■ 巻 頭 言
分業!! 総仕上げのとき (社)福岡市薬剤師会 社保担当 常務理事 市原和郎

先日、福岡市内科医会の先生方との話し合いがありました。内容は『院外処方せんを発行したいが、どこで処方せんを購入したらよいか判らない。隣りに薬局がない』『薬局でどういう服薬指導をしているか気になる』『処方せんがどこに行くか不安である』又、『薬剤師会の情報を内科医会雑誌に掲載して欲しい』等でした。2〜3年前には考えられなかった事です。

我々を取り巻く医療環境はものすごいスピードで変化しています。原因は人類が今まで経験した事のない『90才のスーパー老人を70才のお年寄りが介護する』超高年齢化社会の到来と、我国の経済を支えてきた官僚主導の日本型資本主義、いわゆる護送船団方式と言われるシステムが国際社会との摩擦によりほころび始めたからです。共産主義者が競走の原理が働かない為経済的に崩壊したのと同様に日本型資本主義も規制緩和、金融のビッグバン、医療保険の縮小と変化しています。

よく、アメリカなどで『ダーウィン的資本主義』という言葉が使われますが、要するにダーウィンが進化論で展開した“自然淘汰と適者生存’’を基調とする資本主義という意味です。従って経営の悪い会社はどんどん淘汰され、時代に適さない会社は生きて行けないシステムです。「金持ちはより金持ちになり貧乏人はより貧乏人になる」(Rich gets richer,Poor gets poorer)まさに弱肉強食の世界なのです。

この様な変化の時代に将来の予想は非常に難しい事ですが、平成10年4月の薬価改正より、広域病院よりの処方せん発行はもとより開業医の先生方が特定の薬局なしに処方せんを発行します。

分業におけるファイナルマッチ最終総仕上げの時代に突入します。その陰で、現在も各区教軒、寂しく店を閉める保険薬局が出てきています。その場合、再度薬剤を院内にもどす事は不可能です。各部会の近隣の薬局が手分けして、処方せんを応需する事になり、各区の社保担当の先生の役割は非常に重要になってきます。

マンツーマンによる分業を厚生省は『点分業』と総称し、質の高い真の分業にそぐわないとの考えで、地域全体で行う『面分業』に達して、初めて真の分業が完成するとの見解です。面分業は『地域内の薬剤師会員が全員参加して病院・診療所の処方せん応需』と定義されていますが、非常に厳しい環境の中で面分業が達成されようとしています。

<私と薬> 「大将、最期の仕事」 西日本新聞社文化部記者 藤田中(アタル)

この正月は四国の古里で父と一杯やった。

新年だから酒も奮発して「オールド・パー」大正生まれの「オールド」と不惑寸前の「パー」が差し向いで飲むのだから、まあ、ピッタリの名の酒ではある。

今からちょっと書いてみたいのは、そこで「オールド」が「パー」に語った話。ひとしきりのバカ話のあとで、父がポツリポツリと語った実家の近所の自転車屋「マツダ屋」の大将の話である。

父愛用の年代物の自転車がパンクしたのは昨年ゐ夏の盛り、やたらセミの鳴く日だったという。いつものように「マツダ屋」に修理に持っていった。だが、この日に限ってゴマ塩頭にランニングシャツ、頑固だが働きものの大将の姿がない。  「大将は出掛けとるんかいな?」
 父が声をかけると奥からおかみさんが出てきたそうな。

「大将は、ちいと体がだるい言うて昼寝しとるんです。きのう戦友会にでかけて飲み過ぎとるんです。修理、急がんのやったら自転一車、そこに置いといて下さい」
 この時点ではみんな「大将=二日酔い」と思っていたのだ。

異変に気づいたのは翌日の午後、これもセミがワシワシと鳴く昼下がりだったという。

たまたま買い物に出ると、自転車屋の店先に白黒の幕が張られ、喪服の人が出入りしている。父はそれでマツダ屋の大将が前夜、亡くなったことを知った。

直接お悔みを言いに伺うほど親しくはなかったし、自転車は喪が明けたころにでも取りにいって、他で直してもらうつもりでいたそうだ。

わが家に背広姿の男性が訪ねてきたのは、その翌日のことだったという。驚いたのは、その人の顔が大将にうり二つだったこと、そして、その人がピカピカに磨かれ、すっかりパンクも修理されたウチの自転車を押してきたことだ。大阪に住む大将の息子さんだった。

「この自転車がオヤジの最期の仕事だったそうです。母によると、あの日の夕方、オヤジは“ちいとスッキリした”と起き出してきて、この自転車を“お前もおいぼれとるのう”と言いながら直したそうです。そのあとビールをうまそうに飲んで、その夜静かに事切れた」

そして息子さんは、人の命が尽きる寸前の不思議さについても語っていったという。

「オヤジは戦友会などスカン、と以前一度も出席しなかったのに死の前日には、いそいそと出掛けていった。最後の自転車を直し終えたあと、いつになくスパナやレンチなどの工具をきれいに拭きあげた。人間は迫りくる自分の死を予感できるのでしょうか」

大将の話を語り終わって「オールド」は「結構、シミる話だろう」と言った。私は私である詩人の詩を思い出していた。それはセミの詩、確かセミは神様がゼンマイをお巻きになった分だけ、生き、鳴き、飛ぶ、という内容だったと思う。

マツダ屋の大将のゼンマイは、あの日、静かにほどけたのだろう。丁度、昔の柱時計がひっそりと止まるように。大将の、そして自転車「マツダ屋」としても最期の仕事は、今も実家の玄関にどっしりと居すわっている。

第19回アクロス福岡健康づくりセミナー

1月20日火曜日午後2時よりアクロス福岡の2階セミナ一室2にて「アクロス福岡健康づくりセミナー」が開かれた。主催は県医師会、県歯科医師会、県薬刺節会、県看護協会であるが、今回は薬剤師会の担当ということで「薬剤師さんともっと仲良くなっちゃおう!」との題で、福岡県薬剤節会の専務理事阿波欽治先生が講演された。司会は常務理事の末永幾代先生で、事務局の野田氏が写真を担当されていた。

残念ながら人数が十数名と集まらず、薬剤師会としてのアピールの拙さがでた感じだ。一般の方へ薬剤師の職能を知っていただく大事なチャンスでもあり、阿波先生も講演の中で「かかりつけ薬局」の意味を話しながら、薬剤師ともっと親しくなって色々な情報を知ってほしいと力説されていた。公民館活動で老人会などの講演などは社会との接点でもあり、閉鎖的な薬剤師の職能を広げていくチャンスでもある。

資料は福岡県薬剤節会薬事情報センターの「読むおくすり」福岡県薬剤師会の「医薬分業って知っていますか」福岡県薬剤師国民健康保険組合の「生活習慣病を防ごう」さらにワープロでメモを取られるように作られた資料の4部を準備されていた。風邪気味にも関わらず軽快なお話は薬剤師の職能を知らせ、また読演内容は出席された方々には非常に参考になったのではないかと思う。

質問も二つほど出て医薬品に対する不安感や、友達からの情報等でカルシウムを買ってはみたものの飲むべきか飲まざるべきか悩んでいる方もいた。

阿波先生、・末永先生お疲れ様でした。医薬分業が進み情報公開が叫ばれる中、このような企画は今後ますます大事になってくるのではないかと考えさせられた。

(上村義徳)

<シリーズ:薬剤情報提供5>

知っておきたい薬の名前の大切さ


これからの情報提供 福岡大学薬学部 医薬品情報学教室 助教授 小野信文

   

はじめに

この数年の間に、薬剤師を取り巻く環境が大きく変化し、薬剤師職能ビッグバンとでも言いたいような状況になってきました。その変革の中心点は、「医薬品の適正使用についての情報提供」の義務ではないでしょうか。

このような変革の大きな要因は、医療の考え方が、「施す医療」から「患者を中心としたチーム医療」へと移行しようとしているからです。すなわち、図1に示すように、患者の疾患に対し、患者が納得いく方法で医師・薬剤師・看護婦の専門領域が一環となり協力して、励まし、その克服に寄与することです。

この中で、薬剤師は薬物治療に関し情報提供を軸に服薬指導という形で実践されます。これは何も入院患者に限ったことではありません。特に院外患者が多いので、保険薬局の薬剤師が大きな役割を持つことになります。

チーム医療

この連帯の中では、一口に情報提供と言っても、i)患者に対する情報提供(服薬指導)、A)医師に対するもの、B)看護婦に対するもの、C)薬剤師間の情報交換(薬剤師の質の向上のための教育も含め)の多岐に渡ります。それでは、このような未経験の職能を如何にして獲得していかなければならないのでしょうか。あらゆる機会を捕らえた自己研錬以外にないと思います。さらに、経験、知識や考え方も千差万別であろうと思いますので、進んだ国の方法を参考にすることも一助と考えます。そこでこの拙文がその役を僅かでも果たせれば幸いです。

限られた誌面で、i〜C)の詳細を網羅することができませんが、今回は、i)患者に対する情報提供(服薬指導)のソフト面を主に取り上げ、米国で2番目に古く1823年創立のマサチューセッツ薬科関連医療科学大学(Massachusetts College of Pharmacy andAllied Health Sciences,MCP/AHS)で行われている臨床薬剤師となる訓練の中の最も基本的内容と薬物相互作用に関し、最近特に注意しなければならない機序について述べます。

A.情報提供について1)

1)情報提供(服薬指導)の前に
a)患者のデータベースの作成

患者個人の薬歴・病歴はもちろん出来れば臨床検査値や関連情報(氏名・性別・年齢・身長・体重・目の色、連絡先、職業、食事や家族環境など)これらのデータベースを作成する。これを作成する時の聞き取り調査は、形式的な態度でなく、患者の自主性に任せることは言うまでもないことであり、患者との信頼関係が構築されると充実して行く。薬歴に関しては、処方薬のみならずOTCの有無も忘れてはならない。さらに、病歴に関しては、「現在の苦痛(既に処方せんが出ている場合、この時点では疾患によるものか、医薬品の副作用か判断できない)がどの位長く続いているか?」、「その苦痛の程度」、「最初に起こった時期」、「過去に同様の症状が起こった時どのように対処したか?」などの情報も得られれば、より総合的な判断材料となる。

この時でも、患者は苦痛の最中薬局を訪れている場合もあり、その状態を勘案することが肝要である。

b)治療方法に関して医師と緊密な連絡確認

患者に対し、薬剤師と医師の間で医薬品についての異なる指導により、患者と医師の相互信頼を失わせることがないように充分注意し、問題となる疑いがあれば、事前に医師と緊密な連絡を取り、対処する(日本では特に重要)。

2)問題点の検討

 薬物治療が施されている場合、患者データベースを基とし、患者の不快感が副作用などに起因するか否かの検討を行う。その時のポイントは、以下のようなものである。
 ●最も最近の処方された薬物は?
 ●患者の訴えが、ノンコンプライアンスから来てはいないか?
 ●処方に変更があったか?ある特定の薬物が中止されているか否か?もしあれば、それがどのように影響しているか否かの検討。
 ●現在の薬物治療が開始された時、そのインフォームドコンセント(医師や薬剤師によって薬物治療の意図と個々の薬物に対する服薬指導など説明と同意)が充分行われていたか否か?
 ●新薬が使用されていないか?
 ●特別な他の治療法(薬物療法も含め)が並行して行われ、継続中の薬物との相互作用による結果ではないか?
 ●患者が腎不全あるいは肝不全を起こしてはいないか?(これは特に重要)
 ●服薬の仕方が複雑でないか否か?コンプライアンスと治療効果をより良くするために服用の仕方をより簡単に出来ないか。

3)解決方法の試案作成

上記の患者情報の検討結果、問題があると考えられたら、一つの投与計画試案を作成し、医師に助言を試みる(米国では直接患者と共に作成)。

4)情報提供の実践

a)患者あるいは医師からの医薬品情報に関する質問に答える際の推薦参考資料・図書ならびにガイド類
 この項では、MCP/AHSにおいて推奨するガイド類を参考のために記載したが、原書が英文のため一般にとっては繁用することは困難かも知れない。表1−1(13頁)表1−2(14頁)を参照。

b)薬物毒性の典型的な兆候例
  フェニトイン:歯肉肥厚、眼球の不随的運動
  ジギタリス:吐き気、食欲不振、下痢
  キニジン:耳鳴
  アスピリン:耳鳴、消化管の出血
  ワルフアリン:喀血、血尿、メレナ
  クロフイブラード:脱力感、褐色尿
 このような医薬品が服用されているとき、上記のような兆候が現れたときは、直ちに医師に連絡を取らなければならない。

c)禁忌

表2.疾患に対する禁忌医薬品

d)面談時の心得
●初対面の時、先ず最初に、患者の薬剤師に対する感情的あるいは職業的身分からくると思われる垣根(バリアー)を解くようにすることが大切です。これは、信頼関係を作ったり、個人情報の収集の時、脚色のない真実を述べてもらうた釧こ必要なことである。
 例を上げると、薬剤師は、温和な表情で迎え、先ず簡単な挨拶と自分の氏名を言いながら、相手の反応などを観察し、その糸口を考える。一般的に、直ちに処方に関する本題には入らず、二言三言、時候の挨拶など相手が応答し易く薬と無関係の話をし、初対面の堅苦しさを払拭する。
 私の米国での実体験でも、私の着古した安セーターを「いいセーターですね」とか「日本でしょう?盆栽を知っているでしょう、わたしも持っています」で話を切り出されたことがあります。ただし、日本では、このような社交的習慣が少ないので、取って付けたようなお世辞は好まれないと思う。また、それに時間を取ると「薬について聞きに来ているのだから無関係の話は不快だ」と言う単刀直入型を好む人もいるし、話好きの人もいるので、応対は画一的に行ってはならない。

●患者になるべく話してもらうようにする。
例えば、
「この薬は○○といいます」
「はー」
「1日2回朝夕食後に飲んでください」
「はい」
「もし、黄症、頻脈、熱感、四肢のしびれ、光過敏、頻尿などが出たときは、直ぐ担当の医師に相談してください。その他の詳しいことは、ここに書いてあります」
「はい」
 このような画一的な一方通行の情報提供がなされても、適切な服薬指導がなされたとは言えません。
「この薬は○○と言い、こちらは△△と言います。こちらは何といいましたか?おっしゃって頂けますか?」あるいは「こちらは何のお薬でしたか?」のように、発言を求めた方が良い。

●質問を行う時には、必ず、「なにが」「いつ」「どこで」「なぜ」「どうなふうに」の疑問詞(4W1H、What,When,Where.Why,How)を用いて行います。
「この薬を飲んだとき、胃の痛みはありましたか?」と言うような「はい」「いいえ」で答えられる問いかけは悪い例です。正しくは、「この薬を飲んだとき、何かいつもと違うことがありましたか?それはどんなことですか?」のように問い掛けを行う。

●3つの基本確認事項(薬剤師から患者へ)
服薬の目的「この薬はどのような症状を改善するためのものでしょうか?」
服用方法「いつ飲んだらよいか、ご存じでしょうか?」
副作用問題「いつもと変わったところがありますか?」
(服薬の種類が多くなると工夫が必要である)

●その他の質問事項例
 イ.他人の薬を服用したことがあるか。
   また誰かに薬を渡したことがあるか。
 ロ.服用し難いことがないか。もしあれば、どのようにか。
 ハ.服用時、「服用したか否か」気を付けてくれる体制があるか否か。
 ニ.中途で服用を中止したことがあるか。
   その頻度。その時の変化。
 ホ.常時利用する薬局があるか否か。
 へ.処方薬その他の薬で質問があるか。
 ト.経済的援助を受けているか。
 チ.支払金額に問題はないか。
(最後のトとチの2項について、日本では現在のところ特に関与しない。米国では経済面までアドバイスし、コストの安い医薬品の選択にも関与する)

e)服薬指導時必要な基本事項
●服用の時期
 空腹時;リファンピシン、サントニン、アルギン酸ナトリウム
 食 前;アズレンスルホン酸ナトリウム、ドンペリドン
 食 間;オルノプラスチル、ペニシラミン、シダノシン、オンダンセトロン

●服用方法
水で、水を多量に、フルーツジュースでは飲まない、ミルクと共に飲まない、制酸剤との併用は避ける、飲酒は避ける、など

便の色の変化
例 黒 ・・・・・・鉄塩、ケイ酸アルミン酸マグネシウムビスマス
  黄〜褐色 ・・・センナ
  黄色 ・・・・・サントニン
尿の色の変化
例 茶褐色〜黒 ・・キニン、メトカルバモール、メトロニダゾール
  暗黒色 ・・・・メチルドパ
  橙赤色 ・・・・リファンピシン
  橙色 ・・・・・クロルゾキサゾン
  黄〜黄緑色の蛍光‥リボフラビンなど

B.薬物相互作用におけるシトクロムP450の関与する機序4)

1)シトクロムP450の概説3)
 シトクロムP450(cytochromeP450、CYP)は、薬物などの基質に分子状酸素を直接入れる反応を触媒する酸素添加酵素の1つで当初肝臓で見いだされ、分子内にプロトヘムを持つタンパクで、還元型鉄にCOが結合すると450mm付近に特異的な吸収を示すことからP450と命名されたものである。肝臓のミクロソームならびにミトコンドリアには下記の2つの電子伝達系があり、
  NADH→fpD→シトクロムb5→脂肪酸不飽和化酵素
  NADPH→fpT(FDA,FMN)→CYP
 電子伝達が、NADHとNADPHとから始まり、これらの酵素によって物質に酸素を導入する。これらの機構は肝細胞に限らず、すべての細胞にも存在し、ステロイドホルモンプロスタグランジン、胆汁酸などのそれぞれの組織で生体内活性物質の産生や薬物代謝に関与している。例えば、図2.に示すように副腎皮質におけるコレステロールからステロイドホルモンを合成するときにも関与する。

図2.ステロイドホルモン合成とCYP

 ここでは、コレステロールの11、20、21、22位の炭素に酸素を添加するそれぞれのCYPがある。このように、生体では多種のCYPすなわち分子種(イソフォーム)が存在するlさらに、このCYPは植物や微生物のすべての生細胞にもあるようで、現在生物界全体で300種近くが明らかとなっている。その分類は、CYPの遺伝子解析によるDNAの塩基配列やアミノ酸配列の相同性から、例えば、CYP2C9のように、ファミリー(CYP2C9の2の部分、現在1〜120ファミリーまで明らか)とサブファミリー(CYP2C9のCの部分、それぞれA〜)さらにそのメンバー(CYP2C9の9の部分、それぞれ1〜)に分類されている4)

2)CYPの意義4)
 ヒトでは、表3.に示すように、現在まで16ファミリーが明らかとなっている。このCYPの遺伝子は個人によってDNA塩基配列に微妙な違いがあり、それがある集団の1%以上(突然変異を越えると考えられる%)に見られるとき遺伝子の多型性(ポリモルフイズムpolymorphism)と言うが、この多型性すなわちそれから合成されるCYPタンパクのメンバーのパターンの相異によって薬物の代謝され方が異なるので、それが医薬品の薬効、副作用ならびに薬物相互作用に個人差を起こすのではないかと考えられる。事実、薬物を同量投与してもヒトによって血中濃度や薬効に著名な差がみられることは多くの薬物で知られている。
 例えば、メフェニトインを酸化する代表的なCYP2C9は、多型性があり、この多型は酸化能を持つ型と持たない型(poormetabolizer phenotype)がある。この酸化能を持たない型のヒトは、白人種では3%しかいないが、黄色人種では20%もいる。したがって、実際に使われる構造のよく似たフェニトインに対する副作用は代謝の違いから白人種より黄色人種に出やすい。特に有効量域が狭い薬物では酸化能を持たないタイプのヒトには毒性が出やすく要注意である。
 そこで、CYPと関連する代表的な薬物をまとめた。表4−1(15頁)および表4−2(16頁)を参照。

3)CYPの役割と疾患4〉
 CYP1ファミリーは、多環の炭化水素中でも喫煙や焦げた食品などによって誘導され、発癌物質を活性化すると考えられている。CYP1A2が増えると結腸癌のリスクを増すと言われ、喫煙との関連が指摘されている。CYP1B1は、ある種のステロイドの代謝と関係し、この欠損が慢性的ステロイド高値状態を引き起こし、原発性先天性緑内障(primary congenital glaucoma)へと進むと考えられる。

 CYP2ファミリーは、ヒトCYPファミリー中、もっとも大きいファミリーで全CYPの約40%を占め、ステロイドの水酸化に与るとともに薬物代謝に関与する。CYP2Bサブファミリーは、マウスでバルビツレートにより誘導され、哺乳類で最初に単離されたが、ヒトでの役割は不明である。CYP2C8は乳癌治療薬のtaxol(日本では未使用)の6−α水酸化反応を触媒する。CYP2C19は記述した通りである。CYP2D6は表4−2.にもあるように、多くの薬物代謝に関与し、多型性があるので、低代謝能の多型性には薬害を注意しなければならない。CYP2E1は、アルコールによって誘導され、東洋人に多型性が見られ、その変異種は喫煙と関連した鼻咽頭癌のリスクが2倍高い。

 CYP3Aサブファミリーは、薬物代謝の上から最も重要である。アセトアミノフェン過量時の毒性は、このCYPが関与し、毒性の強い中間体が量産されるために起こる。通常は、細胞内グルタチオンが消去するが、この機能を越えて起こることによる。CYP3A4は表4−2(16頁)参照。

 CYP4は、脂肪酸のオメガ酸化に与る。

 CYP5は、トロンボキサンA(TX A)合成酵素である。TX Aは、血小板凝集・血管収縮を起こす物質で血液凝固系の最初のステップ(血栓産生)に係わる。アラキドン酸からはもう1つ重要なプロスタサイクリン(PG I)と言うプロスタグランジンが、別のCYP(CYP8A)によって合成される。これは血管内皮細胞で合成され、TX Aと逆に血小板凝集抑制・血管拡張作用を持ち、お互いに括抗関係によって循環調節を行っている。したがって、この調節異常は重大な循環系疾患となり、これに係わる医薬品が多い。

 CYP7Aは、胆汁酸合成の最初の律速段階として働き、この系は体内からコレステロールを除去する意義がある。CYP7Bは、脳に存在する新奇なCYPでステロイド核の7位置を酸化し、7−αヒドロキシデヒドロエビアンドロステロンや7−αヒドロキシプレグネノロンの合成を触媒する。

 CYP8Aは、プロスタサイクリン合成酵素(CYP5で既述)。

 CYP8Bは、ステロイドの17−α水酸化酵素で胆汁酸合成に必要。

 CYP11A1は、ミトコンドリア内でコレステロールからプレグネノロンを生成するとき、コレステロールの側鎖を切る酵素で、ステロイドホルモン合成の第1段階。この酵素の欠損は糖質コルチコイドの欠乏、女性化や高血圧を起こす。CYP11B1は、11−β水酸化酵素で、ミトコンドリア内で11−デオキシコルチゾールからコルチゾールを合成したり、11−デオキシコルチコステロンを水酸化しコルチコステロンを合成する。CYP11B2は、コルチコステロンの18位を水酸化してアルドステロン合成に与る。

 CYP17は、17−α水酸化酵素ならびに17−20リアーゼ(17位と20位の問を切る酵素)として2つの働きをする。多型性有り、17−α水酸化酵素活性は有するが、リアーゼ活性のないものもある。

 CYP19は、ステロイドA環を芳香化するアロマターゼである。

 CYP21は、ステロイドの21位の水酸化酵素。この欠損はコルチゾール欠乏によって先天性副腎随質過形成(congential adrenalhyperplasia)を起こす。また、コルチゾール欠乏によって17ヒドロキシプロゲステロンが産生し、アンドロゲン(テストステロン)過剰により男性化が起こる。

 CYP24Fは、ミトコンドリアにあり、25−ハイドロオキシビタミンDの24−水酸化酵素で、ビタミンDの不活性化を起こす。

 CYP26は、レチノイン酸水酸化酵素で、レチノイン酸は脊椎の発達・成長に重要な因子の1つで、水酸化によりレチノイン酸の働きが収束し、成長が止まると考えられている。

 CYP27は、胆汁酸合成系でステロール(ステロイド核A環の3位にOH基があるものの総称)の中間体の27−水酸化酵素で、側鎖の酸化では最初のステップに与る。ステロールが貯留する疾患、月削腱黄色腫症(cerebrotendinous xanthomatosis)はアキレス腱や神経組織にコレステロールやコレスタノールが異常沈着するもので、これは、CYP27遺伝子の変異によって起こる。コレステロールの体内からの消去はこの胆汁酸合成が唯一の道であるので、これが障害されると重大な問題が生じる。胆汁酸合成の最終産物はコール酸とケノデオキシコール酸で、これらは、またフィードバック阻害物質でもあり、産生されると、膿汁合成は止る。

 CYP40は、ビタミンDを活性型にかえるビタミンDの1−α水酸化酵素である。

 CYP51は、ラノステロール(コレステロールやェルゴステロールの前駆物質)の14−α脱メチル化酵素でコレステロール合成に与る。この酵素は、広く動植物や菌類にも存在する。ケトコナゾールのようなイミダゾール系抗真菌薬はこの14−α脱メチル化酵素の阻害阻害薬で、真菌のコレステロール合成阻害によって薬効を示すと考えられている。

 以上、1998年1月の時点で知られているヒトCYPについて概説した。

 表4に示したように、多くの薬物が異なった分子種で影響されるので、併用薬の組合せ方で重大な結果となる可能性があります。同じカラム内のもの同志は50%ずつ均等に代謝されるのではなく、CYPとの親和性が異なりどちらかに片寄る場合が多いので、片方の副作用が起こることとなるので、併用は避けるべきでしょう。また、強くCYPに影響する阻害薬が併用されれば基質薬物は代謝されず、毒性はさらに強くなり、逆に誘導因子が加われば薬効が減弱することになります。

 また、個々に適した投与量の設定を行う場合は、個々によって多型性が異なるためこれが明らかになれば、薬害を少なくすることが可能です。将来遺伝子パターンから副作用が予測され、投与計画や服薬指導に応用されるようになるでしょう。

 今後さらに多くのCYPが発見され、増々複雑になると思いますが、これらのことに留意して情報提供を行うことが不可欠と考えます。

おわりに

本稿前半部の内容について、現在の我国でそのまま実践することは難しい(薬品等は日本の現状に合わせた)とおもいますが、米国では薬剤師としてもっとも基本としているものです。多くの方は既に類似のことを多々実践されているかも知れません。また参考としたい方は、自分なりに変更・修正を加えて実践されれば結構です。

しかし、服薬指導には、これらの技術や個々の医薬品情報に精通していれば充分に成果を挙げられるかと言うと、必ずしもそうとは限らないところがあります。

一例をあげると、昨年S病院で行われた卒前の病院実務実習で、ある男子の実習生が、アルコール中毒で入院していた糖尿病と高脂血症の既往症を持つ60才男性患者の服薬指導を担当した時のことです。その処方薬(H−Blocker、抗精神病薬や睡眠導入薬)について説明している際に、患者がその実習生に2、3日前から以前にはなかった頭部の鈍重感を話したそうで、これを聞いていた立ち会いの指導薬剤師の助言でCTを撮ることになり、脳梗塞が新たに判明したのです。一般的に、この種の患者は中々口を開いてくれないそうです。患者が実習生の「熱意・真面目さ」あるいは「気安さ」にフト話したかどうかは不明ですが、経験豊富な指導薬剤師は「自分が直接服薬指導をしても同じ結果になっていたか否かは分からない」と私に話してくれました。脳梗塞ですから、実習生でなくとも、いずれこの病院で判明していたと思われますが、この疾患の進行度や他の既往症から考えると、その発見が速くても速すぎることがないのは自明の理でしょう。

ここで、では、熱意さえあれば可能だとか、医療倫理や哲学を述べる気は毛頭ありませんが、業務としてこれを的確に遂行するためには、やはり「QOLの改善」に如何に寄与できるかと言う姿勢が先ず重要であろうと考えます。すなわち、医療人としての「心」を如何に高い技術の上に実践するか、いや、患者の方が我々をそのように捉えているか否かによって成果が左右され(先例の場合は、実習生の態度やその場の空気と患者の心理状態が極めてうまく適合した結果と推察されるが)こそこに情報提供・服薬指導の難しさと成功した時の喜びがあると思います。この例は副作用等の発見ではなく、新たな疾患の発見と言うものでしたが、このような努力の一つ々の積み重ねが、おのずと個々の患者にとって適切な情報提供・服薬指導に近づくこととなり、薬剤師の新しい職能が確立すると考えます。

この拙文に対するご意見をお待ちしております。また、会員の皆様の実例あるいは問題点もご連絡いただければ幸いです。

福岡大学薬学部医薬品情報学教室
小野 信文
FAX:092−863−0389
E−mail:ononobu@psat.fukuoka−u.ac.jp

参考文献ならびに資料

1)Massachusetts College of Pharmacyand Allied Health Sciences:Eperiential Education Manual,Boston,Massachusetts,USA
2)日本医薬品集1997 日本医薬情報センター編 薬業時報社
3)坪井昭三、佐藤清美、中島邦夫、現代の生化学 第2版、p376、金原出版、(1992)
4)インターネットによって:Cytochrome P450sin humans(1998)  http://drnelson.utmem.edu/nelsonhomepage.html
5)佐藤哲男、仮家公夫、北田光一、医薬 品トキシコロジー、南江堂(1996)
6)石崎高志、チトクロム P450(cytochromes P450)の遺伝的多型性と向精神薬の代謝、臨床精神医学、26、137-152(1997)

表1−1.医薬品情報提供マニュアル
表1−2.医薬品情報提供マニュアル/表3.ヒトCYPファミリーと主要な働き
表4−1.ヒトの主要CYPと薬物代謝
表4−2.ヒトの主要CYPと薬物代謝

<フリートーク> 薬剤師の未来像 清水貞知(88才)

はじめに

日薬から21世紀に向かう薬剤師の指針として「薬局のグランドデザイン」の最終答申が公示されたのは昨年の1月である。

新世紀に向かって薬局、薬剤師が果たすべき社会的役割や、その在り方について如何にあるべきか、懇切丁寧に述べられている。又その冒頭には薬剤師の倫理規定、新世紀に処する薬剤師の心構え等について績々記述されているが、それに対して異論を挟む余地は無い。

だが、肝心の来世紀の薬局像に至っては些かお粗末。正直云って現在の緊迫した金融、経済情勢を全く無視した一人よがりな夢物語に終わっている。例えば標準的な薬局の未来像として、
   年間販売金額    1億6,000万
   処方箋枚数      35,000枚
   従業員、薬剤師 3.9人、他2.8人
   となっている。

今春には例のビッグバンとやらの嵐が吹きすさぼうとしているのに、日薬のこの考え方は余りにも時流に超然とし過ぎてはいまいか。

本文を作成したシンクタンクは矢野経済研究所だそうだが、その筋の専門家の助言がありながら何故こんな甘い判断しか出来なかったのか不思議でならない。

例のバブルの崩壊の兆しは既に平成2年3月、8月、日銀が公定歩合を6%と引き上げた事に端を発していると云われている。

当時地価の高騰天井を知らず、株はその年の大納会では3万8,915円15銭、東京市場の売買高が世界一となり、東京都心を中心とするビルの需要の増大、リゾート法の制定等で国を挙げてバブル景気に酔いしれていた。

それが一度そのバブルがあえなく潰えるや、あれよあれよと云う間に株価も地価も続落に次ぐ続落、今や金融機関は住専問題を皮切りに昨年は日産生命、三洋証券、拓銀、続いて大手証券の山一が破綻するに及んで「金融機関絶対安全」なる神話は雲散霧消してしまった。

以下蛇足ながら現在の金融経済情勢の一端に触れて見たが、その真意は如何に日薬の指導層が自己の世界に閉じ籠り、四囲の情勢を顧みないかを指摘したかった為である。

先の「薬局のグランドデザイン」なる中間答申が発表されたのは平成8年3月、最終答申が出されたのは実にバブル崩壊もいいところ、昨年の正月であった。

その序章に来世紀の薬局の規模をシミュレーションしたとあるが、肝心の危機に直面している金融財政問題には一言も触れていない。

薬局が社会から孤立した独善的な存在とでもあるかのような書きぶりだ。

こんな世情超然とした塀蹄した考えで、目まぐるしく変転する来世紀を云々する資格が果たしてあるか、疑い無きを得ない。

自分とて経済の専門家でもなければ、金融業者でもない。折に触れ、そこはかとなく経済関係雑誌を手にしたり、インターネットを通じて情報に接しているに過ぎない。

その自分が以下述べる薬局の未来像など決して傾聴に値するとは思っていないし、自負もしていない。

最初にお断りして置きたい。

規制緩和と薬局

規制緩和の決定過程の主なものは平成5年9月細川内閣の下で「緊急経済対策」として94項目の規制緩和を決定した事に始まっている。これに対し薬剤師会は業権の侵害、一部薬品が無資格者たるスーパーやコンビニに流れると猛然、反対運動に立ち上がった。

その頃、当市にも日薬から渡辺専務理事が来福、県薬剤師会館で反対気勢を挙げた。

その席、最後に私は立って「薬剤師が規制緩和に反対するのは分かるが然し規制緩和はいわば世界的潮流、そのとうとうたる流れに逆らって小船を竿差すのは益無き事、寧ろその体勢に順応して、その後の対策を考究する事こそ現実的ではないか」と発言したが、一笑に付された。

だが、薬剤師会のその後の反対運動が無駄だったとは思っていない。当方の要望にそい、一部修正されている。が、決して根本的解決には至っていない。又来るべき新世紀の薬剤師、薬局像は一つの指導指針として、亦理想論としては評価出来るが、現実的な姿では無い。薬局そのものが単なる営利追求機関ではないにしても経済的基盤を欠いでは存在し得ない。

その日薬、今一つの最大の課題は「かかりつけ薬局」の推進と「薬事情報」の提供である。

先ず「かかりつけ薬局」の整備普及から云えば、これもその指導方針は現市場の在り方からすれば多少ズレている。

御承知のように大店法の緩和によって都心には大百貨店がひしめき合い、のみならず郊外には広大な規模を有するスーパーがレジャー設備や、飲食店まで併設した施設を既設、或いは計画しつつある。

そのスーパー業界でさえ競争が激しく、この4月にダイエーは大川、佐賀、九州その他全国では4店舗を閉鎖し、これまでの戦略を根本的に練り直そうとしている。

郊外に大規模な店舗が移設されれば、当然ながらそれ等と共存して来た旧来の町並は空洞化する。

曾て博多の目抜き通りだった川端町はキャナルシティが開設されるまでは一頃寂れ、閑古鳥が鳴き、あちこちシャッターは降りていて、気の毒なくらい森閑としていた。

然し自由経済市場のこのトレンドは早急には改らない筈である。

すると、そんな死相の漂う町並みの中に、唯一人「かかりつけ薬局」が居座っていても経営は成り立つまい。

街区の空洞化に伴い当然人口も減少する。それに伴い患者が減れば医療機関も採算が採れず移転する。従って処方箋も来なくなるだろう。

これは極端な例かも知れないが、来世紀は一極都市集中が促進され、福岡市等の都市は益々人口が増大する一方、地方の過疎化は愈々進行すると予想されている。

「かかりつけ薬局」の未来像

日薬は「かかりつけ薬局」一辺倒の指導だが、以上の社会情勢を勘案すれば如何にそれが具体性を欠いだ総論的なものであるか、自明の理であろう。

一概に「かかりつけ薬局」と云っても、将来の都市の在り方、様相によっては雲泥の差が生じて来るのである。指針にあるような薬局の理想像は到底措き得まい。

では、都市型の薬局が安泰かと云えば、必ずしもそうではない。

却って、第三者、大型資本の導入によって大規模企業薬局が出現し、処方箋の大部分が吸収されてしまう懸念がある。

その妃憂は無用、薬剤師会や医師会その他行政の指導によって防げる、と云うかも知れない。が、その強権、規制が何時まで続くと思っているのか。まさに時代認識の欠除である。

権力、規制依存型の企業営業は今世紀で既に終わっているのだ。

その時、都市の流通機構も改善整備され、省エネルギー形の簡易な配送システムは確立されており、処方箋は医療機関から直接それ等大規模薬局に送られ、調剤薬はそこから患者各戸に届けられるであろう。

その際医療情報や投薬指導は?と云う問題が当然起るかも知れない。だがこれも懸念無用、パソコンは今の電話程各戸に普及し、取り扱いも至極簡単となり、同時に分進秒歩のマスメディアのお陰で音声による入力も可能になっている。パソコンをいじる事が得意だった時代はとうに過ぎている。

薬に対する疑問を生ずれば直接担当医か、看護婦に尋ねた方が適切な指導が得られるかも知れない。

勿論看護婦の資質も向上し簡単な服薬指導は出来るようになっている。医療チームワークの時代、薬剤師でなければ提供出来ない情報提供は他にあるべきだ。

新しい情報伝達法ODN

1月5日付西日本新聞によれば、福岡市では目下高度情報社会の対応を検討していると云う。

それは地域的に最も急進的な光ファイバー網の設置されている早良区百道地区にインターネットや光通信網を駆使して、マルチメディアの実験に挑戦すると云うものである。この計画実現の暁には在宅勤務も可能となり、通販から銀行預金の出入れ等が居ながらにして出来る事は勿論、医療の受診、相談等もわざわざ診療機関に出向かなくとも達せられると云う。まさにライフスタイルの革新である。

この組織的な試みは世界でも珍しいとか、その計画が実施されれば、その地区で医療の中心となるのは云うまでもなく国立医療センターである。

同病院には今でも多少の繋がりがあるので、その実現を期し、その際、薬剤部門が他のチームに伍して、如何程実りある活動が出来るか見守って行きたいと思っている。

「医療情報の提供」と薬剤師会では盛んに提唱しているが、これくらい抽象的で掴み所が無く、評価し難い事柄は無い。又その充足度はそれに携わる薬剤師の資質によって決まり、その差も千差万別である。事実、医師、看護婦、その他諸々の医療部門に伍して彼等と協調しながら薬剤師分野の独自性を発揮する事は至難の業と思われる。

それが若しこの計画の中で潰えたとすれば、根本的に薬剤師の医療情報提供は再考しなければなるまい。

正直云って、本質的に薬剤師は臨床向きには教育されていない。特に開局薬剤師の場合、患者も見ず臨床検査データすら知らずして、臨床的なコンサルタントに応じろと云うのが土台、無理な話なのだ。

副作用の問題にしても何処までが本来の症状で、何処からが薬による副作用か常時患者に接している者でなければ判別つかない筈である。

事実、新聞紙上等によって知る副作用問題にしても薬剤師の指摘により発見されたと云う重大な副作用報告例は聞いていない。

昨年薬剤師法、薬事法の一部改正によって副作用報告の義務が法律行為として薬剤師に課せられたが、私は困った事になったと密かに憂えている。

今後、重大な副作用問題が浮上する事があれば、必ずその責任の一端は薬剤師に問われる事は必定。一面、医師にとって緩衝地帯が出来た事で意を安んじている。

来世紀は訴訟提起がアメリカ並みに頻発する事は必至、医療訴訟は日常茶飯事に起こされるだろう。その辺の日薬幹部の知識の欠如、認識不足が何処まで薬剤師を悩ます事になるか将来を期待したい。

では未来の薬剤師、薬局像を如何に措くか、これが本命題であった筈だが、既に前置きが長くなって紙幅がつきようとしている。

しかもその主張する処、薬剤師にとっては暗い面ばかりで一点の曙光すら見えなかった。

ここで延々と結論を開陳するよりも一言、最も大切で基本的な事柄を披渡して結論としたい。

結 論

それは陳腐ではあるが「心」の問題である。客と云うより患者に接するには、何より愛と慈しみの心が大切である。これさえあれば、如何なる大企業が進出して来ようと、マスメディアの社会が到来しようと怯える必要は無い。

寧ろそれ等無機質な社会機構が進展すればする程、人間は生来の「心」に回帰する。

21世紀は機械文明よりも寧ろ宗教、哲学の時代だとも云われている所以である。

〜 医誠会新春のつどい〜

1月17日代議員会の会長選挙投票を済ませて、医誠会の新春のつどいに来賓として呼ばれた薬誠会の吉田斌会長と市薬の細井徹一副会長とソラリアホテルに向かった。医誠会は毎年この時期に会を催し、年頭の政局を聴かれている。

医誠会会長の挨拶、来賓の挨拶は特に厳しいものがあり、不況の中にあって医師会もその波に晒されていることを感じさせられた。

太田誠一氏より昨年末から今年にかけての政局の流れなどの説明があり、また薬価基準や診療報酬に関する話もあった。厳しさはひとり薬剤師会のみではなく、広く医療全体も包み込んでいることが分かった。そして高齢化社会を迎えるにあたって介護保険の財源等の話も国会の各委員会で真剣に話し合われていることが語られた。

来賓として薬剤師会より細井副会長の挨拶があった。酒の席でさらに太田誠一氏との親交を深め、かなりシビアな話も出ていた。医誠会が太田誠一氏にかける期待の大きさを感じさせた。

(上村義徳)

市薬の細井と申します/薬誠会会長の吉田先生

<会員の広場> 『環境問題 その4』 早良支部 原南部会 温和堂薬局 福岡秀樹

  あなたは未来の子供達に何を残してやれますか?

   ちょっとだけ視点を変えてみませんか
   ちょっとだけ考え方を変えてみませんか
   ちょっとだけ自分を変えてみませんか

   他人を変えることは難しくても
   自分を変えることは出来ます

   みんながちょっと変われば
   世の中すごく変わります

環境問題の投稿も4回目になります。今月も会報のページを使わせていただきます。

今回は本の紹介からさせていただきます。

『奪われし未来』
シーア・ヒルボーン
ダイアン・ダマノスキ
ジョン・ピーターソン・マイヤーズ 共著
長 尾   力 訳
              (翔泳社)
米で1996年に出版日本で1997年9月に出版

『沈黙の春』
レイチェル・カーソン 著
青 樹 簗 一 訳
              (新潮社)
米で1962年に出版日本で1964年に出版(『生と死の妙薬』として出版)日本で1987年に再版(『沈黙の春』として出版)

どちらも環境問題を取り上げた本としては、バイブルと成りうるものです。

是非読んでください。そしてその内容を回りの方に教えてあげてください。

【沈黙の春】

『沈黙の春』はアメリカで36年前に出版されたものです。昭和で言えば37年です。 「合成殺虫剤」の危険を警告した内容です。

合成殺虫剤は第二次大戦後急激に使用されています。「合成殺虫剤は戦争のおとし子」だと著者は書いています。化学戦の研究を進めるうちに、殺虫力のある化学薬品が色々みつかってきたのです。しかし、偶然にみつかったわけではないのです。人間を殺そうと、昆虫を実験に使っていたのです。 戦前は単純な無機系の殺虫剤だったのが、有機塩素系、有機リン系のような合成殺虫剤が作られてきたのです。

今では製造禁止になっていますが、有名なDDT。1938年に殺虫効果が確認されています。初めて使われたのが、戦時中のしらみ退治でした。日本でも同じ目的で使われています。映像で御覧になった方もいらっしゃると思います。又実際に御記憶にある方もいらっしゃると思います。 この時は粉末DDTを直接人間に振りかけています。そして大勢の人間が直接DDTに触れたにもかかわらず、その時融可も害が出なかったのです。 その為にDDTは無害だという事になってしまったのです。 昆虫伝播疾病の撲滅、作物の害虫退治に絶大な威力があるともてはやされ、爆発的に使用量が増えていったのです。 そして発見者の化学者パウル・ミュラーは1948年(昭和23年)にノーベル賞を受賞したのです。DDTはそれほど画期的だったのです。

しかしマラリア蚊をはじめ次第にDDTに耐性を示すものが現われてきたのです。そしてディルドリンをはじめDDTより更に強力な合成殺虫剤が開発されていったのです。 さらに悪いことにDDTをはじめこれら合成殺虫剤は人体に対して決して無害ではなかったのです。

確かに粉末のDDTは皮膚から吸収され難いのです。しかし粉末のままでは風に飛ばされてしまい効果が薄くなるので、DDTは油に溶かして使用されたのです。 油に溶かしたDDTは皮膚からでも吸収されます。そして脂肪の多い組織に蓄積されてゆき、人体に甚大なる被害を及ぼしたのです。

科学の進歩、文明の発達とは一体なんなのでしょう。DDTはノーベル賞まで受賞しているのです。

合成殺虫剤の開発の切っ掛けは戦争です。 世界で最初の「実用原子炉」も同じように戦争のため、核兵器生産のためにつくられています。

合成殺虫剤の危険を警告した『沈黙の春』が発刊された1962年から71年にかけて、ヴェトナムでは米軍により大量の枯れ葉剤が散布されました。 そして『ダイオキシン』による被害が発生し、今もまだその被害は続いています。これも戦争です。

現在その『ダイオキシン』は焼却炉から発生しています。大量消費のなかから出てくる大量のゴミを燃やすことによって。 大量生産、大量消費のおとし子。これも又経済戦争という戦争の産物です。

今普及し始めている「カーナビゲーション」も、軍事目的のた桝こ開発されたものを民間に普及しているのです。 東西の緊張が崩れ、軍事目的に開発された技術が、今民間にどんどん開放されています。私は何だか恐い気がしています。

ちょっと話がそれたついでに、今「インターネット」が急激に普及しています。 「インターネット」は国境を越え世界を繋ぐとまで言われています。 確かに便利なそして必要な面も多々あります。

しかし既に「インターネット依存症」という新しい病気が発生しています。

インターネットは確かに、瞬時にして世界中とコンタクトを取ることが出来ます。しかし一つだけ忘れてはならないことがあります。スイッチを切れば、その繋がりはもう終わりなのです。 だからスイッチが切れない。依存症です。

女子高校生や若い人の中に「PHS依存症」というのも出てきているそうです。 PHSは携帯電話と違い電波の届かない場所が多くあります。PHSの電波の届かない場所に行くのが恐い。友達から隔離されたような気持ちになってしまう。 このような依存症が社会問題になりつつあります。

科学の進歩。戦争はこの科学の進歩のスピードを遠くしました。 そして私達はその科学の恩恵にどっぷり漬かっています。 「科学の進歩は人類に課せられた大きな課題」だと思います。 しかし、それが「果てしなき人類の欲望」に変わってはならないはずなのです。

携帯電話、PHSが普及し出したのはいつ頃からだったでしょう。少なくとも急激に普及し出したのはここ数年です。 今仮に、携帯電話、PHSの電波が全て遮断されたと想定してみてください。社会の機能が停滞するとまではいかなくても、ちょっとしたパニックが生じるのではないでしょうか。 少なくとも10年前なら何てこと無い事です。10年という年数はそんなに昔ですか? もしそうであるなら、今の時代の流れが異常であるとしか思えません。

環境問題の話から随分脇道に逸れてしまいました。 しかし、今の環境問題はこの「人間の果てしなき欲望」から生じているものばかりなのです。 動物にだって、植物にだって争いはあります。しかしそれは生態系の中のバランスの中にあるのです。全てを破壊することはないのです。 人類も地球上の生態系の中にいます。人類だけが生態系のバランスを崩しているのです。

【奪われし未来】

『奪われし未来』は、日本では昨年の秋に出版されました。TVでもダイオキシンや環境ホルモンの特集でこの本を紹介している事もありましたので既にお読みの方も多いかと思います。

『沈黙の春』では、合成化学物質の遺伝子異常やガン誘発について警告していました。又、ホルモン作用の撹乱と生殖異常を誘発する恐れがあるという仮説もたてて警告しています。

『奪われし未来』は、ホルモン作用の揆乱と生殖異常を誘発する「内分泌擾乱物質」に焦点を当て警告しています。

本文の中で「地球を保護しているオゾン層にぽっかりと大きな穴が開いたり、ヒトの精子数が激減している。これは地球を蝕んできた病の二大兆候である」と述べられています。「オゾン層破壊」につきましては別の機会に触れさせて頂きますが、「ヒトの精子数減少」は「不妊」に繋がり、「人類の種の保存」という問題にまで発展します。

勿論、「内分泌授乱物質」は女性の不妊に対する影響もあります。「不妊症」といえば、これまで多くの女性の問題としての意識のほうが強かったと思いますが、男性にも既に大きな影響が出ているということです。

米国生殖協会の専門家によると、現在では不妊の約40%は男性に原因があるということだそうです。

フランスでは、1945年生れと1962年生まれの男性の、それぞれ30歳の時の精子数の調査の比較をしています。 結果は次の通りです。

1945年生れ …‥…精液1mg中
(昭和20年生)   精子数−1億200万個
1962年生れ ……‥精液1mg中
(昭和37年生)   精子数−5100万個

この減少傾向が続くとすると、2005年に30歳になる男性(1975年生=昭和50年生)の精子数は3200万個になると危慎されています。

南山堂の医学大事典では、精子数について、以下のようになっています。
正常精子数・・・・8000万〜1億個/ml
乏精子症・・・・・4000万個/ml以下
比較的不妊・・・・4000万個〜1000万個/ml
絶対不妊・・・・・1000万個/ml以下
無精子症・・・・・1万個/ml以下

精子数の減少は数ある問題のほんの一つにすぎない、とも警告しています。 精巣ガンや生殖器の奇形も激増しているのだそうです。

1993年に英国で「男性の精子数の低下と生殖器の奇形は、胎内でエストロゲンに汚染された結果だ」という論文が発表されています。 このエストロゲン汚染は天然のエストロゲンだけでなく、擬似エストロゲン作用を示す内分泌擾乱物質が含まれるのです。

1938年に英国のエドワード・ドッズがDES(ジェチルスチルベストロール)という科学物質の合成に成功しました。 DESは「合成エストロゲン」と呼ばれ、体内で天然エストロゲンのように作用するという事で、当時は奇跡の薬として賞賛され、流産予防だけでなく快適な妊娠期の保障という広範囲の使用がなされていたのです。

1938年はDDTの殺虫効果が発見された年です。DDTでは発見者がノーベル賞を受賞しましたが、ドッズも功績が認められ英国でナイトの称号を授かっています。 しかしDESもDDT同様に時間の経過と共に、人体に対しての悪い影響が次々に報告されてくるのです。

中でも悲劇はDESが流産の予防に何の効力も発揮しないどころか、DESが流産、早産、新生児の死亡に拍車をかけていたのです。 若い世代の女性の膣の明細胸腺ガンが増えていることに気付いた医師が、その母親達が妊娠中にDESを投与されていたという事実に気付き、DESがガンを誘発するという事実が認められていったのです。

DESは天然エストロゲンと同じような作用を示します。では構造式が似ているのでしょうか。図−1に構造式を示していますが似ても似つかないものです。 ところがDESとDDTの構造式が似ているという事に気が付いた研究チームがあり、DDTにも内分泌擾乱作用があるという事が分かってきたのです。 内分泌擾乱物質は次々に発見され、私達を取り巻く環境の中に溢れていることがわかってきたのです。

1991年に『奪われし未来』の著者をはじめとする科学者が集まり、内分泌擾乱物質が環境に及ぼす影響とその現状について討議され、「ウイングスプレッド宣言」がなされています。 その宣言の確認事項の中で「内分泌系撹乱物質」として次のようなものが上げられています。

図−1

DDT、その分解物質のDEHP(フタル酸ジェチルヘキシル)、ディコフォル、HCB(ヘキサクロロベンゼン)、ケルサン、ケボン、リンダンおよびその他のヘキサクロロシクロヘキサン類、ヘトキシクロル、オクタクロロスチレン、合成ピレスロイド、トリアジン除草剤、EBDC殺菌剤、ある種のPCB類 2.3.7.8−TCDDおよびその他のダイオキシン類、2.3.7.8−TCDFおよびその他のフラン類、カドミウム、鉛、水銀、トリブチルチンおよび他の有機スズ化合物、アルキルフェノール(変性ポリスチレンおよびPVC中に存在する非生分解性洗浄剤と酸化防止剤)、スチレン二量体、スチレン三量体、※大豆製品、実験動物およびペット用食品

内分泌攪乱物質の議論は、DDT、PCBそしてダイオキシンに焦点が絞られることが多いそうですが、これはこの三つについてはある程度の研究データが揃っているからだそうです。

プラスチック製の噛乳瓶から溶出していたとして最近ニュースになりました「ビスフェノールA」‥‥‥これも内分泌攪乱物質です。

内分泌攪乱物質のリストの中で「あれ?」っと思われるのは「大豆製品」ではないでしょうか。 植物の中には、捕食動物からの護身のために、進化の過程の中で擬似エストロゲンを生み出しているものがあるのだそうです。 これまでに16以上に及ぶ植物類から、少なくとも300種類以上の擬似エストロゲンが見付かっているのだそうです。

例えばマリファナは、陶酔感覚を誘発する以外に、精巣に作用してテストステロンの合成を阻害したり、月削こ作用して黄体形成ホルモンを抑制する働きがあり、大量にマリファナを摂取した男性は「女性化」するという研究報告もあるそうです。

合成された内分泌攪乱物質と天然の植物擬似エストロゲンでは体内の残留が全く違うそうです。植物性では1日もあれば体外に排泄されてしまうそうですが、合成された内分泌攪乱物質は何年も残留してしまいます。

植物の擬似エストロゲンの人体に対する影響は研究が始まったばかりで、まだ何とも言えない段階のようですが、「ダイズを含む乳児用調合乳には問題あり」と警告する科学者もいるそうです。

内分泌擾乱物質の最大の問題点は、少量なら危険の無い物質でも大量になると猛毒になることがあるという、量一反応曲線という考え方が当てはまらないのです。 ここが毒物や発癌性物質の分析との大きな違いなのです。

摂取量が多くなっていくと、ある時点から逆に影響が少なくなっていくという場合もあるのです。 内分泌攪乱物質は、「汚染量」よりも「何時汚染されたのか」の方が、はるかに重要なのです。 最も危険なのが妊娠中であり、その影響は母体よりも胎児のほうに及ぶのです。

著者は「ガンは個人の身に降り掛かった場合、悲劇以外の何物でもないが、人類の存続を不可能にするわけではない」「内分泌攪乱物質は、生殖能力や発育を知らず知らずのうちに蝕み、その影響が及ぶ範囲も広い。だからこそ、種全体を危機に陥れる恐れがある」と述べています。 そして「生殖力が衰退することで、不妊に悩む個人の健康と幸福のみならず、数十億年にわたって生命の複製を支えてきた繊細な生命システムが冒されている」と警告しているのです。

ヒトの精子数が明らかに減少しているという事実は認められています。それ程の汚染であれば脳の発達や行動にも異常が生じる可能性も十分あるのです。

現在私達を取り巻く環境には、数千種類の合成化学物質が存在しています。 それがヒトの思考や行動にどのような影響を及ぼすかについては殆ど分かっていません。

しかしこれまでの研究の中で、ごく少数の化学物質については分かっている事実があります。その報告されている行動・学習障害の例は、現在学童の中で頻繁に見られる症状によく似ているそうです。

例えば、米国では「多動症」や「注意散漫」等の症状から、学習に支障をきたしている学童児が5〜10%いるそうです。 又、「記憶障害」やペンが持てない、文字が書けないといった「運動機能障害」による学習障害も多数報告されているそうです。 PCBとダイオキシンは、出生前の脳発達の要というべき「甲状腺ホルモンT4」にも作用するようだ、という報告もあるそうです。 出生前にPCBにさらされていた場合、学習障害と多動症が見られる、という報告もあるそうです。

内分泌攪乱物質によって生じたホルモン・メッセージの撹乱が、学力不振、家庭崩壊、幼児無視や幼児虐待、社会に蔓延する暴力等とどれくらい関連しているのか、詳しいことは分かっていません。 しかし、大学を希望する高校生の学習能力適性テストの成績が、1963年(昭和38年)をピークに急激に下降し、ほぼ20年の間下降の一途をたどっているそうです。これは何を意味するのでしょうか。

現在、IQの標準値は100です。全体の2.3%がIQ130以上あるそうです。 今見られるレベルの汚染物質でもIQが5点滅になるのに十分なのだそうです。 IQ130以上の人口比率が1%を切ってしまうと、社会は将来、一流の医師、科学者等有能な人材の半数以上を失う計算になるそうです。 又、特別な治療教育が必要な学習障害者が大量に生まれる事になるそうです。

生殖機能や発育に対する障害、そして学習障害。すべて人類の存亡に関わる問題です。 内分泌攪乱物質との因果関係がすべて実証されていなくても、可能性は非常に高いのです。証明されるまで対策を待っていては、分かった時には手遅れになりかねないのです。 私達はその過ちを何度も繰り返してきたのです。

内分泌攪乱物質の大半は合成化学物質です。科学の進歩とともに生まれたものばかりです。人類に課せられた「科学の進歩」という課題、でもそれはやはり「果てしなき欲望の追究」に置き換わっていたとしか思えないのです。

そしてその為に障害を背負わされてしまった人がどれだけいるのでしょうか。 その人達を私達の社会は本当に救っているのでしょうか。

銀行を助けるために30兆円のお金を用意するのもいいでしょう。経済基盤を安定させ、社会を安定させる為でしょうから。 でもその後に控えているのは、もっと大きな「果てしなき欲望の追究」ではないのでしょうか。 競走原理による進歩って何なのでしょうか。このようなことを考える私はただの敗者なのでしょうか。

宇宙船に乗って遠い遠い星に行ったと想億してみてください。そこから見える地球を禿像してみてください。 遠い遠い星から見る地球。それは一つの星でしかないはずです。 そこに住む人類、そして動物、植物すべて含めて地球なのです。一つの星なのです。 遠い遠い星から眺める夜空に浮かぶ、沢止の星の中の一つでしかないのです。 そしてその夜空すべてが宇宙なのです。すべてがひとつなのです。 私達人類は、地球のそして宇宙のバランスを崩してはならないのです。

今回は、最後に「あの時へ」という詩を寵介して終わらせていただきます。

あの時へ

<会員の広場> FIPバンクーバー大会 城南支部 友泉部会 薬局しきまち 式町寛美

「誰か行くのかなー」とぼんやり募集案内をながめていた。「カナダかあ。国際大会かあ。かっこいいなあ。行きたいなあ」と参加動機はかなり単純。実は出発の時までFIPとは何の略だか知らなかった位なのだ。(ちなみに FederationIntemationalPhamaceutique です)1997年8月31日から9月5日、参加国約80ヵ国、参加者3000人、日本人参加者92人、バンクーバートレンドアンドコンベンションセンターで第57回FIP国際大会が開催された。

大会のメインテーマはTaking Responsibirity for the future.(将来に責任をもとう)私は自分のこの旅のメインテーマを「恥をいっぱいかいて、いっぱい楽しもう」ということにして、福岡から1人、カバンには英和和英の大きな辞書をもって、興味しんしん、不安どきどき、出発した。

まずは、開会式、日本薬剤師会の副会長さんと理事の方の隣におじゃまして参加。BC州の先住民族の踊りからはじまった。カナダのインディアンは、黒潮にのって日本から渡った人達ではないだろうか、という本を読んだことがある。髪も黒く、自信に満ちた顔、親しみのようなものを感じる。なにより、あの太鼓の音。感動とこれからはじまるなという期待とが混ざって鳥肌がたった。

今回のホスト側の長を務める方の挨拶があり、次のBC州の知事さんの挨拶ではプリンセスダイアナの事故死について冥福を祈った。(カナダはイギリス領だったからか、イギリスセンターのまわりは冥福を祈る人たちで人だかりになっていた)

次にWHOの代表者の話があり、次にFIPの会長さんは「drugにinformationを加えてはじめてmedicineになるのだ」「理想は星のようなものである。我々はそれらに到着しえないかもしれない。しかし我々は到着すべく努力を続けなくてはならない」などとおっしゃっていた。

イギリスセンターにてlargeサイズのFIP会長のMr.D.Steinbachとsmallサイズの私

次にいろいろな受賞式が行われて、カナダを紹介したビデオが上映され、開会式は終了した。開会式の後のopening ceremonyは立食ワインパーティーだった。日本だと食べ残す位、食事が出てくるのに、食べ物の少ないこと。はじめがっかりしていたけれど、食べることではなく、会話することが目的なのだから当然なのですね。反省。

ソマリアから参加の美人2人。インドネシアの陽気なおばちゃん。札幌大学の先生に紹介してもらったカナダ大学の教授など、ここでもいろいろな出会いがあった。

大会は14のシンポジウム、10のフォーラム、10の部会、240のポスター発表などで構成されていた。

私は薬用芳香植物の部会に参加した。他の日本人の方々はそれぞれ好きなところに参加されていたのでこの部会は1人だった。1番前に座った。ここでは日本語通訳などはもちろんなく、まあなんとかなるだろうと意気込んでいたが、なんともならず、意見を求められたらどうしようと思いながらとりあえず、真剣な顔をして座っていた。

カナダの薬草の紹介があっていた。それからやっぱり、どこでも自然志向がはやっているらしく、お金もうけが好きな人もそれがちゃんとわかっていてひどい商品も出まわっていて、「こんなパッケージには気をつけて」「ちゃんと知識をもちなさい」なんていう注意もあった。 なにやらこの辺りではみんなどっと笑っていた。訳がわからないくせに、私もついでに笑っていた。意見が活発に出る部会だった。

私と同じ年ぐらいの中国の人もさかんに手をあげて質問していた。私はノックアウトされた気分だった。日本から質問したいことをノートにいろいろ書いて行っていたのになんとまあ英語力のないこと!!まだ自分は鎖国している、おいていかれちゃうなと反省、反省。

デンマークのポスター発表ポスターセッションは日本の発表の方と一緒にまわった。国の色というのがあって愉快だった。内容はともかくとして発表方法が愉快だった。
 デンマークからの発表はパッチワークで、文字なんか一文字もない。おすもうさんの絵柄が入っていたりして。切り絵で表現していたり、写真だったり、立体だったり、なんでもOKよって感じ。日本のはまじめで文字ぎっしりなのだ。これもOKよって感じ。ワンドーズパッケージもおもしろかった。簡単なプラスチックと紙でできていた。

「日本人の老人で1回に10位の薬を服用している方もいらっしゃるからもっと大きいのはないか?」と聞いてもそんなのはなく、必要性があまり理解できないらしく、みんなであははと笑うしかなかった。

他にも赤いマフラーをみんなつけて参加するエイズ克服のためのFIPとWHOの合意調印式や病院見学会など難しそうなこともいろいろあったりしていた。

会場外活動(?)もずいぶん楽しんできた。

ウイスラーとヴィクトリアに行った。ウイスラーはバンクーバーよりまっすぐ北にのぼる位のところにある。針葉樹の山が連なり雪雪雪。リスも走る。私にとってはこの自由で自然な空気が薬だな、なんて大自然の中で思った。

動機はかなり単純だったけれど本当におつりがくるくらい、いい旅だった。なによりもいろいろな人達と出会えたことがよかった。

一緒に参加した人達と飛行機の中からずっと一緒に行動してくださった方には本当に色々なことを、女性薬剤師の立場から本音で教えてもらったし、上田市の先生にもごちそうになったし、お役所で働いてある方、大学の方、何回もFIPに参加しているという82才の方などなど、言い出したらきりがないくらい。
 「式町さんのところの娘さん?お姉さんのほう?妹さんのほう?」なんて質問はこないから気が楽で勉強不足は棚にあげて聞きにくい事だって何だって質問できた。もちろん恥もいっぱいかいた。

FIPには参加したというより、見学してきたという感じだったけれど、いろいろなパテナ?がみえてきたし、狭い世界にいると見えているものが限られている気がするし、20代、頑張ろうと思った。『薬局から飛び出そう』企画第2弾、ただ今計画中。

次回はエジプトのカイロです。今のところエジプトは恐ろしいので次回はやめておきます(バンクーバーで一緒に行動してきた人達と次回国ではポスター発表しようよ!!とはりきっていたのですが)。

ちなみにProtocols and Guidelines for pharmaceutical careとGood Pharmacy Practice Seminarの録音カセットテープがあります。 聞いてみたい方は御一報下さい。

TEL 865-9213(薬局しきまち)

【放言行(ホウゲンギョウ)】

1月7日4時30分に、放言行で地元の田友会、振興会、自治連が集まった。あたりはまだ暗く寒さが身に染みてくる。お神酒を飲み、すぐに振れ太鼓が出発した。その間テントの準備にはしごや竹の用意にと忙しくなってきた。子ども会は豚じるとぜんざいの用意に女性協議会もまじって慌ただしくなってきた。西日本新聞社、KBCも駆けつけいよいよ本番を待つばかりとなった。

4日に準備を行なった。10m四方の青いシートを2枚敷きその上に30p間隔で縄を並べていく。その上に藁を満遍なく先細りで敷きつめていく。さらに竹を中に入れて、縄の両端を二本ずつ持ち、両側からかけ声をかけ合いながら藁と竹を包み込んでいく。そこからが大変で、仮に結んでおいて順次根元のほうから締め上げていく。縄がからまないように「海」「山」などとかけ声をかけながら方向を定め、二重に締め上げていく。根元は直径が1m余りになる。高さは10mを越している。大きいほど迫力があるが、本番で立てられなければ何にもならない。一度立てられずクレーン車の助けを借りたことがあるが「立てられないものは作るな」と問題になった。

いよいよ本番である。合図で20名ほどが両側から縄を持った。かけ声と共にじわじわと立てていく。はしご5・6個で突っ支い棒にして、竹を持った10名ほどが高いところを突き刺して微妙なバランスをとっていく。根元から3分の2程のところに取り付けた4本の綱は45度過ぎなければ引っ張らない。引っ張っても根元が滑るのだ。無事立った。飯盛神社の神主の祝詞があり早良区長、振興会長、連合会長の挨拶が終ると火が入った。途中の縄を2・3カ所切ると藁がパラパラと落ちて火が燃え盛った。時々パンパンと竹の弾ける音が響いた。

子ども会の豚じるを食べ、竹筒で欄をつけたお神酒を飲んだ。お神酒には煤が金粉の様に舞っていた。

(上村義徳)

<フレッシュさん> 「テニショク」から「テンショク」へ 中央支部 春吉部会 藤原薬局 田口万智子

福岡県で保険薬剤師として勤務すること13年。また福岡市民になってはや9年。そして昨年、やっと、めでたく福岡市薬剤師会の“フレッシュさん”の仲間入りをさせていただきました田口です。品格高い福岡市薬剤師会のメンバーとなる時には、認定薬剤師証を携えて…と思っておりましたが、手元に届かぬ一足先の入会となってしまったのが少し不本意です。藤原先生お許しを。

福岡市薬剤師会の研修会には、しっかりと参加させていただき、資料もちゃっかりいただき、会長の藤原先生からは藤原薬局の従業員としてお給料をいただいておりましたのに、長い間古巣の筑後あたりを漂っておりました。

また最近は、教えている専門学校(薬局助手コース)の教え子達が、市薬のメンバーの先生方の薬局でスタッフとして採用され始め、一重にも二重にも市薬のお世話になっている私です。

大学を卒業し当時としては珍しく製薬メーカーに勤務したのもつかの間、両親の看病で地元大分に帰って調剤薬局に勤めることになったのが私の薬剤師人生のスタートです。

20年近く前、調剤薬局(医薬分業)から、まして現在でも分業の難しい科の一つといわれる精神科、心療内科から出発できたのは幸運だったかもしれません。1日200枚以上の処方箋と充分なスタッフ数に恵まれてルンルン気分(その頃にこの言葉が流行っていたのです)でやっていたところに、突然やって来るのは厚生省の立ち入り監査。

情け容赦のない指導も、薬剤師人生の“コヤシ”と素直に受けとめたのは若さのせい?それ以来、保健所や保険課ぐらいでは驚かなくなったのは、この経験のせい?…それともトシのせい?

メーカーからの転職時や、20代で両親を亡くし、“みなしごマッチ”となった時も、路頭に迷うことがなかったのは、ひとえに“手に職”なる“薬剤師免許”のお陰。

そしてめぐり会ったっれあいが土方屋(ドカタヤ)で、沖縄を皮切りに転々と現場をまわる度に、私も転々と調剤薬局を渡り歩くことになった時も、“テニショク”は大いに役に立ってきました。「奥さんはテニショクがあっていいわね」と言われていっもにっこりしてきた私。それなのに、…それなのに、このありがたーい“テニショク”という言葉、最近耳障りに聞こえるようになったのは何故????? そうそう、…そうなんザンス。“テニショク”にはプロフェショナルな響きが無い…と思うのは私ひとりの偏見? 

一方、3K(懐かしい言葉)職業のはずのドカタ屋のつれあいは、これからはISO(国際規格)だ!国際資格だ!と騒いで現場をまわっている。 3Kでも“天職”…いつの間にかサマになってきたじゃない。なんとなくプロフェショナルじゃない。そうそう、…そうなんザンス。 もうこの道20年、そろそろ私も“天職”にしたいのです。

「田口さんにはテンショクがあっていいわね」といわれる日をめざしてがんばりますので市薬の先生方、今後ともよきご指導のほどよろしくお願いいたします。

<研修>

いろいろな研修会が行われています。学術的なもの、薬剤師職能を模索するもの、実用的なものなど内容は多彩です。今回は研修会に出席されていた方に御意見を伺いました。 (M)

勉強会へ行こう。 博多支部 浜部会 大賀薬局 中呉服町店 橋本理枝

私にとって市薬で開かれている数々の勉強会は非常に貴重であり、また欠かせないものになっています。大学を卒業してすぐに薬剤師になった先生方には私の意見は余り参考にはならないのですが‥‥‥。私は大学を卒業して13年になり、そのうち薬剤師生活はやっと5年目を迎えます。大学卒業後は何をしていたかと申しますと、薬剤師のお仕事とは余り縁の無い某メーカーの研究所でマウスと戯れたり、顕微鏡を覗いてはまあるいお顔のハイブリドーマさんの数を数えておりました。 その為、私にとって何よりも有り難いのは諸先輩方の御指導と勉強会であるわけです。

最初は目にとまった勉強会には出来るだけ出席しました。色々有る勉強会の中でも私が多く出席しているのは処方検討会でしょうか。薬剤師の先生方のお話と各メーカーの方やドクターのお話は、どれも非常に参考になりました。又、昨年5月からは九州大学薬剤学教室の澤田教授のゼミにも参加させて頂いておりますが、やはりあの緊張感が大好きです。

私は昨年10月に「作用部位における相互作用」の担当をさせて頂きましたが、テーマが難しいので忙しいなか来て下さる先生方の事を考えて出来るだけ有意義だったと思ってもらえる様にと準備をしましたが、結局は一番有意義な時間を過ごしたのはこの私でした。

私のこの少ない経験をもとにして言える事は、勉強会もただ聞いているだけではなく、各人が参加できるタイプのものが楽しいのではないかという事です。澤田教授のゼミは各人が参加する事が出来るので非常に面白くためになります。出席するのをためらっている先生方は重い腰をあげて、是非参加してください。

最後にこの場をお借り致しまして、いつも私達の為に勉強会・講演会をお世話してくださっている先生方に心から感謝の意を表したいと思います。

4月からの澤田教授のゼミは「ファーマコキネティツクス」についてです。難解な式は使わずに、御教示下さるようです。 ゼミに参加して「ファーマコキネティツクス」を克服してみませんか。 (M)

<研修> 去年の公的介護保険研修会の老人ホーム見学会から
今年の保険薬局セミナーで思った事
大賀薬局 前原清志店 山下幸慈(ユキジ)

私の勤める薬局は調剤中心だが、OTC薬もあり介護用品も置いている。投薬する患者さんのうち半数以上はお年寄りではないだろうか。そのお年寄りの中の一部の患者さんは、何をどう説明しても理解してくれない。服薬指導といっても「一包化したお薬を朝昼晩と間違わないように服用して下さい」と言うのが精一杯なのだ。そんな時、薬の知識は何の役にも立たない気がする。家族といっしょに住んでいるんだろうか、お薬の管理をしてくれる人が同居しているのだろうか、お薬をもらいには来てくれないのかなと思う。

今、デイケアサービスというのがある。そのデイケアのお年寄りにお薬をお渡しする仕事がある。薬局の窓口とは少し、かってが違う。お名前を呼んでも患者さんは来てくれない。このデイケアの中でのゲームが終り、おやつの時間に薬剤師がその席まで行って薬を渡す。薬の説明をし、薬の負担金を頂く。去年の9月から老人にも薬剤負担金がかかるようになった。8月までは、お薬の説明をし、相手がうなずけば、こっちはわかっている人だとばかり思っていたがお金を頂くようになってから、何もわかってなかったんだなあと思う患者さんがいるのがわかった。家族からお金をもたせてもらっていないので、薬袋の中に負担金のお知らせをいれ、次回にお金を頂くという形で落ち着いている。投薬、服薬指導というよりも、薬をくばりお金を徴収するという現状だ。

医療費のふくらみすぎということで老人にも負担金が課せられたわけだが、医療費のふくらみ過ぎ以外にも問題は別にもたくさんある。規制緩和、介護保険の成立、薬剤師の社会的位置、薬の知識を増やし、処方検討会や学術研修会に参加し、薬に詳しく、服薬指導にその知識を生かせるようにすれば、自分も満足、患者さんにも喜ばれると思っていたが、そんな事が全然役に立たない事もあるなあと一部の老人に投薬するときに思う。

そんな時に公的介護保険研修会の老人ホームの見学会のお知らせがあり、興味ある方は参加をということで、行くことにした。去年の12月6日の事だった。どんな老人たちがいるのか興味があった。ホームはとてもきれいで体が不自由でも入浴できる設備もそなわっていた。直接入所している方と話す事はできなかったが、大きなよだれかけをしている老人が介助をうけながら食事をしていた。私はこの人たちに投薬しても何も伝えられないかも知れないと思った。しかしこんな施設に入れる人の数は限られていて、入れない多くの方がいるそうで、そんな方々は自宅で家族の介護を受けている。その手助けの一つとしてどんなサービスが必要かをプランするケアプランナーとして、ケアマネージャーに薬剤師もなれるということだ。

薬に詳しい薬剤師よりもケアマネージャーの方を老人や老人を持つ家族は喜んでくれるのかもしれないと思った。そしたら、薬剤師とはなんだろう。何をやってきたんだろうなんて思ったりもした。

年があけて保険薬局セミナーに出た。佐谷圭一先生のお話の中に薬剤師の存在価値をアピールするために、時代は全てインフォームドコンセント、日々の服薬の中で副作用の早期発見のために、取り込んだ情報を厚生省にフィードバックすると以前のキノホルムや、サリドマイドを防げたかもしれない。そうすることが国民にも国にも保険薬局が医療費の拡大をするばかりではなく存在価値をアピールする方法だというような話だった。ここに答えはあったんだと思った。日々の服薬指導の中で、患者さんとのやり取りの中で、薬剤師の存在はアピールできるんだと、日々の業務に自信をもっていいんだと思った。

社会の動きにも目を配りながら、日々の業務に自信を持ち、自分の積み重ねてきた服薬指導を信じて、薬剤師の存在をアピールしていこうと思った。1月11日の保険薬局セミナーで一年の計が立ったかなと思った。

<研修> 「生活習慣病とその治療」の講演を聴いて…

九州大学医学部心療内科:久保千春教授

今、もっとも注目の教授ではないでしょうか!とても興味深く聞かせて頂きました。

病気とは…生活習慣病とは…から始まり、ストレスの原因・対応それにカウンセラーの大変さまで面白く傾聴致しました。今まで心療内科というと、大学病院からの院外処方でしかお目にかかったことがなかったのに、TVドラマ「心療内科医涼子」が放映され話題に上がるくらい世間に浸透しているのには驚きます。新規に心療内科クリニックが増えつつあるのも現状です。三環系・四環系抗うつ剤がズラッと並んだ処方箋を手にする機会も増え、薬剤情報・服薬指導により難しさを感じさせられます。

また機会あらば、久保教授の講演会をお願いします。

(M.H.)

九大医学部 心療内科 教授 久保千春先生”研修”を支える首脳陣

<研修> 1/10,000になりたい
〜県薬の保険薬局セミナーに出席して〜

先日NHKのニュースで、薬害エイズの会が「Hブロッカーのような重篤な副作用がある薬は、薬局での販売はできないようにして欲しい」と厚生省に申し入れをしたと報じていた。同会が東京都内の20数件の薬局でHブロッカーを購入したところ、納得できる薬の説明のあったのは1軒だったという。

薬害は二度と繰りかえさないと活動する彼等の願いは薬剤師のそれでもある。また朝日新聞には「かぜ薬、副作用・誤飲に注意」「体調崩したらすぐ医師に相談を」「全身の皮膚障害や胃痛も」「包装ごと飲み、のどに傷」「国民生活センター呼びかけ」などの見出しが踊る。このような薬に対する社会の不安に、薬に責任のある薬剤師はどう答えていけばよいのだろう。

昨年7月から副作用モニター報告制度は、全医療機関を対象とするなどの充実・拡大が図られ、個々の保険薬局もその対象になっている。1月に行われた県薬主催の保険薬局セミナーで佐谷圭一先生は次のような話をされた。「全国で3、4万軒の保険薬局がある。そのうちの1万軒が年1回、厚生省の安全対策課?医薬品安全性情報(副作用情報〇TC薬を含む)を送れば1万件の情報が集積される。この数字は薬害の見張り番としての薬剤師を社会にアピールできる」と。また「報告対象となる情報は、良く知られている軽微な情報は除くとあるが」との、会場からの質問に答えて「情報の評価は、中央薬事審議会の副作用部会で行うので、これはおかしいと思ったら、どんどん送って欲しい。情報が集まることによって、今まで考えられていた以上の副作用頻度があるかも知れない」と。

私達は熱心にきちんと服薬するように患者に勧める。それに従って服薬したときに副作用が出るかもしれない。薬には副作用が付き物だから。その時はいち早く気付き、対応するまでが服薬指導であり、患者に対する務めである。そのためには副作用感知センサーが、鋭敏に反応するようにトレイニングが必要だ。重篤なものはもちろん、軽微にみえる副作用もQOL・ADLに影響を与える。これは特に高齢者にとっては大切なことだ。副作用を見つめる眼は、在宅医療ひいては介護保険における薬剤師職能であると思う。しっかり患者を観察するなかで副作用に気付き、年に1度は医薬品安全性情報を送りたい。そして佐谷先生の言われる1万軒のうちの1軒の「医薬品等安全性情報協力施設」になりたい。

薬剤師がこつこつ副作用情報を集めれば直接的な回答にはならないが、薬害エイズの会の方々に、ひいては社会に、薬剤師は薬害の見はり番として機能しているとアピールできると思う。

(M)

関連原稿がお知らせのコーナー(P.70)にあります。
〜みんなで副作用モニターになろう〜

<在宅介護>

介護保険の開始は目前にせまっています。ケアマネージャーの試験は6月に予定されています。安心して、老後を迎えられるような介護保険にするためには薬剤師に何ができるでしょうか。                       (M)

新しい選択肢・介護保険
〜厚生省在宅介護相談薬局モデル事業に応募して〜
(社)福岡市薬剤師会 在宅担当常務理事 入江理裕

 

薬局は2000年に向ってどうあるべきかが今問われています。OTC一本、OTCと調剤、調剤のみでやっていこうとするの3種類にわけられると思います。

今、選択肢の一つが新しく発生しました。 介護保険の登場です。ものすごいスピードで超高齢社会に向っている現実に対して、打たれた第一手です。この第一手に対し薬局が出来る事を今探っています。

熱く語る入江先生薬剤師は今まで医療の中で生きて来ました。お薬を投薬することにより医療に貢献してきました。販売することによりプライマリーケアーに軽医療に貢献して来ました。社会から市民から求められている事に応えて来ました。しかし、脳梗塞で半身不随になったり手足がマヒしたり動かなくなったり、排尿、排便が出来なくなっても薬の投薬だけで、その人の生活に関してはまったく関与しませんでした。すなわち医療だけで福祉に対して何もしなかったわけです。病気による薬のことだけしか対象としてなかったわけです。

介護保険とは色々な原因により高齢者に障害が発生した後、どうやったら日常生活が楽になるか、人間らしい生活が出来るか等、自立を援助する為の保険です。その障害度によって要介護度を決め、必要な道具、場所、人的サービス等が提供されます。介護保険によって薬剤師が社会より求められるように変化し始めています。

介護の事が相談出来る薬局求む!と。

日薬も生き残って行く為には、この分野に進出する事を提案しています。40〜50年前、薬局は薬を売って生計を立てる。雑貨はおかないという薬局ばかりでした。しかし売上げが頭打ちになり、何とかしなければという事で儲かる化粧品、偉くずれしない化粧品をと、導入する薬局がふえました。

しかし、化粧品を売る事はとても大変でした。始めは医療の知識で何とかなると考えましたが、まったく売れず、その原因が知識の不足、技術のなさ、会話のまずさ(薬は効けば何とかなる)等を自ら悟りメーカー等が企画する研修会に出席し売上げを確保しました。

これらの経験を生かし福祉の分野に勇気をもって進出するに当り、薬剤師という職業は、薬のことはよくわかっているし、病理もそこそこ知識はある、福祉を担う職としては最高ではないかと思います。

我々の親が化粧品を売り出した時の経験−知識・実務・会話−を早くマスターしたいものです。その一環としてケアマネージャーの試験にはぜひ合格して下さい。

今回のモデル事業はまず介護者からの相談に乗れる事を第一義にしています。 保健と医療と福祉の3点セットが持てない薬剤師は‥‥‥?

<在宅介護> 厚生省「在宅介護支援相談薬局」モデル事業〜

在宅委員会は市薬の事業として「まちかど相談薬局」に取り組み、12月に研修会をしました。今回、日薬が厚生省の委託を受け「在宅介護相談薬局」支援事業を実施することになりました。当初、日薬は30地区300薬局の参加を考えていましたが、最終的には67地区3,160薬局が参加する事業になりました。すでに岩手県や東京都港区で実施され「身近な薬局が介護ニーズを引き出す」と注目されています。

厚生省は新ゴールドプランの中で平成11年度迄に全国で1万ヶ所の「在宅介護支援センター」の設置を目標にしています。「介護参加のきっかけに」と会長の弁「在宅介護支援センター」とは介護者及び要介護者に関するサービスの相談・助言をし、市町村の窓口まで行かなくても必要なサービスが受けられるよう調整するところです。福岡市では「在宅介護支援センター」と「在宅ケア・ホットライン」を併設し、対外的には在宅ケア・ホットラインで統一しています。これは市内に14ヶ所(各区の保健所に併設されている7ヶ所と各区の特別養護老人ホームなどの施設に7ヶ所)あります。市薬ジャーナル1月号21ページに「在宅ケア・ホットライン」の一覧表があります。とは言っても各区に2ヶ所しかありません。もっときめこまかく対応するた釧こ相談協力員制度があります。これは「在宅介護支援センター」のアンテナショップ的な働きをする為に設定された制度です。

その仕事は、サービスの紹介や広報、利用啓発などです。この仕事が受けいれられれば薬局は、介護者にとって、気軽に相談できる大きな担い手となれるでしょう。この事により、「在宅介護支援センター」の有効かつ効率的利用が進められます。

 相談協力員としての薬局の業務は次のようなものです。
1.介護ニーズの把握
2.高齢者自身やその家族に対して色々なサービスのご紹介をして福祉に対する抵抗感を和らげる。
3.「在宅ケア・ホットライン」「在宅介護支援センター」と協力体制を整える。

相談事項の書き込まれた「介護相談受付業務月報」などは支部毎に集計され福岡市薬に集められ日薬に送られます。この事業の期間は3月1日から3月31日です。なおこの事業に参加の薬局には「在宅介護相談薬局」の看板が掲げられます。         (M)

<在宅介護> 「少し気になる一件」在宅ケアホットライン

薬局の窓口で困っている患者さんから相談を受ける事は、そうたくさんある事ではないと思いますが、私の薬局でも在宅ケアホットラインに紹介出来たものが3件ありました。

私も中央区の在宅委員をしてますので、保健所での係の方のたいへんさはよく判っていますが、一件気になる事がありました。 それはヘルパーさん達の派遣の事です。

市薬もアピール相談者は一人暮しの老女で右肩の強打により少し日常の生活に不自由をしているとのことでした。相談があったのが12月20日、即日ホットラインに紹介して、保健所からすぐに対応の連絡が入ったので安心したのですが、それから2、3日経って相談者から御礼の電話が入りました。ところが相談者は保健所からの協力を断ったそうです。

 おどろいて理由を聞いてみましたら手伝ってもらえる方が年明けの5日からしか来れないということでまだ2週間程先のことだそうです。それでは手伝ってもらう意味がないという事でした。ホットラインと相談者の間でどの様な話し合いがあったのかそれは判りませんが少し気になる一件でした。

(中央支部在宅委員 下瀬和俊)

もともと地上に道はない
歩く人が多くなれば、それが道になる
         (中国 文学者思想家 魯迅)
詩人高村光太郎の詩「道程」にも「僕の前に道 はない 僕のうしろに道が出来る」とある。

■■トピックス■■ (社)福岡市薬剤師会 学術担当理事 千阪善弘

 この数年、薬価収載された医薬品は、構造、作用機序、投与経路、剤型などの点において、これまでの医薬品と比べて全く新しいものとなっております。 これらのうち、前回、糖尿病治療薬トログリタゾンと骨粗紫症治療薬エチドロネートを紹介しました。 今回は、抗不安薬のタンドスピロンと乳癌治療薬のファドロゾールの治療上の位置付けを紹介します。

1.抗不安薬 タンドスピロン(セディール®錠)

不安とは「何か恐ろしいことが起こるのではと気にし、怖いようで、気がかりで気持ちが穏やかではない感情状態。しばしば動悸や筋の緊張や呼吸困難などの身体症状を伴う」とBerrlSteinは定義しています。

この時、使用される抗不安薬は向精神病薬のなかで認知や知覚を大きく障害することもなく、また自律神経系や錐体外路系にも強い影響を及ぼさずに病的な不安、緊張を軽減させる薬物です。現在、最も汎用されている抗不安薬はベンゾジアゼピン(BZ)系とこれと類似した骨格をもつチエノジアゼピン系薬物です。今回、構造も作用メカニズムも全く異なるアザピロン系薬物のクエン酸タンドスピロン(セディール@錠)が8年ぶりに発売されました。

中枢神経での情動に関する神経伝達物質には、ドーパミン(DA)、ノルエビネフリン(NE)、セロトニン(51HT)およびγ−アミノ酪酸(GABA)があります。

これらの神経細胞が局在する場所はそれぞれ黒質、青寛核、縫線核である。しかし、 GABAだけは局在せず脳内に広く分布している。BZ系薬物はGABA受容体を介して作用するため広範囲の脳部位を抑制することになる。そのため副作用も多くなる。 タンドスピロンの作用機序を図1に示す。

抗不安薬は表1に示したごとく、抗不安作用のみ、抗精神症候作用の有無、胃潰瘍、高血圧など器官選択性の有無などによって使い分けられる。

タンドスピロンはBZ系薬物と比べると抗不安効果の出現は遅いが、鎮静作用、筋弛緩作用がほとんどなく、依存性、アルコールとの相互作用、健忘の出現、退薬後の反眺性不安の出現等がないことが特徴としてあげられる。一方、デメリットとしてBZ系薬物と同等の効果が全例には得られない。BZ系薬物で前治療された症例では効果が期待できない。副作用として悪心、めまいがある。BZ系薬物から直ちに切替えると、症状が悪化することがあるので、徐々に減量して切替えることが必要である

2.乳癌治療剤 ファドロゾール(アフェマ®錠)

イ)
 局所療法:1889年施行されたHalsted手術(乳房、大・小胸筋切除と腋寓郭清を一括して行う定期的乳房切除術)が全世界的に標準として行われてきた。しかし、この10年から20年の間、患者QOLの向上のため、胸筋温存手術が主流になっている。早期癌に対しては乳房温存手術も増加して来た。この場合、術後の癌の遣残と新病変の発生防止のため乳房照射も併用される。

ロ)
 全身療法:外科的な卵巣掃除術、内科的な内分泌療法及び抗癌剤による化学療法がある。
 内分泌療法は化学療法と比べると、治療効果を予測できる指標があり、重篤な副作用が少なく患者のQOLなどに有利な治療法である。内分泌療法の作用を図2に示す。
 各薬剤は約3割に有効である。腫瘍のER(エストロゲンレセプター)陽性例では、約6割に有効であるが、陰性例では1割以下に下がる。PgR(プロゲステロンレセプター)、ER共に陽性の場合は、約7割有効となり、共に陰性の場合は逆に1割の有効率に下がる。
 閉経後では、アロマターゼはエストロゲン合成のメインルートである。副腎で合成されたアンドロゲンから脂肪組織のアロマターゼによってエストロゲンが合成される。最近、アロマターゼ阻害剤は脂肪組織だけでなく、乳癌組織中のアロマターゼにも直接作用し、阻害する事が示されている。アロマターゼ阻害剤の内分泌療法中の使用順序を表2に示す。

薬の知識 vol.48 Nol1997
抗不安薬の新しい展開 医薬ジャーナル社
臨床と研究 Vol.74 No41997 Pharmacy Today Vol.10 No31997

図1 クエン酸タンドスピロンの作用機序
表1 抗不安薬の分類/図2 主な内分泌療法の作用/表2 乳癌に対する内分泌両方の施行順序

<市薬薬局のコーナー>

福岡市薬剤師会薬局現状報告

<代議員会報告> 第40回 社団法人 福岡市薬剤師会
通常代議員会(通算第68回総会)

日 時 平成10年1月17日(土)午後3時
場 所 福岡市薬剤師会館 講堂

代議員会次第
1.開     会
1.会 長 演 述
1.議    事
(1) 報  告
  第1号 九大病院事業移管に関する件
  第2号 第78回福岡県薬剤師会代議員会報告
(2) 議  案
  第1号 平成9年度歳入歳出予算補正の件
  第2号 九大病院院外処方箋応需負担金決定の件
(3)選  挙
  任期満了による役員選挙
1.閉     会

総 会 次 第
1.開     会
1.会 長 演 述
1.第40回福岡市薬剤師会通常代議員会決定事項報告
1.閉     会

〔1〕報  告

報告第1号 九大病院事業移管に関する件

第37回臨時代議員会の承認を得て、福岡県薬剤師会と折衝を重ねていました九大病院事業移管問題は、平成9年10月30日下記覚書により双方合意に達し平成9年11月1日から福岡市薬剤師会に業務が移管された。

(覚 書)
1.社団法人福岡県薬剤節会(以下県薬という)が平成4年9月より実施している九大病院院外処方箋業務を、平成9年11月1日から社団法人福岡市薬剤師会(以下市薬という)に移管する。
2.この業務移管にあたって、市薬は県薬が処方箋応需体制整備並びに運営に要した諸経費を平成9年11月30日までに県薬に支払う。
3.この覚書は、附属文書により施行される。

(附属文書)
1.県薬は、平成9年4月1日以降における九大病院特別会計の収支予算を、平成10年3月31日までに市薬に移管する。
2.この業務移管に伴って県薬が徴収している広域病院処方箋受付負担金(応需負担金)は、平成9年11月1日以降市薬が徴収し、処方箋応需業務の運営にあたる。
3.九大病院、恵愛団との諸問題等の交渉(実務事項を除く)は、引き続き県薬が担当する。

報告第2号 第78回(臨時)福岡県薬剤師会代議員会報告

日 時 平成9年6月28日(土) 午後2時
場 所 福岡県薬剤師会館 講堂
議 事 議案第1号 平成8年度歳入歳出決算認定の件
    議案第2号 平成8年度収益事業決算認定の件
    議案第3号 平成8年度対九大病院事業特別会計収支決算認定の件

〔議案第1号〕
 平成9年度歳入歳出補正予算決定の件
平成9年度福岡市薬剤師会歳入歳出補正予算(案)
平成9年度福岡市薬剤師会歳入歳出補正予算(案)
平成9年度福岡市薬剤師会歳入歳出補正予算(案)
平成9年度福岡市薬剤師会歳入歳出補正予算(案)
平成9年度福岡市薬剤師会歳入歳出補正予算(案)

〔議案第2号〕
 九大病院院外処方箋応需負担金決定の件
 九大病院院外処方箋応需業務が福岡市薬剤師会に移管されたことに伴い、平成10年度から九大病院院外処方箋に係る応需薬局負担金を次のとおり改定する。
 1.処方箋応需負担金 現状にあわせ改める
 2.適用の期日 平成10年4月1日

〔3〕選 挙

任期満了による役員選挙

<代議員会報告> 代議員会議事録

〔司会 北島常務理事〕
〔開会あいさつ 細井副会長〕

会長演述

本日は、九大の移管事業に関する臨時代議員会でございます。なお、役員改選もございます。県薬の梶原会長にもお見えいただき、県薬の立場から、この問題についてお話をしていただくようにお願いしています。

あくまで会員のため

さて、平成4年9月から始まりました九大の処方箋発行、それに伴います応需の問題、数限りない問題が発生いたしました。そして、5年数カ月に至るわけです。私は2年前会長になりましてから、福岡市薬にこの事業を持ってくるということで努力してまいりました。皆様方にもいろんな意見があるだろうと思います。福岡市から見た場合の考え方、それから、県下各支部から見たときの考え方、これは全く相反するものがあります。

私は、これはあくまで会員の為になるにはどうすべきか、早急に解決して会員の負担をできるだけ減らすことが最善であるという判断のもとに、昨年の10月に梶原会長に申し入れをしました。今年、福岡市は役員改選もありますので、その前に決着して、皆様方の信を問いたい考えもございましたので、10月に一応決着をしたわけです。

本日の議案はこの移管に関します補正予算と、九大病院応需薬局負担金の値下げです。

次の予算を組む上におきまして、会費を決定しておかないと、予算を組むときに困りますので、この二つを議案として提出いたしております。よろしくご審議をお願いします。

来賓祝辞

○梶原福岡県薬剤師会会長  薬業界は、非常に混迷の度を加えております。
 しかし、我々の目標とするところは、21世紀に対する社会保障制度の確立といったことで、それがなければ、いろいろ小手先のものを扱っても、どうしようもない。そういう前提条件があって、次にその医療資源をどう公平に、かつ、安心感のある良質な医療体制をいかに確立するかという問題がございます。その大前提があるということで、我々薬剤師職能を向上させなくてはいけないと考えます。目先のことだけをお考えになるということは、この際お互いに戒めなくてはいけないと思います。

キーワードは透明性と情報公開

昨年の12月に決まりました診療報酬の1.5%アップが、財政構造改革法によって、がんじがらめにされてしまったあと、それをどういうテクニックで扱うかということだけが、この2月ぐらいの中央医療審議会の問題になろうかと考えます。今後、薬価基準にしましても日本型の参照制度の導入、あるいは介護保険制度の導入が正念場になろうかと考えます。

キーワードは、医療の透明性と情報公開でございます。この透明性と情報公開は、12月17日に公布された第3次医療法の冒頭に書いてあります。「医療の担い手は」という言葉で表現されておりますが、担い手は患者に対して説明義務を負わなくてはならないと書いてあります。これはドクターはインフォームド・コンセント、我々は薬剤師法による情報提供の義務でございます。そういうことがちゃんと規定されています。また、医薬分業をこの中にどういうふうにはめ込んでいくかということになってくると思います。

それで、私たちは、医薬品の適正使用をベースとして、医薬品の情報提供、あるいはドクターには患者情報の収集提供、あるいは分析評価が必要最低限の務めであるとし、それを役割として守っていかなくてはいけないということです。

私は、昨年9月末に会員の先生方に、この情報提供のあり方についてコメントを出しました。それは、会報にも掲載されておりますが、今後ともこの情報提供というものを十分に考えて、ひとりよがりにならずに、公平、公益性があるものだという考え方をお持ちになっていただきたい。従来から、国民にわかるような、理解ができるような正常な医薬分業、マンツーマンから面分業へ展開をしてほしいという願いがあるわけです。それらは九大病院の処方箋業務移管の問題につながるわけです。

かかりりけ薬局の育成

平成4年9月、九大の処方箋を応需することを福岡県薬剤師会と九大病院との間で覚書を締結して、外来処方箋応需体制の確立と患者の応対協力を約束しました。経理面は県の薬剤師会がやり、ファックス等の直接的な実働部隊は福岡市薬が持つ、そういった矛盾した体制でスタートをしております。私は常々これは早期に福岡市薬に業務を移管すべきであると考えていました。

それと同時に、面分業体制への移行をしなくてはいけない。それにかかりつけ薬局の育成が早急になされなければならない。

現在ある薬局、あるいは新規の薬局における処方箋応需の質的な向上を目標にいたしました。複数の医療機関を受診しても、一元的な薬歴管理によって相互重複作用等をチェックできるかかりつけ薬局を確立しなくてはいけない。地域医療に参加するには、それしかないんだということを皆さんにしょっちゅうお願いしているわけです。そしてさらに、地区のより一層綿密な組織的対応によって、会員のプロ意識を向上させる必要がある。それが異業種とか、大型資本による調剤薬局参入を阻止することにもなる、そういう戦略方針もございました。それが、県薬剤師会の大きな方針でした。

平成7年6月の初めでしたか、福岡市の薬剤師会はそういうことに応えて代議員会を開催し、九大病院の処方箋応需業務を経費の負担をして全面的に自分のところで行うということを決定され、県薬へその旨申入れ書が届いております。ところが、機が熟さずと申しますか、ああいう状況になりました。

しかし、薬剤師や薬剤師会は、医薬分業や医療に対する認識、考え方がまだまだ社会的にひとり歩きができないとそのとき思いました。それに、ほかの支部の考えは「この問題はお前たち県薬でやれよ」というものだったと思います。これは私個人の感じでございます。

勇気の決断に敬意

その後、平成8年4月に、福岡市薬には藤原体制の執行部ができました。地域医療における医薬分業推進と薬剤師の役割を、時代背景を十分に理解されたということで、県薬剤師会の方針にも協力を約束されました。それだけではなく、福岡医療圏のほか県下各地域へ足を運ばれ、福岡市薬の一時期の無謀な行為を誠意を持って釈明されたということでございます。私はこの熱意がある限り応需体制がきちんとでき上がるものと確信をいたしました。私は現市薬執行部の勇気の決断に非常に敬意を持った次第です。今後とも福岡市薬が団結して、よりよい医薬分業体制を構築されることを願っております。

九大処方箋は今は60%を切っておりますが、これが何年か後、必ず80%ぐらいにはなります。そして国立病院の九州医療センターの処方箋を受けている実績を皆さんお持ちですから今後とも、きちっとおやりになると私は信じて疑いません。

今日は、九大の問題につきまして、あいさつの代わりにこういう話を持ち出したのは、ちょっとご無礼かと思いますけれども、こういう機会しかありませんので、ご容赦願いたいと考えます。

福岡県薬は、福岡市薬と北九州市薬の両輪がなければやっていけませんので、ひとつその辺をご理解願いたいと考えます。

〔梶原会長退室〕
〔式町議長、樋口副議長登壇〕
○式町議長 代議員の定数72名中56名(過半数37名)が出席。この代議員会は成立するということを報告。
〔南区成田代議員、東区加藤代議員を議事録署名人に指名〕
〔梅末議事運営委員長より日程説明〕

議   事

1.報 告

 第1号 九大病院事業移管に関する件
 第2号 第78回(臨時)福岡県薬剤師会代議員会報告

2.議 案

 第1号 平成9年度歳入歳出予算補正の件
 第2号 九大病院院外処方箋応需負担金決定の件

質   疑

〔式町議長から樋口副議長に交替〕

○樋口副議長 それでは質疑に入ります。
 ご質問のある方、挙手をお願いいたします。

○大庭代議員(南)  監事の二人の先生に質問いたします。このたびの九大病院の移管に関する件の決着について、その推移をどのように理解され、またどのように認識しておられますか。

経理処理上に問題がない

○長谷川監事 九大の問題は、従来から市薬の方は、とにかく移管してほしいということがございました。臨時代議員会では、皆さんご存じのとおり、県薬提示金額の問題があって、結局九大の事業について県薬が市薬に移管することを否定された。今回は条件は全くかわってないわけです。ただ市薬が、先ほど覚書にありましたように、一つの契約事項として県薬の要望にこたえる形で、スムーズに移管が完了しました。

その件についてちょうど1月13日に、9月、10月、11月分の会計監査をやりました。そのときに税理士の堀家先生もお見えになっていましたので、十分検討しました。

まず、県薬が市薬に求める条件です。九大の事業というものを市薬に移管する契約の中に、県薬提示金額を要求しています。

これが社団法人である市薬剤師会の経理処理上に問題があるかというと、それは全くないということです。これは堀家先生の見解であります。それから、税法上の問題があるかというと、これもないということです。

それからもう一つ、現執行部ないしは市薬の民法上とか、商法上とかの責任があるのかということなんですが、市薬ないしは市薬の会員に損害を与えたのであれば、それは民事上の責任を問われるでしょうが、収益事業ですから、収益に基づいて負担金を下げることができるということは、市薬会員にとって非常に大きなメリットのある事業の移管、そのために支払ったものであれば、当然何ら責任を問われることはありません。そういう結論に達したということです。

○大庭代議員(南) ただいまの長谷川先生のお話は、ちょっと納得いきませんが、納得せざるを得んでしょう。

そこで、会長にお尋ねいたします。県薬提示金額とはどういう性質のものか再度ご説明願いたいと思います。

判断のもとに決断

○藤原会長 恐らくこの金額の根拠をお尋ねになっているんだろうと思うんです。あると言えばあるし、ないと言えばありません。

あるということはどういうことかと言えば、さきの県の代議員会で数字が出ました。

福岡市はともかくとして、それ以外のところは福岡市は、県薬提示金額を出すのが当然であろうという考え方でいるわけです。

多勢に無勢という面もございます。ですから、県薬がこの数字でなければ出さない、譲らないということであるならば、いたし方ない。ただ、それは会員のメリットには当然つながるという判断のもとに決断した次第です。

○松島代議員(城南) 先ほど長谷川先生は、2年前と今の現況は同じであるというふうにおっしゃいましたが、実を言うと、かなり違うわけです。この収支予算表を見るとわかるように、状況はかなり違うと思います。

そういう意味を含めて、先ほど質問がありましたように、私は承服しないとしょうがないであろうと思いますが、ぜひ会長にこの県薬提示金をどういう名目で県薬に支払われたのか、県薬の領収書を含めて、きちっとした明細を私どもに出していただくように、お願いします。

○藤原会長 明細とおっしゃいましたが、県薬から出てこない以上、その明細は恐らく無理であろうと思います。

今、いろいろな数字が出ておりますが、これは特別会計が始まってからの数字です。それとそれが始まる以前のものもあるわけです。そういうところからつっつき出しましたら、これは感情的な対立以外何ものもない。しかし今おっしゃったことも、私は当然だろうと思うんです。我々も当初交渉をするときに、福岡市が払うから、これこれの根拠を出していただきたいということは再三再四申し入れておりますが、もう既に県の代議員会におきまして決着した問題であるということで、それは出てこないと考えております。

したがって、福岡市に事業として移管するための費用として、私は正直に申し上げて、県は大義名分をとった、福岡市は、実をとった。そのような判断をしています。

○松島代議員(城南) おっしゃる意味もわかりますけど、県薬自体も困ると思うんです。県薬はこの次また決算代議員会のときに、どういう形で計上なさるのかというのは、非常に私も興味があるわけなんです。

少なくともAからBに金を移したわけですので、ただ一筆の領収書だけでは、やはり社会通念上許される問題ではないと私は思っておりますので、その辺は鋭意努力をしていただきたいと思います。

費用のかかりた省ころで締り

それと、負担金の問題は、先ほど会計常務の川上先生がおっしゃったように、私はそういうふうにされて結構だろうし、そういうふうにしないと、会員のメリットはないだろうと思います。ただ、考え方としては、応需薬局負担金は、費用のかかったところで持つというのが基本ですので、保険薬局会費等を含めてこちらから融通するというのはどうかなと思いますし、全体的な応需薬局負担金の中でもっていく。将来的には、今支援情報を含めて5名の九大職員の合理化をして、同じ処方箋がしょっちゅう来ている段階で、果たして支援情報も必要なのか、もっとほかの忙しいところに職員を移動してもらうなど考えていただけたらと思います。

それと、もう一点。分業積立金、これをわざわざ崩す必要はないと思っています。

せっかく予備費が約3千万もあるのに、分業推進積立金250万円を取りくずす必要はないと思うんです。これは平成7年度から新設したわけです。そういう中で、福岡市薬の積立金は今本当に乏しい限りです。一応試算表を見ると、まだ市薬薬局の借り入れ金が1億円で、まだあと7千万少々残っているわけです。そういう面を含めると、平成17年までに返すということになれば、2年先の介護保険の問題も含めて、会員の経済状況がどんなふうになっていくかわからない中で、積立金を崩す必要はないと思っております。

一瞬にして飛んでしまう

○川上常務理事 分椎の積立金ですが、本当に年間に250万円ということで数字的に乏しいものはあるんですが、この段階で予備費を見てみますと、29,498,827円ということで、10.8%です。これ自体は一つの事業体が発生しますと、一瞬にして飛んでしまうような数字でございまして、できるだけ初年度はこの予備費をできるだけ10%台にキープして、理想的には12〜13%ぐらいではないかという判断のもとに、こういう形をとらせていただきました。

○井上代議員(南) 現在、九大病院の処方箋が会員のところと、非会員のところにどのくらい流れているかの調べはできてるんでしょうか。

○光安副会長 実績はすぐわかります。例えば、仮に12月分をご報告いたしましょう。

実質、一般会員の先生方に12月で6,131枚行っています。非会員はそれの2〜3%です。基本的には患者さんの選択ですので、非会員の薬局にも回してます。

入会申し込みの声がかからない

○井上代議員(南) 南支部ですが、チェーン店で、例えば大橋に2軒あって、井尻に1軒あるところで入会申し込みの声がかからない、そういう非会員が若干ふえてきているような感じがするんです。

 入会の勧めなりをもう少し積極的にやっていただければと思います。これは要望としてよろしくお願いします。

○大庭代議員(南) 会長にお尋ねいたします。歳入の第6項九大病院事業預金受入が、これは入る方ですね。それから歳出、第9款第2項借入金等支払額12,872,728円。これは出る方ですね。差額の解釈はいかがなものでしょうか。

大きな目でもってこれを判断

○藤原会長 その中身の細かな数字というのは、つっつけば幾らでも矛盾があります。

そういうものはもう全部大きな目でもってこれを判断しようということで決断したわけでございます。

○大庭代議員(南) 過去の問題ですから、あんまりつっついてもメリットはないかもしれません。不合理なるがゆえに信じないとしようがないという宗教的な解決の方法は残念ですけど。しかし将来、こういうことがあってはなりません。会計学上もこういうことをやってはならないようになっています。

とてもラッキーだった

○木原代議員(博多) 今の執行部の方は、ある意味では、とてもラッキーなときに九大移管の問題を解決されたのではないかなと思います。前に、三津家先生のとき、それから、木村先生のとき、そのときはまだ会員に資格差別がありました。1人薬剤師の薬局は手を挙げられませんでした。でも今の執行部になってからは、1人であっても、手さえ挙げれば全員応需薬局になっています。そういう時期に解決されたのですから、今の執行部はとてもラッキーだったと思っています。前の木村先生のときとかは、大変苦汁を飲まれたのではないかなという気がしております。松島先生も大変苦労されたと思っています。質問でも何でもありませんが発言させていただきました。

○梅未代議員(中央) 第2号議案 応需薬局負担金の件ですが、九大移管につきましては、皆様のご意見というか現執行部のご努力でようやく福岡市に持ってくることが可能になったわけです。私としては、ある意味で高く評価したいなと思っております。ただ、応需負担金の件につきましては、数字上は大変我々にとってありがたいお話だと思いますが、中央区を初め、早良区等、今から基幹病院を抱えている地域が、各支部の運営の中で、例えば面分業が進み始めるであろうと思われるこれから1年先、2年先の近い将来、資金的に支部ではなかなか支えることができないだろうと思います。それで、分椎という観点からそういうときにはぜひ支援をいただきたい地域がたくさん出てくるのではないかと思います。

ここ1年ぐらい皆さんのご協力で収益法人ではないんだという観点もわかるんですが、力を蓄えていただくためにもうちょっと提示額を上げて、少し分推費に蓄えていただきたい。ファックスコーナーなどといいましても、10万円、20万円のお金でも支部では大変きついものでございます。そういう観点で、本日お集まりの代議員の先生方にご理解をいただきながら、その点をお考えいただけたら、今後の分業に積極的に皆が取り組むことができるのではないかという、意見というよりもお願いです。

○清水代議員(早良) 九大のオーダリングが延びておりますが、そういう場合において、支援情報は変わるんでしょうか。それから、ファクシミリ分業というのが、補助的にでしょうけれど、ある程度時代として推進していくようなことが書いてありましたが、そのようなときにもやはりそういうものの進み具合というんですか、九大のオーダリングの導入ですね。今の処方箋では間違いが起こる可能性がありますけれど、そういうものも入れて、今度は負担金という問題がどのように推移していくかということが、ちょっと見えてないんです。説明をお願いします。

画面上で薬歴をチェック

○光安副会長 九大のオーダリングに関しましては、かなり延びまして、ようやく新しい情報では、5月に実施される予定です。

昨日、市薬薬局委員会に九大の方から徳永先生に来ていただき、いろいろ説明を受けました。やはりオーダリングの準備はかなり進んでおります。その中で、今回は非常に九大の薬剤部の協力を得まして、画面上で薬歴をチェックします。そのようなソフトまでつくっていただきます。その辺で人的な問題も少しは軽減できるのではないかと思っています。当然、オーダリングですので今後支援情報はありません。医療センター並みの処方箋発行はできると思います。

それと、第2題目のファックス分業ですが、専門誌なんかをみると、ファックス分業は公に認められつつあります。いわゆる今のファックス分業というのは黙認された形で、法制上はきちんとした支援がございません。今回は在宅医療などに対しての対応で、正式に法的に認められると思っております。

靴の底から足をかく

○吉田代議員(西) 九大の場合は、官が民に仕事を与えるというような感じがありまして、私も随分反対してきたわけですが、この時期になって、もう丸のみしてでも引き受けるべきだと私も思っております。いつまでも靴の底から足をかくような状態よりも、1日も早くされた執行部の決意に感謝しております。

○村岡代議員(早良) 先はど清水先生の方からも質問があったんですけど、実はファックス分業のことが、このごろ新聞に正式に出ていました。これが私のところに情報が入ったのは1年近く前でして、どこからの情報かというと、国際行政書士という方がいるんですが、その人たちの会報に、実はこういうふうになるんだと1年ぐらい前に載ったんです。そのときに、あっちこっちに聞いたんですけど、だれもそんなことにならない、ちょっと不可能に近いというような意見だったから、気にとめてなかったんです。そしたら、この秋ぐらいに新聞に載りまして、4月ぐらいだろうと書いてあったのが、前倒しで9年度中に決定するみたいに書いてありました。

その中で一番気になるのは、新聞の書き方では、患者さんが処方箋を持って直接家に帰って、自分のところのファックスからどこの薬局へでもボンと送りつければ、何かまるで持ってきてくれるみたいに書いてあるわけです。そのときに、その費用は実費を薬局の方がその患者さんからもらう。

その実費というのも、今在宅で行ったときに、交通費の実費は何百円とかを、患者もしくはその介護者からもらえるみたいに書いてあるような実費なのか、それともドクターが往診するときのキロ幾らという感じの出し方なのか、少しでも情報がわかっていれば教えていただきたいということ。

ドクターとアクセス

それから、やはり新聞からの情報で、どれぐらいの信憑性があるのかわからないんですけど、患者さんがクリニックまで行かなくて、インターネットか電話でドクターとアクセスしたら、ドクターが患者さんにまた投げ返して、それを今度は、患者の方が薬局にそれをインターネットみたいなので流して、薬局の方から配送する、それと絡ませているんだというモデル地区に百道浜が選ばれたみたいに書いてあったんです。それの理由として、いろんなパターンの人が住んでいるのと、事業所がある。それとあそこの地区は、つくったときに最初から地面の底にそういうのに使える何かケーブルのようなものが埋めてあるんだと、それは『日経産業新聞』か何かに載っていたんですけど、一体そういうふうな情報があるのかどうか、ご存じだったら教えてください。

○光安副会長 私の知る範囲では、百道浜のことは初めて聞きました。それと、ファックス分業は、もう現実に、今の我々の社会では動いています。黙認されています。要するに、法的な根拠が後から来ていますので、多分これを法でカバーする意味で、今年の4月ぐらいから実施じゃないかということです。

それと実費というのは、あくまでも実費ですね。在宅医療に関しても、交通費というのは実費になっています。ほとんど実際は取られてないと思っています。そういう実費を保険扱いで点数化されることはないと思っています。

○清水代議員(早良) 九大の移管問題は長い間いろいろな経過をたどってきたわけですが、恵愛団や九大の窓口はやはり県薬であるということは、今までと変わるようなことがあるんでしょうか。

ルールを踏み外すようなこと

○南島専務理事 日常業務については、私ども市が全面的に責任をもって解決に向かっていきたいと、思っております。ただ、根本的な問題というのがございます。九大との約束事、そういうものは県との約束事でございますので、県にお願いする。恵愛団のことでものを申したいというときには、県薬の方にご相談申し上げ、やはりルールを踏み外すようなことはしてはいけないと思っております。

採   決

 報告第1号・第2号、議案第1号・第2号は挙手多数で可決。
    〔午後4時58分 休憩〕
    〔午後5時12分 再開〕

3.選 挙

〔立候補者演述〕

○堀江選挙管理委員長 それでは、所信表明をお願いいたします。

○藤原会長候補 このたび会長に立候補いたしました藤原でございます。

日薬の先の代議員会で、初めて完全分業という言葉が出てまいりました。それまでは任意分業ということで、日薬の代議員会の中で何度も完全分業を目指せという声があったんですが、それに対して日薬の煮え切らない返事が出ていたわけです。今回初めてでございます。つまり、それぐらいの速いスピードで、今処方箋が出始めたということです。しかも、全国規模で言えば、まだ25%、福岡県ではもう40%を超えているわけです。福岡市においても急激なスピードでこれが進んでまいります。

視  点

とはいえ、会員個々にとってはかなり厳しい状況、これは間違いございません。私の薬局も去年1年間はかなりダウンいたしております。しかし、これから生き残っていくにはどうするか。これはもう、かかりつけ薬局になる以外にないんです。かかりつけ薬局をだれが決めるかと言えば、地域住民が決めるわけです。したがって、薬局の努力も大事です。と同時に、会として、それをどう支えていくか。ここを視点としてこれから任期の間ひとつ頑張っていきたいと思います。

○市花副会長候補 私は福岡地区勤務薬剤師会より推薦を受けて、副会長の候補として立候補いたしました福岡市立こども病院に勤めております市花と申します。

選挙会報でも申し上げましたように、たび重なる医療法の改正、規制緩和、毎年の薬価の引き下げ、それから情報提供の義務化など、目まぐるしく薬業界は変化しております。また、政治的にも経済的にも今までにない試練の時期を迎えていると思います。その中で、私たち薬剤師は目的を失うことなく進んでいかなければならないと思っています。今医療は、患者中心の医療の方に向けて進みつつあります。薬剤師がその地位を確保するためには、患者、医師、また国民から医療チームの一員として信頼されることが必要だと思います。

情報も調剤する時代

今アメリカの薬剤師が、国民から最も信頼されている職業の一つとして挙げられているそうですが、やはり患者さんの利益を第一に考えたファーマシューティカル・ケアを目的に、私たちも行動すべきではないとかと考えております。そのためには職能向上のため会員の皆さんに対して、各種研修会の充実が急務だと思っております。薬とともに情報も調剤する時代です。いかに情報収集してそれを活用するか、それが薬剤師の命にかかっていると思っております。

まず第一に、各種研修会の充実です。それから、開局薬剤師と勤務薬剤師、病院薬剤師との連携というのが今後非常に必要になってくるのじゃないかと思っています。

院外処方箋の発行に伴い、また薬物療法における患者情報を、かかりつけ薬局と共有するというようなことなども、より太いパイプにしていかなくてはいけないとも考えております。

私は昭和63年から薬剤師会の学術とか急患センターの仕事に携わってきましたので、その実績を生かして、福岡市薬剤師会のために頑張りたいと思います。

迅速にキャッチ

○光安副会長候補 前途多難な我々の業界において、薬剤師がいかに社会に貢献できるか、薬剤師の職能拡大をいかに図るか、この二つの命題をもって副会長に立候補しました。そのためには、市薬剤師会の組織力、機能力アップは当然ですが、同時に厚生省、日薬、県薬、行政等との情報を迅速にキャッチし、行動に移さねばならないと思っております。特に、県薬とのパイプを大きくすることは大きな意義があります。

九大移管も決着を見、今後は市中の大病院の処方箋発行が急速に動き出すと思われます。その動きに迅速に対応し、かかりつけ薬局での応需拡大を図り、地域での本当の意味でのかかりつけ薬局の定着を図る決意です。

この決意実現のためにも会員の皆様のご支援、ご協力がぜひ必要です。皆様の叱咤激励をよろしくお願いいたします。

私はこの気持ちをもって、あと2年間やらせていただこうと思っています。

精一杯頑張りたい

○合澤副会長候補 僕はちょっと九大のことについて、今さらと思われるかもしれませんが、一言皆さんにおわびとお礼を申し上げたいと思います。

平成4年のあの時点で、私たちが最初に九大移管問題に当たったわけですが、あのときもう少しきちんと将来的なことを考えながら当たっておけば、次の執行部、それから現在の執行部、それから会員の皆さん方に、これほどのご迷惑やご心配をおかけすることはなかったんじゃないかと思っております。申し訳ありませんでした。この4年間ハラハラドキドキしながら、申し訳ない気持ちでおりましたけど、今日無事決着していただいて、僕が言うのもおかしいですけど、本当にありがとうございました。

九大のややこしい問題が片づいてから、その後執行部に入り込むというのは、ちょっと虫がよすぎるような気もしますけど、そのおわびと申しますか、罪滅ぼしに精いっぱい頑張りたいと思っております。

○篠崎監事候補 もう8年数カ月、市薬の方にいろいろ勉強を教わりまして、何とか社会人の仲間入りしたかなと、今現在思っております。

数字に強い監事

我々、どうしても勤務しておりますと、灯台もと暗しといいますか、視野の狭い中でいわゆる調剤、製剤または病棟業務等そういう仕事をこなしておけば一人前という形で育ってきました私でございます。今まで4代の執行部に仕えさせていただきまして、本当にそのとき、そのときの会長、または専務その他執行部の方々、皆さん一生懸命努力されました。私はただ、最初のうちは、何も意見も吐かず黙って勉強させていただいただけだと思います。

でも今、市花先生が今度副会長に立候補するということで、私も先輩として今度は監事の大役で皆様会員の一人一人の大事なお金、もう2億7千万円とかなり高額でございますが、この有効な利用法、また我々が皆様にいわゆるお金の使い道、それを勉強させていただけることになると思いますが、私自身数字に強い監事になりたいと思ってます。

○中島監事候補 これまでの5人の先生方のお話の中に出てまいりましたが、今不況が続く中、我々薬剤師を取り巻く環境というのも、規制緩和あるいは保険医療改革というふうに進み、厚生省が示しました平成10年度の医療費関連の予算、低減の案なんですけれども、ご存じだと思いますが、国庫負担ベースで3,680億円、そして医療費全 体としては1兆7,000億円を削減させようという案が出ております。1兆7,000億円、これが我々会員、薬局、病院にもろに振り分けられるわけでございます。

試される時代

そしてまた、目を一方の方に添えますと、医薬分業というのが今進んでおります。そして、その調剤報酬関連の金額というのはウナギ登りに上がっております。果たして今、そのウナギ登りの金額が社会的な評価、社会的コンセンサスを得ているんだろうか。私個人の意見としては、大きな声ではちょっと言いづらい、少し首をかしげるところがございます。

これから我々薬剤師として、新時代がやってくる、薬剤師として試される時代がやってくると思います。こういう中、薬剤師会の事業というのは多様化しております。そして予算も非常に膨らんできております。

これからの薬剤師会のかじ取りというのは、会員一人一人にとって、これまで以上にある意味では命運を担っているということを言っても決して過言ではないと思います。そしてこの会の運営というのは、会長、副会長が中心になって、理事の皆様がなされるわけでございますけれども、私はこの監事の役割というのは、会長、副会長と並んで非常に重要な位置づけにあるというふうに私は認識しております。

監事というのは、これまでどちらかと言えば、会計報告、会計監査が中心でございましたけれども、もちろん私はそれは非常に大事な仕事だと思っております。それに今薬剤師会が取り組んでいる事業一つ一つについて、それが本当に会員にとってメリットになるのか、そしてまた将来を見据えた施策になっているのか。そしてまた我々は医療人です。いわゆる医療の担い手たる薬剤師として、また社団法人として地域住民のために貢献できる仕事になっているのか、事業になっているのかということ、一つ一つの事業を見ながら私自身が、いわゆる監事イコール評論家ではなくて、理事の一人になったつもりで、監事の立場から、いろいろご意見を申し上げて、それが会員のため、そして地域住民のためのお役に立てればと思って監事に立候補いたしました。

○堀江選挙管理委員長 以上をもちまして、6名の候補者の所信表明を終わります。

〔選 挙〕

○式町議長 選挙方法の説明の前に、規則にのっとりましてこれから会場の閉鎖をします。代議員以外の方は退場して下さい。そして代議員の人数を選管の方で確認していただきたいと思います。

説明に入ります前に、一応投票立会人を指名させていただきます。代議員会の議事録の署名人を南と東の方から選びましたので、博多区見元代議員、中央区国武代議員、早良区浦上代議員、城南区坂田代議員、西区仲上代議員、勤務四宮代議員、以上、6名の方が投票立会人として一応心がけておいてください。

代議員の人数は、今のところ59名ということです。

〔選挙方法の説明〕

○堀江選挙管理委員長 まず、無記名投票であることはもうご承知おきと思います。用紙は3種類、3枚になっております。会長が白、副会長が黄色、監事がピンクの3種類です。

この投票用紙には、各候補の氏名が記載されております。そのお名前の上に評決欄がございます。信任を〇、不信任を×、何も書きませんと無効票です。

投票の順序ですが、最初に立候補立会人が投票終了後、代議員の先生方が順次前列右側よりお願いいたします。

(信任投票)

○堀江選挙管理委員長 ただいまから投票に入ります。

        〔投 票〕

○堀江選挙管理委員長 投票が終了いたしました。

ただいまから、暫時時間をちょうだいして、2階の第2会議室で選管が開票いたします。開票立会人3名ご同道いただきます。

○式町議長 結果がわかるまで、暫時休憩いたします。

    〔午後5時47分 休憩〕

    〔午後6時26分 再開〕


開票結果報告
当選者
当選者

〔当選者あいさつ〕

○藤原会長 無事に選挙も終わりましたようでございます。このたび信任をいただきまして、これから2年間、また一生懸命に頑張っていきたいと思います。

副会長、それから監事の先生方ともよく協議しながら、皆様のためになる薬剤師会にしていきたいと考えております。今後ともご協力よろしくお願いいたします。

〔閉会の辞 光安副会長〕

    〔午後6時33分 閉会〕

<代議員会報告> 第68回総会議事録 平成10年1月17日 福岡市薬剤師会館講堂

    〔午後6時33分 開会〕

○藤原会長 本日の代議員会で決まりました事柄につきまして、総会に諮り、承認を得るということになっております。ただし、今日ご出席の皆様方、メンバーは一緒でございますので、ここで拍手をもって、今まで決まりましたことをご承認いただきたいと思います。

         〔拍手〕
「壮」としたい

○藤原会長 ありがとうございます。それでは、総会で今日の決定事項すべてご承認いただいたということで、この総会に対しますご報告にしたいと考えております。

それから話がちょっと変わりますが、3月の県の代議員会で県もまた役員改選がございます。そこで福岡市としても、また皆様方のご協力を仰がなければなりません。

実は昨日、県の現副会長、また福岡から推薦して出しております宮崎先生が私の方に来られまして、ぜひ県薬会長に立候補したいという意思の表明がございました。また県の常務理事の正岡先生が副会長に立候補したいという意思の表明がございました。この多事多難なときに、この若い先生方がぜひ立候補して、県薬ひいては我々会員のために一生懸命に頑張りたいというこの意気を、私は「壮」としたいと思います。

皆様方もこの話は初めて聞くということで、びっくりされている方もいらっしゃるかと思うんですが、私もこの2年間、この九大の移管事業に関して、かなりはがゆい思いをしてきたわけです。理事会でも私はよく言ったのですが「ならぬ堪忍するが堪忍」ということで、やってきたことも事実です。次はぜひ福岡から、やはり私たちの意向をスムーズにくみ上げていただくような代表を出したいと私自身も考えております。

皆様方に何とぞご協力いただけるよう、お願いします。

〔県薬役員立候補宣言〕

宮崎県薬会長候補

 若い力が必要

○宮崎県薬副会長 皆さん、こんばんは。

現在、私ども県薬の役員として頑張っておりますが、今年福岡県薬剤師会の役員改選を伴っているわけでございます。ここで、ひとつ我々といたしましては、希望を持って薬剤師会員のため、または県民のために何らかの形で活躍してみたいということで、立候補させていただきたいと思っております。

今日、急な発言を求められて、こういう壇上に立たさせていただいておりますが、私、10年という歳月を県薬の中で過ごさせていただきました。その中でいろんなことがありました。しかし、今日の中島先生の発言にもありましたように、今大変な時期を迎えております。その中を乗り越えるためには、若い力が必要じゃないかということで、この場をおかりして立候補の宣言をさせていただきます。

どうか皆様方の温かいご支援、ご鞭壇を賜りますようお願い申し上げまして、私の立候補宣言とさせていただきます。(拍手)

追い風と見るか、向かい風と見るか

○正岡県薬常務理事 このたび県の薬剤師会の副会長に立候補の決意をいたしました正岡です。

正岡県薬副会長候補私も8年前までは、ここに立っておりまして、市の分業担当常務理事をしておりました。その後、県の方に移りまして、分業推進と今いろいろ批評を受けました九大の事業、それから最終的な仕事として4年間ほど会計を担当いたしました。今日事業移管の話が出ましたが、相手側の立場でございまして、皆様には気分の悪い思いをいっぱいさせたんじゃないかと反省しておりますこ薬局、薬剤師、薬業界におきまして、2000年に向けて医療制度の改革、それから公的 介護保険の導入、規制の緩和、今これらの変化の嵐にさらされております。これを追い風と見るか、向かい風と見るか、それは心の問題じゃないかなと私は思っております。

私は立候補に当たり、会員と会長の黒子になりまして、事業を力強く推進するつもりでございます。どうぞよろしくご支援ください。(拍手)

○司会 日薬副会長の荒巻先生の応援のお言葉を賜りたいと思います。

ボランティア部隊を率いて関西へ

○荒巻日薬副会長 私は実はここで一言しゃべるために、今日参ったわけです。

宮崎先生は、今までの歴代の県薬会長に比べるとお年が若い。しかし、今すべて若い人の時代になってきております。それは、今非常に世の中の回転が速い。日常の政治経済の問題も世界中が非常に速いスピードで動いているわけですが、薬剤師会の状況もまさに同じです。そうなると、やはり実行力のある人じゃないと困るわけです。

ちょうど今日、3年前の震災の問題を盛んにテレビなんかで言っておりますが、彼は震災のときに、福岡県からボランティア部隊を率いて関西に行って大活躍をした。その実績は、全国的にも非常に高く評価されております。

今激動の時代に、まさにこういう実行力のある人に会長になってもらわないと、薬剤師の職能そのものが置き去りを食っていく可能性があります。

しかも、もう福岡は40%を超えた分業率です。これは全国的に見ても、非常に高い分業率でありますから、そこでしっかりしたリーダーシップをとって、そしてそういう体制に対応してもらうような人材が欲しいわけであります。

そういうことで、ぜひとも地元から会長を出していただきたい。これは私からのお願いでございます。

それから、正岡常務理事も副会長に立候補をし、黒子になるということであります。ひとつよろしくご支援いただきたいと思います。(拍手)

〔閉会の辞 篠崎会長〕

     〔午後6時43分 閉会〕

代議員会

今回の代議員会は会長の政治決断を迫られた九大事業移管が主要な議題となったが、九大事業についてはこれまで長く語り尽くされたこともあって、今回の質問ではそんなに厳しいものはなかった。むしろ長年の念願が叶ったというなごやかな雰囲気の中で進行された。たまたまその時期に来ていたのだという声もあり、時代の流れを感じさせる。

選挙では選挙管理委員長の堀江先生の説明で厳粛に執り行なわれた。3種類の色違いの用紙に○×で書き込んでいくもので非常に分かりやすく混乱もなく静かに進行された。

医療界を取り巻く厳しい荒波に、薬剤師会も一丸となって舵を取っていかなければならないことを、強く感じさせた代議員会であった。

(上村義徳)

〜細井副会長への言葉〜

ありがとうございました。

細井先生、副会長をおやめになるということで、広報委員会よりお礼を申し上げます。広報の必要性・重要性・難しさについて教えていただいたこと、特に、市薬ジャーナルでは、どのように記事を書いてよいのか、どうまとめたらよいのか等、なかなか要領を得ない我々に苛立ちを感じられていたとは思いますが、根気強く、優しくご指導いただきましたこと、本当にありがとうございました。体調など気をつけてこれからもよろしくお願いします。お疲れさまでした。

(小松公秀)

[広報]

会議報告

【理事会】

日 時
日 時 平成9年12月16日(火)

議 事

1.会長挨拶

 九大病院事業の移管は終了しました。1月の臨時代議員会に掛ける案を作成したので検討してください。

2.報告事項

3.協議事項

(1)九大病院事業の移管受け入れに伴う事務処理について

(2)第40回臨時代議員会付議事項について
 ・九大病院事業の移管に伴う会計処理について

(3)その他
 ・博多支部は日薬大会と九山大会において、研究発表を行った。それに対して30万円の助成を決定。
 ・来年度予算案の作成準備を
 ・試験センターのあり方について


日 時
日 時 平成10年1月29日(木)

議 事

1.会長挨拶

 市薬は日薬のモデル事業を実施します。
 市の保健福祉局へその事を報告し協力をお願いしました。また平成10年度は全区で薬剤師が介護保険の審査委員になれるよう重ねてお願いしました。代議員会を早期に開催し、新年度を早くスタートしたいので、日程等検討してほしい。

2.協議事項

(1)平成9年度事業実績
 ・平成10年度事業
  計画について
 ・新年度の基本計画(会長)
  4月には薬価が9.7%引き下げられ医薬分業が大きく進展すると思われる。
  広域病院に対応するには、新たに備蓄センターが必要となるかもしれない。
  薬局委員会は社保・分推委員会とプロジェクトを組んで、分業対策に動いてほしい。
  また介護保険は秒読み段階にある。このふたつの対応は今までの組織では動けない。
  細則の範囲内でポイントを押さえて臨機応変に変革してほしい。
(2)その他
 ・委員会の分掌業務見直し
 ・第41回通常代議員会の開催予定 2/12までに新年度の事業計画を提出のこと。
  3/11に最終理事会。4/11に代議員会。
 ・商組より1/19の会議で15品目は医薬品の分類よりはずし医薬部外品類似と
  することを検討中。2/19は最終報告で実施時期が検討される。
 ・光安副会長より 年末年始の国立病院の処方箋応需の協力が実績になった。
 ・市薬職員の給与等の改定について 給与表を平成10年度から3年間凍結する。
  10年度を試行期間とし土曜日を休日とする。市薬薬局は交替で午前中のみ休日出勤。

委員会報告

※※2月2日までに提出された議事録をもとに報告します。

【組織委員会】

日 時
平成9年12月9日(火)

議 事
○ 第15回市薬懇親ボーリング大会
  平成10年2月15日(目)に決定
○ 選挙管理委員会(第2回)の経過報告
○ 定款検討委員会(第3回)の経過報告
○ 女子薬について

日 時
平成10年1月20日(火)

議 事
○ 第15回市薬懇親ボーリング大会(H10.2.15予定)の参加者(各支部別)提出。
  競技規定、等賞他の確認
○ 第40回臨時代議員会(H10.1.17)の報告

【薬局委員会】

日 時
平成9年12月19日(金)

議 事
○ 1月薬局製剤研修会の件
・日程:1月23日(金)午後7時
・製剤:解熱鎮痛剤2号A
・分包機を購入する。
○ 健康フェア報告書未提出の区は早急に提出する。
○「休日夜間等連絡先標示ステッカー」の件
・12月末に各会員に送付するので各区で標示するよう指導して欲しい。
○ 期限切れ医薬品の処理方法
・各卸、メーカーに対して返品(0人帳)できるよう市薬として申し入れをしてもらいたい。

【定款検討委員会】

日 時
平成9年11月18日(火)

議 事
○ 改正試案の検討
・総会の決議事項と代議員会の決議事の整理
・総会の成立要件について
・役員の選任、解任について
 以上を中心に検討、文面改正し、次回の定款検討委員会で再確認を行う。

【在宅委員会】

日 時
平成9年12月10日(木)

議 事
○ 街かど相談薬局の件
  在宅委員がリーダーとなり各支部のお世話係として、支部をまとめる。又、行政との対応を積極的に行う。
○ 平成10年1月19日 街かど相談薬局指導 者講演会(東京) 入江・原田・浦上 3人出席
○ 業務分担
・在宅医療一般:原田(責任者)下瀬・柴山・蔵元
・介護用晶の事:浦上(責任者)・仲上
・情報及び通信:馬場(責任者)・田中

【広報委員会】

日 時
平成9年12月8日(月)

議 事
○ ジャーナル(1月号)
・第1回校正
・追加原稿まとめ、原本校正
・表紙写真:山手陽一先生(元会員)の雪景色(カラー)に決定。
・今号も盛り沢山でやむなく丁重におことわりした原稿もあった。

日 時
平成9年12月15日(月)

議 事
○ジャーナル(1月号)
・第2回校正
・追加原稿、写真の挿入、レイアウト。

日 時
平成9年12月21日(日)午後5時

議 事
○ジャーナル(1月号)
・第3回校正
・飛び込み原稿挿入
・レイアウト練り直し、カット・追加写真挿入。
・1月17日の市薬代議員会に会員の手元に届くべく全力をもって作業する。

日 時
平成10年1月11日(日)
場 所
銀河高原Beer園にて

議 事
○ ジャーナル1月号の反省、写真返却手配。
○ ジャーナル3月号の企画。代議員会要旨作成について。
  興英社印刷淡河専務をゲストに、色々参考になる意見を頂いた。そして
  〜更に楽しく、実用的で、具体的で、学術的で、センセーショナルで、
   みんながおもしろいジャーナル」〜

  を合言葉に散会した。

日 時
平成10年2月2日(月)

議 事
○ ジャーナルの新しい企画検討
・少し硬くなっているので、何か面白く、楽しいものを?
○ ジャーナル(3月号)
・原稿、写真とりまとめ(明日2/3に印刷会社と打ち合わせ)
・代議員会議事録:各自自宅にて要約して来たものを1つにまとめる。
 (結局、時間切れで最後まで行きつかず持ち帰って作業)
・委員会報告作成

支部だより

〔東〕

1月23日(金)に毎年恒例の三節会のつどいが開催されました。

今回は歯科医師会の担当で100名以上の先生方が参加され、薬剤師会は35名の先生方が参加されました。市薬より藤原良春会長に出席していただき、ありがとうございました。来年は薬剤師会の当番になっておりますので、御協力を御願いいたします。

今、薬局の経営は、4月からの薬価の切り下げや、規制緩和等大変な時代にさしかかっております。個々の力ではどうしようもありません。薬剤師会として一致団結して行動し、この時代をのりこえていかなければならないと考えております。皆様のご支援、ご協力をお願い致します。

(支部長 藤野哲朗)


〔城南〕

寒冷の候、支部会員の皆様におかれましては、益々ご健勝のことと存じ心よりお喜び申し上げます。

新年も早いもので一ケ月を過ぎました。本年は健康保険・薬価改定や規制緩和及び介護保険関連対策など、私達にとって避けられない大きな問題が山積しています。その中で、個々の努力は勿論のことですが、組織で対応可能なものは積極的に取り組まなければならないと思っています。御協力の程、宜しくお願い致します。

さて、先だって行なわれた第40回臨時代議員会に於いて、県薬剤師会から市薬剤師会へ九大病院事業移管の件が承認されました。これを受けて九大病院の院外処方箋応需負担金が本年4月1日から改定されます。今後共、広域病院の院外処方箋に対してかかりつけ薬局の育成の為にも一層のご配慮をお願い致します。

また、当日の代議員会に於いて任期満了による市薬剤師会の役員選挙が行われました。会長にあっては今期と同じ藤原良春先生が再任されました。副会長にあっては当城南支部から合澤英夫先生が信任当選されました。新役員の先生方には益々のご活躍と一層のご尽力を賜りたいと思います。

近年、地区での接触が多くなった医師会の先生方と1月19日に地域別懇談会を開催致しました。今回は支部薬剤師会の友泉部会と城南区医師会の4,6,7組の先生方との懇談会でした。薬剤師会の現況説明と薬剤情報提供に係わる問題を提起しての有意義な懇談会でした。今後、この様な機会を積極的に作って行きたいと思っています。

なお、別府、七隈部会と城南区医師会の1,2,3,5組の先生方との懇談会は2月下旬に予定しています。部会内の先生方の多数のご参加をお願い致します。

介護保険の施行に伴って東区でプレ介護保険のモデル事業が行われています。様々な難題が取り上げられているようですが、施行に向かって、薬剤師会もいくつものハードルを越えて行かなければならないようです。

平成9年度の日本薬剤師会が行う老人保健健康増進事業の一環である在宅介護相談薬局(仮称)支援事業の実施モデル地区の1カ所に福岡市薬剤師会が決まりました。それには市薬剤師会が先に決めていたまちかど相談薬局モデル事業をそのまま移行するとのことです。よりよい成果が出るよう協力して行きたいと思います。

ここの所、支部での会合や研修会等でお会いする先生方が限られてきています。時節がらご多忙のこととは思いますが、その折には是非、万障お繰り合わせの上ご出席頂きますようお願い申し上げます。

(支部長 松島照幸)

 〜すこやかライフくすりのセミナー〜
「かかりつけ薬局の啓発を含む薬の話」

日 時 平成10年2月10日(火)10:30〜11:00 場 所 別府公民館 講演者 大塚 直人(ピー・エフ調剤薬局)

幼児をお持ちのお母様方を対象にしたセミナーでした。薬の話・服用方法(何で薬を飲むのが良いのか)の説明から始まり、処方箋・かかりつけ薬局の役割と必要性を述べられ、薬剤情報指導書の話にまで及びました。

お母様からは、薬剤情報指導書をもらう機会が増えたので、より薬の内容がわかりやすくなった事・希望としてはどの薬局からでも指導書を出して頂きたい・内服外用にかかわらず指導書をもらいたい等の意見が飛び交いました。       (広報 東 美代)

「かかりつけの薬局はお持ちですか?」

「かかりつけの薬局はお持ちですか……?」
〜 二 師 会 〜

日時 平成10年2月23日(月)午後7時から 場所 喜水亭

予てより、計画していた区医師会と薬剤師会の地域別懇談会を友泉部会に引き続き、今回は別府・七隈部会を主体として行いました。

ここの所の院外処方箋増加による諸問題や薬剤情報提供に係わる意見交換を兼ねての懇談会でした。また、薬剤師の現状アピールにもなりました。

処方箋を発行される医師と直接にこのような顔の見える形で交流を計ることは、面分業の進展にも大変重要なことだと思いました。

今後もこのような企画を積極的に作って頂きたいと思います。参加者は医師会12名、薬剤師会13名で、大変有意義な懇談会でした。


〔早良〕

〜早良区薬剤師会役員会〜

日 時 平成10年1月14日19:30〜
場 所 喜水亭
出席者 本村・清水・浦上・有馬・富田・北・上村・行実・福岡・藤永・竹内・西岡
                …以上12名

議 題
1.代議員会議題について
 1月17日(土)市薬会館
 市薬代議員
    本村・清水・浦上・有馬・冨永・行実・村岡・上村
今日は皆様お忙しい中〜○九大病院院外処方箋応需業務
   県薬より市薬へ事業移管 
○市薬会長等の選挙について
   立候補者
    会 長(定員1名)
      藤原
    副会長(定員3名)
      合澤・光安・市花
    監 事(定員2名)
      中島・篠崎
   信任投票は○×で白票は無効
学校保健研究大会は是非2.各委員会報告
○在宅委員会
 1/19に東京にて日帰り講習会を受けてくる。
 在宅委員の増員を要請
○杜保委員会
 3月よりキョーエイ薬品の会議室が利用できるので、
 研修会め再開を検討中 
○組織委員会
 ボーリング大会
 2月15日(日)城山スポーツパレス 参加者12名
○学薬
なるほど・なるほど・・・ 学校保健研究大会
  1月24日(土)市薬講堂
  是非参加してください。
○広報委員会
 「早良支部だより」は好評につきこのまま続行します。

(書記 西岡啓子)


第19回早良支部だより

【学薬のページ】 「福岡市学校薬剤師会第一回学校保健研究大会」開かる! 理事 女賀信子

と き:
平成10年1月24日(土)
ところ:
福岡市薬剤師会館

次 第 多数の来賓者の中から  @福岡市教育委員会保健体育課  弘田正夫課長  A福岡市学校保健会長     大里泰照副会長  B福岡県学校薬剤師会長     末宗成二会長  の御三方が丁重なる御祝辞を述べられた。

特別講演  演題 「福岡市における学校検尿の現状と問題点」  講師 福岡大学筑紫病院小児科部長 助教授 津留徳先生    (福岡市医師会学校腎臓検診部会部長)    (日本腎臓学会評議員)    (日本小児科腎臓病学会理事)

講演要旨  従来の蛋白、潜血の項目では、発見が困難であった尿路感染症と、その基礎疾患である膀胱尿管逆流現象(VUR)や、先天性腎尿路疾患の発見を目的として試験紙による尿中白血球のスクリーニングが行われている福岡市学校検尿は@正常者(偽陽性者)が高率であることA尿の提供率や、受診率を高めなければいけないことB採尿時の注意点を徹底させることCそしてその後の措置、調査を徹底させることD生涯検尿の一環としての啓蒙の必要があること、等の問題点を浮き彫りにしながらも、慢性腎炎症候群・無症候性血尿・尿路感染症・体位性蛋白尿・無症候性尿蛋白・無症候性血尿蛋白尿症候群の発見、適格な診断が行われ、画像診断精密検査で、両側VUR2例・右VUR2例・左VUR1例・尿道末梢部狭窄1例・膀胱憩室1例(平成6年度)・VUR5例・二分脊椎・のう胞性腎疾患各2例・その他、水腎症・腎結石・腎形成不全・尿道下裂各1例(平成7年度)らの発見に成果を挙げている。
 20年以上の歴史を持っ学校検尿の効果は、生涯検尿の一環として位置づける為にもメディアを通じて、もっと報告すべきであると考える。

研究発表及び活動報告

座長 木 原 三千代 副会長

〔研究発表〕

 「たばこ・シンナー・アルコールの害 −中学校でのとりくみ−」

福岡市立田隈中学校養護教諭 相 川 裕 子

同校の4つの分科会の1つ「健康作り分科会」の取り組みとして、1年生にはたばこの害、2年生にはシンナーの害、3年生にはアルコールの害の健康学習が実施されている。

いずれもビデオのある教室で、クラス単位で、豊富な資料と共に活発な健康学習が行われている。

それぞれが人体へ及ぼす影響を正しく学習させる事で、好奇心旺盛な彼らに、その危険性を理解させるとり組みが提示された。

[会員発表]

@「福岡市に於ける学校給食センター 職場環境調査について」

理事 女賀信子

平成8年度2学期から試験センターの事業に移管された同調査であるが、学薬で30年来取り組んだ事業であり、発表者自身が調査に加わった7年度2学期の事例報告を基に、データの公開、調査器具、実験方法等を披露した。

今後、各担当校から要請があれば、教室・給食室の空気環境、騒音、照度、食器洗浄度の各調査に取り組まれる時の参考にして頂けたら幸いである(但し、給食室への立ち入りは、必ず検便検査陰性が判明してからの事になるので注意されたい)。

A「学校保健委員会での0−157に関する講演について」

理事 深見朋子

この日は朝から雪が舞い、寒い日にもかかわらず講演された先生、出席して下さった先生方のおかげで大変有意義な会になったと思っております。

この課題は、1996年5月、岡山県での幼稚園、小学校で起った学校給食での集団感染(0−157による飲食物を介する経口感染)を発端に全国規模で広がり、今年は散発的に発生しております。

この様な事件が起きた時、学校現場ではパニック状態になりかねない。すばやく対処する為に学校安全委員会を開き、学校薬剤師も、危機管理の仕方に積極的に参加して頂きたくお世話をする予定でしたが、スライドが故障して充分にお伝えする事が出来ず反省しております。

又、明日から児童生徒の為努力します。

B「薬物等乱用防止講習会の効果的な開催について」

理事 中野勝郎

私達、学校薬剤師が、各担当校で薬物乱用防止講習会をどの様な形で開くか、又そのアドバイスの与え方について話しました。

フロイトの言葉を借りれば「本質的に平和な成長が阻止される時期」の青年期に不安や焦燥から、現実逃避して薬物乱用に走るという事なので、単に知識の詰め込みでなく「薬物は怖い」と実感させなくてはなりません。

すなわち、たった1回の使用が身体をダメにしてしまう事と法に触れる事をしっかりと伝える事です。特に覚せい剤汚染は、近年増加傾向にあり、女子中・高生に関しては、福岡県が全国平均を上廻っている結果が出ております。警察の分析では、携帯電話を使った密売の手口と、覚せい剤のダブっきによる価格低下が原因のひとつに考えられるという事です。又「ダイエット」効果があるという誤まった認識とも大いに関係ある様です。私達薬剤師は、児童生徒に「絶対にシンナー・覚せい剤に手を出してはいけない」と、くどい位、伝えていかなければなりません。

【女子薬のコーナー】 平成九年をふり返って 城戸嘉寿子

平成九年は社会的に大きな出来事や変化の多い年でした。大手金融機関の倒産、高級官僚のスキャンダルなどいやな事の多い年でした。私達薬剤師をとり巻く環境もまたきびしいものでした。

今や、高齢化社会をのりこえ、超高齢化社会が目前に到来し、これに対応すべく、社会保障や医療保障の制度が合理化されようとしています。

現実に4月に改正された薬剤師法で処方された医薬品に対する情報と文書で患者に手渡すことが義務づけられ、九月からは健康保険法の改正で薬剤費一部負担金の徴集という、わずらわしい業務も追いかぶさって来ました。

さて、女子薬剤師会のこの一年をふり返ってみますと、特筆すべきことがあります。それは福岡市が主催する「福岡女性まつり」に女子薬剤師会として一つの企画をたて、応募し、多数の応募者の中から私達の企画も採用され、まつりに参加することが出来たことです。

女性まつりは10月の中旬に1週間位に亘り、いろいろの女性団体がそれぞれの企画で、アミカス、あいれふを会場として行事が行なわれたものです。私達は10月22日に「パパとママとこども達へのくすりの話」をテーマにして一般の人向けの講演会を行いました。末田先生の「薬の正しい飲み方、飲ませ方」、松本先生の「子供とくすり」の2つの講演が行なわれ、お話が終ったあとでも、会場から活発な質問が出され、お母さん達の薬に対する関心の深さがうかがわれました。この企画は西日本新聞11月30日の健康欄に割に大きくとりあげられましたのでごらんになった方もいらっしゃると思います。

福岡市女子薬剤師が外へ向って活動したのは初めてのことでしたが、しっかりとした手ごたえを感ずることが出来ました。

今後は内から外へ向っての活動の大切さを感じますが、そのためには会と会員がマンパワーメント、力をつけることが必要です。現在の女子薬では積極的に外に向っていくには、まだ力不足です。会員数も足りません。

今後は若い人達を1人でも多く、会に引きこみ、新鮮なパワーと意見で少しずつ方向の転換を計っていくことが必要かも知れません。


【女子薬のコーナー】 未就業女子薬会員として 戸田道子

両親の介護に一段落つき、十数年振に女子薬の会に出るようになりました。

長い間家庭にいて薬剤師としての職能を全く使っていなかった私は、このまま終わるのかと言う焦りがあり、自分の時間が取れるようになってからは、県の「ステップアップセミナー」や同窓会の「薬事法と薬剤師法の改正について」のセミナー、「南区在宅医療モデル事業の報告会」等々次々に出席させていただきました。そこで今薬剤師を巡る環境は大きく変化しつつあり、医薬分業に伴う問題が山積していることをはっきり再認識しました。

錆び付いた頭でこの目まぐるしい変化について行くことは相当の困難が予想されます。でもこれまでの介護の経験を生かして何かできないものかと切実に思いました。

女子薬の会合で、職場のない私でもボランティアとして何か出来ないだろうかとお話したところ、その場ですぐ椛島先生が西新にあるボランティアグループをご紹介下さることになりました。地域の一人暮らしのお年寄りや、体の不自由な方達をサポートするボランティアで週一回老人憩いの家に集まって活動がなされています。女子薬先輩の高畑先生はそこで病気、食事、薬のことなど漢方の知識を生かした相談に乗っておられ、お年寄り達の信頼を得ておいででした。

私は三十年のブランクもあり、話し相手やお掃除、体操、食事会の用意と少し心得の有る「気功」をお教えするなどに止まっています。この西新のグループはボランティアの人達の優しさ、的確な行動力など大変優れ、会合のときだけでなく普段お年寄りの生活を一定の距離を置いて観察し病気などのときにはすぐ駆けつけ入院の世話から見舞いや手紙による励ましなど淡々とこなされています。一方お年寄りの方も、甘えすぎず、上手に世話になり感謝の言葉を忘れない人生の達人が多いのです。教えられ得ることのみ多いボランティアです。

この会へのご縁も女子薬の、女性同士母親や介護者としてすぐに共感出来る心のつながりから得たものと思っています。目下の所女子薬は私の唯一の情報源です。

さて薬剤師としての私は、遅ればせながら勉強を始め、在宅医療、訪問看護ステーション、面分業、SOAPなど少しずつ知識も増え、自分の進む道についても色々考えているところです。今はまだ姑の介護から手が離れ切っていませんが、将来は地域の「かかりつけ薬局」の機能を持つ薬局で在宅の方に服薬指導をする訪問薬剤師のボランティアをしたいと思っています。薬剤師を巡る環境も厳しさの一途をたどるこれから、薬剤師の社会的な存在意義を高めるためのお手伝いが出来ればと思うからです。患者さんのために一番良いことを頑張ってしていれば、薬剤師の仕事が国民に認知される日が必ず来ると信じます。最後は人間関係が決めると思うからです。

お知らせのコーナー

[1]〜市薬事務局よりお願い〜

4/1より市薬事務局は毎週土曜日お休みとなります(1年間試行)。
尚、市薬薬局は12:00まで開局します。
皆様の御理解と御協力をどうぞ宜しくお願い致します。


[2]みんなで副作用モニターになろう
〜貴方は副作用に出合ったらどうしますか?〜

平成10年1月11日明治生命ホールにおいて「医療保険改革が薬剤師に求めるもの一改革と脱皮のとき−」というメインテーマで、厚生省医薬安全局企画課課長の吉武民樹先生、日本薬剤師会常務理事・中央社会保険医療協議会委員の佐谷圭一先生の講演があった。

医療費の高騰、健康保険の大幅な赤字などを分析されながら副作用の問題に言及され、医薬分業が本当に社会のためになっているかを問われている時代だと危機感を抱かれていた。分業は健康保険の赤字には重荷であるがそれ以上に、分業の大切さを訴えていかなければならないと力説されていた。それには今問題になっている副作用についていち早く知ることが大事であるとの結論を引き出されていた。メーカーサイドからではなく新たな副作用を知ることは非常に大事なことである。

日薬誌の後ろに「医薬品安全性情報報告書」のページがあって、のりしろ・折り目線等があり、一枚で封書に出来るようになっている。また料金は受取人払いで、必要事項を記載してポストに持っていくだけである。(FAXも可) 副作用時何でも良く、複数薬剤の場合はっきりこの薬剤であると分からなくても報告して良いとのことで、それらの報告が集まってくれば、統計学的に判断できるというものだった。これは非常に大事なことで、薬剤師として、医薬分業に携わる上で是非やってほしいということだった。健康保険の赤字のために、医薬分業が否定的に考えられてはならないと訴えられた。さらにコンビニの医薬品設置の問題などは薬剤師の社会的地位を考えると残念でならない。

このような安全性情報を日本中の薬局がこつこつと出していく事によって、薬剤師の社会的地位も向上してくるのではないだろうかと思う。

※次ページに報告用紙掲載。又、35頁に関連原稿掲載。

求む!協力!

[3]市薬ダンス同好会発足のお知らせ
〜 Shallwedance?〜

日時 第2・第4火曜日 7時半より(3月よりスタート)
場所 市薬会館4F講堂
会費 月/2,000円(3ケ月分前納)
 ・足腰をきたえて一緒に若がえりましょう!
 ・心得のある方も無い方も一度のぞいてみませんか?
 ※見学者大歓迎!!講師はセミプロです。
(連絡先)中野薬局 TEL 882-3004


[4]九州漢方研究会入会案内

 創 立:昭和33年9月(初代会長 故塚本越夫先生)
 現会長:九大名誉教授 西岡五夫先生
 副会長:第一薬大教授 木村孟淳先生
 評議員:福岡大学教授 岡部 光先生

今年で創立40周年を迎える九州漢方研究会は、今年の11月には日本漢方交流会(薬剤 師を主体とした全国的漢方研究団体)の学術大会を担当して福岡市で開催いたします。
 れを機会に多数の方が入会されますようにご案内いたします。

開催日:原則として毎月第4日曜(但し12月は第2日曜)
会 場:博多グリーンホテル第2(福岡市博多区博多駅中央街4−4 筑紫口)
    電話(092)451−4111


〜平成10年度カリキュラム〜

午前の部(10:00〜12:30)
 初級講座(漢方の勉強が初めての方や初心者を対象とした講座です)
  ○基礎理論  ○基本処方解説  ○『傷寒論』略解  ○質疑応答
 中級講座(漢方基礎講座を習得後、応用力を身につける為の講座です)
  ○「病気と治法」の分類と適用  O「季節時の病症に用いる漢方薬」の実践応用
  ○『金匱要略』解説

午後の部(13:30〜17:00)
  ○生薬講義  ○症例研究  ○薬業事情連絡・香月牛山『長命養生訓』解読
  ○『黄帝内経素間』解説・『医方集解』解説(隔月に)

[開講前に「漢方入門手引き」と、開講後に研修講座「傷寒雑病論・第一〜第四」あり]

  ◎入会金:\15,000(学生は入会金\5,000)
  ◎年会費:\35,000(1ヶ月聴講料:\4,000)
  ◎但し日本漢方交流会準会員会費を含む
  ◎日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師制度の認定対象集合研修会です。
  ◎問合せ:福岡市中央区地行1−3−6 漢方専門仁池薬局
         TEL 092−751−0204

楽しい中国語

【商組のページ】

福岡県医薬品小売商業組合からのご案内

−力を合わせて有名商品にしよう −
−単品バラ可、ノルマなし 全組合員が取り組みを−

PB商品は利益確保のためという経済的な意義だけではない。 全国の零細薬局・薬店が団結し自らの市場を作るというのが大きな意義である。

PB商品開発中に「有名メーカーに作らせたらどうか」という意見もあった。  しかしメーカーに依存する気持ちをもっていてはこれから先の厳しい環境を乗り切れない。

乱廉売の横行する県の商業組合ほど「隣の店が売っているから自分は取り扱わないというのではなく、力を合わせて地域の有名商品にしよう」と希望に燃えてPB商品販売に取り組む姿勢が顕著に表れている。 その理由はメーカーに対する一切の幻想を持っていないことである。

信じられるのは自らの団結であり、自らの団結によって切り開いた地平にしか希望が存在しないことを経験からつかみ取っているのである。今回の医薬全商連のPB商品は、従来のようにメーカーからノルマをかけられて症状に適合しようがしまいが是が非でも販売しなければならないというシステムはとらない。

単品バラ発注で無理せずお客の症状に適合した薬を販売でき、店にとってもお客にとってもメリットがある。零細薬局・薬店みんなが生き残るように奮闘しなければ自分の店も生き残れないという観点に立って、全組合員に取り組んで戴きたい。

商組のページ

文芸

中医略史(9)

捨てるもの

突然お手紙を致しますがお許し下さい。このたび股(イン)殿が皇帝に馬を献上されるということで、私がその取り次ぎをさせて戴きました。 股殿の話によれば、父は陽慶(ヨウケイ)殿とのことで驚きました。

公孫光(コウソンコク)を覚えておいででしょうか。私は若いときより医術に興味があり、私なりに勉強をしてまいったつもりです。そんなときに是非とも陽慶殿の医術を習いたいと訪ねたことがあります。しかしながら陽慶殿はその時、私がその医術を受けるには足りないといわれました。私は非常に残念に思いましたが、それでも医術を勉強し続け粗末な術に磨きをかけてまいりました。名前も少しは知られるようになり、弟子になりたいといってくれるものもあり、私の術を伝えました。

弟子は淳子意(ジュンウイ)と申しますが、彼の才能は秀逸で出し惜しみなく伝えた私の経験に飽きたらず、もっと学びたいというのです。そこで私は陽慶殿の話をしたのです。私には及ばない術があることを知らせたのです。彼は非常に感激して是非とも教えを請いたいといいました。

私ももう年をとりました。陽慶殿もお元気だということですが、かなりの年齢になられるはず。どうかこの若い情熱に満ちた青年にあなたの術を伝授願えないでしょうか。

公孫光

 

意(イ)はこの手紙を携えて陽慶を訪ねた。

「あなたが淳子意ですね」陽慶は読み終えると意(イ)を見つめていった。
「あなたがどれほどの勉強をされているか分かりませんが、『黄帝扁鵲之脈書(コウティヘンジャクノミャクショ)』は読みましたか?」

「いいえ」意は書物の名前は聞いていたが、実際に見たことはなかった。当時は書物は竹簡で書かれていた。それを写経していかなければ冊数は増えないので、限られたものにしか伝わらなかったし、また手に入れることも難しかった。
「まだ読んだことがありません」

「それでは『上経(ジョウキョウ)』『下経(ゲキョウ)』はどうですか?」
「いいえ」
「『五色診(ゴショクシン)』はどうですか?」
「いいえ」
「『奇咳術(キガイジュツ)』『揆度(キタク)』『陰陽外変(インヨウガイへン)』『薬論(ヤクロン)』は…?」
「いいえ、読んでおりません」
「分かりました。それでは私が伝授いたしましょう。ただし公孫光殿より伝授されたものを全て忘れなさい」
「何といわれました」意は驚いた。
「公孫光先生より習ったものを全てですか」

「その通りです。基礎のない術などというものはないのです。そんなものは医術とはいえません。遠く上古の時代、神農(シンノウ)のころより脈々と引き継がれ、考察されてきたものが基礎なのです。神農が身をもって草木の薬毒を試したことが医薬の初めとなっているのです。黄帝(コウテイ)・岐伯(キハク)が続き、扁鵲(ヘンジャク)に至っています。以前公孫光殿が私の医術を学びたいと来られたことがある。しかし私は教えなかった。
当時は私も若く、長く苦労して学んできたものを安易に伝授することに抵抗があったのです。公孫光殿には本当に悪いことをしたと思っています。しかしながら公孫光殿は今まで自分で積み上げてきたものを捨て去ることは出来なかったでしょう」意は旅立つときの公孫光先生の言葉を思い出していた。

《陽慶殿の医術は非常に奇妙で、私などとうてい考えが至らない。しかしその術は確かで多くの難病を治療している。その術を学ぼうとするなら常識を捨てなければならないだろう》

意は少し考えてから答えた。
「分かりました。お願いいたします」

こうして淳子意は陽慶の弟子となった。高后八年、紀元前180年のことである。陽慶は上述の医書と合わせて『石神(セキシン)』『接陰陽禁書(セツインヨウキンショ)』の10書を意に与えた。これらの医書が後に『黄帝内経(コウテイナイケイ)』に引用され、残される事になる。

10年後陽慶は亡くなった。淳子意はその後斉国の大倉長となり、人々は倉公と呼んだ。 しかし後年倉公は肉刑に処せられそうになり、波乱の人生を送る(※)ことになった。

意は診療した患者についてはすべて記録していた。 そこには住所・氏名・職業・病状・治療法・薬剤・経過が記録されていた。今でいうカルテの始祖である。

※肉刑とは、いれずみ・鼻切り・足切り・去勢などの体を傷つける刑罰


陽慶が意に十書を与えたことは確かだが全てを読んでいなかったかどうか、また陽慶と公孫光との心情のいきさつは、その真実は定かでない。

(上村義徳)

川柳

うちの看板娘

浜の町病院薬剤部編

薬剤師 遠藤知美  浜の町病院薬剤部に勤務することになってから、はや一年が過ぎようとしています。福岡大学薬学部を卒業し、社会人として、薬剤師として一年生。こんなヒヨコの私を、先生方は一から指導して下さり、毎日発見の連続であっという間の日々を送っています。
 もともと興味のあることはすぐ実行、熱中する私ですが、この一年個性的な先生方のもとで、私はいろんな事を吸収し、影響を受けています。
 最近では、(これも影響されて!)カメラに凝っています。大きな一眼レフのカメラを首から下げて天神の町を激写している私は、なんだかあやしいかもしれません。
 母親も同じく薬剤師で、今は同じ立場に立てた喜びと感謝で一杯です。よき先輩方に恵まれた事に感謝しつつ、薬剤師として、又一人の人間として、一人前に成長していきたいと思います。

〜千阪薬剤部長より一言〜

平成9年度は法や新保険制度の改正と創設が同時にありました。このような環境の中で医療に直接携わる新薬剤師は、時代の申し子というか、これらの法と共に同期として歩んで行かねばならなくなりました。明るさと行動力のある彼女は、これからの薬剤師としてぴったりです。

君子避三端

(韓詩外伝)

「君子は三端を避く」。端とは切っ先のこと。
 三端とは文士の筆端、武士の鋒端(矛先)、弁士の舌端。賢明な人(君子)は言動に慎重で無意味な非難や批判は受けないという意味です。

会員の移動

訃報
会員の移動

会 務 日 誌

12月18日 支部長会議                    19:30
  19日 薬局委員会                    19:30
  20日 山崎拓衆議院議員25周年祝賀(オータニ)     14:00
  21日 広報委員会                    17:00
  25日 定款検討委員会                  19:00
1月5日 山崎拓新春のつどい(オータニ)          11:00
     選挙管理委員会                  19:30
  6日 福薬連新年会(ホテル日航)            11:00
     太田誠一新春のつどい(シーホーク)        14:00
  12日 国保運営協議会 (アクロス)           15:00
     常務理事会                    19:30
  13日 監査会                      17:30
     議事運営委員会                  19:30
     勤務薬剤節会新年会 (八仙閣)          20:00
  16日 市薬薬局委員会                  19:30
  17日 第40回臨時代議員会               15:00
     選挙管理委員会                  19:30
     医誠会(西鉄ソラリア)              18:30
  19日 国保運営協議会(アクロス)            15:00
     給水衛生協議会総会打合会(東急ホテル)      13:30
     学術委員会                    19:00
  20日 組織委員会                    19:30
  21日 学術研修会                    19:00
  22日 処方検討会(あいれふ)              19:00
     在宅医療委員会                  19:30
  23日 薬局委員会                    19:00
  24日 学校保健研究大会(講堂)             14:00
  26日 在宅研修会                    19:00
  27日 三役会(てら岡)                 19:00
  29日 第298回理事会                 19:30
     給水衛生協議会 (松山市)            13:00

[編集後記]


〜視  点〜

もう2年経ったのかなという感じがする。

広報委員になって丁度一期が過ぎようとしている。来期は誰が残る、誰が止めるなどと噂も飛び交うが、私はもう一期残ろうと思っている。県薬の会長選があるが、宮崎先生が福岡より立候補された。今回は是非福岡より出てほしいと思う。

さて「ジャーナル」は全体を把握しているだろうかという疑問がある。漏れている大事なことはないだろうか。会員の皆様の要望・希望・疑問に答えているだろうか。視点は執行部や会員の皆様と一緒だろうか。3月号の校正をしながら、ふとそんなことを考える。

投稿も最近は増えてきており、先生方の問題意識が真剣なだけに、言わずにおれなくなってきているのかも知れない。

さて、今回は福大薬学部医薬品情報学教室の小野助教授の「薬剤情報提供」が圧巻だ。

(上村義徳)


〜 2月22日 朝〜

シロウオの漁の風景を見た。天気も良かったので春らしく思った。車と団地など今風のたたずまいの中にあって昔ながらの漁の風景。老人の漁師が二人、籠にかかった獲物を小さな網ですくっていた。

「今日の獲具合はどうですか」と尋ねた。 すると老人が少し笑いながら「少ないねえ」と答えてくれた。 何か今日は、やや大袈裟ではあるが、朝から季節の味わいを感じたような気がした。

ところで、この春の会長選は、福岡市より宮崎先生が立候補されておりますが、是非市薬は県薬と太いパイプを持ちたいものです。

(小松公秀)


〜一期を終えて 〜

西支部の会員として日が浅い私が、竹尾先生より部会長を引継いだことをきっかけに、吉田支部長より広報委員へ推薦され恐る恐る委員会へ出掛けた。書くこと、校正することと私の最も苦手とすることが襲い掛かってくる。初回から嫌になってはどうしようかと思っている中で、細井副会長から「酉支部から初めての広報委員の参加です。よろしくお願いします」等々、何かと、フォロー、アドバイスをして戴いたおかげで一期を努めあげることができました。

細井徹一先生、今期のご指導本当にありがとうございました。

(津田和敏)


〜 勇気と元気のお裾分け〜

冬季オリンピックが終わった。何だか気が抜けた。「忙しいっていう字は心を亡くすって書くのよね〜」なんて言いながら雑事に忙殺される中、オリンピック観戦はまさに心のオアシスであった。人間は何か楽しみや喜びや感動なくしては平素の仕事にも精を出せないもののようである。

五輪の期間が丁度ジャーナルの校正・編集の時期と重なり、リアルタイムではじっくり浸れなかった競技もあったものの、五輪効果はてきめんで、感涙にむせびその余韻にうっとりし勇気と元気をお裾分けしてもらったお陰で、3月号の編集はさほどナーバスにならずに(いつもはカリカリ怒りまくっている)進行中である。

ま、要はお祭りさわざが好きなんですね。

さてさて…では、また明日から別の楽しみを見つけなくっちゃ…。

(北島啓子)

追伸:告白します。翌日やっぱり、ヒステリーを起こしました。


この2年間、御協力ありがとうございました。

(戸田昭洋)

1998 NAGOYA OLYMPIC WINTER GAMES

訂正

本年度のテーマ 薬のことをもっと知ろう

平成10年1月10日発行
福岡市中央区今泉1丁目1番1号
社団法人 福岡市薬剤師会 T E L 092-714-4416
発行人   藤 原 良 春
編集人   北 島 啓 子
 委 員  伊 東 美 穂
      上 村 義 徳
      小 松 公 秀
      津 田 和 敏
      戸 田 昭 洋
      東   美 代
      堀之内 真 紀
担当副会長 細 井 徹 一
印刷所   (有)興英社印刷