■ 巻 頭 言
“青春という詩” (社)福岡市薬剤師会 学術担当常務理事 市花晃

9月1日より医療保険の改定があり、患者は薬剤に対し一部負担金を支払うことになり“貰う医療”から“買う医療”へ、“医者まかせの医療”から“病気は自分が治すんだ”という意識の変換に拍車がかかってくるように思われます。そして、医師を初め薬剤師等の医療従事者は病気を治す手伝いをする役目だということ。結果として、患者は今まで以上に薬のことを知ろうとするでしょう。そして、処方に対する要望を主張されるようになると思います。

今年4月の薬剤師法改正では、患者に対して薬の情報を伝達することが義務になりました。これは、薬物療法において最悪の結果を防ぎ最良の治療を行うために薬剤師に与えられた使命(期待)です。そして私たち医療側は、最小限の費用で最大の効果をあげる治療・処方が質の高い医療として望まれるでしょう。

各患者のライフスタイルに合わせ、処方設計され、服薬指導がなされるよう、患者・医師・薬剤師3者の情報の相互交換が必須になります。治療に対して、一致した方針で真剣に患者に対処しないと、不信感はつのり、薬剤師不要の事態を招きかねません。

現在、我が国には医療用およびOTCを合わせると約3万種の薬があります。それぞれ個々の薬の特徴を熟知することはもちろんですが、特に薬の副作用や相互作用は医師に対しても処方設計に欠くことの出来ない情報です。私たちは薬剤師です。薬学的立場で、医師および患者に情報提供を行い、信頼を勝ち取るのです。

最近カウンセリングという言葉をよく聴きます。“患者に如何にスムーズに接するが”ということです。医師や看護婦は、教育の場で患者心理学の勉強をされ、常に患者と接しているので、自然に患者の本心を見抜く“コツ”を会得され、対処されていますが、薬剤師は訓練の場が少なく、特に私を含め病院薬剤師は患者と接する機会が少ないため、病棟における服薬指導に際しては接遇に苦労していると思います。

患者に薬を飲んで貰うためには患者との会話が必要になってきます。患者の気持ちを十分理解した上で、無理なく薬物療法が出来るように考え、誠意を持って指導しなければなりません。大量の薬が飲まずに捨てられた例などを耳にします。いくら薬についての知識があっても、話術が不足していれば、患者を十分理解させる服薬指導はできません。カウンセリング法の必要性を強く感じます。

私は“青春とは年齢をいうのではなく、如何にはつらつと前向きに生きるかだ。ときには、20歳の青年よりも60歳の人に青春がある。年を重ねただけで人は老いない。理想を失うとき初めて老いる”というサミュエル・ウルマンの“青春”という詩が好きです。その“青春”を目標に勉学に励み、時には余暇を楽しみ、患者に,社会に、貢献したいと思います。研修を通じて、医療の進歩に遅れないように一緒に頑張りましょう。

<私と薬> 大麻成分は医薬品となりうるか 九大薬学部 生薬学教室教授 正山征洋

この原稿は10月25日“パピヨン24”にて開催された「脳機能に件用する活性成分と創薬シンポジウム〜大麻と漢薬と微生物〜」に先立ち頂きました。(M)

 

緒言

薬学関係者ならば間違いは起こらないと思うが、一般には大麻と麻薬が混同視されていることも少なくない。また、大麻は何から製するのか混乱している場合も少なくないので、アサと大麻の関係についてもご紹介したい。

アサは学名をCannabis sativa L. と称し、クワ科に属する一年生草本である。アサは栽培される最も古い繊維作物の一つで、既に一万年前項から栽培されていたと考えられている。アサの未熟花穂や葉を乾燥したり、各種加工したものを大麻と称する。

古くから大麻が儀式やまじない、また、医療に用いられていたことは数多くの史実で明らかとなっている。大麻を幻覚剤として用いたのは小アジアからインドにわたる地域で、イスラム文化と共に、北アフリカを経て南ヨーロッパに伝播したと考えられている。スキタイ民族は他民族を攻撃する前にテントの中で大麻をいぶしたと言われる。また、11世紀イランにハシシーンと呼ばれるイスラム教の一派があったが、彼等は全ての敵を暗殺したことで知られており、暗殺に出かける前にはハシシュを飲んだと言われる。

一方、中国や日本では大麻を儀式やまじない等に用いた事実が無いことから、北方ルートと南方ルートで伝播した品種はその生理作用の点で異なっていたことが窺える。

20世紀に入り大麻は世界各国で薬用として、また幻覚剤として用いられるようになってきたが、その毒性のために1925年以来ジュネーブの国際阿片条約により規制された。我が国では1947年以降大麻取締法が施行された。1951年まで日本薬局方に鎮痛、鎮静薬として収載されてきたが、それ以後は大麻禍が社会問題となってきたため、医薬品とは認められず、大麻取締法で厳しく規制されるに至っている。

近年不法使用は年々増加の途を辿っており、他の薬物と同様深刻な社会問題となっている。福岡近郊においても不法栽培があとをたたない状況である。しかし一方では大麻成分をモデルとして医薬品を創製しようとする研究が急増している。何故なのであろうか。

実は1990年代に入って大麻成分のレセプターが脳とマクロファージで発見された。その直後脳内のレセプターに対する内在性リガンドであるアナンダミドが単離されたことから、レセプターに対するアゴニスト、アンタゴニスト等の研究やアナンダミドの研究が急速に進展してきた。大麻成分の中で特に活性の高い、テトラヒドロカンナピノール(THC)関連化合物の創薬を思考した合成研究が幅広く行われている。

今回は平成9年10月25日に開催される「脳機能に作用する活性成分と創薬シンポジューム−大麻と漢薬と微生物−」の中の大麻に関する部分の一部について、特に我々の研究室で行っている研究を中心に概説したい。我々は薬用植物の細胞・組織培養による育種研究や各種活性天然物に対する単クロン抗体(MAb)の作成とその応用、植物有用酵素の精製研究を行う中で、大麻成分を植物培養細胞の酵素系により、またアサの酵素系を用いて新しい大麻成分に変換し、創薬の資とすることを目的に研究を行っている。以下それらの研究について概説する。

抗THCA MAbの作成

THCA−ウシ血清アルブミン(BSA)複合体を合成し、マウスに免疫する。適切な抗体価が得られたら、ひ臓細胞を摘出し、ポリエチレングリコール法によりマウスミエローマ細胞(癌細胞の一種)と融合し、融合細胞(ハイブリドーマ)を作成した。クローニングとスクリーニングを行って抗THCA MAbを分泌するハイブリドーマを選抜した。ハイブリドーマを無血清培地で培養し、上清を精製し、抗THCA MAbを得た。

抗THCA MAbを用いて作成した検量線により各種大麻成分のクロスリアクションを測定した。特異性の高い抗体を望んでいたが、期待に反して殆どの大麻成分に親和性を有することが明らかとなった。このため植物触媒、即ち植物培養細胞を用いた大麻成分の代謝研究に応用することとした。

植物細胞による新大麻成分の創製

図1はカンナビヂオール酸(CBDA)をカラスビシヤク(Pinellia terrata;半夏)培養細胞とインキュベートし、培養細胞をメタノール抽出後、高速液体クロマト(HPLC)にて分画し、それぞれのフラクションをELISAにてアッセイしたものである。

比較的活性が高く、また単一ピークに近い Fr.2,Fr.6,Fr.8をそれぞれ集めて各種機器を用いて検討した結果、それらのピークを示す化合物は糖が結合した配糖体、さらにそれらが一部水酸化を受けた化合物であることを明らかとした。各種の大麻成分を反応した結果、同様にフェノール水酸基に糖が結合し配糖体となることが判明した。

図2に植物培養細胞を触媒として得られた大麻成分の構造式を示す。これらは何れも新大麻成分である。

以上の新大麻成分について脳のレセプターを用いたバインディングアッセイを行った結果、何れの代謝産物もTHC等に比べると親和性は低いものであった。しかしレセプターとの親和性と薬理活性は直接的には相関しないことが報告されているので、今後各代謝物の薬理活性の検討が望まれる。

大麻成分生合成酵素の精製とそれによる新大麻成分の創製

〜酵素の精製〜

アサとの展開直後の新鮮葉を材料として緩衝液で抽出後、遠心にて上清を得る。この上清を硫酸アンモニアによる沈殿、各種のカラムクロマトにより順次精製し、CBDAsynthaseを電気泳動により単一バンドにまで精製した。

同様に2種の酵素、THCAcynthaseとカンナピクロメン酸(CBCA)cynthaseを精製し、それらの性質について解明した。以上の3種の精製した酵素反応から大麻成分の主生合成経路は図3に集約される。従来の研究ではカンナビゲロール酸(CBGA)−> CBDA −> THCAの経路が主経路と考えられていたが、各々の酵素反応によりCBGAが各々の大麻成分へと変換することが明らかとなった。

〜生合成酵素による新大麻成分の生成〜

CBCAは発芽直後の主大麻成分であることを明らかにし、光学不活性体として単離構造決定した。しかしCBGAをCBCAsynthaseとインキュベートすると生成したCBCAのCDスペクトルから光学活性体と考えられた。そこでCBCAを脱炭酸してCBCを得て、このものをChiralcel 0D−R(光学分割用)カラムを連結したHPLCで分析した結果、2つのピークが認められ、ピークの高さから後者が前者の約5倍の生成率であった。このことから酵素反応により立体特異的に反応が進行することが明らかとなった。

先に我々はアルキル側鎖がメチル、プロピール、ペンチール基を持つCBGAタイプの大麻成分を合成し、メキシコ種(THCA種)アサの芽生えの粗酵素を用いて反応したところ、それぞれの成分がCBCAタイプに変換することを見い出した。この結果から上記3種の酵素はアルキル側鎖には特異性が低いものと推察 される。

この性質を利用してアルキル側鎖を変えたCBGAタイプの化合物を合成することにより光学活性の新大麻成分の合成を可能にする。現在THCAsynthaseを用いて研究を続行中である。また、上記3種の酵素遺伝子のクローニングを行っているので、酵素の大量発現系を確立しそれらを固定化し、新大麻成分を創製する予定である。

また、酵素遺伝子をAgrobacteriumというバクテリアに組み換え、それの感染力によりアサへ遺伝子を導入すると、大麻成分にとってどのような変異が生じるのであろうか。興味の尽きない研究分野である。

以上植物の酵素を用いて新大麻成分を合成する研究について概説した。植物の酵素は多様な植物成分をスムーズに、スピーディーに、また、卒なくものの見事に合成してくれる。この点が我々を研究へとかりたてる由縁である。

最近の学会(今年6月、於アトランタ)の報告の中で我々の目を引いた発表がある。カリフォルニアでは医師の処方箋に基づき、大麻の主薬理活性成分であるTHCとモルヒネを、癌患者の鎮痛を目的に投与するケースがあるとの報告がなされた。また、年少者の制吐を目的にTHCを用いるケースもある。

ごく最近、前述のリガンドの関連化合物が海馬における長期増強(LTP)をおこすことが報じられた。このLTP現象は記憶・学習に深い関連を持つと考えられている。このことから近年深刻さを増してきている痴呆症にも朗報をもたらす可能性があるかも知れない。

以上のように述べるとあたかも大麻は医薬品になる可能性が大で、不法使用の害は無視してもよいように受け止められるかも知れない。しかしTHCをラットに投与して起こるムリサイド(マウスをかみ殺す狂暴な動作)等を観察すると、大麻の害が容易に想像されよう。大麻成分の活性のかなりの部分が解明されたとは言え、未知のベールを被った部分に何が隠されているか油断は許されない。このことから大麻使用を緩和することは無謀と言っても過言ではないであろう。

注1.リガンド:受容体に結合する化合物。
注2.単クロン抗体:抗体産生細胞とある種のガン細胞を融合し、その中の単細胞系が生産する抗体。
注3.クローニング:単一系にすること。
注4.クロスリアクション:抗原抗体反応において抗原以外の化合物が結合力を持つこと。
注5.インキュベート:反応すること。
注6.バインディングアッセイ:結合実験。原理的には結合実験とは放射性同位原索で標識した薬物を用いて組織より得られた単一細胞、ホモジネートあるいは膜分画に含まれる受容体への結合のしかたを検 討するものである。

 

わくわくしたシンポジウム

世界レベルの研究者のシンポジウムが、目と鼻の先のパピヨン24で行われた。ポスターでは正山先生が大麻の話を、斎藤先生がサフランの話をされるようだ。これに引かれて多少場ちがいな気もしたが出かけた。正山先生のお話はこの原稿を読んで頂ければ詳細がお分かりになると思う。

又、斎藤先生は「日本でサフランの話をするのは今回が最初なのでスライドを新しく作りました」と言われた。やっぱり来てよかった、サフランの最新の話が聞けた。

「てんかんの神経生物学と漢方薬」の話もエキサイティングなものだった。菅谷先生は長年てんかんの発生機序を主として神経細胞レベルで研究してこられた。ある偶然によって漢方との出会いがあった。今回は柴胡桂枝湯加芍薬についてその作用機序を話された。

私の理解を超える方法で行われた実験の結果はわくわくするようなものだった。柴胡桂枝湯加芍薬には神経細胞保護作用や神経細胞発達異常の正常化作用があるが、フェ二トイン(アレビアチン)にはこれらの作用がない。これがフエニトインなどの抗てんかん薬ではコントロール出来ないてんかん発作を、柴胡桂枝湯加芍薬で完治またはそれに近い状態にもっていける理由だそうだ。

また方剤や生薬エキスが正常時には反応しないがストレス時には薬効をあらわすのはなぜかということを、実験薬理学的な観点から説明された報告もあった。

本当にすばらしいシンポジウムだった。残念ながら中座したが、夕暮れのひんやりした風が、久しぶりに頭を使って紅潮した顔に心地よく感じられた。

(M)

<私と薬> 病は突然やってくる〜私の薬体験記〜 西日本リビング新聞社
リビング福岡編集部記者
帆足リエ

病は突然やってくる。のんきな私のもとにもまとめてきたから、さあ大変!まったく、迷惑な話である。

おかげで、薬の大嫌いな私が、わが「リビング福岡」の医療班に任命されてしまった。せっかくの体験は記事に生かせという、上司の温かい親心からである。

しかし、私のような気楽な人間が医療問題へ関心を持つきっかけなんて、きっとこんなもんだ。自分で痛みを知ってはじめて、人の痛みに気づいたのである。

ちなみに、「リビング福岡」は、福岡市内と近郊の家庭に31万6210部発行の週刊生活情報紙。一般紙とは違って、医療班といっても2人。ほかの記事も担当しながら、月に2回、「心と体のミネラル」というコラムを連載している。

ところで、私は病気になったおかげで、薬について少し関心を持つようになった。初めて診てもらった病院では、ドクターにまで「薬剤師さんですか?」と聞かれる始末。スラスラと薬の名前を挙げられる患者は珍しいと驚くのである。

当の本人にしてみれば、自分を助け、苦しめた薬のこと。名前ぐらい言えて当然なのだが・・・。患者というものは、それほど自分の薬に無頓着なのだろうか。

実は私は、たった一度の入院の間に二度の手術をした上、別の病気を併発。おまけにMRSAにまで感染したという、笑い話のような経験を持つ。そんなわけで、入院前後の治療期間を合わせると、実にたくさんの薬に出会った。なかには合わない薬もあり、副作用を調べるために、皮膚科の入院までした経験もある。

そんなこんなで、私は結構、薬に振り回された。手術のために入院した時も、併発した臓器の炎症は薬のせいだと言われ、別の科の入院であったにもかかわらず、内科のドクターの指示で突然すべての薬と食べ物がストップになった。

さすがにこの時は、本来の主治医や薬の副作用を調べた皮膚科のドクターが憤慨。両ドクターとも、薬の処方には細心の注意を払い、同じ薬を長期に渡って使用しないようにしていたからだ。抗生剤にしても然り。だから突然のMRSA感染は主治医を困惑させた。

こんな経験を持つと、だれでも自分が飲んだ薬、苦手な薬については詳しくなる。しかも、医療の細分化の時代である。複数の科、たくさんのドクターから薬が処方されるので、自分でしっかり把握しておかないと痛い目をみる。

残念なことに私のかかっている病院では、個人の薬歴は管理されていない。時々渡された奥が間違っていたりもするので、結構大変だ。こんな時、かかりつけ薬局があればどんなに心強いだろうと思うことがある。 医者同士のコンタクトがとれていないのなら、しっかりとした薬剤師さんに薬のコーディネートを願いたいと。医療関連の取材をするようになって、「患者はもっと賢くなろう」という声を耳にするようになった。一方で、「へんな知識を持たれては困る。患者は医者に任せておけばいい」という、相変わらずの声も聞く。

確かに、聞きかじりの知識で治療を選択してしまう患者は多い。ちょっと前に、テレビでMRSAの特集があった時である。わが編集部の先輩記者でさえ、「抗生物質はもう飲まない」と騒いでいた。こんな調子ですべての患者が抗生物質を拒否したら、医療関係者はさぞや治療が大変なことだろう。

だからこそ、やはり薬について正しい知識を持つ必要がある。そのために、私たちのような記者に何ができるか・・・。これからもじっくりと考えていきたい。

「心と体のミネラル」というコラムを担当するようになって、病と向き合いながらも強く生きている人たちに出会うことがある。彼らが痛みから開放され、自分のやりたいことができるのは薬のおかげだったりする。そんな人たちや慢性疾患のある人たちにとって、薬は心の糧にも等しい。

人はだれも、好きで病気になるわけではない。好んで薬を飲むわけでもない。そのことを、もっとたくさんの人たちに分かってほしい。

頓服

アーバンホテルにて〜南区在宅モデル事業の成功を祝す〜

10月28日(火)に三井アーバンホテル福岡で、南区の在宅医療モデル事業を終了してのお礼の会が開かれた。南区医師会の副会長宮崎忠先生、在宅医療担当理事の藤野法康先生、南保健所長の横田清先生などが出席され、祝辞の中で今回のモデル事業は期間的に短かったけれど、スタッフに恵まれていたので必ず成功するだろうと確信していたとのお言葉もあった。

藤野先生は長く在宅に関わっておられる。また南区薬剤師会の先生方の精力的な関わりも評価されたが、やはりチームワークの大切さを感じさせられた。

また日薬の荒巻善之助先生の祝辞では、特に今回の福岡のモデル事業は全国的にも評価が高く、「市薬ジャーナル」を何人かに配ったとのことだった。冊数があればもっと配りたいとまで言っていただき、広報委員としてはこれほどの充実感はなかった。

藤原会長の乾杯の音頭で懇親会が始まり、在宅に関する現状や今後を、在宅の入江先生や浦上先生、広報の伊東先生などとピールを飲みながら語り合った。本当に楽しいひとときだった。

末田先生、井上先生お疲れ様でした。南区在宅モデル事業に参加された先生方お疲れ様でした。心より成功を祝します。

帰ると北島先生よりファックスが入っていた。「〜広報委員各位〜 皆様おつかれ様です。少々肌寒くなって参りましたがいかがお過ごしですか?体調は良好にkeepしておられますでしょうか?」11月1日の広報委員会を睨んでの細かい心づかいだった。

(上村義徳)

<シリーズ:薬剤情報提供4>

 6月25日より厚生省通知により患者等は自分のレセプトを基本的には見ることができるようになりました。一方、カルテなどを開示する範囲や方法は来春までに厚生省の検討会で結論をだす予定です。医療情報の開示の進むなか、薬剤師はどのような薬剤情報提供を行ったら社会的に信頼される職業になれるのでしょう か。(M)

 

薬剤情報提供義務化における疑問 早良支部 西新部会 冨永薬局冨 永宏資

前号までに薬剤情報提供義務化についての高い見知でのご指導は十分に頂いている。そこで今回は街中個人開設薬局での薬剤情報提供に対して、義務化されてここ数ヶ月間で思い、感じた疑問を記してみたいと思う。

任意で行っている時にはそれ自体は気楽に楽しみさえ感じていたが、義務化されてからは一夜にして漬け物石をのせられたかのような圧力がかけられ、搾られて出るのは大変な仕事量のみであり、またお金と時間が無くては出来ない。

一日数枚ならば複写式レポート用紙に手書きも出来ようが、枚数が多くなればコンピューターの力を借りねば到底出来るものではない。コンピューターの力を借りるとなるとソフトがいかに大切であるかは言うまでもない。

今までワープロはおろか機械に頼ること無しに手書きで行ってきた事を思えばコンピューターの能力、速度、処理量は雲泥の差があるが、質となると自分の思っていること、表現したい事がそのままとはいかない。

ソフト次第では形式、スタイル、内容の変更すらなかなかできないものから、かなり自由に変更できる物まであると聞く。自由に変更できる物は自分の知識によって内容的、表現的にも様々なものができると言う。楽をして義務化を果たそうとすれば画一化されてしまう可能性が充分でてくるが、それではいけないと言われる。そのため各自の個性豊かな考察を加味して満足出来る情報を作成するにはコンピューターを十分駆使せねばならないようだ。

数ヶ月間の体験では薬局間での情報提供に様々なスタイルがあること、内容も表現方法も異なり、薬局の性格、体質、経営姿勢までがうかがい知れる様でまさしく一個人を見ているようでもある。そこの薬局従事者の方々の様子までが何となく想像できるようにも感じられるが、反面それで良いかと常に疑問を感じずにいられない。

最近では、各メーカーごとに表現方法などまちまちであった薬剤の添付文書がかなり統一された書き方になっている。それは単に薬剤の説明、使用方法、注意のみならず、事故がある度に警告等が増え、厚生省等の指導をも含め統一、画一化してきていること、また多くの新薬が局方に採用されているからだろう。これらのことから考えると、薬剤情報文書は薬剤提供者から患者、もしくは家族に対する添付文書であると思う。

ただ医師、薬剤師に対するそれではなく、素人を対象にしたものであることは言うまでもない。患者に対する添付文書であるならばある程度情報の内容も統一、画一化されたものでも良いのではないだろうか。情報は詳しすぎても良いとは思えない。添付文書のようであると、ある程度理解できるはずの小生ですら服用に抵抗さえ感じる。

添付文書が真に薬剤の説明だけに記載されたものなのか疑問を感じる。表向きにはそうであらねばならないが、事故等の責任逃れとしての思惑もかいま見られる現状からすれば、薬剤情報の提供も同様である。薬剤情報提供が技術料に関わりなく必要であることは言うまでもないが、この必要性から考えると、一薬剤の必要必須情報事項は自ずと決まってくるはずであり、それ以外の項目は提供者の判断に委ねられても良いであろう。

これはあくまでも提供者の身を守るため今後必要であり、情報提供においては統一的見解が必至である。もし事故の時は個人の考えや判断に対して温情的判断が下されるとは今後の訴訟社会では考えにくく、情報提供には提供者の身を守るための最低必要事項が記載されるべきだと考える。

出来れば最低必要事項でなく、充分かつ最良なものであってほしい。これは保険調剤の薬剤のみならず今後増えるであろうスイッチOTCの分野においても同じ事が言えるのではないだろうか。充分な情報提供において、薬剤服用時の変化の判断をある程度患者に委ね、その結果が医師、薬剤師にと って充分に完成された処方であり、投薬であることが望ましい。

また反面、提供を受ける患者側からすれば、面分業の進展とともにかかりつけ薬局のみならず、どこの薬局でも調剤を受けることが出来、便利性の面で通勤の途中や買い物の間での調剤依頼など広域にわたる処方せんが街中の薬局で受け付けられる現状、薬歴簿のない患者または1〜2回来局の患者においては薬歴簿の代わりをしてくれるのが患者自身が手にした薬剤情報であり、それによって患者自身が薬歴簿の管理をしている状態に近くなってくる。

そこで問題になることは薬局間での同一薬剤に対しての情報内容、特に副作用や効能効果の項に表示の違いが多いことである。一薬剤で様々な副作用、軽いものから警告まである事、また効能も多岐にわたることは十分承知していても医師の処方意図が提供する側には投薬する段階までなかなか判断しにくい。

もし、調剤前に判断し、情報を作成するとなると処方せんの受付段階でかなり詳しく尋ねないと判断できない。実際には人手、時間の問題で不可能に近く、調剤後や投薬時の服薬指導に頼らねばならない。その時にはすでに情報も作成して渡す寸前までの準備が必要であって、その時点での事項の書き込みは可能でも多くは記入できないのが現状である。

その薬剤情報を受け取った患者には各薬局の情報を基に患者自身で服薬上の注意を厳守してもらわねばならない。その情報が薬局間でまちまちでは患者にとっては何とも不思議でならないだろう。その後の患者の行動、戸惑いは想像できるものがある。医師への情報持ち込み、薬局への質問、それは大変であろうし、また医師の薬局に対する苦情にもつながりかねない。

以上のことからすれば薬剤情報に記載する副作用、効能効果の項はある程度薬剤師会等の内部で統一した文書にするのが良いように感じてならないのは小生のみであろうか。コンピューターの発達した現在、その統一ソフトが出来れば情報更新も一夜にして出来るだろう。そのようなソフトが出来、薬局間の大きな文書の差もなく安心して情報を提供できるようになれば前述の事故における問題もより少なくなり安心でき、時間にも余裕ができて投薬時の説明も十分なものとなり、結果的には患者の治療の進展を助けることができるだろう。

これらのことは情報の統一化、画一化であって技術料で言われる情報の画一化とはまた別の問題ではないかと感じるのは小生だけだろうか。

<シリーズ:薬剤情報提供4> 薬剤情報における相互作用についてそのU 福岡逓信病院 薬剤部長 藤井俊志

<シリーズ:薬剤情報提供4> 「50番窓口」からの報告 九大病院院外処方せん受付 徳永邦代

8時30分、NHKの朝のテレビ「甘辛しゃん」が終わる頃、九大病院の外来は始まります。朝早くから来て順番待ちの人、テレビに見入っていた人、それぞれ立ち上がり、100人位の受付の長い列ができます。私達の院外処方せん受付窓口の仕事は朝シャッターを開けることから始まります。

ここは50番窓口。(平成4年スタート時は「13番窓口」と呼ばれていましたが、平成6年に現在の場所に移動し、「50番窓口」と呼ばれています)

9時前、そろそろ診察を終えた患者さんが50番窓口にみえる頃です。

「お早うございます」朝一番は、顔なじみの患者さんです。
「いつものところで!」
「ハイ、○○薬局ですね」前回院外薬局を希望された患者さんの場合、処方せんの右上に薬局の番号が表示されているので、一目でわかります。
「何時頃、行かれますか?」
「すぐ、行くよ」
「処方内容は変わっていませんか?」
「いつもの通り」
「では、薬局にはその旨、ファックスで連絡しておきます。お大事に」

薬局は原則として、三次募集までの「応需薬局」429件の中から選びます。九大病院の採用薬及び調剤上の申し合わせ等を十分把握している、との安心感があるからです。しかし429件の中からだけでは、患者さんが希望する薬局を選ぶのが困難です。応需薬局がもっともっと増えることが望まれます。

それで、患者さんからかかりつけ薬局がある旨申し出がある場合は、「その他の薬局」として受け付けます。とにかく、患者さんの意向を尊重して薬局を選ぶようにしています。

こうして患者さんに処方せんを渡し、又持ってこられた処方せんの控を預り、薬剤師が処方せんのチェックをします。このとき疑義が生じたら、医師に問合わせをします。これまでの主な問い合せの内容は、規格・投与日数・長期不可・用法・用量・相互作用・薬品名・その他(採用外、重複処方)などです。チェックが終わると、オペレーターが処方せんの入力をして、所謂支援情報の作成をします。それから薬局へ、「処方せんの控」と「支援情報」をファックスします。

10時頃になると、いよいよ窓口も混み始めます。

11時から14時の間、窓口の混雑はピークに達します。又、このころから薬局からの問合わせの電話が頻繁になります。14時以降は、窓口も少しずつ落ちついてきます。但し、再来で予約をしておけば、午後からの診察もできるので、(心療内科)(皮膚科)(精神科)等の再来日は、15時を過ぎても、結構忙しい時があります。

ファックスで送信した「処方せんの控」と「支援情報」を再度チェックしながら、ホッチキスで綴じます。この時点で、ミスを見つけて慌てて薬局にお詫びの電話をすることもあります。そこで薬局の先生方にお願いです。送られてきた「処方せんの控」と「支援情報」をよく確認して頂きたいのです。もし疑問が生じたら、どんなことでも結構です、窓口にご連絡をお願いします。

17時診療が終わります。各診療科毎に分け、枚数を合計し、調剤室に報告します。医事掛と調剤室のシャッターが降ろされるのを確認して、窓口のシャッターを閉め、やっと一日の終わりです。

過去一年間の院外処方せん発行率(カッコは発行枚数)は次の通りでした。

平成8年10月 54.43% (9,660枚)
    11月 55.16% (8,701枚)
    12月 55.79% (9,392枚)
平成9年1月 54.87% (8,289枚)
    2月 61.72% (9,476枚)
    3月 57.57% (9,538枚)
    4月 57.84% (9,409枚)
    5月 57.39% (9,089枚)
    6月 57.36% (9,040枚)
    7月 56.48% (9,677枚)
    8月 55.19% (8,679枚)
    9月 55.85% (8,922枚)

発行率は若干上昇しているものの、ほぼ横ばいの状況です。9月の保険法の改正で、病院に掛かる患者数が減ったと言われていますが、窓口に関しては今のところ大きな変化はないように思えます。今後の動向に注目したいと思います。

この5年間、当初から記録している発行枚数や発行率を書いたノートも少々毛羽立ってきました。思い返すと初めのころは、「院外処方せん受付窓口」のことを理解されていない医師が多く、疑義照会しても「院外窓口?」と冷たい返事をいただき、大変困ったものでした。でもこのごろは、医師から直接窓口に電話がかかってきて、処方の変更の依頼があったりします。また、疑義照会をすると「ごめん、何か間達っとった?訂正お願いします」と、言われるようになりました。やはり歳月でしょうか。

又、九大病院の院外処方せん発行事業が、県薬か市薬かで話し合いが行なわれていた頃、窓口のスタッフはいつも不安な気持でしたが、このたび市薬に正式移管決定と聞き、大変喜ばしく思っています。このようにして、山積みされた医薬分業に関するいろいろな問題も少しずつ良い方向に向かっていくことを願っています。

最後に、最近医師との電話で印象に残ったお話をしたいと思います。循環器内科のH医師は質問に対していつも真筆な態度で答えていただきます。いつものように「ありがとうございます」と受話器を置こうとすると「ちょっといいですか?」「はい、何か?」

「僕は薬局に対して言いたいことがあります。例えばβブロッカーの効能はいろいろありますよね。高血圧とか不整脈とか」「はい・・」「実はある患者さんにβブロッカーを処方したのですが、薬局で高血圧の薬と説明を受けたそうです。患者さんは血圧が高くないのにどうして出したのですか?と、僕に心配そうに尋ねるんです。はっきり言って僕の処方した意図と異なる説明をされるのは迷惑なのです。ただ黙って服用の方法だけ説明してもらった方がよっぽど助かりますよ」

「はい、そうですよね。薬局でも患者さんから、いろいろ情報を集めてから服薬指導をしているとは思うのですが、自ずと限界があることは確かですし・・」と言いながら、私は長野県の上田市医師会と薬剤師会のいきさつを思い出していました。そしてイヤーな予感がして一刻も早く受話器を置きたい気分でした。ところがです。H医師の話は次のように続いたのです。

「今薬局では薬剤情報なんとか、というのを出しているのですか?」「はい、薬剤情報提供書のことでしょうか」「僕は、これはとても良いことだと思います。何故ならば、ほとんどの患者さんが情報を受けることによって、以前よりお薬に関心をもつようになったからです。そういう面では、とても有難いと思っています。ただ間違った説明だけはしてもらいたくないということです」

「そうですね。ひとつの薬でいくつもの効能がある場合、患者情報が得にくい薬局にとっては、なかなか難しい今後の大きな課題と思われます」「僕も考えているのですよ。患者情報やコメントを書いた紙を持たせる、とかいろいろ。・・・本当にどうやったら良いのでしょうか?」以上がやりとりの内容です。

院外処方せんについて、九大病院の医師がここまで考えてくださるようになったと思うと、心底晴々した気持になりました。そしてこのような医師が、どんどん増えていってくださったら変わっていくだろうなあと。

とりとめのない内容ですが、50番窓口からの報告といたします。私達、スタッフ一同は、九大病院と薬局の掛け橋として、誠心誠意やっているのですが、何かと不行届きの点が多々あると思います。どうぞ、お気づきの点がありましたら、多少にかかわらず、窓口までご連絡いただきますようお願いします。そして、先生方のお声を励みに日々の業務を遂行していきたいと思います。

<研修> 〜 祝・新装開演〜

新しい講演会が始まった

平成6年12月から30回続いた九州医療センターの処方検討会は8月で終わった。薬剤師会館の講堂では入り切れないほどの参加者があり、途中から“あいれふ”の10階ホールに会場が変更されるほどの人気の研修会だった。9月からは装いを新たに、九州医療センターのコ・メデカルの先生方による講演会が計画されている。第1回目は臨床心理士の失永由利子先生の「患者理解とカウンセリング」の講義と、全員による服薬指導のロールプレイングの実習があった。出演された方にロールプレイングの感想や仕事への想いを綴っていただいた。(M)

 

「患者の役をやってみて」 大賀薬局西新店 永井俊光

今回鬱病の患者の役をやってみて判ったことは、やはり患者として投薬窓口に立つ緊張感とこの薬を服用し良くなるのだろうか、又いつまで服用し続けるのだろうかという不安感が入り混じった状態で来られているということです。少しでもこの緊張感、不安感が解消できるようなアドバイスまた状況に気を付けていきたいと思います。

 

「ロール・プレイングゲーム」 大賀薬局大名店 鮫島千織

…監督魂ムラムラ…
ロール・プレイングゲームしてみませんか?そう言われて、要するに芝居だ、と思った私。今まで、2度程芝居の監督をした経験で、川原ものは3日芝居をしたら止められないと言うけれど、実は監督も止められない。

…役者は永井…
私は薬剤師の役。患者は誰か選ぶように言われた。監督アンテナを立てると、大賀薬局西新店の永井先生との、“お告げ’。ご本人は何故自分に白羽の矢が立ったのか不思議なようだったけど、電話して快諾を得た。

・‥金太郎飴にならぬ服薬指導・‥
服薬指導にマニュアルはない。初めに来られた患者さん、何度か来られている患者さん、気心の知れた患者さん、その時々で、服薬指導の内容は変わっていく。その何処を切って見せていくか?これはとても難しい。その一部分を切って見せても、見た人たちは普段の服薬指導とは違うと思うだろう。これはもう芝居と割り切って全て見せるべきだ、と考えた。服薬指導する人は、永井先生に選んでもらった。

私の知っている人では、永井先生は把達しきれないだろうし、たとえ概要を伝えても私の知っている本人と永井先生の演じる人は違って来る。私は、余り知らなくても平均化された服薬指導が出来ると思ったからだ。

…全部言いたかったのに…
一寸くどいとは思ったけれど、薬の内容の説明から、それとなく副作用の出方を聞き出し、まだ出ていない副作用の回避方法、対処の仕方、食事との相互作用まで説明することにした。

…リハーサルは一回で決めて…
大体の所を打ち合せして、リハーサルを一度した。それまでは、お互いになにをどう言うかは決めていなかった。前日、患者と薬剤師になってやってみた。私たちが選んだ患者さんは、鬱傾向のあるてんかん患者。その割には、患者のせりふが多いが、話が進まないのでこれでよしとしよう。とにかく100%うまくやるよりは、悪い所を指摘されるほうが勉強になる。

…薬剤師は一発勝負…
本番。矢永先生にはいつも通りやってもらいたいと言われたが、金太郎飴では出来ないのだ。今回この役を仰せつかって矢永先生の講演もお聞きして思ったのは、カウンセラーというのは長い時間の中で人の心を開いていくが、薬剤師は短い時間の中で患者さんが今一番欲しいと思っている情報を的確に伝えていく必要がある。その点では異質な存在で、失永先生の言われた事は私たちにはすぐに役立つ事はないが、基本的な心理基盤というものをもう一度考えてみるという点では有意義なものがあったと思う。

…服薬指導への姿勢…
初めての患者さんには薬局に違和感を抱かせない事、二度、三度と来られた方には親近感を持って、何度も来られている方には近所づきあいをするように。この姿勢を忘れないようにしている。患者さんの中には自分の状態をうまく医師に伝えられない人も多く、どういう風に言ったらよいか、どういうことを伝えたら良いかをサジェストする事。又、血液検査の結果に一喜一憂する方には何処を心配するべきか、経過観察が必要な所、今回だけの一過性の数値などを説明することで、医師には聞けなかったがこれで安心できると喜ばれている。また、それに従って今後の食生活のありかた、運動の必要性の有無、生活の仕方をアドバイスし、必要なら保健所、栄養士のアドバイスも受けるように言っている。

調剤薬局の薬剤師は自分で判断した薬を直接には処方できないけれども看護婦さんとは違うアプローチの仕方で、患者さんを見ていくことで、医師を支える要になることが必要だと考えているからだ。

…ロール・プレイングは未来を拓く…
今回、壇上に立たせていただいて感じたのは、個々の薬局で患者さんによかれと思ってやっていることをオープン・プレイすることで、従来の処方検討会では得られない実際の服薬指導に役立つものが得られるのではないかということだ。これから機会が有ったら色々な状態を設定して、その時の対処の仕方、服薬指導についてやって行ければ、より有意義なものがあるのではと感じている。皆様大根芝居を見ていただいてありがとうございました。

 

「患者理解とカウンセリング」を聞いて

講義が始まるとマイクの音量が足りなかった事もあるが、後ろの席の方々がゾロゾロと前の方へ移動して来られた。今までの講演会では見られない光景であった。耳新しい分野の話なので、眠気も吹っ飛んで傾聴した。

患者さんは発病した年令により、充分な教育が受けられなかったり人間関係が築けなかったり就職が難しかったり等々の問題を抱えている。思いもよらない発病により「患者になること」へ適応していく事を余儀なくされる。それには長い時間が必要であり、悲哀反応(寂しさ・悲しみ・絶望・苛立ち・怒り)を示す。

エイズ患者の病名告知などに係わっておられる失永先生の話に改めて患者のおかれている厳しい状況に思いをめぐらしました。このような患者さんにどのように対応していくか。私達が行っている服薬指導はその名の通り指導である。指導は時に患者さんに不安や拒否を引き起こす。患者さんの内に抱える背景を理解しカウンセリング出来るようになれば、患者さんは安心して服薬し積極的に薬物療法に参加できる。

薬剤師には薬の知識はあるが、それを適切に患者さんに伝える方法に欠ける。講義を聞きながらこんな事を考えていると、第2部のロールプレイングが始まった。

ステージの上の机は並べ替えられて薬局の服薬指導のカウンターに早変わり。1番目は光安調剤薬局の吉田先生が薬剤師役になり、平和調剤薬局の田中先生が60代の女性社長である患者役。2番目は大賀薬局大名店の鮫島先生が薬剤師役になり、大賀薬局西新店の永井先生が20代の男性の患者役。2組とも服薬指導はこのようにするのだというお手本のようだ。

講義を聞いてすぐその場でカウンセリングの3つの基本(聴く・観る・返す)を取り込んでの服薬指導はむずかしい。

市原先生は「このような会場ではなく、小さなグループでロールプレイの実習が出来たら」と言われた。

(M)

<会員の広場> 「環境問題の話を聞いて」 早良支部 原南部会 温和堂薬局 福岡英樹

  あなたは未来の子供達に何を残してやれますか?

   ちょっとだけ視点を変えてみませんか
   ちょっとだけ考え方を変えてみませんか
   ちょっとだけ自分を変えてみませんか

   他人を変えることは難しくても
   自分を変えることは出来ます

   みんながちょっと変われば
   世の中すごく変わります

 今回もこの言葉から始めさせていただきます。前号(9月号)に「環境問題の話を聞いて」ということで書かせていただきました。今回も環境問題を続けて取り上げさせていただきます。

 福岡市は12月からゴミの収集が有料化されます。同じ12月には京都で二酸化炭素などの温室効果ガスについて、実行性のある削減目標と達成時期を決める「気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)」が開催されます。

 新聞等でもよく目にされていると思いますので、今回はこれに関連して【ゴミ問題】と【二酸化炭素−地球温暖化】について考えてみたいと思います。

 この原稿は11月号に掲載されますが、原稿は9月に書いています。COP3につきましては、日本の態度がはっきりしておらず、9月と11月では状況が変わっている部分があるかもしれませんが、その点につきましてはご了承頂きたいと思います。


【ゴミ問題】

[輸入してまで食べ残す不思議な国・ニッポン]

 今の「大量生産」「大量消費」の社会を見直さなければならないとよく言われます。
 では実際にどれ位の物を消費しているのかご存知でしょうか。幾つかご紹介します。

《日本人一人当りの1年間の消費量》
◎石油・・・・・・・・・・18L缶×223個
◎ペットボトル・・・・・・18.6本
◎缶類・・・・・・・・・・269個
◎発泡スチロールトレイ・・135枚
◎立木・・・・・・・・・・14cm×8mを2.4本

 食べ物に限らず明らかにゴミが多いのです。
 日本人一人当り一日に供給されている食べ物をカロリーにすると2600キロカロリーだそうです。その内実際摂取されてる量は2000キロカロリーだけだそうです。残りの600キロカロリーはゴミとして捨てられているのです。

 二人分で1200キロカロリーです。1200キロカロリーあれば飢餓状態の人の命を助ける事が出来ます。

 日本の人口は約1億3千万人。日本人が食べ残してゴミとしている食料で6500万人の命を救うことが出来るのです。


[グリーンコンシューマ]

 ドイツと日本では家庭から出るゴミの量は10倍違うそうです。何故でしょう。
一言で言うなら意識の違いです。
「グリーンコンシューマ」という言葉ご存じでしょうか。グリーン・緑=地球に優しいという意味合いです。コンシューマ=消費者です。市民でもかまいません。


「地球に優しい意識を持ち生活している市民」

 このグリーンコンシューマの割合がドイツでは50%と言われています。日本は……残念ながら1%だそうです。

 敗戦後飛躍的に経済成長したドイツと日本。ドイツがどのような経緯で50%という数字に達したのかは私は知りません。ただ50%の人の意識が変われば、政治家も変わらざるえないでしょう。

 政治家の意識が変われば法律も変わります。そのようにして今のドイツはあるのではないでしょうか。 ドイツにだってまだまだ沢山の問題はあると思います。でも少なくともゴミは日本よりはるかに少ないという事実はあるのです。政治家が悪いとか行政が悪いと言うだけでは世の中変わらないのです。結局私達自身が変わらないといけないのです。1%では世の中変わらないのです。


[ダイオキシン12月から新規準]

 12月から福岡市ではゴミの収集が有料化されます。「可燃物」「不燃物」「粗大ごみ」の3分類です。

 ところで前号で触れました「ダイオキシン」の発生原因となるプラスチック類は今度の分類でも可燃物です。

 12月1日からダイオキシンの規制が実施される事になりました。これまでの1立方メートル当り80ナノグラムからするとずっと厳しくなっていますが、それでも欧米に比べると甘いと言う指摘もあります。

《12月1日からの基準》
新設焼却炉:排ガス1立方メートル当り0.1−5ナノグラム
既設焼却炉:排ガス1立方メートル当り1−10ナノグラム
(5年間の猶予)

 昨年の市内の焼却炉の調査では、一番多い所で34ナノグラム排出されていました。いくら規制しても塩素化合物を燃やす限り、青酸カリの1000倍の殺傷力を持つダイオキシンが0になる事はありません。

 回収できるものは出来るだけ回収するという意識、またシステムの確立が急務なのです。

 ドイツのペットボトルの回収率は95%です。日本では・・・リサイクルマークはついてますね。でも2%です。おまけにドイツでは回収したプラスチックの70%は再使用(Reuse)・再利用(Recycle)しなければならないとなっているようです。ペットボトルも洗って又使います。Reuseです。再使用です。

 日本はRecycleです。再利用です。全部溶かしてます。それが2%です。ペットボトルを溶かして繊維にし、絨緞やブラジャーを作るというニュースがありました。私にはゴミの形が変わっただけにしか思えません。


[プラスチック製品の材質]

 ペットボトルに矢印三本で出来た三角形のリサイクルマークがついてます。その中に1という数字が書いてあります。これ何だかご存じですか。

 これはアメリカのプラスチック工業協会がつくった材質を示すコードシステムです。1から7までありますが、日本ではペットボトルの1だけしか使われていません。しかし日本のプラスチック工業連盟も今年の秋から1以外の数字も使い、分別回収に役立たせる方向で検討を始めているそうです。

 そうなると消費者にもプラスチック製品は材質別にわけてリサイクルに回すという手間が増えます。でもそれが必要なのです。


[ゴミの分別]

 手間といえば、今回の福岡市の分別は3種類です。でもペットボトルの例でもお分かりの通り、それでは本当にゴミは減らせないのです。

 では実際に思い付くだけでも分別を考えてみたいと思います。

○可燃物
 1 生ごみ     土へ返せます
 2 紙類等     自分で燃やせる
 3 雑誌・新聞等  リサイクル
 4 ペットボトル  リサイクル
 5 プラスチック  リサイクル出来る物
 6 プラスチック  リサイクル出来ない物
  その他     自分で燃やせない物

○不燃物
 1 透明ガラス瓶  リサイクル
 2 有色ガラス瓶  リサイクル
 3 スチール缶   リサイクル
 4 アルミ缶    リサイクル
 5 その他     リサイクル出来ない物

○粗大ゴミ
 1 メーカーが回収する物
 2 その他

 ちょっと考えただけでもこんなに分かれます。実際にリユーズ・リサイクルのシステムが出来ればもっと細かく分かれると思います。

 おまけにピン缶等は洗ってから出さないといけなくなります。

 本気でゴミを減らそうとすれば、消費者の手間も凄く増えます。でもやらないといけないのです。


[ゴミを減らすには・・・「4R」]

 ところでゴミの責任は生産者にあるのか、消費者にあるのかという問題があります。これはいくら論議しても答は出ません。当然どちらにもあるのですから。今、必要なのは「ゴミを減らすには」という視点で考える事なのです。

「「4R」という考え方」があります。

「4R」
Refuse  拒否する
Reduce  減らす
Reuse   再使用
Recycle 再利用

Refuse=拒否する。いらないものは拒否する。いるかいらないか分からないものは拒否する。
Reduse=減らす。出来るだけ無駄なものは減らす。使うのも減らす。
Reuse=再使用。又使えるものは出来るだけ使う。瓶もペットボトルも洗って又使う。
Recycle=再利用。どうしても使えなくなったら溶かして再資源とする。

 例えば、日本ではリサイクル運動として、牛乳パックを回収しています。ドイツではないそうです。

 何故なら、回収して溶かして再資源にするにはエネルギーがいります。経費が掛かります。瓶を回収して洗って再使用(Reuse)する方がエネルギーも経費も少なくて済みます。国民も企業も、ゴミと無駄なエネルギーをRefuse(拒否)したのです。

 この「4R」の考え方は「いかにRecycleLないか」なのです。ゴミをRefuse(拒否)して、Reduce(減らす)して、Reuse(再使用)して、そしてどうしようもなくなってやっとRecycle(再利用)なのです。


[ゴミの回収責任は]

 「ゴミの回収の有料化」もドイツでは、ゴミを減らす為に国民が受け入れているのです。ドイツの1家庭が1ケ月にゴミ回収に払う金額は平均3000円だそうです。今これが日本に持ち込まれたら1家庭が1ケ月3万円払わなければなりません。

 そしてドイツでは「「ゴミの回収責任はメーカーにある」という法律」を作ったのです。具体的には「包装廃棄物規制令」で企業に包装材の回収が義務づけられました。1991年に施行されています。だから国民は自分の家庭のゴミが増えないように、ゴミになりそうなものは拒否したのです。

 実際ドイツに行った人に話を聞くと、スーパーで箱入りの商品を買うと、そこで中身だけ出して空籍はスーパーに置いてあるメーカー別のごみ箱に捨てて帰るそうです。スーパーも自分の所のゴミが増えれば処理に経費がかさみます。ゴミの出そうなメーカーの商品や無駄な包装は減らさざるを得ません。

 メーカーも最終的にゴミは自分の所へ帰ってきます。如何にゴミの出ない商品にするかメーカーも必死に努力します。そして国民消費者も協力します。商品棚に何回も使った古いペットボトルと真新しいペットボトルが並んでいたら、消費者は迷わず古いペットボトルを手に取るそうです。

 国も企業も国民も必死になってやった結果なのです。先に書きましたグリーンコンシューマ50%の力なのです。

 後で触れます二酸化炭素の排出規制の問題でも、産業界も通産省も国民がついてきてくれない。削減は難しいと言っています。私達国民が信用されていないのです。日本のグリーンコンシューマ1%。私達が変わらなければ世の中変わらないのです。

 必要なのは「ゴミを減らすには」という視点なのです。「ゴミを減らすには」「Reuse・Recycle率を上げるには」・・メーカーが責任持たなければ、そして消費者がそれに協力しなければ進まないのです。


[缶ビールやめてみませんか]

 私の友人が今年の夏、家で飲んでいた缶ビールを止めて、瓶ビールに変えました。マンションの7階なのでエレベーターがあってもケースで買ってくるのは重くて大変と言ってました。その彼が「一ケ月経って不燃物を出す日に唖然とした」と言ってました。「自分一人でこんなにゴミが減るんだ。これを日 本全国の人がすれば凄い量になると実感した」と。皆さんも一度経験してみて下さい。そして継続して下さい。


[ドリンク瓶の回収]

 このゴミの回収問題は私達の仕事の中にもあります。「ドリンクの空瓶」「薬の空容器」そして「期限切れの薬」等。

 在宅医療においても「腹膜透析の「使用済み透析液バッグ」の回収を拒否する自治体が続出」という新聞記事がありました。これらは全てメーカーが責任を持って回収すべきものなのです。

 ここで皆さんに提案というよりお願いです。各メーカーさんに「ドリンクの空瓶、薬の空容器はメーカーの責任で回収するシステムをつくって下さい」とお願いして下さい。問屋さんにも同じです。「期限切れの薬」これは一般ゴミといっしょに捨てて良いものではありません。この「期限切れの薬」を回収するシステムは未開封の場合OTCの一部にはありますが、医療用にはまずありません。これは必ずつくって頂かなければならないものなのです。

 仮に100錠包装の30錠が期限切れであっても、30錠の赤伝で返品というシステムが確立されなければならないのです。勿論金額は0円です。この事もメーカーさんや問屋さんにお願いして頂きたいのです。

 薬剤師会として交渉すればいいじやないかという意見もあると思います。でも私はこれに関しては一軒一軒の薬局から声が出ないといけないと思っています。先に書きましたグリーンコンシューマの話と同じです。まず私達が変わらないといけないのです。

 メーカーさんに問屋さんにお願いして下さい。あっちでもこっちでも話が出れば、担当者も会社に報告せざるを得ないでしょう。メーカーも同じような報告が重なってくれば無視は出来ないでしょう。何故メーカーが責任を持たないといけないのかという事を訴え続けていただきたいと思っています。是非お願いいたします。

 

【二酸化炭素−地球温暖化】

[京都会議]

 地球の平均温度が上昇しているという事はご存じだと思います。大気中の二酸化炭素などが増加している事が原因です。二酸化炭素は光は通しますが、暖められた熱は蓄えて逃がしません。温室の状態と同じなのです。二酸化炭素が増加すると温室効果も強くなり地球の温度が上昇してしまいます。

 今、大気中の二酸化炭素の量が急激に増加しているのです。この二酸化炭素の排出量を削減しようという世界会議がCOP3なのです。「京都会議」とも言われています。


[温暖化と海面上昇]

 では温暖化が何故騒がれるのでしょうか。最初にCO2削減を言い出したのはモルディブやフィジー等の南洋の小さな島国です。海面上昇により国土が水没するという現実があるのです。既に始まっています。このまま地球の温度が上昇していったら北極や南極の氷はどうなるのでしょう。

 北極の氷は浮かんでいますので溶けても海面上昇に影響はありません。しかし南極は違います。南極の氷は大陸の上に乗っています。南極大陸の面積は日本の約40倍。そして氷の厚さは平均2500mだそうです。その80%が海面より上にあるそうです。

 仮に南極の氷が全て溶けたらどうなると思います。海面は70m上昇してしまうそうです。これはSFの世界の話ではないのです。既に一部始まっています。

 「超巨大氷山(淡路島の5倍の大きさ)が南極大陸より流れ出す」という新聞報道もあります。この氷山は北に向けて漂流するとみられており、温暖な海域に入れば急速に溶け出すということです。


[100年後に2度上昇]

 このまま温暖化が進めば、100年後には平均2度上昇、海面は50cm上昇してしまうと予測されています。

 温度上昇には地域差があります。南極北極では12度以上の上昇と予測されています。温暖化の影響は海面上昇だけでしょうか。実は生体系全体のバランスを崩すことになってしまうのです。生体系は急激な温度変化についていけないのです。

 土の中の微生物が死に、土が死にます。植物も森林も……そして食糧問題が生じます。日本でもマラリアが発生するだろうという報道もあります。決して南洋の島々だけの問題ではないのです。

 2度上昇というのは100年後の予測です。でも100年後に急に変わるのではないのです。既に今始まっているのです。遠い未来の話ではないのです。今私達が真剣に考え取り組まなければならないのです。私達は何とかこのまま生きていけるかもしれません。でも子供達の時代は、孫達の時代は……。その責任は私達にあるのです。


[二酸化炭素濃度と平均温度]

 国連にIPCCという委員会があります。(IPCC=気候変動に関する政府間パネル)IPCCが南極の氷の気泡を調べ、過去16万年間の大気の組成が分かりました。花粉や植物の化石を調べ、過去の気象や温度が分かりました。地球の温度はCO2の濃度と比例している事も分かりました。

 ところでCO2の大気中の濃度ご存じでしょうか。今は約0.04%です。今の地球の平均温度は15度です。もしCO2が0%になったとすると平均気温はマイナス18度になり、今より33度下がってしまうそうです。CO2が無いと困りますが、これ以上増やしてはいけないのです。

 16万年前のCO2の濃度は98%でした。その時の地球は350度あったそうです。この16万年の中で一番寒かった氷河期でCO2の濃度は200ppm(0.02%)だったそうです。温暖期で280ppm(0.028%)だったそうです。そして最後の氷河期から後の1万年間は280ppm(0.028%)で安定していたのが、100年程前から濃度が上がりだし、特にここ40年急激なカーブ上昇を示しています。現在では360ppm(0.036%)以上になっています。

 氷河期温暖期の濃度差80ppn(0.008%)以上のCO2が、地球歴でいうならほんの一瞬の間に増加してしまっているのです。では氷河期と現在の温度差はどれくらいあるのでしょう。4.5度だそうです。氷河期と温暖期のC02の濃度差が80ppm。産業革命以降すでに80ppm以上のCO2が増加してしまっています。そしてここ40年で平均気温は0.5度上昇しています。

 4.5度上昇に必要なCO2 80ppmは増えてしまっています。ということは、今のC02の状態ですでにあと4度上昇する状況にあるということです。現に上昇を続けています。そして100年後の予測が2度上昇なのです。大気中に98%あったCO2はどこに行ってしまったのでしょうか。

 石灰石、石油、石炭の中に取り込まれて海や土の中に眠っているのです。だから石炭石油がエネルギーとして使われるようになった産業革命以降CO2濃度が上昇してきているのです。


[3倍オーバーしているCO2排出量]

 私達は呼吸でもCO2を出します。一日に150gです。これは何の問題もありません。一日に出すCO2の量は、途上国で一人当り2〜3kgと言われます。先進国で40kgと言われます。およそ20倍です。それだけ贅沢な暮らしをしているのです。

 IPCCは「現在のCO2の排出量は地球の吸収能力を3倍オーバーしている」と警告しています。 ガソリンは約3倍の重さのCO2に変化します。50kgのガソリンで車を走り回らせたとすると、約150kgのCO2を排出します。人間一人が呼吸で出す量が150gです。1000人に担いでもらって動き回った事と同じなのです。

 1975年と95年の電力消費の比較でも約2.5倍に増えています。75年昭和50年です。決して不便な世の中ではありませんでした。むしろもう贅沢な世の中だったでしょう。今の私達が如何に贅沢にエネルギーを使っているかということです。


[経済成長という名の地球破壊]

 経済成長という名のもとに地球の破壊を続けているのです。今の経済成長を止めない限り地球は助から ないのではないでしょうか。通産省は、経済成長を続ける以上CO2の削減は難しいという表現をしています。温暖化防止策として「炭素税導入」という事が言われています。欧州ではすでに導入している国があります。

 それに対し、石油連盟は「国内企業の国際競争力の低下を招く」として反対を表明しています。通産省や石油連盟の立場では仕方ないのかもしれません。


[地球を守ることが大前提]

 でもね皆さん。よく考えてみて下さい。複雑に考えないで下さい。出来るだけ単純に考えてみて下さい。温暖化に限らずあらゆる環境問題でこのままでは地球は危ないという事は指摘されているのです。それを認めてるから国際会議も開かれているのでしょう。

 だったら「地球を守る」ことが大前提になるはずだとは思いませんか。今のままの経済成長を続けるなら「住めない星」になってしまうのですよ。今のエネルギー消費を基盤とした経済活動を根本的に見直さないといけない時に来ているのではないでしょうか。

 今年の夏、キャンプに行ったバンガローに「来た時よりも美しく」と書いてありました。本当にそうなのです。私達には地球を破壊する以上に自然を回復させる責任があるのです。「未来の子供達に何を残してやれますか」なのです。


[地球からみると人類はガン細胞]

 人類は決して地球を滅ぼすためにこの世に現われたのではないはずです。地球から見れば、今は人間はガン細胞のようなものだと思います。立川談志さんが食道がんであることを公表されました。その時に「ガンなんてそんなバカなやつじゃないと思うんだけどな。俺が死ねば自分達も死んじゃうんだからな」と言われてます。

 「地球を破壊してしまえば、人類も生きられない」という事に本当に気付かないといけない時に来ているのではないでしょうか。


[アイドリングストップ]

 温暖化防止の具体的な動きも出てきています。兵庫県では「アイドリング禁止条令」に罰則規定が昨年7月に追加されました。京都府、新潟県、埼玉県でもアイドリング禁止条令が制定されています。福岡県や太宰府市でもアイドリング禁止PRに動き出そうとしています。

 アイドリングストップの目安は30秒だそうです。30秒以上停車するときはエンジンを切った方が省エネになるそうです。赤信号の下に「あと何秒」という表示をして欲しいと思っています。スイスではもっと分かり易く「信号待ちの3台目以降はエンジンをストップ」となっています。欧州には「エンジンをかけたまま車を離れたら逮捕」という国もあると聞きます。

 6月の環境月間に熊本県は県職員に毎週水曜日ノーマイカーデーを実施したそうです。2050人が協力したそうです。そのCO2抑制効果の推定をまとめたものが発表されています。「23,780リットル(ドラム缶119本)のガソリンの節約になり、二十年生の杉の木3,295本が1年間に吸収するCO2の量を抑制した」という事になるそうです。

 山口県の光市では市の職員に第3水曜日を今年の9月から「ノーマイカーデー」に指定したそうです。

 日本はオイルショックの経験から、車のエンジンに限らず省エネ排ガスに対する技術改良は世界的にも高レベルだと聞きます。でもだからといって軽乗用車が大型スポーツカーに変わってしまえばいっしょなのです。

 9月13日に大阪で開かれた「車社会と地球温暖化」というシンポジュームで、静岡大学の水谷洋一助教授は「車の燃費を向上させ、走行量を20%減らせば、車から排出されるCO2の量は、2010年には1990年に比べ40%減少する」と発表されています。

 「燃費向上は今の技術で十分可能」「問題は走行量」と言われています。走行量の20%減というのは、文字で書けば何てことないようですが、現実にはとてつもなく難しいことだと思います。でもやらない とCO2は減らないという事なのです。


[環境問題は「対岸の火事」ではない]

 新聞を見ても環境問題に関する記事は増えています。いろんな動きもあっちこっちで出てきているようです。自分の事を振り返れば、地球に対して破壊者でした。今でも、胸を張って「地球を守る生活をしてます」とはとても言えません。でも「地球が今既に危ない状態にある」という事は知りました。「ひとりひとりが出来ることから始めなければならない」という事も知りました。私は、自分が未だ出来てなくても知ったことは伝えようと思っています。

 自分が未だ出来てないからといって人に言うのを遠慮しておれるほど、今の地球には時間は残されていないと思います。そういう中で自分も変わっていきたいと思っています。

 「オゾン層破壊」「森林破壊」「生物種の絶滅」「酸性雨」「海洋汚染」「砂漠化」「原子力発電」「ダイオキシン」「環境ホルモン」等々。

 環境問題はあらゆる分野に及んでいます。決して「対岸の火事」ではありません。生活の中に密着して存在します。これからも私が聞いた事、知った事は、誌面が許されるなら今後もお伝えしていきたいと思っています。一人でも多くの人に地球の現状を知っていただきたいと思っています。そして何でもい いから出来ることから始めていただきたいと思っています。

 「私達が地球にとって回復不可能なガン細胞とならないように」という思いを込めて書かせていただきました。

<フレッシュさん> はじめまして 東支部 馬出部会 瑠璃薬局 箕浦恵子

東区馬出に8月7日に開局いたしました瑠璃薬局の箕浦恵子と申します。

薬局の名前が難しいので、ひらがなが良いかとも思ったのですが「るり」と書くと女の子の名前のようですし、漢字の方が威厳と風格があるのでは?と思い漢字にしました。

鏡収書を書くときなど相手様に大変ご迷惑をおかけしておりますが、私のほんの小さなこだわりですので、どうか温かく見守ってやって下さい。「瑠璃」と漢字で書くのがめんどくさい時は「るり」とひらがなで書いてもらっても全然かまいません。

ちなみに「瑠璃」という名の由来ですが、薬師如来の事を別名「瑠璃光如来」というそうです。知り合いの方に付けていただいたのですが、大学1年のときの授業で「薬に関係する仏様は薬師如来ですので見つけたら手を合わせましょう」といわれた事を思い出しました。

地域の皆様に信頼される薬局を目指してがんばりますので、どうか末永く、よろしくお願いいたします。

 

馬出と言えばいかにも下町と言う場所柄で、マンツーマンタイプの調剤薬局ではなく、九大病院・八木病院・近隣の医院の処方箋を応需されています。OTC薬は若干置かれているそうです。福岡にもこういう形での新規開局をしようと思うほど、処方箋が面に拡がっているんですね。なかなか大変だとは思いますが、若いエネルギーを羨ましく思いました。(M)

<フレッシュさん> 開局5か月を迎えて 早良支部 原南部会 ハート薬局 緒方義弘

平成9年6月1日、早良区田村5丁目に開局したハート薬局です。

本店は前原市に在り、福岡市内での開局は初めてになります。会員の皆様よろしくお願いします。

当薬局は薬剤情報提供と服薬指導・老人一包化(その他の希望者含む)に力を入れており、一日も早く患者さんに親しまれ頼りにされる薬局となること、又患者さんのクオリティオブライフの向上を目標に日々努力しております。

しかしオープン当初は患者さん側から、「医療費が高くなった」、「なぜ病院でお金を払ったのに薬局でも払わなければならないのか?」等金銭面での苦情や薬剤情報や服薬指導に対して「こんなものはいらない」、「分かっているから早く薬をくれ」といったクレームが相次ぎ医薬分業に対する患者側の認識は、こんなにも低いのかと頭を悩ましていました。

現在ではこのようなクレームも一段落し、患者さん側から「薬のことが分かるようになって良かった」と喜んでいただいたり「用法に食後とあるので食事をしないとのめないと思い今まで薬をのんでいなかった」等せっかく薬をもらっていても効果的な用い方をしていない方々の声を聞くようになり、やはり正しい情報を提供し、薬のことだけでなく食事療法や運動療法・生活面での相談も受けて、薬局で薬をもらう方がメリットが多いなと思われることが大切だと思うようになりました。

又、9月からの医療法改正に伴う一部負担金の増額にしても、この改正そのものを知らなかった方や、実際病院や薬局へ来て「ここまで高くなるのか!」と驚かれる人も多く医療関係者はもとより一般の人達に十分理解していただけるようなわかりやすい制度が必要だと痛感しました。

開局してまだ4ケ月ほどで、いろいろと不備もあり近隣の薬局さんには特に無理なお願いをしてご迷惑をおかけしていることと思います。今後も改善を重ね、地域の理想である「かかりつけ薬局」をめざして努力していきたいと思います。

■■トピックス■■

薬物とグレープフルーツとの相互作用 その2

(社)福岡市薬剤師会 学術担当理事 千阪善弘

 

前回、高血圧症の治療に処方されるジヒドロピリジン系カルシウム桔抗薬とグレープフルーツジュースとの相互作即こついて報告しました。今回はそれ以外の薬物について報告します。

 

1.シクロスポリン(サンディミュン)免疫抑制剤

14名の健常成人に300mgのシクロスポリンを経口的に、250mlのグレープフルーツジュース、オレンジジュース、または水で服用した。グレープフルーツジュースでの服用は水またはオレンジジュースでの服用に比べ、AUC(血中濃度曲線下面積)が有意に高値を示した。(平均値は各々7057、4871、4932ng・h/ml)。

したがってグレープフルーツジュースはシクロスポリンの投与量を減らすために用いることのできる安全で安価な薬物代用品と思われる。(注:たしかにグレープフルーツジュースはシクロスポリンの服用量を減らせる可能性はあるが、シクロスポリンは、有効濃度範囲の狭いこと、吸収に個人差が大きい事を考えると、安全とはいいきれない)

2.ミダゾラム(ドルミカム)抗不安剤

8名の健常人男性にミダゾラム静注(5mg)または経口(15mg)で水またはグレープフルーツジュースの前投与の後に投与した。水の場合と比較し、グレープフルーツジュースはミダゾラム静注後の体内動態と作用に変化を与えなかった。ミグゾラムを経口投与した時、グレープフルーツジュースはミダゾラムのCmax(最高血中濃度)の56%の増加、Tmax(最高血中濃度到達時間)の79%の増加、AUCの52%の増加をもたらし、バイオアベイラビリティ(生物学的利用率)は24±3%から35±3%へ増加した。

α−ヒドロキシミダゾラムの動態ではTmaxの105%の増加とAUCの30%の増加が見られた。作用に対しては、すべての評価項目で有意な増大が見られたが、最大効果の程度には変化はなかった。

3.トリアゾラム(ハルシオン)睡眠導入剤

10名の若年健常人で0.25mgのトリアゾラムを250mlのグレープフルーツジュースまたは水で服用し、17時間後までの血漿中濃度と効果を測定した。

グレープフルーツジュースはトリアゾラムのAUCを全ての被験者で増大させ、Cmaxを10名中9名の被験者で増大させた。トリアゾラムの平均AUCは1.5倍、Cmaxは1.3倍増加した。Tmaxを1.6時間から2.5時間へ延長した。トリアゾラムの作用を軽度増強し、眠気を有意に増強した。

4.テルフェナジン(トリルダン)抗アレルギー剤

健常人12名にテルフエナジン60mgを1日2回、7日間240mgの水で服用した。引き統き次の7日間、一群はテルフェナジンを2倍希釈のグレープフルーツジュース240mlと同時に服用し(同時群)、他の一群は同様にグレープフルーツジュースをテルフェナジン服用2時間後に飲用した(後飲用群)。 テルフェナジン血中濃度は水で服用した時、全員検出限界以下であった。

同時に服用した時、6名の被験者全員テルフェナジンが検出された。2時間後に飲用した時、6名中2名でテルフェナジンが検出された。酸性代謝物のAUCはグレープフルーツジュース同時群では55%の増加、2時間後飲用群では22%の増加を示した。平均QT時間は同時群では420msecから434msecへ、延長し、後飲用群では408msecから407msecへ減少した。 ただこの程度のQT延長では臨床的意義については不明である。

5.タクロリムス水和物(プログラフ)免疫抑制剤

タクロリムス水和物を平均0.14mg/日(2分割、12時間毎)服用している肝臓移植患者8例に対し、グレープフルーツジュース約340mlをタクロリムス水和物服用45分以内に投与した。1週間後のタクロリムスの血中濃度はグレープフルーツジュース非服用時に比べて、トラフ値で約3倍上昇した。〈1時間後の血中濃度(ng/ml):19.5−>37、2時間後:13.5−>40、12時間後〔トラフ値となる〕9.6−>29〉

 

以上グレープフルーツジュースと相互作用を起こす薬物の文献を紹介しました。添付文書の中で相互作用について明記されている薬物には、ジヒドロピリジン系カルシウム括抗剤の一部、ベラパミル、シクロスポリン、タクロリムス水和物があります。

このような薬品が処方されていた場合には、グレープフルーツジュースは飲まないよう患者さんを指導した方が良いと思います。

 

英会話の連載を終わるにあたって 入部薬局 橋口扶佐子

今回で一応筆を置かせていただこうかと思います。長い間ご愛読いただきまして有難うございました。気が付いたら6年間も、無い知恵を絞っていたのでした。

ズブの素人の私でもこれだけのことを伝えられる様になりました。どうか皆様もものおじしないで、昔習った受験英語を使ってください。発音が悪いのは、ある程度の理解力のある方は日本人なまりとしてちゃんと聞き取ってくれます。

また、言いたいことを直接表す表現を思いつかない時は違った角度からの表現を考えるとうまく言えることがあります。最初に頭に浮かんだ日本語に捕らわれないことです。例えば「充血しますか」と聞きたいとき充血が分からなければ「他に悪いところはありませんか」と聞いてもいいし「他の症状は」と聞いてもいいのです。柔軟な発想でやってみましょう。楽しんでコンプレックスを吹き飛ばしましょう!

So long!

 

Thank you for you. 〜お名残り惜しいですが〜

毎回御好評を頂いております“FUSAKOさんの英会話”は、No.29を持ちましてひとまずお休みとなります。

橋口先生は、多方面で活躍なさっておられ、とてもお忙しい方ですのであまり御無理も申せません。お名残り惜しいですが、ゆっくりと充電(放電?)された後、更に磨きのかかったFUSAKO先生にぜひ再登場願いたいと存じます。

橋口先生、6年間もの永い間、心を込めて御教示下さり本当にありがとうございました。

See you again soon!

(北島啓子)

<市薬薬局のコーナー>

[広報]

会議報告

【理事会】

日 時
平成9年8月21日(木)

議 事

1.会長挨拶

9月からの健保法の改正で混乱があるかもしれません。問題は医師とのコミュニケーション不足をいかに避けるかです。社保担当の方はしっかり対応して欲しい。それからもう1つ在宅の担当の方は行政としっかりコンタクトを取ってください。

2.報告事項

3.協議事項

(1)九大病院事業の移管受入れについて
・6月28日県薬代議員会の決定(九大病院事業が条件付きで来年3月から市薬に移管)を受けて交渉をする。借入金の問題があるが、早期の解決が会員のメリットになると認識している。

(2)定款改正問題について
・監督官庁である県に提出中の定款改正案について薬務課より疑義が出ている。細井副会長・南島専務・川上常務・小松理事・樋口前専務・松島前常務による委員会を新たに作り定款改正を検討する。

(3)九山薬学大会への参加について
・市薬からは三役・常務理事・広報一人が参加する。
・開催日11月8日・9日

(4)その他
・来年1月の会長選挙のための選挙管理委員会を早目に組織する
・薬連の会費未納の件
・市薬顧問の件
・新入会員(井尻部会)の件

(M.I.)

日 時
平成9年9月17日(水)

議 事

1.会長挨拶

今回の医療保険制度の改正であちこちで混乱もあるようですが、しっかりと対応していただきたいと思います。

今後考えていかなければならないことは沢山あって、組織運営は非常に難しいと思います。前向きの姿勢で、常に前進していかなければならないと思っています。今後、処方箋はますます増えていくでしょう。介護保険も2000年には確実になります。福岡市の介護保険の対象者は、行政では5000人と捕えていますが、私はもっと多いと考えています。また介護の認定は何処でするのかと考えた場合、各区で対応していかなければならないと思います。

2.報告事項

3.協議事項

(1)九大病院事業の移管受入れについて明日話があるので、内容をよく聞いてきたい。
(2)支部事業の助成について
各支部より助成の依頼があるが、医師会との関係が今後非常に大事なので、協力路線を作っていく方向で均等に助成していきたい。

(3)その他
イ.旅費規程の改訂について
  県外出張について、日当7,000円、宿泊料15,000円、革質3,000円で理事会承認
ロ.選挙管理委員会委員について
理事・代議員・候補者は除き、10月より常時設置する形でスタートしたい。
 

(Y.U.)

【支部長会】

日 時
平成9年9月19日(火)

議 事

1.会長挨拶

福岡市高齢者サービス推進会議に出席した。介護保険のタイムスケジュールが決まっている。平成11年6月には介護認定審査会の設置が予定されている。準備を急がねばならない。

また4月から始まった薬剤情報提供による諸問題を抱えている。市薬も医師会と綿密な協議をしているが、支部レベルでも医師会と十分話し合ってもらいたい。

2.委員会報告

3.協議事項

(1)九大病院事業の移管受け入れについて
・借入金の件で暗中模索の状態。協議会を重ねていく。

(2)支部事業の助成について
・支部助成費から200万円を各支部の医師会対策費として均等に28万円を助成する。
・南区、博多区、女子薬から助成依頼が来ている。甫区はモデル事業継続のため、助成決定。博多区は在宅委員会で、女子薬は組織委員会で検討中。

(3)選挙管理委員会委員の選任について
・9月30日までに各支部より1名、勤務部会より1名、計8名を選任して事務局長まで連絡。
・管理委員会の中立性の為、代議員でない方を選任してもらいたい。
・10月の初旬には第1回日の委員会を開催したい。

(4)福岡市高齢者サービスについて
・在宅医療委員会と支部長の懇談会を新たに設け、コミュニケーションを密にする。

(5)その他
・業務用の廃棄物であるドリンク瓶の回収方法について10月14日の商組の会議で話し合う。
・退会・廃業の会員があれば月1回事務局より支部長へ連絡する。
 

(M.I.)

委員会報告

※10月4日迄に報告された議事録をもとに報告します。

【組織委員会】

日 時
平成9年9月9日(火)

議 事
○ 第1回の定款検討委員会の報告
○ 選管人の選び方について
・10月より発足とのことで一致
・理事、代議員及び候補者以外の者としたい旨決議
○ ソフトボール大会の打ち合せ
・メンバー表提出(9月未)
・ルール説明、道具の確認
・役割分担
・10月8日(水)最後確認の為、組織委員会開催予定
○ 市薬の駐車場の適正利用について
○ 市薬薬局を主とする研修生の条件整備

 

【市薬薬局委員会】

日 時
平成9年9月11日(木)

議 事
○ 8月業務報告 1日平均77.4件
・お盆:13日84件(新患42)、14日64件(30)、15日73件(35)
・1日に100件越す目が出て来た為、薬剤師パート、事務パート各1名補充(会長許可済)
・増員の必要性を数字で表す
○ 視察:8/21・9/2(済)10/9・21(予定)
・視察が多いため、パンフレット(市薬薬局)の製作を検討
○ 研修生:短期・中期・長期ルールを組織で検討
○ 市薬窓口にて、地域の薬局を紹介する。
○ 九州医療センター院長交替(熊澤淨一先生へ)

 

【市薬薬局委員会】

日 時
平成9年8月29日(金)

議 事
○ 薬草観察会について(脊振ダム)
・9/28 市薬会員対象の観察会
  会費2,000円 バーベキュー
・10/12 あいれふ観察会
  倉掛・藤崎両氏と詳細打合せ
・9/7 薬局委員で下見に行く
○ 各区健康フェアについて
・各区健康フェアを側面より支援する。
○ 薬局製剤研修会について
・9/20(土)鎮咳去痰剤6号を予定

日 時
平成9年9月20日(土)

議 事
○ 県の「くすりと健康フェア」のチラシ配布のお願い
○ 東区薬局委員交替の報告
・加藤先生より津崎宏先生に。
○ 各区健康フェアの支援体制をとる(薬用酒、パネル、健食等)
 10/3 東区、中央区 10/14 早良区
 10/8 南区     10/15 城南区
 10/9 西区     11/1 博多区
○ メーカー協力依頼
 武田・津村・山之内・大塚・明治5社へ
○ 9/28 市薬会員薬草観察会について詳細を打合せる

 

【定款検討委員会】

日 時
平成9年8月12日(火)

議 事
定款の改正案を監督官庁に事前審査依頼等していたが、疑義照会の中に定款の根幹に係わる問題も含んでいるので、前改正委員会の代表の先生方にもお入り頂いて下記の通り新たに「定款検討委員会」を発足させ審議をした。
(1) 名称:定款検討委員会
(2) 構成:委員長 細井副会長
      委 員 南島専務、川上常務、小松理事、樋口前専務、松島前常務
      オブザーバー 水越事務局長
(3) 審議内容:疑義照会の内容について検討。
難しい条項については顧問弁護士に相談することにした。改正案全体についても(市薬の実情を説明した上で)、次回の委員会に出席していただく様計りたい。また改正作業の進め方も深く検討したい。

 

【在宅委員会】

日 時
平成9年9月9日(火)

議 事
○ 岩手における“まちかど薬局”をいかにして福岡に実現するか。
・会員の在宅に対する無関心が最大のネック。
・介護用晶等の販売で興味を持たせる。
・入江常務理事のタタキ台にて、16日までに自分の案を練ってくる事。

日 時
平成9年9月20日(土)

議 事
○ “まちかど薬局をいかにして福岡で実現させるか。
・まずモデル薬局を各支部より5〜10軒ほど出していただき、実現させるしかないという結論。在宅委員はリーダーとなるべく再勉強する。

 

【広報委員会】

日 時
平成9年8月18日(月)

議 事
○ ジャーナル(9月号)
・編集、校正
・“私と薬”は市薬顧問弁護士吉原浮治先生に依頼。
・“南区在宅モデル事業の最終報告”を会員全体の資料にすべく入念にまとめ上げる。
・“代議員会要旨”掲載。中見出しを随所に入れて読者が内容を把握しやすい様工夫する。
・追加原稿、写真多数あり。レイアウトを組み換える。

日 時
平成9年8月31日(日)

議 事
○ ジャーナル(9月号)
・編集、校正
・各所に関連性のある新開切り抜きや、かがみ・コメント・囲み記事を広報委員、それぞれの担当副会長・常務理事に依頼し挿入した。
・追加原稿、写真有り。レイアウト再検討。

日 時
平成9年9月7日(日)

議 事
○ ジャーナル(9月号)
・編集、校正
・ページ数も多く内容もバラエティーに富んだものになる。
・レイアウト再々検討
・さし絵、切り抜き記事再検討
○ ジャーナル(11月号)
・企画打ち合わせ
・原稿依頼、取材の割り当て確認

日 時
平成9年10月4日(土)

議 事
○ ジャーナル(11月号)
・原稿、写真の回収
・未稿分催促
・各委員会報告作成
・“私と薬”…西日本リビング新聞社
        編集部 記者 帆足リエ氏
・“シリーズ情報第4弾

支部だより

〔南〕

南区薬剤師会この一年の歩み

 秋は、健康フェアー、ソフトボール大会、日薬、九州山口薬学大会と行事が続きます。スポーツに研修に頑張っていきましょう。地域の住民の方々の健康維持に貢献しながら、地域にしっかり根差した薬剤師の活躍を期待します。

9/8 在宅保健、医療、福祉委員会

 ケアチームを組んで在宅医療に取り組んでいます。

 四月から日赤病院に在宅介護支援センターができ、薬剤師会では、ボランティアで、訪問看護婦に同行し患者さんの服薬指導に当たっています。実績をつくることにより、院外処方が出され、訪問服薬指導の広がりを期待しています。

9/11 医秦分業検討委員会

 患者への服薬指導、情報提供について医師会と薬剤師全で話し合いました。医師の意図と異なった服薬指導がなされていることもあるということで、疑問のある場合は、遠慮なく疑義照会をして欲しいとの医師会からの要望がありました。

 4月からの情報提供の義務化により、医師と情報交換を密にとり、患者を中心とした情報の提供をお願いします。

 (相談窓口)
 ・井上調剤薬局 南区薬剤節会専務 井上嘉明先生
 ・今田医院   南区医師会副会長 今田先生

9/12 学校薬剤師南区研修会

9/19 南区健康づくり会議 弥栄西公民館

 地域の健康づくりのために保健所、医師会、公民館、ミニドック健診を中心に病気にならない体づくりをすすめています。薬に関しての相談を受けながら薬剤師会もことしから参加しています。

9/23 南区薬剤師会主催

 薬草観察ハイキング予備調査秋晴れの秋分の日予備調査に行きました。薬草40種を選び資料づくりに秋真っ盛りの万葉植物園は素敵でした。充実した薬草観察会として南区住民に喜んでいただきいと思っています。

10/2 シルバー健康教皇

 「高齢者のための薬の話」 筑紫丘公民館 担当薬剤師 未田先生

10/5 南区薬剤師会主催薬草観察ハイキング 天拝山、万葉植物園

 南区民 50人
 指導者 未田、有馬、大庭、木村、井上、吉田、中島、柴山、東、冨田、綴田
 共 催 保健所 横田所長、松延

10/8 南区健康フェアー

 クスリの相談コーナー
 薬草展示コーナー
 在宅訪問服薬指導PRコーナー
 分包機実演コーナー
 薬用酒試飲コーナー
 参加薬剤師 末田、木村、吉田、井上、中島、東、大庭、柴山

10/19 福岡市薬 ソフトボール大会 武田グランド

10/19 南区医師会演芸大会 南市民ホール

 薬剤師会は今年は「在宅訪問服薬指導」のPRを兼ねて寸劇を致します。
 痴呆老人役の亀川先生と、おおまか先生役の保健所長横田先生は今年も笑わせて下さるでしょう。

キャスト
 痴呆老人  南野しげる… 亀川医院 亀川先先生
 妻     南野よしこ… 保健婦  高田さん
 嫁            松尾医院 松尾先生
 主治医   おおまか先生 保健所長 横田先生
 訪問薬剤師 薬師如来…  塩原薬局 東 先生

寸劇抜粋

 訪問薬剤師「こんにちは!おまかせ薬局の・・です。おおまか先生より、
       薬の指導を依頼されまして、お伺いしました」
 妻    「どうぞ、お入り下さい。お待ちしておりました」
 妻    「あなた、薬剤師さんがお見えですよ」
 しげる  「何!薬師如来がおみえになった? あ〜あ、ありがたや、ありがたや、
       わしもとうとう仏さまに会えるか。おお、美しか薬師如来のお出ましじゃ」
 薬剤師  「南野さん、いま、飲んでいる薬を見せていただけませんか」
 しげる  「薬でん、何でん見せるばい」
        薬袋を布団の中から取り出して、薬剤師に渡す。・・・

10/28 モデル事業報告会

 8/25アミカスホ「ルにてモデル事業発表会終了しました。沢山のご参加をいただき有り難うございました。

 市薬ジャーナルでも素晴らしい特集を組んでいただき感謝致します。経過報告などを行います。

11/9 三師会ソフトボール大会 長住運動公園

 今年の担当は医師会です。
 三年連続優勝の薬剤師会は目の敵にされています。去年から参加された、保健所、消防署、警察署連合チームに頑張っていただきたいものです。


〔在宅ケア・ホットラインへのケース紹介について〕

 在宅ケア・ホットラインへのケース紹介ご協力ありがとうございます。下記の紹介状を使っていただくと保健所の理解が早く、処理もスムーズにできると係のかたが希望していらっしゃいます。用紙は市薬事務局にあります。(無料)

(支部長 末田順子)

 

〔東〕

第6回東区薬剤師会理事会
日 時
9月27日(土)18:30
場 所
リーセント福岡

議 事
1 東区保健所健康フェアの件
 10月2日の準備と3日の出勤者の調査
 いきいき健康つかみどりフェアへ、ジュース・カップラーメンなど提供
 薬草・パネルの展示 薬用茶の試飲
2 ソフトボール大会の件 参加者の確認 現在12名
3 まちかど相談薬局の募集
 月2回勉強会(福祉について)、ホットラインの掘り起こしやフォロー、在宅ボランティアなどを行う。
4 薬局委員の交代 津崎先生(松崎調剤薬局)へ

東区保健所健康フェア

 10月3日(金)保健所で開催。いい天気。いつも静かな保健所だが今日はお祭り、人々の熱気と喧嘩で建物が膨らんでいる。薬剤師会は例年通り、薬草とパネルの展示それに薬用茶の試飲。前日のうちに藤野哲朗会長、篠崎正十郎先生、井原俊一先生、の手で準備万端。

 会場内は宗像の清田先生(太陽薬局)丹精の薬用植物がいっぱい。タデ、ワレモコウ、ヤマフジ、ゲンノショウコ、ヤブラン、リンドウ、クコ、オケラがそれぞれ可憐な花をつけている。

 30鉢を超える植物に囲まれてRKBテレビの取材に篠崎正十郎先生が応じられて薬草にまつわる話をされた。これは10月18日(土)午前9時25分からの「おはよう あいれふ」で放映。

 昨年はお薬相談コーナーがあったが、今年は中止。去年は14名の出勤者があったが、今年はその半分、この1年のうちに平日の参加が難しくなっている。

(広報 伊東美穂)

 

〔早良〕

 

早良区役員会

日 時
平成9年9月12日(金)
場 所
花亭
出席者
本村、清水、浦上、有馬、吉田、北、行実、上村、福岡、春永、竹内、村岡、西岡(13名)

1.委員会報告
○薬局委員会(行実)
・薬草観察会 9月28日 背振山10:00集合
・健康フェア 10月14日 早良保健所
  準備出席者・当日出席者の確認
  体脂肪計・台所漢方・薬草展示・薬用酒・薬用茶・ハーブコーナー等の分担決め
○組織委員会(福岡)
・ソフトボール大会10月19日 武田グラウンド 8:30集合
 8チームトーナメントで行なう
・1月に市薬役員改選 選挙管理委員会の件
○在宅委員会(浦上)
・在宅介護支援センター
  区薬より参加(4〜5件)
・オートクレーブ(滅菌ガーゼ)市薬薬局へ要請
○社保委員会(北)
・処方検討会・勉強会は来月は休講
○広報委員会(上村)
・福岡先生の原稿「環境問題について」のジャーナルへの掲載
今年度第1回目の役員会でした。催事の集中する季節だけに、議題が多く慌ただしい会でしたが、そこはベテラン揃い。手際良い手順で進行し、10時には解散することが出来ました。

(書記 西岡啓子)

 

〔城南〕

仲秋の候、支部会員の皆様におかれましては、益々ご健勝のことと存じ心よりお喜び申し上げます。

改正健保法が9月より施行されました。薬局窓口での患者さんの反応はいかがでしょうか。中でも、社会保険本人の方は負担割高感があり、これからの受診形態に多少の変化をもたらしそうな様相です。今後、健康保険財政の逼迫は患者さんにとって、益々厳しい状況になって来そうです。

そのような状況でも、今回の改正健保法の附帯決議事項には「医薬分業の推進」が謳われています。それも地域住民の信頼と支持があってこそ推進されるものと思います。かかりつけ薬局を日ざしてより一層努力して行きたいと思います。

地域健康づくりの一環として、城南区健康展が10月15日に開催されます。薬剤師会も例年、お薬相談コーナー、薬草展示やミニ講演で参加をしています。

また、先日からチラシ等でお知らせしていますが、今回、初めて城南保健所と共催で油山薬草観察ハイキングを予定しています。地区住民との交流と健康づくりのお手伝いです。是非、成功裡に終わらせたいと思っています。支部会員の多数のご協力をお願いする次第です。

10、11月と学会や多数の行事が控えています。積極的な参加をお願い致します。

(支部長 松島照幸)

〜油山薬草観察ハイキング〜

“さわやかな秋の一日、健康づくりをしてみませんか”の掛け声の下、城南区健康づくり推進協議会と区薬剤師会による油山薬草観察ハイキングが行われました。

10月5日(日)
10時  油山市民の森集合
10時半 3班に分れて出発(コース:水の森、自然の森など)
12時  昼食
13時  薬草クイズ
    閉会式

参加者:城南区保健所 4名 (南部所長、鈴宮予防課長他)
区薬剤師会      19名 (講師:松島、根津、中山、本村)
一般         54名 (応募者80名より抽選)

 総勢80名程の参加を得、3班に分れ講師の説明を聞きながら約2時間森林浴を兼ねて、緑豊かな油山の自然と親しみながら色々な薬草に身近に触れました。

 熱心にメモをとる人、触ってみる人、写真を撮る人、万葉の和歌を口ずさむ人など、それぞれに自然の森を堪能されているようでした。小雨の中の昼食は少々残念でしたが、その後のおたのしみ薬草クイズに、今日の勉強の成果が問われる?ということで真剣なまなざああしでチャレンジ。5間全問正解者には油山牧場でとれた搾りたての牛乳がプレゼントされました(拍手喝采)。

 参加者の中には脳梗塞で数ヶ月前まで入院生活をしていたという方もおられましたが、準備していた救急箱をあけることなく無事、成功裡に終わることができました。

 医療制度の移行で何やら落ち着きのないこの頃ですが、久しぶりの秋空の下、おいしい空気を吸い、土の匂いをかぎ、ひんやりとした風も心地よく、すっかり息を吹き返した気分です。

 今まで何気なく見過していた野の草花もこんなにも愛らしく美しかったのかとまるで宝物のようにいとおしくなるのだから不思議なものです。

 “秋の野に 咲きたる花を指折り かき数ふれば 七種の花”
 “萩の花 尾花葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴朝顔が花” 山上憶良

 みなさんも山や野に小さな秋をみつけてみませんか。庭先や道端に何か薬草が見つかるかもしれませんよ…。

 9月23日に下見調査の為、城南区保健所同行の支部会員ハイキング等、松島支部長を中心に入念な下準備が行われました。コース決め、資料作成、名札付などの準備に支部並びに博多区、早良区等他支部の多数の先生方のご協力をいただきありがとうございました。

 早々に次回の企画の話もでているようです。又の催しを楽しみにしております。

(松藤由紀子)

【学薬のページ】第47回九州地区学校保健研究協議大会出席報告 福岡県学校薬剤師会 監事 古賀隆

◆日 時  平成9年8月11日〜12日
◆場 所  沖縄 那覇市民会館
         那覇グランドキャッスル
         パシフィックホテル沖縄
◆出席者  三津家 正友、古賀 隆(福岡市学校薬剤師会)

九州各県学校薬剤師連絡協議会から

●懇話 日本学校薬剤師会長 滞村良二
 文部省から平成9年4月1日に出された「学校給食衛生管理の基準」について詳しく説明、解説された。
●協議事項
(1)O−157に対する今後の各県の対応について
各県がどのように対応しているか、詳しい報告がなされた。福岡県は、末宗会長が詳しく報告した。また福岡市の対応について三津家先生が発表した。
給食、調理室への立入り検査については、検便等の問題から各県共実施していない。聞き取り調査のみである。
(2)学校保健教育に対する取り組み方について
主に覚醒剤・シンナーの件について協議された。福岡県の取り組みが進んでいるように思われた。
(3)学校における焼却炉の今後とダイオキシンについて
この間題は最近言われ出したことで、実際の検査については、器具その他非常に費用がかかる。又ダイオキシンの量もごく微量という数字も出ており、今すぐ学薬で取り組むというのは難しいと思う。

以上2時間にわたり熱心な討議が行われた。終了後盛大な懇親会が行われた。
福岡県の他の出席者は 末宗成二 神崎守美 脇園茂 阿部兼士


「恥ずかしながら、顛末記」

プール水において遊離残留塩素濃度が1.0mg/lに達しているにもかかわらず、細菌検査で一般細菌が1ml中200以上検出された事例についての報告

【原因究明のための措置】
1.使用消毒剤について
 ハイライトGHの製造メーカー、「日産化学」に製品番号を問い合わせて使用期限を確認
2.浄化装置の点検
 珪藻土ろ過装置、ろ過板の疲労度の点検

【結果ならびに処置】
1.上記1については1996年4月製造のもので、有効年数3年以内であった。ハイクロン系に比較しても常温でより安定した物質であるとのこと(但し、湿気に弱い)。
2.上記2については検査採水当日6月23日、若干の不透明さを感じたものの、カオリン沈降速度による濁度は3度以下、過マンガン酸消費量も4.5mg/lであった。検査結果が判明した翌々日6月25日は濁度は更に進行していたらしく、赤坂小学校教頭と体育主任より「濁りが進んだ」ということを電話にて頂いた。

 学校側には、一般細菌数ならびに大腸菌群(推定試験の段階一乳糖ブイヨンーでは陽性)がいずれも基準値をオーバーし、使用不可と判断し、同日即刻にスーパークロリネーションを実施の為、注入桟にハイライトGHl袋、プール本体に更に1袋を追加あるいは散布するよう指導、又、「濁り」除去の為、ろ過機の点検を行うように助言した。即刻、業者K.Sクラフト工業が珪藻土ろ過板を洗浄した。その後、透明度は増した。

 (施術)業者によると、ろ過機が目詰まりでろ過能力が落ちていたという話である。週に2〜3回、水を張り替えないといけないシステムになっている!
 スーパークロリネーション後、pHならびに遊離残留塩素濃度が基準値内に落ち着くと思われる2〜3肥後(土、日は試験不適)に再検査を行った。

(理事 女賀信子)

 

今回は理事会前の締め切りですので、今夏各区で行われました研修会の模様と学薬今年度のテーマ「薬物乱用防止の啓発活動」を展開中との報告を受けた事例をとりあげます。

I 各区研修会
 年に1度、会員同志が情報を交換して、その職能の向上と相互の親睦を重ねる意義の下、各区で以下の様に開かれました。

○ 博多区 7月29日(火)於「御前屋」
      参加者21名
      「学校給食の衛生管理について」
○ 東 区 7月12日(土)於リーセントホテル
      参加者13名
      ビデオ「ダメゼッタイ博士のゼミナール」学習。
      各担当校に於けるプール管理の事例報告。
      残留塩素基準値以上でも今後不適とはしない。
      学薬の社会的役割の再確認
○ 中央区 7月26日(土)於 桜坂観山荘
      参加者13名
      赤坂小に於ける事例報告(前頁参照)
      残留塩素とアトピーの因果関係は水ぶろの塩素濃度で確認を。
      授業ブールと開放ブール報告書型式の統一を。
      シンナー等薬物乱用防止活動講師について。
      基準値以上の塩素濃度でも不適合から適合へ。(東区参照)
○ 城南区 9月5日(金)於 愛光
      参加者10名
      薬物乱用防止研修会教材ビデオ
      「森の裁判」「ダメゼッタイ博士のゼミナール」
      2本のビデオを学習後、各校からプール管理の事例報告。
○ 南 区 9月12日(金)於 浜太郎
      参加者14名
      大腸菌O−157についてのプリントを配布して食中毒防止の研修、
      市学薬に今期購入された「薬物乱用防止教材ビデオ」の紹介。
      意外と多い“しらみ”の相談等。
※早良区と西区は只今計画中です。

(理事 女賀信子)

〜「ダメ。ゼッタイ。」キャンペーン〜

前号の麻薬の話に引き続き、柳田先生の薬物乱用問題の展望の解説を掲載します。

覚せい剤の話 (財)実験動物中央研究所前臨床研究部 部長
東京慈恵会医科大学客員教授 医学博士 柳田知司
 

[はじめに]

去る2月6日の警察庁の発表によると、昨年(1996)の覚せい剤事犯での検挙人数は、その前の年より13.6%増加し、特に高校生の検挙が前年度の2倍以上に増加したという。覚せい剤事犯は、取締法が施行された後は1954年(昭和29年)をピークとして激減したが、1970年(昭和45年)からは再び増加しはじめ、その10年後には2万人を超えた。

その後はやや減少傾向にあったが昨年、一昨年と再び増加しつつあり、昨年は19,420人であったと報じられている。このうち高校生が214人、中学生が21人で中高生とも男子より女子が多かったという。かつては覚せい剤の乱用が一般市民にまで及んだことが問題にされたが、最近は中高生のような若年層まで巻き込み問題はさらに深刻になりつつある。そこで今回は、覚せい剤を取り上げてみたい。

[1.覚せい剤は優れた医薬品]

覚せい剤は、乱用問題が起こる以前は優れた医薬品であった。覚せい剤の特徴は、中枢を興奮させる作用、中でも覚せい作用、空腹感を忘れさせる作用、および、ふさぎ込んでいる人を元気にさせる作用がある。そのため、眠くてぼんやりしている人をシャンとさせる名前のとおりの覚せい剤として、肥満の人にダイエットしやすくするための食欲抑制剤として、また、抑うつ状態の人を治す抗うつ剤 として用いられた。

第二次世界大戦後、その乱用が世界的に大きな問題になるにしたがって、医薬品としては次第に使われなくなってきた。しかし、乱用が世界的に蔓延し、また、新薬が次々誕生している現在でも、急に睡眠発作が起こるナルコレプシーという病気や、絶えずからだを動かしじっとしていられない小児の精神運動障害の病気などには、覚せい剤はなくてはならない薬とされており、このことは覚せい剤がいかに優れた医薬品であるかを物語っている。

ただし、念のため断っておくが、純正の医薬品と密造の覚せい剤とではその質において雲泥の差がある。

[2.試験勉強に用いられた覚せい剤]

覚せい剤を学生が試験勉弓削こ使用することの是非は、米国では第二次世界大戦前から論争となっていた。1937年(昭和12年)にミネソタ大学の教授がその使用を推奨する一方、雑誌の「タイム」はそのような使用の危険性を警告していた。その教授は「覚せい剤はこれまで多数の学生に用いられたが、副作用や病みつきになるようなケースは皆無」と主張された由である。しかし、その後の経過は残念ながら「タイム」誌の憂うるとおりとなってしまった。

私は、1960年から米国のミシガン大学に薬物依存の研究で留学したが、そのときネズミに覚せい剤を投与して運動量を測定した日本で行った実験の論文を持参した。この中に、覚せい剤を投与するとネズミは10時間以上激しく動き回るが、クスリが切れるとその後の数時間はほとんど動かなくなることを示す棒線グラフがあった。

これを脳に作用する薬物を研究している教授にお見せしたところ「これは医学生の講義に素晴らしい教材だ」として早速スライドにして覚せい剤の講義に使われた。教授は「試験勉強に覚せい剤が良いという流言があるが、勉強時には覚せいしていても、このように試験を受けるころには脳のはたらきは平常よりも低下しており良い成績はとれない。したがって、諸君は試験勉強に覚せい剤を絶対使ってはならない」と講義された。そのことは今でも強い印象として残っている。

[3.覚せい剤乱用を招いた戦争]

覚せい剤の乱用は、それが軍用に使われたことに端を発する。ドイツでは空軍が英国の空襲に出かけるのに用い、一方、英国の軍隊も戦闘に常用したという。アメリカ軍は公式には使用を認められなかったが、英国の軍隊から大量に入手して用いられたという記録がある。日本では軍需工場での生産性向上のため一般人にも広く使用され、これが戦後の乱用流行の下地を作った。

わが国の戦後の乱用の流行は、その規模と深刻さにおいて世界にさきがけるものであったが、これは戦争の置土産である。というのは、軍需用に大量に生産された覚せい剤が終戦と共に大量に市場に出回ったことと、覚せい剤は敗戦による食料難の中で飢餓感を忘れさせ、敗戦で打ち拉がれた人々に活力を与える蘇生薬であったことによる。

これらが原因で、覚せい剤の乱用はたちまち日本全土に蔓延した。その後米国では1960年代の後半にヒッピー族の間に大流行した。このときは幻覚剤のLSDと一緒に用いられたが、ここにもベトナム戦争という影がみられる。

[4.覚せい剤の原料はエフェドリン]

覚せい剤はエフェドリンと呼ばれる薬物を原料として作られる。そのエフェドリンは、内服で効く喘息治療薬として、また、風邪の咳止めとして広く用いられている医薬品である。覚せい剤は、エフェドリンを原料として簡単に作れるために、第一次の流行期には随所で家内工業的に密造された。このようなことから、エフェドリンは覚せい剤原料として流通が規制されるに至っている。

しかし、第二次の流行では国内の密造はなく、暴力団などの密売組織がもっぱら海外で密造させて日本に持ち込んだものが出回っている。

[5.覚せい剤の臨床症状]

覚せい剤は、主として静脈内に注射されるが、内服や吸煙でも用いられる。覚せい剤を摂取すると、陶酔感、嗜好や運動の活性化、社交性の増大、猜疑心の増大、人間関係の障害、不安、緊張、焦燥、変わりやすい感情、同じ動作の繰り返し、判断力の障害、仕事の障害などの精神症状が起る。身体症状としては、瞳孔散大、脈拍増加、血圧上昇、発汗、寒気、悪心嘔吐、体重減少、呼吸抑制、胸痛、不整脈、意識混濁、痙攣、運動障害、昏睡などがみられる。

薬が切れると、最初は連用による疲労に基づく症状として疲労困億、抑鬱症状、過眠などがみられ、急性期が過ぎるとやがて、覚せい剤が摂取できないことから苛立ちや粗暴な行動がみられ、不快な夢見、不眠、食欲克進などが起る。

[6.覚せい剤による危険性]

覚せい剤を乱用すると、感情が変わりやすく、言動は粗暴になり、冷静な判断力が失われる。しかし運動機能は障害されていないためにしばしば暴力的破壊行為が起る。また、連用しているうちに妄想幻覚などを主症状とする覚せい剤精神病が起る。覚せい剤の乱用が危険である最大の理由は、このような精神障害が起ることにある。

そのほかの危険性としては、使用期間中だけではなく止めてからも慢性の妄想幻覚、抑うつ、人格変化などの後遺症が残ることが挙げられる。とくに、フラッシュバックと呼ばれる現象は、狂暴な犯行の原因とみなされている。これは、少量の覚せい剤の使用、または体内あるいは外部からの特定の刺激によって妄想幻覚などが誘発される現象である。

[7.覚醒剤による精神障害と依存症の治療]

覚せい剤による精神障害にはハロぺリドールという治療薬がよく効く。これは覚せい剤により過剰となった脳のドパミン神経のはたらきを抑える薬物である。覚せい剤依存症の根本的治療は、覚せい剤が欲しいという強い欲求を寛解させて、使用を止めさせることにある。

治療の基本は、まず、本人に止めたいという気を起こさせること、次に適切な精神療法を行うことであるが、近年、米国では精神療法の補助として覚せい剤に対する欲求を弱める薬物を用いることが試みられている。いずれわが国でもこのような薬物療法が取り入れられて行くものと思われる。

[おわリに]

覚せい剤には多くの類似薬があり、それらは覚せい剤同様に興奮作用の強いものから、興奮作用よりも幻覚作用が強い薬物まで多くの種類が密造されている。米国で若者の間に流行しているMDMA(別名エクスタシー/恍惚という意味)と呼ばれる薬物などは脳の神経を破壊する作用が強いため大変危険な薬物であるが、この種の薬物が日本に入りつつある。

また、最近米国では児童の学習能力の促進にメチルフェニデートという覚せい剤類似薬を与えることが試みられており問題になっている。しかし、この種の興奮薬は、かつて北欧で濃厚に乱用された前歴があり、それゆえ国際的にも国内でも危険な向精神薬としてその使用が規制されている薬物である。

それを多数の児童に与える試みなど正気の沙汰とは思えないが、薬物乱用が蔓延している米国社会ではそれほど危険なこととは考えられていないのであろうか。いずれにしても、このような米国の社会的風潮がわが国に波及すると大変である。米国の薬物汚染に青少年の警戒心が麻痺しないよう、啓発につとめ注意を喚起する必要があると考えられる。

 

覚せい剤乱用者の治療

[はじめに]

本年2月はじめに青少年の薬物乱用問題に関する研修会が代々木の国立青少年センターで開かれた。参加者は各都道府県を代表する保健所の薬物乱用問題に取り組まれている方々が中心であった。研修の課題は予防の啓発と乱用者の社会復帰であったが、私はグループディスカッションのアドバイザーとして参加させていただき、各地の様子を伺う機会を得た。

そこで学んだことは、第1に、青少年の薬物乱用問題は成人同様に覚せい剤が中心であること、第2に、青少年の覚せい剤乱用では、深刻な問題を抱えている地域とまだ具体的問題には遭遇していない地域があり、地域差が大きいこと、第3に、乱用者に治療を受ける気を起こさせてもその受皿となる医療機関や専門医を見つけるのが非常に難しいこと、第4に、防止や相談の活動を充実させるには縦割り行政を乗り越えた現場担当者の情熱が大切であること、などであった。中でも、治療体制の問題は医学関係者の一員として深く考えさせられた。

[1.世界で激増している青少年の覚せい剤乱用]

昨年末に発行された米国国立薬物乱用研究所報によれば、米国では従来、覚せい剤の乱用は西海岸やハワイなどで多くみられていたが、最近は各地に広がり、また、農村部にも蔓延しているとのことで、国の調査網である「薬物乱用警報ネットワーク」に報告された覚せい剤関連の救急患者数は、1991年に4,887人であったものが、1994年には、17,397人と3年間に3.5倍も増加したという。また、中高生の調査では、これまでに少なくとも1回以上覚せい剤を経験したと回答した者が1990年には全体の2.7%であったのに対し、昨年の調査では4.4%に増えたと報告されている。

わが国では本年2月の警察庁の発表で、中高生の覚せい剤事犯検挙人数は235人とされており、まだ米国の比ではないが、この辺で食い止めないと今後大変なことになる。薬物乱用の若年化傾向は、北米や日本だけではなく経済的に発達している欧州各国やオーストラリア、ニュージーランドなどでもみられる世界的傾向である。これは、若年者が金銭的に豊かになりなんでも買うことができるようになったためと考えられる。

[2.覚せい剤の需要削減と治療体制]

国連の薬物乱用撲滅対策の基本方針は、乱用薬物の供給削減と需要削減である。供給削減とは、不正な生産(密栽培や密造あるいは正規な薬物の転換)と不正取引(密輸出入)を取り締まる対策であり、需要削減とは、乱用防止の啓発および依存症者の治療と社会復帰を図る対策である。

覚せい剤乱用防止の啓発および依存症者の社会復帰については、各地の保健所、肇察、薬物乱用防止対策協議会をはじめ麻薬・覚せい剤乱用防止センターなどの多くの非政辟団体がご尽力くだされているが、冒頭にも紹介したとおり、これらの方々がせっかく乱用者に専門医と相談して治療を受けさせる気を起こさせても、その受皿がない現状であり、確かにわが国では薬物依存症を治療する専門医や専門病院が少ない。この現状を、医師会、厚生省、医学会などは深刻に受け止めて、もっと多くの専門医の養成と治療体系の充実を図るべきである。

しかし、覚せい剤依存症の治療には病院の側にも特殊な事情があることを、先般ある精神科医の集まりの会での講演の際に知る橡会を得た。それは、病棟に覚せい剤患者が入院すると、あまり歓迎できない関係者が足繁く出入りして他の患者に迷惑がかかり、結局、病院はこれらの患者に敬遠されてしまうという事情である。

これでは民間の病院は経営が成り立たなくなろう。世界各国の動向を参照するまでもなく今後薬物乱用問題はますます増大する方向にあると考えられ、治療体制の充実は、このような現実的問題の対処も含めて悠長に構えていられない問題と思われる。

[3.覚せい剤依存症の治療]

覚せい剤を乱用すると、表1に示すとおり各種の身体的および精神的障害が起こり、精神的障害は覚せい剤の摂取を止めた後にも後遺症として長く残る。したがって、治療の確信は、覚せい剤を止めさせることと後遺症の治療である。

まず、治療を受けることがくすり地獄から抜け出る唯一の道であることをよく認識させて本人に止めたいという気を起こさせることであり、次に専門医のもとに適切な精神療法および薬物療法を受けさせることである。この種の治療では一時的にくすりを止めることができても、退院するとまたくすりに戻るという例が多い。

米国での経験では、覚せい剤依存症の治療はコカインの場合の倍も難しいという。治療の後は、完全に社会復帰するまでいろいろなケアーが必要であるが、そのための専門家の養成と施設の整備およびアルコール依存症者のリハビリにみられるような社会環境の整備が必要である。そうでないと、いくら適切な治療を施しても旅に水を注ぐ結果になって治療の成果は上がらないであろう。

[4.覚せい剤依存症の治療に関する研究]

薬物依存症の治療に関する研究は米国と日本を中心に世界的規模で行われている。米国では研究の主流が時代的にアルコール、ヘロイン、コカインと変遷したが、現在では覚せい剤に関する研究が注目されている。日本では依存症の治療に関する研究は、アルコール以外はもっぱら覚せい剤に集中していると云ってよい。覚せい剤の治療に関する研究は、大きく3つに分けられる。

その第1は、人はなぜ覚せい剤の虜になって依存の状態になるかという研究、第2は、覚せい剤を連用するとなぜ精神が障害されるかという研究、第3は、覚せい剤を止めさせるのに有効な治療薬はないかという研究である。依存や精神障害の発現が脳の中の神経の異常なはたらきによって起るであろうことは容易に推測できる。

しかし、その詳細はよくわかっておらず、これの解明により、覚せい剤依存症の治療は飛躍的に進歩すると期待されている。現在行われている多くの研究は、覚せい剤を連用するとどのような行動の異常がおこり、そのとき脳の中にどのような異変が起っているかを明らかにすることが課題とされている。

行動の研究では、動物に覚せい剤を反復投与するとせっかく覚えた学習行動を忘れるなどのさまざまな行動の異常がみられることが知られている。そのときの脳の中ではドパミン作動性神経の活動が克進して、精神の興奮や陶酔感が生まれること、および、この度が過ぎると精神障害が起ることがみつけられている。

これらの研究には、脳の中に細いチューブを挿入して先端部位のドパミンなどの神経興奮伝達物質を測定する方法やアイソトープなどを用いて脳の特定の部位を画像として捉え、そこに起っている変化を調べるなどの方法が用いられている。この画像解析の方法は、体を傷つけもしなければ痛くもないので人でも研究が活発に行われている。

米国の研究で、動物に覚せい剤を反復投与すると、ドパミン作動性神経の細胞間を連結している神経織経が樹木の枝葉が努定されたように脱落してしまうことが知られている。この変化はいろいろな動物でみられるが特にサルで敏感に現れるという。ヒトでも同様な変化が起こるか否か、また、これが覚せい剤による精神障害の原因か否か現段階ではまだ明らかではないが、いずれ判明する日も遠くないであろう。

第3の覚せい剤を止めさせるのに有効な薬物とは、覚せい剤が欲しいという欲求を緩和させる薬物のことである。米国ではこれまで多くの研究がコカイン依存については行われてきており、セロトニン作動性神経系の機能を抑制する薬物にそのような作用があることがみつけられているが、これらの薬物を覚せい剤依存症の治療にも適用する試みがなされつつある。

[おわりに]

最近の新聞に、青少年の薬物乱用防止の啓発に関するある評論家のご意見が掲載されていた。それによると、今日では彼らは覚せい剤の恐ろしさなどにあまり関心を示さず、しかし、街頭で密売人にしつこく声をかけられたときにどう答えてその場を切り抜けるか、などの現実的な問題には強い関心を持っているとのことで、そのような事実から啓発の方法についても再検討する必要があるとのご意見であった。

興味本位の話はときに好奇心を誘い逆効果となりかねないが、たしかに、理論的な話よりは現実的な話のほうが若い人たちに受け入れられやすく、「なぜ」よりも「いかにして」のほうが効果的であろうと思われる。需要削減のための啓発や治療等の対策は、根気のいる地道な仕事であり、一挙に劇的な成果は望めない。

しかし需要削減という方策が、長い間の苦蹄の末に珍み出た貴重な結論であることを考えると、啓発と治療の運動は、マンネリズムに陥ることなく常に運動方法の検討と改良を加えつつ、気長に地道な努力を重ねることが大切と考えられる。

【女子薬のコーナー】で、あればこそ‥‥‥日赤前調剤薬局 女賀信子

福岡県女子薬剤師会福岡支部長小松先生より依頼を受け、中央区草ケ江公民館に於て9月18日(木)午後2時〜午後3時30分「薬物乱用防止研究会」で話をさせて頂きました。

男女共同参画を目指しながらも、決定の場に女性が参画出来る機会が極めて乏しい我国の現状を踏まえれば、女性ならでは、あるいは女性であればこその意見や企画を出す意義や使命を感じて入会させて頂いた本会でありますが、社会へ女性の視点からアピールを送り続けている他の組織の活動とも連動して今回の様な研修会に参画する事は薬剤師職能の地域住民に対する広報活動の一端としても評価されるのではないかと思われます。

当日の模様を御報告いたしましょう(主催者・中央区草ケ江校区女性協議会)。私事で恐結しますが、厚生省エンゼルプランにより委嘱を受けて校区にひとりずつ配置された主任児童委員のひとりとして主催者側会長の桜井氏とは馴じみでありましたから事前の打ち合わせも電話で済ませる事が出来ました。近年、低年令化する薬物汚染に危機感を持たれている地域の女性達20数名の会合です。

最初にビデオ「ダメゼッタイ博士のゼミナール」(23分)を見て頂き、依存性・耐性・フラッシュバックといったビデオ中のKeywordに沿って(1)乱用の三要因(2)精神・身体依存に因る悪循環(3)心身に及ぼす影響(4)依存者発見のきっかけ(5)社会復帰への救済の手だて、DARC存在の社会的意義等をお話させて頂きました。

地域に於ては、愛情のこもった、熱心な働きかけこそが、シンナー等依存者を社会復帰へと向かわせる重要な手だてとなる事を強調致しました。タバコ・アルコール・シンナー非行少年少女がグループ化した時、彼らは誘いや好奇心によってこれらを手にします。又、引きこもり現象として、社会から逃避する為に意図的にシンナーを吸引します。

地域でこの様な人を見つけた時は単に警察や病院に通報するのではなく、「吸わなければならない心理」まで手をつけていく事が肝心です。警察や病院では必要な措置や治療が行われますが、彼らの心まで入っていけません。彼らは退所や退院後再び乱用に陥ち入り易いと嘆息されるゆえんです。

ですから、それぞれの場で、彼らに出会った時は、心にしみ入る言葉をかけて、彼らの人間的変化を育んでいくという地道な努力が一番大切な事かも知れません。すなわち、人間的成長を促して、シンナーは「ガキのやること」と彼らに早く思い知らせる事は、医学・薬学的見地から毒性等の身体的・精神的障害を低年齢の頃から教育し、啓蒙していく事と同程度に大切な事であるという事。地域の心ある人々にとっては前向きこそが大きな役割としての出番である事を強調して話を閉じさせて頂きました。

その後参加者の皆さんから、大濠公園や谷公園(旧陸軍墓地)でシンナーを吸引するグループを見て警察に通報した、自らは恐くて何も手が出せなかったが今後その様な少年少女を見つけたら今日の話を後立てにして勇気を持って接してみたい等といった感想や、いわゆる向精神薬の服用の仕方への疑問(催眠剤として服用されているらしかった)、不眠の為投薬されたが習慣化するのが恐ろしいので服用していないといった話が次から次へと飛び出して、私自身にとりましても、時間的制約を受けながらも地域の皆様と共に学びの場を持つ事が出来ました。

感謝いっぱいのひとときでございました。女子薬剤師全会員として地域女性協議会の活動と達勤し、女性ならではの視点で薬物乱用問題に取り組めた事を喜び、このようなチャンスを与えて下さった小松先生に感謝の気持でいっぱいです。

お知らせのコーナー

※大切なお知らせが沢山あります。必ずお読み下さい

1 速報
 九大病院院外処方箋応需業務が平成9年11月1日から福岡市薬剤師会に業務移管されました。
 福岡県薬剤師会が、平成4年9月から実施していた九大病院院外処方箋応需業務を福岡市薬剤師会に業務移管することになり、去る10月30日、業務移管を確認する調印式が双方の三役立会の上、福岡県薬剤師会で行われました。

2 (株)キシヤ 市薬会員は15%引き
 介護用品専門店(株)キシヤは福岡市薬の会員は、現金即日払い・直接取りに行くという条件で15%引きになります。打越さん(管理薬剤師)に直接電話して注文して下さい。
  住 所 福岡市中央区平尾1−13−35
  電 話 (代)521−7777

3 会長、副会長及び監事選挙のお知らせ
 平成10年1月17日(土)、本会の第39回通常代議員会を開催いたします。その代議員会で、「定款」、「社団法人福岡市薬剤師会会長、副会長及び監事選挙規則」により、平成10年4月1日から平成12年3月31日までを任期とする次期会長1人、副会長3人、監事2人の選挙が行われます。
 届け出の受付期間は、平成9年11月17日から平成10年1月3日正午までとし、市薬会館事務局で受け付けます。但し土曜日は正午までとし、日曜日を除きます。お問い合せは市薬へお願いします。

4 10月9日(木)、10日(金)TNCテレビにて
「薬が変わる」〜医療用から一般薬へ〜と題してスイッチOTC薬について以下の先生方がお話しされました。
  阿波欽治(アナミ薬局)
  白木浩一(薬局白十字)
  冨永宏資(冨永薬局)
  宮崎和人(サツマ薬局) ※敬称略

※ビデオはお借りすることができますので、県薬事務局(271−3791)前田さんまでご連絡下さい。

【商組のページ】医薬品規制緩和に関する情勢について……状況の変化と協力のお願い……

1.中央薬事審議会「医薬品販売規制緩和特別部会」の設置と作業の経過

 本年3月31日に閣議決定した規制緩和推進計画で「医薬品のうち人体に対する作用が比較的緩和で、販売業者による情報提供の努力義務を課すまでもないものについて、一般小売店においても販売できるよう医薬品のカテゴリーを見直す」ことになったことに基づき、中央薬事審議会に「医薬品販売規制緩和特別部会」が設置され、問題点の洗い出しと審議が進められています。

 第1回は6月27日、事務局による説明と委員間のフリーディスカッションがあり、第2回は規制緩和に賛否を表明している団体代表がそれぞれ意見を陳述しました。当日は医薬全商連の近藤会長が出席し、日本薬剤師会、全日本薬種商協会の各代表とともに絶対反対の意見を表明し、賛成派委員との間に烈しい意見の応酬がありました。

2.直近の会合の結果の重要なポイント

 次いで9月22日第3回会合が開催されましたが、ここではこれまでのヒヤリング等の結果を基に双方の意見の妥協点として、医薬品の分類の見直しの対象となる可能性がある薬効群を選出することとし、一般医薬品の39薬効群について検討することになりました。この洗い出しにあたっては、委員4名に若手研究者を加えた専門家によるワーキンググループを設置し、選出した薬効群の中から医薬品の範囲から外す品目を特定するもので、可能性のあるものはすべて検討の対象になりました。この23薬効群は

1 催眠鎮静剤
2 解熱鎮痛消炎剤
3 総合感冒剤
4 眼科用剤
5 鎮うん剤
6 鎮咳去疾剤
7 合そう剤
8 制酸剤
9 浣腸剤
10 痔疾用剤
11 外皮用殺菌消毒剤
12 創傷保護剤
13 鎮痛・鎮痺・収れん・消炎剤
14 皮膚軟化剤
15 その他の外皮用剤
16 歯科口腔用剤
17 ビタミンA、D、B群、C、E、これらの配合剤、肝油剤
18 ビタミン含有保健剤
19 カルシウム剤
20 滋養強壮剤
21 総合代謝性製剤
22 防疫用殺菌消毒剤
23 体外診断用医薬品

 等々が考えられます。これまで同様、日薬、全英協、医薬全商連の三団体が結束して闘います。そのため来る10月9日に三団体の代表が集まり対策を協議します。

 全国集会は是非実行したいと考えていますが、会場確保の都合で11月上旬になろうかと思います。その節は前回同様皆様の絶大な支援と協力をいただき、何としてでも成功させたいと念願しています。その他、各地区でも地方議員、県・市議会等に働きかけ側面的な支援要請をお願い致します。

 詳細が決定すれば早急にご連絡します。

文芸

中医略史(7)

時代の巨人たち

張元素は往診から帰ると、李異をよんだ。

「妙な噂を聞きました。私の弟子の中で診療を断るものがいるということです。私は常々人のためになるようにいっているはずですが残念なことです」

若い李晃は少し考えてからいった。

「申し訳ありません。潔古先生。先生に師事致しまして3年になりますが、その間一生懸命勉強してまいりました。先生より診療しても良いとお許しをいただきましたが、私としてはまだまだ学問が自分のものになっていないと思っております。難しい症例などは気がひけるのです」

潔古は澄んだ李巣の目を見ていった。

「確かにあなたは19歳になったばかりで若いが、私はこの3年間経験のすべてを教えてきたつもりです。よくよく考えて運用していけばあなたは必ず名医と呼ばれるようになるでしょう。自信をもって事にあたりなさい。ただ「素門」にも、人のためになろうと願わないような人には伝授してはならないとあるように、広く救けることを心がけなさい。噂では「李巣は自分のために勉強しているのであって、診療はしない」などといっています。金持ちだから医業をなりわいとしない、ということではないのです」

潔古は諭すようにいって、更に続けた。

「弓長従正という先生がいますが、三法六門を深く研究して吐法で評判をとっています。40歳代の今からの人ですが、いろいろな流派の方達と交流して勉強しカカンているそうです。河間先生の弟子ですから攻法に長けているのでしょう。補法ばかりがまかり通って病気を長引かせている昨今、貴重な先生です。どうです。会ってみますか」

「お会いできるんですか」李巣は突然のことで驚いていった。「私もお噂は聞き及んでおります。汗・吐・下の運用に秀でておられるということですが、一度はお目にかかりたいと思っておりました。酒が好きで、飲み方も豪快だそうです」

「そんな噂がたっていますか。私はこんなことも聞いています。幼いときに驚風を患って、それ以来ひきつけを繰り返す婦人がいて、たまたま飢饉の時に草を食べて翌朝吐いたということです。何日か苦しみ、その間吐いた量は非常に多かったということでしたが、30年間続いたひきつけがそれ以来治ったといいます。張先生はそれからその草が何であったのか、量がどれくらいであったのか、何日もかけて調べてまわったということです。熱意はすばらしいものがあります」

潔古は李晃を見つめて続けた。

「ところで河間先生が傷寒で寝込んでいるそうです。私も80歳を過ぎましたが、河間先生も90歳に手が届く年齢です。あまり長引かせると危ない。見舞いついでに診察してみようかと思っています。あなたも一緒に来なさい。張先生にも会えるでしょう」

12世紀未のことであった。河間先生というのは劉完素のことで、1182年に「索門玄機原病式」を刊行していた。劉完素は当時、金の統治下にあった河北省で非常に高名であった。一方張元素も人々の信頼を受け、潔古と河間は人気を二分して張り合っているようだった。李巣はそのことを良く知っていて、潔 古先生が河間先生を見舞うなどということはとても考えられることではなかったので内心驚いていた。

潔古と李異が河間の診療所を訪れたとき、応対に出てきたのが張従正だった。

「どなたでしょうか。今日は診療は休んでいますよ」

「分かっています」潔古は張従正に笑いかけながらいった。「私は張元素というものですが、河間先生がご病気だとお聞きしましたのでお見舞いに伺いました」「それはそれは潔古先生がお見舞いとは、河間先生もお喜びでしょう」張従正は突然のことで驚いたが落ち着いて応対した。「しかし今は残念ながら先生はぐっすりと眠っておられます」

「あなたが子和先生ですね」潔古は張従正を見つめていった。「あなたのお噂も聞いています。大変勤勉な方だと伺っています。河間先生もよいお弟子さんを持たれたようでうらやましい限りです」

張従正は潔古先生に認められてうれしかったが、李晃に気づいていった。

「そちらのお若い方がお弟子さんですか。私も潔古先生のお噂はあれこれ聞いております。最近の話では潔古先生は高怨の礼金をもらって弟子を集めていらっしゃるとのこと、私は残念でなりません。李某とかいうお弟子さんのことだけをいっているのではありません。そのようなことで人としての医学の真の学問ができるのでしょうか」

張従正はしばらく潔古先生を詰るようににらんだ。

「私が李異と申します」李具は張従正の突然の言葉にびっくりしたが、それでも彼に会えたことに感激していた。「子和先生のご高名はお聞きしております。お見知り置きをお願いいたします。私が医学をこころざしたのは、実は母の病に手の施しようがなかったことです。こればかりは、いくらお金があっても如何ともしがたく、唯々医学の力の足りなさを痛感するばかりでした。そこで私は医学を習得しようと考えたのです」

「それはそれは」子和は言い過ぎたことを反省しながら銀いた。

「李呆はまだ若い」潔古先生は話し始めた。

「確かに家は金持ちだが、その才能は優れています。私は金のためだけに彼を弟子にしたのではありません。医学に対する真剣な取り組みに動かされたのです。李巣の才能はいずれ名前を残すでしょう」 その時、奥のほうからのっそりと河間が現れた。

「玄関先で何を話しているんです。奥へ入ってもらいなさい」

「先生、大丈夫ですか。実は潔古先生がお見舞いに来られたのです」子和は河間のそばに走りよっていった。「ちょうど先生が寝込んでおられましたので」

「河間先生お見舞いに伺いました」潔古はうれしそうにいった。「どんな具合ですか。傷寒とお聞きしましたが、もう8日になります。私たちはお互いに若くありません。用心してしすぎることはありませんよ」河間は潔古の望診するような目の運びが気になった。

「疲れました。休ませていただきます」河間はそういうと子和に支えられながら奥へさがった。

「私で良かったら、処方して見ましょうか」

潔古が横になった河間にいった。「河間先生は寒涼剤をお使いではありませんか。一度私にお任せください。治るかも知れません」河間はしばらく黙っていたが、8日も治っていないし、一度潔古先生の処方がどのようなものか見てみようという気になった。

潔古はさらさらと処方を書き上げた。潔古の処方は先人の処方を使わず、新しい処方をその時に作るという方法をとっていた。河間は古人の処方を重んじ、完涼剤を好んで使用していた。

潔古が帰った後、河間は入念に潔古の処方を検討してみた。確かにいずれも処方内容は理にかなっており、自分の証に合っていたので、河間はきっそく煎じ薬を作って飲んだ。

前身にうっすらと汗をかいてそのまま快くなった。それ以来、潔古と河間は親交を厚くしてさらに良きライバルとなった。

李巣は後に「補中益気湯」を作った李東垣である。「内外傷弁惑論」「脾胃論」などの著書が残っている。河間は「素門玄機原病式」「宣明論」など多くの著書を残した。また「防風通聖散」は河間の処方である。張元素は「珍味嚢」を著わした。更に弓長従正は「儒門事親」を著わした。

劉河間の寒涼派、張従正の攻下派、李東垣の温補派は金元の4学派の3つである。養陰派の朱震亨が生まれたのは、李東垣が亡くなって30年後の1281年である。なお日本では吉益東洞が張従正の影響を受けたと考えられている。

見舞いの話は伝説として残っている。李巣が3年間張元素の弟子となったことも確かである。張従正も劉河間の弟子であった。見舞いの時に李巣が同席していたかどうか、張従正がその場にいたかどうかは定かではない。 (上村義徳)

(上村義徳)

うちの看板娘

吉原淳治法律事務所編

藤野由希江

私は、今年の6月に顧問契約を締結いたしました吉原浮治法律事務所の藤野です。今回、看板娘コーナーに登場して下さいとのことでしたので、恐縮ですが私の自己PRをさせて頂きます。

私は、今年の3月に福岡大学法学部を卒業、4月から当事務所に勤務しております。と、申しましても実際には昨年の4月からアルバイトとして勤務しておりましたので1年半くらい当事務所の看板娘(?)をしていることになります。

大学時代は、スカッシュ・ラケット愛好会に1年程所属していました。されたことのある方はお分かり頂けると思いますが、大変ハードなスポーツでコートに入るために1時間くらい順番待ちをして、いざプレイを始めたとしても10分もすると、もうへろへろになってしまう程でした。

当時、太っていた(今は?)こともあり、ダイエットに最適と思い入会したはずが、より“マッチョ”になってしまい望みかなわぬまま退会することにしまし.た。もし、「実はマッチョになりたい」という方がいらっしゃったらぜひお勧めします。

実は、愛好会を辞めた本当の理由は、以前から続けていた空手にもう一度真剣に取り組みたいと思ったからです。空手以外のスポーツをする度に、何かしら物足りなさを感じていました。みんなでワイワイ騒いでいるときはすごく楽しいのですが、空手をやっていた時のように無心になれないというか・・・。結局、再度空手に取り組み見事(?)2段を取得することができ、現在も後輩の指導にあたっております。もちろん、ダイエットも頑張って続けていますよ!

将来は、当事務所でかなり培われたであろう(?)経験を活かして、法律関係の仕事に携わっていければと考えております。もちろん体の動く限り(年々体力の衰えをひしひしと感じておりますが)、空手を続けてさらに“自分らしさ”を磨いていければと思っております。

こんな私ですが、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。今後とも事務所一同宜しくお願い致します。

〜吉原淳治弁護士より一言〜

当事務所の看板娘を紹介致します。自己紹介にもある通り、まさに花盛り・元気いっぱいの新人です。勉強に、スポーツに、仕事に(?)と毎日頑張ってくれています。時々、ガンバリズムが度を過ぎて直進のまま、コーナーを曲がれないことがあるようですが。当事務所に入ってはや1年半を過ぎ、法律事務にも随分と慣れて来ており、持ち前のバイタリティと明るさで、裁判所の評判も上々の様です。うちの看板娘をよろしく!

会員の移動

会 務 日 誌

8月18日 広報委員会 19:30
  19日 三師会(やま祢) 18:00
  21日 第292回理事会 19:30
  22日 福岡医療圏協議会 19:30
  23日 顧問会(一条) 18:00
  24日 スイッチOTC薬伝達研修会(県薬) 13:00
     スイッチOTC薬伝達研修会(市薬) 18:00
  25日 社保・分推委員会 19:30
  26日 健康保健法改正説明会 19:00
  28日 処方検討会(あいれふ) 19:00
  29日 加藤健康づくり財団理事長受賞祝賀会(シーホーク) 19:00
     薬局委員会 19:30
  30日 薬局実務研修会 13:00
  31日 薬局実務研修会 10:00
     広報委員会 15:00
9月2日 高齢者サービス総合調整会議(ガーデンパレス) 15:00
  6日 北九州市薬剤師会館落成式典(八幡西、千草ホテル) 13:00
     薬局実務研修会 14:00
  7日 薬局実務研修会 10:00
     広報委員会 11:00
  9日 組織委員会 19:30
     在宅医療委員会 19:35
  10日 薬物療法研究会 19:00
  11日 市薬薬局委員会 19:30
  12日 三役会 19:30
  16日 在宅医療委員会 19:30
  17日 第293回理事会 19:30
  18日 九大病院事業移管問題協議(県薬) 16:00
  19日 支部長会議 19:30
  20日 在宅医療委員会 17:00
     薬局委員会 19:30
  25日 福岡市健康づくり推進協議会 (あいれふ) 15:00
     処方検討会 (あいれふ) 19:00
  27日 公的介護保険研修会 (県薬) 14:00
  29日 健康保険法改正説明会 (講堂) 19:00
10月1日 福岡市医師会方式乳用児検診発足10周年記念行事 (シーホーク) 20:00
  4日 広報委員会 19:30
  6日 佐賀県薬役貞、市薬薬局視察 15:30
  7日 薬局委員会 19:30
  8日 組織委員会 19:30
     急患委員会 19:30
  9日 市薬薬局委員会 19:30
  12日 薬草観察ウオーク (背振少年自然の家)
  13日 学術委員会 19:00
  14日 社保・分推委員会 19:30
     定款検討委員会 19:30
  15日 在宅医療委員会、支部長会合同委員会 19:30
  17日 くすりと健康フェア(アクロス) 13:30
  18日 山崎拓政経懇話会(ニューオータニ) 8:00
  19日 親睦ソフトボール大会(武田グラウンド) 8:00
  20日 薬事功労者知事表彰(知事室) 14:00
     地区連絡協議会(県薬) 14:30
     広報委員会 19:30
  21日 第294回理事会 19:30

[編集後記]

〜時代が求めるもの〜

町内会長より組長会の時に「ダイオキシン」について10分ばかり話をしてほしいといわれた。福岡市では12月よりゴミ収集の方法が変わる。各町内では説明会で役員の方は大変な作業をされている。説明会を3度も行ったという所もある。

今回の福岡先生の投稿は非常に時機を得ている。「環境問題」はやはり薬剤師の職分であることを認識させられた。地域に密着していくためには、環境問題にしても専門的な目で捕え、薬物問題にしてももっともっと突っ込んで勉強していかなければならない。

シンナー・覚醒剤・ダイオキシン等薬剤師が社会に貢献していくべきことは沢山あることに気がつく。好きなことだけ勉強するというわけにはいかない時代になったようだ。在宅にしても否応なく時代が求めている。今剛ま学薬の女賀先生の話が非常におもしろい。プール水の残留塩素の具体的な話で大変参考になる。

(上村義徳)

[編集後記]

〜念願の問題 調印〜

「九大病院事務移管」は「九大問題」と簡潔に呼称されていたが、「問題」というのが問題であると言われるほど、難解なこじれた課題だった。今年5月の市薬代議員会と6月の県薬代議員会で「九大病院事務移管」が決議されたことは、皆様ご承知の通りである。

しかし事務レベルの交渉は進展せず苦しい状況にあった時、10月20日の地区連絡協議会の席上、梶原県薬会長と藤原市薬会長のトップ会談が行われ、急転直下10月30日調印のはこびとなった。その間10月27日理事会29日支部長会が開催された。

それにしても平成4年から取り組まれた九大病院の院外処方箋発行事業がいかに困難な取り組みであったかが実感される。いろいろな局面でこの間題に係わられ尽力された方々へ感謝の念でいっぱいである。その時その時で最善と思われる選択をされたのだから、事の評価は歴史に任せて対立を越え、市薬は一致団結して諸問題にあたり21世紀を迎えたい。一会員の強い願いである。

(伊東美穂)

[編集後記]

〜確かなものを目指して〜

9月1日より外来薬剤費一部負担制度が導入されました。いつもの月初めの状況とは異なり、患者さんの足取り重く、閑散とした月のスタートでした。予想以上の反響の強さに驚きました。

10月1日天神に三越デパートがオープンしました。“三越に行ったね?”“綺麗かよ!”“昨日(プレオープン)行って来たよ。”“ハロッズのジャム買ってきたよ!”と、三越フィーバー! 患者さんからの三越デパート情報にただただ驚くばかり。

初日から20万人の行列だとか? 新聞やTVニュースでも行列の人・人…。9月1日と10月1日を比較するわけではないが、市井の反応の凄さに驚かされます。“情報の時代”確かなものにしか、人々は反応を示してくれないのではないでしょうか?我々薬剤師も確かなものを目指して!

(東美代)

  

平成9年11月20日発行
福岡市中央区今泉1丁目1番1号
社団法人 福岡市薬剤師会 T E L 092-714-4416
発行人   藤 原 良 春
編集人   北 島 啓 子
委 員   伊 東 美 穂
      上 村 義 徳
      小 松 公 秀
      津 田 和 敏
      戸 田 昭 洋
      東   美 代
      堀之内 真 紀
担当副会長 細 井 徹 一
印刷所   (有)興英社印刷