■ 巻 頭 言
かかりつけ薬局の育成 (社)福岡市薬剤師会 副会長 合澤英夫

私が薬剤師会に行く道筋に、ほんの1、2年前まで薬局、薬店が7店ありました。しかし今は3店になってしまいました。私達薬剤師の職場が消えていくのは残念でなりません。聞くところに依りますと調剤を主とした薬局も店を畳む所が出て来ているようです。

この先、社会が、特に私達に深い関係があり生活の場でもある医療行政を含む環境が如何に変化していくのか依然として不透明であり、心配であり不安でもあります。決して私達にとって良い方向に進む事はないようです。然しじっと手をこまねいていては淘汰されるのを待つばかりです。生き残り、更に薬局、薬剤師の機能と職能を確立していく為には、社会状況が如何にあろうとも、医療行政が如何に変化していこうとも、国民に対してより良い医療と健康に関連する情報等を提供していく事が大切だと考えます。

現在、薬剤師会を挙げて“かかりつけ薬局”の育成が進められています。“かかりつけ薬局”とは勿論国民の側からの視点であり、私達は“かかられつけ薬局”と云う事になります。この“かかられつけ薬局”である為には何を為すべきかであり、個々の薬局、薬斉掴市が、又薬剤師会が如何にある’べきかが課題であります。この事をもっと真剣に検討し、それに向って具体的に努力しなければならないと思います。

薬剤師会は、個々の薬局、薬剤師が、その機能や職能を確立していく為の、換言すれば、国民に信頼される“かかりつけ薬局”になる為の支援団体だと私は考えています。現在の薬剤師会の組織を挙げてこの支援体制を作り、今出来る事を、具体的に−歩一歩実現していく必要があります。最少の労力と経費で出来るだけシンプルに実行していければと考えています。

欧米の薬剤師の社会的地位を想う時、それは一朝一夕で築き上げられたものでなく、数十年、数百年の薬剤師の努力の上に成り立って来たものです。日本に於いて今私達薬剤師は最近になってようやくマスコミ等でその存在を認知され始めたばかりです。欧米の薬剤師に追いつく為にはもっと我々薬剤師の汗と涙が必要かも知れません。後から来る薬剤師の為にも、もっと血さえもを流さなければならないかも知れません。でも目的ははっきり判っています。国民に信頼される薬局、薬剤師である事、所謂“かかりつけ薬局”になる事です。

然し現在の医療行政では薬剤師はほとんど総てに於いて裁量権がなく、規則や処方医の指示に従わなければなりません。このような状況では薬剤師の社会的認知を得るには大きな困難がともないますが、個々の薬局、薬剤師と支部、市薬剤師会が協力し、密に連携を取り合いながら、具体的に出来る事から進めていきたいと思います。

<私と薬> 九州大学薬学部・大学院薬学研究科はあなたに何が出来るか? 九州大学薬学部教授(薬剤学)             澤田康文
九州大学大学院薬学研究科教授(薬物動態学)      樋口 駿
九州大学薬学部教授(薬理学)薬学部長・薬学研究科長  渡辺繁紀

左から樋口、渡辺、澤田各先生

「開かれた大学」

21世紀に向けてどこの大学でも改革は焦眉の急となっています。九州大学の改革の基本理念をご存じですか?それは「時代の変化に応じて自律的に変革し、活力を維持し続けるシステムが内部にビルト・インされ、かつ国際的にも社会的にも開かれた高度の教育研究組織である研究大学の構築」です。この中で特に強調されているのが、社会からの多面的なニーズに対する社会人の再教育、企業との研究協力、市民との学術・文化交流です。つまり、高度知識社会を支えるに相応しい専門的・技術的管理的高度専門職業人の大量の育成及びこれらの職業に従事している社会人への再教育と多様な知的欲求を持つとともに、市民生活にかかわる諸課題の解決に積極的に関わり市民への生涯教育に対する支援なのです。

九州大学薬学部・薬学研究科ではこの九州大学の基本理念を受けて大いに改革をすすめています。即ち、1)先覚的に薬学をリードして研究活動を行うことはもちろん、2)社会において指導的役割を果たし得る創薬、医薬品適正使用の高度な専門的知識・能力を有する人材の育成を行うこと、3)薬剤業務などに従事する社会人(開局の薬剤師、病院勤務の薬剤師をはじめとして官公庁、民間企業などに勤務している方々)の再教育を行うこと、そして、4)一般市民の方々に対しては「薬の正しい知識と使い方」、「危険な薬物乱用」、「最先端の薬学研究」などを知って頂くために生涯教育(講演会、講義、ゼミなど)を行うことです。1)と2)は大学ならやって当たり前、成果が得られて当然のことです。今、私達の強調したいのが特に3)と4)です。

「二足のわらじ」

九州大学薬学部・薬学研究科には博士後期課程社会人特別選抜という制度があります。

ご存じですか?これは薬剤師としてお勤めをしながら九州大学薬学系大学院博士課程の大学院生となり、薬学教育を受けて先端の薬学研究活動を展開することが出来るという制度です。つまり「二足の草鞋」を履くことができるということです。お勤め先の所属長の方の許可が得られれば、業務に影響しないように、お仕事の終わった時間外(夜間)、週末、休日に勉強や研究ができます(大学院生になるわけですからもちろん入学金と授業料は必要ですが)。サポートする教官スタッフの体制も万全です。修士課程修了者はもちろん受験資格はありますが、学部卒の方でも受験資格審査さえ通れば受験できます(九州大学薬学部学生掛にて詳しい情報の入手可:TEL092−642−6541)。

九州大学薬学部・薬学研究科において、薬剤師の皆さん方の日々の仕事に一番近いことを教育研究している講座は、「薬物動態学」と「薬剤学」の二講座だと思います。薬物動態学講座は樋口駿が主宰し、臨床薬物動態学の基礎と応用研究をしています。薬剤学講座は澤田康文が主事し薬の安全性と有効性の基礎研究を行っています。また九州大学医学部附属病院薬剤部には「医薬品情報解析学」(九州大学薬学研究科の医療薬学専攻の一つ)の講座があり、大石了三先生、片岡泰文先生が医薬品適正使用に関する薬理学的研究をされています。これらの講座は皆さん方に最も関心のある分野ではないでしょうか?

「今更研究が何の役に立つのか?、私にはとても価値を見いだせない!」と考えている薬剤師には無理にとは言っていません。「今とにかく自己研磨のために研究をやりたい!」「在宅医療の中で生かせる研究をやりたい!」「薬物治療に生かせる遺伝子診断の研究をやりたい!」「薬剤治療の基礎研究と応用研究をやりたい!」「薬剤業務の新しい展開のために高度な技量を修得したい!」と燃えている薬剤師だけを待っています。

大学院生になれば我々スタッフはあなたへの教育とあなたの研究活動のためにフルケアーであたることはもちろんです。魅力的な薬学の教育を受けて、最先端の研究が行えるチャンスです。あなたの近くに昔から鎮座しています「九州大学薬学部・薬学研究科」をどんどん利用して下さい。福岡の開局薬剤師、病院勤務薬剤師の皆さん、九州大学薬学部・薬学研究科は今この様なことまで考えているのです。

〈澤田の独り言〉

東京から福岡に来て4月で丁度3年。東京で忙しなく過ごしている時には、九州は外国の様な、恰も九州国とでも言いましょうか、私にとっては遠い場所に位置している存在でした。実際は東京中野の自宅と今のアパートでは玄関⇔玄関で3時間足らずですから、場合によっては新幹線を使った場合の東京⇔大阪より近いかもしれません。私の意識はやはり福岡・東京間の絶対的な距離のせいではないかと思います。

福岡に来て一番いいなと思ったことは、全てがこぢんまりして混み合っていないということです。小回りがきいて何処でもスイスイと動けるということです。この3年間、地域の医師に対する講義、地域の薬剤師との勉強会・研究支援、地域市民に対する色々な講演会など色々とやらして頂いています。東大病院にいた時も、同じ様に病院薬剤師への卒後教育として「薬と情報の研究会」、「病院薬学研究会」、地域の開局薬剤師に「調剤技術研究会」などを汗だくで毎月行っていました。

私の考えでは、偉い先生方を連れてきてしゃべって頂いて、薬剤師が有り難く聞いている様な講演、それに当たり障りのない質疑、これではあまり勉強にならないと思います。薬剤師自ら勉強して発表してその内容をみんなに評価してもらう。テーマのまとめ方、プレゼンテーションの仕方、ディスカッションの仕方などの勉強にもなります。この様なゼミでないときっと知識も身に付かないでしょうし、応用も利かないでしょうね。これからも地域の薬剤師の勉強のためのアドバイザーとしてどんどんやっていきたいと思っています。

勉強会、講義、講演、研究…時間のある限り御協力致します。大学は社会に開かれていなければなりませんし、口だけでなくそれを実行しなければいけません。つまり本当に気軽に立ち寄れて、薬にまつわる色々なことにきめ細かく相談にのる大学でなければいけませんね。九州大学薬学部はもちろんそれを目指しているのです。

〈樋口の独り言〉

バイタリティー溢れる澤田先生が、九州大学薬学部・大学院薬学研究科のスタッフに加わりまして、医療薬学の充実はもちろん、社会に開かれた薬学部・大学院薬学研究科を目指しての改革が急ピッチです。「薬学部公開講座の内容も少し工夫をしないといけないな!」、「どういうリフレッシュ教育が薬剤師にはいいのかな?」、「薬剤師とタイアップできるカリキュラムも欲しいな!」てなことを考えながら、私自身、澤田先生、渡辺新薬学部長から尻をたたかれ?ながらの毎日であります。

今、開局薬剤師、病院薬剤師の間では、ファーマシューティカル・ケアなる言葉が認知され盛んに使われるようになりました。医療現場に勤務する薬剤師が、薬学的知識をベースに、実務を通して患者のケアを行う。 一般的にはこういう解釈でしょう。ファーマシューティカル・ケアは便利な言葉です。解釈の仕様によっては如何様にもなります。それなら、私たちもファーマシューティカル・ケアを皆さんに行おうではありませんか。九州大学薬学部・大学院薬学研究科が、皆さんの実務に役立つ情報の構築やリサーチの手助けをします。これも立派なファーマシューティカル・ケアの一つと思いませんか。

皆さんが、プラクティカルなレベルで患者さんのケアを行うなら、私たちは、アカデミックなレベルで皆さん薬剤師のケアを行います。20年前、大学院から病院薬剤部に移る時、「お前は薬局のおっちゃんになるんか?」と言われました。今、そういう言葉を吐く先生方は見あたらなくなりましたが、博士号を持った薬局のおっちゃんやおばちゃんが誕生してどこが悪い!病院薬剤部での勤務経験を持っ教官を2名も有する薬学部は、日本中探しても見あたりません。九州大学薬学部・大学院薬学研究科を利用しない手はない。そうは思いませんか?

 昨年度の博多・中央区の処方検討会は〈澤田の独り言〉の中で語られているゼミ形式の勉強会でした。前もって資料が配られますので、勉強会に出席する前に読んでいき、あらかじめ疑問点を把握できます。当日は発表者がレジメを用意してくれます。会員の有志が発表者になります。澤田先生はポイント・ポイントで問題点を提示され、検討会は新しい展開を見せたり、議論が深められたりしました。通り一遍でなく身につく楽しい勉強会でした。
 5月からは“ファーマコキネティツクス”のゼミが始まります。難解な式は使わず御教示くださるようです。ゼミに参加してレベルアップしませんか。       (M)

<会員の広場> 『環境問題 その5』 早良支部 原南部会 温和堂薬局 福岡秀樹


環境ホルモン
【キレる】
【環境ホルモンとストレス】
【汚染ラットの過剰反応】
【人間の子供でも確認された過剰反応】
【H・ダーリーの追試験】
【馴化能力の実験】
【クローン】

オゾン層破壊
【UVケア】
【46億年】
【オゾン層の誕生】
【3年間:1秒】
【オゾンホールの発見】
【オゾン層の厚さ】
【紫外線の害】
【有害紫外線からの予防】
【裸んぼ教育】
【フロン】
【モントリオール議定書】
【予防原則】
【自動販売機】

前号で『奪われし未来』を紹介させていただきましたが、その中で著者は『地球を保護しているオゾン層にぽっかりと大きな穴が開いたり、ヒトの精子数が減少したりしている。これはあらゆる意味で、地球を蝕んでいる病の二大兆候である』と述べています。

今回は、前号でも触れました「環境ホルモン(内分泌擾乱物質)」の続きと「オゾン層破壊」について書かせていただきます。

『内分泌擾乱物質』『環境ホルモン』『エストロゲン様作用物質』いずれも同じ意味で使われていますが、今日本のマスコミでは『環境ホルモン』が主に使われているようです。

本文でも『環境ホルモン』に統一して使用します。

環境ホルモン

【キレる】

「キレる」「バタフライナイフ」という言葉が流行語になりつつあります。

この「キレる」とは自制が効かなくなる状態を総じて言っていると思います。
 あらゆるストレスに対して抗しきれなくなった状態、という表現でもいいかもしれません。
 誰でも、程度の差こそあれ「キレそうだ」という状況に追い込まれた経験はあると思います。しかし、私達はそれを「自制心」でコントロールしているのです。それで社会生活も成り立っているのです。

今は、この「キレる」という言葉を普通の会話の中でもよく耳にします。
 実際に「キレる」という状態よりもずっと軽い感覚で使われているのだと思います。
 そういう感覚で使われているだけならいいのですが、現実に簡単に「キレて」しまった事件が多発してきているのです。

バタフライナイフを使った「中学生の刃物事件」だけでなく、外国の新聞で「悪魔の国」と報じられてしまった「幼児殺し事件」、このような目を覆いたくなるような事件が頻繁に起こっています。

現代社会はストレスの中で生活している状態です。ストレスが全く無い状態というのも考え難いのですが、今は過剰なストレスに囲まれ、それに慣らされているような状況です。
 ストレスに耐え、それを乗り越える力を私達は持っています。しかしそれ以上のストレスが掛かれば私達の神経は耐えきれないでしょう。

でもここでちょっと考えてみてください。この過剰とも言えるストレス社会を作ったのは誰なのでしょうか。

私達人類が、more & more、もっともっと、という競争社会を生み、その競争社会が過剰なストレスを吐き出しているのです。そして、more & moreの社会が、人類を危機に陥れようとしている「環境ホルモン」を作り出してしまったのです。そしてこの「環境ホルモン」が「キレる」ことにも関わっているらしいのです。

【環境ホルモンとストレス】

ストレスが過剰になれば、私達の神経は耐え切れません。
 さらにストレスに抵抗する力が低下すれば、「キレる」という状態はもっと簡単に起こってしまいます。

ダイオキシン、PCB、DDTに代表され、今の生活環境の中に蔓延している「環境ホルモン」が「ストレスに対する抵抗力を低下させている」という研究データがあるのです。
 ストレスが増加する上に、ストレスに対する抵抗力が低下するのであれば、情緒は安定せず、「キレる」ということによる事件も今後更に増加して行くことも十分考えられるのです。

「環境ホルモン」と「過剰なストレス」はどちらもmore & moreの社会が生み出したものです。
 「環境ホルモン」だけに、「ストレス」だけに焦点を当てても真の問題解決には繋がらないと思うのです。

 今の社会現象にしても「親子の会話がない」「近所付き合いがない」「人間関係が希薄になっている」など色々言われています。

人間関係が煩わしいから機械に走る。
 ファミコンにコンピューターに。
 そこにあるのはバーチャルな世界です。現実の世界ではないのです。
 そして仮想の世界の中で寂しさを覚え繋がりを求める。
 仮想の世界の中の繋がりであるインターネットは決して真の人間関係の世界ではないのです。

さらにはTV、ビデオ、映画から流れる過激な映像。
 子供は初めは壊す遊びを覚えます。人間には破壊する欲望、快楽があるのです。
 しかし子供は破壊と共に痛みも覚え、成長していきます。そして「調和」という事も覚えていくのです。
 映像の中の暴力に痛みはありません。

過激な情報が溢れているこの社会環境の中で、その成長の過程を過ごさなければならない今の子供達。その子供達を私達は守ってあげてると言えるのでしょうか。

すべてmore & moreの社会の出来事なのです。
 大量生産・大量消費が支えるmore & moreの社会。現代社会そのものを、私達の価値観そのものを見直さないといけない所まで、私達人類は私達自身を追い込んでしまっているのです。

【汚染ラットの過剰反応】

 PCBに汚染されていたオンタリオ湖の魚をラットに食べさせた研究を、ニューヨーク州立大学で心理学者のヘレン・ダーリーが行なっています。

 汚染魚(サケ)を餌として与えたラットと対照群のラットとの間に下記のようなパターンが出てきたのだそうです。

○生活が快適で平穏な場合には、いずれのグループにも行動の違いは見られない。
○一度やっかいな問題が生じると、汚染魚の餌のグループは対照群に比べ、激しい反応を示す。
○汚染魚の餌のグループは、それ程ストレスがたまらない状況でも、過剰反応を示す。

これは、「環境ホルモン」がストレスに対する抵抗力を低下させ、異常行動を引き起こすことを示唆しています。

この研究で他にも次のような事実が確認されています。

○このような行動変化は、胎生期にPCBに汚染されたラットだけでなく、大人のラットに汚染魚の餌を与えても現われる。
○汚染魚の餌を与えられ行動変化が現われたラットの二世代以降のラットにも、同じような行動変化が現われる。
 この場合、二世代以降のラットには、汚染魚の餌は与えていない。

研究者のH・ダーリーはこの時「汚染物質が、ヒトにもラットにも同じように影響を及ぼすとしたら……ほんの些細なストレスでも、生理機能にとっては相当なダメージになるはずだ」と語っているそうです。

【人間の子供でも確認された過剰反応】

 H・ダーリーのラットでの研究より前に、ウェイン州立大学の心理学者ジェイコブソン夫妻が、汚染魚を食べていた女性の子供の調査を行なっています。
 この女性達は、ミシガン州在住で、PCBをはじめとする高レベルの汚染物質を含んだ五大湖産の汚染魚を食べていたのでした。
 この女性達は下記のような魚の食べ方をしていました。

○妊娠に先立つ6年間、月2〜3回の割合で魚主体の食事
○妊娠中は魚を一切ロにしていない女性もいた

この調査研究で次のような事実が認められています。

○魚を食べていた女性の子供は、
 ※出生時の体重が少ない
 ※頭園が小さい
 ※出生後時間をおいての検査で、神経障害が認められる
○特に大量の魚を食べていた女性の子供は、
 ※反応の鈍さ
 ※新生児としては異例な痙撃のような動作
 ※生後7ヶ月のテストで、認識能力に欠陥があることを確認
 ※この子供は、その後の知能テストで対照群との差が出る
 ※4才時での知能テストでは、言語テストと記憶テストの成績が悪い

 妊娠中に魚を口にしていない女性の子供にも異常反応が出ているのです。
 これはPCBは残留性が高く、脂肪組織中に蓄積されており、それが胎盤や母乳を通じて子供を汚染していたのです。

この調査でジェイコブソン夫妻は、これらの原因はPCBだけでなく、あらゆる化学物質に汚染された結果であると考えていたのでした。

【H・ダーリーの追実験】

 ジェイコブソン夫妻の研究対象になった子供の中で、七名の子供が四才時の検査をボイコットしたという記録があります。
 この七名の子供の母親の母乳からは、何れも高濃度のPCBが検出されていました。
 その検査は子供にとって、多少なりともストレスがたまる作業だったため、過剰な反応を示したのだろうと考えられています。

 H・ダーリーはジェイコブソン夫妻の研究結果も踏まえ、ラットの研究結果がヒトにも符合するか追研究を行なっています。
 その研究において、「オンタリオ湖の汚染魚を食べていた母親から生まれた子供に、『行動及び神経症状』が現われている」という事が明らかになっているのです。

【馴化能力の実験】

この実験の内容は次のようなものです。

眠っている赤ちゃんに
 ★鐘やガラガラを鳴らす
 ★まぶたに光を当てるという刺激を加えて起こす

この実験を繰り返す

 その結果は、オンタリオ湖の魚を食べていない母親の子供は、実験を繰り返すうちに刺激に反応して目を覚ます回数がだんだん少なくなり、やがて反応しなくなるのだそうです。
 それに比べ、オンタリオ湖の魚を食べていた母親の子供は、刺激を繰り返すたびに反応を示すのだそうです。
 それだけ馴化能力が低下しているということになります。

 この研究調査では、著しく体重が少ないとか頭園が小さいという外見上の異常は確認されていないのです。
 身体面には外見上正常であっても、行動面では異常な反応が出ているのです。
 この結果は先のダーリーの実験とも符合し、オンタリオ湖の汚染魚を食べたヒトもラットも、不快な出来事には過剰な反応を示すという結果が出ているのです。

 これは、「環境ホルモン」がストレスに対する抵抗力を低下させているとしか思えないのです。
 「環境ホルモン」が脳に作用していることを示唆しているのです。
 前号でも触れましたが、学童の「多動症」や「注意散漫」の報告。又、大学を希望する高校生の学習能力適性テストの成績が、1963年(昭和38年)をピークに下降しているという調査報告もあるのです。

 「環境ホルモン」だけが、今問題になっている社会現象の原因であるとは勿論言えません。
 しかし、因果関係を否定する事も出来ないのです。
 何度も言いますが、因果関係が証明されるまで待っていては手遅れになるのです。

【クローン】

 「環境ホルモン」が「男性の精子数減少」「女性の子宮内膜症」の原因になっているという事も指摘されています。
 『奪われし未来』の中で著者は「精子数減少」を『地球を蝕む二大兆候の一つ』と何故指摘しているのでしょう。
 「精子数減少」「子宮内膜症」どちらも「不妊」の原因になります。「学習障害」を含め人類の滅亡に繋がるからなのです。

 近頃「クローン羊」や「クローン牛」が話題になっています。
 クローン技術を人間に応用していいか、という問題が世界的に議論されています。
 米国では「クローン禁止法案」は科学会から、有益な研究の道を閉ざすという反対の声が上がり結局否決されていますが、科学会では法案が早期成立されなかったことにより、やっと落ち着いた議論が出来ると言う事で「クローン人間の是非」というシンポジウムも開かれているそうです。
 ただし、州レベルでは規制の動きが進んでいるそうです。

 クローン羊ドリーの生みの親の、イアン・ウィルムット博士(英国)は「クローン人間を作ることは倫理的に許されない」と話されているそうです。

 今皆さんが「クローン人間を作る是非」を問われたら何と答えますか? そしてもう一つ考えてみてください。
 「精子数減少の進行」「子宮内膜症の増加」によって人類が不妊の危機に陥り、その回復が当分望めないという状況になったとした時に、「クローン人間を作る是非」を問われたら何と答えますか?

オゾン層破壊

『地球を蝕む二大兆候』のもうひとつ『オゾン層破壊』について触れてみたいと思います

【UVケア】

 今「UVケア」という事が盛んに言われています。
 紫外線の害は、今や夏だけのものではなくなっているのです。今月5月の太陽光線からも相当の有害紫外線は降り注いでいますし、冬場に於ても決して安心できる量ではなくなっています。
 UVケア商品には「SPF」とか「PA」という表示がしてあります。

SPF:紫外線Bをカットする効力を示す値
   (例)SPF20
    「素肌でUV−Bにさらされ、紅斑が発生するまでの時間」の20倍の時間。
    仮に15分で紅斑が発生するなら、20倍の時間=300分(5時間)日焼け止め効果が持続することを示す。

P A:紫外線Aをカットする効力を示す値
    PA・PA++・PA+++の3段階表示される。

 わざわざ紫外線をAとBに分けて表示し、紫外線Bの方がより詳しい表示になっています。それだけに特に有害な紫外線Bの照射量が増えているのです。

 その有害紫外線が地上まで届くようになった原因が「オゾン層破壊」なのです。
「オゾン層破壊」が進行し有害紫外線量が増せば、人類だけでなく陸上の生命体全てが滅亡する危険性があることを、『奪われし未来』の著者は警告しているのです。

【46億年】

 では、何故「オゾン層破壊」が人類の滅亡を招くのでしょうか。
 ここで地球の歴史を見てみたいと思います。
 地球の誕生は46億年前と言われています。
 簡単な表にしてみます。

46億年前……地球誕生
36億年前……海が出来る
 ↑
 ※この間32億年!
 ↓
4億年前…‥・陸上に生命体が誕生
 ↑   (シダ類)
 ※陸上を縁で覆うのに1億年かかる
 ↓
3億年前……両生類が誕生
2億年前……爬虫類が誕生
1億年前……恐竜が誕生
10万年前……ホモサピエンスが誕生
1万年前……農耕文明の発生

 地球誕生から、海が出来るまでに10億年。それから陸上生物が誕生するまでに32億年という途方もない年数を要しています。
 この32億年の間、地球は一体何をしていたのでしょうか。

【オゾン層の誕生】

 原始地球の大気は98%が二酸化炭素でした。
 その二酸化炭素を取り込み光合成する生命体が海の中で生まれます。
 その時に酸素が発生します。その酸素は海中の有機物を酸化して消費されます。
 その内に消費される以上に酸素が発生していきます。その酸素は光合成で酸素を発生している生命体そのものを攻撃します。
 現代の私達にとっては酸素は不可欠なものですが、この生命体にとっては酸素は毒でしかないのです。これが「嫌気性生物」です。
 そしてこの酸素毒を無害化する酵素を持った生命体が生まれます。これが「好気性生物」です。
 この酸素毒を無害化する酵素が、今、活性酸素を抑えると話題になっている 「SOD」や「グルタチオン」なのです。

 こうして酸素毒から身を守れるようになった植物が増加し、酸素はますます増えて行きます。その酸素は大気中にも増えて行きます。

 しかしこの時点でも、まだ陸上に生命体は上がれなかったのです。
 何故か。宇宙から降り注ぐ有害紫外線。これが陸上の生命体の発生を阻止していたのです。有害紫外線がある限り、生命体は死滅してしまうからなのです。

 大気中に溜まった酸素に紫外線が当ると、次のような反応が起こります。

 ここで「オゾン」が発生したのです。それがだんだん増えて「オゾン層」を形成したのです。
 この「オゾン層」によって有害紫外線がカットされ、初めて生命体は陸上に上がることが出来たのです。これが4億年前なのです。
 地球は延々32億年かけて陸上に生命体が上がれるように「オゾン層」を作っていたのです。

【3年間:1秒】

 この「オゾン層」が今破壊されているのです。
 オゾン層を破壊する物質、その代表が「フロン」です。
 「フロン」は1928年に発明され、その使用量は、ここ40年間急激に増加しているのです。

 地球が延繰り返し32億年、地球誕生から42億年をかけて、私達人類をはじめ陸上生物を守るために作ってくれた「オゾン層」を、人類はわずか40年で破壊しているのです。

 この40年を1秒とするなら、32億年は2年半、42億年は3.3年になります。
 人類の出現も、地球の歴史から見ればほんの一瞬の出来事です。

 もし皆さんが、3年間毎日こつこつと作り上げてきたものを、そこに突然現われた何物かに一突きでボンッと壊されたとしたらどうしますか。
 怒りますか、嘆きますか、泣きますか、それとも諦めますか。
 「オゾン層破壊」は、地球から見ればこれと同じ状況なのです。

【オゾンホールの発見】

 オゾン層にポッカリ大きな穴が開いた「オゾンホール」は、南極大陸で1985年に最初に確認されています。
 1974年に米国のローランドが「ネイチャー」誌で、『10年後にオゾン層の破壊、20年後に人体に被害、30年後に取り返しがつかなくなる』という警鐘を鳴らしてから、まさに11年後の出来事でした。

 現在では北極上空でも40%、日本上空でも30%のオゾン層破壊が確認されています。

【オゾン層の厚さ】

 大気圏は地上約1000qあり、地上から上空に向かって対流圏、成層圏、中間圏、熱圏に分類されています。
 オゾン濃度は成層圏の中の高度20〜30q付近で高くなっています。
 しかしオゾンの大気中濃度は0.025ppmにしかすぎません。
(参考:CO濃度は360ppm=0.036%)

 それを標準状態の0℃、1気圧で地球表面に集めたとしても、3mmにしかなりません(オゾン層の厚さは、標準状態に換算しても表示されます)。

 わずか3mmの「オゾン層」が、私達人類も含めた陸上生命体を滅亡から守っているのです。

【紫外線の害】

 紫外線は波長でABCに分けられています。

UV−A  波長320〜400nm
UV−B  波長280〜320nm
UV−C  波長190〜280nm

 光のエネルギーは波長に反比例しています。波長が短いほど、可視光線や赤外線よりも大きなエネルギーを持ちます。
 物質に大きなェネルギーがかかると、化学変化が生じます。
 特に大きいエネルギーを持つUV−BやUV−Cは物質に化学変化を起こす作用があり、生物がそれを受けると有害な影響が現われるのです。

 具体的には次のような悪影響が言われています。

○人間や動物に対して
 ※皮膚癌の増加
 ※眼の疾患の増加や失明
 ※免疫力の低下
○植物に対して
 ※生育障害や枯死
 ※プランクトンなど微生物の死滅
○水中の植物プランクトンや動物プランクトンの生育阻害は、食物連鎖を通して海洋生態系にも影響

 例えば、DNAに波長250〜280mmの紫外線を照射すると、化学変化を起こし本来のDNAには無い傷がついてしまいます。
 通常このようなDNAの傷は、細胞内で修復されますが、紫外線照射を継続して受けると、修復機構が機能しなくなり傷が残ってしまうのです。

 紫外線によるDNAの損害は「123ルール」と言われています。

オゾン層が1%減少すると
有害紫外線が2%増加し
DNAの損傷が3%増加する

 日本でも、皮膚癌や日光角化症が増加しているという報告が出ており、九州においても、宮崎医科大学の調査で、15年間で皮膚癌が約10倍増えているそうです。

【有害紫外線被害からの予防】

 紫外線Aは日中はほぼ照射していますが、紫外線Bは午前10時頃から午後2時頃までが強く照射しています。
 紫外線Cは大気中の酸素に吸収されています(そのことによって、O→O+Oの反応が起こっています)。

 オーストラリア等では、学校の体育の授業は昼間の時間帯を避けるということもすでに行なわれているそうです。
 又、「スリップ、スロップ、スラップ、ラップ」というキャンペーンも行なわれているそうです。

slip:長袖を着る
slop:UV防護クリームを塗る
slap:帽子をかぶる
wrap:サングラスをかける

 実際に子供達が学校に行くときも、UVケアクリームを塗り、長袖を着せ、後ろに日除けの垂れ布のついた帽子をかぶらせ、サングラスをかけるように勧めているそうです。

 ハワイの観光パンフレットには、英語では「昼間は紫外線が強いので、外で陽に当たらないように」という注意が書いてあると聞きます。しかし、何故か日本語訳のパンフレットにはその部分が削除されているそうです。

これから夏に向かいます。
「小麦色に焼けた素肌」…‥・ご注意を!

【裸んぼ教育】

 「裸んぼ教育」が幼稚園、保育園で推奨されるようになってどれ位になるでしょうか。
 「裸んぼ教育」による教育的実績もあり、現在も実施されている園は沢山あると思います。
 しかし、この「裸んぼ教育」もこの「オゾン層破壊」という現実から見ると、問題ありなのです。

 ただし、ここで誤解しないでください。
 「裸んぼ教育」そのものが問題なのではないのです。「裸んぼ教育」は教育的実績もあり良いのです。
 今の環境では長時間素肌に太陽光線を浴びることが危険、という現実が問題なのです。

【フロン】

 オゾン層破壊物質の代表的なものは「フロン」です。
 フロン(CFC)は、人体に対する毒性が殆ど無く、無色、無臭、不燃性、爆発性が無い、安定性が強く分解し難い、酸アルカリに強い、金属を腐食しない、水に溶け難いが油をよく溶かす、表面張力が小さく空隙にも侵入する、などの特徴があり広く利用されてきたのです。

 具体的には、冷蔵庫やクーラーの冷媒、スプレー缶の噴霧剤、発泡剤、溶剤、半導体などの洗浄剤などに利用されてきています。

 しかし、その安定性がかえって災いして、空気よりも重いのに、徐々に成層圏まで拡散しているのです。
 そこで強い紫外線を受け分解されて、生じた塩素原子がオゾンと連鎖的な反応を起こし、オゾン層を破壊しているのです。
 フロン分子1個が1万〜10万個のオゾン分子を分解すると言われています。

 これまで生産されたフロン(CFC)のうち、約9割がすでに放出されています。
 そのうち成層圏に到達したのが約1割で、対流圏に存在するのが約8割と推定されています。
 この8割はいずれオゾンが多く存在する成層圏まで拡散していくのです。
 残りの1割は現在使用中の冷蔵庫やクーラーの中に存在しています。

 「フロン」は構成原子から次の3つに分類されています。

@CFC(クロロフルオロカーボン)
 構成原子:C.F.Cl
AHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)
 構成原子:C.F.Cl.H
BHFC:(ハイドロフルオロカーボン)
 構成原子:C.F.H

 @CFCを「特定フロン」。
 AHCFC、(諺HFCを「代替フロン」と呼んでいます。

【モントリオール議定書】

 1974年のローランドの警鐘の後、世論の圧力で、カナダ、ノルウェー、スウェーデン、米国等の国では、スプレー用の噴霧剤としてのCFCの使用禁止処置がとられています。
 そして1985年南極上空でのオゾンホールの発見。このことでローランドの警鐘が具体的なものとなり世界が動いたのです。
 1987年に「モントリオール議定書」でフロンの生産及び使用を規制し、世界の主要国が殆ど署名したのです。
 この時は、「CFCの生産及び使用を1998年迄に半減」という内容だったのですが、その後改正が繰り返され、1992年の第4回締約国会議で、「CFCは1995年迄に全廃」と規制が強化されてきたのです。

 代替フロンのHCFCも2030年の全廃を目指し年度毎の削減量が設定されています。
 塩素を含まないHFCは規制されていませ ̄んが、問題が無いわけではありません。
 HFCはC0よりも遥かに強い温室効果ガスであり地球温暖化に影響を及ぼすのです。
 又こ CFCのような安定性はなく、全く無害というわけではないのです。その為にいずれ人体被害が出る可能性があります。
 大気中の反応で生じた物質が新たな環境問題を引き起こす可能性もあるのです。

 しかし「モントリオール議定書」が完全に遵守されたとしても、オゾン層の回復は21世紀の半ばと予測されています。
 それまでは有害紫外線の照射は続くのです。
 有害紫外線から身を守る対策は定着させなければならないのです。

【予防原則】

 「モントリオール議定書」は環境問題にとって、ひとつ大きな意味があります。

 実は1987年の議定書の締約時点では、フロンとオゾン層破壊の関係について、科学的には未だ完全に証明されていなかったのです。
 しかし、国際的な政策の対応を遅らせれば、深刻なあるいは修復不可能な被害が生じるおそれがある場合は、完全な科学的確実性がなか¥
ったとしても、それは対応を遅らせる十分な理由にはならない、という「予防原則」の元で各国は動き議定書が締約されたのです。  これまで関連性が証明されるのを待たされたために、被害が大きくなった例がどれだけあるでしょうか。
 特に日本では「危険が証明されないので安全」という判断が殆どではないのでしょうか。
 あらゆる環境問題において、この「予防原則」が取り入れられることを願っています。

【自動販売機】

 「モントリオール議定書」には日本も署名しています。
 しかし、「オゾン層破壊」に対する取り組みは欧米に比べ遅れているとしか思えません。

 フロンの放出に対して、ドイツ、イギリス、アメリカでは高額の罰金が科せられます。
 日本ではフロンの放出に対する罰則はありません(自治体で条例を定めている所はあります)。

 ドイツ、オランダ、スウェーデン、スイス等では発泡製品中のフロンの回収も実施されています。
 日本でも冷蔵庫やエアコンのフロンをメーカーが回収するようになった、という報道はありました。
 しかしその内容は、これ迄に製造されたものは、消費者が希望してお金を払えば回収します、というものではないかと思います(これは私の解釈が間違っていたらごめんなさい)。

 日本ではジュースの自動販売機はいたるところに設置されています。
 ドイツに行った人に聞くと、殆ど見かけないと言われます。

 私は「自動販売機」は日本の環境問題に対する意識の象徴ではないかと思っています。
 「自動販売機」は確かに便利です。便利さの追求、more & moreの世界なのです。
 自動販売機の問題は冷媒のフロンだけではないのです。
 販売機の中を冷やすということは、その分外に熱を放出します。電気も使います。
 地球温暖化の問題があります。
 そして再利用されずに捨てられる空缶。

 私は日本の自動販売機の設置の多いことについて、とんでもなく間違った解釈をしていました。
 日本は治安が良いからお金と商品を外に置きっ放しにする自動販売機がどこにでも設置出来るんだ、と思っていたのです。
 思っていただけでなく人にもそのように話していました。
 とんでもない間違いでした。

 ドイツ等の先進国に自動販売機がないのは、環境問題を考えてのことだったのです。

 「知らないで犯す罪、知って犯す罪」という問題があります。
 どちらが許し易いかと言うなら、知らないで犯す罪かもしれません。
 では、どちらの罪が大きくなり易いかと考えてみてください。

 例えばダイオキシンの問題にしても、何も知らなければプラスチックは可燃物として平気で燃やし続けていたでしょう。
 今でもプラスチックは燃やされていますが、知ればブレーキは掛ります。

 これだけ情報が溢れた国なのに、環境問題については私達の所まで正しい情報が届いてなかったのです。
 先ず知ることです。
 そして先に子供の成長のところで書きました、「破壊」→「創造」→「調和」のプロセス。
 おかしい、間違っているのではと思ったら、これ迄の常識を修正ではなく、破壊してみないといけないのです。
 破壊して初めて調和に向かった創造が出来るのです。
 その答えがこれ迄と同じであったとしても、それは調和に向かっており、これ迄とは別のものになっているのです。

 修正に修正を重ねていっても調和には向かえないのです。

 自然界というのはバランス、調和の世界だと思います。
 地球をひとつの生命体とみなす「ガイア仮説」というのがあります。
(ガイア仮設の提唱者は英国のJ・ラブロックです。ラブロックが大気中のフロン濃度を最初に測定しています。それがフロンをオゾン層破壊に結び付ける切っ掛けになっています)

 人類も生命体のひとつです。
 私達は地球との調和を見失ってはならないのです。
 最後に宇宙飛行士の土井隆雄さんの宇宙インタビューの時の言葉を引用させていただきます。

 土井さんは地球温暖化について尋ねられ、
『全ての人が宇宙からこの美しい地球を眺められれば、地球を守っていこうと思うのですが』と答えられています。




日経新聞 H10.4.14

<リレー・書いていい友!!(市薬会員の輪)>

今回から「リレー・書いていいとも!」が始まります。次回の登場者は西岡先生に指名して頂きます。指名された時は、御協力宜しくお願いいたします。仕事・趣味・家族・日常の喜怒哀楽など何でも結構です。仕事では見せない、思いがけない一面が伺える一文を待っています。 (M)

『春』 早良支部 原北部会 西岡薬局 西岡啓子

木々が芽をふき、早春の木アオモジは可愛い黄の花を、そしてキブシは珠すだれのような優雅な花を満開に咲かせています。足元にはオオイヌノフグリ、ホトケノザ等の野草が今をさかりと咲きはこっています。

我家では今年も土筆が食卓にあがりました。もうすぐ、石蕗(つわぷき)、わらびも味わえます。 いろんな山菜に出会えるこの時期の山歩きは最高です。観賞に味覚、そして鳥のさえずりで聴覚に、春が刺激を与えてくれます。

先日、中国語同好会の方々の野草観察会に主人と共に同行させていただきました。

野草に関しては右へでる者なしの冷川先生は、さすがに見頃をよく御存じです。先生の案内で四王寺山の麓に白い可憐な花をみごとに咲かせたセリバオウレンを観察することが出来ました。福岡での自生は大変珍しく、このオウレンも植えられたものが野生化したものだろうとのことでした。タネツケバナ、ヒメウズ、ヤマアイ、ムラサキケマン等も春を存分に楽しませてくれました。

ちなみに、この日の昼食は、中野先生捕獲のマガモの野鳥バーベキューでした。
   目に青菜 山ホトトギス 初マガモ???

《セリバオウレン》

セリバオウレン

栽 培 方 法

オウレンは種子による栽培法が確立されています。6月頃に採種し、湿った砂とまぜ、乾燥しないように土にうめておきます。10月頃、堆肥などの有機質を多めに入れた畑に播種し、寒冷抄で日覆をします。また、うす日のあたる程度の10〜20年生の杉林に播種します。畑での栽培は5〜6年、林内では15年くらいで薬用になります。腐葉土を多く入れた鉢に播いて、樹下で栽培すると3年目から開花し、山野草としても楽しめます。

<フレッシュさん> ミュージカルに魅せられて 中央支部 警固部会 赤坂薬局 中並世津子

薬剤師になってから随分、時が経っていますが、途中仕事から離れていた時期もあり、やっと落ちついて仕事ができるようになった今、薬剤師会の会員の仲間入りをさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします。

原稿依頼の時に、「何か書いて下さい。何でもいいですから…」と言われましたので、私の大好きなミュージカルについて書くことにします。

もう2年くらい前になりますが、福岡にシティ劇場ができてすぐの頃、劇団四季のミュージカル「オペラ座の怪人」のチケットを当日になって友人の、「行けなくなったのでかわりに行かない?」という突然の電話から始まって、今やもうすっかりミュージカルの虜になってしまいました。四季の福岡公演は、すべて観ています。何がそんなにいいかって?先ず、劇場に入るエスカレーターに乗った時から違う世界への階段を登っているようで胸がワクワク、一度劇場内に入ると、もう日常の忙しさも薬歴も困った患者さんもいない夢の世界、現実のことは、すべて忘れてしまえ                     なまる一時なのです。そして、なんと言っても生の舞台は迫力が違います。

昨年の秋、偶然にも四季のある俳優さんが、我薬局に処方せんを持って来られました。私の持っているCDの中で歌っているあの声のその人ですヨ。もう、うれしくて、この日ほど赤坂薬局で働いていてよかったと思ったことはありませんでした。その日から、私のミュージカルへの熱い思いに、ますます拍車がかかり、「美女と野獣」に関しては、4人の王子様と4人のベルの舞台を観ることができました。同じ役を、何人もの俳優さんが綴じるので、何通りもの組み合わせが楽しめ、回を重ねる度に、新しい発見や感動があるので、何度観てもあきません。また、その時の自分の気持ちや、一緒に観に行った人によっても感動が違います。当分この熱はさめそうになく、近い将来「ニューヨークのブロードウェイで、ミュージカルを絶対観る!」という思いを胸に、仕事がんばってます。


赤坂薬局オールキャスト
三宅、古賀、中並、細井の各先生

<フリートーク> 薬剤師はShy? 清水貞知(88才)

最近薬局で薬を買う事が多くなった。

勿論、かかりつけのクリニックにも厄介になっているが、ビタミン剤など保険の効かぬ薬は薬局で購う以外にない。従って患者として病院や薬局の接遇については一家言を持っている。

先ず待合室に入って気付く事は、クリニックの待合室には、たいていその片隅に書架が置いてあって、週刊誌や漫画の他、色んな関係の病気や薬、健康食晶等のパンフレットがピッシリ並んでいるが、薬局にはそれが殆ど見当らない。

勿論、病院の待合室と街の薬局のそれでは性格を異にしているので同一には論じられない事は分かっている。だが調剤薬局ならクリニックの待合室くらいの気配りがあっても可笑しくは無いだろう。「調剤薬局では、パンフレットなど読んでいる暇など無い、患者を待たせる程繁盛はしていない」と云われるかも知れない。が、そこに幾許となく薬剤師のアグレッシブ(積極的)な意欲の欠除が感じられるのである。

我々患者はクリニックの待合室で糖尿病やコレステロールのパンフレットなどを手に取って勉強しようなどと考えている訳ではない。若干興味を魅けば大抵、余部があるから、それを持ち帰り、家でゆっくり見ようと思うだけの事だ。

或いは「そんな素人向きの資料など持合せが無い」と云われるかも知れない。

とんでもない、手近かに日薬会誌を繰って見ても今年の1月号にでさえ「消毒剤の話」「インフルエンザの話」「幼児のボタンの誤飲の話題」それに今時の婦人なら誰でも飛び着きそうなダイエットの方法など、その文献資料には事欠かないはずだ。

要はそれを如何に分かり易く且つ親しみ易くアレンジするかだけの話である。これを各薬局個別に試みようとすると抵抗があろうから、これこそ薬剤師会の広報部あたりで企画すべきではなかろうか。

然し平易にイラストまで加えて執筆、編纂しようとすると、云うべくして容易では無く、費用もバカになるまい。

曾て西日本新聞の家庭欄に漢方薬のシリーズものが連載されていた事があった。その時の執筆者は薬剤師さんだったが、惜しむらくは生薬教科書の焼き直しみたいで、素人には不向きな成分など羅列してあって取り付き難かった。その後、代わって花療法研究家、片桐義子著の「花療法」となり、ソフトタッチで結構読ませる記事になっている。

情報活動は薬剤師会の最重要項目の一つに挙がっているが、何も四角四面の副作用や服薬指導だけが謂う処の情報とは限るまい。

患者の日常生活に即した身近な話題を提供し、薬局の存在を印象づける事も大切な役目、顧客との交流手段だと思う。

それは調剤薬局だろうと開局薬局だろうと変わり無いはずだ。「そんな事、百も承知している」と云われるかも知れない。ならば、私等にも分かるように明瞭にして欲しい。

現に滋賀県薬剤師会からは“Q&A滋賀”〈会員からの薬事相談集、第7集〉、静岡県薬剤師会からは〈高齢者−薬の相談室−第2集〉 が出されている。雄県を以て任ずる福岡県薬から何んの音沙汰も無いのは佗びしい。

(戸田注:福岡県薬は'98/2/1に“薬局店頭におけるQ&A総集編”を出版致しております)

宣伝の世の中

マスメディアを持ち出すまでも無く、当節は一にも二にも宣伝の世の中だ。

目下日薬で取り組んでいる最大の御題目は、云うまでも無く「医薬分業、かかりつけ薬局の偏在無き普及」である。

会誌などで見る限り、院外処方箋の発行枚数は右肩上がりに上がっている。にも拘らず分業が一般庶民の間に浸透し、関心を寄せているとは思えない。身近かに狭い範囲で当たって見ても、関心を示すよりも寧ろ迷惑に感じている向きの方が多かった。会誌には度々報じられた事ではあるが。

「病院へ行ったら薬貰うのに又別の薬局へ行けと云われた。何で二度手間掛けねばいけないのか、それに病院で薬貰うより高く取られた」と不満気でさえあった。

◆患者さんの医薬分業アンケートより

(厚生省委託調査2000人に実施、回答者1428人、回答率71.4%)

上記の表は 〈薬報さがNo.146“98”〉 から引用したものだが、全国的には「かかりつけ薬局」の利用者は52.5%にも達していて、先に云った庶民の感覚とはかなり解離している。 それに「薬のわかりやすい説明 59.2%」とあるが、私が体験した処では、病院薬局の窓口であれ、調剤薬局のそれであれ、半数の人が薬を受け取る際にいちいち説明受けているようには思えない。少し眉唾ものである。

                

未だ未だ分業には今後一層、肌理(きめ)細かい指導を要するものと思われる。

日薬の戦略

話を元に戻して、日薬がしつこく内部の会員に向かって分業の利を説く事も大切だ。が、もっと外向的に戦略を切り換えた方がより得策では無いだろうか。

その場合お決まり文句の薬品情報や副作用等を切札として持ち出しても先ず納得してくれまい。何故なら服薬指導などと云いながら、殆どの場合、先にも述べたように病院薬局の窓口にしろ調剤薬局の窓口にしろ、実際には励行されていないと云うのが実情だからだ。 認識不足だと御叱かりを被るかも知れないが。

又日薬あたりでは大新聞に数度にわたり多額の広告費を出して周知徹底さしていると云っているようだが、云うまでも無く、広告宣伝と云うものは一度や二度出したからと云って即効的に効果が上がるものでは無い事は御承知の通りだ。TVのコマーシャルではないが、同じことを繰り返し繰り返し続ける事が宣伝なのである。それに平行してその裏づけとなる薬局で事実その通りの事が実行されていなければ何の効果も上るまい。

患者は神様

商売人にとって「消費者は神様だ」と云われている。顧客ほど我健な存在は無い。一寸「あの店は気に食わない」と云えば直ぐに他の店に変える。

この点、かかりつけ薬局なども、人知れぬ患者に対する気遣い配慮は大変なものだろうとお察しする。

規制緩和以来、一頃ほど紙上には登らなくなったが門前薬局などの問題も実は根は深い処にある。

いくら叫んでも理屈を並べても、年老いた患者は矢張り一歩でも半歩でも近くて便利な方を選ぶ。その身になって初めて分かるが、足腰弱い老人は、横断歩道一つ渡るにも難儀するのである。

私の知っているクリニックで「今更、薬に未練は無いので、玄関の入口に“御希望の方は処方箋を出します”と書いて貼りだしたが未だ一人の申出も無い」と嘆いている医師がいた。この先生、予てから分業の支持者だったが、近くに調剤薬局が無いので延々になっていた。尤も、付近に調剤薬局が無い事もないが、距離にして300〜400mは離れている。 「そんなには患者を歩かせられない」と云うのが遅れた主な原因だった。

何も目新しい事柄では無い。が、シビレを切らして、医師がイザ分業に踏み切ろうとしても、こんな例が身近に転がっている。

私は商売には全く素人だ。 商売は先ず場所を選ぶそうだ。付近に大型店舗が一つ現れても人の流れは変わる。と云って注文通りの地に薬局の開設出来る場所があるとは限るまい。「かかりつけ薬局」の普及に、政府が金融機関に対して熱を入れている程の情熱を持ち合わせているなら、薬剤節会辺りで金融、財政面から支援しても罰は当るまい。

結語

QOLの当節、患者が医師を選ぶ時代では薬剤師にとっても患者は神様である。

側から観ていても目薬の指導は、その立場もあろうが総論的で具体性を欠き、まどろっこしい。

それに薬剤師会の論調は何時見ても、自己中心的で周囲の情勢を余り虜んばかっていない。その隙間を埋めるのが地方薬剤師会の役目かも知れない。それにしても、それに関する情報はこちらには伝わって来ない。薬に縁の薄い一般の庶民には尚更の事であろう。

それとも、根っから「薬剤師はShy」なのだろうか?

〜薬局経営支援対策〜

1.薬局経営を支援するための組織の構築

薬剤師会の活動内容から「経済」を切り離し、薬局経営を支援するための新たな組練として薬局協同組合を組織する必要がある。薬局協同組合は薬局間の協業化を図り、地域薬局の機能維持、経営指導、零細化防止策などの経済活動支援や、小規模薬局から自己完結型の標準規模薬局への規模拡大策の指導・支援などを実施し、各地域における適正規模薬局の育成とその適正分布を図るよう努める。

2.地域特殊性のある薬局への機能維持のための支援

過疎地や離島など不採算地域における医薬品提供体制を一定レベルに維持するためには、その地域の薬局に対する経済的支援を含む対策が必要である。例えば、国や地方公共団体からの補助や、薬局協同組合を通じた支援金の提供等の対策が考えられる。

薬局のグランドデザインより

<研修>

 薬剤師は薬歴を書き調剤し服薬指導をします。患者さんの目には薬剤師はどのように映っているのでしょうか。日薬の薬局・病院薬剤師指導者研修会(H8年度)のワークショップで、服薬指導の場面を薬剤師役と患者役になりロールプレイングする試みがありました。これは、その時SP(模擬患者)として参加された方からの薬剤師への貴重なアドバイスです。SPさんは医療をより良いものにするために、模擬患者として医師や看護婦の、患者への接し方の教育に協力され、患者の立場から積極的に発言されているボランタリアンです。
 これは3月1日に県薬主催で行われた講演「ファーマシューテイカルケアの実践について」(講師 医薬情報研究所・日本薬剤師会医薬委員会委員 国重敦子)のレジメからの転写です。一部削除・加筆しています。 (M)

ワークショップにSPとして参加して
〜患者の視点から〜
東京SP研究会事務局 佐伯晴子

SPからの評価表をごらんください。(24貢参照)どういうところに私たちは評価の基準を置いているかご説明します。

これはいつもドクターや看護婦さん相手にSPを使ったセミナーを開催するときに使う評価表を少しアレンジしたものですが、まず1番として、「例えばあなたと薬剤師さんとの間隔とか体の向きはどうでしたか」という項目があります。これは威圧感を感じたかどうか、あるいはちょっと遠すぎて、何だか向こうが避けているような気がした等、このことに関しては個人個人で何十センチ、何度という差がありますので、SPの人の感覚によります。

2番は、「薬剤師さんの視線や姿勢や身振り手振り」についての項目です。つまり時々大事なところで、患者さんが気持ちを訴えているところで、その人の視線を威圧的にならない程度にしっかりと受けとめていたでしょうかということです。ずっと薬歴のカードのほうばかりを見ていたり、あるいは「早く話 が終わらないかな」というような態度であったり、あるいは「困ったな」と下を向いていたりしてはいなかったでしょうか。相手と対したときに、相手の人がしっかり私のほうを見てくれているかどうかということが、「こ の人は私のことをわかろうとしてくれている」という表れになります。それらを受け取ってこちらはいろいろな情報を差し上げますので、これは大変重要だと思います。

日本人は視線を合わさない国民ですが、大事なところだけはやはり視線が欲しいです。

皆さんが、例えばプロポーズをなさったときに、上の空で、あるいは下を向いたままでという方もあるかもしれませんが、やはり大事なところは視線を合わすことが必要だと思います。

患者さんにとって、この時間が一期一会です。家に帰ってこの時間を振り返って、「あそこで言われた薬剤事故のこと、あるいは副作用のこと」などを次の投薬までの28日間、ずっとかみしめるわけです。疑問があれば、その疑問をずっと引きずっていきます。薬剤師さんにとっては1日に30人、50人いらっしゃる患者さんの1人かもしれませんが、そういうところをちょっと配慮していただきたいと思います。

3番目、先ほどありました薬剤師さんの声の大きさ、声の質、話す速度についてですがこれはその方、それぞれの声の質があると思いますので、朗読のカセットテープを吹き込むようなわけにはいきません。しかし、大事なことは速すぎず、あるいは、まどろっこしいなと思うぐらい遅すぎない。相手がわかる、わかりやすいこと、1行、2行しゃべっていると相手がわかってくれるのかどうかはキャッチできます。そこでそれを素早くキャッチして、「この方にはもう少し速くしてもいいんだな」、あるいは「このお年寄りにはもう少しゆっくりと、はっきりと大きな声で話したほうがいいな」ということを皆さんの知的レベルで考えていただきたいと思います。

それから、声の大きさについてですが、これはプライバシーと大いに関係します。薬局によっては、次の患者さんが続々いらっしゃることもあるでしょう。あるいは、ティシューを買いに来たおじさんがいるかもしれません。そこで女性に子宮内膜症のお薬の話をしなくてはならないという場面も多々あると思います。ですから、そういう場面においては「配慮をしすぎる」ということは決してありません。ぜひそれは配慮してください。というのは、相手を1人の人間として尊重するということの表れだからです。人を人として尊重するということ、つまりそれがその人のプライバシーへの配慮だと私たちは考えています。

4番目に例えば薬剤師さんの言葉遣い、先ほど地方のほうに行きますと、「“おばあちゃん”というほうが親しみがあるんだ」というお話もありましたが、いくらおばあちゃんでも薬剤師さんのほうが上に立っているんだという言葉遣いはやはりやめていただきたいものです。見るからにお客さんのほうが教養も少なく、あるいは生活レベルも低い、例えそれがわかっていたとしても、だからといって言葉遣いをぞんざいにしていいものでしょうか。人の一人ひとりの魂の重さは、全然違いはないと思います。ですから、変な上下の気持ちをあらわす必要はないと思います。

5番目に薬剤師さんの話の進め方があります。これは薬歴をとるという、順を追って、筋道を立てて、あちこち行ったり来たりせずに混乱なく話しているかということで、テクニック的なことになると思います。

6番目は、薬剤師さんの態度についてです。「誠意が感じられる」「真撃な」というのはどういうことかについてですが、私はこのように解釈しました。誠意、真撃、つまりこれは薬剤師さんの役割と責務を自覚していらっしゃることの表れではないかと思いました。

ご自分の専門職としての責任を自覚されて、それを全うしようという姿勢が、この「真筆」とか「誠意」とかいう言葉で表現されていると思います。従って、最初にきちんと名乗って自己紹介をする、というのもここに含まれます。

私たち患者というのは、薬剤師さんの役割、仕事があまりわからないのです。お薬の数を数えて、「はい、これですね」と、処方せんからほとんど自動的に渡してくださる、それだけが薬剤師さんの仕事だととらえている人が大部分です。今日のように、皆さんがいろいろ悩んで、「患者さんの味方になるためにはこんなことが必要なんだ」と考えてくださっている、これを役割として捉えていることを知っている患者さんが、国民がどれだけいるでしょうか。このことを知っていただき、PRするのも皆さんの仕事だと思います。それを知った患者は、自分たち、私たちの仲間で伝えていきます。「薬剤師さんは今こういうことでこういう努力をしてくださっているんだ、こういう役割を持って、私たちの医療の専門家の1つの役割として向かっているんだ」ということを患者として受けとめていきます。

次の違う枠に入りまして、7番目に専門用語を使わなかったかどうか、という項目があります。「何が専門用語でしょうか」ということについてですが、結局その世界の言葉というのは、そこの世界の人にとっては共通語です。しかし、一歩違う世界の人にとっては外国語に等しいわけです。わからないということは、カルチャーギャップ、壁です。壁をつくるということは手を結べないということです。ですから専門用語を1つ2つ3つ出して、それを使うことによってご自分は居心地がいいかもしれません。ご自分としては表現しやすいかもしれませんが、相手との信頼、相手との双方向の理解を望んでいるとは思えません。専門用語を一度出してしまったら、それを、「あっ、これはひょっとしたらわかりにくい言葉かもしれない」と気付き、すぐ言いかえて、あるいは説明をしてくださればいいわけです。そこの感受性というものを持っていただきたいものです。時々チェックされたらいいのではないでしょうか。例えば、いつもいらっしゃる患者さんにアンケートをとってみるのはどうでしょう。例えば、景品としてメモ用紙でもつけるなどして、「ちょっと一言、ちょっとここを見てもらえませんか、この言葉はどう思われますか」というのはいかがでしょうか。

8番に「言いたいことを薬剤師さんに理解してもらえた」という項目を置いています。 言いたいことというのは、患者側から大きく分けて2つあります。1つは、「自分の症状をしっかり把握してもらいたい、医学的な専門家として自分の体のことをわかってもらいたい」、もう1つは、「体に、ある症状を持った自分の生活、そういう自分の人生、そういう自分の心を共感してもらいたい」ということです。

9番は、今回はもしそういう場面が出てきたら、それを評価するけれどもSOAPの、Sのとり方についてだけフォーカスしているので、なければないでも結構ですと言われたところです。これは「薬の飲み方の説明が理解でき、安心して飲もうと思った」という項目です。つまり、「グレープフルーツジュースで飲んではいけませんよ」「牛乳だとこういうことが起こりますよ」あるいはちゃんと「朝・昼・晩・寝る前、忘れてしまったらまとめて飲むということはいけませんよ」という具体的なことを説明するだけでは足りません。患者さんが説明された内容を、理解されたかどうかを確認していただかないと困ります。これがやはりインフォームド・コンセントだと思います。「言ったはずだ、言ったつもりだ、だけど何であの患者さんはわからないのか、飲んでくれないのか」という薬剤師さんも不満になるかと思いますが、それは理解をとっていない、理解を確認していないということから発することです。

10番は、3番目でちょっと申しました「あなたのプライバシーが守られると感じた」という、項目です。

11番が、「あなたは薬剤師さんと信頼関係ができた」という項目です。括弧して(薬剤師さんの立場と役割が理解できた上で)というただし書きをつけております。お友達として信頼関係をつくるのではありません。それは別の問題です。薬剤師さんという、医療の専門家として頼れる、頼り得る存在であるかどうか。そしてその土台には人間の対等の関係があったか、そのように認められたかという心の支えが必要だと思います。

これらのことから全部を総合して12番目として、「あなたは次回も同じ薬局を選ぶでしょうか」という項目をつけさせていただきました。

これは、私は昨日、薬歴について「薬歴は何のためにとるのですか」とお尋ねしました。 「患者さんを守るためにとるんですね」という確認をしました。そのことを賞えていてくださった方がどれだけいらしたのでしょうか。これは結果的に残念だと思いました。そこをもし理解しておいてくださったならば、「こういう目的でとるのです」という前置きがあったと思います。そういう前置きがなかったので、「次々と質問が矢継ぎ早に来て、一方的に質問をされた、聞きたいことだけ聞かれているような気がした」というSPの感想が多く挙がっていました。「こういう目的で、こういう私たちの立場があります。こういう立場であなたを守ろうとしています」と説明し、「そのため私たちは知らないといけないことがありますので、薬歴というものを取らせていただきます」と話したとしても1分もかからないでしょう。30秒、その説明をされてから、この作業に取りかかっていただきたいと思います。

以上が大体私が申し上げようと思っていたところですが、それにしましても、私たちSPに対して、皆さんは真剣に対応してくださいまして、そしてこれだけ真剣に私たちの感想を聞いていただいて、本当にありがとうございます。これからも私たちの強い味方として期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

SPからの評価表


SPのフィードバック内容

ワークショップに参加された方の薬剤師への評価

1.SPのフィードバックの内容(評価表記 述内容と口頭で述べた内容)

●薬剤師のFさんとは、女同士のためか話がうまくいきました。とても良く練られた質問でしたので、答えるのに快く、満足でした。行き届いた心遣い、動作、言葉、薬のメモを下さるとのこと、とてもうれしい対話でした。
●全体に聞いてもらえたと思う。大変な手術をしたことに共感してほしかった。日常生活で不便に思っていることなどを聞き出してほしかった。次回も皆様の薬局に行きたい。
●大まかには、順番が後になるほど、情報の集め方が合理的になってきた。最後の方も出来て当たり前と思われて、プレッシャーがかかったでしょうが、初めの方は、本当に緊張して大変だったと思う。患者としては、正しい情報の集め方はともかくとしても、こちらと一緒に病気、薬のことを考えていただける薬剤師さんに出会えることが 一番うれしい。
●熱心さ、まじめさが伝わってきて好感がもてた。「プライバシーのことを考えると、踏みこんで生活背景を聞くことができない」という話をされていた人がいたが、何のために聞くかをはっきり伝え、すぱっと聞いてよいと思う。
●処方せんの薬を服用するようになった経緯をきちんと聞いた人がいなかったことと、職業についても聞かれなかった。従って患者について何も分かっていない状態で、薬についてのみ、とくにワーファリンにこだわりが強すぎたように感じられた。患者の悩み・不安などほとんど分かってもらえず、共感も得られなかったという思いが強く、この点が淋しかった。最初に手術をした事実を把握すれば、ずいぶん展開も違ったものになったのではないかと思う。どの方も感じは良かったので、次の機会に期待して「次回もこの薬局に来る」ことを告げました。

2.フィードバックで言えなかった内容

●病名をさぐり出そうとなさった方が少なかったこと。グレープフルーツジュースで飲んではいけない薬は何か、なぜいけないかに対して答えを出して下さらなかった。
●薬をちゃんと飲んでいますか、とは聞かれたが、水で飲んでいますか、と聞いた人がいなかった。出血への注意もなかった。
●知識を伝えることが主となっていたようだが、患者さんの思いを聞くことにも関心を示してほしかった。
●5人の方の差はあまり感じられなかった。にこやかに対応していても、一方的に聞かれている気がした。頭痛や胃もたれ、立ちくらみ等の症状は病院の先生に言うようにと言われると、当たり前なのだが、不安になってしまう。
●皆さん「できなかった!」という思いが強くて、フィードバックの内容を遠慮した。
●自己紹介をされる方がとても少なかった。薬剤師として責任ある仕事をする前に、患者に名乗るのは、医療者としての義務ではないのか?名札もつけず、あえて名乗らないというのは、とても無責任に感じるし、患者と対等に向かい合うという意識がないように感じてしまう。
●笑顔のすばらしい方がおられ、最初に笑顔で迎えられることが大切だと思った。

3.その他SPとして気づいたこと

@患者と薬剤師の席の配置について
●ある部屋は、楕円形テーブルで、その中に入ってやりましたが、薬剤師とSPの顔の見える方と、見えない方ができて、やはり話が聞こえれば良いというだけでなく、薬剤師、SP両者の表情も見えるほうが良いのではと思った。
●患者と薬剤師の席の配置で、薬剤師の表情は見えるが、SPの表情は周りから見えない位置になってしまった。そこでSPの顔も見えるようにしてほしいと言うべきだったと思った。SPの表情を見ずに薬剤師だけを見るということ自体が、もう患者さんの気持ちを置き去りにしているように思えた。
●席の配置については、SPが初めに注意してもよかったのだが、薬斉摘市さんの方から気づいてもらいたかったので、最後まで待っていた。
Aその他
●ワーファリン手帳を見せて下さいと言われ、見せたら、検査値のページが白紙で、何も書いてないのですか?と聞かれてしまった。また、保険証を見せて下さいと言われたケースもあり、小道具の準備をしっかりやっておく必要があると感じた。

薬剤師生涯教育テキスト [ 平
成8年度 薬局・病院薬剤師指導者研修会講義録

 3月14日(土)市薬講堂で東大病院薬剤部の山田安彦先生の講演がありました。「外科病棟での薬品情報活動」「外来での薬品情報活動」「薬品情報室での薬品情報 活動」と盛り沢山で興味深い内容でした。次々に質問があり活発な勉強会でした。
 その中からトピックを紹介しましょう。

○ノスカールR(トログリタゾン)の肝障害について

この薬の体内動態はよく判っていないが、少なくとも臨床試験の段階では問題となるような肝機能障害はなかった。これは肝でグルクロン酸抱合と硫酸抱合によって代謝されるが、よく判っていないキノンが生成される。現段階では特異体質者の中毒性代謝物による肝細胞の壊死ではないかと思われる。

○グルコバイR(アカルボース)、ベイスンR(ボグリボース)肝障害について

この二つの薬は吸収されないと思われていた。グルコバイRは静注では100%未変化体のまま排出される。しかし経口投与すると人によっては腸内細菌によって分解されその代謝物の35%位が吸収されることがある。その中のある物に肝毒性が有るのかもしれない。

この3つの薬剤については肝炎の初期症状である「身体がだるい・食欲がない・尿や白眼が黄変する」の症状に気付いたら、ただちに受診するよう服薬指導する必要がある。

東大病院 山田先生の興味深い講演 座長をされるご存知澤田先生

(M)

<日本薬学会第118年会発表報告> 〜PTPシート形態変更(切取線除去)による
服薬法の変化とその問題点〜
博多支部 板付部会 大賀薬局竹下店 千代丸康重

PTPシートの誤飲により硬い鋭角部分が食道粘膜へ刺さる事故が発生し縦隔洞炎等の重篤な合併症が多数報告され、その対応として製薬メーカーでは1996年3月に開催された日本製薬団体連合会の「薬剤包装(PTP)に関する自主申し合わせ」において、「PTPスリットミシン目は横方向のみとする」、「PTP裏面に取り出しの図を表示し統一する」、「添付文書の適用上の注意欄にPTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するように指導することを統一文面で記載する」などが提案され、1996年8月より順次実施されてきました。

しかし、PTPシートのスリット変更の認識と、その後の患者自身による服薬の実態については、里道らの病院薬剤部での解析がある程度であり、開局薬局での実態についてはほとんど明らかになっていませんでした。

そこで、シートの変更により患者の実際の服用方法などにどのような変化が現れたか、さらに発生した問題点などについて博多区・中央区のいくつかの開局薬局にご協力頂きアンケート調査を行いました。

図に示したようなアンケート用紙を用いて薬剤師が直接対面式で調査を行いました。シート変更の理由を知らないと答えた患者が約7割。誤飲について知らないと答えた患者が約5割存在しました。男女間に差は見られませんでした。

シートの変更に関しては約5割の患者が不便に感じていると答えていました。患者が具体的にどのように服用しているかについては5〜7割の患者はそのまま押し出して服用していました。しかし、PTPから薬をすべて押し出してしまってから分けて服用している患者もあり、あらかじめPTPシートをハサミで1錠ずつ切り離したり、服用のたび毎にハサミで切り離している患者が2〜3割いました。

さらにここでハサミを用いてばらしていた患者の55%がスリット変更の理由や誤飲事故の実態を認識せずにただ便利のためにハサミを使用していることが明らかとなりました。ここで特徴的なこととして女性の場合は男性に比較して2倍の高頻度でハサミを使用していることが明らかとなりました。これは、1974年から1994年までに性別の分かっているPTP誤飲事故を引き起こした患者の数を調査した文献においても男性35%に対して女性が65%(N=397)と誤飲に対して女性であることが大きなリスクファクターであると考えられます。

全ての人に対して当然指導することはいうまでもありませんが、女性に対して特に啓蒙する必要があることが明らかとなりました。本調査時にも実際に誤飲したことがあると答えた患者が1名いました。67歳の女性の方でした。

また、PTPシートの裏紙を飲み込んだことがあると答えた患者が約1割、PTPシートの鋭角部分による手指のケガが15%の患者に存在しており新たな問題であると考えられます。

PTP誤飲による事故をなくすためにはユニットドーズパッケージやワンドーズパッケージなど、PTPが直接患者に渡らない方法が理想であり、今回の調査と同時に行った在宅における調査において調剤はほとんど一包化されておりPTP誤飲事故はほとんど報告されていません。

しかし、一般にはPTPは今後も使用されると考えられますので、ただ単に消極的なスリットの変更を行うのみではなく、今後PTPシートの形状の変更、例えば、角の円滑化、更にPTPの材質の改善、例えば、可溶性・柔軟性をもった材質への変更などを積極的に行う必要があると考えられます。それを一層進めるためには、医療現場の医師・薬剤師と製薬企業の製剤担当者間における積極的共同研究が必要であると考えます。


■■トピックス■■ 新高脂血症診療ガイドラインの特徴 学術委員会

成人高脂血症の診断基準、治療適用基準、治療目標値が設定され、1997年11月、日本動脈硬化学会より「高脂血症診療ガイドライン」として発表された。新ガイドラインは前回のものとは異なる基準値の設定背景、目的、特徴となっている。

(1) 明確なデータに基づく治療

欧米では、大規模介入試験により血清総コレステロールを低下させると、虚血性心疾患の発症危険度も低下することが証明されている。この関係はJカープとして報告され、高コレステロール血症の治療の根拠とされている。

日本では未だこれに類する疫学的調査は行なわれていないが、断片的に発表された日本人のデータを分析すると、Jカープと一致することが見出された。これにより「専門家の経験・意見」としてのガイドラインではなく「証拠に基づく」ガイドライン設定となった。

(2) 3種の基準値を設定(Table4)
「診断基準値」「治療適用基準値」「治療目標値」が設定された。これにより、診断と治療の基準値が分離され、従来の毎く診断即治療とはならない。
(3) 診断基準値も3区分設定(Table1)

診断基準値も「適正域」「境界域」「高コレステロール血症」が設けられた。特に、境界域は生活習慣の是正や食事・運動療法を実施し、適正域へ戻すことを重要視している。

(4) 危険因子の合併の有無及びそれを評価した上での治療開始

冠動脈疾患の発症因子は高コレステロール血症だけでなく、加齢・喫煙・高血圧・肥満・耐糖能異常・冠動脈疾患の家族歴などの「他の危険因子」も認められている。それ故、合併している危険因子の種類や数、程度を考慮し、治療を開始するよう強調している。

(5) 血清脂質の指標は総コレステロールよりもLDLコレステロール重視の方向

現在の血清脂質の指標は総コレステロール(TC)、トリグリセライドが主流である。しかし、生体内では脂質はリボ蛋白として存在しており、今後は自然の姿に即した形で病態を解析し、臨床評価すべきとの方向を打出した。

(6) 高トリグリセライド血症は、動脈硬化性疾患との因果関係が今一歩明確でない。

低HDL−コレステロール血症も大規模介入試験による動脈硬化予防が証明されていないため、それぞれの基準値は当面、異常そのものを治療目的としている。 (Table2.&3)

新ガイドラインの利用方法

新ガイドラインは危険因子を単に列挙しているだけであるが、アメリカではそれぞれに重みを付けて利用されている。しかし、日本では未だ日本人向けの重みデータはない。それ故、臨床の場で医師が自分の経験を加味し、重み付けをし、利用することになる。個々の患者の病態は千差万別であるので、一人ひとりの患者に適合するようガイドラインを修飾する必要がある。

現在、診断基準に続き、生活改善指針も作成されつつある。

Table1.冠動脈疾患の予防、治療の観点からみた日本人のコレステロール値適正域および高コレステロール血症診断基準値Table2. 高トリグリセライドの診断基準値
Table4.冠動脈疾患の予防、治療の観点からみた日本人の高コレステロール血症患者の管理基準

動脈硬化Vol.25 No.1・2 1997

<市薬薬局のコーナー>

福岡市薬剤師会薬局現状報告

<第15回市薬懇親ボウリング大会>





<県薬代議員会報告>


〜 当選にあたり 〜

去る3月15日に実施された県薬の次期役員を決める選挙は、規約に副って粛粛と進められましたが、結果は、代議員大多数のご賛同を得て「宮崎和人」氏が新会長に当選されました。

このたびの選挙にあたって、福岡市薬では会員の総意を結集して「宮崎和人」氏を支援すべく、彼の情熱と行動力に期待して、代議員各位にご理解ご協力をお願いしてまいりました。

選挙は、本人の人柄、実績は勿論、将来への期待がこめられた結果となり、県薬の新役員もフレッシュな顔ぶれで、新しい県薬の力強い息吹きさえ感じられます。なかでもこのたびの代議員会で信任を得られました正岡副会長は、三津家監事とともに宮崎新会長を支え、県薬の事業発展にご尽力下さるものと期待しておりますので、今後とも代議員各位に一層のご理解とご協力をお願いする次第です。

おわりにこのたびの県薬役員選挙にあたって、諸般の事情を越えて県薬の発展を期待し、新しい県薬執行部の発足にお力添え頂いた先生方に厚くお礼申し上げます。

(社)福岡市薬剤師会 会長 藤原良春


このたびの県薬会長選挙では、代議員多数のご指示を得て会長に当選させて頂きました。ただいまは、正に身の引き締まる思いで、今更に責任の重大さを痛感しております。

今後は、立候補にあたりお約束した会長としての責務の実践に努めるは勿論、会員の付託に応えるため、全力投球で頑張ってまいります。

一新される役員会を軸に、目薬との連携を深めながら、職能の向上、迅速な情報伝達、あるいは薬業の進歩発達をめざし、さらに地区薬剤師会との関係強化を図ってまいる所存でございます。

これからは各位に一層のご理解を求めながら手をたずさえ、県薬会員のために尽力することをお誓い申し上げますと共に、県薬会員各位のご健勝を祈念してご挨拶といたします。

(社)福岡県薬剤師会 会長 宮崎和人


このたび、代議員の皆様の信任を得、副会長に就任いたしました。暖かいご支援を賜りありがとうございました。

さて現在右肩上がりの経済成長から、うつむき加減の日本経済へ激動するなかで、医療界は、医療制度の改革、公的介護保険制度の導入、さらには規制緩和など、変革の嵐にさらされています。今日まで規制の壁に守られ発展してきた薬局経営にとってその前途は楽観をゆるさず、これからの少子化の時代、あるいは高齢者社会の到来をふまえて地域に根ざした医療制度の確立が急がれます。

私は、三師会をはじめ、医療に携わる多くの人々との心のつながりを重視し、薬剤師として確固たる自尊心をもち、会員各位と共に考え、行動していく所存であります。

(社)福岡県薬剤師会 副会長 正岡民次


開局49年に亘り、県薬会員として先輩同輩諸兄の指導を得て会務にあたった経験を生かし、県薬会員3900余名の同志の1人として福岡県薬剤師会の会務及び会計業務の執行にあたり民法58条に謳う任意機関とはいえ、民法59条の精神により慎重な助言と審査をいたす所存でございます。

(社)福岡県薬剤師会 監事 三津家正友


福岡県薬代議員一覧
薬剤師綱領

[広報]

会議報告

【理事会】

日 時
平成10年2月18日(水)

議 事

1.会長挨拶

 今日の主な議題は10年度の事業計画と予算です。支部より支部助成金の増額要請がきています。それと広域病院の院外処方箋対策への予算処置をどうするか、この2点を中心に議論していただきたい。
 2/24は部会連絡会議をします。この会議では薬連の決算と予算が提出されます。

2.報告事項(委員会報告参照)

3.協議事項

(1)平成9年度事業実績について

(2)平成10年度事業計画について

(3)その他
 ・市薬職員の就業規則一部変更について
   事務局の就業時間変更(土曜日を休日とする)
   規則第20条の適用除外(ベースアップの3ヶ年凍結)
 ・「福岡市薬剤師会長賞」の創設について(P■の学薬のページ参照)
 ・その他
   試験センター及び事務局を総括する人を雇用する件 承認


日 時
平成10年3月5日(木)

議 事

1.会長挨拶

 今日の主題は通常代議員会の準備です。
予算もできています。充分審議してください。
 県の地区連絡協議会がありました。以下はその報告です。
・診療報酬改定について3/18に目薬の説明会があります。必要ならば市薬でも実施・医療法の改正で2次医療圏計画のなかに医薬分業の推進が明記されました。
・昨年11月、福岡県では処方箋の受け取り枚数が前年比を始めて下回りました。分業率の高い県は下がっていますが、それ以外の所では依然伸びています。
・保険薬局が突然止めてしまったため、調剤してもらえないケースがでてきています。周辺の薬局で適切な対応をしてください。
・福岡県民条例センターより個人情報保護について話がありました。処方箋などの個人情報の取扱に注意を。
・卸の県会長より薬価改正のお知らせと薬価差がなくなるという通知がありました。

2.報告事項(委員会報告参照)
3.協議事項

(1)第41回通常代議員会付議事項(案)について
 ・平成10年度事業計画(案)に基づく歳入歳出予算(案)の検討
 ・市薬薬局のあり方について
(2)第69回総会について
(3)聴覚障害者に対するFAXサービスについて
(4)その他
 ・在宅介護支援事業パンフの内容修正について


日 時
平成10年3月11日(水)

議 事

1.会長挨拶
 今日から新執行部による理事会です。
 ジャマイカのサッカーチームの監督が日本チームを評して「試合の時はもとより練習の時にも悲壮感が漂っている」と。皆さん多忙なのに役員を引き受けてくださいまして有難うございます。仕事を楽しんでやっていただきたいと思います。
 今日は代議員会の準備です。
2.報告事項(委員会報告参照)
3.協議事項

(1)第41回通常代議員会付議事項について
 ・会長より事業計画について説明 継続事業として「かかりつけ薬局」の育成・推進がある。これをやらなければ会員は生き残っていけない。また参照価格が導入されれば、薬の仕入価格のばらつきやスムーズな納品ができないといった問題が予想されるので、共同組合の研究に取り組む。
 ・合澤副会長より予算案について説明
  歳入の部では賛助会員の会費値上げ。
  歳出の部では九大病院業務移管に伴う諸経費と試験センター事業費(業務充実のため)が増えている。必要な所は増えているが極力スリムにしている。
(2)その他
 ・定款委員会や組織委員会で常務会のあり方を検討する。


日 時
平成10年3月23日(月)

議 事

1.会長挨拶
 通常代議員会を控えて最終的な討議をします。4/11の代議員会で新執行部がスタートします。2年間皆さんの協力を得て進めていきたいと思います。
2.協議事項
(1)第41回通常代議員会付議事項(案)について
 ・付議事項の検討
 ・進行と役割分担
(2)顧問委属について 木村英樹前会長を顧問に推薦し総会の了承を得る
(3)その他
 ・情報公開をしていく


【支部長会】

日 時
平成10年4月3日(金)

議 事

1.会長挨拶
 新しい執行部が始まって初めての支部長会で、交代した常務も多く、暫くの間不備な点もあるかとは思いますがよろしくお願いします。 今日は4月11日の通常代議員会の件につき報告したいと思います。 それから4月1日付で事務局次長の金房(かなふさ)守氏が就任いたしました。 事務局も忙しく、事務局の強化ということです。 執行部も一丸となってやっていきますので、皆様のご協力をよろしくお願い致します。
2.報告事項
(1)三津家元市薬会長の叙勲について
(2)顧問の委嘱について
(3)在宅医療委員会報告
(4)第41回通常代議員会付議事項について
3.その他

(1)常置委員会の構成について
   (委員選出について)
 ・執行部が代わったとき各委員会が動き出すのが遅くなるので、なるべく早めに各委員を選出してほしい。
(2)市医師会主催講演会への参加協力について
(3)くすりの分譲時における消費税の取り扱いについて
 ・消費税はつけても良い。
(4)その他


委員会報告

※3月30日までに提出された議事録をもとに報告します。

【薬局委員会】

日 時
平成10年2月6日(金)

議 事
○医薬品試験検体(ボルタレン類)集薬状況
 検体の代金は薬価にて市薬より支払う
○休日・夜間の対応について協議
○3月薬局製剤について
 鼻炎散2号を製造予定
○H9年度事業報告
○H10年度事業計画
・「かかりつけ薬局」の啓発
・薬局製剤研修会の発実
・薬草観察会の充実
・各健康フェアの積極支援
・その他薬局として必要な事業

【組織委員会】

日 時
平成10年2月17日(火)

議 事
○第15回市薬ボウリング大会の反省(H10.2.15)
・参加者固定傾向にあるので、部会長を通じて、新参加者の堀り起こしを行う。
・料理の内容検討(会場一任のこともあるが、メニューについて、再検討をしてはどうか)例えば、サンドイッチ、のり巻、等が多いのでケーキ類等。
・とび賞で、表彰式時に欠席の場合、くり上げ表彰してはどうか。
・集計に少し時間がかかった。
○10年度計画では、管理薬剤師の啓発に力点をおいてはどうか

日 時
平成10年3月17日(火)

議 事
○定款について
・弁護士訪問時の状況報告
・薬務課訪問時の結果報告
○ソフトボール大会について
・参加者の固定化打破の問題
・早良区、酉区の単独チームによりプラス効果あり
 ・女性参加の問題
○ボウリング大会
・実施時期を1月にして名称を『新春ボウリング大会』にしては?
・「2ゲーム」で良かったと思う
〇第79回通常代議員会の結果報告(県薬)

【広報委員会】

日 時
平成10年2月9日(月)

議 事
○10年度予算、委員(人員)について
○県薬会報通信員連絡協議会について
 (担当:津田 当日都合により戸田出席)
○ジャーナル3月号企画

日 時
平成10年2月16日(月)

議 事
○ジャーナル3月号 第1回校正と写真選択。
 (明日、印刷会社と打合わせ予定)
○今回も盛沢山の原稿が集まり、充実したものになりそうである。
○代議員会報告を、少々softにし興味をひくスタイルに仕上げるべく工夫する。

日 時
平成10年2月23日(月)

議 事
○ジャーナル3月号 第2校正、編集、レイアウト。(明日印刷会社と打合わせ予定)
○5月号企画開始。

日 時
平成10年3月30日(月)

議 事
○藤原会長、合澤副会長、入江専務に今後の“広報の在り方”について貴重な御意見を頂いた。ありがとうございました。
○ジャーナル5月号 企画説明、原稿、写真、新聞切り抜き収集(作業を途中でSTOP、持ち帰り翌日作業)。
○細井副会長に委員会最後のごあいさつを頂戴し、今後もアドバイスを頂く様お願いをして散会した。細井先生おつかれ様でした。
 本当にありがとう存じました。(一同)

支部だより

〔西〕

〜支部役員会〜

支部も役員改選の年に当たり、総会の日程、議事内容についての会を開いた。

日 時
平成10年4月18日(月)
場 所
五福

議 題
 ・役員改選
 ・会計監査
 ・未加入会員について
 ・総会運営等
 総会を機に、新役員の誕生を期待しつつ会を終了した。

(津田和敏)


〔中央〕

お待たせしました!
〜中央区に特養ホーム〜

中央区に、待望の特別養護老人ホームが設置されることになりました。

施設の適正配置がいわれながら、中央区には残念ながら特別養護老人ホームがありませんでした。そこで「市高齢者保健福祉計画」に基づいて、利用されていない市有地を民間の社会福祉法人に貸与する方式で設置することになったのです。

場所は、大手門2丁目の旧、市社会福祉会館跡と、鳥飼2丁目の旧、大濠養護学校跡の2カ所です。

このうち、市社会福祉会館跡の方は貸与先の社会福祉法人も先ごろ決まりました。計画では約1670m2の敷地に70人収容の特別養護老人ホーム、20人のショートステイ、30人のケアハウスなどの施設を備え、平成11年度に開所の予定です。

また、旧、大濠養護学校跡地の方は、同校跡地約6000m2に、隣接している南当仁小学校用地の一部約1150m2を合わせた敷地に、都市公園や知的障害者適所更正施設と共に、特別養護老人ホームなどを設置する計画です。

平成10年度に土地の貸与先を公募して、12年度に開所の予定です。


〔早良〕

第20回早良支部だより


〔南〕

今、南区では、日薬のモデル事業「在宅介護相談薬局支援事業」に関し、平成12年の介護保険の実施に向けて少しでも多くの事例を集め、いい実績が出るように頑張っています。参加した11薬局で2回検討会を開きデータを集計したり、相談内容を把握し今後の課題などを話し合っています。

進展していく高齢社会の中で、地域住民に一番近い位置での対応が可能な薬局が、相談の窓口として真価を発揮できるチャンスと思っています。その成果が在宅医療の中で薬剤師の職能をみつける道標になるような気がしています。

在宅保健医療福祉委員会を中心に三節会、保健所の連携が益々強められていきます。介護保険の設立に伴いケアチームの中に必ず薬剤師が参入できるよう、力をつけておかねばなりません。薬剤師の目を通した在宅ケアに知識と職能をみつけたいものです。

また、南区薬剤師会員は、在宅保健医療福祉委員会、南区健康づくり会議にも参加し地域の連携を深め住民の医療により貢献していきたいと思っています。


〜三師会懇親会〜

第3回目の三師会懇親会は1月〜3月の間に各部会ごとに8回開催しました。

南区の医師会、歯科医師会、薬剤師会を8部会に別けて各地区で地域に根差したチーム医療の連携を広げています。

和気藹々とした雰囲気の中で今後の厳しい医療界の話題など検討し合っています。

今年は医師会の担当でした。薬剤師会は気楽に親睦の輪を広げ面分業の広がり、医療機関との信頼関係の充実をはかって参りました。

大橋部会と老司部会の報告を致します。

大橋部会・老司支部会報告

(支部長 末田順子)


〜織姫、彦星の出会い PARTV〜

3回目の三節会大橋部会懇親会が、1月20日、納言で行われました。

薬剤師会、14名出席(23薬局中)、総数40名近くの先生方が、和やかで、賑やかで、楽しい集いに時間を忘れ延々3時間、10時まで続きました。

会場の都合さえなければもっともっと続いたのではないかと思われる程で、年1回ではもの足りないので、2回位行ってはと言う案さえ出ていました。

しかし、各々の会長の御挨拶の中に出された厳しい医療界の現状には大きく青首なさる先生方も多く、しばし静かな緊張の時間が流れました。

3回目ともなりますと、別の場所でお会いしても「やあー」とお声をかけて下さることが、多くなりました。

年1回、一つの場所に集って、話し、飲み、歌うだけのようですが何かが積み重ねられていると実感しています。

ただ、出席者が固定してきているのが気になります。

これからも途絶えることなく、1名でも多い出席で続けることが出来るように努力しなければなりません。

些細なことのようですが出来ることから、そして、しなければならないことはきっちりと進めてゆく必要を感じます。

       

(大橋部会長 毛利久美子)


〜南区三師会老司部会〜

本年度の老司部会は、2月12日(木)午後7時より南区鶴田の「古里」で医師会の当番で行なわれた。

この会は、医師会の区割に準じて地域割をしたため、市薬の組織としては老司部会はないが、野間部会と井尻部会の各一部がそれに該当する。しかし、この地域には薬局が少なく全部で4軒しかない。会員数が少なく、いつも参加者数が他の師会と比べて少なくなるのはやむをえないとしても、残念に思う。

今回は、医師会は森永会長を初めとして9名、歯科医師会は沖副会長ら6名、薬剤師会は末田会長も出席して5名、合計20名が参加して盛り上った雰囲気で進められた。近隣の者同志が、医療保険制度、分業、薬の情報提供、在宅などの話題を突っ込んで話し合い、今年も有意義な会であった。

(中島英之)


〜「医薬研究会みなみ」〜

平成10年の1月より社保委員会の協力により南福岡病院の処方に関しての勉強会を始めました。

始めるに当たって、酉間院長、鶴谷副院長、村田薬局長とどの様な研修会にするかを話し合いました。堅苦しくない質疑応答型式で、サンドウィッチを摘みながらの楽しい勉強会にという西間院長の提案でした。

南福岡病院の改築にともない院外処方せんが少し増えて来ていますので、院内に戻らないように、服薬指導を含めて薬剤師はきちんとしたメリットのある対応をしていかなければなりません。喘息、アレルギー、アトピー等の患者さんが多く服薬指導なども十分に気をつけなければなりませんので、臨床もふくめて指導していただき、研究会をつづけています。

第1回 小児喘息  院 長 西間三善先生
    大人の肺気腫
          副院長 鶴谷秀人先生
第2回 花粉症について
     アレルギー科医長 岸川種子先生
第3回 アトピー性皮膚炎について
       小児科医長 柴田瑠美子先生

毎回多数の薬剤師に参加していただき、とても密度の高い医薬研究会です。今回は第1回の報告を座長の中島英之先生にしていただきます。

(支部長 未田順子)


第1回医薬研究会みなみ

講師 西間三馨院長:「小児喘息について」
   鶴谷秀人副院長:「肺気腫について」

「医薬研究会みなみ」の第1回は、1月12日(月)午後7時から南福岡病院で最も広い第1会議室で、西間院長、鶴谷副院長のご出席のもとに開催された。広い会議室も50人以上の南区会員が参加して超満員になった。この参加者数は、南区で南福岡病院の処方せんを応需している保険薬局のほぼ全員が参加した計算になり、熱気のこもった雰囲気でスタートした。

研究会は西間院長の分業に対する熱い期待の言葉で始まった。「病院としては、院外処方せんの発行率をもっと高めたいと考えている。しかし、院内投薬だった患者を説得して院外へまわしても、不満を述べて、再度、院内投薬を希望する患者も多く、院外処方せん発行率アップに苦慮している。薬局の方もがんばって欲しい。そのための勉強会が『医薬研究会みなみ』であって、懇談会の雰囲気で、お互いに勉強して医療の向上につとめよう」と我々にとって有難い言葉であった。しかも西間院長は、この日東京出張で、講演の始まる寸前に病院に着かれたばかりだった。疲れも見せず熱心にお話いただいた。

小児喘息の講演は「あなたと家族のための喘息読本−南福バージョン−」を教本に喘息治療に対する最新の考え方キサンチン製剤とその相互作用、吸入療法のテクニック、β刺激剤の考え方など多方面にわたって、薬局での患者対応にポイントを置いて進められた。この教本は、WHOの「喘息の治療と予防のための世界戦略」を基に、日本の小児〜青年期の喘息の人に適したように西間院長らが改編、修正して作製された国療南福岡病院版の30ページの患者配布用の小冊子である。この第1ページに「あなたの喘息は完全には治せないかもしれません。でも上手に付き合うことはできます」の記載がある。薬剤師の役割は大きいと痛感した。

次に、鶴谷副院長からは、COPD(chronicobstructive pulmonary disease:慢性閉塞性肺疾患)のうち、慢性肺気腫について講演していただいた。肺気腫は、労作時の息切れ、咳噺、痕などが主訴で、喫煙者に多い疾患である。性別では、これまでは中年以降の男性が圧倒的に多かったが、最近では、女性の喫煙者が増えたためか、女性患者が急増しているのが特徴である。治療は、気管支拡張剤、去疾剤、アトロピン系副交感神経抑制剤などの薬物療法による気道のクリーニングと禁煙などの患者教育が中心になる。場合によれば、

在宅酸素療法も必要となってくるが、今の医学では根治させることは困難で、上手に付き合っていくことが大切な病気である。現在、南福岡病院の外来には約100人ぐらいの患者さんがいらっしゃるそうで、処方せんを応需している薬局も多いと考えられるが、一度来局されると長期間にわたることが多く、薬剤師の役割は大きくなる。

この日は、初日ということで、ガイダンス的な話もあったが、市薬での講演会とは違って、少人数なので、ひざとひざをつきあわせて話し合う雰囲気で、返答しにくい質問に対しては次回の講師が返答することが約束されるなど有意義な勉強会であった。又、酉間院長の発案で、次回からは、さらに打ち解けた雰囲気の勉強会にするために、ジュースとサンドウィッチを食べながら会を進めることになった。

(中島英之)

<波 動> “納得”消費、医療もまた……

97年度家計調査(総務庁)で、医療機関に支払う診察費が大幅に減少して、その代わりに医薬品への支出が増えていることが明らかになった。一世帯当たりの診察費は月平均2,723円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年比2.1%減。とりわけ昨年9月からは2ケタの減少が続いている。

一方、医薬品への支出額は月平均1,863円で前年比4.1%増。診察費を節約して市販の薬で我慢しようとする消費者の生活防衛行動が鮮明になった。

消費税アップ、医療費増で消費全体が落ち込み、あのコンビニエンスストアでもこの1・2月は2%強のマイナスを記録する消費市場。だが、1個250円のマツタケ入りおにぎり、1枚800円のアジの干物、1本1,500円のタケノコ、1台400万円前後の新型セダン「アリスト」、結婚記念日や定年の節目の高額旅行といずれも予想を上回る売れ行きという。

要は“納得"消費ということ。実は、医療機関内でも特定診療科内での落ち込みが全体を下げていることに対応することが大切である。

ヤクシンタイムス'98.4.13

【学薬のページ】 福岡市学校保健大会における
『福岡市薬剤師会長賞』の新設について

福岡市では長年、健康についての理解と実践をすすめるため、福岡市の小学校、中学校の児童・生徒から健康に関する絵画・ポスター・作文を募集し、福岡市学校保健大会等それぞれの場で表彰が行われてきた。この件に関しては、三師会の中で福岡市薬剤師会だけが「かやの外」に置かれていたので、平成8年、福岡市学校薬剤師会より市教育委員会に対し、薬剤師会長賞新設の申し入れを行うとともに、市医師会に対しても協力要請を行ってきた。

その後、医師会の暖かい支援も得られ、平成10年3月13日の市学校保健会理事会ならびに評議員会において、平成10年度より、喫煙・飲酒・薬物乱用防止に関するポスターを募集し、表彰することが決定された。

賞については、小学校の部・中学校の部それぞれに最優秀1点、優秀1点、優良1点計6点とし、本年度の表彰は12月3日の市学校保健大会で行われる。


表彰関係の概要は次の通りである。

主催
福岡市、福岡市教育委員会、(財)福岡市健康づくり財団、福岡市医師会、福岡市薬剤師会、福岡県医師会、福岡県学校保健会、福岡県教育委員会
後援
福岡県健康教育推進協議会、西日本新聞社
小学校低学年、小学校高学年、中学校ごとに

(1)絵画・ポスター
福 岡 市 長 賞 :優秀(4点) 佳作(10点)
あ い れ ふ 賞 :優秀(3点) 佳作(6点)
福岡市医師会長賞  :最優秀(1点)優秀(1点)優良(1点)入賞(2点)
福岡市薬剤師会長賞 :最優秀(1点)優秀(1点)優良(1点)
福岡県教育委員会賞 :最優秀(1点)
福岡県医師会長賞  :優秀(6点)
福岡県学校保健会長賞:佳作
西日本新聞社賞   :(1点)

(2)作 文
福岡市医師会長賞  :最優秀(1点)優秀(1点)優良(1点)入賞(2点)
福岡県教育委員会賞 :最優秀(1点)
福岡県医師会長賞  :優秀(5点)
福岡県学校保健会長賞:佳作
西日本新聞社賞   :(1点)

表彰および展示
 福岡市長賞・あいれふ賞
 10月のあいれふ健康フェア期間中にあいれふプラザに展示するとともに、入賞者全員を表彰

福岡市医師会長賞・福岡市薬剤師会長賞:福岡市学校保健大会において表彰
福岡県教育委員会賞等:最優秀作と優秀作の一部は福岡県医師会学校保健・学校医大会で表彰

なお歯科医師会関係は別立てとなっており、よい歯の学校表彰が市学校保健大会において行われる。

楽しい中国語

【薬連のページ】

自由民主党福岡市議団活動レポート
自由民主党福岡市議団活動レポート H10.4.1

参議院比例区選挙候補者石川晋氏の支援について 福岡市薬剤師連盟 会長 藤原良春

本年7月に予定されています参議院選挙において、日本薬剤師連盟では、比例区選挙に石川晋氏を候補者として支援することを決定し、福岡市薬剤師連盟においても同氏を全面的に支援するとしています。

今日、薬剤師が直面する政治的課題が山積するなかで、医薬分業の推進計画の策定と処方箋受入れ体制における薬斉掴市の資質向上、その一環として薬学教育6年制への移行は不可欠な要素であります。

石川晋氏は、文部省出身で、薬学教育6年制への充実と改革によって薬剤師の社会的使命、役割を基本的に支えたいと約束されています。

何卒各位の絶大なご支援とご協力をお願いします。

平成10年5月未までに80,000人会員獲得をめざしています。

石川晋後援会名簿用紙に支援者の署名、捺印をお願いし、
5月29日(金)までに署名簿の返送をお願いします。

薬学教育の充実と改革に全情熱を注ぐ石川晋君を支持します

お知らせのコーナー

1.手書きレセプトA4判様式
調剤報酬明細書
A4判新様式明細書の記載要領
A4判新様式明細書の記載要領


2.市薬ダンス同好会へのお誘い

<日薬誌より>

薬剤師、薬局の存在価値を定量的に証明する

患者の安全を守るシステムとして医薬分業の必要性を認めながらも、財政構造改革に端を発した緊縮財政のなかで「分業は高くつくだけだ」という話が出てきます。今、医薬分業はどの程度、患者の安全を守るシステムとして機能しているかが問われています。「定量的に国民の安全を見張る」(佐谷圭一新目薬会長)具体的な活動として「医薬品等安全性情報報告制度」と「PEM(処方イベントモニタリング)」があります。

「医薬品等安全性情報報告制度」は昨年7月に制度が変更され、薬局を含む全ての医療機関が医薬品(OTC薬を含む)や医療用具の副作用、不具合を直接厚生省に報告できるようになりました。昨年7月から12月までの報告数は2124件(前年同期939件)でした。「年間1万件は薬局が報告するようになれば」と佐谷日英会長は述べています。 下記はその報告用紙の見本です。

もう一つはPEMです。これは医薬品、特に新薬の市販後調査の一手法で、製薬会社から独立して医療機関主導で医薬品をチェックしていこうとする試みです。今、厚生科学研究の一環として東大の久保田潔助教授のもとノスカールでパイロットスタディーを進めています。分業率43.8%の福岡県の参加薬盾はO軒(62貢参照)、患者ID登録総数は12枚です。未知の副作用の発見のためには、その発生率が0.1%のオーダーかそれ以上の副作用の場合10000例程度の登録数が必要です。

(M)


〜PEM(処方イベントモニタリング)パイロットスタディ〜

製薬企業・行政から独立した第三者研究機関を主催者とする
医療従事者の全国ネットワークによる医薬品モニタリングのシステム
−'97年7月から全国760の保険薬局の参加でスタート

参加希望の保険薬局・病院内薬剤部(科)追加募集のお知らせ

PEM パイロットスタディの概要

・test drug:troglitazoneノスカールG(三共)
・control drug:その他の経口糖尿病薬
(最近生まれて初めて使用開始した患者さんを薬局薬剤師が特定)
・観察的コホート研究、非介入的研究(日常診療に影響を与えない研究)
・薬局薬剤師は患者名をコード化して登録
 約6カ月後に患者1名について1回、薬局用と医師用質問用紙を各1通送付。医師用質問用紙 は薬剤師が医師へ転送。必要に応じて追跡調査。
・イベント(カルテ・薬歴に記載すべき事柄、薬との因果関係は問わない)の情報をtest drug とcontrol drugを比較して解析・患者コード番号登録は’98年7月まで(参加薬局の追加状況に応じ登録期間の延長を考慮)

医薬品安全性(副作用)モニター制度及び企業の調査との関係

・医薬品安全性('97年6月まで「副作用」)モニター制度は、医師・薬剤師が副作用の疑いを自発的に厚生省に報告するものです。新しい副作用の発見に力を発揮しますが、一部しか報告されない、母数の推定が難しく発生頻度が不明、などの欠点があります。
・企業が行う「使用成績調査」などの調査は企業が自社製品の安全性確保のために法的義務として実施するものです。最近、質の向上がはかられていますが、他社製晶は対象とならないので薬物相互比較ができない、またMRの依頼により処方した医師が自ら対象者を登録するため非介入性の徹底が不十分、などの欠点があります。

仕事量と報酬は?

薬剤師 :対象者全例を登録する必要は必ずしもありません。できる範囲でご協力下さい。また、モニター対象者は質問用紙送付にあたって登録患者の中からtest drugとcontrol drug使用者数のバランス等を考慮し、主催者が選択します。
 ☆医師の処方に影響を与えないよう、個々の患者のコード番号登録は医師の診療とは独立に行って下さい。
医  師:質問用紙送付は1患者につき1回1枚とし、1カ月に最高1枚。全モニター期間を通じて1医師に送付される質問用紙は最高10枚。回答は自由意志ですがご協力下さい。
質問用紙:回答は無償を前提とします。質問項目は最小限度に厳選しました。(見本アリ)。回答者には調査結果の報告書のほか、主催者が収集した日常診療・業務に直接関連する最新医薬品安全性情報を配布します。

患者プライバシーの保護

・患者名はコード化されます:薬剤師は患者登録票を用いて患者名をPEM固有のID番号にコード化して主催者に登録。主催者は質問用紙にID番号を印刷して薬剤師に送付。薬剤師は保管してあった登録原票から患者ID番号と照らし合わせて患者名を記入して医師用質問用紙を完成させ医師に転送。医師は患者名記載欄を除いて主催者に回答。

PEMは幅広く支持されています

行政:厚生省は上記平成8−9年度黒川研究班を組織
目薬:参加薬局の募集に全面協力
日医:平成9年9月都道府県医師会へP−EMへの協力要請

参加希望の保険薬局・病院内薬剤部(科)は日薬又は直接主催者へ
主催者:東京大学医学部薬剤疫学講座(助教授:久保田 潔)
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 tel 03-3815-5411(内線5821)fax O3-5802-3323

文献:1)フアルマシア30:882,1994  2)日本撃事新報 No.3827:69,1997
   3)薬剤疫学2:131,1997    4)月刊薬事39:2673,1997

PEM参加薬局

〜居 眠 り 〜

最近は音楽も思わぬ使われ方をされています。

たとえば、食品メーカーが原料の熟成段階にクラシック音楽を聴かせると、酵素や酵母の働きが活発になり美味しい食品ができるといいます。また、高齢者の音楽療法に痴呆防止のCDがあります。高齢者には懐かしい曲を聴かせて脳を刺激し、当時の記憶を廷らせるというもので、繰り返し聴くことによって次第に記憶力がつくそうです。

居眠り防止にも、ある実験によれば、七人の男性が皆好きだという演歌やポップスなど好みの曲を流したら、一時間経っても覚醒度は落ちなかったといい、全員が好まないといったピアノ練習曲はすぐに眠くなったということです。

【商組のページ】

商組のページ

文芸

中医略史(10)

悟るところ

「本当に驚きました。どうぞ座ってください」羅知悌(らちてい)が朱震亨(しゆしんこう)に座るように促しながら言った。「あなたが朱震亨先生だとは、お名前はかねがね伺っておりましたが、本当に驚きました」

羅知悌はあらためて、かしこまっている朱震亨の顔から身なりから全身を見直した。長旅で日焼けした朱震亨の顔は強い意志を感じさせた。身なりは粗末で所々ほころびが目立った。

「それにしても、あなたほどの先生が私の弟子になりたいというのはどういうことでしょう。私の往診の後をつけてもう10日になります。あなたの気持ちの強さは良く分かりました」 朱震亨はいよいよ恐縮してそっと羅知悌の顔を伺った。羅知悌は優しく笑っていた。

「失礼いたしました」朱震亨は勇気を出して話し始めた。「私は義烏(ぎう)の丹渓(たんけい)というところに住んでおりますが、幼いときより学問は好きで母の希望もあって進士に及第することを望んでおりました。30歳になったとき母が病気で倒れ、また道学の師の許謙(きょけん)先生の久病が悪化するなどが重なり、許謙先生の勧めもあって医道をこころざそうと決心したのです。今からでも遅くはない、やってみなさいと励ましの言葉を頂きました。そして私の父は幼いときに病気で亡くなっておりますし、叔父、弟、妻子までったない医師に命を奪われたことを思い浮かべるといてもたってもおられず母や親戚の方などは反対しましたが、進士になることだけが人の道ではないと考え、私の決心は変わりませんでした。そこで

           

私は『和剤局方(わざいきょくほう)』を勉強し、『素問(そもん)』『難経(なんぎよう)』を学びながら、診療を行なってまいりました。 3年『素問』を読み、そして悟るところがありました。さらに40歳になって再び『素問』を読み返し、さらに悟るところがありました。

しかしながら、医典は煩雑で理解しがたいところもあり、是非良き師に巡り会い教えを請いたいとこうして旅だってまいったのです。 江蘇省、安徽省など廻りましたが巡り会うことは出来ず途方に暮れておりましたが、この地杭州にまいったときに、先生のお話を聞き及んだのです。しかしながら羅知悌先生は患者以外は面会しないとのこと、ずいぶん心配いたしました。是非お会いしてその医術を学びたいと、失礼をかえりみず、往診の後を追ったのです」 朱震亨はそこまで話すと小さくため息をついた。

「それはそれは大変でした」羅知悌は10日間も無視したことを反省しながら言った。「最近では劉完素(りゅうかんそ)、張元素(ちょうげんそ)、李東垣(りとうえん)など優れた医師が出ています。実は私も劉完素先生の孫弟子といったところなのです。熱邪に対する寒涼剤についてはその流れを組んでいます。

それらを勉強されると疑問が解けるのではないでしょうか。私はもう80歳を過ぎる年齢です。あなたのような立派な方に私の医術を伝えることが出来るということは、私にとってもこれ以上の幸せなことはない。私のこれまでのすべての研究を伝授いたしましょう」

羅知悌は1243年に生まれている。朱震亨は1281年生まれで38歳の開きがある。二人が出逢ったとき朱震亨が44歳とすれば、羅知悌は82歳の高齢である。羅知悌は1327年に亡くなっているので、朱震亨と逢って2年後に亡くなっていることになる。

朱震亨はその後自らの理論にもとづいて「滋陰降火」の剤を多く使った。後に劉完素、張子和、李東垣と並んで金元四大家と呼ばれるようになった。

そして朱震亨の理論は明の時代に留学した田代三善(たしろさんき)によって、李東垣の医学とあわせ李朱医学として日本に渡った。それが曲直瀬道三(まがせどうさん)に受け継がれ後世方派として、江戸時代に古方派が出てくるまで永く日本の医学の主流となった。

朱震亨は(朱丹渓)「局方発揮(きょくほうはっき)」「格致余論(かくちよろん)」などの著書を残した。


羅知悌が喜んだかどうかは定かではない。しかし朱震亨の熱意は理解できたに違いない。

(上村義徳)

俳句

君子以って事をなすに始めるを謀る

うちの看板娘(No.7)

(株)ユニックDI編

(株)ユニックのDI室に勤務している3人です。日頃は、いろいろな質問をいただいて、大変勉強になります。今回はお互いの紹介をします。

田中 絵麻

 僭越ながら田中絵麻先生のご紹介をさせていただきます。田中先生は私がユニックに入社して以来、公私とも大変お世話になっている先生です。
 仕事のときは誰よりも素早く電話をとり、テキパキと対応するお姿はキャリアの重さを感じさせますが、プライベートになると一転して「私の道」を進んでいかれます。
 ここで田中先生の自己評と鶴崎評を並べてみましょう。
        (自己評)          (鶴崎評)
  趣味:テニス、スポーツ(野球以外)観戦、:格闘技
     黒人音楽鑑賞等          :プロレス観戦
  好きな男の人:ミックジャガー      :長州力(チョウシュウ)
  好きな食べ物:肉ジャガ         :チャーシュー
  好きな自動車:ジャガー         :チョロQ

(文責 鶴崎)

乾崎美穂子

 鶴崎美穂子先生のご紹介をさせていただきます。鶴崎先生は気さくな人柄からみんなに「つるちゃん」(田中先生は“つる坊”と呼んでいる)の愛称で親しまれています。
 仕事の時は、何事にもパニックになることなく、黙々と資料を探し、落ち着いて返事する姿はお見事です。
 アフター5では、3人でお酒を飲みに行くこともありますが、鹿児島県出身の鶴崎先生は、かなりの酒豪(ちなみに田中先生も酒豪です)らしく、私ひとり酔っ払って大変な目によく遭います。一度、鶴崎先生が酔っ払って、鹿児島弁をしゃべる所を見てみたいというのが私の密かな願望です。

(文責 内藤)

内藤いづみ

 昨年、入社した内藤いづみ先生です。新婚さんです。以前は病院勤務をしていたこともあり実際の現場の経験を生かした対応が好評です。いつも電話が鳴りっぱなしのDI室に強力助っ人登場!! 彼女は趣味で管楽器(クラリネット)を演奏していたそうです。そして、ご主人もトランペットを演奏するそうです。機会があれば聞かせてほしいものです。最近は、運動不足解消のためにテニスを始めたそうです。目下、ご主人を特訓中。いつも仲良しのようでやけちゃいます。そういえば、DI室の他の2人もテニスをするので、今度、みんなでテニスしまひょ。ヒッ、ヒッ、ヒッ、……

(文責 田中)

〜室長の日高先生より一言〜

ユニック本社医薬営業本部DI室の看板娘たちです?!それぞれ個性の持ち主です。時には優しく、時には厳しくご指導の程よろしくお願いいたします。

The 1998 Winter Paralympic Games

医薬品:店数増加に表れる有望性 健康と美のサービス業であれ
医薬品業界、営業改革急ぐ
訂正:3月号「これからの情報提供」に誤りがございましたのでお詫びと訂正を致します。

会 務 日 誌

2月2日  広報委員会                  19:30
  3日  常務理事会                  19:30
  5日  在宅医療委員会                19:30
  6日  薬局委員会                  19:30
  9日  三役会                    19:30
      広報委員会                  19:30
  10日  市民福祉プラザ落成式(荒戸町市民福祉プラザ) 10:30
      福岡・糸島保健医療対策協議会(吉塚庁舎)   14:00
      選挙管理委員会                19:30
  12日  常務理事会                  19:30
      急患委員会                  19:30
  13日  学薬理事会                  19:30
  15日  市薬懇親ボウリング大会(城山スポーツ)    10:00
  16日  吉村剛太郎新春セミナー(ニューオータニ)   14:00
      広報委員会                  19:30
  17日  群馬県薬務課市薬薬局訪問           16:00
       組織委員会                 19:30
      社保・分推委員会               19:30
  18日  第299回理事会                 19:30
  19日  学術研修会                  19:00
       支部長会議                 19:30
      市薬薬局委員会                19:30
  20日  福岡ブロック協議会              19:30
  23日  広報委員会                  19:30
  24日  部会連絡協議会(セントラルホテル)      19:00
  26日  処方検討会(あいれふ)            19:00
  27日  在宅研修会                  19:30
3月4日  和歌山県湯浅保健所市薬薬局見学        14:00
      市薬薬局委員会                19:30
  5日  第300回理事会                 19:30
  10日  在宅医療委員会                19:30
       三役会                   19:30
  17日  組織委員会                  19:30
  18日  三役会                    19:30
      薬局委員会                  19:00
  19日  学術研修会                  19:00
  20日  監査会                    17:30
  23日  第302回理事会                 19:30

[編集後記]


〜攻撃は最大の防御なり〜

私の店は、商号は薬局なのだが、中に入ると、弁当、文具、学生服、そして1番奥が薬品である。規制の為に売り場を分けなければならない。ここで楽しみにしているのが規制緩和である。「薬局と思って来たらここはくすりおいとらんと」とよく言われるが、これも眠っていたビタミン剤が、菓子の横で日の目を見るかもしれない。コーナーを大きく変えるチャンスである。

コンビニが、今まで薬品といわれていた物を販売するのであれば、薬局にコンビニ商品といわれていたものを揃えるのもおもしろい。

小学生が好むものを揃えると親を連れて来る。子ども達と仲よくなると学薬でプールに行くと帰るころにはビショビショということはしょっちゅうだ。アイテムを見直す時が来ただけなのである。

(津田和敏)


〜介  護〜

「寝たきり老人」のいる国いない国(大熊 由紀子著 ぶどう社)を読みました。感動的でした。目次にも素敵な言葉が並んでいます。「おむつをしていてもお洒落ができる」「街角には高齢者の車いすが」「気軽に使える『SOS』(魔法のランプをこすった時のように二人の大男が駆けつける)」等等。最後の時を迎えるまで、人として尊敬され威厳を保つことができる制度と、それを支えるノーマリゼーションという思想。これは北欧の話です。

2000年4月から始まる公的介護保険はいろいろ問題点を指摘されています。運用によっては今より悪くなる方々もいらっしゃるようですが、でも今よりずっと良い制度になるように薬剤師として役に立ちたいと思います。

身近に「寝たきりにしてしまった義父」を看てそう思います。「介護支援専門員・標準テキスト」を枕にせず読破して、ケアマネージャーの試験にパスしなければ何も始まりませんが…。

(伊東美穂)


〜質  問〜

代議員会で初めて質問をした。今回の代議員会は非常に活発に質問が出され、緊迫した応答がなされた。不況下において考え方がシビアになってきているのだろう。しかし抑えるばかりではなく、やるべきはやらなければならない。そのバランスが難しい。OTC薬局についてもかなり質問が出た。

いざ質問をする段になると、いろいろ考えるがポイントを押さえて自分が話したいことをまとめるのは難しい。薬剤師としての哲学や人生観、薬剤師会の将来観、そのようなことも盛り込みたいがまだまだ先の話である。

代議員会議事録は誌面の都合・表現・つじつま等で校正はされるものの、質問等については出来るだけ残している。これは会長がいつもおっしゃっている記録の部分であり、非常に具体的で正確な記述だ。

今回の私の質問は良い経験になった。自分にとって何が大事なのかを考えさせられた。

薬剤師会の将来を考えることは、自分を見つめることでもある。

校正上削られる可能性もあるが、広報委員会では頑張りたい。

(上村義徳)


〜忘れないで!〜

一度やりかけたことは、いつもどこかで考えている様なところがなければいけない。

少しぐらい思いつきがよくても、それをひらひら忘れていくというのは駄目です。

一度思いついたら、それを理論化する必要は必ずしもないけれど、いつもそれについて考えていて、それをだんだん肥らせて、オットー間違えました、太らせていくというタイプでなければ○○は務まらないと会田雄次氏はおっしゃっています。

また2年間広報委員をおおせつかるに際し自信をなくさせる言葉でもあります。

(戸田昭洋)

メバチロン 三共株式会社

社団法人 日本薬剤師会 薬剤師倫理規定

平成10年5月15日発行
福岡市中央区今泉1丁目1番1号
社団法人 福岡市薬剤師会
T E L 092-714-4416
F A X 092-714-4421
担当副会長 合 澤 英 夫
常務理事  北 島 啓 子
編集委員  伊 東 美 穂
      上 村 義 徳
      小 松 公 秀
      津 田 和 敏
      戸 田 昭 洋
      東   美 代
      堀之内 真 紀
発 行 人 藤 原 良 春
発行部数  1,300 部   
印 刷 所 (有)興英社印刷