったり、帰り道が真っ暗だったりで不安がありました。

そこで、国道3号線沿いでバス停もあり、市営増下鉄の駅からも近く、また、JRの駅にも歩いて行けるリーセントホテルを利用することになりました。車でおいでになる会員の為の駐車場にも、余裕があります。

公共の宿ですから、一般のホテルよりは安く利用できるのですが、やはりホテルです。どうしても会場費がかさみます。このままでは、区薬剤師会の貯えが底をついてしまいます。それで、去年の総会で年間6千円の会費の徴収が決まりました。

せっかく集めた会費です。会員の皆様、処方検討会等のお知らせが行きましたら、ぜひ御出席ください。東区薬剤師会では、会員の皆さんの出席をお待ちしています。

(馬場正佳)


☆社保・分椎より

明けましておめでとうございます。

今年も色々な面で厳しい年になりそうですね。毎年元旦になると今年こそは悔いのない充実した年にしたいと平凡な願いを持つのですが、なかなかうまくいきません。3年前に社保分推委員をおおせつかり、何もできないまま月日のみが確実に経過し、果たして東支部会員の皆様に何らかのお役に立てているのかと、疑問に感じております。

昨年何気なく目にした本の中に、EQ(心の知能指数)という言葉があり、大変興味深く感じました。人間の真の能力はIQでは判らない。能力の差(特に社会に出てから)は王Qの高さよりもEQによるのではないかと。全くその通りだと大変共感を致しました。心の知能指数の高さが、本当の意味で聡明な人間と言えるのではないでしょうか。五十路を越えた私には、IQを高める事はいまさらもう不可能に近い事ですが、もしかすればEQ指数のUPは可能かも知れません。IQよりEQ!EQ UPをを目指して少しでも努力をしてみましょう。

これが、今年の私の課題です。一人ひとりがEQ UPを目指せば、何かが、もっと少しずつ変わっていくのではないでしょうか。自制、熱意、忍耐、意欲、思いやり、協力、調和などを含んだ心の知能指数=EQです。東支部会昌の皆様、あと少し任期が残っておりますので、田中先生共々及ばずながらも努めさせて頂きます。

今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

(江藤克己)


☆広報より

新米広報委員の私は皆様と作業を重ねていくなかで、広報委員の仕事が私なりに見えてきました。

市薬ジャーナルは、会からのお知らせなどを早く正確に伝えるだけでなく、会員一人一人の現場の要望を広く集め議論や親睦の場であり、皆様に愛される会報でありたいと願っています。難しい仕事ですが、やっと目標が定まりました。

今年は新しい目標に向ってモーと進みます。 原稿をお願いする事がありますが、どうぞ忌樺のない御意見を宜しくお願いいたします。

(伊東美穂)


第4回東区薬剤師全役員会
日 時
平成8年10月14日(月)
場 所
箱崎リーセントホテル

議 題

(1)支部長会報告
(2)各委員会報告
(3)東区健康展について

 今回の話し合いは近づく総選挙に向けての今後の方策(選挙事務所に出向き、電話をかける。人員の割り振りetc)と17日(木)に近づいて来た東区健康展の準備(16日午後からの会場づくりや、17日当日の協力者の割り振りetc)がメインテーマでした。
(1)選挙は善戦はしましたが残念な結果となりました。
(2)東区の健康展については多数の皆様の御協力により、無事に盛会のうちに終了できました。

(加藤正剛)


支部対抗ソフトボール大会
日 時
平成8年10月6日(日)午前9時30分〜
場 所
武田薬品流通センターグラウンド

遅ればせながら、東区のソフトボール大会報告です。会員の協力により若手の出場も増え始め、将来に希望の持てるチームとなっています。一番の若手は八田調剤薬局楠本先生の坊やです。「パパ、ポクが一緒にプレイできるまで待ってて下さい。」 熱戦の結果は3位でした。ジャンケン順位決定戦で勝運も強かったのです。(事務局のお嬢さん方、御協力ありがとうございます。)


年明けて、ボーリング大会があります。腕に覚えがある方もない方も御参加下さい。

(吉村きく子)


福岡市東保健所「健康フェア」レポート

平成8年7月から薬局委員会で話に出ていた健康フェアが東保健所でも、保健所と三師会とのタイアップで10月17日(木)に実施されました。

東区薬剤師会の役員会も8月、9月、10月と各月に行なわれたが、各回に話合いがもたれ、10月14日に行なわれた役員会で、16日(水)の準備と17日(木)当日の出てもらえる先生方の最終確認で、延べ人数が14人とかなりの協力が得られました。

16日(水)8時からの会場準備では、20鉢以上の薬草、市薬と県薬から借りたパネル約20枚、それから薬局委員、国武先生に造って頂いた薬用酒数種類と、健康茶の試飲コーナーで約10畳位の部屋は一杯となりました。
 それから、光安副会長からのお声かけなどで、メーカーからのビタミン剤や、健食のサンプル等もかなりの量が集まり、「身近な薬草」とセットにしてビニール袋に入れ、来訪者にお土産としてお渡ししたのも、結構、お年寄りたちにも好評でした。 17日5時には終了しましたが、それから後片づけ、パネルや薬用酒の返却、人数も多かったので、スムーズに終える事が出来ました。


来訪者は400名は越えた様に思われ、大盛会で終了する事が出来ました。 多数の皆様の御協力を感謝して、ここに報告いたします。

(加藤正剛)



【西支部】

西区政の健康フェア
日 時
平成8年10月9日
場 所
西保健所

花火でも上げて、区民の方へフェア開催を知らせたいほどの秋晴。薬のコーナーで目立つのは、やはり20数鉢の薬草と、昨日雨の中あわてて買い揃えたハープの鉢は、薬草全体が実に生き生きしていて、好印象を与えた。長期間愛情をかけながら栽培された、早良支部の宝物を借用したものだそうだ。当然区民の方々にも神秘さでキラキラ光りながら薬草の魅力をばらまき、おかげで私は質問のあるたびに、発汗を催し、中野先生の元へ走り、知識を借用し答えとするか、『福岡県の薬草』を速読し質問に応じた。

今回のフェアでスター!が誕生した。支部長提供の体脂肪計で若い女性軍団、そうでない方々、男性の方々までの人気を独占し、支部の先生方、訪問の方々の脂肪率を算出する等で、開催時間中ご苦労をされている様子であった。

私は時折の薬草の質問の取次と配布物を担当し、楽をさせてもらい、忙しく区民へサービスをしておられる先生方のバックには、紅葉した秋の高原にでも立った様なタッチで描かれた横数メートルもあろうかと思える大風景画(中央区のご好意により借用の品)がまさに秋の健康フェアの実施を表現していた。

(占部吉事)

 
西区三師会

11月15日(金)五福にて、三師会を行った。

 酉区、医師・歯科医師・薬剤師各役員が集まり、30名程度の出席で午後7時より開催した会も盛上りを増す中、午後8時30分には太田誠一代議士も東京よりかけつけ、当選の報告と心にも達するほどのお礼の弁を告げられた。




【早良支部】

早良区薬草観察会

10月20日、選挙投票を早々に済ませて早良区の薬草観察会に集まった講師の先生方は、9時前より坊主ヶ滝に登り、名札をつけてまわりました。15日に行なわれました市薬薬草観察会の名札用の針金が失くなっているところもあり、落ちないように枝にかぶせるなど苦労してつけて回りました。早良区の保健所との共催は、第1回目ということで先生方も幾分緊張気味でした。5班に分かれて、1班がそれぞれ12名ほどずつを担当して観察会に当たりました。
 1班 有馬  純
 2斑 本村 精也  上村 義徳
 3斑 清水 達三  行実 公男
 4班 西岡 啓子  本村 敏子
 5斑 西岡 正敏      (各先生)
以上のメンバーであいれふとの市薬薬草観察会と同じ道を登っていきました。保健所から7名の出席者があり、大変盛り上がりました。



班の人数が12名ほどだったのが非常に良かったのではないかと感じました。講師の先生方のお話も充分に聞け、皆さん満足されて是非来年も参加したいという方が多かったように思います。

後半になって1週間前には咲いていなかった白いセンプリの群生に巡り合い、センブリを見るのは初めてという方、30年ぶりという方などいらっしゃって、大変盛り上がりましたが、くれぐれも持って帰らないよう、先生方は声を大きくして指導しておられました。

(行実公男)

早良区薬剤師会役員会

日 時 平成8年12月13日(火)午後7時
場 所 うを西
出席者 本村、清水、浦上、松尾、有馬、北、行実、上村、福岡、藤永、武内、西岡(正)、西岡(啓)以上13名

1.第37回臨時代議員会・総会議題について
 ・8年度歳入歳出補正予算案について
 ・九大病院事業移管に関する件
 ・九大病院処方箋応需第3回募集について
2.各委員会報告
 組織:ソフトボール大会の反省。早良区初の白星。ポーリング大会の件。
 在宅:ホットライン紹介の報告は市薬にもする。情報提供は有馬・西岡の2件。
 薬局:薬草観察会・健康フェアの反省。
   「くすりなんでも相談」窓口開設検討
 広報:写真の返還。
   「早良支部だより」は好評につき続行。
○早良区会員薬局実態調査
  早良区会員薬局数  77店
   西新部会     12店
   藤崎部会     21店
   原北部全     13店
   原南部会     11店
   早良部会     20店

役員会を終えた後、松尾先生の乾杯の音頭で忘年会を行った。鍋を囲んでの楽しい語らいとなった。日薬大会の話や、選挙の忙しかった苦労話や、薬草観察会、健康フェアの話が出て、反省会も兼ねた有意義なひとときとなった。特に保健所と共催した早良区での初めての薬草観察会は、保健所から7名もの出席者があったことを考えると、今後ますます発展させていくべきではないだろうかなど、全員の協力で各種イベントを成功させたことを祝いあった。

(西岡啓子)

※9月号P49の『早良支部』「在宅ホットラインとは」の1行目の「薬局の義務」は「薬局の業務」に、また10行目の「在宅医療義務」は「在宅医療業務」に訂正致します。


【中央支部】

中央区医師会・薬剤師会 ソフトボール交流試合

日 時 平成8年11月11日(月)午後7時
場 所 大楠小学校グラウンド

去る11月11日、医師会とソフトボール交流試合が行われた。中央区医師会は、ソフトボールにおいてかなりの実力を誇っており、薬剤師会も序盤は健闘していたが、中盤で医師会の猛打爆発し、大差のつく試合結果となった。


今回のような企画は久し振りで、これからも楽しみながらの交流を行っていきましょう。

(小松公秀)


【博多支部】

博多区健康フェスティバル

日 時11月2日(土)10時30分〜15時
場 所 山王公園 野球場
出動者 細井、木原、真鍋
来場者 350人 

博多区の健康フェスティバルは、博多保健所と「まつりはかた」の2会場に別れて開催され、薬剤師会は「まつりはかた」を担当している。健康づくりコーナーの2つのテントのうちの、1つか会場となる。お隣りのテントでは、歯科医師会のブラッシング指導、看護協会による血圧・脈拍測定と健康相談が行われた。薬剤師会では4種類の薬用酒と3種類の薬草茶を用意した。

会場が保健所のときは、所長や予防課長は、時々会場に顔を出されるくらいだったが、「まつりはかた」となると、保健所の職員さんたちは、つきっきりとなる。所長と予防課長は薬用酒を担当され、テントの前を通る人々に「飲んでみませんか」と奨められる。それに、試飲と称して、苦いだの飲みやすいなどと全種類口にされるものだから、ついついテント内はハイテンション。ちなみに、足達予防課長は女性である。

薬剤師会で準備したチラシや試供品は、保健所が作ってあった袋の中に「先生、食べるビタミンばやるけん、うちのも入れてぇ」と言いながら、独身の若い係長と一緒に詰める。 イヤ、正確には詰めてもらう。

斜め前のテントでは、社会福祉協議会長と衛生連合会副会長が、ずーっとビールの試飲(?)中。福祉事務所長は、職員さん4〜5人を連れて立ち寄られる。すかさず「一杯どうですか」と押領司所長。「来年から、健康づくりの旗を赤提灯に変えた方がいいっちゃないですか」と応酬される。そして、みかんの袋をぶら下げて「お疲れさん!」と差し入れられたのは博多区長。したがって、お昼ごほんはタコヤキと焼そば、そしてデザートはみかんとなった次第である。

このように、博多区健康フェスティバルは、少ーし風変わり。

(木原三千代)


第2回博多区在宅ケア懇談会

日 時 平成8年11月11日(月)午後6時半
場 所 博多保健所 講堂
出席者  博多保健所   所長以下7名(在宅ケア・ホットライン)2名
 博多区医師会     福嶋会長、木梨理事
 歯科医師会      佐喜真支部長、手島先生
 ステーション博多   万代管理者他4名
 ステーションおおはま 槙谷管理者他2名
 ステーションわかば  掘永管理者他2名
 博多区薬剤師会    木原会長、蔵元理事、森理事

今回の事務局担当は、訪問看護ステーション博多。万代管理者の司会進行で開会された。福嶋会長のごあいさつの後、今回から訪問看護ステーションわかばが参加されたことから、まずは自己紹介。歯科医師会は市の委員を務められる手島先生が初めて出席されていた。

【事例紹介】
@慢性肺気腫で、H4年から在宅酸素療法中の患者について(担当:双和薬局)
 初回訪問時、血圧降下剤と気管支拡張剤が患者の勝手な判断で、服薬されておらず、およそ1カ月分の薬が残っていたケースについて、森理事から報告された。
A脳性小児麻痺の53才の男性患者について(担当:博多保健所)
 家族のみで介護されていて、社会的なつながりはほとんどなく、校区ガン検診時の健康相談で、母親の話から存在を把握したケース。医師会を通じて主治医による往診、訪問看護ステーション、保健婦の訪問看護指導、ヘルパーの訪問などのサービス開始。また福祉機器の導入、住宅改造などもあり、QOLの改善につながったことが報告された。

次回は1月13日に開催。訪問看護ステーション『おおはま』と『わかば』が、事例紹介を担当されることを決めて終わった。

今回は今年最後の会議であり、保健所のご好意でコーヒーとケーキが出された。この懇談会は、保健所の講堂をお借りしているが、事務局は保健所と訪問看護ステーション博多が輪番制で担当されており、それぞれのセクションからは、仕事が終わってボランティアで参加している。

公費による食糧費が、マスコミで取りざたされているが、これくらいは許されるのでは?

第3回博多区薬剤師会「在宅医療懇談会」
  〜大同生命事業団助成の「地域保健福祉研究」について〜

1.日 時 平成8年11月27日(水)19:00
2.場 所 三井アーバンホテル福岡(博多警察署の隣り)
3.ご来賓 福岡市医師会長 多田秀敏先生
     福岡市薬剤師会 藤原良春会長、入江常務理事
4.出席者
 博多保健所          押領司所長、足達予防課長、大隈係長、早川主査
 在宅ケア・ホットライン    松本義子
 博多区医師会         福嶋会長、桑原副会長
                宮村専務理事、御鍵監事、木梨理事
 歯科医師会博多支部      佐喜真支部長、佐伯副支部長
 訪問看護ステーション博多   万代管理者
 訪問看護ステーションおおはま 横谷管理者
 訪問看護ステーションわかば  堀永管理者
 博多区薬剤師会役員
 会  長        木 原 三千代
 副会長         鶴 原   潔
 専務理事        森 川 公 雄
 理事(会計)      平 野 光佐子
 理事(在宅医療)    蔵 元 良 行
 理事(組織)      見 元 希 六
 理事(社保分推)    森   千江子
 理事(薬局)      真 鍋 登代子
 特別委員(市薬常務理事)市 原 和 郎
 監  事        田 代 義 徳
 ・部会長
 博多西         小 村 正 拾
 住  吉        冷 川   襄
 博多東         江 島 奈都子
 雑  餉        大 石   囲
・在宅薬剤管理委員
 博多南         石 井 雅 明
 板  付        山 本 幸 男
 博多西         安 元 由紀子
・損保問題特別委員
 住  吉        成 田 純六郎
 千代吉塚        今 富 静 子

5.協議事項

標記研究テーマについて

このような方々をお迎えして、第3回博多区薬剤師会・在宅医療懇談会を開催した。平成6年に初めて開催して以来、今回は第3回日を数える。昨年、第2回目には訪問看護ステーション「博多」を、そして今年は、新たに訪問看護ステーション「おおはま」と「わかば」を迎えることができた。

来賓としておいでいただいた、市薬の藤原会長は「福岡市の在宅ケア支援システムは、全国一のものが出来上がっている。このような関係職種間の連携があってこそ、薬剤師も医療チームの一員となりえる。今後、この懇談会がますます発展していくことを慮っている」と語られた。

福嶋医師会長は「こと、在宅ケアに関しては博多区は薬剤師会に引っ張られてここまできました」とごあいさつ。乾杯の後では、もっぱら厚生省の不祥事が話題になり、槙の席から「木原さん、押領司所長に酒ば飲ませていいとね?官民は、いいとかいな」と。歯科医師会の佐伯副支部長は、「ご案内にあった協議事項は、薬剤師会はしたことにしますと言われましたが、カラ懇談会じゃ…(!?)」と、大笑いで万歳のスリーコール。

いやいやご心配なく、決してカラ…ではありません。担当の蔵元理事と森川専務理事が、ちゃ−んと個別にお願いをして、協議はすませておりますので。

「税・サービス込み 飲み放だい〇〇〇〇円でも…?」。

(木原三千代)


(大同生命厚生事業団助成による研究)地域保健福祉研究について

【研究グループ代表者】
 博多区薬剤師会 会長 木原三千代
【共同研究者】
 九州大学薬学部 教授 澤田康文
【研究課題】
 在宅患者の服薬実態、その問題点と解析法に関する研究
 医薬品適正使用のための薬剤師による能動的活動
【研究期間見込み】
 平成8年4月から平成9年3月まで
【研究計画】
 平成8年11月末日 薬剤師による第1回アンケート調査実施
     12月10日 日本薬学会(平成9年3月開催予定・昭和薬科大)に講演要旨提出
 平成9年 2月   第2回目のアンケート調査実施
      3月   日本薬学会発表
      6月   日本病院薬学会発表



【南支部】

新しい年が明けて、21世紀に1年また近づきました。激動の葉業界を乗り切るために何ができるか模索中です、明るい21世紀のために頑張りましょう。

南支部は日薬のモデル事業「在宅医療薬剤管理実態調査」を行います。高齢化社会を迎えて、在宅医療の中で薬剤師の職能をみつける足掛かりの事業です。在宅委員会を中心に三師会、保健所にも協力をお願いして委員会を作りました。

介護保険の設立に伴いケアプランの中に必ず薬剤師が参加できるよう、力をつけておかねばなりません。薬剤師の目を通した在宅ケア、いい知識と知恵をお貸し下さい。

昨年の秋はたくさんの行事がありました。以下報告いたします。

(末田順子)

南区健康フェア

日 時 平成8年10月9日
場 所 南保健所

 南区健康フェアが保健所において開催された。南区薬剤師会では、薬草の展示、薬草茶・薬用酒の試飲、医薬分業・在宅ケアホットラインに関するパネルの展示、そして薬の相談コーナーを設けた。
 薬草の展示:約50種類
 薬草茶:美人茶、ヨモギ茶、めぐすりの木
 薬用酒:カリン酒、クコ酒、大喪酒、女貞子酒
 薬の相談内容
  *高血圧症、骨粗髭症、メニエル症、更年期障害、
   アレルギー性鼻炎、膀胱炎etc.について
  *エイズウィルスについて
  *HRT療法について
   HRT療法(ホルモン補充療法):(hormonereplacementtherapy)
   更年期障害などの治療に用いられる
  *Ca剤、V.E、養命酒の薬効について
  *食後服用とは
  *薬の飲み忘れ時の対処の方法
 配布パンフレット
  *医食同源
  *食べられる野の薬草50選
  *身近な薬草(福岡県の薬草)
  *身近な薬草・民間薬
  *薬用酒の作り方

午前10時の開催とともに、たくさんの方が来場され、午後3時の終了までに約200名の来場者とならた。

薬草茶、薬用酒の試飲も好評で、とくにテレビ・雑誌等で最近よく話題になっていた『めぐすりの木』のお茶が人気であった。

薬の相談コーナーでは、多岐にわたる相談・質問があり、午前中は席が空く時がないぐらいの盛況ぶりだった。

なかでも、薬草?の関心の高さはかなりのもので、栽培方法・食べ方・保存の仕方・採取時期・薬効など、質問がとても多かった。

来場者の多くが年配の方であったということもあり、健康を意識されている方が増加していることを実感した。また、テレビ・雑誌などの影響で、薬に関する情報がとても簡単に、そして詳細に得ることができる時代となり、一般の方が薬に関してかなりの知識を持っておられるということを感じた。

(東 千鶴)


南区薬草観察ハイキング報告

1.目的 自然の中で薬草観察を通して薬剤師の職能をPRし、地域住民との連携を深めていく。
2.内容 市政だより南区版にて応募
     応募者数 240名 抽選にて55名を選んだ。
     薬草約40種を観察
3.日時10月27日(日)
  場所 抽山市民の森
4.主催 福岡市薬剤師会商支部
  共催 南保健所

 これ以上にない素晴らしい晴天に恵まれ、皆さんに大いに楽しんでいただき大成功でした。
 油山管理事務所前の広場のアメリカフウ※は赤く色づき、青空に映えている姿に、皆さんの歓声が上がっていました。予備調査の時、松島先生の努力でセンプリ、オケラを見付けたときは、感激でした。当日は、有馬、大庭、末田の3人で指導、有馬先生は早良区より応援に来ていただき感謝、感激、ありがとうございました。

※アメリカフウ(マンサク科)
  北米中南部〜中米原産でモミジバフウともいい、フウとは楓の音よみである。
  街路樹などとして使われる。秋に美しく紅葉する。

 キンミズヒキ、ヌルデ、ホウノキ、ツルリンドウ、ヤクシソウ、アキノキリンソウ等、42種の薬草を観察。皆さん熱心にメモを取りながら勉強していただきました。「薬草クイズ」も80%の正解で熱心さがうかがえました。
 応募者多数により続けてもう1回開催して欲しいという保健所の嬉しい要望がありましたが、日薬学会と重なり、また予算の関係もあって、やむなくお断りいたしました。
 こんなに沢山の住民の参加希望があることはとても嬉しいことです。
 薬剤師会のPRもかねて、次年度は、もっと盛大に行いたいと思っています。
 いろいろ協力していただきました保健所の皆様方、南区薬剤師会の先生方ありがとうございました。

(末田順子)


南区薬剤師会3年連続優勝!
−保健所を加えた南区三師会ソフトボール大会−

第3回目を迎え、南区三師会の恒例行事となった三師会対抗親善ソフトボール大会は、11月10日(日)に前夜の雨もあがり、絶好のコンディションとなった南区長住公園野球場で盛大に行われた。今年は、南保健所も横田所長を筆頭に、南警察署、南消防署の応援を得て、連合チームとして参加され、4チームによりにぎやかで和気あいあいのムードの中にも真剣なプレイが随所に見られ、好試合が続いた。

開会式では、各チーム代表者の挨拶があったが、その中に南警察署代表者から、オーム事件指名手配中の容疑者の顔写真が示され逮捕への協力要請がなされるなど、それぞれの 職域と職能を越えて一致協力する雰囲気がさらに前進した。

試合ルールは、事前にキャプテン会議で話し合われ、10人制でDH(指名打者)を加えて12人まで打順に組み込まれる特別ルールで行われた。薬剤師会は次のメンバーで試合にのぞんだ。

大会は、薬剤師会が先日の市薬支部対抗ソフトボール大会で優勝チームの城南支部に惜放したウップンを晴らすように、見事なチームプレイを見せ、3年連続優勝を果たせた。



試合は木村前市薬会長が2試合完投で、与四球0、スリーボールになったのも一度だけという大変安定感のある打たせてとるピッチングを見せ、それを全員の好守で守り切るチームカラーが発揮されて、危な気なく勝ち進んだ。

勝因は、木村投手の若さ(?)あふれる老檜(?)などッチングに引っ張られて、全員が各々の実力以上のものを出したチームワークであった。このことは、今後の南区薬剤師会の運営の大きな力になることであろう。

試合終了後6時から、南区清水の中華料理店で4チームによる懇親会が盛大に行われ、大いに懇親の輪が広がった。保健所を加えた三師会が、これからの難しい医療環境のもとに協力し合う素晴らしい絆がさらに強固なものになった意義ある大会であった。

尚、来年の予定もすでに決まっており、注目の「連合チーム」が如何に変身してくるかが楽しみである。

(中島英之)


頓服

中国のおみやげに頂いたジャスミン茶の容器が捨てがたく醤油さしにしてテーブルの上に置きました。辺りが少し明るくなりました。ピンク地に黄緑色の小さな唐草を一面にあしらったような着物をまとった小瓶には「萬」「壽」「無」「彊」の4文字が浮き出ています。

「彊」この小瓶を頂いた時から何と読むんだろうと疑問に思っていました。

こんな時の強い味方、今まで漢字を捜して載っていなかった事がない大漢和を取り出し引きました。「彊」音はキョウ、訓はかぎり。萬壽無彊は詩経に出てくる言葉です。壽は歳と同じで万歳限りないという意味で、最近はウーロン茶のコピーに使われ不老長寿のイメージで宣伝に使われているようです。

それにしても何でもない小瓶ですが、この中にお醤油を入れると魔法のように不老長寿のお醤油になるような気がします。

(M.I)


この度、国の栄典に浴し、勲五等双光旭日章を賜りました。

去る11月11日宮中春秋の問において陛下の激励のお言葉をいただきました。誠に有難く、この上ない名誉のことと存じます。これもひとえに皆様方の永年にわたる、ご支援ご厚情の賜と心より深く感謝申し上げます。

今後とも微力ではございますが、薬剤師職能を通して地域社会のため尚一層の精進努力をいたしますので、何卒よろしくご指導ご鞭接のほどお顧い申し上げます。


お祝のことば

発起人代表 梶原 敬史

何ものかに憑かれたような情熱にせき立てられ、自己に鞭打ちつづけた誠意ある人生−私が知る藤野義彦先生の姿である。人は人生をまっしぐらに駆けているとき、人生そのもののすばらしさはわからない。藤野先生は、しかし、いま、しばしの問その歩みをとめ、周囲や過去をふり返る余裕をもたれているのではないだろうか。

小説家井上靖は、人生を唐代書家顔真郷の書評を引用し「点は墜石、画は夏雲、鉤(かぎ)は屈金、戈は発腎(はつど)の如し」と。物事を始めるのは恰も筆を最初に下ろすに似て、天からの隕石(いんせき)のような自然さと挺(てこ)でも動かぬ安定さがあり、仕事は夏雲のような豊かさで育て、逆境に落ちても屈金のような強い意志で、弓をふりしぼるように思い切って身を踊らせなければならぬ時もある。それは人生における鉤であり、戈であると述べている。

藤野先生にとっては、薬剤師の職業、薬局経営という生きざまのなかで、迂余曲節を乗り越え、一方で一期一会という、さまざまな人との出会いが、そこだけが珠玉のように輝いて見える部分−自分が意識して求めたものでもなく、偶然が生んだものであったにしろ、自分の考え方や姿勢に影響を与えてくれた全て−が走馬燈のように脳裏をかけめぐっていることだろうと思う。そして、大事なことは、社会に消え失せつつあると思われる「感動」とか「勇気」を、私達にも、いま、また思い出させて頂いたことである。

それは俳優シラノ・ド・ベルジュラックの最後のせりふ「俺の生涯は人に糧を与えて−自らは忘れられる生涯なのだ!」といい切った、社会に奉仕する心意気である。

本当におめでとうございました。

(社)福岡県薬剤師会会長


歴戦の勇将、未だ健在

発起人代表  荒巻善之助

 先生は、常に激戦の中に居た。
 昭和30年代、県商組専務としては乱売合戦の攻防の中で参謀兼指揮官であり、 昭和40年代、市薬副会長としては社団設立と会館建設に敏腕を振るい、
 昭和50年代、市薬会長としては分業戦線の陣頭に立った。
 恩賞がその原点の如く戦功に報いるものであるならば先生こそ、その受章にふさわしい。
 歴戦の勇士は老功を重ね今、最もその運営が至難とされる県薬国保理事長の職に在る。
 その熟腕に頼むや切である。

(社)日本薬剤師会副会長


「その名に生きる」

発起人代表  藤原 良春

藤野義彦先生、勲五等双光旭日章の受章誠におめでとうございます。心からお祝申し上げます。

人の歩く道はそれぞれに異なっておりますが、藤野先生が歩かれた道、それは、薬剤師になられたことを含めて天命であったといえましょう。

哲学者フリードリッヒ・ヘーゲルの歴史哲学概念に「一つの時代には、その時代を指導する精神があり、その精神が一人の個人に乗り移って歴史は大きく前進する」というのがあります。

藤野先生に乗り移った時代精神は、福岡市薬剤師会という一大組織の近代化、そしてその目的の明確化であります。昭和46年の社団法人化に始まり、支部制度の発足や機構改革、さらに昭和55年の会館建設等、その足跡の中に時代精神が見事に具現化され市薬発展の基礎を築かれました。

先生は常々「その名に生きよ」と厳しい教えを示され、信念の人といわれながら、その反面、人情味あふれるお人柄が多くの人々から慕われておられます。

これからも、私たち後輩のために、さらなるご指導をお願い申しあげましてお祝の言葉といたします。

(社)福岡市薬剤師会会長

【学薬のページ】

平成8年度学校環境衛生研究協議会 出席報告

期 日 平成8年10月24日〜25日
開催地 高知県
出席者 深見、女賀
主 旨 学校環境衛生の向上を図る為、学校保健関係者に対して研修の機会を設け、その指導力を高める事を目的とする。

第1日目(10月24日)

全体会 於・高知県民ホール
あいさつ:
  文部省体育局学校健康教育課長 北見耕一
  日本学校薬剤師会会長   澤村二良
  高知県教育委員会教育長  吉良正人
  高知市教育委員会教育長  池永昭文

講義I「学校保健の現状と課是副
         上 記 北見 耕一
講義U「学校環境衛生の基準を踏まえた活動の徹底と環境教育への生かし方」
         文部省体育局体育官 石川 哲也
講義V「学校経営と学校環境衛生活動の展開」
         高知市立御畳瀬小学校校長 中岡 祥子
特別講演「地球規模の環境問題と身近な環境問題」
         高知大学長 立川 涼

Think Global Act Locallyを、Keywordに語られた2時間の講演内容を大約して紹介する。(立川掠 環境科学専攻 東大)

1972年にはじめて唱えられた地球環境問題は、30年経た今も、それがあまりにも安全な政治課題であるがゆえに、地域や国の事として痛みを感じることが少なく、前進しなかった。人類全体にとって極めて深刻な事態になりつつあることを多くの人は気付いている。縦割りと生産のDrasticな男性社会の考えに代わって意思決定のProcessと結果に家庭や地域 でも活動する女性の視点が必要になってくる。

SystemからNetworkへ今地球環境問題の解決には「知」の連帯が求められる。環境問題は、学校薬剤師の出番が多い課題です。


第2日目(10月25日)

部会別研究協議
1.幼稚園、小学校、中学校及び高等学校部会
 @ 新「学校環境衛生の基準」を理解する為の校内研修の工夫
 A 学校保健委員会の持ち方
 B 環境衛生に関する活動の為の組織
 C 事後措置と評価
 D 学校環境衛生活動を環境教育に生かすには
2.教育委員会部会
  各部会各々に、活発な協議が展開された。
 水、大気という身近な問題を介して将来、健康に生きていく為のとり組みが各現場から報告された。
  学校薬剤師との連携の重要性が強調された協議会でもあった。

(女賀信子)


来年こそは!(平成8年度福岡市学校保健大会報告)

日 時 平成8年11月28日(木)午後1時30分 場 所 早良市民センター

 

上記のように福岡市学校保健大会が開催された。特別講演は九州歯科大の木村光孝教授による「カルシウムの成長期顎骨におよぼす影響」について。

柔らかい食べ物を食べることによる唄囁機能の低下は、骨の添加量を減少させる。小児期は成長発達の過程にあり、この時期に摂取する食事に関しては十分に注意する必要があると結ばれた。 特別講演に先立って行われた表彰式では、学校保健功労者として学校医6名、学校歯科医4名、学校薬剤師1名、学校長1名の先生方が受賞された。学校薬剤師の野田靖夫先生は、残念ながら授章式を待たずにお亡くなりになり、奥様が代わりに受け取られたが、司会者の紹介に会場から一段と大きな拍手があった。また、学校歯科医のなかに、東区学業・内田文子先生のご主人(内田雄康先生は東区歯科医師会支部長)がおられて、慌ててシャッターを押した。ところが、何たること、バーゲンで買った使い捨てカメラの悲しさ、それまでは順調だったのに、突然フラッシュが故障して、その後の写真はとれなかった。

というわけで、可愛い小学生の写真を載せることになったわけではない。これは学校保健会長の多田先生ではなく、福岡市医師会長表彰を授与される多田先生なのだ。次いで、福岡市歯科医師会長表彰が可愛い男の子に授与されている。残念ながら、福岡市薬剤師会長表彰はない。三師全のそれぞれの長がステージに座っておられるのに、薬剤師会長だけは出番がないのだから、なんとも寂しい思いの学校保健大会であった。「健康に関する図画」入選作品の中には、薬物乱用防止や環境衛生に関するテーマのものも見受けられる。」 来年こそは、福岡市薬剤師会長表彰の創設を!

第5回理事・監事会ならびに被表彰者を囲む祝賀会について

日 時 平成8年12月2日(月)午後7時
場 所 てら岡
《第5回理事・監事会》
出席者 藤原会長、細井、木原各副会長、有馬常務理事、吉村、女賀、坂田、中野、竹尾、深見、井上各理事、野口、井原各監事、三津家顧問、古賀隆・県学業監事
議 題
1.会長あいさつ
2.報告事項
3.協議事項
《被表彰者を囲む祝賀会》
出席者 木村、細井、椛島、藤野各先生
ご来賓 福岡市教育委員会 保健体育課、弘田正夫課長、大橋利夫係長

=次第=
1.開会あいさつ  細井副会長
2.主催者あいさつ 藤原会長
3.来賓祝辞    保健体育課 弘田正夫課長
4.受賞者紹介
  文部大臣表彰      木村英樹
  福岡県教育文化功労表彰 細井徹一
  福岡県学校保健会表彰  椛島和子
  福岡市教育委員会表彰  藤野嘉道
  福岡市学校保健会表彰  野田靖夫
  公衆衛生事業福岡県知事表彰 小松秀美
  公衆衛生事業協会長表彰 小田浩平
5.受賞者謝辞   木村英樹先生
6.乾杯のご発声  古賀隆・県学薬監事
7.万歳三唱    三津家顧問
8.閉会あいさつ  木原副会長

理事監事会で、藤原会長は来年度の学校薬剤師募集ならびに担当校については、支部長会でお願いしている。各は支部で相談して決めてほしい。また、市学薬の今年度研究課題については、後日協議して決めたいとあいさつされた。

祝賀会は、保健体育課・弘田課長のご祝辞に、受賞者を代表して木村英樹先生が謝辞を述べられた。古賀隆先生は、野田靖夫先生のご冥福を祈って黙祷をささげられた後、乾杯のご発声となり祝宴に入った。中締めは、受賞された先生方の、ますますのご健勝を祈念した三津家顧問の万歳三唱で散会した。




女子薬のコーナー

女はつらいよ
−リハビリ中の福岡県女子薬剤師会−
福岡県女子薬剤師会会長 末永幾代

「男はつらいよ」の寅さん役の渥美清さんは格好よく、「男の美学」を存分に発揮して私達の前から彼岸へ旅立った。私も福岡県女子薬剤師会を「男女共同参画社会」をめざすという目的意識をはっきり持った組織にして、次の世代のリーダーにバトンを渡したい。寅さんのようにスマートにはいかないまでも、出来るだけの努力をしてみようと思う。

女性の社会進出に伴い必然的に男女の役割も変化してくるし、又、組織として薬剤師会も女性の目を通して考えなくてはならない問題が時として出てくる。「今、何故女子薬剤師会?こんなに女性の薬剤師が多くなっているのに。じゃ男子薬剤師会を作らなくちゃ。逆差別だよ」という言葉をしばしば聞くが、このような短絡的な発想に反発を感じる。男性と共に仕事をする機会が多い私は、「男女共同参画社会」には程遠いと感じる事にしばしば遭遇するからである。けっして、男性と同じ事をしようとは考えないが、これは明らかに女性が関与した方がいいと思う事にも女性の参加が認められない。男性と女性がそれぞれの特性を生かして福岡県薬剤師会の事業に共同参画して、薬剤師会を前進させたいのである。

本来の薬剤師会の仕事は男女の差別がないはずなのに、何故女性が中心的な事業に参加出来ないのか?地球はどこも男尊女卑と諦めるか、その中で「こうした方がいいのではないかと考える」と女性達が発言し、努力をする「勇気」を持ちたい。今、地方分権が話題になっているが、ある女性の評論家がそれを 「中央が男性で地方が女性」と比喩していた。 これを男尊女卑ととるか、女性が持つ母性が地域密着型なのだととるか、私は後者をとりたい。

福岡県主催による『女性の翼』という企画がある。各女性団体から一名の参加で、論文と面接を受けて県下で約20名が選出され、海外研修が行われる。前講義、県の福祉・労働等の施設で実地で研修をうけ海外に派遣される。私は1994年10月に12日間カナダ・アメリカへの研修に参加した。多くの女性が抱えている女性問題一例えば、労働環境、セクハラ、男女雇用機会均等法、賃金問題等々一について、薬剤師である自分が考え方にギャップを感じ、それらの問題について同じレベルで考えられないことに恥ずかしさを感じた。薬剤師が薬学、医療の事について考えるのは当たり前だが、人間として、女性として女性自身が抱えている問題について考える事を忘れていたのではないかと反省した。

ある時期、女性薬剤師は出産・育児に関わらなくてはならないハンディがある。しかし、男性と女性は責任の重さの種類は異なるが、薬剤師としての責任は同一である。だから女性が仕事の場において男性に伍していくには2倍の努力が必要になる。リハビリ中の福岡県女子薬剤師会であるが、寅さんのようにマドンナを更に探し求めつつ、もうしばらく流浪の旅を続けるのも一考かもしれない。

「女性は損ね。それまでして何故頑張らなくてはならないの?」天国の寅さん日く「それを言っちゃおしまいよ」ああ、女はつらいよ!


薬剤師と私 山本ハル子

私が薬専(現薬大)を卒業したのは太平洋戦争の真直中であった。当時、軍は多くの医薬系学生を要望していたので、半年繰上げの卒業式となり、男子学生は卒業と同時に軍に召集される人が大半で、その代役を女子薬剤師が受け持つことになった。

当時女性で理科系といえば、女高師理科、医尊、薬専位で、女高師、医尊は教師、医師の職場に進み、病院薬局、化学系試験所、大学、製薬会社研究室要員などの分野は女子薬剤師で補っていた。

戦争が終わり新しい日本が誕生したが、先進国は殆ど医薬分業であるのに日本は薬剤師の政治力の乏しさの為か、なかなか実現せず最近になって医療の本来の姿としてようやく実現の曙光がみえて来た。まことに永い永い薬剤師の願いであった。それまでも医師、薬剤師は同列ではなく、医師の補助のように考えられていたので、学生数は女子のほうがはるかに多く、又女性は妻として、母としての責任が第一とされる社会通念であったから、当時の女性薬剤師は一種の強い信念を持って職務に従事した。

現在、女性が仕事を持つことが当然になり、結婚しても職務を守ってゆく時代の到来は、私にとって、もう一度生れ変りたい程の羨望である。私の場合結婚生活が転勤家族であったから、継続的な仕事をもつには不適当であったが、それでもせっかく学んだ薬学に触れていたいと言う思いは断ち難く、簡単な仕事に縁を持ったが、体力が伴わない年齢になったので辞職した。その時に考えたのは、今後は薬学の勉強を趣味の一つにしようと言うことであった。五十年の歳月の経過・は現代薬学にはるかに遅れてしまっている。でも少しずつでも勉強してゆけば追いつくことができるかもしれない楽しみがある。

後輩の女子薬剤師の皆様、同じお仲間の石井道子先生が環境庁長官の時代が来たのです。

家庭をもてば家事の忙しさ、精神的な苦労もおありでしょうが、一生、薬剤師の勉強をしたことを忘れないで下さい。薬剤師の社会の中での守備範囲は広いものがあります。ライフワークを持つことがやがて年を召した時、どれだけ心の支えになることか。そしてできるだけグループに参加して下さい。薬学は医学と共にこれからも驚異的な進歩とそして反省の道を進むでしょう。薬剤師の地位、待遇もまだまだ足りないものがあります。理想を実現する為には一人の思いだけではむずかしいのです。みんなの為に、それが結局自分のためにもなるのですから。

News Paperより


西日本新聞文化部の北里記者から、取材申込みがあった。博多区の訪問薬剤管理指導についてとのことである。

さかのぼって、7月31日、福岡市薬剤師会は対外的広報活動の一環として、西日本新聞の医療担当記者を招いて「マスコミ懇談会」を開催された。その席に、「在宅医療薬剤供給推進モデル事業」の報告書を持って参加するようにと、市薬の藤原会長から指示があった。市薬事業のことや学校薬剤師活動のことなどが話題掟供されたが、記者の質問は街角FAX事業と在宅モデル事業に集中していた。

広報担当の北島常務理事は、北里記者に市薬ジャーナルへの投稿を依頼され、「電脳薬局について」とヒゲの顔写真が9月号に登場している。この懇談会があってこその今回の取材であり、「高齢化最前線」の記事は、市薬広報の事業である。博多支部はたまたま話題を提供したにすぎない。

北里記者は「わかります?」と言いながら現われた。「あら!?」そう、ヒゲがないのだ。「電話をもらっとらんやったらわからんやった」で取材開始。およそ3時間かかった。

取材申込みがあって、蔵元理事に決まるまで、半月をついやした。初めにとった行動は、博多区医師会長の了解を得ること。ついで担当理事との協議。

お願いできそうな3人の先生方を指名して、この中のどなたかにお顧いしたいと申し出た。「その先生方だったら、誰でもいいよ」とのこと。それから、例の「あんたしかおらん」の殺し文句で蔵元理事を口説き、モデル事業では東京の会議にも出席してくださった御鍵先生にお願いをした。悔しいくらいに薬剤師会だけでは何一つできないのが在宅医療、事ごとにチーム医療の展開を実感させられる。

新聞に掲載された翌日、民生局・在宅福祉課の牟田課長から電話があった。「とっても良い制度だと思いますが、蔵元さんの保険点数はあるのですか」と心配してくださった。お返事をして最後に「今後は、薬剤師会も、課長の所に入れていただかないとやっていけませんので…」と、すかさずお願いをした。牟田課長の目に止まり、電話をいただいたことは、今回の記事の最大の成果であろう。

公的介護保険の導入は、まもなくである。

(博多支部長・木原)


文芸のコーナー

中医略史(2)「銅人式」

北末の時代、時の皇帝仁宋のころ、酉夏との和約も成立して、庶民の生活は今までになく繁栄した。酒辞や瓦市など年中昼夜問わずにぎわったという。酒辞や瓦市というのは盛り場や飲食店のことで、これは唐の時代にはとても考えられないことだった。唐の時代は城壁を閉じて、都長安では夜間の通行は禁止されていた。

仁宋は4代目の皇帝で医療にも関心があった。 その当時鍼灸の発達はあったが、学説や技法にいろいろな伝承があって確立していなかった。そして経穴に少しずつずれがあった。

そこで仁宋は、当時鍼灸学の第一人者であった王惟一に鋼人倫穴鍼灸図経の作成を命じた。王惟一は尚薬事御といって、医薬を司る局の長官だった。

仁宋はいっになくそわそわしていた。今日は待ちに待った『鋼人式』が完成したと、王惟一より連絡があったのだ。昼食をすませると、昼からの予定はすべて明日にして、王惟一の銅人式を待っていた。連絡によれば銅人式は2対あり、非常に精巧なもので、満足していただけるものに仕上がっているということだった。
「ただいま王長官が来られました」向こうで臣官の声がした。
「待っていたぞ。早くこちらへ」仁末は持ち切れずに言った。

見ると、台座の上に白絹をかぶせられた2対の鋼人らしきものがあった。用心深く仁宋の萌まで運ばれた。王惟一は深々と頭を垂れると、うやうやしく言った。
「これはこれはいつもご紅顔を拝し奉り、幸せに存じます。陛下の命により、鋼人式の作成に取りかかって早2年がたちます。その間、経穴の正確さを期するため、多くの書物を読み返し、経絡の会を考察して…」「分かった。分かった」仁宋は待ち切れずに言った。「挨拶は良い。ご苦労であった。そなたの苦労は多くのものから聞いておる。早速どのようなものか見せてくれ」 王惟一は一方の白絹を注意深く除いた。
「おお、これは…」仁宋は驚きの声をあげた。
周りで見ていたものもみな一様に驚きの声をあげた。そこには全身鋼で出来た人形があった。鋼の輝きが新しかった。頭の先から足の先まで幾本もの曲線が描かれ、その途中には経穴が金で印され、横に経穴の名前が書かれてあった。

経穴は354穴で、昨年完成して皇帝に献上した経穴図と同じものだった。
「そちらのものも同じか」仁宋はもう一方の絹の覆いを指さして言った。
「こちらも同じものでございます。ただこちらはどのように使用したら良いのか実際にはどこしてまいりました」王惟一は絹の覆いに近づきながら言った。「全身を黄蝋で包んで経絡経穴が分からなくなっております。そして中に水銀が仕込んであります」 王惟一は白絹の覆いを取り去ると深々と頭を下げた。全身黄蝋で包まれた人形が現れると、仁宋の驚きはため息に変わった。周りのものも皆ため息をついた。
「これはすばらしい。よくぞここまで励んでくれた」仁末は手を大きく広げながら言った。
「それにしても使用方法とはどういうことか。動いたりするのか」
「いえ、動きは致しませぬが、現在この黄蝋で覆った鋼人の経穴は分かりません。経穴は金で印が付けてありますが、そこには小さな穴が開けてあります。銅人の経穴に針を致しますと、中まで通るようになっております。いま、黄蝋で覆った銅人に針を致しますと、間違っておれば通りません。もし経穴に当たるなら、針は中まで突き抜けるでしょう。そして針を抜いたとき、水銀の粒がこぼれ出てくるはずです」 王惟一は仁宋に一礼すると、「失礼ながらいまより私が試させていただきます」 そう言うと王惟一はゆっくりと針の中から使い慣れた一本を選んで、黄蝋で覆われた銅人の前に立った。ぴ−んと張りつめた空気がただよい、仁宋も思わずかたずを飲んだ。

王惟一は鋼人の腕をとって、しばらく呼吸を整えていたが、ゆっくりと針を刺し込んだ。 吸い込まれるようにして針は入った。
「曲池でございます」
 そう言うと王惟一は今度はゆっくりと針を抜いた。抜き去るとき針の先に、水銀の玉がぶっくりと現れた。それは針の先から床に落ち音もなく四方に飛び散った。
「見事である」仁宋は感激して言った。

王惟一はさらに銅人の後ろへまわり、天柱、風池、天宗、腎愈と刺していった。それらはすべてはずれることなく経穴に当たっていた。

以後北宋では、この鋼人式を用いて医師の試験を行なった。

2対の銅人式は記録として残っている。 ただこのような実験をこの場で行なったかどうかは定かではない。そして正確には銅人式の内部に仕込んだのは、水銀か水かはっきりしていない。

(上村義徳)

 

お知らせのコーナー

※大切なお知らせが沢山あります。必ずお読み下さい。

 


訃 報




弔 辞

謹んで三根孫一先生のご霊前に、福岡市薬剤師会を代表しまして、お別れの辞を申し上げます。

三根先生は、昭和5年長崎薬学専門学校をご卒業になられ、川口屋に勤められました。その後、博多区綱場町で開局され、3人の美しいお嬢様とお幸せなお暮らしぶりだったと伺っております。

またお若い頃は、夏ともなれば博多の山笠のぼせで、お仕事もほったらかしにされ、奥様にも大変ご苦労をかけられたと聞きおよんでおります。しかし本来の先生は大変まじめな方で、お仕事や、薬剤師会の会務に対しましても真剣に取り組んでおられました。

先生は長年福岡市学校薬剤師会の理事、あるいは監事として、学校の環境衛生向上に責献され、その功績により福岡市学校保健会および福岡市教育委員会からの表彰をお受けになられました。

さらには公衆衛生事業の功績も大きく、福岡県知事表彰もお受けになっておられます。また、福岡市薬剤師会の役員としては、まだ薬剤師会が任意団体だった昭和31年から理事として活躍され、薬剤師会が社団法人となった昭和47年からは、連続7期14年に亘って監事を勤められました。薬剤師会のお目付役として、会を発展させて頂いたおかげで、今では三師会の一員として、また医療の担い手として地域住民の健康増進に大きく貢献する団体に成長致しております。

これからも先生にご教示賜りましたかずかずのご助言を座右の銘として、我々会員一同は前進して参ります。

先生はお浄土へ旅立たれましたが、先生の御霊が残されましたご家族、そして我々会員に対しましてもご加護あらんことをお祈り申し上げまして、お別れの辞といたします。

合掌

社団法人福岡市薬剤師会 会長 藤原良春

会員の移動

 


会 務 日 誌

10月22日 地区連絡協議会      県薬                14:00
  23日 支部長会           第1会議室           19:30
  24日 処方検討会          あいれふ            19:00
  25日 在宅医療委員会(講演会)   講堂              19:00
  26日 広報委員会          第1会議室           18:00
     分推小委員会         第1会議室           19:30
11月2日 九山試験センター運営協議会  長崎市             15:30
  3日〜 第29回日薬学術大会     長崎市             10:00
  4日
  6日 急患委員会          第1会議室           19:30
     広報委員会          第2会議室           19:30
  7日 市計量普及協会理事会                     11:00
  8日 三役会            第1会議室           19:30
  12日 学術委員会          第2会議室           19:00
     社保・分推委員会       第1会議室           19:30
  13日 在宅医療委員会        第1会議室           19:30
  14日 薬局委員会          第1会議室           19:30
     島根県薬・市薬薬局視察(8名)                 9:30
  15日 組織委員会          第1会議室           19:30
  16日 市薬薬局委員会        第1会議室           16:00
     広報委員会          第2会議室           18:00
  18日 在宅医療モデル地区打合会   日薬(末田)          13:30
     第283回理事会         第1会議室           19:30
     薬業研修会          第1会議室           14:00
  20日 学術研修会          講堂              19:00
  21日 支部長会           第1会議室           19:30
  24日 自衛隊病院41周年記念     自衛隊福岡病院(光安)     12:00
  27日 組織委員会          第1会議室           19:00
     在宅医療懇談会        三井アーバンホテル(藤原・入江)19:00
     公的介護保険講話会      県薬              13:00
  28日 処方検討会          講堂              19:00
  29日 泉佐野南地区医薬分業定着促進協議全市薬薬局視察(8名)    13:00
     議事運営委員会        第1会議室           19:30
     福岡市地域保健医療計画推進協議会(藤原)           15:00
     三役会                            19:30
  30日 広報委員会          第1会議室           18:00

[編集後記]

ストレスと新年

NHKの番組で動物園のキリンやクマのストレスの話がテーマになっていた。野生のキリンは舌を長く伸ばして高い木の葉を巻・いて食べるという。動物園のキリンは栄養価的には非常に考えられているものの、餌として台の上に置かれたものを食べるために、ほとんど舌を使うことなく顎で挟んで食べている。そのことがストレスとなり「舌あそび」という行動をとるのだという。柵の鉄パイプを舐めたり屋根のトタンのペンキを舐めたりと、テレビの画像に写し出されると本当に異常に思える。

正常か異常かは専門的には分かっていないということだった。自然に近づけるために木の葉などを2台の軽トラックに乗せ枝ごと持ってきて、柵に取り付けて食べさせると「舌あそび」はなくなるという。

ストレスというのは何だろう。人間でいえば自動車の運転や、何かを成し遂げようとする時など、人によって違うかも知れない。目的を持ったときにストレスを感じるのかも知れない。例えば急がなければならないという目的を持ったときに、自動車の運転をしていて前の車が遅いときなど非常なストレスとなる。例えば不破などでも眠らなければという目的を持った場合、夜間工事の音などが非常なストレスとなる。これらは普段ゆったりしたときには、そんなに気にはならない。

しかしまたストレスがなくなると人間は駄目になってしまう。定年退職して、することもなく家にこもった人が1年の間にぐんと老け込んだなどは良く聞く話だ。店頭にもそんな人が来る。

だんだん本来の仕事以外で忙しくなるばかりだが、これはストレスだろうか、緊張感だろうか、刺激だろうか、はげみだろうか。自然ということが、ストレスをなくすということならば現代人はほとんどストレスだらけということになる。また動物でも狩りをして食べていかなければならないだろうし、いっ自分が食べられてしまうか分からない。そういった点では動物園は安全でストレスはないはずである。

「ストレスと上手につきあう方法」ということを考えて、逃げることなく積極的にストレスに対処していくことが大事なのではないだろうか。私も広報委員として適度なストレスと、楽しくつき合っていきたい。

ジャーナルの仕事とは会長のおっしゃるように、会の動きを伝えること、会員の意見を吸い上げること、対外的なアピールをはかることの3つに要約されるだろう。それに味付けをして期日に間に合うように発刊をすることだろう。

そして特集などは失敗するかも知れないけれど、非常に意欲をそそる。ストレスも相当なものがあるだろう。しかしそれが成功した場合は満足感を味わえるだろう。また取材にしても私自身が興味を持っていること、更に今問題になっていることなどは積極的に取材したいと思うし、取材の要望があってはしいと思う。

「ジャーナル」は記録の意味がある訳で、各委員会は記録として残したい部分も多くあると思う。前号で取材した薬草観察会は、それにかける薬局委員の先生方他の情熱をひしひしと感じて取材して良かったと患った。また冷川先生より歴代の薬草観察会の原稿を送っていただき、薬草観察会にかける意気込みや「ジャーナル」に対する期待の大きさなどを感じさせられた。広報委員としての責任を改めて感じさせられた。

この原稿が載る頃にはまだ正月気分が残っているのではないかと思われるが、年々厳しくなる薬業界にあって、将来の見通しも立たず、思い通りの薬局が作れず、消えていく薬局のひとつには数えられたくない。 ストレスを真撃に受けとめることによって、それに教えられ、それに励まされ、少しでも良い方向へ持っていきたい。そんな前向きの1年にしていきたい。

そんなことを考えながら、歴代のジャーナルを読み返さなければならないとか、医師会報を読まなければならないなどと思うこの頃である。

(上村義徳)


元 旦

やっと1年が終わったかと思えば、もう1年の目標に向かって頑張らねばと動きだす。何とも落ち着きのない有様だこと。いっの間にやら三十路を歩み出す年を迎えてしまった。

これから10年の世の中の変化は想像がつかないが、充実を求めて前向きに取り組むしかないようだ。「……できたらいいな」という気持ちを忘れずに。

(小松公秀)


新人類と旧世代

あけましておめでとうございます。

会員の皆様もほろ酔い気分もぬけ平常の業務にもどられたことと思います。

さて、忘年会、新年会等々では、役員の中に、あなたは何々先生の息子さん?という会話があいさつがわりとなることも多くなってきました。今年は法改正、消費税5%へと社会                     °の大きな動きを見せる急年度です。これを正しく見、プラスへと動かしていく新人類の年となるのです。

旧世代の方々も正しく導いてもらいたいものです。交通社会にたとえると、押ボタン式信号の渡り方を子供に教える大人で正しく教えているのは何%くらいあるだろう。ぼくがボタンを押すと言っている子供の首根っこをつかみ、赤信号を、そげなもん押さんでよか「今車のきよらんけんはよ渡ろう」と渡るおばあちゃん。通学時、赤信号で止まっている小学生の横を平気で渡る大人の多いことには実にびっくりさせられます。ここで、おじいちゃん、おばあちゃんの育った時代に信号は殆どなかったんだからわからんよ。あんたは真似したらいかんとよと1正しく教える男鋸こなりたいものです。

薬局経営でも、旧世代が余計な口出しをして「今までこげんしてきたっちゃけん適当でよかと」と言うことのないように。正しい新人類を先輩方が導いていかれることをお産凱\します。

こういう私が、適当人間ですが、少しずつ改めていこうと年頭に誓います。

(津田和敏)


四無量心

他者の幸福を増進し(慈)、不幸を除去し(悲)、他者を助けることを喜ぶ(喜)、しかもそれに執着しない(捨)これが仏教で言う“四無童心”日頃なかなか心掛けられない言葉ではあります。本年も宜しくお原納ヽ致します。

(戸田昭洋)


在宅と情報

先日ある心臓病センターの入院病棟で、退院時の服薬指導をされている病棟薬剤師にお金いする機会がありました。患者さんは退院を目前にしていますので、御自分の病気に対していろいろ情報を持っておられるようですが、それがどうも、すっきりと整理できていないようでした。それでゆったりと腰をすえて話を聞いてくれる薬剤師に心電図のこと、エコー検査のこと、別の病院でかかっている病気のことなど質問していました。薬剤師は患者さんのベッドサイドに来る前にカルテや看護記録などで丁寧に準備をしていたらしく、一つ一つ薬の話とからめて答えていました。薬剤師の充分な対応は医師や看護婦などからの情報に裏づけられているようでした。

私は常々、病院勤務薬剤師のベッドサイドでの病棟活動と開局薬剤師の在宅医療活動は同じレベルのものだという認識を持っています。開局薬剤師である私が在宅医療の中で彼のような対応をするためには、木原先生などが取り組まれている実務者(医師・看護婦など)レベルのカンファランスは必要不可欠のものです。処方箋からもいろいろな情報が得られますが、全体像を掴むためには不十分です。実務者間のカンファランスのなかで、はじめて生きた情報が得られるのだと思われます。遅まきながら、やっと実務者間カンファランスに薬剤師が参加することの重要性を認識しました。

(伊東美穂)


夢を追う

「夢のまた夢」を最後のタイトルに、96年度NHK大河ドラマ「秀吉」は終わった。面白かった!97年度医療業界に、嵐が吹き荒れそうです。確と、目を見開き、受けて立ちたい。

「夢」を追っている、一薬剤師として…。

(東 美代)

平成9年1月10日発行
福岡市中央区今泉1丁目1番1号
社団法人 福岡市薬剤師会 T E L 092-714-4416
発 行 人 藤 原 良 春
編 集 人 北 島 啓 子
委   員 伊 東 美 穂
      上 村 義 徳
      小 松 公 秀
      津 田 和 敏
      戸 田 昭 洋
      東   美 代
      堀之内 真 紀
担当副会長 細 井 徹 一
印 刷 所 (有)興英社印刷