■ 巻 頭 言
薬局の終末 (社)福岡市薬剤師会 常務理事 入江埋裕

ノストラダムスの予言のように、2,000年までに今の薬局は終末を迎えるかもしれないと私は危倶しています。江戸から明治に変わった時、江戸時代に繁栄した産業はほとんど姿を消してしまいました。生き残った人達は新しい時代、来るべき時代を見つめて、何が必要で何を捨てるかを決断しました。新しい時代には新しい制度が出来ます。その為今までの権利等を失うかもしれません。21世紀は明治と同じような時代の幕開けとなるでしょう。銀行・証券界はビッグバンで大ゆれです今までの銀行・証券及び生保業界は半分も生き残れないだろうといううわさです。

薬業界もビッグバンが、2,000年までに起こるだろうと思われます。OTCの規制緩和薬価廃止、介護保険の導入、医療保険の縮少による技術料の伸び悩み等々。製薬メーカーも半分になるかもしれません。新卒の薬剤師はどこに行くのでしょう。明治以来のシステムが全て崩れていくのでしょうか。このように先が真っ暗な中で薬局がいかにあるべきか私の考えついた暗闇退治のアイテムをお聞き下さい。暗闇を照らす第1のアイテムはコンピューターのマスターです。

エクセル・ワードのマスターから始まってオフィスをクリアする事。インターネットEメールのマスター。今やインターネット内で薬局を開設している薬剤師が多くいます。 インターネット内での薬局の開設は無店舗、無在庫、人件費なし、という夢の薬局が出来ます。処方せんも受付処理がおこなわれるようになるかもしれません(弊害もありますが)

第2のアイテムは、24時間対応出来る事。

第3のアイテムは、在宅介護を含む福祉が出来る事。

福祉がわかる薬局、福祉のサービスが出来る薬局、福祉にたずさわる薬局、福祉の相談に乗れる薬局。薬剤師の職能に福祉の能力をつける必要があると思Pます。

武士が武士として明治を生きて行けなかったように、薬剤師が薬剤師としてだけでは生きて行けないような気がします。薬剤師をベースとした医療人、福祉人に脱皮して行く事が必要ではないでしょうか。

第4のアイテムは、薬品の知識の完全なエキスパートになる事。

薬品については患者にはもちろんの事、医師、看護婦等にレクチャーが出来る事。サジェスチョンが出来る事。

第5のアイテムは、販売力、説得力を高める事。

アメリカでは医療人の中でだれよりも相談しやすい職業に選ばれており、今年も薬剤師があこがれの職業の中でトップでした。しかし日本では従来の薬剤師だけの職能ではもう限界が見えています。私の提案したアイテムの他に貴方の思いついたアイテムがあればそれをマスターして下さい。

今までは痛みがない改革でしたが、日本は痛みを分かち合う改革、血が出る改革を目指しています。

改革は大きなビジネスチャンスでもあります。貴方の力量が試されています。

<シリーズ:薬剤情報提供A>

4月に薬剤情報提供が義務化されて3カ月がたちました。これは、困難で、かつデリケートな問題を学んでいますが、患者さんにも医師にも喜ばれる情報提供をめざして頑張りましょう!!

知っておきたい「薬の名前」の大切さ


「私は病気ではありません」
〜病  識〜
浪江堂 袖山病院(精神科・内科)  薬局長 唐津道邦

初夏の日差しが新緑に映えて、目に眩しい5月の月曜日。いつの頃からか月曜日の朝の出勤が苦にならなくなったが、同時に休日前夜のワクワクする楽しさも減ってしまった。 これは年のせいかもしれないと考えているうちに車は病院に着いた。

真新しい白衣に着替えて、いつものように服薬指導のため、開放病棟から閉鎖病棟へ回った。ナースステーションでは病棟スタッフの申し送りが行われている時間だが、10名ほどの患者が朝食後の薬を飲むために、コップを持って薄暗い廊下に一列に並んでいる。「おはよう」と声を掛けると、何人かの元気の良い声が返ってくる。2階へ上がり、先月から閉鎖病棟に移ってきた精神分裂病のAさんの部屋に入ると、了解をもらってベッドに腰を下ろし、丁度、二人並んだ格好になっての服薬指導が始まった。

睡眠の状態やイライラの有無などを尋ねると、「よく眠れるし、特に薬の副作用もない。 今日は開いてもらいたいことがある」と答える彼の目が、いつになく輝いていた。そして、ゆっくりとした口調で話し出した。「警察から追われているように感じていた頃、父親から入院するよう勧められ、今日まできた。しかし、父親が亡くなったので退院したい。私は正常です。精神鑑定をお願いします」。病室の向こうに見える明るい風景とは無縁の世界にいるようで、とっさに返事ができなかった。

精神科では他科と異なり、「自分が病気であるという意識」(病識)に乏しい患者も少なくない。Aさんの場合は周期的に症状が変化するため、服薬指導を素直に受け容れてくれる時もあれば、前述のようなことも起こる。

平成9年4月から、「薬剤師法第25条の2」の施行により薬剤情報提供が義務化された。当院では医薬分業をしているため薬剤情報提供加算の対象者は殆どいない。しかし昨年の薬剤会議において入院患者用「くすりのしおり」を議題として提出した時、医師から「文書による薬剤情報の提供は危険」「提供内容の吟味が必要」「情報提供後のフォローが必要」等の意見が出た。

その後、製薬メーカーの「くすりのしおり」やTIP(医薬品・治療研究会)の「クスリのガイド」、ポケット医薬品集(白文社)等を参考に当院用の「くすりのしおり」原案を作って、医師と内容の検討を行っている。この検討の場は臨床経験の少ない私たち薬剤師にとって非常に勉強になる。

精神科における「くすりのしおり」の提供は慎重に行わなければならない。病識のない患者では、逆にノンコンプライアンスの原因になってしまう。また配布する前に、病棟やデイケア等のスタッフに内容の十分な説明が必要なことは言うまでもない。

戦後、多くの抗精神病薬が使われてきたが、精神分裂病の治癒が期待できるまでには至っておらず、入退院を繰り返す患者も多い。

今、医師や病棟スタッフと共にチーム医療の一員として、精神科薬剤師は服薬コンプライアンスの向上や副作用の軽減を目指し、歩き始めたばかりである。服薬指導で患者と関わる度に、彼らを取り巻く現実の重さを感じる私の心は、五月晴れとはいかないのである。

<シリーズ:薬剤情報提供A> 薬剤情報提供義務化への様々な意匠 国立病院九州医療センター 真鍋健一


1.十分な説明のある医療を求める願いが、大きなうねりを築いている。

団塊の世代が高齢者の域にさしかかり、知識豊富な患者の層があっくなったこと、インフォームド・コンセントの提唱、さらに米国で生まれ、日本病院薬剤師会もキャンペーンしているゲット・ジ・アンサーズ運動が日本にも影響していること等の状況が、従来の一方通行的な医療を変えようとしている。薬剤情報提供もこの流れの上にある。では、患者に対して、何のために、どのような医薬品情報を提供するのかという問いに、佐藤氏(東北大学附属病院薬剤部長)の論文が次のように答えている。

「薬剤師は患者のコンプライアンスを高めるため、また患者自身がこれから受ける薬物治療について納得し自ら進んで治療に参加するために、情報が必要です」

※月刊薬事2月号'97

2.十分な説明のある医療を求める願いが、情報提供義務化として結実。

以上のような状況を踏まえて、法的整備がなされた。これが薬剤師法25条の2である。そして、ここで言う患者とは不特定の患者ではなく、目の前にいる患者個人ということである。したがって情報の内容は患者に合わせたものでなければならず、一般的な表現ではいけないものとされている。薬剤師で、弁護士でもある三輪氏はこのことを「……眼前の個々の特定人のためのF選択』を中核とする情報活動がもとめられているのです」と表現している。

3.情報提供義務化を進める行政の考え

厚生省薬務局企画課の川原章課長補佐は、情報提供義務化に関しての会談の中で次のように答えている。

「病院薬剤師にも25条の2は適用させるものと考えている。ただし入院患者に直接服薬指導を行っていないところや、病棟業務を行っていない場合には、‥・一応は当該患者にあたっている看護婦に情報提供することでも可能であると考えられる」 情報提供義務化をすすめる行政の立場は、開局薬剤師も病院薬剤師も法の適応を受ける対象としているが、病院薬剤師に対しては情報提供の相手を限定していない。 行政と法の理念とのあいだに僅かなずれが生じている。

4.医療機関での反応

「ACE阻害剤の説明書をもらって、心不全と書いてあったのですが、私は心不全もあったのですか」と高血圧症の患者から開かれ、調剤薬局の薬剤師は患者さんによけいな心配をかけないでほしいと言ってきた医肺がいた。

服薬指導をしている患者から、「紹介病院へ戻ったときに、薬をもらったら説明書がついてきた。血圧の薬と刀、、脈の薬とか、心臓の薬とか書かれてあった。昔は何の説明もなく薬をもらっていたが、4月からは説明書がついてきた。この病院で詳しく説明してくれるのとは大きな違いがあるが、薬剤師さんも患者サービスに気づき始めたのですか」という声が出てきた。

このような医療現場での医師や患者の声は、薬剤師の情報提供義務化について、何のために出されてきたのかを十分に理解していないことを物語っている。

5.外来患者への情報提供と入院患者の服薬指導業務との違い

入院患者の場合、診断名が明らかであり、病状が把握出来ている中での説明であるために、「なぜ、薬を飲む必要があるのか」を充分に説明できる。また、患者の疑問に時間をかけて答えることができる。外来では疾病にもよるが、診断名が不明なために服薬意義の説明までは至らない。患者に「何の病気でおかかりですか」と聞いても患者が話す範囲の診断を推定するだけで確認はできない。つまり、開局薬剤師にとって服薬意義は不十分なものとならざるを得ない。

6.十分な説明のある医療提供を行う薬剤師として何が必要か。

十分な説明のある医療を提供することに薬剤師も積極的に取り組まねばいけないと考える。医師が疾病や治療方法を説明し、薬剤師が薬のことを説明することが、医療を受ける国民にとって、至極当然のこととして受け入れられるものでなければならない。

<シリーズ:薬剤情報提供A> 薬剤情報提供に利用できる資料について 福岡県薬剤師会薬事情報センター 神 雅子

平成9年4月より、薬剤師法第25条の2により、薬剤情報提供が義務づけられた。

薬局薬剤師にとっては、患者の疾患名や医師の処方意図等の情報に乏しい状況で、どのような薬剤情報をどういう形態で、どの程度まで提供すべきか判断が難しいところである。

日本病院薬剤師会では、薬剤師法改正に伴い「患者等への薬剤情報提供の進め方」を作成し提供すべき情報の種類を次のように分類している(日病薬誌,Vol.33.No.3,1997,参照)。

A.基本情報(薬剤師が確定的に判断できる情報):薬品名及び関連情報(成分名,識別コード,色調,形状等も含む)、用法・用量、服用上の留意事項(外用薬、注射薬等も含む)、保管上の留意事項、薬価。

B.有効性情報(確定的には医師の判断が必要な情報):効能・効果。

C.安全性情報(薬剤師が独自に判断できるが、提供にあたって医師との十分な連携が必要なもの):重大な副作用、その他の副作用、生活上の留意事項。

はじめは最低限の情報としてAの提供を十分に行い、B,Cの提供も出来る限り早急に提供できるよう達成目標と達成時期を定めて努力すべきとしている。

ところで患者向け添付文書については厚生科学研究が行われているが、実現までの間は、既成の資料(表)の利用が望まれる。また市販のソフトウェアの利用も一方法である(ふくおか県薬会報.5月号.1997 医薬品情報NQ204参照)。

患者への薬剤情報提供は画一的なものでなく、既存の資料をそのまま患者に渡せばよいというものではない。また薬剤情報提供には医師との十分な連携が不可欠であるが、広域病院からの処方せんを応需している薬局では困難な場合が多い。しかし、これまで薬局で集めた患者の薬歴情報等をもとに、患者個々の状況に応じて、個々の薬剤師が情報を選択し作成したものを提供することが望まれる。

※次頁の資料を参照

薬剤情報提供に利用できる資料

<在宅医療研修会> 看護ステーションより

4月から5回シリーズで月1回市薬で在宅医療や介護保険について勉強会をしています。
在宅医療の中で薬剤師を必要とする所は、どんな場面でしょうか。一緒に考えてみましょう。

5月27日火曜日の午後7時30分より市薬の講堂で在宅医療研修会が開かれた。市医師会より老人訪問看護ステーション東の林業倫子先生を招いて、「老人訪問看護ステーションの活動について」という演題で講演を戴いた。 第2部として南区の在宅医療モデル事業のまとめということで、末田先生より報告があった。

手際よく多方面からまとめ上げられた報告は、短期間だったにも関わらず頑張られた南区の先生方のご努力の後が伺えた。共通していえることはチーム医療の大切さであり、特に今回はその部分を力説されていた。

林業先生も看護ステーションの経験をかなり突っ込んで具体的にお話し戴いて非常に参考になった。2000年には4人に1人が65歳以上の高齢者になる。今まではそういった老人をお嫁さんが看護していたが、核家族化が進み共働きが増えていく中で非常に難しくなってきている。

看護ステーションの仕事は・・ 在宅患者さんとのおつき合いは・・
訪問看護ステーションは保健婦(士)、看護婦(士)、准看護婦(士)、理学療法士、作業療法士などが従事しており、1人の患者により良い看護が受けられるよう情報交換や研修を行なっているということだった。

更にスライドでは、看護ステーションの仕事が細かく分析されていた。脳血管疾患・骨折・高血圧が多く、年齢的には80歳代が最も多く54名、また介護者の続柄としては妻・娘がそれぞれ35名ずつ、介護者の年齢は70歳代が36名で、次に50歳代が33名となっているなど詳しくまとめられていた。現場のスライドもかなりあって具体的で分かりやすかった。

 役割分担ということで、
  夫    家事・排泄の介助他
  長男   受診の介助
  ヘルパー 掃除・洗濯他
  友人   TVのチャンネル・電気のスイッチ
  訪問看護 食事の介助他
などの資料もあって、1人の患者を多くの人達が支え合っていることを具体的に感じさせられた。

脳性麻痔の患者がワープロでコミュニケーションをとっている話、ポータブルトイレなども調節が難しく工夫が必要であるなど、実際的で細かいお話を開くことが出来た。

最後に「訪問の心得」ということで14項目を挙げてそれぞれに丁寧な説明があった。貴重な経験の項目だと思う。

「訪問の心得」
  1. 患者さんのお宅(テリトリー)に伺う。
  2. 高齢者は、人生の先輩であるという謙虚な気持ちで接する。
  3. それぞれの家庭には、それぞれの人間関係の歴史がある。
  4. 在宅ケアは生活を支えることが基本。自分の職種にこだわらない。
    (看護婦だからここまでしかしないでは駄目)
  5. 他の職種の悪口にのらない。  ヘルパーさんなどの悪口などに安易に相槌を打たない。
  6. 飲食の接待は基本的にはお断り。
  7. 礼儀はきちんと。
  8. まずはその家庭のやり方を受け入れる。
  9. おじいちゃん・おばあちゃんではなく、必ず名前で言う。
  10. 専門用語ではなく、普通の言葉で説明する。「糖衣錠」と薬剤師に言われて、患者は「10以上」飲まないといけないと思ったケースもある。
  11. 守秘義務
  12. こちらの心身の状態を最善に保つ。雰囲気がどうしても暗いので、疲れているときなど元気を振り絞って笑顔で「こんにちは」と言っている。
  13. 医療はサービス業。
  14. 他機関との連携を密に。必要とあればケースカンファレンスを

モデル事業は大変でしたが・・最後の質問では、介護者の疲労について特にショートステイの現状に目を向けることが大事であるとの考えも出た。更に薬がばらばらになったときに誰がそれを整理するのか。 そんな時すぐに薬剤師を思いだし利用してほしいとの意見も出された。

(上村義徳)

〔フレッシュさん紹介〕 「開局4年目を迎えるにあたって」 東支部 和白部会 ニック調剤薬局三苫店 久保博文

今年の秋で4年目を迎えるニック調剤薬局三苫店です。すぐ近くには、海の中道海浜公園・志賀島等あり、夏のレジャーには絶好の環境に恵まれていますが、唯一、土日の車の渋滞には頭を悩ましています。

また、草で数分の所に姉妹店があり、どちらにもフレッシュなスタッフが揃っています。たまたま、主な受付診療科及び患者層が違う為、随時情報交換を行い、互いに片寄り がちな薬剤の知識を無くすよう努めています。

さらに、情報捷供の義務付けに伴い、今以上の医師との連携も合わせて現在の服薬指導の再検討を行っているところです。

今後、患者さんの方から選ばれる「かかりつけ薬局」に少しでも近づけるように、薬の供給・相談役として地域に貢献していけたらと考えます。

情報提供について電話でお話を伺いました。

「今は薬剤情報提供のフィーは取っていませんが、秋をめどに1年1年半先を視野に入れて準備をしています。薬剤情報提供にどのようにコンピューターを使うか仝メーカーを当っています。また、ドクターとのコミュニケーションの問題もあります」と、話されました。

薬剤情報提供は調剤とともに重要な業務です。実務のなかで知恵を絞って考えたことが情報提供のシステムとして実を結ぶことでしょう。こんなことを思ったお電話でした。

あなたのおくすり
※このイラストはニック調剤薬局の受付事務の古島かおりさんの作品です。すてきですね!

<急患センターだより> 平日夜間診療の情況

平日夜間診療の情況

金言・名言

  人生如朝露    (漢書)

「人生は朝霧(ちょうろ)の如し」、人生は長いようで短い、だから二度ない人生は大切に、という意だが、生き方の難しい時代だ。

■■トピックス■■ (社)福岡市薬剤師会 学術担当理事 千阪善弘

アポトーシスについて

1)細胞死

細胞の死は、個体の死とは別であるが、最終的には細胞は死滅する。これほど明らかな事実でありながら、細胞死は細胞増殖、分化の研究に比べると長い間あまり顧みられなかった。従来、細胞死についても、"生理的細胞死"ではなく、"病理的細胞死"である壊死(ネクローシス)のみが知られていた。

アポトーシス(Apoptosis)が医学的に使われたのは、1972年Kerr,WyllieおよびCurrieの3人の病理学者達によって、ネクローシスと形態学的に異なる細胞死として発見され、定義された細胞死からである。

今日、発見されてから20年以上過ぎているが爆発的な関心をよんでいる。

この名称はギリシャ語のapo(離れる),ptosis(落ちること)からとられ、周囲の生存細胞群から死細胞が脱落することを意味する。

アポトーシスは形態学的には細胞核全体の凝縮が起き、次いで細胞の縮小、空胞化が起こり、さらに細胞の表面の平滑化が起ってくる。この過程のなかで細胞内のエンドヌクレアーゼが活性化され、その結果、クロマチンのDNAがヌクレオソームごとに分解され、細胞は断片化し、膜に包まれた球状の4、体アポトーシス小体ができ、この小体がマクロファージなどに貪食され、静かにかつ迅速に除去される。

これに対し、壊死は虚血などによってミトコンドリアの障害を起こし、エネルギー産生障害、細胞内浸透圧制御不全、細胞融解という過程を経て細胞が死滅する。その時、炎症を併う。

アポトーシスの生化学的特徴として、電気泳動像の"DNAの梯子状構造"(DNAラダー)があげられる。

発生学の分野では、以前から多細胞生物の発生過程で、特定の時期に特定の細胞が死滅するいわゆるプログラム化された細胞死という現象が起こり、この現象は多くの器官の発生過程において不要になった細胞を除去するために必要不可欠な過程であること、したがって何らかの原因によって細胞死が起こらないと奇形が生じることが分かった。

最近、このプログラム化された細胞死がアポトーシスの過程に起こることが判明し、その結果、アポトーシスとプログラム細胞死とがしばしば同一語として用いられている。しかし、本来、アポトーシスは細胞死の過程を表わした言葉であり、プログラム細胞死は発生分化の過程での現象を表わした言葉である。アポトーシスは痛遺伝子(bc1-2,C一myC,S-myC)や痛抑制遺伝子(p53,Rbなど)などの癌関連遺伝子と密接な関係があり、しかも、原生動物細胞から線虫、脊椎動物に至るまであらゆる動物に共通する遺伝子であることが明らかになった。

2) アポトーシスの年王撃と病王甲

成体内の各組織は日々その機能を正常に維持するため、活発な細胞交代が行なわれ恒常性を保っている。特に、皮膚や小腸上皮において著明で基底部において幹細胞の分裂により新しい細胞が生じ、先端部では老朽化した細胞がアポトーシスによって除去される。

このほか免疫系におけるT細胞のネガテイープ選択やホルモン依存性の組織の退縮や萎縮の際にもアポトーシスは認められる。一方、アポトーシスが障害されると奇形や組織の機能不全、細胞動態の不均衡、免疫不全症、自己免疫疾患、痛などを引き起こすことになる。(表1) 病院研究のみならず、診断・治療の分野でも関連が報告されている。

各種の抗癌剤は従来、DNA合成や細胞分裂を阻害することによって癌細胞の死滅をもたらすと考えられていた。ところが最近になって、各種の抗癌剤がアポトーシスを癌細胞に誘導することを示す事実が相次いで報告されている。

又、invitroではあるが、漠方薬の小柴胡湯の水可溶成分が正常細胞に比べ、肝胆道系癌細胞に対してより特異的にアポトーシスを誘導すると報告されている。

アポトーシスは新しい形の細胞の死滅の横序として、多くの研究者の注目を集め日々新しい知見が報告されている。

表1 アポトーシスと病態

 日本臨床 54巻7号(1996)
 日医雑誌114巻9号(1995)
 臨床と研究73巻5号(1996)
 医学のあゆみVol.173NQlO(1995)

FUSAKOさんの英会話
FUSAKOさんの英会話

<市薬薬局のコーナー>

福岡市薬剤師会薬局現状報告

<代議員会報告> 第38回 社団法人 福岡市薬剤師会
通常代議員会(通算第66回総会)

日 時 平成9年4月26日(土)午後3時
場 所 福岡市薬剤師会館 講堂

代議員会次第
1.開     会
1.会 長 演 述
1.来 賓 祝 辞
1.議長、副議長選挙
1.議    事
(1) 報  告
  第1号 平成8年度会務並びに事業報告(学薬、勤務薬、女子薬、商組事業概況報告)
  第2号 第76回(臨時)第77回(通常)福岡県薬剤師会代議員会報告
(2) 議  案
  第1号 平成9年度事業計画決定の件
  第2号 平成9年度会費決定の件
  第3号 平成9年度歳入歳出予算決定の件
  第4号 借入金限度額決定の件
1.閉     会

総 会 次 第
1.開     会
1.会 長 演 述
1.第38回福岡市薬剤師会通常代議員会決定事項報告
1.選挙(福岡県薬代議貞及び予備代議員選挙)
1.日薬有功賞伝達
1.部 会 表 彰
1.高齢会員(80才以上)表彰、還暦会員祝彰
1.閉     会
※高齢会員、還暦会員並びに平成8年度被表彰者を囲んでの祝賀会
 於:セントラルホテル 珊瑚の間(B1)

〔1〕報  告

報告第1号 平成8年度会務並びに事業報告
1.一般会務会計事項

(1) 会員数
    平成8年3月末現在1,064名
    平成9年3月末現在1,072名
 (会員の内訳)
  薬局526名、一般販売業143名、薬種商6名、勤務その他397名
 部会数・人員数
  東支部 5部会90名、博多支部10部会126名、中央支部7部会120名、
  城南支部3部会39名、早良支部5部会 77名、酉支部 3部会 45名、南支部5部会86名
  計 38部会 583名
 保険薬局数 475薬局

(2) 会議
  代議員会、総会         3回
  顧  問  会         2回
  三  役  会         7回
  理  事  会         12回
  常  務  会         2回
  支 部 長 会         10回
  部会連絡協議会         3回
  議事運営委員会         3回
  監  事  会         3回
 委  員  会
  組織委員会           14回
  薬局委員会           14回
  急患委員会           10回
  社保分推委員会         13回
  学術委員会           13回
  広報委員会           23回
  在宅医療委員会         16回
  市薬薬局委員会         13回
  試験センター委員会       2回
  情報管理委員会         3回
  学術委員会           5回
  合同委員会           3回

(3) 高齢会員、還暦会員祝彰
 高齢会員(17名)
 工藤菊江(89)、村上タカ子(87)、武田準一(86)、清水貞知(86)、副島恒夫(84)、
 児島豊(83)、鶴原正蔵(82)、三井所清澄(82)、柴田伊津郎(82)、北田光男(82)、
 田添喜久子(81)、前田碩平(81)、上野慎一郎(80)、畠田タツ子(80)、工藤益夫(80)、
 吉村成広(81)、中原耕一郎(80)

 還暦会員(9名)
 池田茂苗・浦上光子・小田治平・熊沢和子・具島圭次・沢村利次・森本幹二・
 緒方正憲・内堀繁吉

(4) 表彰関係
 叙勲五等双光旭日章 
   平成8年11月  藤 野 義 彦
 文部大臣表彰(学校保健及び学校安全)
   平成8年11月  木 村 英 樹
 福岡県知事賞(薬事功労)
   平成8年10月  木 原 三千代
 福岡県知事賞(公衆衛生事業功労)
   平成8年11月  小 松 秀 美
 福岡県教育委員会長賞(教育文化功労)
   平成8年11月  細 井 徹 一
 福岡県学校保健会長賞(学校保健功労)
   平成8年11月  椛 島 和 子
 日本薬剤師会功労賞
   平成8年11月  古 賀   隆
 福岡県公衆衛生協会理事長賞
   平成8年11月  小 田 浩 平
 福岡市教育委員会長賞
   平成8年11月  藤 野 裏 道
 福岡市学校保健会長賞
   平成8年11月 故・野 田 靖 夫
 福岡県薬剤師会長賞
   平成9年3月 光安龍彦・大久保淑住

(5) 会員及び家族に対する見舞金
 1)会員死亡見舞金
  梅津浩二・副島恒夫・古賀茂次・工藤  菊江・吉村成弘・野田靖夫・
  柴田伊津郎・中原耕一郎 
 2)会員家族死亡見舞金(配偶者・一親等)
  宮崎和人・平川雅章・唐津博順:平井  ミズエ・森実和子・千阪善弘

(6) 研修事業
 1)薬物療法研究会
  日 時 平成8年4月22日(月)午後7時
  場 所 福岡市薬剤師会館
      受講者105名
  演 題「アレルギー性疾患、最近の話題」
      サンド薬品株式会社 学術推進部次長 梅田賢一先生
 2)薬物療法研究会
  日 時 平成8年5月28日(火)午後7時
  場 所 福岡市薬剤師会館
      受講者120名
  演 題「インスリン製剤の種類と特徴」
      ノボノルディスクファーマ株式会社学術部 プロダクトマネージャー 坂田英世先生
 3)学術研修会
  日 時 平成8年6月19日(水)午後7時
  場 所 福岡市薬剤師会館
      受講者135名
  演 題「糖尿病診療の最近の話題:インスリン抵抗性症候群、内臓肥満症候群と薬物療法」
      九州大学医学部附属病院総合 診療部助手 後藤公宣先生
 4)薬物療法研究会
  日 時 平成8年7月16日(火)午後7時
  場 所 福岡市薬剤師会館
      受講者158名
  演 題「アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤の桂類と特徴」
      万有製薬株式会社福岡営業所 富田康司先生
 5)薬物療法研究会
  日 時 平成8年8月21日(水)午後7時
  場 所 福岡市薬剤師会館
      受講者161名
  演 題「カルシウム括抗剤の種類と特徴」
      田辺製薬株式会社九州支店学術主任 竹永秀幸先生
 6)「相互作用」講演会
  日 時 平成8年8月23日(金)午後7時
  場 所 福岡市薬剤師会館
      受講者180名
  演 題 「処方の中の相互作用」
      新潟薬科大学毒物学助教授 高中紘一郎先生
 7)薬物療法研究会
  日 時 平成8年9月25日(水)午後7時
  場 所 福岡市薬剤師会館
      受講者136名
  演 題「β一連断割の種類と特徴」
      ゼネカ薬品株式会社本社医薬部 医薬情報グループ主任 米田一宏先生
 8)学術研修会
  日 時 平成8年11月20日(木)午後7時
  場 所 福間市薬剤師会館
      受講者153名
  演 題「臨床における降圧剤の使い方」
      浜の町病院循環器科医長 丸岡雄二先生
 9)管理薬剤師のための研修会
  日 時 平成9年1月12日(日)午後1時
  場 所 明治生命ホール
      受講者438名
  演 題1.薬事法・薬剤師法の改正等について
      福岡県保健環境部薬務課 監視係長 中島久裕先生
     2.薬局のグランドデザインについて
      日本薬剤師会常務理事 中西敏夫先生
 10)薬物療法研究会
  日 時 平成9年1月22日(水)午後7時
  場 所 福間市薬剤師会館
      受講者88名
  演 題「低用量ピルの種類と特徴」
      帝国臓器製薬株式会社学術情報マネジャー 国崎征昭先生
 11)学術研修会
  日 時 平成9年2月19日(水)午後7時
  場 所 福岡市薬剤師会館
      受講者123名
  演 題「低用量ビルの臨床における考察」
      浜の町病院産婦人科不妊症センター部長 中村元一先生
 12)学術研修会
  日 時 平成9年3月13日(木)午後7時
  場 所 福岡市薬剤師会館
      受講者125名
  演 題 小児免疫疾患の基礎と臨床I
      九州大学医学部附属病院小児科助手 古賀正一先生
 13)第7回薬局実務研修会
  日 時 平成8年8月31日(土)午後2時
        受講者 32名
      9月1日(日)午前10時
        受講者 33名
      9月7日(土)午後2時
        受講者 35名
      9月8日(日)午前10時
        受講者 33名
  場 所 福岡市薬剤師会館

(7) 親睦事業
 17回ソフトボール大会
  日 時 平成8年10月6日(日)
      参加者148名
  場 所 武田薬品工業グラウンド
      支部対抗優勝 城南支部
 14回ボウリング大会
  日 時 平成9年2月2日(日)
      参加者120名
  場 所 城山スポーツパレス
      支部対抗優勝 東支部
      個人優勝 長谷川和美

(8) 試験センター業務
 (1)医薬品関係
 1.福岡県医薬品計画的試験
   検体数120、試験項目299項目
 (2)環境関係
 1.市立学校飲料水水質検査 毎学期1回
   6月   234校(分校を含む)
   11月   234校(分校を含む)
   2〜3月 234校(分校を含む)
 2.市立学校プール水水質検査 年2回
   6月 219校
   9月 210校
 3.県立学校プール水水質検査 年2回
   6月 25校(プール数 27)
   7月 25校(プール数 27)

2.重点事業報告

経済社会の構造改革が進むなかで、赤字構造に陥った医療保険制度の改革は、医療全般にわたって求められ、その一環として調剤報酬あるいは、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則、さらには薬事法、薬剤師法の一部改正などが行なわれ、他方では薬品販売の規制緩和が唱えられて薬局をめぐる経済環境は、大きく変化してきている。

このきびしい環境変化のなかで、市薬では会員の生き残りを念頭に「かかりつけ薬局」の育成強化を目標として事業の推進を図ってきた。

とくに、医薬分業を推進するため保険薬局並びに広域病院の実態調査を実施するとともに、広域病院を訪ねて院外処方箋の発行について検討をお願いしている。さらに、介護保険制度、在宅医療を視野に入れた事業の推進を図るため、モデル事業として実施されている博多区及び南区の在宅医療のモデル事業を支援するとともに、薬剤師の職能向上のための各種研修会の開催あるいは支部で企画された「地域との連携事業」を支援した。

また、第37回臨時代議員会において承認された「九大病院事業移管に関する事業」の推進については、関係薬剤師会の理解を深めながら着実に進行している。さらに三師会との連携、外部関係団体との交流強化に努め、医療人の一員としての薬剤師の存在をアピールしている。

1.組織の強化

(1)支部長会の月例化による意見の交換、調整を行ないながら支部活動の活性化を図り、さらに支部独自のイベント事業の支援、あるいは実務研修会の広報活動を助成し粗放の強化に努めた。

(2)恒例の会員親睦行事であるソフトボール大会及びボウリング大会を秋・冬期に開催、多数の参加者を得て会員相互の親睦を深めながら盛会裡に終了、また、恒例の「薬草観察会」の事前調査観察会にも多数の会員が参加されて戸外での親睦に役立った。

(3)前年度からの引継ぎ事項である定款改正及び選挙制度の見直しについては、組織委員会で協議を続け、ようやく成案を得て監督官庁の審査に移ってい る。

(4)院外処方箋の広域化に伴い、福岡ブロック圏内の薬剤師会が相互に情報交換をし、より多くの広域病院からの応需体制を整えたいとして「福岡医療圏協議会」を設け、2回の会合を行ない協議したが、さらにその定例化を図り応需薬局の広域化「かかりつけ薬局」の定着化を促進していきたい。

2.福岡市薬剤師会薬局の運営

福岡医療圏の医薬分業支援センターとしての機能を果たすため、研修・調剤・情報・備蓄・在宅の支援事業の発展に努め定着化を図っている。

(1)処方箋拡散の再検討
遠隔地の患者向けと薬局周辺住民のかかりつけ薬局としての機能を果たしながら医療センター処方箋の月別応需率は、概ね13%台を維持して薬局財政の均衡を保っているものの、地域への処方箋拡散による応需率の変動は、薬局運営の根幹に係る問題ともいえる。

(2)かかりつけ薬局の育成強化
薬局製剤薬品の備蓄と分譲、あるいは処方箋応需における相互作用などの情報提供システムの活用など、応需薬局支援の体制を構築しつつあるが、とくにこのたびの九大病院院外処方箋応需の第3次募集においては、その研修機関として重要な役割りを果たした。

(3)研修センターとしての機能
大学薬学部学生の実務研修、日本薬剤師会研修センター主催による薬学教育担当者の薬局業務見学などの申出に対しても、市薬薬局はその研修センターとしての機能を充分に果たしている。また、そのほか施設見学には他県の県薬、保健所から県職員、県薬役員の来訪者が多く、昨年度以降でも12団体が訪れており、日常の調剤業務にも支障を及ぼすほどの盛況で、その対応には一考すべきものがある。

3.薬局の活性化

地域医療への参加、あるいはかかりつけ薬局になる努力を目途に薬局の活性化を求める施策を促進した。

(1)薬局業務の充実を図るため、管理薬剤師を対象とする研修会の開催、あるいは保険薬局の実態調査、薬局ガイドラインの研究、在宅医療に対する啓蒙など積極的に事業を推進した。

(2)地域医療への参加協力においては、平日夜間における急患センターへの出勤者調査、検討、並びに急患センターの出勤者調整を行い、また市行政が推進する健康づくり運動への参加、各区ごとに開催される健康フェアーへの支援、あるいは「あいれふ」が主催する「市民の薬草観察会」「あいれふ春風ウオーク」の行事を支援するなど行政 とタイアップした事業展開は、地域医療における薬剤師の役割りをアピールするのに大いに役立ったものと思考し、引き続き行政側との連携が望まれるところで、さらに「薬と健康の週間」行事、「薬物乱用防止啓蒙運動」への協力などの行事についても積極的な参加協力が望まれる。

4.医薬分業の推進

薬剤師会設立理念の一つである「面分業」の推進は、地域における「かかりつけ薬局」の確立であり、院外処方箋を応需する形を基本として業務の進展をはかってきた。

(1)本年度は広域病院の実状を調査するとともに、院外処方箋発行について病院側の理解を得るため、支部との連携を密に病院を訪ねる努力を重ねている。

(2)分業の適正化と薬剤師の資質向上を図る処方検討会の実施と指導の徹底に努めた。

(3)九大病院からの院外処方箋拡大に伴う第3次応需薬局の募集と実務研修を各支部単位で実施した。

5.在宅医療へ参加

(1)博多支部が大同生命厚生事業団の助成を受けて実施している「在宅患者の服 薬実態」事業を推進し、また、南支部が日本薬剤師会の指定を受けて事業を展開している「在宅医療における薬剤使用の実態調査及び事例集作成事業」は、地元医師会など関係医療機関との連携を図りながらモデル事業としての実境を積みあげており、市薬は全面的に支援している。

(2)在宅医療及び介護保護制度への認識を深めるための研修、講演会を開催した。

6.広報活動の活性化

会の情報紙としての広報紙「市薬ジャーナル」を2ケ月ごとに発行して、会員への周知を図るとともに、薬剤師が、地域医療に直接かかわる「訪問薬剤管理指導」あるいは「在宅ケア懇談会」については、日刊紙あるいはNHKTVの地方ニュースにも取り上げられて、薬剤師職能のPRに役立った。

7.研修事業の推進

薬剤師職能の資質向上を図る学術研修会、あるいは関係法規改正による説明会の開催など適期に開催して、会員への周知に努めた。

 学術研修会     10回
 薬局実務研修会   1回
 処方検討会     11回
 在宅医療研修会   2回
 管理薬剤師研修会  1回
 相互作用講演会   1回

報告第2号 第76回(臨時)第77回(通常)福岡県薬剤師会代議員会報告
1.第76回臨時代議員会

 日 時 平成8年6月22日(土)午後2時
 場 所 福岡県薬剤師会館
 演 題 議案第1号 平成7年度歳入歳出決算認定の件
     議案第2号 平成7年度収益事業決算認定の件
     平成7年度決算(平成7年4月1日〜平成8年3月31日)
     歳入金  244,203,413円
     歳出金  187,619,826円
     差引残額  56,583,587円
     議案第3号 平成7年反対九大病院事業特別会計収支決算認定の件

2.第77回通常代議員会

 日 時 平成9年3月16日(日)午前11時
 場 所 福岡県薬剤師会館
 演 題
 報告第1号 平成8年度会務並びに事業報告
 報告第2号 日本薬剤師会第81回臨時、第82回通常代議員会報告
 報告第3号 平成8年度歳入歳出中間報告
 議案第1号 平成8年度補正予算決定の件
  補正後の予算額 233,872,587円
 議案第2号 平成9年度事業計画決定の件
 議案第3号 平成9年度会費決定の件
 議案第4号 平成9年度一般会計歳入歳出予算決定の件
  平成9年度歳入歳出予算 231,724,500円
 議案第5号 平成9年度対九大病院事業特別会計収支予算決定の件
  平成9年度収支予算 29,809,000円
 議案第6号 借入金限度額決定の件
  借入金限度額 50,000,000円

議案第1号 平成9年度事業計画決定の件 平成9年度事業計画(案)

医療保険制度の抜本的改革が重要な課題とされるなかで、いま薬剤師には医薬品の適正で安全な使用の推進が求められています。とくに、本年4月1日施行の薬剤師法改正では、患者等への情報提供が義務イヒされて、薬剤師の医療に対する責任はさらに重みを増してきた。社会保障制度改革の流れのなかで、施策の先取りをしながら、薬剤師は互いに連携し、職能をもって社会に寄与しながら、地域医療を担う一員としての地位を立しなければならない。

このことを念頭に、支部組織の構築、広域病院対策、地域に密着した在宅医療への参加推進、公的介護保険制度への参加と推進、更には九大病院事業の移管問題等に取り組みながら「かかりつけ薬局」の育成に邁進する。

1.広報活動の充実
 (1)対外的広報活動を重視
 (2)会報「市薬ジャーナル」年6回発行
 (3)会員に対する情報提供へのコンピューター通信利用の検討

2.組織強化
 (1)支部薬剤師会の強化
  ア.支部との連携(組織の活性化)
  イ.研修・在宅医療・介護保険制度・健康フェア等の事業強化
  ウ.支部組織の構築
  エ.対外的対策の支援
 (2)会員相互の親睦
  ア.ソフトボール大会
  イ.ボウリング大会
  ウ.薬草観察会
 (3)定款及び選挙制度の立案

3.福岡市薬剤師会薬局の運営
 ア.在宅医療支援事業の検討
 イ.かかりつけ薬局育成の支援
 ウ.情報センターの利用推進

4.薬局の活性化
 (1)薬局業務の充実
  ア.処方せん応需体制の強化
  イ.グランドデザインの検討
  ウ.研修会充実
  エ.地域住民への「かかりつけ薬局」の啓蒙促進
  オ.薬局実態調査結果と検討
 (2)地域医療への参加協力
  ア.救急医療への参加
  イ.各区健康フェアへの支援
  ウ.福岡市薬草観察会への協力
  エ.「薬と健康の週間」への協力

5.医薬分業の推進
 (1)面分業推進のための対策
  ア.医師会、歯科医師会との協力体制の整備
  イ.九大病院事業移管推進及び広域病院への対応
  ウ.支部との連携
 (2)保険業務の研修と指導の徹底
 (3)備蓄情報ネットワーク構築
 (4)保険薬局調査の有効的利用

6.在宅医療及び介護保険制度への讃歌
 (1)福岡市医師会、歯科医師会、行政及び社協との連携
 (2)老健、特養施設、ケアハウス対策
 (3)支部における在宅医療及び介護保険活動への支援
 (4)会員の意識向上と研修

7.研修事業の強化
 (1)各種研修会との連携
 (2)実務研修内容の再検討
 (3)支部研修会の支援

8.試験センター
 (1)行政対策の強化
 (2)学校保健法施行規則第22条の2の第1項による検査事業の実施
  ア.県立及び市立学校プールの水質検査
 (3)水道法第34条の2第2項による事業実施
 (4)厚生大臣指定機関としての医薬品試験の実施

9.福岡医療圏への協力

議案第2号 平成9年度会費決定の件

平成9年度の会費、入会金は次のとおりとする。
(1)会費
 A会費(薬局、一般販売業、薬種商等)
  年額 83,000円(県薬会費 39,500円)
 B会費(勤務、その他)
  年額 31,000円(県薬会費19,000円)
(2)入会金
 A会費
  保険薬局 500,000円
  (県薬入会金 50,000円)
  その他のA会費 250,000円
  (県薬入会金 50,000円)
 B会費
  20,000円(県薬入会金10,000円)

議案第3号 平成9年度歳入歳出予算決定の件

平成9年度福岡市薬剤師会歳入歳出予算(案)
平成9年度福岡市薬剤師会歳入歳出予算(案)
平成9年度福岡市薬剤師会歳入歳出予算(案)
平成9年度福岡市薬剤師会歳入歳出予算(案)
平成9年度福岡市薬剤師会歳入歳出予算(案)
平成9年度福岡市薬剤師会歳入歳出予算(案)

議案第4号 借入金限度額決定の件

平成9年度福岡市薬剤師会の借入金限度額は次のとおりとする。
   一 金    150,000,000円

(社)福岡市薬剤師会代議員名簿

福岡県薬代議員及び予備代議員一覧

第38回通常代議員会議事録
平成9年4月26日 福岡市薬剤師会館講堂

 

 市花常務理事の司会により開会
 開会挨拶 細井副会長

会長演述

平成8年度は執行部がかわりまして、種まきの時期であったと思っております。平成9年度は、このまいた種の芽を出させて、育てる1年にしたいと考えております。

埋没する薬剤師

今、福岡市の薬剤師会が一生懸命進めておりますのは在宅介護の問題です。日薬の荒巻副会長が頑張られまして、法案の中に「薬剤師」を明記させていただきました。これは非常に画期的なことで、平成4年の第二次医療法改正で薬剤師が医療人であると明記されましたが、それに続くものです。しかし、これも放っておけば、薬剤師そのものが埋没しかねません。これに対する準備、それに伴う事業を今年度も最大の課題として進めてまいりたいと思っております。今、福岡市も行政改革で、衛生局と民生局が一緒になり、保健福祉局になりました。そして、保健所が各区の区長のもとに入るわけです。各支部の重点的な活動目標として、区長を対象にして頂きたいということです。これからは各支部の各区に対する働きかけが非常に大事になってまいります。そのことを呉々もよろしくお願いしておきたいと思います。

万全の事業

もう一つ、今度、新しい事業として、平日夜間が始まりました。従来の休日夜間と異なり、会員の先生方が働いた後に、さらにまた仕事をして頂くということで、大変な事業です。しかも短期間で終わるわけではありませんで、ずっと将来ともに続いていく事業ですので、万全を期さなければなりません。この件に関しても、皆様方のご協力をお願いしておきたいと思います。

来賓祝辞

○梶原敬史福岡県薬剤師会会長
政争の具

現在ご存じのように、医療保険改革法案が国会に提出されておりますが、私から見ると政争の具と申しますか、おもちゃにされているといったような感じがし、医薬分業、医療体制の供給システムがその中で埋没しそうな感じがいたします。

3月に東京、大阪、仙台の3カ所で公聴会が開催されておりますが、日薬の主張を子細に読みました。それから、ほかの老人クラブ、いろいろな人のお話、答えを検討しました。

その中で非常に残念に思うのは、医薬分業の適正化、医薬品の適正使用といったものが取り上げられていないということです。日薬はそれなりのご努力はなさってるのでありましょうが、それが表面に出てこないことが非常に残念に思います。

情報の公開、医療の公開といったものが医薬分業の本当の姿でして、従来の薬物情報を変えることができるんだ、医薬分業を国民に定着させることによって、そういう事ができるんだという事をもっと強調して、また国民サイドからそういう運動を今後とも展開していかなければいけない。

昨年も、この総会の席上で申し上げたと思いますが、費用対効果の問題につきまして、日英の分業対策本部は、今年はそれをテーマとして取り上げております。具体的な数字をもって医薬分業の医療の供給システムを確立していかなければいけないと考えます。

散らされた数字

現在、処方箋の枚数がどれ位あるかと申しますと全国的には非常に高い。社会保険だけで見ますと平成8年12月分が1,375万枚。これは前年比の113%。福岡県の場合は107万8,700枚。これは105.6%。現在、平均より少し低いんですが、これは九大等の面分業の処方箋をいかに出していただくか、我々がいかにそれを応需するかという風なことを今年度も考えているわけです。

現在、受取率が全国的に25.7%ですが、福岡県の場合は45%。40%以上が5県(秋田、神奈川、佐賀、宮崎、福岡)あります。皆さんのご努力は大したものです。

また、処方箋は1軒当たりどれ位あるかということですが、千枚前後で、非常にパーセンテージが高くなっております。約3割は1千枚(1カ月)前後ございます。面に散らすことによって、そういう数字がどんどん高くなってきているということです。

今後ともかかりつけ薬局の意義というものが非常に大事になってこようかと思います。

卒業前後の問題

また、日薬は基準薬局制度をこの4月から大幅に変えました。先ほど少し会長のお話の中にもありましたが、第二次医療法、保険薬局の療担規則などで非常に変わってきたという事で、県薬も再検討を早急に、この夏ぐらいまでにやることを決定しております。それからまた卒前、卒後の研修の問題、これも来年度から本格的になりますので下準備として今年はきちっとした青写真を作らなければと考えております。

規制緩和の問題には、よほど我々の対処を厳しく考えておかなくては取り残される恐れもございます。医薬品のカテゴリーの問題が一般国民と我々の考え方では非常にギャップがある事をここでお話ししておきます。

○住吉孝之福岡県環境保健部薬務課長
薬務行政の置かれた環境

会員の皆様方におかれましては、平素から医療の現場、あるいは医薬品の製造から流通、販売に至る一連の過程の中で、医薬品の安全性、あるいは適正な使用といった面で地域医療に貢献されておられますことに対し、心からお礼を申し上げます。

私ども薬務行政が現在置かれている環境について少し申し上げますと、ご承知のとおりソリブジン事件以来、血液製剤によるHIV感染といったような事件が相次いで起こっており、今日ほど医薬品の副作用が社会的に大きな問題となったことはないのではないかと思っております。国におきましても、医薬品の安全対策という面から、審査課が薬務局から分離独立という形になり、さらに薬務局は医薬安全局という形で今年の7月には組織が改正される状況です。また、治験から市販に至る医薬品の安全対策については、副作用の報告、不良医薬品の回収徹底を含め法律の改正が行われております。

さらなる取り組み

今回の安全対策の中で、皆様方に関係ある部分は、薬局、医薬品販売業はもちろん、薬剤師全員に対し、医薬品の適正使用といった面から、患者さんへの医薬畠等の情報提供ということが義務づけられ強化されております。また、これから高齢化社会の中で、適正な医療の中での医薬品の安全対策を考えてみた場合に、多科受診という問題が当然起こってくるわけですが、その中で医薬品の重複投薬、相互作用による副作用、長期服用、多剤併用といった問題が起こってくるのははっきりしております。そういうことから「かかりつけ薬局を目指した医薬分業の推進」という事を今後の重要な課題として、私どもは施策を推進しているところです。

福岡市の薬剤師会に対しても、日ごろから色々ご協力を頂いているところですが、この分業については、さらなる積極的な取り組みをお願いいたし、薬剤師としての職能を通じて県民の保健衛生の向上にご尽力を頂きます様、お願い申し上げますと共に福岡市薬剤師会の益々のご発展と会員の皆様方の今後のご活躍を祈念致します。

○西 憲一郎福岡市保健福祉局長

本来ならば、桑原市長が参りましてごあいさつを申すべきところでございますが、公務のため出席できませんので、市長の祝辞をあずかっております。

「日ごろから藤原会長を初め、薬剤師会の皆様方には本市保健福祉行政の推進に一方ならぬご支援ご協力を賜り、心から感謝申し上げる次第でございます。

ご承知のように、高齢化社会の進展や、疾病構造の変化など、我が国の保健・医療・福祉を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。一方、市民ニーズも多様化し、市民の一人一人の状況に応じた保健・医療・福祉サービスを総合的継続的に提供する必要性が高まってきております。このような状況の中、本市が推進しております在宅ケア支援システムに参画して頂くなど、あるいは本年度から実施いたします平日夜間急患診療の推進などにご協力、ご尽力を頂き、誠に心強い限りです。

統合された保健福祉局

本市としましても、このたび少子・高齢化社会に対応するため、保健・医療・福祉の一体的推進を図り、市民の方々のニーズに即した行政の推進のため、従来の民生局と衛生局を統合して保健福祉局に組織変更したところです。今後とも皆様方のご支援、ご協力を賜りながら、よりよい市民サービスの向上に努めたいと思います。

皆様方には健康に十分留意され、なお一層ご活躍頂きますとともに、本日の代議員会が皆様方の熱心なご審議により十分に所期の目的を達成され、実りある会となり福岡市薬剤師会が今後益々ご発展されます事を祈念いたしまして私のお祝いの言葉といたします。」

(市長祝辞代読)

〔祝電披露〕

議長・副議長選挙

○司会 議長・副議長の選出に先だって、仮議長を選出する。選出方法をいかが取り計らうか。(執行部一任の声あり)

○南島専務理事 早良支部の清水先生にお願いする。(拍手)

     〔清水仮議長登壇〕

○清水仮議長 議長・副議長は選挙するとなっているが、7支部と勤務から1名の選考委員により選出してよいか。(拍手)

     〔別室にて協議〕

○清水仮議長 協議の結果、議長は城南区式 町正信代議員、副議長は中央区樋口昌嗣代 議員に決定したので報告する。

 大場前議長、磯田前副議長、退任挨拶。

 式町議長、樋口副会長登壇。就任挨拶。

議長・副議長選挙

○式町議長 梅津先生はじめ8名の昨年度の物故者に対して一同黙祷。

 代議員総数68名中、出席50名であるので代議員会成立を宣言する。
 議事録著名人に中野達也代議員と松島照幸代議員を指名する。
 梅末芳彦議事運営委員長より日程説明。

議   事

〔報告第1号 平成8年度会務並びに事業報告〕

○細井副会長  学薬報告 ○篠崎副会長  勤務薬剤師会報告 ○小松理事   女子薬報告 ○川上常務理事 商組報告 ○南島専務理事

〔報告第2号第76回(臨時)第77回(通常)福岡県薬剤師会代議員会報告〕

〔質疑要旨〕

式町議長から樋口副議長に交替

○樋口副議長 それではただいまより質疑応答に入ります。

○藤野代諺員(東) 重点事業報告の中で「九大病院事業移管に関する事業の推進については、関連薬剤師会の理解を深めながら着実に進行している」と、報告がなされておりますが、もう少し詳しくお伺いしたいと思います。

計画的なタイムスケジュール

○光安副会長 直接かかわっております私の方から報告させて頂きます。実は、こういうふうな関連薬剤師会の話し合いは、北九州、飯塚、久留米薬剤師会に、私と専務が訪問し、会長及び専務にいろんなお願いをしております。といいますのは、去年12月に、この場で九大移管の件をもう一度現執行部でやれということが決まり、それに対しての動きです。

その計画的なタイムスケジュールといいますと、6月の県薬代議員会で福岡市の方から提案と、九大移管の件をぜひ宜しくお願いしますということの各薬剤師会へのお願いです。来年3月の県薬の代議員会の議題としてのせて頂こうというお願いで、今年6月、来年3月を予定しております。

○藤野代議員(東) 6月に緊急動議みたいな形で出されるわけですか。それともお願いですか。

○光安副会長 緊急動議になると硬いので、お願いということで各代議員の先生に提案しようと思っています。

○藤野代議員(東) 個人的な意見ですが、緊急動議みたいな形で6月に出して、形としては移管は市にとっておいて、それからあと県薬の執行部、会長あたりに話して頂いて細部を詰めるべきだと思うんです。そうしますと、6月にはある程度移管の件は決着をつけていないと、それから数字的な面とか、いろんな面でまた延びると思います。オーダリングがいつになるか知りませんが、その辺でピシッとやって頂きたい。

支部長会のときも余りこの話は出ていません。県薬の会長にはお話しされたと思いますが、ご返答は今のところどうなんでしょうか。

理解して動く

○藤原会長 県薬会長とはこの件に関して何回も話し合いをしております。県薬会長の大体の意向は理解をして動いているわけです。そして今、光安副会長が申し上げたように、6月の県の臨時代議員会の前に県の地区会長会が大体は1週間前ぐらいにあるんですが、今回はあえてこれを2週間前にして頂くということで、その席で私の方からまたお屏いをします。そして各県の支部の方で協議していただく時間をとる。そこまでは県薬会長との約束になっております。なお、北九州の代議員会が5月10日にございます。このとき、北九州の了解を取りつけてきたいと思っております。 それから福岡医療圏の会議は何回もやっておりまして、その席でも話は出しておりますが、今度また5月14日に行いますので、ここではっきりさせたい。

次の県の臨時代議員会のときには、福岡に移管するという決議をして頂こうと思っています。ただ、この件は県の代議員会で予算も九大移管の件の特別会計として通っており、県の事業として今進んでいるわけですから途中で福岡市に移管するという訳にはいかないという事です。

したがって、来年3月まで県の事業としていくわけですから、その時点で県の方から新しい議案として出していただいて、きちんとした形にもっていきたい。

○藤野代議員(東) 決議をとられるというのは代議員会ですか。

○藤原会長 今度の6月の県の代議員会で一応決着させます。ただ、その移管の時期は来年の3月以降ということになります。

不透明な時期

○藤野代議員(東) わかりました。それともう1点、市薬薬局の借入金ですが、今70,000,000円ぐらい残っているんですか。

今後、医療法の改正とか、規制緩和とか、すごく不透明な時期に来ていると思います。予算を見ても、借金はもう少し短期間で返すべきじゃないかと思っております。

○南島専務理事 今言われましたように、大体、今年度終わりました時点で70,000,000円ぐらいの借金になるかと思います。いろんな事業を実施している段階で、金利等も 考えまして今の状態で返済をやっていきたい。一応10年で返済していくという計画ですので、この状態を保って、その目標に向かっていきたいと考えております。

将来高くなる10円

○藤野代議員(東) 会費の問題も絡んでくるんですが、将来的に、例えば10円というものが取れるかどうかというのは、すごく問題になるだろうと思います。「10円が高い」という意見が必ず出てくる時代じゃないかと思っております。そうなりますと、処方箋は伸びるでしょうけど、個々の薬局自体の成績というのは落ちるんです。会費の問題でも10円が高いとか、入会金の問題にしてもですが、7、8年たったときに、それが本当に返せるものだろうかと心配しております。この辺、執行部でもう一回考えて頂きたいと思います。これは要望です。

○南島専務理事 基本的には、この10年で返すものについては変えていきたくないと思っております。その状況に応じて、10円という問題も将来的には起こってくると思います。そのときにもう一度考えて、どういう状況で返せるものか、そのときに市薬薬局の状況をどうするのか、そういうことも考えていかなければと思います。ただ、皆さんの処方箋応需率も非常に高くなっていると思いますので、そこで10円の問題を扱って、返せるものかということも考えながらやっていけばと思っております。

ソフト面のかかりつけ薬局

○大庭代議員(南) 付議事項を見ますと、九州大学移管問題と、かかりつけ薬局とがリンクしているように見られます。と申しますのは、九大移管の件については、ソフ トの面においては市薬で行われている件で、窓口が県薬にまだあるというだけであって、実際に動いているのはかかりつけ薬局として現在各薬局では動いているわけですね。端的に、会長、お願いいたします。

○藤原会長 そのとおりだと思っております。

○大庭代議員(南) そうしますと、現実に九大が市に移管されようと、されまいと、現在九大の応需をされているところは、かかりつけ薬局として、十二分にその成果を発揮しています。市に移管されなくてもいいんじゃないでしょうか。

それに加えまして、定款の改正が出されておりますが、これは藤原会長になってから、新しくそれを提案されるんですか。それとも以前に提案され、それが『市楽ジャーナル』に出て、かなり会員にまで普及されていますね。これを見ますと、藤原会長個人が出されたようにお見受けしますが、そうであるならば、その骨子をお教え願いたいんですけど。

○藤原会長 九大の件は、前回の代議員会でも決議されましたように、福岡市の薬剤師会が主たる事業者としてやらなければならないことは、皆様方のご了解済みのことです。それに従って進んでまいります。

かかりつけ薬局の育成の問題、これは九大の処方箋をできるだけ多くの保険薬局、応需薬局だけでなしに、本来ならば全保険 薬局が応需しなければならない。そうならなければ、本当のかかりつけ薬局の育成とは言えないというのが基本的な考え方です。それを進める上でも福岡市薬が主体的にやらなければならないと考えているわけです。

それから定款の問題ですが、これは私の個人的考えで進んでいるわけではございません。組織委員会が一生懸命に討議をしております。しかしながら、前執行部でつくられた案は、私は非常に評価していると何回も申し上げております。

それを基本に進めて頂きたいということで、組織委員会で検討され、決められた案というのは、そっくりそのまま出しても県の薬務課を経由し、法制の審議をするところで通るとは限らないわけです。条文の整合性というのは向こうでチェックするわけですから、こちらが代議員会にその実をそのまま持ってきてここで決めても、それがそのとおりになるとは限らないわけです。

ですから、県と協議をしながら、整合性のあるものにしていく事を、組織委員会で進めているところです。

かかりつけ薬局を第一優先

○大庭代議員(南) 近いうちにでき上がるということですね。私は希望しておきます。

もう1つ。市薬薬局で処方箋が出たのが非会員の方に発行されたというようなうわさを開いておりますが、その事実はいかがでしょうか。これは光安副会長によろしくお願いいたします。

○光安副会長 九大や医療センターの窓口では、非会員であろうと会員であろうと、患者さんのかかりつけ薬局の指定ということで、それを第一優先にしております。

○大庭代議員(南〉 そうなりますと、非会員の薬局は何らかのアクションがないと、あそこに行きなさいということはできないわけですね。患者が選択したというのであるならばいいですけど、おそらく1枚、2枚じゃないことでしょうね。何枚なのか、お聞かせください。

○光安副会長 基本的に非会員のところにファックスは流しますけど、すべて私の知る限りでは患者さんの指定です。例えば患者さんのかかりつけ薬局がない場合の選択は、会員を優先して紹介しています。会員の資料しか手元にありません。

内を粗末に

○大庭代議員(南) 広報の件です。現在まで6回発行しています。今度は会長のお力でページ数がふえると期待しているんですが、それを対外的に出す場合に、外向けのものばかり書いて内を粗末にするというようなことがあれば大変なことです。以前内部的なものが対外に知れてはいけないということで却下されたことを記憶しています。将来、全部そんなものを出して外部に発表されるんでしょうか。

○藤原会長 会報の件ですが、基本原則だけを広報委員会にはお願いして、あとは一切お任せしております。

基本原則とは何かということですが、まず第1に、これは会員に対するいろんな情報の伝達。つまり会員と執行部の意思疎通を図るというのがまず第1点。第2点は、対外的な広報を行っていただくということ。第3点は、記録として残さなければなりません。何年かたちますと、会報しか記録は残らないわけです。したがって、それをきちんとしたものにしていただきたいということ。

節度ある表現

もう1つ、記事の中身でございます。会長に対する批判、そういうものはどうぞご自由にお取り上げ頂きたい。つまり会員がどの棟に考えているかを知らせるのも一つの役目であろうと思っておりますし、それに答えるのもまた会長の役目であると思っているわけです。ただ、これは広く送付しておりますので、節度のある表現にして頂きたいとのお願いをしています。

○松島代議員(城南) 全体的に予算を見ますと、平成8年の決算が出ていないので分かりませんが、歳入から見ると、およそ12,500,000円ぐらいの歳入が増えているわけです。歳出もやはり12,900,000円ぐらいの予算を組んでいるということです。昨年の12月の臨時代議員会のときにも、やはり8,800,000円の歳入が出た。それで歳出は8,800,000円を出した予算を臨時代議員会のときにも出されていたという経緯がある。その中で、平成6年度にはできなかったんですが、平成7年度から、市薬薬局の土地代金等含めて10,000,000円と、それから会館維持費、職員の退職金等含めて7,000,000円ぐらい計上したいきさつがあり、その前は会営業局をつくるための準備資金として予算の中に組んだといういきさつがあるんです。

保留金の備蓄

このたびは8年、9年において、予算の中に歳入が増えた割りには、いわゆる会の保留金という名目は全然増えていない。入ってきたのがすべて予算の施行になる。将来、規制緩和等含めて先行きに不安がある。そういったところに、今みたいに右肩上がりの歳入が果たしてふえるのか。現在、3月31日で市薬の土地代金の残りは80,000,000円あります。そういった分を含めると、何らかの形で会の保留金を今すぐ返さなくとも備蓄しておかないと大変なことになるであろうと考えます。

来年度はまた会長の選挙もありますし、その辺を含めて会長にご答弁をお願いしたいと思います。

事業拡大の中で

○藤原会長 基本的にはできるだけ予算は切り詰める。ムダな金は使わない。これは基本原則です。この市薬に限らずどこでもそうだろうと思います。

ただ、事業は年々拡大していきます。したがって、なかなか会費増というのは、その中で期待できないということもございます。会費の中身の細かなことについては会計から答弁させて頂きたいと思っておりますが、今おっしゃったことは十分こちらとしても考えた上で予算を組んでいることでございます。

ガラス張りの特徴づけ

○川上常務理事 確かに松島先生がおっしゃるように、収入として対8年度予算額からしましても15,000,000円ぐらいの増収になるわけですが、委員会費用を2つに分けまして、その中で責任を持ってやっていただきたいということです。非常に抵抗がありましたが、細分化して、分離して、ガラス張りにして、その数字に対して責任を持ってもらうということで9年度予算の特徴づけをしたわけでございます。

貴重な情報誌

○松島代議員(城南) 委員会自体は、ここ数年間は、広報委員会を除いて、余り予算は増えていないように思っております。委員会の予算内で大方おさまっていると思っています。8年度の決算がまだわからないので、はっきり言えませんが、特にこの中で目立つのは広報委員会です。委員会費と事業費を合わせると、6,900,000円の予算を組んでいらっしゃる。先ほど会長の会報の理念というか、原則というお話をお聞きしましたので、そういう考えでなさっているんだろうと思いますが、合わせると6,900,000円ということは、実を言うと、今まで広報は、去年はわかりませんが、その前は大体ほとんど4百万円前後で推移してきているわけです。それがかなり2百万円から250万円ぐらいアップしているということですね。会員数がB会員含めて1,060人ぐらいいるわけです。これを割り算すると、1人頭、広報費だけで6,500円ぐらいの費用がかかるということです。それぐらい会長にとっては非常に貴重な情宣、いわゆる情報誌であると理解するわけです。

そういった意味で考えるならば、特にB会員の方にはちょっと失礼ですが、年間12,000円の会費自体も、もう少し上げていかないとおかしいだろうと個人的には思っています。

会を知るすべ

○藤原会長 まず昨年度の決算は、かなり予算よりオーバーするはずです。特にページ数が増えている。この中で、申し上げておきたいのは、会報というのは、支部の広報も兼ねているということで、支部関連のページが増えております。それから昨年は選挙がございましたので、連盟関係のページも増えております。そういうことで、連盟の方の予算からある程度の補助を持ってきておりましたが、今度は持ってきておりません。したがって、これが大体500,000円ぐらい増えるのではないか思っております。

広報というのは、会員にとってみれば、これしかなかなか会を知るすべはないわけでして、中身の充実は一生懸命やって頂きたいとお願いしており、又できるだけページを有効に使っていただきたいと今お願いをしているところです。

支部に対する予算

○松島代議員(城南) 支部における支部の広報というのは、支部で十分対応できるんじゃないでしょうか。何も『市楽ジャーナル』に載せる必要性はないのでは。ポイントだけ載せていただれれば、僕はそれで構わないと思っていますし、城南の場合も会員に対する情報というのは城南支部で独自にやっているということです。

それと、事業計画の中の「薬局の活性化」「地域住民へのかかりつけ薬局の啓蒙促進」ですが、先ほど南島専務の話では、支部組織で行ってくれとおっしゃったみたいですが、支部に対する予算づけというのは何らかの形で予算案の中には出ているんでしょうか。

テーマをつけた助成

○南島専務理事 「かかりつけ薬局の啓蒙促進」については、地域住民と直接的なものは行政及び外部団体、そういうものとかかわりが中心になってくると思います。・歳出の部、第4款の15項支部助成費を6,200,000円組んでおります。これについては、かかりつけ薬局の育成ということを考え、今年度はある程度のテーマをつけ、支部に助成をしていきたいと思っております。

5,200,000円が8年度の予算であったんですが、ここで1,000,000円をのせております。従来の配分としては、4,000,000円ちょっとが今までの配分方法で出す分になります。あと2,000,000円について、支部から計画を出していただいて、それについて支援していきたいという考え方です。

○中島代議員(南) 平日夜間の問題は、6月からとか、私の耳にも入ってまいりますが、現状はどのようになっているんでしょうか。

準夜と深夜

○市原常務理事 平日夜間の方ですが、今まで医師会の方と市の方との話し合いの中で問題点は予算の問題と、小児科医の問題で平行線をたどっていました。4月2日に、急にコ・メディカル部会が開かれまして、6月1日が日曜日ですので、2日(月曜日)より平日夜間の急患診療がスタートするということです。時間は19時半から24時まで4時間半です。予算は、土曜日の準夜に基づくということで、スタッフは内科・小児科医が2名ずつと、別に責任者を1名置き、5名です。薬剤師は、薬剤師会では一応準夜3名、深夜2名ということで要望していたのですが、薬剤師2名。放射線検査技師が各1名。検査技師は検査技師会の方でスタッフが派遣できないということで、医師会の検査センターの方から毎日派遣。

看護婦が7名。事務3名。事務の方は外部委託。患者数がふえた時点で再度協議されるということです。手当の方は土曜日の準夜の15.2%アップ。

それから平日夜間が準夜のみで6月2日から始まるんですが、深夜の方は9月から始まるという未確認情報があります。来週の月曜日、また急にコ・メディカル部会が開かれます。その席で発表があると思います。

○中島代議員(南) 急患について少し気になることがあります。

成沢先生の件です。現在はときどきの深夜、そしてまたお仕事というように平日でも出勤されておられます。この急患事業というのは、百道浜にあるのがセンターで、それ以外にも各保健所に薬が置いてあるんです。その薬の管理というのも医師会の職員という形の成沢先生一人にかかっておられるんです。また今回、平日の準夜、そして深夜の件があると、非常にご負担になってくるのではないかということです。もちろん委員会はありますが、実務的にきちっとサポートできる人を今のうちに用意しておかないと、会長がおっしゃったとおり、非常に大事な事業であるのに、困った事に成るのではないか。

4、5年前だったと思いますが、成沢先生がご病気で2週間か3週間ぐらい入院されたときがあったんです。そのときは市花先生などを中心に何とか切り抜けました。 しかし、大変でした。その辺をもう一つ考えておかないと、もし又、ご病気でもなきったら、実務的に明日から本当にぶつかってしまうことが起こるんじゃないかと、非常に危供しております。

○藤原会長 今おっしゃったことを含めて、十分こちらとしては対応しているつもりでございます。実は先日、医師会の担当理事が変わられました。その担当理事を囲みまして、今おっしゃった件を含めて申し入れをしております。特に成沢先生は医師会の職員ですから、こちらから直接的な指図ができないわけです。そういう事情も含めて、お顧いをいたしております。

この急患事業というのは、特に平日夜間が始まりますと、事務的な量も膨大になってくるわけです。つまり人の配置、それから通信費、その他ですねここれはこの件でまた前の衛生局の時代から申し入れをしております。また医師会にも、薬剤師会はこれが始まると膨大な予算が必要になるということを申し上げております。

市薬剤師会と学校薬剤師会

○木原代議員(博多) 主に学校薬剤師会のことについてお尋ねいたします。

急患センターについては市薬の予算の中で委員会費が使われておりますが、学校薬剤師については会費は使われておりません。私たち学校薬剤師会の会費を15%から10%に落としました。今年度はまだ少し予備費というか、残っているお金がありますので何とかできますが、来年度になると大変きつくなると思います。そういうことも含めて、会長に福岡市薬剤師会と学校薬剤師会の関係について、どういうお考えを持っておられるか、お聞きしたいと思います。

○藤原会長 学薬はそれだけ大切な事業でありますので、市薬の会費からこの学校保健活動には助成をしていくというのは当然のことであろう。今後ともそういう考え方で進めないと、なかなかできないと考えてお ります。

○清水代議員(早良) 「定款及び選挙制度の立案」ということで、先ほどから質問もありましたが、いつごろを目標にやっているんでしょうか。

○川上常務理事 先ほど会長からもお話がありましたように、今、監督官庁に審査の方をお願いしております。3年か4年ぐらい前から、大変皆さん方にご苦労をしていただいて、ここまで来たわけでございまして、実際に担当しておりますと、よくその昔労がわかります。

同時に、整合性ということで、こちらの方も代議員で進行していく必要があるものですから、同時進行ということでやっております。次の代議員会には出せるように努力いたしております。

エネルギーのいる作業

その中に、ご存じのように、定款改正は総会員の4分の3というのが明記してありますが、これを出席代議員の3分の2の形で、代議員を対象として変えていかないと、どうしてもこの作業はかなりのエネルギーが要ります。そういうことも視野に入れながら、次の代議員会を目標にしております。

○清水代議員(早良) 組織の委員会からと きどき耳にはしますし、これは組織の仕事でもあるとは思いますが、もう少し幅広い意見を取り入れる方法というのはやっていくんですか。例えば定款委員会とか、一般会員、または一般会員の中から選ばれた人たちのその整合性でもいいですが、それをやっていくんでしょうか。それとも、執行部の組織の監督官庁を通れば、そのまま出てくるわけですか。

組織委員の報告

○藤原会長 組織運営の基本的なことですから私からお答えします。先日の支部長会でも申し上げたんですが、委員というのは、各支部から出て頂いているわけです。したがって、支部の意見を十分反映して委員会に臨み、委員会で決まったこと、あるいはどのようになっているかという事は、きちんと支部長には報告していただきたいと、執行部ができた最初から申し上げているわけです。が、まだなかなかそこがうまくいっていないということで、先ほどの広報の問題も一緒です。各支部から委員が出ているわけですから、支部からの意見をきちんと開けば、もう少しうまく運営できるのではないかと思っております。したがって、この間題も組織委員会できちんと審議しておりますので、組織委員の先生の報告を聞いていただきたいと思います。

○清水代議員(早良) 会員の入会のときは部会、支部を通して入会されていると思いますが。今度うちの支部総会をしようと思って数を数えたら、会員が市薬で退会をしていたわけです。こういうのは報告してほしいと思います。これは要望です。

○井上代議員(南) 市薬の職員は、今どういう人数か、市薬薬局が何名、薬剤師が何名、そういうことを教えていただきたい。

平成8年4月の時点と平成9年4月の分、増減も含めてお尋ねします。

○南島専務理事 市薬薬局の方は、勤務薬剤 師常勤4人、パート1人、事務員常勤1人です。

九大の窓口は薬剤師1人常勤、常勤の事務1人、パートが2人、パートの薬剤師1人です。

医療センターは常勤の薬剤師1人とパート1人、パートの事務員が2人です。

国立南はパートの薬剤師1人と、医療事務から1人です。実際2人ですが、医療事務は交互1人ずつです。

ひもがついていないお金

○井上代議員(南) 南島専務が去年の12月の臨時代議員会のときに、私が市薬から支部の方に1円ないし2円の話をして、回答をさっき頂いたんですが、私たちが言っているのは補助金という形でなくて、結局何もひもがついていないフリーに使えるお金ができたら欲しいという事だったんです。例えば何らかの事業をやりなさいとか、この分に関してこれを出すというのでなくて、ある程度支部でフリーに使えるお金があれば、会費のバラつきなども若干解消されていくのではないかと思っているんですが、そこはどんなでしょうか。

増える支部マイナスになる支部

○南島専務理事 先ほどの支部助成費の6,200,000円について、全部1円で割り出そうという事でやった訳です。その結果、2支部か、3支部が増えます。あとはマイナスになる支部が出ます。そういうことがありますと、今までの支部の予算がガタガタになっていくという状況になります。将来的にそれ一本でいくというのは、まだ非常に難しいんじゃないかと思っています。 ある部分については1円支部にフィードバックするということは、将来的には考えなきゃいけないと思っています。

○井上代議員(南) 職員の数に変動はありましたか。変わらないですね。なぜお尋ねしたかと言いますと、この給料というところが平成8年度予算、平成9年度予算の市薬の分、それと会営薬局の分が10数%の増額になっているので、大体、普通定期昇給などはあると思うんですが、13〜14%の増というのが、ちょっとわかりませんのでお 開きします。

○南島専務理事 歳出の部、事務費の第1款の第2項給料、これが21,200,000円ですから、約350万円ぐらい増えることになっております。これについては、今、事務局の動きが非常に困難な状態になっており、試験センターの文書づくりというものも非常に困難になっていますので、今1人入れるという計画を練っております。その結果の数字です。医療センターとしては、人の変動はありません。

○井上代議員(南) 試験センターの仕事も市薬の方でされています。試験センターはパートが1人いらっしゃるみたいですが、それは別ですか。

1人ではこなせない

○南島専務理事 試験センターの人の問題ですが、今の試験する試験委員の他に事務担当を採用したい。それも試験センターだけということではございません。いろんな意味で行政との折衝事が多うございます。今の状態では1人ではとてもこなせないという状態に陥っておりますので補充したい。

○井上代議員(南) 第4款の11項試験センター事業費、これに人件費が含まれているんじゃないですか。

○南島専務理事 この人件費は、試験センターの検査員になってきます。試験センターの業務が学校薬剤師会から試験センターの方へとほとんど移ってきておりま す。今の検査貞だけではとても対応できません。補充しないとやっていけない。これを常勤にするかしないか、いろいろございますが、少ない費用で雇っていきたい。

先程の市薬の人数でございますが、7年度21名おりました。8年度が19名で3人減っております。

○松島代議員(城南) 市薬薬局で去年よりも予算がかなり小さくなってきております。かなり努力されて、経費等もかなり少なくなっている。これも平成8年の決算が出ていないので、どの程度の赤字になったかわからない。昨年の3月31日で市薬薬局の保留金が3千万円あったと記憶している。現在、聞くところによると、2千万円。

平成9年においても、実質9,830,000円ですが、先ほどの説明のとおり減価償却で実際にお金が出ていくのは、マイナスになるのが4,100,000円。これで終わればいいですが、これにプラスアルファが出てくる。そして、その2千万円をどんどん食いつぶすという状況になってくるんじゃないか。

原点の運営

藤原先生が会長に立候補されたときには、市薬薬局は原点に返るということで、昨年の6月にかなり処方箋が減った経緯があります。将来的には、市薬薬局の門前薬局としてのあり方もいろいろ問われている。恐らくこの中で見る経費としては、一般管理費として3千万円位の予算が要る。

将来的に市薬の全体の予算で、どういう形で市薬薬局を運営していかれるつもりなのか、長期展望に立った会長のお考えをお開きしたい。

○藤原会長 会営薬局の性格上、ある程度の赤字はやむを得ないというのが基本的な考え方です。ただ、運営できなくなるような赤字ではこれまた困るわけで、それはその状況を見ながら考えていけばいいだろうと思っております。

     〔式町議長に交替〕
        採 決

○式町議長 これで打ち切らせていただきます。

時間が途切れることのない質疑応答でございましたが、やはり1時間20分というのは少ないかなというのが実感です。これは次回に、また議事運営委員会などでお話し合いをしていきたいと思っております。

 議案第1号から4号まで挙手多数で可決。
     式町議長審議を全て終了
       議長、副議長降壇
     閉会挨拶光安副会長
    〔午後6時13分 閉会〕

金言・名言

創造性、発想を妨げる五禁句
 1.従来これでよかった(現状維持)
 2.周りの通りでよい(迎合主義)
 3.そう教えられたから(盲従、無気力)
 4.前例、実績がない(無気概、無意欲)
 5.これしかない(非柔軟性)

第66回総会議事録
平成9年4月26日 福岡市薬剤師会館講堂

〔年後6時13分 開会〕
開 会

○藤原会長 代議員会の決定事項につきましては、総会に報告するということになっております。出席の方々は代議員会と一緒ですので、ここでご承認をいただきたいと思います。

〔拍手〕

○藤原会長 ありがとうございました。それでは代講月余決定事項を総会に報告をしたということで終わらせていただきます。

〔福岡県薬代議員及び予備代議員選挙〕

○南島専務理事 福岡県薬代議員及び予備代議員を選挙で選ぶということになっております。各支部にお願いして、代議員を選出していただきました。その結果がお配りしています一覧表のメンバーになります。これで平成9年度、平成10年度の県の代議員ということで、県の方に報告を出したいと思います。これは各支部で選出されてきておりますので、よろしゅうございますでしょうか。

〔「異議なし」と声あり〕

○南島専務理事 異議がなければ、これで県に報告させていただきます。

〔日薬有功賞伝達〕
日薬有功賞伝達

○南島専務理事 日本薬剤師会有功賞は、今回、福岡市薬剤師会では、西森基泰先生と上田ヨシエ先生が受賞されました。

閉会挨拶 篠崎副会長
〔午後6時22分 閉会〕
その後、ホテルセントラル福岡にて行われたパーティー

法律顧問弁護士と契約

かねて会員各位から要望が寄せられていました本市薬の法律顧問として、つぎの弁護士と顧問契約を締結しましたのでお知らせします。

これは調剤事故対策あるいは、薬局の開設時、または営業に際して地域でのトラブル等々、法律的処理が必要な事案の発生時に備えての顧問弁護士です。

ご相談のときは、市薬事務局を通じてお願いします。


 顧問契約した弁護士
    吉 原 淳 治 先生

 事務所所在地
     福岡市中央区大名2丁目8−18
           天神パークビル6階
        TEL 713−7239
        FAX 713−6211

− プロフィール −
昭和22年  福岡市に生まれる。
昭和44年  中央大学法学部法律学科卒
昭和53年  福岡県弁護士会登録
昭和60年  福岡県弁護士会民事介入暴力対策委員会委員
昭和61年  日本弁護士連合会民事介入暴力対策委員会委員
平成元年  九州弁護士会連合会民事介入暴力対策委員会委員

著書(いずれも共著)
 1民事介入暴力救済ハンドブック(有斐閣選書)
 2 マンションから暴力団を追い出す法(テミス選書)
 3 仮処分事例集(民事介入暴力対策)(九州弁護士連合会)

取扱事件
 一般民事事件の他、証券、生命保険、信販、不動産等に関する会社事件

[広報]

会議報告

【理事会】

日 時
平成9年4月9日(水〉

議 事

1.ご会長挨拶
 今日の会議は代議員会の準備が中心になります。
 今国会で医療法の改正が議論されています。実施は秋になりそうですが、今年は激動の年です。処方箋発行が進むと思われます。支部との連係が大切です。忙しい一年なると思いますが、宜しくお顔いします。
2.報告事項
3.協議事項
 (1)第38回通常代議員会の付議事項について
  ○代議員会進行の打ち合せ
 (2)その他
  ○市薬薬局からの薬の分譲時には必ず5%を加算すること。

(M.I.)

【理事会】

日 時
平成9年5月20日(火)

議 事

1.会長挨拶
 代議員会終了後、初めての理事会となります。基本的な考えを述べますと、市薬の中に居りますとなかなか外が見えない。具体的には九大移管についてなど、医療圏の協力を得て謙虚な気持ちで取り組んでいきたいと思っています。試験センターも市薬以外の先生方のご利用もあるわけで他地区の先生方とも協力していかなければなりません。
 現在九大移管に関しては他地区へお願いに行っております。

2.報告事項
理事会
3.協議事項
 (1)平成8年度歳入歳出決算について
  ○備考欄に分かりやすく書いていく。
 (2)その他
  ○顧問弁護士を考える。
  ○広報は予算の範囲で頑張ってほしい。
  ○コンピューターの購入の件。

(Y.U.)

【理事会】

日 時
平成9年6月11日(水)

議 事

1.会長挨拶
 今日の主な議題は決算代議員会の準備です。担当常務理事の方は自信をもって答弁をお願いしたい。
 県の代議員会に先だって地区連絡協議会がある。九大移管の件について、県薬会長から意志表明があると思う。県の代議員会では動譲を出さずに具合よくいくようにしたい。
 今日は介護保険についてお話したい。介護保険が実施されるまでに市薬は何をしなくてはならないか。ケアマネージャーに薬剤師がなるのは可能かどうか。福岡市のように対象者が万の単位になる所ではケアマネージャーの仕事は片手間にはできない。
介護の点数をコンピューターで処理できるような所がアセスメントをするようになるのではないか。その結果が各区に上がる。区には介護認定委員会(例えば南区の在宅医療検討委員会のようなもの?)ができるのではないか。ここに薬剤師が参加するのが現実的ではないか。介護保険法案が継続審議になり、なかなか見えてこないが医師会の対応、行政の対応を注目したい。日薬の方針とは若干ずれるが、市薬がする所には対応していく。
2.報告事項
3.協議事項
 (1)第39回臨時代議員会付議事項について
 ・市薬薬局会計報告 3月は処方箋が多かったので、このくらいの数字に押さえることができた。
 ・定款改正 今度の代議員会には間に合わなかった。8月迄にできれば代議員会を開き承認を得たい。9月以降になると来年の選挙は前回通り行う。

(M.I.)

【支部長会】

日 時
平成9年4月15日

議 事

1.会長挨拶
 平成9年度になり最初の支部長会です。
 前年度はいろいろご協力を頂き、まずはお 礼を申し上げます。今は本年度の事業計画
・予算を作り上げたところです。今年は忙 しい年になります。医療法の改正による処 方箋発行の増加により良い対処をしたい。
 支部長の先生方にはご協力をお願いいたし ます。
2.報告事項
3.協議事項
 (1)第38回通常代議員会付議事項について
  ○平成8年度の事業の報告
  ○平成9年度の事業計画案
  ○平成9年度の歳入歳出予算案
 (2)県薬代議員の選任について
 (3)その他
  ○市薬薬局における医薬品分譲時の消費税の扱いについて 
  ○議事運営委員会議長・副議長の選出 
  ○太田誠一セミナーへの参加

(M.I.)

【支部長会】

日 時
平成9年6月12日(木)

議 事

1.会長挨拶
 今日は県地区連絡協議会・県薬連等ありました。その席で九大移管の件に関しましても、お願いをしてまいったところです。
 県薬の代議員会が終わって話を詰めてまいりたいと考えております。6月23日に市薬代議員会を予定しておりますが、定款の問題につきましては、社団法人の考え方等難しい問題もあり、県よりの回答がまだないのが現状です。今日はよろしくご協議をお願いします。
2.委員会報告
3.協議事項
(1)第39臨時代議員会付議事項について
 定款については今回の代議員会では監督官庁の作業が進んでいない棟なので議題として挙げられない。
 社団法人の考えた方から、今後補正予算はやはり行った方が良い。
(2)市薬代議月の選任について
(3)その他
 ○定款について
 ○平日夜間の人数の問題について
 ○6月22日の「ダメ。ゼッタイ。」街頭キャンペーンについて
○福岡地区協同組合の取扱について

(Y.U.)

委員会報告

※6月3日までに提出された委員会議事録をもとに報告します。

【市薬薬局委員会】

日 時
平成9年4月8日(火)

議 事
○ 3月分の業務報告及び去年の反省
○ 消費税5%を4月より開始している。
○ 期限の近づいた商品、デッドストックの案内販売
○ 会計報告及び今期見積もり損益計算書の検討
−−−−−−−−

日 時
日 時 平成9年5月15日(木)

議 事
○ コンピューター(オンライン・ホームページ等)計画中
○・新患191名 (近所と離島79名)
 ・月と金に多い  月平均93名
          金平均78名
  結果として学生実習等が充分でなくなる。
 ・非会員に対して分譲は行わない
 ・各問屋との取引契約書を締結する
 ・委員会の定例化
−−−−−−−−

【広報委員会】

日 時
平成9年4月21日(火)

議 事
○ ジャーナル(5月号)
 ・校正
 ・表紙写真選定
 ・編集
 ・いかにして支部長会などの会議報告、委員会報告を読んで頂くか?(字体見出し工夫)
○ ジャーナル(7月号)
 ・企画(案)検討
 ・4/26(土)の代議員会要旨作成について
−−−−−−−−

日 時
平成9年4月30日(月)

議 事
○ ジャーナル(5月号)
 ・校正、編集
 ・表紙写真カラー選定(ローズピンクに決定)
 ・追加原稿・写真、挿入
 ・今号は全体的にデザインを一新
○ 近々行う予定の“ジャーナルに対するアンケート調査”について
 ・回収率評の為の工夫を各々考えておく
−−−−−−−−

日 時
平成9年5月15日

議 事
○ ジャーナル(7月号)企画会議
 ・代議員会テープ起こし要旨作成の割り振り
 ・原稿依頼選出
 ・ジャーナル送付先再検討
 ・特集・シリーズを検討
−−−−−−−−

日 時
平成9年5月27日(火)

議 事
○ 代議員会議事録要旨作成
○ 市薬主催在宅医療研修会取材(2名)
−−−−−−−−

【組織委員会】

日 時
平成9年4月22日(火)

議 事
○ 平成8年度重点事業報告
  第38回通常代議員討議事項を元に重点事業の説明を行った。
○ 定款について(改正について)
  審査をお厚いしている監督官庁より、理由付け提出する様連絡があったので早々に、本委員会にて取りまとめを行った。
○ 選挙規則について
  選挙規則について意見交換、次回の委員会で最終手直し、6月の代議員会に上程したい。
−−−−−−−−

日 時
平成9年5月16日(金)

議 事
○ 定款改正
  監督官庁より、改正箇所の詳しい理由付けを再度求められたため、本日の委員会に諮り、まとめた。
○ 選挙規則
  前回の継続討議を今回終了
○ 会員と非会員について
  会員(保険薬局)のリストの整備、非会員との区別明確化
○ 保険薬局会費の納入について
−−−−−−−−

【学術委員会】

日 時
平成9年4月11日(金)

議 事
○ 4月研修会 4/17(木)
 ・免疫の基礎と臨床U
  免疫不全症候群について
 ・石飛…会場 野見山・干阪…受付
 ・スライド‥・市花 資料120部用意
 ・70名すぎたら開始
 ・出席者の人数を篠崎、市花先生に報告すること。
○ 予算の件
○ 薬局実務研修会用テキストについて(来年度に向けて)検討してほしい
〇 年度初にあたり篠崎副会長あいさつ
  薬剤師として広い視野で考えてほしい(研修の在り方等)
○ 県のステップアップセミナーとの関係
 ・対象…県全域、新卒
 ・整合性をはかり、市薬は内容を深める
 ・日程は未定
 ・県でパンフをくぼってもらうよう交渉
○ 実務研修会用アンケート検討
−−−−−−−−

日 時
平成9年5月9日(金)

議 事
○ 5月研修会の打ち合せ
 ・5月21日点眼剤(市花・石飛 欠席)
○ 平成9年度薬局実務研修について
 ・市薬ジャーナルで5月・7月号に2回案内する
 ・他の案内をどうするか(昨年西日本新聞、市政だより)
○ その他
 ・資料の残り部数を確認する
−−−−−−−−

【薬局委員会】

日 時
平成9年4月19日(土)

議 事
1.平成9年度事業計画
 ○ 薬局製剤研修会
  ・平成8年度からの計画を7月まで継続する。7月以降は現メンバーの希望者を募り平成10年3月まで続行する。
  ・試験センターの器具は使用せず委員会でそろえる。
  ・器具を保管する場所を相談する。
 ○ 薬草観察会(背振山を予定)
  ・あいれふ薬草観察会:10月12日(日)予定
  ・市薬会員薬草観察会:9月28日(日)予定
 ○ あいれふウォーク後援(11月)
 ○ 各区薬剤師会健康フェアの支援
 ○ 福薬連主催「薬と健康の週間」の支室
 ○ グランドデザインの検討
 ○ その他
2.5月薬局製剤の件
 ○ 日 時:平成9年5月23日(金)
       午後7時
 ○ 場 所:市薬第1会議室及び試験セン
         ター
 ○ 製剤名:外皮用薬25−@
       (ジフェンヒドラミン・フェ
       ノール亜鉛華リニメント)
3.試験センター運営委員会の件
 ○ 医薬品試験における検体集め等に協力する
−−−−−−−−

【在宅委員会】

日 時
平成9年4月10日(木〉

議 事
○ ホットラインへの会員による情報提供 1年分の集計
○ 25日(金)“ホットラインとは”の打ち合せ
 ・講師 早良区ホットライン 宗主査
○ 早良区で行っている民生委員会との会合を各区も事業の一つとして検討する。
−−−−−−−−

日 時
平成9年5月12日(月)

議 事
○ 光安副会長あいさつ
○ 5/27研修会の打ち合わせ、及び役割分担を決める。
○ 入江先生による福岡市医師会館での講話について
 演題“在宅医療における服薬指導” 5/14PM14:00〜15:00
○ ホットライン、ケース紹介連絡票のまとめ(担当、原田先生)
○ 地区指導者研修会出席依頼について 出席者…入江・原田
O「まちかど相談所」(名称は未定)の協力要請
 岩手県薬の保険薬局が実施している「まちかど相談所」事業を福岡市薬でも参考にして各薬局に相談窓口を設置し、在宅介護活動を展開していこうとするもので、まず、モデル薬局を各支部に置く協力を要請することからはじめる。
−−−−−−−−

支部だより

【早良】

第9回早良区薬剤師会通常総会 平成9年5月9日 西新福寿飯店

総会次第            司会 福岡 英樹
1.開会のことば        副会長 清水 達三
1.早良区薬剤節会会長挨拶    会長 本村 精也
1.来賓枕辞    福岡市薬剤師会会長 藤原 良春
物故会員黙祷
1.議事
(1) 平成8年度事業報告    副会長 清水 達三
  平成8年度決算報告     会計 有馬  耗
  平成8年度監査報告     監査 松尾 英照
(1)平成9年度事業計画    副会長 浦上 光子
  平成9年度予算       会計 有馬  純
(1)質疑応答


懇 親 会           司会 福岡 英樹
1.開宴のことば        会長 本村 精也
1.来賓祝辞
     県会議員 横田進太・古川 忠
     市会議員 津田たかし・渡辺文人・大森哲也(敬称略)
1.乾 杯              獺越  寿
1.万歳三唱             冨永 宏資
1.閉会のことば           行実 公男

会長、副会長も情報収集まずは食べましょう花の支部総会になった

【平成9年度事業計画】

我々薬局業界は経済の荒波を受け厳しい年となりそうです。保険財政赤字からくる医療保険制度の改革、“かかりつけ薬局”・面分業・介護保険導入・研修制度などがあり、OTCでは規制緩和・流通改革・価格破壊など、一方保険調剤では医薬品情報提供義務・在宅医療・在宅ケアホットラインなど枚挙するだけでも多事多端です。また薬務行政も県から市に移管され、その市では保健所と福祉課との統合による保健福祉課となり地域保健法の推進で今後薬局でも対地城対住民との連携に重点をおいた校区単位での業務が求められています。この難局を市より支部さらに部会単位の薬局みんなの団結で乗り切ってゆかなくてはなりません。何卒ご協力をお願い申し上げます。

T.支部、部会の組織強化
 1.支部組織の強化と部会活性化
 2.会員相互の親睦と仲間意識の高揚
 3.各種行事への会員参加推進
 4.未入会薬局の入会促進
U.薬局の活性化
 1.全薬局の処方箋応需体制整備
 2.規制媛和反対運動の盛り上げ
V.面分業推進
 1.地域面分業の推進(一般病院・医院よりの面分業推進対策) 
 2.処方箋拡散と備蓄体制の整備 
 3.広域病院の処方箋発行と応需体制促進
W.地域医療への積極的対応
 1.“在宅医療”の積極的実践と“薬局在宅ケア・ホットライン”の実績づくり
 2.介護保険制度の研究と参加
 3.医師会、歯科医師会、福祉課、保健所との連携
 4.“早良区健康まつり”の実施
 5.“早良区薬草観察会”の会員参加促進
X.研修会の強化
 1.支部処方検討会と基礎薬理研修会の強化

早良区・西区処方検討会及び基礎薬理研修会記録

−−−−−−−−
平成9年度5部会合同定例総会

日 時  平成9年5月23日
会 場  ローズガーデン
平成8年度部会事業報告
 部会と支部・市薬とは密接な関係があり、事業内容としては重複するものもありますが、平成8年度は次のような部会活動を行なってまいりました。
 4月6日 役員会          うお西
 5月9日 早良支部総会       喜水亭
   22日 部会総会(原南7名・原北5名・早良9名合同)
                   一水
 6月25日 部会連絡協議会      タカクラホテル
   26日 早良区役員会       一水
 9月7日 三師会役員会       福寿飯店
  15日 薬剤師会薬草観察会    坊主ケ滝
   24日 三師会太田誠一後援会
   26日 役員会          一水
   29日 薬草観察会下見      坊主ケ滝
 10月6日 ソフトボール大会
   7日 三師会太田誠一を励ます会 市医師会館
   8日 部会連絡協議全      市薬
   13日 市薬薬草観察会
   14日 健康フェア準備      保健所
   15日 健康フェア
   18日 三師会自民党党員決起大会 ホテルニューオータニ
   19日 三師会太田誠一歩行遊説  藤崎→西新→西新パレス
   20日 早良区薬草観察会
      衆議院議員選挙
 12月3日 役員会          うお西
 1月11日 在宅研修会        喜水亭
 2月2日 ボウリング大会      城山ボウル
   7日 在宅研修会        早良市民センター
   21日 部会連絡協議会      セントラルホテル

−−−−−−−−
新入会会員

 藤崎部会  慈恵会薬局
 原北部会  タッチ有田店
       有田調剤薬局
 原南部会  ちくし調剤薬局
       しか薬局
       アール薬局

−−−−−−−−
部会長に開く

藤崎部会   武内 博子
 藤崎部会に所属して居られる薬局の場所もよく知らないままお引き受けした為、ご迷惑をおかけしたことが多々あったことと思います。振り返ってみますと、多くの薬局の方とお話が出来たことは、大変プラスになりました。会員の皆様がいろんな催しにもっと参加されることを望んで居ります。

西新部会   冨永 宏資
 部会を開催して感じた事は12会員中6会員の出席であったこと、昨年度まで会員であったセガミ薬局の退会で会員数の減少と同時に大手会員の退会は会に対して何を意味するのか今後の薬剤師会のあり方に投げ掛けられた問いは無言の圧力の様に感じられてならない。
 調剤・調剤、OTC・OTCと何か片寄ってはいないだろうか。薬局経営は調剤室(処方箋調剤・薬局製剤をする処)を備えたOTCの販売ではなかっただろうか。その様な薬局経営者の会であって、薬剤師会は調剤薬剤師会であってはならないと感じている。

原北部会   西岡 啓子
 5部会合同総会にフランス料理の懇親会。初めてづくめに期待するところが大きかったのか出席者も多く、にぎやかな会合を楽しむことが出来ました。
 薬剤師会の活動も、処方検討会・薬草会と支部へ広がりを見せています。これを機に“参加することに意義”を念頭に、気軽に活動へ参加していただけたらと思います。

早良部会   藤永恵美子
 この1年を振り返って見ると部会長として出来た事は皆様への連絡役に過ぎなかったように思われます。
 平成9年度は一人でも多くの先生方に参加して頂けるようにご意見を伺いながらレクリェーションを実行したいと思います。

原南部会   上村 義徳
 部会長として何をやったでしょうか。部会総会の懇親会などでバタバタと走り回ったことくらいで、他にはあまり思い出せません。
 ただ、先生方とは親しくお話しさせていただいたと思います。「大変ですね」と言っていただいて、1年が過ぎました。


【城南】

向夏の候、支部会員の皆様におかれましては、益々ご健勝のことと存じ心よりお喜び申し上げます。

去る5月10日の城南支部総会並びに親睦会におき、多数のご参加を得ることができまして大変有難とうございました。新たに平成9年度のスタートを切ることができました。また、今年も沢山の事業が待ち構えています。 皆様のご協力を切にお願いする次第です。

4月より施行された薬剤師法の第25条の2の実施は如何ですか。個々の薬局の個性が少しずつ患者さんに見えてくる一面ではないでしょうか。福岡では今や分業も、マンツーマンから面へと、量から質への時代へと転換を迫られています。

医療人としての薬剤師、医療機関としての薬局が21世紀において存続するためには多くの課題が待ち受けています。そのためにも個々の努力と組織の強化を図って、社会的に評価される職能の確立が必要と思われます。

先日見ました業界紙に“医療において薬剤師は最終関門である”と記されてありました。 まさに、我々の責任と義務の大きさを表した言葉だと思います。その名に恥じないように日々の研費を積みたいと思っています。

城南支部は此処のところ、新規開局が相次いで支部会員が徐々に増えています。会員薬局が40軒で、福岡市では最小の区ですが、他の区には負けないまとまりのある区として今後とも頑張って行きたいと思っています。

つきましては、支部会員におかれまして、支部運営や研修会等についてご意見ご希望が有りましたら各役員までお申し付け下さい。

≪お誘い≫
先日、医師会の呼応に沿ってソフトボールの同好会を発足させました。広く参加者を求めています。ご希望の方はお申し出下さい。

平成9年6月16日 城南支部だよりより 城南支部長 松島 照幸

城南支部総会

平成9年5月10日(土)午後6時30分よりセントラルホテルフクオカにて支部総会、及び懇親会を開催しました。会員数40名に対し、出席者24名、委任状9名、それに市薬より篠崎副会長、南島専務をお迎えし、和やかに進められました。

城南支部総会瀬尾副会長の司会進行で、松島支部長のあいさつに始まり、合澤副支部長より議事報告、各委員の先生方から1年間の支部の活動の報告を受けました。とくに支部研修会は、SOAP形式を取り入れ、患者情報と問題点がわかりやすく好評で、以来継続しています。出席率も毎回良く、10回以上の出席者が6名もあり、今年はとくに図書券の努力賞が設けられました。支部の運営委員会も出席率80%以上と、まとまりの良さが数字に出ています。

9年度は『内を固めて外へ、二師会、保健所などと積極的にコミュニケーションをはかり、しっかりとしたパイプを作りたい』松島支部長の思いが届いたのか、先ず、6月には医師会との合同研修会、ソフトボール親睦試合と賑やかなスタートとなりました。ユニフォームも一新してまるでプロのよう。文武両面に強い城南支部薬剤師会です。

(坂田博子)


【博多】

創立20周年記念講演会ならびに祝賀会

日 時  平成9年5月10日 午後4時
場 所  ホテル日航福岡
出席者  125名

1.第20回定期総会
第20回定期総会 来賓としておいでいただいた日薬副会長の荒巻善之助先生は、医療法の改正や介護保険の導入など、今後の薬剤師のあり方について、日薬レベルの話題を交えてごあいさつされた。
 議長には、県薬専務理事の阿波先生(板付部会)を選出し各報告事項、議案事項ともにすべて承認された。質問は、@支部の事務量も多くなっていることから、市薬に支援を要請されてはどうか。A九大の澤田教授による「澤田ゼミ」を開催されるようだが、これくらいの研修費の予算で大丈夫かなどが出された。

2.記念講演会
演 題 「薬の飲み合わせ」なぜ起こる? どう防ぐ?
講 師  九州大学薬学部薬剤学講座 教授 津田康文先生
講師プロフィル
津田康文先生1950年高知県生まれ。
東京大学薬学部卒業。
米国立衛生研究所(NIH)の客員研究員東京大学医学部助教授を経て、
現在、九州大学薬学部教授。

記念講演会 博多区薬剤師会は、澤田教授と大同生命厚生事業団の助成で地域保健福祉に関する共同研究をしましたが、このカットは薬剤学教室からのFAX送り状にあるもので、先生の教え子が措かれた似顔絵です。
 総会の時にはまばらであった会場は、講演会が始まると一杯になった。出席人数はしっかり確認したつもりであったが、100部準備していた講演資料は足りなくなり、慌てて30部ほど追加した。講演が終わって博多保健所の辻所長は、保健所としても大変興味がある内容だとおっしゃっていた。

3.創立20周年記念祝賀会
 市薬から会長の藤原会長をはじめ、顧問の方、各区支部長方。また、博多区長、保健所長、医師会、歯科医師会など多くのご来賓をお迎えして祝賀会を開催した。今春の異動でこられた木山博多区長からは「今年度から市役所の組織が変わり、衛生局の保健所が博多区の保健部となり、薬剤師会の皆様には今後とも親しくお付合いただきたい」とご祝辞をいただいた。
 ついで、北九州市薬の総会をとんぼ返りで出席してくださった市薬藤原会長は「20周年を迎え、外からのお客様にもこのようにおいでいただき、名実ともに成人を迎えた。この支部制を20年前に作り、育てあげられたのは藤野先生をはじめとする顧問の先生方であり、今後ますます各支部の活動が重要になってくる」とあいさつされた。
 また、出席できないかもしれないとおっしゃっていた福嶋医師会長は「今日は3つ重なっていたが、この会場に最後に来たくて……」と駆けつけてくださった。だれが指示したのかわからぬが、すかさずエビスビールが出てくるあたり、さすが福嶋医師会長とのお付合いが3年目になる理事さん達である。

(木原三千代)


【南】

「在宅医療における薬剤使用の実態調査及び事例集作成事業」報告会

5月22日 東京芝弥生会館にて

南区よりの出席者
 南区会長          末田 順子
 南区専務          井上 嘉明
 南区在宅医療委員長     藤野 法康
 南保健所予防課長      楢崎 明珠
 在宅ケア・ホットライン主査   田中チツ子

モデル事業を実施した沼津市、岡山市、福岡市、佐世保市、奈良市、伊万里市、別府市の7地区の各薬剤師会から実務報告が行われた。

在宅医療において医療チーム、ケアチームの中に薬剤師がいかに参加し、薬剤師の専門性を生かして患者の医療、介護の向上をはかり、患者のQOLの向上にどのように関与できるかをテーマに各地区より、いろいろな角度からの報告がなされた。

「在宅医療における薬剤使用の実態調査及び事例集作成事業」報告会

福岡市南区では主に地域の医療機関、福祉との連携を中心にケアチームの在宅患者への対応、社会資源の利用状況、在宅における薬剤師の役割、今後の問題点などについて報告した。

今回のモデル事業は、保健所、医師会、歯科医師会、薬剤師会、訪問看護ステーション在宅支援介護センター等で構成されている南区在宅医療委員会の多大な協力のお陰でかなりいい成果が上げられたと思っている。

連携により25症例が選出され、患者のQOL向上のため薬剤の変更、減薬、剤型の変更などの処方変更、残薬の整理、情報提供によるコンプライアンスの改善、ケアチーム週間カレンダーの作成、ケアチーム間の情報交換の徹底などチーム医療の中での薬剤師の職能を追究した。

今回のモデル事業のために手足となってデータ収集に東奔西走頑張って下さった担当薬剤師の方々に心から感謝致します。

又、各地区からも在宅医療、在宅介護をやっていく上で薬剤師の専門性、活躍分野などについての検討、努力した経過が報告された。

医療、介護がすべてのチーム関係者との信頼関係で成り立っていること、お互いの信頼関係の重要性が強調された。 この報告に関しては、市薬ジャーナルに特集していただく予定です。

−−−−−−−−
福岡市要剤師会商支部総会

 
日 時  平成9年6月14日(土)17時
場 所  清水苑

総会式次第     司会  吉田 邦夫
1.開  会   副支部長  富田 邦夫
2.支部長演述   支部長  末田 順子
3.議長選出
4.議  事
(1)報 告
  第1号 平成8年度会務並びに事業報告(拓薬会)
  第2号 第37回(臨時)第38回(通常)福岡市薬剤師会代議員会報告
(2)議案
  第1号 平成8年度歳入歳出決算認定の件
  第2号 平成9年度事業決定の件
  第3号 平成9年度歳入歳出予算決定の件
5.役員招介
6.委員会報告
  組織委員会       松浦 秀紀
  薬局委員会       東  千鶴
  社保、分推委貞会    荒木  緑
  在宅委員会       柴山 正典
  広報委員会       戸田 昭洋
7.部会報告
  長住部会        成田純六郎
  高宮部会        柴山 正典
  野間部会        岩佐周一郎
  大橋部会        毛利久美子
  井尻部会        富田 裕子
8.閉会のことば    監事 中島 英之

−−−−−−−−
南支部総会出席者名簿(予定)

平成9年6月14日

ご来賓
 福岡市南区医師会会長   森永 英彦
 福岡市歯科医師会商支部長  山本俊三郎
 南区保健所長       横田  清
 福岡市薬剤師会会長    藤原 良春
 衆議院議員山崎拓事務所   山崎芙美子
 福岡県議会議員高山久生事務所
 福岡市議会議員       国分 節雄
                (敬称略)
長住部会
     木村 英樹(きむら薬局)
     高倉  博(長住薬局)
     熊沢 正浩(花畑薬局)
     深見 俊彦(ふかみ薬局)
     山口 淑子(長丘薬局)
     中村 集逸(ひろき調剤薬局)
高宮部会
 部会長 柴山・正典(平和調剤薬局)
     田中さより(平和調剤薬局)
     中島 英之(太陽薬局ピア高宮)
     日高 雅紀(太陽薬局ピア高宮)
     坂口久美子(ヘルシー高宮)
     内山 ゆき(薬局漢方大桶)
野間部会
 部会長 岩佐周一郎(壮健薬局)
     戸田 昭洋(上人構薬局)
     吉田 邦夫(福岡調剤薬局)
     山本 和弘(クリーン薬局鶴田店)
     松浦 秀紀(ながお調剤薬局)
     佐藤 安彦(佐藤薬局)
     五郎丸尚子(太陽薬局屋形原店)
大橋部会
 部会長 毛利久美子(のばら薬局)
     大庭 秀臣(大庭薬局)
     井上 嘉明(井上調剤薬局)
     具島 圭次(蛭子屋薬局)
     未田 順子(スエタ薬局)
     孝富士由美子(スエタ調剤薬局)
     東  千鶴(塩原薬局)
     藤木 一行(大橋中央薬局)
     荒木  線(大橋中央薬局)
     延谷美代子(大橋調剤薬局)
井尻部会
 部会長 冨田 裕子(さくら薬局)
     川畑健次郎(けやごう薬局)
     中村 雅安(ライト薬局)
     城戸嘉寿子(ライト薬局)
     山崎 直子(笹原薬局)
     小村 正治(裕生堂薬局)
     有田 俊雄(有田薬局)

−−−−−−−−
南区薬剤師会役員名簿

 支部長   末田 順子  рT52−2725
 副支部長  青田 邦夫  рT53−8960
 専  務  井上 嘉明  рT62−3339
 会  計  具嶋 圭次  рT61−8071
 薬局委員  東  千鶴  рT11−8856
 社保委員  荒木  緑  рT12−8090
 分推委員  田中さより  рT26−6891
 在宅委員  柴山 正典  рT26−6891
 広報委員  戸田 昭洋  рT11−3457
 組織委員  松浦 秀紀  рT41−6208
 監  事  中島 英之  рV12−7762
 部会長
  長住部会 成田純六郎  рT66−3026
  高宮部会 柴山 正典  рT26−6891
  野間部会 岩佐周一郎  рT12−7626
  大橋部会 毛利久美子  рT51−1523
  井尻部会 冨田 裕子  рT85−8111


楽しい中国語

【学薬のページ】

第42回 福岡市学校薬剤師会総会報告

理事 女賀信子

日 時 平成9年4月20日(日)午後3時
場 所 タカクラホテルフクオカ
総 会 次 第    司会 竹尾禎二理事
1.開会の言葉
2.会長あいさつ
3.議長選出(小松秀美先生)
4.議  事
 ○報告第1号 平成8年度会務並びに事業報告
 ○議案第1号 平成8年度収支決算認定  監査報告 監事 井原俊一
 ○議案第2号 平成9年度事業計画決定について
 1.資質向上の為の研修の充実
 2.「喫煙、アルコール、薬物等」乱用防止活動の強化
  3.調査研究事業への参加協力
 4.関係団体への協力
 5.各種表彰受賞者の推薦
 6.参加出席予定の講習会研究会、大会
○議案第3号 平成9年度予算及び会費決定
 ※会費は平成9年度より従来15%を10%とする。
 ※新規入会者14名
 ※調査費の項目は平成9年度より試験センターへ移管する。
以上の議事が諮られ協議承認された。

福岡市学校薬剤師会総会報告

第2回 理事会報告

日 時 平成9年5月26日(月)午後7時半
出席者 藤原会長
    細井・木原副会長
    有馬常務理事
    吉村、森川、女賀、竹尾、中野、拐見、井上(理事)
    野口(監事)

報告事項

1.総会(上記報告済み)
2.新任学薬研修会(H9.5.6)(市葵会館)
 参加者 福岡市学薬新任者15名
     筑紫薬剤師会・糸島薬剤師会 15名
 講 師 野口監事
     富田試験センター室長
3.学校プール衛生管理研修会(H9.5.12)教育センター)
 講 師 女賀信子理事
4.福岡医療圏 第3回会議(粕屋・宗像・筑紫・糸島・福岡の5地域)
 市薬の試験センターは県から150万円(年)の補助金が出ており、市専有ではない。
 先程、粕屋郡学校薬剤師会からの40検体の検査依頼を受け付けた。
 これからも福岡医療圏相互の協力体制を整えていく。

協議事項

○ 平成10年2月ごろ
 各支部毎の発表会を行う事を平成9年度の研究課題とする事が決まった。テーマは 学薬活動に沿ったもので自由。
 福岡市学校保健大会(11月、於:福岡市)の講師について
 特別講演の講師を今年度は学薬の方で受け持つので、只今適任者検討中。
〇 第47回全国学校保健研究
  大会予定日 8月11〜12日(於:沖縄)
        9月24〜26日(〃 鳥取)

(女賀信子)

【特集:「ダメ。ゼッタイ。」薬物乱用防止活動】

(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター「ダメ。ゼッタイ。」より

薬物乱用防止活動の為の研修会と講演実施報告

理事 女賀信子

近年薬物乱用に絡んだ事件の報道が多くなりました。特に低年齢層への汚染が拡大しつつあり、学校現場まで及んでいる事実に触れ「児童生徒への学校環境衛生の向上」を司る私ども学校薬剤師の積極的な取り組みが期待されています。

本会も平成8年度から「薬物乱用防止活動への取組み」を研究課題としており、下記の2件はその一環の事業として行われました。 内容を比較させながら報告致します。

日 時 平成9年2月15日(土)午後3時
会 場 福岡市薬剤師会館 講堂
講 師 @福岡県保健環境部
     薬務課麻薬係 堀家直二先生
    A福岡県学校薬剤師会
        副会長 大神信勝先生
出席者 福岡市学薬会員 44名
    筑 紫 〃   14名
    粕 屋 〃   1名
        (計) 59名
内 容 依存性薬物について
    @覚醒剤:ヒロポン(シャブ)・スピード・エス
    A幻覚剤:大麻(マリファナ)・ハシッシュ・ウイド・グラス・LSD
    B麻薬性鎮痛剤:塩酸モルヒネ・ヘロイン

以上の薬物と有機溶剤の急性、慢性効果とストレスさえも誘因となるフラッシュバックの発現や依存性を、掘家先生は豊富な資料をもとに薬理的見解から説明された。大神先生は既に各地で活発な啓蒙活動を見事な話術で展開されており、活動の意義を御提示下さった。豊かな体験談の事例報告が行われた。

−−−−−−−−−−−−

日 時 平成9年4月20日(日)午後4時
会 場 福岡市薬剤師会館 講堂
講 師 九州地区ダルク支援センター
        代 表 大木文夫先生
出席者 福岡県学校薬剤師会
    会長・副会長
    福岡市学薬会員 77名
       (計)  79名
内 容
   DARC(ダルク)
     Drug
     Addiction
     Rehabilitation
     Center

薬物依存者の自助グループ「DARC」の大木代表自らの覚醒剤依存からの脱却と更生への体験のデイケアセンターの活動の様子が語られた。又、現在薬物依存から脱却矯正中の若い二人のメンバーからも矯正の過程が語られた。薬物に係わる犯罪の状況が悪化している現在、薬物対策の有効な手だての一つとして、ダルクは自らの問題を解決する為の依存者自身の「自助グループ」として存在意義を有する。

財政基盤の脆弱な同組織に薬物に最も係わる薬剤師もささやかながら応援をしようと講演会の後に書籍「薬物依存」が販売され多くの会員から予想以上の購買があった。又その後の懇親会に於いても引き続き支援の為の募金が行われた。

以上の研修・講演会を通して

私共は、薬物乱用を許さない社会環境を作る為の予防教育と啓発活動を行う意義、及び依存者の矯正とリハビリテーションの重要性を再認識致しました。

(女賀信子)

−−−−−−−−−−−−−−−

「薬物依存」講演会にて  〜気がつけば〜

4月20日(日)学薬の総会の時の講演会に「薬物依存」の生の体験談があった。懇親会に移るとき、目頭が赤く腫れた先生方が多かった。

○21歳男性の話

以前私は近所にいた暴走族の兄貴に「気に入られたい」と思っていた。何も考えず、ただ不良は「かっこよい」と考えていた。

その兄貴の勧めで何も考えずシンナーを吸ってしまった。しかしその当時は止めようと思えばいつでも止められると思っていたし、学校で見た他の先輩みたいにだらしなくはならないと思っていた。

そのうち学校へは行かなくなり、車で夜を過ごすことが多くなってきた。シンナーは吸っていたが、覚醒剤には手を出すまいと思っていた。しかし仲間が覚醒剤を持ってきて、やろうということになった。「どうなるだろう」と不安だった。仲間外れにならないために注射した。その時自分はこの薬にはまってしまうと思った。

深刻な内容だけに会場は水を打った様に・・・最初は薬をコントロール出来た。段々コントロール出来なくなって、幻覚や幻聴が出てきた。それでも当時は止める気はなかった。ある日「薬を持ってこい」と下の階より父の声がしたので、覚醒剤と注射器を持って2階から下りた。父はびっくりしてそれまで見せたことのない涙を流した。「持ってこい」というのは幻聴だった。その時初めて恐くなった。

薬を使っていた仲間が何を言っているのか分からなくなって、翌日自分に火を付けて死んだ。もう一人は自分から自動車に飛び込んで死んだ。

そのうち薬に対してコントロールが利かなくなった。感情や行動に関してもコントロールが利かなくなった。夜起きて外に飛び出したり、土下座したり訳の分からないことをしだした。

精神病院で「薬物依存症」といわれた。 入院するとき最初はどこに連れて来られたのか分からなかった。親は淡々と帰っていった。いろんな声が聞こえ、ものすごく恐かった。「助けてくれ」と思った。

ミーティングがあり“神”という言葉などが出てきてよく理解できなかった。正常に近くなったとき、別に薬を止める必要はないと思った。ミーティングでは他の人が自分の体験談を話していたので、「馬鹿じゃないか」と思った。自分は自己紹介だけやった。すると皆笑ったので自分が笑われているんじゃないかと感じた。

「薬は今後使いません」と言って退院したが、止めるつもりはなかった。退院して使った。すぐにコントロールが利かなくなった。そのことを親に正直に話した。「もう一度病院に行くか」と言われて、もう一度最後にやろうと思った。泣きながら薬を使ったこともある。

仲間の女の子と11年ぶりに病院で再会した。一緒に治っていきたい。

○21歳女性の話

姉が薬を使っていた。姉が使っていたので使って良いと思った。ただ楽しかった。 カガミボケといって、鏡の前でシンナーを吸うと大きくなれと考えると大きくなるし、自分の思うようになって楽しかった。

父がアルコール依存症で母に暴力を振るっていた。自分が良い子にしておれば、父は母を叩かないのではないかと考え、良い子になろうと思っていた。そんなときシンナーを吸った。解放感があった。 14歳の時両親から離れたくて、仕事をした。水商売をしながら薬を飲んで毎日が楽しかった。17歳で結婚して、結婚したら薬を止めないといけないと思っていたが止められなかった。

自分を癒すものが薬と考えるようになった。おかしくなって自殺未遂をやった。半分は心配してもらおうと思った。そのうち周りの人からおかしいと思われるようになった。てんかんを起こして救急病院に行ったが1日半で快くなった。病院で「こちらに行ってください」といわれた。

気がつけば精神病院で、4畳半の畳に蒲団と便器があった。「なぜこんなところに」と思い、周りを恨んだ。ここを出たらもっとやろうと思った。3度目の入院の時、離婚になった。夫から恐いと言われた。

薬を1ケ月使うときつくなる。母に助けを求めるが、母もどうしようもない。

そんなときダルクのミーティングを知った。私よりひどい人が何人もいた。薬をやっていることを話すことは恥と思っていた。しかし、話すと楽になった。

「今度は止めないと終わりだ」と思ったが1週間でまたやってしまった。ポロポロになって自分から病院へ行った。 「うちの病院では治らない」といわれた。 1週間で体調を取り戻して家に帰った。 ふと正常に戻ったとき、弟が鬼のような顔をして「なぜそんなふうになるんだよ」といった。その時初めて色々なことを考えた。

夢と希望を持つことなんてとんでもないと思っていた。しかしダルクの他の人たちが頑張っているのを見て、自分もできるのではないかと思った。 

  

(上村義徳)

ダルクにご支援を!

九州ダルクを支援する会代表 荒木邦一

ダルクに集う若者達は、薬物を絶ち、自分らしい誇りと自由と尊厳を取り戻したいと心の底から願っています。

これまで、刑務所に入れられても、病院に入院しても止めることができませんでした。 病院や刑務所は社会の外にあり、規則によって強制しています。ここにいて薬を止められたからといって社会の中ではそう簡単にはいきません。

平成7年版の犯罪白書は、薬物犯罪の現状と対策を特集しています。この白書によれば、地方裁判所で処理される刑事事件のおよそ2割5分が覚せい剤等の薬物事犯で占められ、刑務所における新受刑者のうち、男性では4人に1人、女怪では2人に1人という状態といいます。また、覚醒剤事犯の約6割が再犯者です。市民の隅々まで、とりわけ14才から22才までの男性、13才から30才前後までの女性層に薬物は深く根を張ろうとしています。

ダルクでは、すでに治療を終え、あるいは罰を受けた若者達を対象に薬物依存からの回復を目指してトレーニングを行います。若者達はダルクでのトレーニングを経て、自分の心と力で薬物を絶つ術を心得て、社会へ参加していきます。

ダルクに集う若者達の多くは生活資材すら持ち合わせていません。この若者達の生活を維持し、回復のためのプログラムを履修させてゆくには相応の社会資源が不可欠です。

ダルクへの皆様の絶大なご支援をよろしくお願いいたします。

支 援 内 容

覚せい剤等による薬物依存者は年々増加しておりますが、その人たちをケアする施設はあまりに少なすぎる現状で九州地区は福岡県を中心に少年層にまで浸透し、地域社会、教育の場でも深刻な問題になっております。施設の運営には多大な財源を必要とします。どうか九州地区ダルク支援センターの活動趣旨をご理解いただき、皆様のご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

支援内容

九州全県に「薬物依存症」医療拠点を

薬物依存は回復する病気です

国立肥前療養所 村上 優

これまで、どれ程の人がこの事実を認識していたでしょうか。

薬物依存の多くは思春期に発病し、家族ともども病んでいるために、有効な援助を受けることもできなく社会の片隅…精神病院だったり、刑務所だったり…に追いやられていました。

専門家である私達の目を醒まさせたのは回復者そのものでした。仲間と場所があれば、 ある程困難と思われていた薬物依存からの回復が着実に進んでいるのです。ダルクと出会うことにより専門家もかわります。治さなければという気負いはなく、回復への糸口(解毒)と方向(自助グループの動機づけ)を示せばいいからです。それはダルクとの共同作業の中で生まれています。

専門家もダルクを必要としているのです。


九州地区ダルク支援センターによせて

九州地区メディカルコーディネーター 精神科医 西村直之

世界的に薬物乱用・依存の問題が深刻化している現状において、我が国もまた同様な状況にあります。法的な取り締まりにもかかわらず様々な違法薬物が氾濫し、鎮痛薬、咳止めシロップ、向精神薬などの医薬品の乱用・依存も深刻化しており有効な対策が急務となっています。

各国の薬物問題の対策は立ち後れが目立っています。司法的な側面のみが強調・重視され、薬物乱用・依存の回復支援およびリハビリテーションについてはほとんど省みられていません。

いっぼうで薬物依存の回復支援に取り組んできたダルクは、その活動を認められ回復支援の輪を広げるほどに資金不足が深刻化し、善意の献金だけでは活動が困難となってきています。

日本で唯一の回復者主導方の薬物依存回復施設が、その本来の横能であるリハビリテーションを充実させ、財政的な基盤を確立していくためには、より多くの人たちの理解と協力が得られる支援センターの設立が必要です。九州の地にともった薬物依存からの回復の小さな希望の火を消さないため、ひとりでも多くの方の協力と支援をお願いいたします。


覚せい剤未成年むしばむ


飛び出した薬剤師

ボーイスカウト、ガールスカウトの皆さんも参加して

6月22日の日曜日の1時30分より、『平成9年度福岡県「ダメ。ゼッタイ。」普及運動6・26ヤング街頭キャンペーン』ということで、博多駅構内のGIGAVでイベントが行われた。

主催は厚生省・福岡県・福岡県薬物乱用対策推進地方本部・(財)麻薬覚せい剤乱用防止センターで、薬剤師会も県薬・学薬が後援している。後援は他に、医師会・歯科医師会・理容環境衛生同業組合・クリーニング環境衛生同業組合・旅館環境衛生同業組合・ボーイスカウト・ガールスカウト、更に各新聞社また各テレビ局がある。多少ともシンナー等の薬物に関係のあるところと、マスコミ関係である。

普及運動の実施は6月20日より7月19日までの1ヶ月間で、福岡市の事業としても7月18日と19日の2日間に渡ってキャナルシティ博多でキャンペーンを行うことになっている。市薬剤師会にも参加依頼があり、一般市民からの薬に関する相談、問い合わせに対応することになっている。

今朝10時30分より薬務課の方々は啓発用資材持込みや啓発資材作成、ビデオテストなどで集まり会場準備を行ったとのこと。薬剤師会も1時に集合し、「ダメ。ゼッタイ。」のTシャツに着替えて、オープニングセレモニーを待った。

福岡県薬物乱用防止対策推進地方本部副本部長で福岡県保健環境部長の清水博氏より挨拶があり、次いで福岡県「ダメ。ゼッタイ。」普及運動実行委員会会長の福岡県医師会常任理事、田中一氏(代)の挨拶、そして厚生省九州地区麻薬取締官事務所所長、松石高之氏より総理大臣からのメッセージの紹介があった。

参加団体の紹介があり、更にボーイスカウト、ガールスカウトのヤングボランティアによる決意表明が奉った。

それが終わると、3班に分かれ啓発チラシを配って回った。通行人も忙しくなかなか受け取ってもらえなかったが、アピールにはなったと思う。なるべく若い学生に受け取ってもらいたかった。本部では啓発のビデオが常に大型のテレビより放映され、立ち止まる人も何人かいた。回りがざわついているので聞き取りにくいけれど、視覚には十分訴えていた。またボーイスカウト・ガールスカウトの方々の広げた横断幕も目立って良かった。

用意された5700部の絆創膏付パンフレット、2600部の花の種付チラシはそれでも30分ほどで配り終えた。

麻薬探知犬によるデモンストレーション14時30分より麻薬探知犬によるデモンストレーションがあった。ダンボール箱を10ヶほど並べた中から覚醒剤の入ったものを探させるものだが、探すスピードは思ったより速かった。そしてタオルで固く包まれた覚醒剤を一旦噛んだらなかなか離さなかった。麻薬探知犬の優劣はその離さないところで決まるといわれているそうだ。こうしたイベントは犬の動きが速いだけに、麻薬探知犬センターの方々のご努力は大変なものがある。その後クイズのイベントがあった。

各テレビ局は忙しく動き回り、将来を担う若い健康なボーイスカウト・ガールスカウトの動きを追い続けていた。

(上村義徳)

うちの看板娘

女子薬のコーナー あじさいの咲くころに 第一保育短期大学 松本紀子

6月1日日曜日、福岡女子薬剤師会の総会と研修会が、福岡市薬剤師会館で御来賓として福岡市薬剤師全会長藤原先生のご出席をいただき行われた。会員42名中、出席15名、委任状22名。

研修会は、末田先生が「在宅介護における薬剤師の役割」について、木原先生が「在宅医療に於ける薬剤の実態調査と問題集と題して内容の濃いご講演をしていただいた。

小松会長から議事報告や会計報告があった後に、藤原市薬会長の女子薬剤師会に関する厳しい御発言をいただいた。女子薬に対する愛情をもってのご意見と思いながらもズシリと心に重く響き、反射的に気持ちは走りだしておりました。小松会長の「女子薬の活動日的の焦点を何処におくべきか」というお話があり、何時もにこやかなお顔が心なしか厳しく思われました。活動するには、確たるテーマを皆さんで提案していただき、それも現在生活している私達に即したものでなければなりませんし、常に進行形でなければならないという厳しい現状があります。前九州大学医学部小児科教授植田先生の最終語義を受講させていただいた時、「研究のテーマというものは、気を付けてまわりを見まわせば、何時でもそこにあるものだ」といわれた言葉が心に残っています。この事は自分の職業として選んだ女子薬剤師の出発点に立ったころを思うと、決して難しいことではないと思うのです。現に末田先生、木原先生というお手本がいてくださるし、両先生にご指導いただいて、この切り岸を乗り越える方法はあると思います。

今の社会を見回せば、高齢社会、少子化、核家族化や生活習慣病、覚せい剤乱用は大人のみならず子どもにまで及んでいます。更には、拒食症で亡くなる大人や子どももいます。食物のない時代を生きてきた私達には考えられないことだと思います。高齢者は今の日本の繁栄を築いてくださいました。今の我々大人達は子ども達の将来のために何をしてあげるべきでしょうか。多くの方々が多方面から取り組まれておられると思いますが、女子薬でも何かお役に立つ仕事をしなければならないのではないでしょうか。

アミカス女性祭りから参加依頼が来ているとのことです。

木原先生は、「今問題になっている子どもの薬物乱用禁止ポスターを女子薬の名前で作り、各学校に貼ってもらいましょう」という提案をだされ、未田先生は「『子どもと薬』の講演を出しましょう」と提案されました。提案だけでなく実現させましょう。皆様のご協力があれば成功します。目の前が大きく広がります。

今日という点をつないで女子薬の道を作りませんか。

福岡支部だより

I 現在会員数 42名
U 会議等
1.平成9年4月11日 第1回役員会
           総会準備と役割分担について
2.平成9年6月1日 第2回役員会
           アミカス女性祭りへの参加申込について
           広報活動の必要性について
3.同上       福岡支部総会
           司会 松本紀子
           来賓挨拶 福岡薬剤師全会長 藤原良春

今年度も引き続き、組織の強化(拡大)と内容の充実をはかりながら行動出来る(女性)薬剤師を目指して本会を運営して参りたいと存じます。

何卒御支援御協力のほど宜しくお願い申し上げます。

役員一同

作:九州大学薬学部薬理学教室 助教授 山本経之

NEW!商組のページ

宣告医薬品小売商業組合連合会
==========================================-

お知らせのコーナー

※大切なお知らせが沢山あります。必ずお読み下さい。
緊急報告:九大病院事業移管決定
お知らせ1:平日夜間急患診療スタートしました
お知らせ2:市薬会館お盆休みのお知らせ
お知らせ3:第8回薬局実務研修会のご案内

文芸

中医略史(5)

六 不 治

春秋戦国時代の中国では孔子などは弟子を多くかかえ、群をなしていた。一派ひとからげで就職し、辞めるときも一団で辞職した。

その頃、医療の分野でも扁鶴の率いる一団があった。紀元前4〜500年である。

「先生、如何なされました。そのように浮かぬ顔をなさって…」 扁鶉の門人子陽がいった。子同、子明も心配顔で近寄った。扇鶴は今朝から一言もロを開いていなかった。暗い顔で、何かを決意しようとしていた。

「私は、長く医道にに励んできた。しかしその私でも治せない病があることを、つくづく思い知らされた。今度という今度は、処置のしょうがない。今日のうちに旅立ちの用意をしておくように」 扁鶉は子陽に向かって初めて口を開いた。

「これは何ということでしょう」子陽は驚いていった。「治せないとはどういうことでしょうか。多くの人々が先生を頼って診療を願い、治らないにしても全力で事に当たって来られたではありませんか。死んだと思われた者を生き返らせ、元気になっているものも沢山居ります。そのようなことが出来るのは先生を置いて他に誰がいるでしょうか」 「いや、私はそのようなことを言っているのではない」扇鶉は諭すようにいった。「つくづく考えるに不治の病というのはいくつかある。まず、おごりたかぶって道理をわきまえないものは不治だろう。病気であるのに、身体を休めたり養生しないものがそうだ。身を軽んじ財を重んじるものも不治であろう。健康を後回しにして、したいことをするものがそうだ。食養生をしないものも不治であろう。薬さえ飲めば治ると思っているものが多い。それから、陰陽が乱れ気血が安定しないもの、身体が衰弱して薬が飲めないものも不治である。最後に医者を信じないものは不治である」扁額はそこまで話すと、悲しそうに天を見上げた。

「先生、今のお言葉大変良いことを開かせていただきました。しかしそのことと旅立ちとはどのように、しかも今日のうちに旅支度とは、あまりにも急なお話で…」「申し訳なく思っている。実は…」扁鶉は話し始めた。

「桓公殿は今のところ病気が表に出ていないが、すでに病は勝理から血脈を経て腸胃に来ている。明日私は桓公殿に拝謁することになっているが、病が骨髄に達していると手の施しようがない。そして桓公殿は私の言葉を開かず、治療を受けようとしない。医者を信じないものは不治であるので、近々桓公殿は病で倒れることになるだろう。そのときにはすでに手の施しようがない。そうなって治療を請われても難しい。私が桓公殿を治療できなかったということになるだろう。そこで私は明日桓公殿に拝謁してもし病が骨髄に達していたなら、ただちにこの国を去ろうと思う」 「わかりました」子陽がいった。「ただちに用意いたします」 翌日、扁鶴は桓公殿を拝謁した。入口まで来てためらったが、扉が開かれると扁鶴は恐るおそる奥で話し込んでいる桓公殿の顔色を伺った。遠くからであったが桓公殿の顔色を伺いしることが出来た。扁鶴はうつむいたまま、案内の者に一礼してその場を立ち去った。

「如何なされましたか。扁鵜殿。失礼ではありませぬか」 追いかけてきた案内のものに引き止められて、扇鶴は立ち止まった。

「これは失礼いたしました。実は私は桓公殿にお会いしても、最早平常心でお答えすることが出来ません」扁鶴はそれまでのいきさつを簡単に話すと、一礼してうつむきながら足早に立ち去った。

5日後桓公殿は病に倒れた。扁鶴を追ったが既に斉の国を立ち去っていた。そしてまもなく桓公殿は亡くなった。その後扁鶴は超、周、秦と移動し、それぞれの国で名前を残した。

桓公没年紀元前643年、それから100年たらずで孔子が生まれている。孔子が魯に生まれたのは紀元前551年である。

後に門人が扁鶉の言葉をまとめて「八十一難経」を書きしるした。

扇鶴が六不治を考えたのはもっと後のことかも知れない。また、旅立ちを決意したのは前日であったかどうか定かではない。

(上村義徳)

川柳

会員の移動

会員の移動 4月入会

会員の移動 5月入会

会 務 日 誌

4月10日 在宅医療委員会            第1会議室      19:30
  11日 学術委員会              第1会議室      19:00
     急患委員会              第2会議室      19:30
  12日 総務特別委員会            第1会議室      18:00
  15日 支部長会議              第1会議室      19:30
     常務会                第1会議室      21:30
  17日 学術研修会              講堂         19:00
  19日 薬局委員会              第1会議室      16:00
  21日 広報委員会              講堂         19:30
  22日 議事運営委員会            第1会議室      19:00
     組織委員会              第2会議室      19:30
  24日 処方検討会              あいれふ       19:00
  25日 在宅医療研修会            講堂         19:30
  26日 第38回通常代議員会          講堂         15:00
  30日 広報委員会              第1会議室      19:30
5月7日 急患委員会              第2会議室      19:30
  8日 健康づくり推進協議会         あいれふ       14:00
  9日 学術委員会                         19:00
     早良支部総会             福寿飯店       19:00
  10日 博多区薬剤師会20周年祝賀会      ホテル日航      17:00
     城南支部総会             セントラルホテル   18:30
  12日 在宅医療委員会            第1会議室      19:30
  13日 社保・分推委員会           第2会議室      19:30
     薬局委員会              第1会議室      19:30
  14日 福岡医療圏協議会           第1会議室      19:30
  15日 市薬薬局委員会            第1会議室      19:30
     広報委員会              タカクラホテル    19:30
  16日 福岡市保健環境研究所 開所式    (会長出席)      10:30
     情報委員会              第2会議室      19:30
     組織委員会              第1会議室      19:30
  19日 急患新規出勤者説明会         第1会議室      19:30
  20日 第289回理事会             第1会議室      19:30
  21日 薬物療法研究会            講堂         19:00
  22日 在宅医療における事業実施地区合同会議 日薬         11:00
     処方検討会              あいれふ       19:00
     試験センター委員会          第1会議室      19:30
  24日 石田達雄先生叙勲受章記念祝賀会    松柏園グランドホテル 17:00
  27日 在宅医療研修会            講堂         19:30
     広報委員会              第2会議室      19:30
  28日 市健康づくり財団理事会        あいれふ       11:00
  30日 禁煙街頭キャンペーン         パサージュ広場    12:15
6月2日 平日夜間急患診療開始式        市急患診療センター  17:30
  3日 広報委員会              第1会議室      19:30
  6日 学術委員会              第1会議室      19:00
  10日 監査会                会長室        17:30
     在宅医療委員会            第1会議室      19:30
     社保・分推委員会           第2会議室      19:30
  11日 第290回理事会・常務会         第1会議室      19:30

福岡医療圏協議会

日  時  平成9年5月14日(水)
場  所  福岡市薬剤師会館 第1会議室
参加者   福岡市薬剤師会 7名
      宗像薬剤師会  2名
      粕屋薬剤師会  3名
      筑紫薬剤師会  3名
      糸島薬剤師会  2名
協議事項
 1.九大病院事業移管について
 2.広域病院対策について
  イ)各地区状況報告
  ロ)薬品の供給と備蓄について
 3.その他

[編集後記]

◇広 告

5月号から市薬ジャーナルに広告が入ったのをお気付きでしょうか。

平成8年度は多忙な年でした。年6回発行予定の市薬ジャーナルを7回発行しましたし、市薬の事業の拡大に伴いページ数が増えました。心ならずも平成8年度の決算では、広報委員会は赤字でした。そこで少しでも広報活動の助けになればという事で広告掲載を検討しました。始めての事でマニュアルもなく暗中模索の結果が5月号です。

日薬誌と違って市薬ジャーナルは、最も身近な雑誌として親しみやすい紙面作りをモットーにしてきました。それで出来れば広告もタウン情報に成るようなものも入れました。

異業種の広告のエネルギーに違和感をいだかれた方もあるようですが、皆様いかがお感じでしょうか。“金がものをいうときには真理はだまりこむ”

(M.I.)

◇重 責

広報活動には会長も非常に力を入れておられる。情報化時代の昨今、当然のことと思われるがその責任の重さを痛感している。

支部の活動も多くなってきている。内容も複雑になり、支部の役員の先生方もそれだけ大変なご苦労をされているわけで、広報委員としてもしっかりと捉えていかなければならない。

代議員会の議事録の校正は、一見単純なようで大変な作業だ。テープ起こしされた5〜60ページにも及ぶ議事録を、何度も読み返して要旨をまとめていく。代議員の先生方の質問は出来るだけそのまま残していきたいし答弁に関してもそのまま載せたいが、要旨を違えず雰囲気を出すのはなかなか難しい。

県薬の代議員会議事録の要旨もそのような目で見ていくと非常に苦労の後が見える。すんなりと書かれているように見えるが、試行錯誤の後が見える。丁寧に仕上がっている。

代議員会というのは会議の中でもやはり最重要なものだろう。その校正や要旨を任されているということは重責であり、慎重を期さなければならない。

それにしても広報委員にならなければ、「市薬ジャーナル」の中でも「代議員会議事録」はいまだに読んでいないだろうなと思うこの頃である。

(上村義徳)

◇ガンバレー!

ベスト・セラー「失楽園」が映画化され話題を呼んでいます。作者渡辺淳一さんが、テレビ対談で「失楽園」を出版した頃、老人ホームの名前ですかと聞かれたことがあったとか…。今回の医療制度改定で「年寄りは長生きできん!」と口々に嘆かれます。うちの薬局では明治32年生まれ(満98才)のお婆ちゃんが、処方箋を歩いて持って来られます。地域一番の長寿の方です。同伴の大正生まれの娘さん(?)が、100才を目指していますと、おっしゃられます。生きる底力をみる思いがします。“ガンバレー!”とエールをおくりたくなります。

(東 美代)

◇餡汁より団子汁

我が業界も多事多難だそうである。

J.M.ケインズが「一般理論」の中で、不景気の時は市場が悲観的になりマイナス1%(GMP1%は5兆円)なのにマイナス5%と受け取るというエアー・オブ・ペシミズム、つまり悲観の誤謬が起きやすい。 自分はAさんを美人と思うが、世間ではBさんを美人と思っている様だから投票はBさんにしたはうがいいと思う。皆が皆、世間がそうだと思い込み心にもない投票をした結果、Bさんが本当に美人コンテストで優勝してしまう。  つまり「危険なのは観念」なのだと末尾で結んでいる。市薬も土地借入金等々で色々あるが餡汁(あんじる)より団子汁(だんごじる)だ…。

(S.T.)

広告

広告

平成9年7月10日発行
福岡市中央区今泉1丁目1番1号
社団法人 福岡市薬剤師会 T E L 092-714-4416
発行人   藤 原 良 春
編集人   北 島 啓 子
委 員   伊 東 美 穂
      上 村 義 徳
      小 松 公 秀
      津 田 和 敏
      戸 田 昭 洋
      東   美 代
      堀之内 美 紀
担当副会長 細 井 徹 一
印刷所   (有)興英社印刷