■ 巻 頭 言
〜地域と共に〜 (社)福岡市薬剤師会 常務理事 中野勝郎

本年4月、規制緩和による薬局等、構造設備の一部を改正する。即ち、薬局開設時の必置規制品目等の緩和により、市薬では新会員入会時の試験センターとの契約はどうなるのか、情報集めに大あわてだったことは記憶に新しいところです。

街のOTC薬局も調剤薬局も薬の乱売や漢方製剤の保険取扱いによる客数減少、老人医療費の一部有料化、薬価の切り下げが続き、更に昨今では調剤薬局の他業界からの参入も珍しくなくなり、薬局の設備展開の競争も一段と厳しく、建物もより大きく明るくなってきております。

調剤薬局の閉店が続いているとか、薬局のグランドデザインは、このビッグバンの時代に現実ばなれした夢物語だとか、暗いニュースばかりで、薬業界もうっとうしい梅雨空のようです。しかしそんなに深刻ぶらずに明るく前進しましょう。

ある映画監督の話ですが、大人になるってことは、そもそも一つの病気なんです。子供は元気で好奇心が旺盛で、いつも未知の世界に対して緊張している。常に新鮮な発見があり感動的な出会いがある。それが大人になると、やがて好奇心も感動も薄れ、便利でラクに生きる方法を覚え、物事に夢中になれなくなるのです。

私達も青春時代を忘れてはいけない。現在も、これから先も前進していかなければなりません。青春そして若さを忘れないために恥ずかしがったり、苦痛であったりしてはならない。とは言うものの、考えつくままに片っ端しから本当に実行したら「ピーポーピーポー」と救急車がとんでくるかも知れません。

ああ、トラさんはいいなあ。旅から旅のテキヤ稼業。気の向くままに、あちこちの土地で商売をして財布にはいつも500円の手持ちしかない。お金がなくなると柴又の“とらや”に帰って来て、おいちゃんおばちゃんの顔を見て口ではケナシながらも健康を喜ぶ。そして、さくらとは特別の兄妹愛を見せる。

又、旅の先々で美人を見染めると滅法弱い。こんなトラさんの名セリフで忘れられないのが「俺とお前は別の人間だ。早え話が俺がイモ食えばテメエの尻から屁が出るか?」このセリフが浮ぶと頭にカッとくることでも、おさまるので不思議なものです。

世の中、悲観ばかりしてはいかんです。いまや産業界も底冷えの経済危機に直面しています。鉄鋼、窯業、繊維産業おしなべて良くありませんが、必ずいいものは出てきます。それは世の中の変化に臨機応変に対応する力を備えたもの、一例としてIC産業即ちハイテクを使うことです。 最近はエレクトロニクスを使った味噌トロニクス、酒トロニクスから仏壇トロニクスといった新製品が開発されているそうで、私達もハイテクを使って薬トロニクスでも開発したらどうでしょう。

又、地域住民への軽医療の担い手として薬草、漢方薬をはじめ薬局製剤、健康フェア等の地域医療への参加、学校薬剤師もその一つとして積極的に加わり、時には子供達の身体の成長に合わせて抵抗力や免疫力向上のため木登り、泥遊び、野原に出て遊ぶ等、できるだけ外で遊びながら自然と触れ合う、できれば海辺に近い学校などでは砂浜で裸足で過ごす時間を増やすとかアドバイスするのも必要かと思います。

OTC薬局も調剤薬局もストレスをためずに、いつも患者さんに明るい笑顔で話題を提供し地域のかかりつけ薬局を実現しましょう。

<私と薬> 清水論説を訂す (社)日本薬剤師会 副会長 荒巻善之助

久しぶりに清水貞知先生の毒舌ならぬ毒筆を読ませていただいた。御健在を悦びたい。

若い会員諸君はご存じないかも知れないが先生は国立中央病院薬局長として活躍され、そのユニークな発想は全国的には知る人ぞ知る語り草となっている。

私がまだかけ出しの30才代、福岡県薬剤師会のDI委員をさせられたことがある。先生はその頃委員長であったかと思うが、その該博な知識に舌を巻いた記憶がある。その後、私が福岡市薬副会長であった頃、先生はすでに退職しておられたが、そのお知恵を借りようと分業推進プロジェクトのメンバーにお願いしたこともあった。

私が県薬会長であった数年前、先生はしばしば県薬会報に投稿され、達者な毒筆を振るわれたが、ヤリ玉に揚げられた方からは文句が相次いだ。編集担当者からも苦情が出たが、私は反論があるなら紙上でやればよい、と言って取り合わなかった。

しかし筆鋒がエスカレートしてターゲットが特定され、それが日薬、県薬という内部団体ならばよいが、特定の施設に及ぶとこれは困る。内部だけの問題ではなくなってくるからだ。そこで私は掲載をお断りする手紙をさし上げた。

先生はそのとき、私の立場を理解するとして御返事をいただいたが、その中で、「自分は現場を去って20年以上になる。だから薬剤師としてではなく、患者として、一市民として発言しているのだ」という意味のことをいわれた。

それからもう数年になる。職場を去られて30年になるのではなかろうか。それでもなお会員である。有難いことだと思う。

その清水先生が今回は日薬をヤリ玉に揚げられた。分業対策は会長の直轄事項ではあるが、主担当は私である。又、薬局部会担当も私である。つまり私が、そのヤリ玉のターゲットということになる。

そこで市薬ジャーナル3月号の「薬剤師の未来像」といういわゆる『フリートーク』に反論があり乍らこれを見過せば畏敬する大先輩の論を無視することになる。敢えて筆を取る次第となった。

清水論説の要点は、(1)薬局経営の規模について、(2)かかりつけ薬局について、(3)情報伝達について、日薬の認識が甘いということ、その結論としての心の問題、ということになろう。以後順序を逆にして(1)、(2)、(3)、という形で反論を述べる。

情報伝達について

薬剤師の服薬指導や情報伝達は本来無理だというのが先生の論旨のようだが、私は逆にこれ以外に評価される業務はなくなってしまうだろうと思っている。情報も添付文書に記載されているような情報はすべてハード化され、アウトプットされるから評価の対象ではなくなる。

重要なのは個々の患者情報であり、それに基づいて医薬品情報をどのように評価加工して患者に伝え、医師に連絡するか、ということが業務の中心となる。患者との接遇も重要な業務である。

今回の改正医療法の目玉はインフォームド・コンセントであるが、患者からの要求があれば検査値も渡す、ということになろう。肝機能、腎機能、血液像、これらを知らずに服薬指導をするのは、御説の通り闇夜に鉄砲をうつようなものだが、現時点では手さぐりでやるより仕方がない。

しかしそれなりの患者の特性は対話の中でも把握できよう。又、若い医師は薬剤師をパートナーと考えている人が多い。それなりの実力で対応すれば信頼を得ることができると思う。薬は個体差が大きい、それを夫々の患者に合うようにどのような情報加工を行うか、それが主たる業務になるはずである。現在の主たる業務は何れはロボット、或いはテクニシャンの仕事になる。その時、本来の物性としての薬物の知識が必要なことは云う迄もない。

かかりつけ薬局について

前述の通り、服薬指導においてポイントになるのは患者情報であるが、この情報の一元的管理をするのが、かかりつけ薬局である。

我国では家庭医が制度化されていない、そのため、かかりつけ医というのはそれぞれの専門科に分散している。つまり複数のかかりつけ医がいることになる。現時点でこれを統轄管理できるのはかかりつけ薬局以外にはない。だがICカードにすべての情報がインプットされるようになれば、多少事情は変る。

しかしそうなっても薬局の基本的役割りは変らないと思う。ただ全国ネットのチェーン薬局が出現するとこれは恐い。すべての情報を一括管理し、即時提供が可能になるRXネットワークが盛んに売り込んでいるのはこの点であるが、逆に本部の餌食になる心配もある。

それよりも自分自身の勉強が必要であろう。能力のある薬剤師は高給を取る時代になってくる。

薬局グランドデザインについて

これに関して会員の意見は次の4通りである。

 (1) 現実離れしている、そんなことができるか。
 (2) なるほどそうだろう。然し俺には無理だ。
 (3) わかった。がんばる。1人で無理なら組んでやろう。
 (4) そんな規模では勝ち残れない、もっと大型だ。

最初にフリートークを読んだとき、私は清水先生の意見は(4)だと思った。先生の意見は少数派の場合が多い。しかし読み返しているうち(1)のような気もしてくる。だがそういうことはどうでもよい。日薬はここで自己完結型薬局の最小モデルを示しているのである。

日本薬剤師会は社団法人である。県薬、市薬も同じ。社団法人は組合とは違う。会員の利益より、公共の利益が優先する。つまり国民に対して、薬局、薬剤師の業務の質を担保することが最優先事業である。グランドデザインでは薬局の業務内容が列記されている。

そして、これらの業務をすべて行うためには最低これだけの規模がないとできないよ、というモデルなのである。生残りモデルではない。

生残りが目的ならば地域ニーズにどう応えるかということがポイントである。これは商才であるが、職能的資質とは必ずしも一致しない。そこが組合せであって、ソニーもホンダもこの組合せで成功した。薬局市場は今、急速拡大の時期であるから、うまくいけば間に合うかもしれない。しかし大部分の薬局は淘汰には耐えられないのではないか。

今回の医療法改正では医薬分業が地域医療計画の中に本格的に書き加えられることになった。今迄の分業推進は薬務局企画課の事業であり、厚生省の事業ですらなかった。つまり、今までは既存の薬局育成事業であったが、厚生省の本格事業となればそうではなくなるということである。今回の法改正で2次医療圏で夫々の地域に合った具体策が策定されることになる。

そうなれば地域薬局が会員として不適であれば、外部資本の導入も当然考えられる。何れにしろモデル規模の薬局は地域医療の中での中核的存在ということになる。

これにどう対応するかということは地域薬剤師会の課題である。しかしさしづめはそれよりも参照価格にどう対応するかということの方が焦眉の急であろう。政府は薬価基準を廃止して参照価格を導入することを閣議決定した。グルーピング等、むずかしい問題はあるが、言った以上は形だけでもやらざるを得まい。薬価差はなくなる。私はこのところ、あいさつの機会毎に、「薬局はジリ貧、調剤薬局は激震」と云っている。これをどう乗り切るか、地域薬剤師会の課題でもある。

市場が拡大すれば競争が激化し淘汰が進む。パチンコ然り、コンビニ然り、スーパー然り、死相の漂う町並は零細店の問題として深刻であるが、同時に老人問題として更に深刻である。高齢社会の問題は町づくりの問題であるが、そのための住民運動が必要であり、その中核に薬局を据えることはできないか。

私が介護保険に必死で取組んだのは薬剤師の業権確保もさること乍ら、その思いが強かったからである。幸いに薬剤師の参入は可能になったが、その事自体より、町かど相談薬局として住民のニーズにどう応えるか、それが重要だと思う。これについては機会があれば別に述べたい。

ビックバンは今やグローバルスタンダードであり、グローバルスタンダードはアメリカンスタンダードである。ケインズ理論は敗退し、むきだしの資本主義、金融室上主義、ルールなき競争社会となった。アメリカに於ける配分の不公平は目を覆うばかりである。

世界最大の債務国が基軸通貨を握り、それがいつ紙キレになるのか誰も判らない。この不思議な時代に対応できるのは「心」だけだといえばそれ迄の話であるが、環境問題も含めて今の時代が永続するとは思えない、自己確立が必要な時代になった、と思わざるを得ない。世界観をどう持つかが問題である。

しかし少くとも薬剤師には国民の医療をどのように確保すべきか、という責任がある。それは知識と技術だけあればそれで済むというものではない。医療制度、福祉制度を組立てる政治、その原動力となる経済、これらの仕組みが正常に機能してはじめて可能なことなのである。その「しくみ」を自分達で作るのか、他の人達の手に委ねるのか、厳しい時期に来ている。グランドデザインはそれを自らの手で達成するための最小のモデルなのである。

<在宅介護・厚生省モデル事業(在宅介護相談薬局支援事業)報告特集> ひとめぼれ〜モデル事業への歩み〜 (社)福岡市薬剤師会 在宅担当常務理事 田中範江

今回のモデル事業の歩みを少しお話ししてみたいと思います。平成12年度から介護保険が実施されるにあたって薬剤師として何をすることが出来るかと模索していたところ、前常務理事の入江先生が長崎の日薬学会で岩手の「まちかど相談薬局」のポスターセッションを見られ、これだと思われたそうです。つまり、一目ぼれされたのです。

その後福岡市薬剤師会でもこのまちかど相談薬局のようなものが出来ないものかと委員会で実現のための検討を重ねました。その間にも、在宅医療に対する認識のレベルアップを目的として「在宅医療研修会」を毎月開催したり、ホットラインの実績を積みあげたりの努力をしておりましたところ、今年の1月厚生省のモデル事業(在宅介護相談薬局支援事業)のあることを知り、応募することにしました。

各支部から募集した約70店の相談薬局と各区の保健所との連携により、お陰様で364件という結果を得ることが出来ました。なんとこの結果は、昨年1年間の件数の数倍の数です。4月、5月、6月も続けて集計するつもりですので、協力をお願い致します。

この相談薬局の機能はモデル事業の期間のみならず、終りのないことだと思います。というのもこれを設けることによって「かかりつけ薬局」の大きな柱となることでしょうし、福祉社会の中に薬剤師としての位置づけが出来る大きなポイントになると思うからです。

それと今、話題になっているケアマネージャー(介護支援専門員)にも積極的に参加されて、薬剤師の職能拡大のために資格を取ってみるのはいかがでしょう。介護保険実施にあたって踏み出す一歩がここにありそうです。

 

 

相談区分件数と内容

・()内は、要介護者の年令・性別
・−>は、相談への薬局の対応(いろいろ対応されたと思いますが報告のあるもののみ記載しました)

1.介 護 方 法

・骨粗繋症があり入浴が困る(90才男)
・パーキンソン氏病のため入浴が困る(83才女)
・退院後の介護方法とサポートを(80才代男)
・二人暮らし 夫がパーキンソン氏病で妻が介護している
・デイケアに行かない日の痴呆の介護方法
・裾瘡の手当て

2.介 護 用 具

・身体にあった杖が欲しい−>福祉センターの用具展示室紹介(80才代女)
・円座に付けるカバーが欲しい
・寝起きが不自由なのでベッドを
・寝たきりの下の世話は−>防水シート・おむつ
・メッシュタイプのオムツカバーはシート・布団までもれる−>適切な商品を販売
・外出時歩行困難 受診のために車椅子貸与希望
・尿漏れのため防水パンツを−>販売
・身体の動きが不自由−>ベッドを勧める
・足が不自由なため長く歩けない−>車椅子を勧める
・車椅子が欲しい−>入院になる(85才女)
・電動ベッ下 リースはないか
・ポータブルトイレと消臭剤
・週間投薬カレンダー
・治療用ピンセット
・ストマー用品
・リハビリ用品

3.施 設 入 所

・施設、ケアハウスの説明(84才女)
・介護疲れの方にショートステイを勧める(82才女)
・昼間一人、寝たきりではないが退院したばかり(90才女)
・気丈に一人暮らしをしてきたが、医師から老人ホーム入居を勧められている(88才女)
・介護される前に老人ホームに行きたいので紹介してほしい(90才代女)
・食事・火の心配がある−>ケアハウスを勧める
・デイケアを断られた−>デイサービスを紹介
・介護疲れのため老人ホームに入所させたいが、他の兄弟が反対している(84才男)
・家族と折り合いが悪く老人ホームに入りたい−>軽費老人ホームへ(80才女)
・老人ホームに入るのに保証人が要ると言われたが、自分には身寄りが無い
・介護者が病気でショートステイに入れたい
・デイサービスに行きたい(入れたい)

4.住 宅 改 造

・退院後の1人暮らしが不安で歩行不自由のため住宅改造したい

5.医 療 相 談

・腎臓が悪いので、救急時の医師の手配相談
・調子が悪いので一人で受診するのは不安血圧を測ってほしい
・薬が足りない(のみすぎか)−>一包化の依頼
・糖尿病・痴呆・被害妄想・尿失禁・薬の飲み忘れ・重複投与

6.悩 み 相 談

・介護疲れ
・病弱のため生活不安だがサービスはまだ受けたくない(82才女)
・肺癌だが煙草が止められない(74才男)
・年寄り二人で一方が倒れたらやっていけない
・痴呆が出てきた母親が心配
・腰痛で歩行不能になり妻の介護負担が大きくなった
・痴呆・転倒・寝たきりとなり介護者の疲れ大
・痴呆があり独居生活で近所の長男の嫁がみている
・通院できなくなった時が心配
・心臓が悪いので誰もいない時に倒れたら恐い
・障害者の子がいるが親は血圧が高く将来が不安
・本人の希望で個室に入院してるが費用が安くなる方法はないか
・介護保険への不安〔本人は自分では何でもできると思っているので認定が得られないのではないか
・民生委員として一生懸命やっているが一人では対応に限界があり、何か良い方法はないか
・物忘れがひどく出かけると家に帰れない本人が来局時には気を付けて欲しい
・一人暮らしで今は良いが体調を崩した時が心配(82才女)
・ヘルパーさんと合わない(75才女)
・一人暮らしで夜間発病時、医師等が戸締まりのため家の中に入れないがどうしたらよいか(63才女)
・痴呆に対応しきれない
・一人で不自由なく暮らしているが 家族や民生委員がうるさく心配するので困る(87才男)
・障害年金だけでは生活が苦しいので生活保護を受けたい−>ホットラインが福祉事務所に連絡してくれた
・一人暮らしで何かあった時が困る
・左肩打撲のため左手が不自由−>ヘルパー要望(74才女)
・介護者の過労不満

7.在宅福祉サービス

・健康面の不安から同居開始したがデイサービス等を受けたいが家族の理解が得られない(84才女)
・骨折のため通院しているがヘルパーさんに付き添って欲しい(84才女)
・ヘルパーさんの仕事の内容や支払はどうなっているか
・二人暮らしだが歩行困難で耳が遠いので会話がスムーズにいかないし在宅介護に抵抗感がある(77才女)
・二人暮らしで電話がないし関節炎で歩行が不自由−>電話サービス等があります−>自分たちだけで何とか暮らせる(72才女)
・一人暮らしで近所に息子さん家族がいるし骨そしょう症だが家の中は一人で動ける−>家族だけでやっていける
・風呂に入れてやりたいが難しい
・ご主人と息子さんの介護をしているが膝の手術をして介護が難しい
・介護していた奥さんが腰痛になった(82才男)
・パーキンソン氏病で外出は苦しいが近所で買い物をしている(78才女)
・妻以外の介護を嫌がるが将来的には介護の応援が必要(76才男)
・寝たきり−>サービスを受けたい
・パーキンソン氏病の介護疲れで自分でやれる所までやってみるが、他人に預けると敗北感があり他人から何と言われるか−>ショートステイを勧める(70才代女)
・介護疲れだが本人は入院を一番嫌う−>ショートステイを勧める(88才女)
・引っ越してきたばかりで寝たきりの家族がいる−>パンフレットを渡しホットラインの電話番号を教えた
・左手骨折で家事困難−>ヘルパー依頼(75才女)
・一人暮らし−>ケアハウス・ショートステイを勧める(74才男)
・働いている娘さんと二人暮らしで今のところ不自由はないが先日転んで一週間入院した
・一人暮らししているがやや虚弱で昨冬階段から落ちて不自由になった事がある−>そんな時はホットラインに連絡を(86才女)
・やや虚弱で一人暮らし−>パンフレット渡す(90才女)
・介護で疲れる−>ショートステイを勧める(82才女)
・寝たきり介護で何かサービスを受けたい
・母が動けなくなった時は?
・年寄り二人暮らしだがどんなサービスがあるか
・老健・デイケア等の相談
・旅行するのでショートステイを利用したい
・一人暮らしで今は体調よいが(76才女)
・妻が入院したら自分一人になってどうしたらよいか不安(70才男)
・一人暮らしだが万一の時の方法について(80才女)
・年寄り二人で将来不安
・退院したばかりで少し歩けるが昼間だけでもサービスを受けたい(90才代女)
・おばあちゃん退院後の介護に在宅福祉サービスを利用したい
・神戸に住む高齢者夫婦のケアについて
・入浴サービス
・ホームヘルパーを頼みたい

8.そ の 他

・介護疲れでデイケアを利用しているが、本人が疲れるのでこれ以上回数は増やせない
・一人暮らしでフラフラして動けなくなることがあるが福祉の世話は受けたくない−>いざという時のためにホットラインのパンフと当薬局の電話番号を大きく書いて渡す(82才女)
・今は不自由はない−>パンフを渡す(84才女)
・ペースメーカー使用でやや不自由を感じており救急時の連絡(ペンダント?)持っているが1ケ月に一回安否の確認電話あり(80才男)
・隣家からのお願いで隣は二人暮らしのはずだが半年くらい姿を見ていないが時々夜になると電気がつくので調べてほしい−>ホットラインが事情を調べてくれた(80才代女)
・脳梗塞後よく転んで怪我をするが障害の認定を受けて電動いすを−>ホットラインへ
・ボケが進み所構わず排便排尿するので紙オムツ代が大変だが紙オムツ代の補助はないか
・一人暮らしでボケがすすみ以前はきちんと来局して服薬していたが来局時期なのに音沙汰がないので様子を見て欲しい−>ホットラインへ
・近所付き合いのない老夫婦だが訪問してください−>ホットラインへ

(南区のまとめを参考にしました)

 

インタビュー

今回のモデル事業で活躍された城南区ハト薬局の原田美代子先生(市薬在宅担当理事)にインタビューしました。

§相談件数・ホットライン紹介件数とも一番多かったようですがその秘訣は?

「声かけ」です。国保27などの老人に時間の許す限りこまめに声かけをしました。「お元気?」「近頃困ったことない?」心配事があればパンフレットを渡し説明しました。

§ホットラインに取り組むようになったきっかけは?

在宅医療に係わると自然とホットラインへの連絡も増えてきます。そこで在宅医療に参加するようになったきっかけをお話します。開局(平成5年11月)直後の12月に「薬剤師さんも在宅医療に参加する時がきます」との江頭啓介院長(江頭病院)の勧めで、末期がんの患者さんのターミナルケアに行ったのが初めでした。院長先生と看護婦さんと3人で訪問しましたが、他の方々とちがって薬剤師は患者さんの身体に触れることができないので、奥様に薬の説明をしただけで「何もできなかった」という思いが残りました。それからは肩の力を抜いて患者さんの話し相手になるよう心がけ、残薬の整理や服薬状況のチェックなどを行い医師にフィードバックしています。

§在宅医療に取り組みたいと思っておられる方へアドバイスを

「私が元気な時はいいけど、何かあって主人の薬を取りに来れなくなった時はどうしよう」と不安を持っておられる介護者をよくみかけます。このような時には処方医へ積極的にこの事を伝え、「在宅患者訪問薬剤管理指導」(老人の場合「寝たきり老人訪問薬剤管理指導」)の判(手書きでもよい)を処方箋に押してもらうようアピールしましょう。特にマンツーマンの所はやりやすいと思います。そこから訪問が始まります。

〜インタビューを終えて〜

とにかく眼が行き届いているという印象でした。お元気だったお母様を突然亡くされ、その後一人で暮らしておられたお父様も病院に入院(東京)されてしまいましたが、あまり親孝行が出来ないうちに亡くなられたそうです。両親に何もしてやれなかったという思いが、来局されるお年寄りに向けられているようです。 

(M)

 

モデル事業に参加した感想

*一人暮らしの元気な高齢者に「夜、不安はないですか?」と尋ねて、緊急電話の導入をホットラインに連絡してあげると喜ばれた。
*個人情報の扱いを確実にしなければならない(守秘義務を厳守)。
*パネルが役にたった。パンフレットを配りながら会話ができた。これを習慣にすればと思う。
*一人薬剤師では対応できないこともある。
*生活保護の相談はホットラインが福祉につないでくれた。
*介護相談を受けるのはきつい。ホットラインとの仲介は難しいところがある。

※101頁に関連記事があります。

<福岡市介護実習普及センター取材>

福祉用具と介護の知識をみんなのために〜福岡市介護実習普及センターオープン〜 福岡市介護実習普及センター 所長 石原理生

介護保険法や障害者プランが一昨年、昨年度とつづいて制定され、福祉については新しい時代を迎えております。このような折、全国で40番目の介護実習普及センターとして、この2月に開所致しました。

介護実習普及センターは、福祉用具の普及と介護の技術知識の普及を目的としています。センターは、開所して4ヶ月が経ち、多くの皆さんの相談や見学、受講に約13,000人のご来場をいただきました。

これからの社会では、自分の意思で、自分の住みたいところで、自分のスタイルでの生活が保障されることが必要とされています。

まさに自立した生活の希求です。このような生活を支えるものや技術の一つとして福祉用具や介護の知識があります。このような点からもセンターへもっと多くの人に足を運んでいただければ、より良い生活につながるのではと思います。

このセンターは、福祉用具の普及・相談を行なう「福祉用具展示場」と介護の知識の普及を行なう「介護講習会」からなりたっています。

1.福祉用具展示場

福祉用具展示場は、ベッド、車椅子、日用品、衣類など1,200点の福祉用具と住宅改造例などのモデルルームの展示機能と福祉用具や介護の相談機能を持っています。

福祉用具は、障害あるいはそれに伴う生活上の問題により減少した機能を補い、継続的な生活の支援で、より良い生活につなげるものです。

例えば、歩行車(手押車)1つをとってもハンドル部分の高さ、ブレーキの有無、方向転換のしやすさ、歩きやすさなどの機能やその人の身体状況、生活環境も踏まえて選ばないと、よい歩行車には巡り合いません。センターは、多くの用具に出会って、自分の生活上の問題点を話し合って、適切なアドバイスを得る所です。

展示場の見学や相談は無料です。販売はしていませんが、販売店の紹介や福祉制度の紹介・代行は行います。相談等には保健婦、看護婦、作業療法士が対応します。

毎月の第3火曜日、12月28日から1月3日まで休みますが、他の日はすべて開けていますので、気軽に出向いていただきたいと思います。

2.介護講習会

介護の知識を身に付けることが市民にとって当たり前の社会を作ることの一翼をになうことが、私たちの使命と思います。家族に対して、近所の人に対して、その障害にあった対応が普通にでき各地域社会づくりに貢献できればと考えます。

センターでは、「入門介護(毎週水、金曜日)」、「一般コース(初級、中級、高齢者、障害の4コース)」、「親子介護入門」、「高齢者向き料理教室」、「ふれあいコース」といろいろな講座を設けています。専門の講師の方に分かりやすく、お話をしていただいています。受講料は無料です。

今回、社団法人 福岡市薬剤師会のご配慮により「市薬ジャーナル」の取材を受け、このような機会を得ましたことに心よりお礼申し上げます。

また、これを機に展示場にこられた方からオムツなどのご購入希望がある場合、薬局等のご紹介が今後できればと思います。と、ともに在宅訪問薬剤管理指導において、福祉用具の必要な方にこのセンターをご紹介いただければ幸いに存じます。

最後に、社団法人 福岡市薬剤師会のますますのご発展を祈念申し上げます。

<福岡市介護実習普及センター取材>

市民福祉プラザにて(社)福岡市薬剤師会 副会長 合澤英夫

新築の家を見かけると、私は直ぐ玄関の型を見てしまいます。ほとんどの玄関には段差がついていて、私の所も3段の石段がついています。スロープがついている所なんて見かける事はまずありません。

父がほとんど寝たきり状態で、入退院を繰り返したり、老健施設に入ったりしていましたが、それまでは在宅で兄夫婦が介護に当っていました。介護の経験のある人には理解出来ると思いますが、肉体的にも精神的にも疲れ果ててしまい、時々兄夫婦は休息の為に父の気分転換も兼ねて私(次男)の所に連れて来る事がありました。

1ケ月から長い時には半年以上になる事もありました。その時、車から降して家のベッドに運ぶ為に大変苦労したのです。車椅子のまま運び上げる事は一人では出来ませんし、背負うにしても要領が悪くこれ又大変、何度かスロープがあればと思った事でした。

妻の父親もこれ又ほとんど同時に寝た切りになり、トイレに運ぶ為に毛布に乗せて二人がかりで廊下をすべらせて運んだりしました。明治男の父親はベッドでの便器、ポータブルトイレを拒否し、勿論オムツの使用は出来ない状態だったのです。家の造りは普通の構造で車椅子を使える状況ではありませんでした。

私は父が来ている時は、抱きかかえて、入浴させていました。特に介護に適した構造ではなく、手すりもついていない極普通の風呂です。かなり痩せてはいましたが、これが結構重くて、当初は毎日入れていたのですが、だんだん2日に1回、3日に1回と少くなってしまいました。

父は風呂好きで、楽しみにしていて涙を流さんばかりに、直接の言葉で表現しますと、生きていて良かった等と感謝してくれるのですが、私の方は負担に耐え切れず不気嫌になり、事務的で冷たくなったりしていました。

二人の父の状態がいよいよ悪くなると、妻は過に1〜2日小倉の実家に泊り、ほとんど徹夜の介護、私も週2回飯塚に通う日が続きました。私達も疲れ果て、暗い日が過ぎていったように思います。

平成7年1月と11月相次いで永眠しました。ほっとした気持があったのは確かですが、何だかとても、とても悲しくなった事を覚えています。もう少し楽に、もう少し明るく末期を過ごさせる方法はなかったのだろうか。もう少し優しく接する事が出来なかったか。

二人の死に出合ってから、又現在多くの患者さん達(循環器が主で40%位が老人)の死に接しながら、“優しさは真実に勝る”と自分に云い聞かせながら過ごしてはいるのですが、実際はまだまだ恥ずかしい日々を送っています。

先日広報委員の市民福祉プラザ取材見学に同行しました。話やパンフレットでは知っていたのですが、実際に現物を見るのは初めてでした。もう少し早く知っていたら、父達を楽に介護出来ただろうし、介護を受ける方もきっと楽だったろうと思いました。

在宅介護は気持ちや考え方が大切ではありますが、介護に適した物的環境(構造)を整える事も大切な要素だと思います。介護は本当に暗く、辛い事ばかりで、又先の見えない何とも云えない不安な状態が続きます。ほんの少しでも楽になれる方法、手段が必要だと思います。

現在、要介護者を抱えている人は勿論、将来の自分自身の為にも、一度ゆっくり見学される事をお勧め致します。

先日中央支部の総会が市民福祉プラザで行われ、二度目の見学の折、横にいらっしゃった薬剤師会顧問弁護士の吉原さんが、“介護とはお金がかかりますね”と話されました。あのような設備を整えると確かにお金がかかります。而し思い直すと、介護の日々は、長くて暗く辛い日々でした。

私は兄夫婦や、義母達の手助け程度の介護しかしていないのに、そんな状態に陥ってしまいましたので、全部整える事は出来ないにしても、知っていれば出来る事はやっただろうと思います。

この取材見学は私にとって多くの事を想い、多くの事を考えさせられました。介護は物的な要素だけではないにしても、疲れ果て気拝が落ち込んでしまった時には、その占める割合は大きいと思います。気持が大切!!でも物的環境もそれと同じように重要です。

極めて最先端の介護用晶、構造設備を見ながら、亡くなった二人の父の事を想い出していました。

<福岡市介護実習普及センター取材>

介護実習普及センターを取材して

市民福祉プラザは中央区荒戸3丁目の九州女子高前に今年の2月に出来たばかりで7階建ての福祉に関する総合会館となっている。

地下1階は駐車場で、車椅子利用者向け7台を含む62台の駐車スペースを持っているが、出来るだけ公共の交通機関を利用してほしいとのことだった。

1階のフロアは広くゆったりしていた。目の不自由な方用の凸凹した黄色のパネルが敷きつめられていたり、ほとんどの箇所に手摺が備え付けられていたりと、身障者や老人に優しい造りになっている。またエレベーターも3台あり広くゆったりとしている。階を指示するボタンも大きく、低い位置に作られている。さらに音声でのお知らせがあり、この階が何階なのか、上に行くのか下に行くのか声によって知ることが出来る。

また目の不自由な方の杖の先にセンサーをつけることによって、ポイントごとに声で方向を知ることが出来るようになっている。21世紀はこのような建物が多くなってくるのではないだろうか。

2階は福祉図書室・市社会福祉協議会のボランティアセンターがある。書物はまだまだ少ないが、それでも福祉に関する書物は3000冊ほどあるとのことだった。書物をパソコンで読み込み音声で聞くような装置もありさらに文字を大きく画面に表示させるような装置もあって、利用しやすいようになっている。

ボランティアセンターは現在180団体くらいの登録があり、それらの団体は無料で会議室などを利用することが出来る。

3階は介護実習普及センターになっており福祉用具展示場がある。石原課長に説明案内していただいて非常によく分かった。浴槽やトイレやベッドなど行き届いた工夫がなされ、説明を聞いて初めて介護の苦労が分かってくる。

角度を変えられるスプーン1本から、繋がった1膳の箸さらに茶碗のカープに至るまで、行き届いた工夫は数限りがない。杖1本とってみても、いろいろな種類があり四つ足の杖などもある。裾瘡予防のマットや、左右に時々傾斜を持たせることによって圧迫される箇所を変えてあげられるように工夫されたベッド、さらに車椅子なども降りやすいようにだとか、高さ調節が出来るだとか、足で蹴って動けるようにだとか、様々な工夫が考え出されていた。

4階は福祉団体の事務室があり、5階は研修室・介護実習室・音楽室・軽運動室などがあり、介護実習室ではヘルパーさんの実習を見学させてもらうことが出来た。テーブルにはぎっしりと書き連ねられたノートが7〜8冊あった。向こうで7〜8名が立ったまま現場を想定しての介護実習を行なっていた。

真剣に取り組む姿は介護の厳しさを感じさせた。その他思い出のメドレーの多いカラオケなどを設備した音楽室、社交ダンスの出来る軽運動室、また調理台の高さを調節できる調理実習室などがある。

6階は研修室が4室あり12名程の小さな会場から156名程の大きな会場まである。保育実習室などもあり、内容はかなり多方面である。

全般的に行き届いた工夫が随所で見られたことは、介護の難しさを教わったような気がした。そして今回は、ブルーの広報委員会の腕章をつけた初めての取材であった。

(上村義徳)

<福岡市介護実習普及センター取材>

ふくふくプラザ探検記

大濠公園の北西(黒門)を北へ5分歩くと那の津通り西端に当る。この角に7階建てのビルが目に入る。何と延床面積16,470m2市民福祉プラザである。

地下には障害者優先の駐車場があり、ここからエレベーターを上階へと上がる。エレベーターは3台有るのに大きな操作盤を押すと1台のみ作動した。電動して1番近い階にいる台が降りて来ないとは、何と不便なと考え、乗込んだあと内には、手すり・鏡が付けられており、操作盤は下方に。ここで不便と考えた自分が恥ずかしくなった。今、福祉プラザに来ているのである。車いすに乗られている方は、他のエレベーターが来てもすぐには移動できない。1台のみが動くのは当り前なのである。

先ず、3階で(財)福岡市市民福祉サービス公社の石原課長にこの階の案内をお願いした。モデルルームにスロープから入りベッドルーム、トイレ、風呂、台所、玄関へと説明を受けた。この順番は、介護を必要とする方が段々と活動を広げていく行程ということである。玄関、外への説明が最後になるのはこれまた当り前なのである。

とにかく介護を受ける側からの体験やシミュレーションができる。他階は、榊氏が案内され、6階研修室、5階実習室、軽運動室(市薬ダンス同好会の皆さん申し込まれてみては?)音楽室(カラオケ、ピアノの練習など)視聴覚室(音を体感できます)などがあり、ちょっとの取材くらいでは見きれない驚きの連続である。

次回は、子ども会のメンバーも見学に連れて行きたいと思う。自分が見るだけではもったいない。

(津田和敏)

 

市薬広報取材Q&A(お答は石原所長にお願いしました)

Q.「介護実習普及センター」の目玉は何でしょうか。全国的にこのようなセンターはどれくらあるのでしょうか。

A.介護実習普及センターは、介護技術・知識の普及と福祉用具の普及による在宅での高齢者介護の支援を目的に、各道府県と政令指定都市に1箇所ずつ設置するものとして、整備されている施設です。福岡市の介護実習普及センターは、全国で40番目のセンターとして、この2月1日に開館いたしました。 各県や都市のセンターは、それぞれ特色をもっていろいろな事業を行っています。

福岡市のセンターの特色としては、第1に、約1,000m2の福祉用具展示場の中に、約1,200点の様々な福祉用具を展示するとともに、モデルルームや車いすの体験コーナーを設けており、見るだけでなく、さわったり、試したりしながら、多くの福祉用具の中から自分にあった福祉用具を選ぶことができるようになっていることです。

展示品も介護用品だけでなく、在宅設備品や共遊玩具、家庭用防災用品など、在宅での高齢者や障害者の生活に必要なもの・便利なものなどを幅広く展示しています。また会場での相談員も保健婦、看護婦、作業療法士と地域や医療機関での経験豊かな者が身体状況に応じたアドバイスを行います。

第2に、センターでは直接展示している福祉用具を購入することはできませんが、市の高齢者や障害者の日常生活用具給付・貸与制度の申請の代行を行っていますので、福祉事務所に出向く手間が省けることです。また、制度の対象品を展示していますので、確かめながら申請できるようになっています。

第3に、福祉用具展示場には「介護実習普及センター」とともに、「在宅改造相談センター」と「福祉相談コーナー」を併設していますので、介護や福祉用具の相談だけでなく、モデルルームを利用した在宅改造の相談や高齢者の悩みごとなどの相談もあわせてできます。もちろん、ホームヘルプサービスについてもご相談できます。

第4に、センターは、福岡市の市民福祉の拠点施設『市民福祉プラザ』内にありますので、プラザ施設を活用し、介護のポイントが学べる入門コースから本格的な介護コースまで、さまざまな介護講習会事業や講習会などを実施しています。


Q.センターができてから、どのような方が何人ぐらい訪れていますか。

A.センターが開館して、3ケ月を少し超えたところですが、4月までの3ケ月間で、11,126人の方が福祉用具展示場に来場され、795人(延べ896人)の方が介護講習会などを受講されています。展示場の来場者のうち、視察などで801人、介護講習会の受講者として617人の方がおいでになっていますが、介護や福祉用具のご相談も3ケ月で439件ありました。

ただ見学をなされるだけでなく、展示場でじっくり相談して選んでいかれる方が多く、センターの役割を実感しているところです。


Q.高齢化社会に向けてのビジョンはどのようなものがありますか。

A.高齢化がより進む中で、福祉用具や介護技術の取得は、非常に重要さを増してくると考えています。福祉用具の開発普及は、平成6年のゴールドプランの改定で介護基盤設備のための支援施策とし追加され取り組まれています。福祉用具は、道具の持つ特性として、24時間身近において、それを活用することで要介護者の自立や介護者の介護の軽減に役立つことから、非常に便利なものです。今後もより使いやすいものがどんどん出て、市民の役立つことになると考えています。

また、高齢社会にあっては、介護の知識や技術は市民すべてが身に付ける必要がある時代だと思います。介護保険等の制度が整備されましても、「21世紀福祉ビジョン」での提言にもある国民の自助、共助の必要は変わらないことから、家族介護やボランティア活動の役割もより認識されると思います。その意味からも介護の知識や技術のための介護講習会はますます積極的な取組みが必要と考えます。


Q.各機関などの連携が要求される分野ですが、センターとしてはどのように考えていますか。

A.在宅生活を送られている、要援護の高齢者や障害者の方には、一機関のサポートでは不十分であると思います。私たちセンターにおいても、在宅での生活を全て支援できるものではありません。ご家庭での介護力や福祉用具、住宅改造による自立や介護負担軽減には限界があります。通院によるリハビリや訪問看護など医療的ケアはもちろん、ホームヘルプサービスやデイサービスなどの福祉サービスとうまく組み合わせてはじめて、ご家庭で生活できるようになるのです。

センターは、開所してまだ日も浅いのですが、市民の皆さんはもちろんのこと、医療機関や福祉関係機関など、様々な機関にご利用していただくことと、連携を深めていくことを求めていきたいと考えています。


その他

・スタッフ数
研修担当係が5名の計11名です(兼務職員を含む)。その他住宅改良相談員6名、福祉相談員3名も同じ場所で相談を受けています。

・出展企業数
出展企業数は約160社にのぼります。

・問題点
センターは開所してまだ3ケ月です。実施している事業の内容も、まだ基本的な事業のみで、今後いろいろな方のご意見を聞きながら、事業内容の充実を図っていきたいと考えています。また、今後さらにPRをして、多くの在宅での要援護の方々や、各機関の方々にご利用いただきたいと思います。

<うちの看板息子(No8)>福岡市介護実習普及センター編〜遂に男性登場!〜

小庭史博さん

・生年月日/昭和48年3月2日生
・星座/魚座
・血液型/B型
・好きな食べ物/カレー

〜母親(?)代わりの同僚より一言〜

 私たちの職場は“看板娘”がいません。看板おばさんたちです。取材にみえた広報の方も私たちを前にして息子の方に興味を持たれ、“うちの看板息子”の取材になりました。

 彼はおばさんたちの中でかわいがられ、何やかやといらぬお世話に嫌な顔もせず、頑張っております。 彼に好感を持たれた方は佐藤・渡邊・日野(TEL731-8100)まで御連絡下さい。

 私たちはバリアフリーをモットーに仕事しております。しかし、私たちのかわいい息子を守るためこ、バリアになるかもしれません?

<私のやっている医療薬学研究 連載第1回> 私が考える「医療薬学」とは? −薬学部における教育・研究のあり方− 九州大学薬学部薬剤学講座 澤田康文

福岡市の「市薬ジャーナル」に連載記事の依頼を受けました。「何でもよいですから1年間(6回)にわたって先生の薬に関するお考えを書いてください」というものでした。

これは良いチャンス!九州大学近隣の薬剤師の先生方に私の行っている研究を紹介する絶好のチャンスかと思い、「私のやっている医療薬学研究」というテーマで早速書かせて頂くことにしました次第です。

先ず第1回目は、今、世の中に飛び交っている「医療薬学」について私の考えと「夢」を述べて見たいと思います。私が何年かにわたって医療現場を経験し、外から薬学教育と研究をながめている中で、幾つかの講演会やシンポジュームなどで「医療薬学」に関する私の考えを披露させていただいていますが、今の立場もありますので、色々と気をつかってしゃべっています。

しかしそれではストレスばかりたまりますので、この機会に歯に衣着せないで、薬学に対する一般論としての今の私の考えと夢をそのまま述べて見たいと思います。

はじめに

全国に数十もある薬学部とは何をやっている学部なのでしょうか?(薬科大学もありますが、ここでは薬学部と記載します)薬学部は一般社会から十分理解されているのでしょうか?つまり、「薬学部は社会のためにこの様なことを行い、この様な実績があるのですよ」と具体的にしかも即座に説明出来るのでしょうか?

薬学部は「薬」と深く関係していることは一般社会も認識しているはずです。従って、病気と薬の切っても切れない関係から、薬学部は病気で苦しんでいる自分たちのためにきつと何かいいことをしてくれているのだと期待しているはずです。それだけ一般社会に近接したところに薬学は存在しているのです。

しかし結論から言いますと薬学部の実態は一般社会からあまりにもかけ離れているところに存在しているのではないでしょうか?全国何カ所かの薬学部には一部推薦入学試験の制度をとっているところがあります。高校での内申書、小論文と面接の評価判定が入学の基準となります。受

験生に極ありふれた質問、「どうして薬学部を受験したのですか?」と聞いてみたとしましょう。返ってくる答えは「新しい画期的な抗癌剤を作って癌の患者を治したい」、「エイズの治療薬を作って人類に貢献したい」、「高齢社会に入って痴呆の問題は重要であり抗痴呆薬を是非作りたい」などです。

この抗癌剤、エイズ治療薬、抗痴呆薬の三点セットの答えが99%です(薬学研究者を目指す学生を選抜することが推薦入試要項に記載されている場合には「薬剤師になりたい」というものはあまりいないのは当然です)。

面接官はこれらの受験生の答えに果たして平然としていられるでしょうか?もしそうなら無神経としか言いようがない。「そうか彼らは薬を作りたいのか。我々はそれに果たして答えることができるのだろうか?」と考えるのがまともな神経の持ち主かもしれません。真っ正直な面接官は受験生に対して「薬学部では薬創りはやっていません。だからあなた達の期待に残念ながら答えることはできません。従って他の学部を受験した方がいいですよ」と答えることになります。

今の薬学部の面接官なら「彼らは今、そんなことを言っているが、薬創りが如何に難しいか知らないんだ。そのうち分かるさ。我々は薬創りに重要な基礎研究をしているのだからいいのだ。入学してから何とでも説明できるし、納得させる事だってできるさ」と考えるかもしれません。しかしもしかしたら本当は何も感じていないかもしれません。

これらのことこそ、現在の薬学部の全てをありありと物語っているとは言えないでしょうか。

一般社会の薬学部に対する認識はどの様なものでしょうか?上記の受験生にも見られる様に「薬学部では新しい薬を開発しているらしい」、もっと一般的な理解としては「薬学部では薬剤師を養成している」でしょう。

「薬学部」からの説明としては、「薬学部は創薬の基礎と応用研究を行っている」、「製薬企業に常に優秀な人材を提供している」、「学生の一部に薬剤師になりたい者がいるのでその教育も行っている」

一見、一般社会と薬学部教官の考えていることは承離はないのです。しかし、一番目の「……開発しているらしい」と一般社会が?マークで認識していたのは、「薬は製薬企業で作って売っているのではないか?」、「薬学部で生まれた医薬品にはどの様なものがあるのか?」という質問が背後にあるのです。

しかし薬学部での研究が端緒となり、医薬品創製に直接大きく関わった研究は果たしてどれくらいあるのでしょうか?無いとは言わないがきっとそんなには多くないであろうと思います。もしあったとしても直ぐに口をついて出てこないのはなぜでしょうか?薬学部教官は言うであろう、「目に見えないところで大きく貢献しているのだ。特に基礎だ。基礎。それに優秀な人材を育成している」と。

実はこれが薬学部の研究を一般社会にわかりにくくしていると考えられる重要なポイントです。医学部の社会からの認識と医学部が実際に行っていることは完全に一致しています。わかりやすい医学部。医学部と薬学部を比較分析すれば、具体的に薬学部のどこに問題があるのか少しずつ分かってくると思います。

医学部と薬学部の比較

先ず、医学部と薬学部の実態をチェックしてみたいと思います。 医学部では何を研究しているのでしょうか? それは「疾病の原因究明と診断法、治療法、そして予防法を確立し、医療の現場でそれらを実践すること」です。つまり病気を見極めて、治し、防ぐ方法を明らかにすることです。

極めて分かりやすいではないですか。医学部人(医学部に在籍する教官などをこの様に短く言う)は常に体のこと即ち疾病と健康のことを考えていればよいのです。実際に医学部人はその様な行動をとっています。また医学部には「基礎医学」と「臨床医学」があり、それぞれ医学の教育・研究の役割を分担している。

「基礎医学」のスタッフは必ずしも医師(医学部卒業)である必要はありません。「基礎医学」は教育・研究の面から「臨床医学」を刺激し、サポートすることになればよいのです。「臨床医学」には“体(生体)”に関する部品(血液、臓器・組織)毎、“疾病”(糖尿病、高血圧症、アレルギー、腫瘍…‥・) 毎、“サービス部門”(薬剤、検査、病理、放射、看護)毎の講座或いは部があります。

一方、薬学部では何を研究しているのでしょうか?合成化学、衛生化学、生化学、生理化学、物理化学、微生物学、分析学、薬理学、毒性学、薬剤学(製剤)、生薬学、放射線学などなどの講座があって研究を行っています。

研究テーマは基本的には講座の主任教授助教授の意向にまかされており、場合によっては講座の看板と内容が全く違う場合もあります。つまり何を研究テーマに選ぼうが勝手なのです。他から何か言うことは余計なお世話で内部干渉ということになります。例え何もやらなくても誰も面と向かって文句を言わ ないし、言えないのです。またやっているといっても競争の全くない研究を行うことも出来るのです。

薬学部各講座の研究テーマは基礎か?応用か?どちらに分類されるのか不明確でありますが、筆者の考えでは広い意味で「基礎薬学」と言っても過言ではないでしょう。この点が一般社会からのあまり理解が得られない最大の原因ではないかと考えられる。

最近、薬学部に「医療薬学」を新設或いは付設する大学が増えてきました。しかしこれは薬学部の中に従来の「創薬」に加えて「医療」を併設するという意味あいしかありません。「創薬」は殆ど今までの上記講座の再編成であり、「医療」はこれも上記講座の再編成に加えて、「病理」、「病態」、「臨床」、「薬物治療」などの今までなかった医療志向の講座を適当なスタッフを集めて付け足す考えです。

「創薬」、「医療」では何を研究しようとしているのでしょうか?両者の連携はどの様にとるのでしょうか?まだまだ一般社会どころか、薬学部の中にいるものにも理解出来ない部分が沢山あります。

それにもまして一般社会が理解出来ないのは、「医療薬学」という言葉です。「薬学は昔から医療を目指していたのではないのですか?実験試薬、動物に適用する薬の開発をしていたのですか?薬学にわざわざ医療を付けるのは全く理解できない」と。

薬学部の基礎と医療

これまでの薬学部にある講座は殆ど脈絡のない集合体であるとは言えないでしょうか?皆が考えている将来の「創薬」と「医療」への再編成の考え方への移行だけでは不十分であると考えます。薬学部の目指す目的、基本的精神は「薬の創製と使用、つまり薬を発明・発見して適正な使用法を構築する」であります。

これを大きく発展させるためには、いわゆる「基礎薬学」と「医療薬学」が必要であります。これは薬剤師の国家試験の出題内容と同じ言葉を使っていますが中味はかなり違うので注意して頂きたい。私の考える「基礎薬学」、「医療薬学」という分類には今までの薬学にはない内容が含まれています(図1)。

従って、本稿では区別するために「基礎薬科学」、「医療薬科学」という名称を使用します。「基礎薬科学」は医学部の「基礎医学」と対比されるものであり、「医療薬科学」は「臨床医学」に対応するものです。この分類は薬学が常に社会への貢献を考える必要があるということから生まれてくる考え方であると思っています。

「基礎薬科学」には合成薬学、生命薬学、物理薬学、臨床薬学などがあります。これが薬学部の基礎基盤として重要であることは間違いありません。従来からの薬学の再編成で十分対応出来ると考えられます。(図2)

このコースはそれぞれの内容が多岐にわたっており一貫したストーリーを持ったテーマで教育・研究を行うことは可能ではなく、また行う必要はないと考えます。ここで「基礎薬科学」は後で述べる「医療薬科学」をサポートする必要があります。しかしこのコースにおいては、実際にはどの様な「基礎薬科学」と後で述べる「医療薬科学」の研究を自由に行ってもよし、「医療薬科学」の講座と研究内容が同じであってもかまいません。

ここで注目して頂きたいのは、この「基礎薬科学」の中に「臨床薬学」が組み込まれている点です。「臨床薬学」は薬学部の学生が知って、理解していなければならない臨床の薬学的基礎知識です。これには薬物治療学、薬剤病理学など臨床に深く関係した教育・研究が行われます。つまり薬学の卒業者として知っていて当然のことを学ぶのです。

例えばこの学問分野においては実際に医療現場で使用されている医薬品の適正使用に関する基礎知識の修得が必須であります。従来はこの分野は応用の学問、いわゆる「医療薬学」(これは筆者が言うものと違う)として位置づけられていました。これは何処から見ても薬学の「基礎薬科学」であります。

また薬剤師としての職を持ちながらまた研究者として活躍する薬学研究者を養成する分野として「臨床 薬学」(講座としては「薬物治療学」など)を作り、例えば医薬品の適正使用法の構築を目指す学問分野を発展させるのです。

一方、筆者のいう新しい定義の「医療薬科学」はどの様に捉えたらよいのでしょうか?先に述べた様に、「臨床医学」には“体(生体)”に関する部品(血液、臓器・組織)毎、“疾病”(糖尿病、高血圧症、アレルギー、腫瘍=‥‥)毎、“サービス部門”(薬剤、検査、病理、放射、看護)毎の講座或いは部があります。これと対比して、「医療薬科学」には“薬(もの)”の創製に関する部品(創薬学、薬物作用学、薬剤制御学)毎の講座がなければなりません(図1)。

創薬とは薬物の合成と発見、薬物作用とは薬効・薬理と副作用・毒性作用、薬剤制御とは薬物動態と薬物送達のことです(図3)。

「医療薬科学」においては、必須の課題として、ある特定の“薬(もの)”の創製に関する研究を各講座のテーマとして中心的に取り上げるのです。つまり「医療薬科学」コースは同一の疾患治療を目指した“薬(もの)”の創製を研究テーマに大プロジェクトを組むのです。

コース内の各講座においては相互に綿密に連絡を取り合いながら「使える薬」の創出をひ牢すら目指すのです。大講座としての「医療薬科学」の共通ゼミ、共通研究発表会などを頻繁に行い、「医療薬科学」の共通目的意識を喚起して最終ゴールに到達するように努力することが重要です。つまり投稿する学術論文は全ての講座教授の連名になることもあるかもしれないシステムです。

教育の面でも工夫が可能です。「医療薬科学」の中での講義を特定の疾患のための医薬品にターゲットを絞って、創薬から薬物作用、最後には薬剤制御に至る一連のプロセスを一つのストーリーとして仕上げるのです。学生にとっても極めて魅力のある講義になるであろうことは目に見えるようです。

実例として抗痴呆薬の創製を挙げてみましょう。創薬学では抗痴呆薬を探索或いは合成します。これには薬物探索学、薬物合成化学の様な講座が必要になります。薬物作用学では抗痴呆薬の有効性と安全性をチェックする。これには薬効・薬理学、副作用・毒性学などの講座が必要になります。

薬剤制御学では抗痴呆薬の体内動態を明らかにし、適正使用法の基礎データを収集し、脳への薬物送達システムの構築を行うのです。これには薬物動態学、薬物送達学などの講座が必要となります。

この方式は「製薬企業」、「総合研究所」のシステムとよく似ています。特に製薬企業の中の前臨床試験部門と類似していると考えられます。「臨床医学」も臓器・組織、疾患毎に分かれている多くの臨床講座とサービス部門から成り立っている附属病院という立場からすると、製薬企業、総合研究所と類似しています。一方、「基礎薬科学」、「基礎医学」は一般社会に理科系の代表の様に認識されている理学部の教育・研究とかなり類似しているかもしれません。

「医療薬科学」という大講座において、各講座は全エネルギーの70%以上は共通コーステーマである例えば「抗痴呆薬の創製」に向けるのです。残りのエネルギーは各講座で自由にブレークスルーの研究テーマに当てることができます。この大講座(別名:抗痴呆薬創製大講座)は一致団結して例えば、「抗痴呆薬を作って、チェックして、使える様にする」を旗印に活動するのです。

一般社会からの理解

先に述べたように、薬学部は「薬」と深く関係していることは一般社会も認識しているはずです。従って、疾患治療のために薬があるのだから自分たちのために薬学部はきっと何かいいことをしてくれるのだと期待しているかもしれない。それだけに一般社会に近接したところに薬学部は存在しているのです。

これに大きく貢献するのが「医療薬科学」であると考えます。医学部の「臨床医学」が正に「医の実務:体、疾患とサービス」であるなら、薬学部の「医療薬科学」は正に「薬の実務:創薬、作用、制御」ということになるでしょう。医学部への一般社会の理解は「疾病の診断、治療と予防」、薬学部ぺの理解は「抗痴呆薬(例)の創製」である。何と分かりやすいことではないですか。

ここで薬剤師のことに言及しなければなりません。臨床医の場合、「臨床医学」から生まれるでしょう。薬剤師の場合には「基礎薬科学」と「医療薬科学」のどこから生まれてもよいと思います。これに関しては後に詳しく述べます。

研究の競争

薬学部の「医療薬科学」が抗痴呆薬の創製を目指した場合、「基礎薬科学」が連携して協力体制に入り薬学部全体が盛り上げることになります。場合によっては、これに製薬企業、総合研究所、他の大学の講座が共同研究に入り、当該薬学部が日本における特定の疾患治療のための薬の創製に関しての中核的拠点(Center of excellence)になるのです。

更に、薬学部と同じテーマの研究が他の大学、製薬企業、総合研究所は当然行われることになるので、それぞれの間での激しい競争も始まることになります。従来の薬学部は、外部との競争などからはほど遠いものがあった。それぞれの講座が勝手気ままなテーマで研究を行い、都合が悪ければ適宜変更して、出来るだけ競争を避けることも可能であったと思います。

当該薬学部の内部では、他の講座の研究テーマには何の興味もないから、お互いにそれを監視することをしないし、またタブーとなっているところもあるのではないでしょうか。もし大講座制の中で、ストーリーを持った一つの共通のテーマで他機関との競争があった場合を想定して頂きたい。大講座内でもお互いの業績は手に取るように分かるであろうし、ゼミ、研究発表会の中でもお互いの仕事の評価に関して論議が行われることになります。

正に内部でのお互いの研究の厳しい評価と外部の固争が激化する。最終的に は、大学薬学部だけではなく、日本の医薬品産業の活性化にもつながるものと考えます。

大講座制にするメリットは実はここにあるのであって、大講座内の講座名をただ新しくしても相変わらず勝手なことばかりをやっていたのでは何のための改革なのかわからなくなります。

薬学部において研究が発展するための基本理念

薬学部の社会への貢献を積極的に押し進めて、魅力のある学問分野として、効率のよい教育・研究を進展させるためには、いままでの胡座をかいた競争のない温床から自ら茨の道に入って、ノ、ングリー精神で邁進しなければならないと思います。以下の私の考える基本理念について示したいと思います。

先ず、一般社会の理解を深めるためには、「薬学」での教育・研究の成果が社会に深く貢献しているのだということが分かる学問にする必要があります。社会的に問題となっていることを中心研究テーマに取り上げ、最先端の技術で円滑にかつ高速でアプローチし、社会に還元するのです。

魅力ある学問にするためには、若い層(高校生など)が薬学研究を目指すのは抗痴呆薬、エイズ治療薬、抗癌薬などの創製であることをよく認識してそれに答える様にすることも重要であると考えます。

効率のよい教育・研究の進展を行うためには、「医薬品開発」に効率のよい「製薬企業」、「現象解明と物質創製」に効率のよい「総合研究所」のシステムを大幅に取り入れて研究を展開することもよいでしょう。更に、自由な発想が常に出せる環境にあり、また教育の場でもある「大学」の特徴を十分に生かすこ とによって、優れた研究者としての資質を持った人材を育成することも必要です。

薬学では医薬品を取り扱う「臨床薬学」は応用の薬学ではなく「基礎薬科学」に属するものであることを認識することが必要であります。全ての薬学卒業者が知っていて当然の基礎知識としての「臨床薬学」の教育を忘れてはなりません。

それから私は、臨床薬学の中心的位置を占める「医薬品適正使用」を目指して、教育・研究の分野で薬学部と附属病院(病院薬剤部をはじめ各診療科)の連携が必須であると考えています。そのためにはお互いの長同士、薬学部長と病院長、医学部長、薬剤部長との直のディスカッションが最も実りあるシステムを構築するための最短距離であると確信しています。

おわりに

今まで述べてきた様な教育・研究システムの改革は、現存の薬学を再編成するだけで動かすことが可能となる部分もかなりあります。しかし特に本稿で提案したような「医療薬科学」コースの構築には大変なェネルギーが必要です。当該大学の現在の教授スタッフの再編成で可能かというとそれは無理かもしれない。現在の講座の研究テーマを大幅に見直して、大講座内の役割を考えて再編成するなら可能性は見えてくるかも知れません。相当の覚悟が必要であることはいうまでもありません。

研究成果が出てくるまでに数年、場合によっては10年以上の期間が必要となりますが、その先にあらわれてくるのは魅力ある薬学部でしょう。一人一人が薬学部をどの様に良くしていったらよいか考えてくれれば一気に進むかもしれません。自分の今の講座さえよければOK……ただただ改革の意欲が削がれてしまうばかりです。

全く新しい薬学部を新設するとか、既存の薬学部に目的に叶った大講座を付設するならば直ぐにでも一つの目的に向けて薬学部を発展させることは可能です。自分の事だけを考えない、一つの目的の達成に邁進する優れたスタッフを当該大学、他の大学、製薬企業、総合研究所からハンティングし、最強のグループを構成し、一致団結して「薬の創製」、「薬の適正使用」を目指すのです。

薬学部の生き残り戦術は、競争を生む環境を早く作り、敢えて激しい競争に入っていくという自己の活性化しかないと考えます。今まで、一般的に薬学部はあまりにも競争のない生温い環境に浸り過ぎていたのではないでしょうか?更に、これからの薬学部の活躍はその基盤となる薬学部の基礎と応用の研究が大きくものを言います。

そのためには世界をリードする魅力ある薬学研究を展開しなければなりません。九州大学薬学部はがんばっています。明日の薬学を担う高校生が直ぐそこに待っているのですから。

<フリートーク> 臨床薬学、再考の秋 清水貞知(88才)

は じ め に

去る3月1日県薬主催で 〈ファーマシューテイカルケアの実践について〉と題する講習会が開かれた。

目玉の一つとしてワークショップ類似の実演も披露されたが、初めての試みとしては、それなりの成果を挙げたと思う。

だが、率直に云って、薬剤師さんの医学知識の程度は〈いまだし〉の感だった。もっとも冒頭に司会者の樋口教授が弁明していたように最初の試みではあるし、問題の設定や応対する患者の質問水準にしても、そのレベルをどの辺りに置くか悩まれたそうだが、御尤もだ。

薬剤師さんの医学知識にしても千差万別だし、患者のそれにしても天地程の差がある。最近は猫も杓子も健康志向時代、健康雑誌は本屋の店頭に山積みされている。それに高齢化、従って慢性疾患の多い当節患者自体が良く本を読んでいる。

中には間違って解釈しているものや、思い違い、中途半端でかえって治療の妨げになる場合もあろうが、兎に角、昔のように何もかも医師一辺倒の時代ではなくなった。それだけ、やれ副作用、服薬指導などと云っても調剤薬局の店頭での対応は容易では無かろうと、お察ししている。

これが為、薬剤師会では頻繁に講習会を催され、薬剤師の再教育に力を注いでおられるが、端的に云ってあれはモザィック、カルチュア、どれ程効果が上っているか疑わしい。その証拠に今回の催しに、それが良く反映されていた。傍から観ていても、ここは別の角度から突っ込んだ方が良くはないか、と思われる節もあり、フロアからも病態に関する質問は殆ど出なかった。

でも最初の試みとして私はそれなりに高く評価している。

先ず一つのパフォーマンスとして演出しようとすると、観客の層を考えねばなるまい。それに見せ物だとすると演ずる俳優の役割だってある。今回の俳優のキャストは、患者として相応しかったと云えず、特に第二の症例、末期癌患者に対するお芝居としては、出演の患者が余りにも血色が良く、立派な体型で健康的にあり過ぎた。

「講習会の仮の演技だから、それまで考える必要は無い」と云う考え方もあろうが、限られた参加者を対象とするワークショップなら兎も角、舞台で演ずる限り、矢張り一幕の見せ物である。いちいち難癖を着ける訳では無いが、将来こう云った点、配慮し雰囲気を出して戴ければ更に効果が挙がるだろうと思う。

高脂血症の問題

第一の症例は高血圧症と高脂血症の患者だった。患者に扮した先生も応対する先生も良く演じられていたが、何だか一抹の物足りなさを感じた。考えてみると、矢張り症状に対する認識と患者としての質問にリアルでない面があった。

高血圧症と云いながら、その血圧は160/100で収縮期血圧もさりながら、指摘しようと思えば、寧ろ拡張期血圧の方だ。配布された資料で患者背景を観ると、この患者は10年から180/80とあり、その際、下の方は80だった。臨床的に云えばこちらの方が余程問題だ。特にこの患者は後に述べる高脂血症をも持っているのに、会話の中にこの最も重要な点が抜け落ちていた。それに中性脂肪もどうなっているのか分らない。

この場で指摘する暇は無かったが、御承知のように血圧と云うのは常に動揺している。血圧のこの数値をその健信じて良いのか、この点もそれと無く聴いて見たいものの一つ。10年も前から医師にかかっておれば患者自身それは良く承知していよう。又台詞の中で「血圧には余り神経質にはなっていない」と云うくだりもあったが、これは正解だ。

案外こんな日常的な会話から患者は心を開いて来る。特にこの患者の場合、基本的には生活改善が何よりも大切だ。更にこの症例で拡張期血圧について医師が注目し注意しない筈は無い。

出演の先生は、質問を引き出す誘いとして頭痛の事を盛んに聴いておられたが、勿論処方されているテノーミンには副作用として頭痛もある。それより寧ろ必要なのは虚血性心疾患の方、胸部圧迫感とか狭心症や不整脈に関する質問の誘導をして欲しかった。

医師なら血圧が高く高脂血症を伴っておれば先ず循環器、心臓、狭心症の方に目を向けるだろう。しかも10年間に下が20も上がっているとすれば医者でなくとも動脈硬化の進行?と直ぐに疑問を持つ筈だ。

又当然、糖尿病の有無もその前提としてある。それから、同時に高脂血症と出して置きながら、それに関するデータは患者背景にも何一つ表示されておらず、それに関する質問も無かった。コレステロールの問題を引き出すと、限られた時間ではとても応対出来まいし、その基準値(昔は正常値と云っていた)にも色々な問題点が残されている。

それをさし置いても、その様な重点的な事項に触れないのは寂しかった。兎に角、こんな患者には生活習慣病と云われるくらい、患者の生活態度について、もう少し聴いても良かったのでは無かろうか。

勿論、医師からも看護婦や栄養士からも指導を受けている筈だが、同じ事を何度聴いても別に害にはならない。要はその話し方だ。ここで同じ話を薬剤師から聞いても、多分怒る患者はいまいし、否、「薬剤師でもこんな事を知っている」と認識を改めるだろう。

私は病院によく行くが、その際他の患者と話して見ると一般的に「薬剤師は病気の事は何も知らない」と云う感じがヒシヒシと伝わって来る。皆さんが考えている以上に世間の人は薬剤師の事を知らない。

次に抗高脂血症としてメパロチンが処方されているがこの患者は酒好きのようだし、時々肝機能検査は受けるように勧めたが良いと思う。主治医は云うまでも無く心得ていようがメパロチン自体が肝臓内でのコレステロール合成酵素阻害剤だ。当然肝細胞は多少なりとも影響を受けている。その副作用としてGOT、GPTが上昇する事は自明の理だ。

次の例、末期癌の患者については余りにも問題が多過ぎるので、ここで詳しくは触れない。

在宅ケアが適当か、と云う問題、介護と家族との関係、本人の精神的な側面、更には宗教的観念等々多彩だ。この場合は薬よりも、精神的指導が先行する場合が多い。

但しこの種の患者を最も悩ます苦痛は耐え難い痺痛だ。その痛みたるや他人には想像も出来ぬ程の痛みだと云う。それには鎮痛剤が手放せない。モルヒネを上手に使う事によって、延命効果も期待出来、日常生活に戻れたと云う例もある。この点では薬剤師の出番だ。それもケースバイケース、医師・看護婦と密接な連携をとりながら具体的に対処して欲しい。

臨床薬学とは?

実は今回の講習会の主題は〈ファーマシューテイカルケアの実践について〉と云う題で、講師は医薬情報研究所、日本薬剤師会医薬情報委員会委員 国重敦子女史による演題だった。

あいにく東京が大雪で飛行機が飛ばず、新幹線で来られたとか、為に遅れ、残念ながら僅か1時間しか拝聴出来なかった。

内容は要するに東京都における臨床薬学のワークショップ実施状況の紹介だったが、その冒頭「臨床検査データには余り拘わる必要は無い」と云う意味の発言があったので、これは聞き捨てならぬとばかり、司会者が応じないのを無理に発言を求め、一言私見を述べて置いた。

薬剤師は一般的にこの種の検査データには余り興味を示さない。然しこれ程、手近で得られる貴重な情報は無い。我々がそれに暁通するなんて到底望み得るべくも無く、亦その必要性も無いが、然し一般人が知っている位の事は知悉して置く必要はある。

又、副作用の有無判断はこれ無くしては語れない。特に福岡地方は慢性肝炎の多発地帯、身近かに女房の友人にも数名、この宿病を持っている人がいる。彼女等の間ではGOTとかGPTなどと云う言葉は日常会話の中に登場している。

又、先の討論の中で調剤薬局では検査データなど持参する患者はいないと云う発言もあったが、最近のドクターはこちらから要求せずとも積極的に提示してくれる医師も多くなっているし、遠慮せずに要請した方が良い。

副作用情報は薬剤師に法律行為として報告する義務が科せられているのである。

若し何等かの重大事故が発生した場合、将来、事件当事者として医師と同時に刑事責任を問われる事は必定だ。法律的に医療人となった薬剤師は昔とは本質的に立場が違っている事を認識すべきである。

結  語

臨床薬学の本質論について、もっと語りたかったが、紙幅が無いので、今回は省略する。

何処を観ても今は大変な時代だ。この4月からの所謂ビッグバンの到来によって、何処もかしこも何が起こるかと戦々恐々としている。薬業界のみが安泰だなどとは云っておれない筈だ。

臨床薬学などと云っているが、果たして現在の皆さんのやっておられるそれが、臨床薬学、医師も満足するそれか、私は大いに疑問を持っている。この際真剣に再考する必要がありはしないか、と私は思う。

<研修> 澤田ゼミ・ステップアップセミナー ファーマコキネテイクス博多区・中央区 社保委員会 九州大学薬学部教授 澤田康文

「ファーマコキネテイクス」の勉強会のはじまりです。第1回目はいかがでしたしょうか?第2回目からは、汎用医薬品を取り入れて、もっと身近な内容にしていく予定です。(森)

ポイント1 血中濃度がどのような推移を示すのか?
      これが薬のファーマコキネティクスを知る上で重要!

ポイント2 血中濃度と投与時間(日数)との関係が大切!

薬を飲んだ後、一般的に薬理効果が現れる速さから、足の速い薬と遅い薬に分けることができます。足の速い薬と言うのは、飲んだ後、腸からの吸収が速くただちに薬理効果が現れ、その後、急速に効果が弱まっていくタイプの薬です。

たとえば、ベンゾジアゼピン系睡眠薬と呼ばれているトリアゾラムという薬は、夜寝る前に飲んで睡眠に入りやすいようになっているのです。この薬、薬理効果は比較的早く現れるのですが、体内で素早く代謝分解され、ちょうどよい具合に次の日の朝にはその薬はほとんど体内からなくなってしまいます。つまり爽やかな目覚めが得られるというものです。

図1はその様子をトリアゾラムの血液中の濃度から見たものです。飲んだ後、血液中濃度は急速に高くなって、その後8時間くらい経過したら、つまり朝になったら薬は血液の中にはほとんどありませんね。

足の遅い薬とは、飲んだ後最初の頃は薬理効果が弱いのですが、時間が経つにつれて、強く現れるようになって、しかも長時間にわたって持続するタイプの薬と考えられます。

たとえば、高血圧治療薬でありますカルシウム括抗薬の一つに分類されているべシル酸アムロジピンというお薬は、飲んだ後、消化管から吸収される速度がたいへん遅くて、しかも体内からじわりじわりとゆっくりと代謝分解されてなくなっていきます。血圧を下げる作用が長時間にわたって持続するタイプということになります。

図2はその様子を薬の血液中濃度から見たものです。朝、その薬を飲んだ後、血液中濃度が徐々に高くなって、さらに徐々に低下して次の日の朝まで十分に血液の中に残っていることがわかりますね。高血圧の薬は毎日飲まなければなりません。

なぜかというと、高血圧が原因して起こるいろいろな病気(心臓や脳の血管系の病気など)を避けるためには持続的に血圧は下げておかなければならないからです。血圧は高くても自覚症状があまりないので、患者さんはなぜ薬を飲み続けなければならないか、あまり理解できないみたいですね。

この他に
・ゾビラックスは足が速く、1日5回の服用が必要。
・ハロペリドールの筋肉内注射は足が非常に遅く、4週間に1回投与でよい。

体内での薬の働きは年齢によって変わってくる。

高齢者と若年者では、トリアゾラムに対する脳の感受性には差がない。しかし、高齢者は肝機能、腎機能がともに低下してきているため、代謝・排泄速度が低下し、血液中薬物濃度が高く、作用時間が長くなる。

H2遮断剤の治療効果〜5月のPK講義〜

H2遮断剤の胃潰瘍・十二指腸潰瘍に対する臨床症状、治療効果は、解析モデルを使う事により、予測可能である。

A フアモチジンは1日2回投与で血中濃度推移がよく、消失が速い。
B レセプター結合占有率の時間推移。Aと比較的対応がある。
C すぐに胃酸分泌阻害が起こる。Bと比較的対応がある。
D 潰瘍の自覚症状は、ほぼ2週間以内に消失。しかし、内視鏡レベルでの胃壁障害が90%以上治癒する事が確認できたのは8週間である。

以上のことからH2遮断剤の服薬指導時には自覚症状がなくなっても、治癒したわけではなく、8週間の継続服用が必要な事を説明しなければならない。

また、至適なレセプター結合占有率は薬の種類に関わらず一定。解析式を使い、新しいH2ブロッカーの服用量を理論的に予測できる事がわかっている。

NEWS PAPERより

5/13 カルテ開示の義務化、法制化でほぼ合意 医事新報

厚生省の「カルテ等の診療情報の活用に関する検討会」(森島昭夫座長)は12日、都内で第9回目の会合を開き、カルテの開示を法律上義務づけるか否かを巡り集中的な意見交換を行った。

その結果、一部の委員に異論は残ったものの、罰則規定を設けないことを前提に、法制化することでほぼ合意に達した。ただ、医療現場の混乱を避けるため、法制化には十分な準備が必要であることも確認。将来的には、新たに検討会を設置してカルテの具体的な記載方法を検討することも提案された。

今後、座長を中心に報告書案の最終的な取りまとめが行われ、早ければ6月後半にも報告書がまとまる予定。これにより、カルテを中心にした診療情報のあり方は、医療現場の中で画期的な転換を迎えることになりそうだ。

5/18 カルテ開示等で健保連が患者の意識調査 医事新報

健保連がこのほどまとめた「患者の医療に対する現状認識と意識に関する調査」によると、カルテやレセプトを「見たいと思う」と回答した患者は入院、外来とも7割にのぼり、カルテでは「医師が記載したコメント類」「病名や病状」、レセプトでは「検査欄」をそれぞれトップに挙げていることが分かった。

また、医療機関への総合的評価では、入院に関しては病院、診療所とも約9割が「良かった」と評価したが、外来に関して「良かった」と評価したのは、病院では83.0%であったのに対し、診療所は92.5%と、診療所が約10ポイント高い評価を得た。

さらに、外来診療における医師や看護婦への信頼感に関しても、診療所は病院より約10ポイント高い評価を得ており、診療所のかかりつけ医機能等が明らかとなった。

<会員の広場> 「環境問題 その6」 早良支部 原南部会 温和堂薬局 福岡英樹

【ゴールドマン環境保護賞】
【携帯電話使用で無期懲役】
【携帯電話で心臓ペースメーカーに狂い】
【携帯電話・電磁波の人体に及ぼす影響】
【日本の規制値は2万5000倍】
【相模原市教育委員会の画期的な決断】
【古賀市の決断】
【電磁波を防ぐには】
【携帯電話のイヤホンジャック】
【電気毛布…良識ある人間なら使わない】
【家庭電化製品の電磁波測定値】
【2010年】
【チブコのメッセージ】

 前号でオゾン層破壊と紫外線の被害について書かせていただきましたが、紫外線の一番強い時期です。 「外に出るときは、紫外線から身を守るようにこころがけましょう」と声を掛けてください。

slip:長袖を着る
slop:UV保護クリームを塗る
slap:帽子をかぶる
wrap:サングラスをかける

今回は最近のニュースから取り上げてみます。

【ゴールドマン環境保護賞】

諌早湾の干潟を守る運動を続けている山下弘文さんが国際的な環境賞の「ゴールドマン環境保護賞」を受賞されたという記事が載っていました。日本人で二人目。日本国内の環境問題では初めての受賞だそうです。

皆さん昨年の諌早湾の水門を閉めるシーン覚えていらっしゃいますか。渡り鳥の宝庫である干潟に落とされたまさににギロチンでした。

TVのニュースで見たあのギロチンシーンが、私が環境問題に興味を持った原点でした。地球の悲鳴が聞こえてくるようで、犯してはならない間違いを犯しているように思えてならなかったのです。

水害対策は必要です。でもあれだけの自然環境を壊さないと出来ないのでしょうか。減反減反と農地を潰していっている中で、これだけ自然を壊してまで本当に新しい農地が必要なのでしょうか。事業の中止を訴えているのではないのです。事業計画を見直すという事が何故出来ないのでしょうか。

あれから1年以上が過ぎました。渡り鳥の飛来地として世界的にも有名だった諌早湾の干潟に、渡り鳥の姿は殆ど見られなくなったそうです。干潟に棲息していた生物も死滅しているそうです。必死に生き延びようとしているムツゴロウの姿がわずかに見られるだけだそうです。

昨年水門が閉められた時には、全国から長崎県や諌早市に多くの投書やFAXが届いたそうです。私の友人が投書した文章を紹介します。


 僕のおじいちゃんは、ある漁師に捕えられ、カバ焼きにされ「おいしい」「おいしい」と食べられたそうです。僕のお父さんは、別の漁師に捕えられ、お土産屋さんに並べられ、遠くの観光客に「まあめずらしい」と買っていかれたそうです。二人とも喜んで死んだと聞かされています。

 僕は今、ひからびて死のうとしていますこどうかもう一度水門を開け、海水を入れて元気にしてください。僕も死ぬときは誰かに喜ばれて死にたいです。死ぬのは恐くありませんが、犬死はいやです。

 諌早干潟のムツ吾郎より

私は諌早の干潟が、渡り鳥の飛来地として世界的に有名であるという事をこの時まで知りませんでした。その干潟を守ろうと地道に活動を続けている方々がいます。でも一年もたっと私達国民の意識の中では段々と薄れていっているのが現実ではないでしょうか。

しかし、世界は見ていたのです。世界から見れば、日本の九州の長崎県のそして諌早という小さな場所にしかすぎません。

その世界から見れば小さな点にしか過ぎない干潟の破壊を世界は注目していたのです。私達が住むこの福岡市にも和白の干潟があります。この干潟も環境汚染が進んでいます。そして沖合には空港島の計画も上がっています。ここも世界は注目しているのです。


【携帯電話使用で無期懲役】

台湾の航空機内で携帯電話を使用した女性が、民間航空機法違反の疑いで書類送検されたという記事が載っていました。

有罪が確定すれば、5年以下の懲役か日本円で約60万円以下の罰金になるそうです。ドイツでも同じような法律が出来ていますが、確か日本円で300万円位の罰金だったと思います。

台湾では、携帯電話に限らずCDプレーヤーなど航空機内での電子機器の使用は全面禁止だそうです。もし犠牲者を伴う事故を引き起こした場合は最高で無期懲役という厳しい内容の法律になっているそうです。

これは1995年の墜落事故が、乗客の携帯電話による無線妨害が原因となった可能性があることから、このような厳しい規制になったのだそうです。

日本では、携帯電話をはじめ電子機器を航空機内で使用しないでくださいというお願いはされていますが、台湾やドイツのように罰則をともなった厳しいものではありません。

今の飛行機はコンピューターが操縦しているといっても過言ではないと思います。それはもっと身近なところでは自動車もそうです。オートマチック車など特にコンピューターで制御されています。

今運転中の携帯電話の使用が問題になっていますが、これは注意力散漫による事故が増えているためです。しかし、今後携帯電話使用の為にコンピューターの誤作動した事故が発生しないとは言い切れないのです。

もっと言うなら、これまでにもそのような事故が起こっていたかもしれないのです。


【携帯電話で心臓ペースメーカーに狂い】

医療の現場でも同じような問題が生じています。精密機器の誤作動を引き起こす可能性があるという事で、病院内での携帯電話の使用は規制されてきています。

先日ラジオを聞いていましたら、次のような話がありました。バスの中で突然誰かの携帯電話が鳴り出したそうです。誰だろうと回りを見渡していると若い女性が携帯電話を取りだし話し始めたそうです。

バスの中なので回りに遠慮して直ぐに切るのかなと見ていたら、延々と話し続けていたそうです。それも大きな声で。その女性の直ぐ横には年配の男性が座っていたそうですが、その男性が突然胸を押さえて苦しみ出したそうです。

その男性の乗客の異常事態に運転手が気付き、バスを止め救急車を手配して病院に運んだそうです。この男性の乗客は、実は心臓ペースメーカーを使用していたのです。携帯電話を使用していた若い女性に「携帯電話が原因でこんな事が起こる事もあるんだから」と注意したところ、「関係ないでしょ」と横を向いてしまったそうです。

この話を聞けば「なんて女だろう」と腹立たしく思われるでしょう。しかし皆さん、携帯電話を使用されている方、自分に当てはめて考えてみてください。携帯電話を使用する時、近くに心臓ペースメーカーを使用している人がいないだろうかと必ず気を配っていますか?


【携帯電話・電磁波の人体に及ぼす影響】

電子レンジが人体に害を及ぼすので、使用中は出来るだけ離れなさいという話は聞かれたことがあると思います。これは電子レンジから出る電磁波を注意したものです。

この電子レンジから出る磁場は200mG(ミリガウス)です。では携帯電話からはどれ位の磁場が出ているのでしょうか。実は携帯電話は電子レンジと同じ200mGの磁場が出ているのです。

それも使用中は頭に密着させています。頭の中が「チン」されているのでしょうか?ではこの200mGとはどれ位危ないのでしょうか。

1987年米国のサビッツ博士は2mG以上の磁場で「小児白血病が1.93倍、小児筋肉腫瘍が3.26倍増加している」との調査発表をしています。

1993年にはスウェーデンのアールポム博士が2mG以上の磁場で「小児白血病が2.1倍、小児脳腫瘍が1.5倍増加している」との調査発表をしています。200mGとはその100倍の数値です。

電磁場は高圧電線の下でも生じますが、米国やスウェーデンでは、学校の近くの高圧電線は撤去又は移転という処置が取られています。

スウェーデンでは住宅密集地からの撤退も始まっており、その規制値は「2mG」という厳しいものです。


【日本の規制値は2万5000倍】

日本にも規制値がないわけではないのです。その数値は5万mGです。なんとスウェーデンの2万5000倍の数値です。法律で規制されていないから安全と言うわけではありません。

電磁波のガン誘発やその他の害については、完全に立証されているわけではありません。しかしこれも危険が立証されていないから安全というわけではないのです。

日本でも昨年労働省が「電磁波がガン誘発、免疫力低下を招く恐れがある」と発表しました。しかしその後何故か動きがありません。「危険が立証されないから安全」という過ちは過去に幾度となく繰り返しているのです。

危険が予測されるならば、それも大きな危険が予測されるのであれば、調査研究は継続されなければならず、その間は規制されてもいいはずなのです。

安全が立証されてからその規制を解いてもいいはずなのです。そして調査研究はあくまでも危険を前提に行なわれなければならないのです。

真実は一つと言われますが、調査研究に於て、危険を前提に置くか安全を前提に置くかで、結果に違いが出る可能性は高いのです。

DDTは粉末で人体に振りかけても害が無かった事から安全とされました。しかしその安全はその時点その段階における安全でしかなかったのです。その後油に溶かして使用されたDDTは人体に甚大な被害を及ぼし製造禁止にまでなってます。

DES(合成エストロゲン)は、奇跡の薬と賞賛され特に妊娠中の女性には万能薬のように使われました。しかしその安全も長くは続かず、人体に対する被害が次々に報告されました。

CFC(フロン)も安定性が高く人体に無害という事で広範囲に使用されてきました。しかしその安定性が自然界には災いしオゾン層破壊を引き起こしてしまったのです。

その結果有害紫外線が地上まで届き人体に環境に害を及ぼしています。これら全て便利快適を求める科学の進歩の中から出てきたものです。

more&moreで便利快適を追求する限り、このような危険や環境の破壊は今後も必ず出てきます。科学の進歩を否定しているのではありません。科学の進歩は人類に与えられた使命だと私は思っています。

しかしその科学の進歩は、便利快適の追求ばかりが優先されてはならないのです。危険があるはずだという前提に於て安全が追求されなければならず、その時安全と認識されていても新たに危険が予測された時には、中止撤退する勇気決断が必要なのです。

電磁波が関係する省庁は郵政省です。そして健康に関係する省庁は厚生省です。この電磁波の危険に関しては、郵政省も厚生省も、安全であると言う前提に立たれているように感じるのは思い過ごしでしょうか。


【相模原市教育委員会の画期的な決断】

「危険が立証されないから安全」という風潮が強い中で、神奈川県の相模原市教育委員会が画期的ともいえる判断をしました。

「電磁波の安全が立証されるまで学校など教育施設内におけるPHS中継アンテナ基地設置の新規契約は凍結する。既に設置されているものは撤去する」というものです。

PHSは携帯電話に比べ出力が小さく電磁波においても危険は少ないと言われています。確かにPHSを使用する本人に限って言えばそうなのです。

しかしPHSも携帯電話も電波を繋ぐ中継アンテナが必要です。中継アンテナからは強い電磁波が出ているのです。中継アンテナはPHSで500mに1基、携帯電話で数kmに1基と聞きます。

そして電話会社は1社だけではありません。私達の回りは中継アンテナだらけなのです。電話を使う本人は使用を減らす事で危険を遠ざけることは出来ます。しかし住居の近くに中継アンテナが建ってしまうと逃げようが無いのです。

今各地で中継アンテナ基地設置反対の運動が起こっていますが、携帯電話・PHSが普及し続ける限り、中継アンテナの設置も増え続けるのです。


【古賀市の決断】

電磁波から話は逸れますが、福岡県の古賀市も勇気ある決断をしました。古賀市では学校給食用のセンターを建設しているそうです。

これまで給食食器はアルマイト製のものを使用していたそうですが、ポリカーボネイト(PC)製に変更し自動食器洗い器もそれに合わせて準備されているそうです。

しかしプラスチック系の哺乳ビンから環境ホルモンである「ビスフェノールA」が溶出していたという報道がありました。PC製の食器からもホルモンが検出された報告があり、古賀市では子供達の安全を考慮してPC製の給食食器の使用を中止したそうです。

既に給食食器は500万円分購入されていたそうです。新しい食器洗い器ではアルマイトの食器は洗えないそうです。それでも古賀市は子供達の安全を優先して中止を決定しているのです。

この場合の無駄になった食器や食器洗い器は決して無駄遣いではありません。環境ホルモンは被害が直ぐに出てくるものではありません。

体内でホルモンのように働き、ホルモン系を控乱してその結果症状が出てくるのです。場合によっては、それは次の世代で起こることなのです。

その時になって後悔しても遅いのです。危険が予測され、安全が確認されない限り中止撤退する。 今回の古賀市の決断は勇気あるものだと思います。


【電磁波を防ぐには】

話を電磁波に戻します。電磁波はあらゆる電気製品からも出ています。家庭内にある電気製品から出ている磁場の強さを次に紹介します。

  電子レンジ          200mG
  携帯電話           200
  電気掃除機          200
  電気髭剃           100
  ヘアドライヤー         20
  電気こたつ          100
  ホットカーペット        30
  洗濯機             30
  冷蔵庫             20
  炊飯器             40
  エアコン            20
  カラーテレビ          20
  ビデオデッキ          6
  ステレオ            20
  コピー機            40
  ファックス           2
  ワープロ            1
  電気鉛筆削り          90
  アイロン            3
  コーヒーメーカー        1

 電磁波を防ぐ方法を紹介します。3つあります。

  (1) 使わない
  (2) 出来るだけ距離を離す
  (3) 使用時間を短くする

 使わないのが一番です。それと使わない時はコンセントから抜いておく事も大切です。

 電磁波の強さは距離の2乗に反比例するそうです。発生源から1cmでも遠くに離れてください。しかし中には困ったものがあります。携帯電話、これは耳そして頭に密着して使います。

 電気髭剃り、顔から離しては使い物になりません。

 ヘアドライヤー、乾かす場合はともかくセットの場合は頭に近付いてしまいます。携帯電話については、米国の国家規格協会(ANSI)のガイドラインでは頭から1インチ(約2.5cm)以上離して使うように警告しています。


【携帯電話のイヤホンジャック】

携帯電話をよく見るとイヤホンジャックがありますが、何故わざわざ付けてあるのか不思議に思った事はありませんか。

携帯電話を使用中の車の事故が増えているという報道があってから、携帯電話のイヤホン使用という事を聞くようになりました。でも、イヤホンジャックは車の事故が騒がれる前から付いていました。何のために付けてあるのでしょうか?

運転中の使用等を想定して付けられたのでしょうが、携帯電話の購入時にイヤホンも一緒に勧められたという話は私は聞いたことがありません。私は電磁波の危険を想定してイヤホンジャックは付けられているのではないかと思います。

米国では頭から離して使いなさいとガイドラインもあるわけですし、世界最大の携帯電話会社の米国モトローラ社の研究顧問が「私は携帯電話は一日30分以上は使わない」と発言しているという話もあるのです。

ただし、30分以内なら安全というデータもありません。


【電気毛布・‥良識ある人間なら使わない】

現代の生活から電気製品をなくしてしまうというのは無理があります。ならば使用時間を短くするしかありません。電磁波が弱いものでも長時間の使用は人体に影響を及ぼす可能性はあるのだそうです。

長時間使用という事でも困ったものがあります。表にはありませんが電気毛布。電気毛布は長時間それも体に密着して使用します。

米国のニューズ・ウイークに「電気毛布は僕を殺すの!」という記事が載ったことがあるそうです。1986年に米国コロラド大学で「妊娠初期に電気毛布を使用すると流産や異常出産の確率が高くなる」という免疫調査の結果が発表されています。

電気毛布を使用している人の間で、異常出産や乳癌、白血病が増えているという車も指摘されています。原因としてホルモン異常が有力視されているそうです。

電磁波を被爆すると、松果体でのメラトニンの産生が抑制されるそうです。メラトニンには免疫力を高める働きがあるそうです。メラトニンの産生が抑制される事で最も発しやすい癌が乳癌だそうです。

1990年に「アメリカ疫学ジャーナル」誌に発表された小児癌の調査では、妊娠中に電気毛布を使用した場合、その子供が脳腫瘍になった確率は、使用しない場合の約2,5倍になっていたそうです。

ニューヨーク州立大学のデイビッド・カーペンター博士は「良識のある人間なら電気毛布は使わない」と述べられているそうです。


【家庭電化製品の電磁波測定値】

参考までに小山寿氏著の「電磁波の正体と恐怖」(河出書房)から家庭電化製品から漏れる電磁波の測定値の表をそのまま引用して載せておきます。

表にはありませんが、パソコンは米国サンフランシスコ市はモニター画面から1m以上離れることを義務化しているそうです。そして妊婦には操作が終わったら画面から直ぐに離れるよう勧告しているそうです。

コンピューターのVDT(モニター)を扱う女性に流産や異常出産が多いという調査報告が相次いで出ているのです。勿論欧米では安全基準をクリアしないと販売は出来ません。

スウェーデンの規制値2mGを当てはめれば、家庭の中は電磁波の危険だらけという事です。今欧米ではこの2mGでも危険なので1mGにしようという動きが出ているそうです。

メーカーには電磁波が漏れないようにするようお願いするしかありません。日本でも安全基準を導入し規制する動きにあるそうですが、そうしないと輸出出来ないからなのです。

国内で流通しているものが全て対策されているという保障はありません。今の生活形態の中で、電気製品をなくしてしまう事は難しいでしょう。

電磁波の危険を遠ざけるには、(1)「出来るだけ使わない」(2)「使用中は出来るだけ離れる」(3)「使用時間を出来るだけ短くする」を徹底するしかないようです。


【2010年】

環境問題を考えると、将来の地球は果たして本当に大丈夫なのだろうかという不安が出てきます。地球温暖化は100年後に2度上昇と予測されています。その温度上昇は徐々に上がっていき、今の状況では2010年頃から急激な上昇が始まると言われています。

食糧事情は1990年頃をピークに穀物生産量も漁獲量も横這い状態に入っています。反面世界の人口は増え続けています。このまま行くとやはり2010年頃には大規模な食糧不足が生じると言われています。

あらゆる環境問題に於て、2010年頃というのが大きなターニング・ポイントになるのではないかと思います。2010年に成人を迎える子供は今何歳でしょうか?

今年は1998年ですので、今年8歳・小学校2年生の子供が2010年に成人を迎えます。その子供が環境問題に対するしっかりした意識を持っていなかったらその後の地球はどうなってしまうでしょうか。

今のmore&moreの大量生産大量消費、便利快適の追求の社会をつくってきたのは今の大人達私達です。子供は大人を社会を見て育ちます。先ず私達が意識を変えないことには、子供達にだけ環境問題に意識を持てとは言えないでしょう。

直接子供に影響を与えるのは家庭が一番です。次が学校ではないでしょうか。特に小学校低学年の子供は、学校の先生の言うことは絶対というようなところもあります。

しかし今でさえカリキュラムがいっぱいな上に、あと数年で完全週休2日になろうとしている教育現場に、環境問題を組み込んで下さいと言っても直ぐには難しいでしょう。

であるならば、学校の先生方夫々に環境問題に対する意識を持っていただき、学校生活の中で機会あるごとに話をしたり行動を取っていただくことをお願いするしかないのではないかと思います。

便利快適が豊かな環境ではないという事を知ってる子供達が大人になった時、世の中が大きく変わり出すのではないかと思います。その為には、まず私達が意識を変えることです。

学校の先生、特に小学校の先生と話をする機会がありましたら、環境問題の話題を出していただきたいと思っています。


【チブコのメッセージ】

子供達に豊かな未来を!

豊かさとは、決して便利快適の追求ではないのです。豊かな自然とは、決して快適ではないので す。

今回は1992年のモントリオール会議の基調講演の中から、インドのサンダラル・バフグナさんの「チブコのメッセージ」を紹介して終わらせていただきます。

チブコ運動とは、インドでダム開発などによる環境破壊に反対し、断食や伐採する木に抱き着き自らの生命を犠牲にすることによって、開発をストップさせようとする徹底的な非暴力運動です。

92年のこの講演で、すでに200人の仲間が木と共に命を絶ったという衝撃的な事実が知らされたのです。この時インドのナルマダ渓谷では100の村を水に沈め3000のダムを作る計画が進められていました。勿論現在も続いています。

それによって10万人の先住民族が村をなくすことになるそうです。その開発費用には日本のODA(途上国支援)が大きく関与しています。日本のODAによる融資の累計で90%以上が巨大開発に使われているそうです。

環境保全に使われたのは96年度をみても僅かに2%だけだそうです。世界銀行も融資していましたが、国際的な批判で融資を中止しました。そしてこのインド・ナルマダ開発の工事を受注したのは日本企業です。

バフグナさんは「森は人間の心を表わす。自然が破壊されれば、人間の心も破壊される。あなた達の心は豊ですか」と今も問い掛けているのです。

<リレー・書いていい友!> 『マロ効果』 早良支部 原北部会 敬天堂内田薬局 内田和江

前回このコーナーに登場の西岡先生とは、10年前学薬の有田給食センターの環境調査でご一緒してからのお付き合いである。

その西岡先生から、学薬の総会の時「市薬ジャーナルに何か書いてよ」と言われ、「何も書くことがないよ」と答えると、「何でもいいのよ。ほら犬のことをかいたら。貴女がいつも話している犬のことを」とプッシュされ、いつもお世話になっている手前、「うーん」と生返 事をしたのが受ける羽目になった経緯である。

その犬が、我家の一員になったのは約1年前。4月未、突然中学2年の娘が店の入口に立ちニコツと笑い、店番をしていた私の目の前にバッグから取り出した白い何やら動いている物体。それは生まれて間もない真っ白な仔犬だった。「エーツ、それなに?」と言う私を尻目に、娘はさっさと風呂場からお湯をくんできて、玄関先で仔犬を洗いだした。

それを見かけた今まで犬など絶対飼ってはダメと言っていた主人の母は、その仔犬を自分の部屋の内に入れ、ファンヒーターの前で体を乾かしてやったり、娘にミルクを買って来て飲ませてやれと言い出す始末。そういうことで、暗黙のうちに我家でこの仔犬を飼うことになった。

名前は娘がマロ(眉がなく公家の人たちに似ているということで)と名付けた。

早速、娘は夏になると蚊が出るというので、率先して庭の草取りを始めた。その時、見兼ねて一緒になって草取りをした私に、反抗期の真っ只中にいて私の言うことすることにいちいち反発していた娘が、「母さんありがとう。お陰で庭がきれいになって、マロがよろこぶよ」と言った。驚きである。

そのうち、マロを洗い、拭き、ドライヤーをかけて乾かすという作業を親子でするようになった。今まで親子一緒になって何かをするということの少なかった我家にとって、マロは親子のふれ合いの恰好な媒体となった。

今年87才になる主人の母は、耳が遠いせいもあって、家族とあまり会話がなく、言葉を発するということが少なかった。が、マロが来てからは「マロちゃん、おはよう」「マロちゃんごはん食べたね」等々日に何回と声をかけ、近頃は自分の部屋で子守り歌を歌って寝かしつけていることがある。みるみる母は生き生きとしてきたのである。

私も早朝と閉店後によくマロと散歩に行くようになった。今まで家の近辺を出歩き、ゆっくり自然と接する機会の少なかった私にとって、室見川河畔で満開のコスモスの群れを、水面をゆっくり行き交う水鳥たちを、満開の桜並木を目にするときなどは、これもマロのお陰と思えた。近頃では散歩の途中、田んぼの畔にある無人の店で、取れたての新鮮野菜を買う楽しみもふえた。

犬を飼うようになった時、周囲の方々にいろいろご忠告を頂いた。今のところ、抜け毛、土などで家の中がすぐよごれ、掃除が大変であるというデメリットはあるが、マロの存在が家族全員の癒Lになっている事を考えるとメリットの方が造かに大きいように思う。

マロが我家の一員となり、家族の者たちに与えた『マロ効果』は、大変大きかったと思う今日此の頃である。

次回は、東区の高又薬局吉村きく子先生にお願いしました。

■■トピックス■■学術委員会

ヨード製剤の濃度・温度と殺菌効果

殺菌メカニズム:遊離ヨウ素(I2)が水を酸化して生じるH2IO+が微生物表面の膜タンパクと反応して細菌、ウイルスを死滅させる。ヨウ素の化学的反応性は塩素と比較するとかなり弱いが、殺菌力は強く、一般細菌、ウイルス、真菌、結核菌、原虫に対して有効である。ヨウ素は中性〜酸性で殺菌力が強くなるが、アルカリ性では殺菌力は殆ど消失する。

濃度と殺菌力:ポビドンヨードの濃度と殺菌力は比例関係にない。ポビドンヨード濃度0.1%〜1.0%で殺菌力が最大(約25ppm)になる。

温度と殺菌力:30℃においてイソジン液(原液はポビドンヨード10%、有効ヨウ素1%)は殆どの被験菌に対して30秒以内に殺菌作用を示しているが、殺菌温度の低下に従って殺菌力は低下している。特にブドウ球菌、肺炎球菌、セラチア、カンジダに対しては5℃では、30分でも無効となる。

有機物による影響:イソジン液原液及び10倍希釈液では、ペプトン1%あるいはヒト血清10%の存在下においても30秒間の作用時間で99%以上、10分間作用では、100%の滅菌率を示している。

結論として、10%ポビドンヨード製剤は、希釈は10倍(有効ヨウ素濃度0.1%)までとし、作用温度は10℃以上が好ましいといえる。

日本撃事新報 No.3847(平成10年1月17日)

 

野菜・果物・緑茶に含まれるポリフェノール化合物の効

生活習慣病といわれるようになった「癌」や「心筋梗塞」「脳卒中」などはいずれも生体内での物質代謝や炎症の際に発生する“活性酸素(フリーラジカルなど)”による酸化反応が度重なって、細胞や遺伝子に傷が付くのが発端となる。活性酸素は細胞構成成分である脂質や蛋白質、DNAを無差別に攻撃しさまざまな障害を起こす。

野菜・果物・緑茶には、活性酸素を消去する効果の高いカロテノイド−Carotenoid−(αやβカロテン)やビタミンE、ビタミンCなどが含まれているが、それ以外にポリフェノールと称される化合物が含まれる。これらは、その化学構造に2個以上のフェノール性の水酸基(−OH)を持ち、活性酸素を消去して無毒化する作用が強い。

特に緑茶に多く含まれる「カテキン」の一種エビガロカテキンガレート(EGCG)は活性酸素を消去する力が非常に強く、動物実験で皮膚、胃、十二指腸、肺などの癌の予防に有効であることが明らかになった。又最近、動脈硬化の予防にも有効であることが示唆される成績が得られた。

日本撃事新報 No.3858(平成10年4月4日)

 

NSAIDs(非ステロイド性抗炎症剤)長期投与による消化性潰瘍に対する薬物療法

1.可能であればNSAIDsの投与を中止する。
2.より安全なNSAIDsへ変更する。(COX−2選択性/NO放出)
3.胃酸の分泌を抑制する。
(1) 胃粘膜上皮細胞の再生に対しより良い環境を提供する。
(2) 胃粘膜からのNSAIDsの吸収を抑制する。
4.低下したプロスタグランジンを補充する(ミソプロストール)。
5・H.pylori陽性の患者に対してはH.pyloriの除菌を試みる。

NSAIDs潰瘍における治療の第一は、胃酸分泌の抑制であり、第二はプロスタグランジンの補充である。胃酸分泌を抑制すると胃内が弱酸性になり、胃粘膜細胞の再生・増殖によい。更に、胃内が弱酸性だとNSAIDsは胃粘膜上皮内へ移行しにくくなり、直接的粘膜障害を阻止する。

PTM Vol.9,3(3)DEC.,1997

 

<市薬薬局のコーナー>

[代議員会報告]

第41回 社団法人福岡市薬剤師会 通常代議員会(通算第69回総会)

日 時
平成10年4月11日(土)午後3時
場 所
福岡市薬剤師会館 講堂

代議員会次第

1.開  会
1.会長演述
1.来賓祝辞
1.議  事
(1) 報 告
  第1号 平成9年度会務報告
  第2号 第79回(通常)福岡県薬剤師会代議員会報告
(2) 議 案
  第1号 平成10年度事業計画決定の件
  第2号 平成10年度会費決定の件
  第3号 平成10年度歳入歳出予算決定の件
  第4号 借入金限度額決定の件
1.閉  会


総会次第

1.開  会
1.会長演述
1.第41回福岡市薬剤節会通常代議員会決定事項報告
1.顧問委嘱の件
1.部会表彰
1.高齢会員(80才以上)表彰、還暦会員祝彰
1.閉  会

※高齢会員、還暦会員並びに平成9年度被表彰者を囲んでの祝賀会
 於:セントラルホテルフクオカトパーズ(3F)


〔1〕報  告

報告第1号 平成9年度会務報告


1.一般会務関係事項

(1) 会員数


(2) 会議

  代議員会、総会  3回
  顧  問  会  2回
  三  役  会  5回
  理  事  会  15回
  常  務  会  6回
  支 部 長 会  7回
  部会連絡協議会  1回
  議事運営委員会  3回
  監  査  会  4回
  委  員  会
   組 織 委 員 会 13回
   薬 局 委 員 会 15回
   急 患 委 員 会 9回
   社保分推委員会   11回
   学 術 委 員 会 7回
   広 報 委 員 会 24回
   在宅医療委員会   16回
   市薬薬局委員会   9回
   試験センター委員会 2回
   情 報 委 員 会 2回
   選挙管理委員会   4回
   定款検討委員会   5回

(3) 高齢会員、還暦会員祝彰

  高齢会員(10名)
   村上タカ子(88) 武田 準−(87)
   清水 貞知(87) 児島  豊(84)
   鶴原 正蔵(83) 北田 光男(83)
   田添喜美子(82) 工藤 益夫(83)
   西森 益夫(80) 上田ヨシエ(80)
  還暦会員(16名)
   赤澤 守嗣 石飛 達男 内田 秀代
   浦野満津代 大隈真寿美 神野  勝
   北島 弘子 木村 節子 小松 至誠
   小松 秀美 白木太一郎 長田 成弘
   西村 充生 服平 文明 毛利久美子
   山田 精喜

(4) 表彰関係

  福岡県知事賞(薬事功労)
   平成9年10月 白木太一郎
  福岡県教育委員会会長賞(教育文化功労)
   平成9年11月 小松 秀美
  福岡県学校保健会長賞(学校保健功労)
   平成9年11月 本川  栄
  福岡市教育委員会長賞
   平成9年11月 藤原 良春
  福岡市学校保健会長賞
   平成9年11月 石井多嘉子・内田 文子
  福岡県薬剤師会長賞
   平成10年3月 中島 英之・占部 吉事

(5) 会員及び家族に対する見舞金

 1)会員死亡見舞金
   江口 春子・村上タカ子

 2)会員家族死亡見舞金
   田中 邦彦・岸田 秀明・伊田 文代
   馬場・紘世・原  守男・鴨川 直人



報告第2号 第79回通常代議員会報告

日 時 平成10年3月15日(日)午前11時
場 所 福岡県薬剤師会館

(1) 報  告

  第1号 平成9年度会務並びに事業報告
      (病薬・学薬・女子薬・県庁薬・国保組合・商組事業概況報告)
  第2号 日本薬剤師会第83回臨時・第84回通常代議員会報告
  第3号 平成9年度歳入歳出中間報告

(2) 議  案

  第1号 対九大病院事業の福岡市薬剤師会への業務移管及び同事業予算廃止の件
  第2号 平成9年度補正予算決定の件
  第3号 平成10年度事業計画決定の件
  第4号 平成10年度会費決定の件
  第5号 平成10年度一般会計歳入歳出予算決定の件
  第6号 借入金限度額決定の件
  第7号 会長、副会長及び監事選挙の件
  第8号 日薬代議員選挙の件
  第9号 理事指名承認の件



議案第1号 平成10年度事業計画決定の件

平成10年度 事業計画(案)

 医療保険制度の抜本的改革が重要な課題とされているなかで、薬剤師には医薬品の適正で安全な使用の推進が求められています。とくに、昨年施行の薬剤師法改正では、患者等への情報提供が義務化されて、薬剤師の医療に対する責任はさらに重みを増している。職能をもって社会に寄与し、地域医療を担う一員としての地位を樹立しなければならない。
 このことを念頭に、支部組織の構築、広域病院対策の推進、地域に密着した在宅医療への参加推進、公的介護保険制度への参加と推進、「かかりつけ薬局」の育成に邁進する。

1.広報活動の充実
(1) 対外的広報活動を重視
(2) 会報「市薬ジャーナル」年6回発行

2.組織強化
(1) 支部薬剤師会の強化
  ア. 支部との連携(組織の活性化)
  イ. 研修・在宅医療・介護保険制度・健康フェア等の事業強化
  ウ. 支部組織の構築
  エ. 対外的対策の支援
(2) 会員相互の親睦
  ア. ソフトボール大会
  イ. ボウリング大会
  ウ. 薬草観察会
(3) 選挙規約の検討
(4) 共同組合設立についての調査研究

3.福岡市薬剤師会の運営
(1) 実務研修の実施
(2) かかりつけ薬局育成の支援
(3) 情報センターの利用推進

4.薬局の活性化
(1) 薬局業務の充実
  ア. 処方せん応需体制の強化
  イ. グランドデザインの検討
  ウ. 研修会の充実
  エ. 地域住民への「かかりつけ薬局」の啓発促進
(2) 地域医療への参加協力
  ア. 救急医療への参加
  イ. 各区健康フェアへの支援
  ウ. 福岡市薬草観察会への協力
  エ.「薬と健康の週間」への協力

5.医薬分業への推進
(1) 面分業のための対策
  ア. 医師会、歯科医師会との協力体制の整備
  イ. 広域病院への連携
  ウ. 支部との連携
(2) 保険業務の研修と指導の徹底
(3) 備蓄情報ネットワーク構築

6.在宅医療及び介護保険制度への参加
(1) 福岡市医師会、歯科医師会、行政及び社協との連携
(2) 支部における住宅医療及び介護保険活動への支援
(3) 在宅医療への参加による「かかりつけ薬局」の育成

7.研修事業の強化
(1) 各種研修会との連携
(2) 薬局実務研修会の見直し
(3) 支部研修会の支援

8.試験センター
(1) 行政対策の強化
(2) 学校保健法施行規則第22条の2の第1項による検査事業の実施
  ア. 県立及び市立学校プールの水質検査
(3) 水道法第34条の2の第2項による事業
(4) 厚生大臣指定機関としての医薬品試験の実施

9.福岡医療圏との連携
(1) 広域病院処方箋応需に関する協力関係の充実
(2) 研修会の充実



議案第2号 平成10年度会費決定の件

平成10年度の会費、入会金は次のとおりとする。





議案第3号 平成10年度歳入歳出予算決定の件












議案第4号 借入金限度額決定の件

平成10年度の福岡市薬剤師会の借入限度額は次のとおりとする。

 一金 150,000,000円


代議員会議事録



 前期をもって執行部を退任されました、副会長細井先生、専務南島先生、常務川上先生、冨永先生、理事小松(秀)先生、白木先生、監事の井原先生、長谷川先生、大変ご苦労様でした。

 〔司会 瀬尾常務理事〕
 〔開会挨拶 光安副会長〕

会長演述


 新しい執行部がスタートするに当たりまして、いい門出を迎えたと思っております。本日は、ご来賓として福岡市保健福祉局の西岡医監、それから福岡県薬務課の石原課長補佐、久保田先生、今度新しく県の会長になられました宮崎先生をお迎えいたしております。

 実は3日ほど前に、薬局の開設並びに更新に関して厚生省からの局長通達が出てまいりました。どういうことかといいますと、今までは試験センターと契約が必要であったわけですが、まるっきりではありませんが、「その必要がない」というのが今の見解でございます。

 詳しいことはまだちょっとわかりかねますが、今年の予算案をごらんになるとおわかりと思いますが、15,000,000円の試験センターの契約料が0になりかねない事態になっております。

 この問題は、福岡市だけの問題ではございません。全国の薬剤師会の問題で、日薬がこれを早くから知っていたかどうか知りませんが、急遽今月の15日に、東京でこの問題についての説明会並びに協議会が行われます。これに福岡市からも担当役員2名を派遣する予定にしております。ここでどのような結論、方向性、今後の対応が出されるかというのを見守りまして、福岡市としても新しい対応をしたいと考えております。

 今年度の予算につきましてはかなり難しい面がございます。4月からの医療保険改正により、我々は大変厳しい状況になってまいりました。が、やるべきことはやらなければなりません。事業計画の冒頭にも書いておりますが、「かかりつけ薬局の育成」この観点からすべての委員会を動員して、具体策を皆様の方にご提示したいと考えております。

 厳しい1年にはなりますが、また皆様方のご協力を得まして、我々執行部、一生懸命やりたいと考えております。

来賓挨拶


○宮崎福岡県薬剤師会会長

 本日は、第41回通常代議員会の開催、まことにおめでとうございます。また、さきの3月15日に行われました福岡県薬剤節会役員改選におきましては、無事当選することができました。皆さん、どうもありがとうございました。

 これもひとえに皆様方と、それから一致団結した福岡市薬剤師会の藤原会長を始め役員の皆さん、代議員の皆さん、会員の皆さん、そして職員の皆さん方の絶大なるご助力があったればこそと、私、深く心より感謝申し上げる次第でございます。

 時の経つのは速いものでございまして、皆様方とともに感動したあの日より、はや1カ月が経とうといたしております。あのころ、桜のつぼみが小さかったのが、今日見ますと、もう葉桜になりつつあります。そしてまた新しい花、ツツジが鮮やかな彩りを呈してきております。

 市薬の玄関のツツジも見事な花を咲かせつつあります。市薬も県薬も新しい執行部でスタートするわけであります。この花の様に、皆さん方に感動を与えるような事業を今後行ってまいりたいと思っております。

薬剤師の心

 私自身、非常に未熟者でございます。また今度の県薬の新メンバーも新しい若い世代が入っております。皆様方にご迷惑をかけることも多々あると思います。しかし、薬剤師の心を持って何とかご容赦いただきながら、一歩一歩成長してまいる所存でございますので、どうか今後とも県薬の応援をよろしくお 願い申し上げます。

 先ほど藤原会長が申され、私も申し上げましたように、規制緩和という名のもとに財政構造改革、行政改革というものがどんどん進んでおります。県庁におきましても、今まで民生部、衛生部というのがございました。この部が統括されまして、保健福祉部という新しい部ができております。

 その中で、県庁の人員3,000名というすごいスタッフを抱えた部ができ上がったということでございます。この前もちょっとご挨拶に参ったわけでございますが、どこからどう回っていいのかわからない状態が、今、県庁の中にあります。

 従来は私たち薬剤師、薬局の危機ということを感じていましたが、現在は薬剤師会自体も大変な危機の状態に陥ってきているということでございます。

 先ほど試験センターの問題もございました。それと同時に、今まで8,000,000円以上の売り上げの薬局に対し、薬剤師が1人ということでございましたが、今度の省令改正におきまして、1店舗1名の薬剤師でいいというように、状況もいろいろと変わってきつつあります。

 我々自身も早く情報をとり、早く皆さん方に情報を流したいのでございますが、私どもも出発したばかりで、いろいろとご迷惑をかけますが、今後とも皆様方のご支援、ご鞭接を賜りながら、県薬の発展のために努力する所存でございます。

○西岡福岡市保健福祉局医監

 日ごろから地域医療や、地域福祉に関し、皆さん方にいろいろとお世話になっており、大変感謝しております。

 福岡市は、既にこの1年、旧民生と旧衛生が一緒になりまして保健福祉局ということで歩いてまいりました。2000年には介護保険が始まります。この準備に今一生懸命です。介護保険の準備に際しましても、市の薬剤師会の多大のご援助をいただいております。これからもよろしくお願いをいたします。

 今日は、市長が他の公務と重なっておりまして参れません。市長の祝辞を預かっておりますので、代ってお伝えさせていただきます。

 「本日ここに福岡市薬剤節会第41回通常代議員会が開催されるに当たり、一言お祝いの言葉を申し上げます。

 日頃から藤原会長様を初め薬剤師会の皆様方には、本市保健福祉行政の推進に一方ならぬご支援、ご協力を賜り、心から感謝申し上げる次第でございます。

 読会的、継続的に餐供ご承知のように我が国は、超高齢化社会を迎えようとしており、多様化した市民ニーズや市民の方1人1人の状況に応じた保健・医療・福祉サービスを統合的、継続的に提供するため、2000年に介護保険法が施行されることになりました。

 本市も、昨年度より組織の改革を行い、保健福祉局として保健・医療と福祉の一体的推進を図り、より市民の方々のニーズに即した総合的サービスに努め、ようやく1年が過ぎたところでございます。今後とも皆様方のご支援、ご協力を賜りながら、よりよい市民サービスの向上に努めたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 最後になりましたが、皆様方には健康に十分留意され、なお一層ご活躍いただきますとともに、本日の代議員会が皆様方の熱心なご審議によりまして、十分に所期の目的を達成され、実りある会となり、福岡市薬剤師会が今後ますますご発展されますことを祈念いたしまして、私のお祝いの言葉といたします」(福岡市長 桑原敬一祝辞代読)

○石原福岡県薬務課課長補佐 
 今日は薬務課長の住吉が出席させていただいて、お喜びの言葉を申すべきでございますが、所用のため欠席をしておりますので、私より、ご挨拶を申し上げます。

 先生方には日ごろから県民の健康を守るた桝こご尽力をいただいております。心からお礼を申し上げます。20世紀も残りあとわずかになり、来るべき世紀に向け、現在、社会構造の改革がいろいろな分野で行われていますが、医療の分野におきましても、医療保険制度の改革が議論されているところでございます。

患者の奉念

 この中でも最も大事なことは、患者の本意と申しますか、患者の立場に立った医療が行われることではないかと思います。情報提供あるいは薬歴管理、その他の面において、患者さんが納得をして医療を受けていく。こういう医療が行われるべきと考えるわけです。

 私共といたしましても、先生方と一緒になって、かかりつけ薬局を推進しているわけです。今後ともこの推進に向けて努力をしてまいりたいと思いますので、よろしくご協力いただきたいと考えます。

システムにおいて貢献

 それからご承知のように高齢化という問題は急速なスピードで進んでおります。この中で最も重要なことは、高齢者の介護の問題でありますが、この介護を社会的にきちんとシステム化して行っていこうということで、昨年12月に介護保険法が成立をし、介護保険が平成12年から出発することになりました。

 現在、このシステムの準備が進められているわけですが、この中に先生方が参画されましてこのシステムにおいて貢献をされる、あるいはご活躍されることが重要であると考えております。どうか今一層のご尽力を賜りますよう、お願いを致します。

 この高齢化社会の中におきまして、私ども県と致しましては、いわゆる保健・医療・福祉というものが一体となってサービス提供されるということが重要でございますので、この4月1日から保健環境部、それから民生部ということでやっておりました保健・医療・福祉を保健福祉部として一体化して総合的に推進させていただくという事になりましたので、どうぞよろしくお願いを致します。

 最後になりますが、この薬剤師会のご発展と会員の皆様方のご健勝を祈念いたしまして、お喜びの言葉とさせていただきます。おめでとうございます。

○久保田福岡市薬剤師会顧問

 私は今、市政から離れておりますが、一般市民として大いに桑原市長をバックアップして市政を助け、そして福岡市民にために働きたい、そのように思っておる次第でございます。殊に皆様方の薬剤師会の抱えられておる諸問題につきましては、私も一市民として努めていきたい。そのように思っております。

 私もだんだん歳をとってまいりまして、持病の糖尿病がございまして、目が糖尿病から網膜症にやられまして、九大で2回ほど手術しておるんですが、なかなか回復しないというようなことで、医療の問題については身近に考えます。老人医療の薬価の一部患者負担ということで、患者が減ってきておるんではないかというような噂も聞いております。

 (そうでもないような気がしますが)、やはり診察料だけ払えばよかったときよりも、何と申しますか、一部負担にしてもやはり金がかかるということは如実の問題です。それがかかりつけ薬局というようなことで、皆さん方に散っていけばいいんじゃなかろうかと思っておる次第でございます。

患者を重視した施策が減ってくる

 これからいろいろ本当に難しい世の中、厚生省を中心としたところの医療保険においては財政赤字をどう乗り越えていくかという問題の中で、患者を重視した施策が減ってくるわけでございますが、先ほど市の保健福祉局の西岡医監と話し、全面的にはできないにしても、患者にプラスになるようなことを考えないとどこかで不満が爆発するんじゃなかろうかと思うわけです。

 殊に今のような不景気な時代においてはなおさらのことではなかろうかと、そのように話したわけでございます。

 先生方におかれましては、景気、不景気の波がどう影響しておるかということはよく存じませんが、やはり影響しておるんじゃなかろうかと考えるわけでございます。いろいろな問題を克服して、皆さん方がますます御繁栄になるように、心から祈念いたしましてお祝いの言葉にかえます。本日は誠におめでとうございました。

〔祝電披露 福岡県議会議員 早麻清蔵〕

〔議長登壇〕

○式町議長

 江口春子先生、村上タカ子先生の2名の昨年度の物故者に対して一同黙祷。

〔入江専務理事より新役員紹介〕

〔議事録署名人指名〕

○式町議長

 定款の35条により、代議員総数が72名中、出席44名であるので代議員会成立を宣言する。議事録署名人に坂田博子代議員(城南)と田中泰三代議員(中央)を指名する。

〔梅末議事運営委員長より日程説明〕


議  事

報告第1号 平成9年度会務報告 入江専務理事

報告第2号 第79回(通常)福岡県薬剤師会代議員会報告 北島常務理事

議案第1号 平成10年度事業計画決定の件 入江専務理事

議案第2号 平成10年度会費決定の件 藤田常務理事

議案第3号 平成10年度歳入歳出予算決定の件 藤田常務理事

議案第4号 借入金限度嶺決定の件 藤田常務理事



質疑要旨

〔式町議長より樋口副議長に代わる〕

○大庭代議員(南)

 予算案の立案について、各支部代表代議員、すなわち予算委員会による審議・予算作成が現在ありません。その点、いかがでしょうか。

○合澤副会長

 支部長会でも、予算案の中身について予備代議員会で検討していただくのが本筋だと思っておりますので、内容についてはお示ししました。質問なり、代議員会でお願いしますということで、議事運営委員会でも同様の手続きをとっております。

○大庭代議員(南)

 いわゆる予算委員会たるものがないので、各支部からの代表代議員を出して、その中で練っていくということはいかがですか。それで、その途中の経過を『ジャーナル』なり、何なりの広報手段で広報し、いわゆる会員全体にわかりやすい、わかる予算内容ということが欲しいと思います。

 次に、本代議員会の議事録は『ジャーナル』に、過程だけは載っていますが、提案なり云々あった場合の回答が全くありません。ただ言いっ放し、聞きっ放し。それでは貴重な時間と経費を使ってやる意味がないわけです。重要な問題には、会長が的確にその方針を答えて欲しい。

私たちは今、逆風の中にいる

 それから、予算の内容を見ますと、新規会費、試験センター資、保険薬局会費等々の特別会費が大きな部分を占めております。私たちは今、逆風の中にいるわけです。しかも市薬薬局はマイナスである。会長、そのようなことを如何お考えかお答えをお願いいたします。

○藤原会長

 今おっしゃったことを十分検討致したいと考えております。ただ、予算の編成に関しましては、予算委員会を開くのであれば、恐らく年度初めからやらないと間に合わない位の時間がかかるだろうと思います。それが果たしていいのかどうかというのは、ほかの代議員の先生方がどう考えられるか。それも1つ、お伺いをした上で、これからの会務に当たりたいと思います。

○川上代議員(中央)

 大庭先生からご質問がありましたので、説明させていただきます。

全方位で見てさらう形

 昨年度の予算の作成に当たりましては、実際に、いろいろ麓の方からかなり吸い上げてきております。最終的にはどこかで1人が1本化して原案を作らないと、会長がおっしゃったように、いつまでたっても数字は決まりません。そのために、まずたたき台といいますか、素案をつくって、それからまたさらに見ていただく、全方位で見てもらう形をとっているわけです。

 途中経過という言葉では確かにきれいですが、実務上は不可能な面があります。スピードを要求されますし、今度の試験センター等の問題もありますと、早急に補正等を組まなくてはいけないものですから、そういうところだと、ご理解頂きたい。

 もう1つ、老婆心ながら、今度の試験センターの契約料等で本当に緊急事態が発生いたしております。私も個人的には非常に危倶しています。この組み込みということもありますが、その前に、支出の中で旅費交通費とか、通信費とか、こういうものは目に見えてオーバーすることははっきりわかっているわけです。

 そのあたりはもう少し赤裸々な数字を上げて、最終的に予備費が結果的にどうなっても、そういう形で乗り越えて数字を積み上げていった方がいいかと思います。それから、九大関係が昨年の病院の事業移管で入りましたので、いろんな歳出の方の諸経費はかなり支出の方に全面、項目に波及してくるわけです。

 歳出の増は各項目で避けられませんので、そのあたりを次回、補正を組まれるときに、あるいは現在の数字の中で視野に入れて実直に取り組んでいただきたいと思います。

代議員会の在り方

○梅末代議員(中央)

 議運の委員長としまして、一言。代議員会のあり方について、今回もいろいろと協議いたしました。各支部長さん方に次期の支部総会、あるいは地区の会合の中で、予備代議員の制度なども協議していただきたいと、持ち帰っていただくようにいたしております。

 付議事項等をゲラの段階で結構ですので、もう少し早めに執行部より渡していただいて、予備代議員会、ミニ代議員会という形でやった方が代表質問で、執行部の方も的確な回答をしやすい。資料を揃えていただくためにもいいという利点もあります。

 自発的に予備代議員会をやるか、あるいは事業の一環としてやるかという問題で、交通費等経費的なことの問題も出てきましょうけど、これはまた具体的になれば協議することでいいと思います。そういうことを議運の方でも真剣に協議いたしておりますので、もう少し執行部も代議員会の在り方を考えて頂きたいと思います。

○式町議長

 代議員会の日にちを決めるときに、1週間開催をずらすだけで、そういう機会はできるということですから、それも1つの解決方法だと思います。

○村岡代議員(早良)

 市薬薬局の運営費の中で「保険料」というのがありますが、これは店舗総合保険のような保険料のことなんですか。火災保険とかが入っている分ですね。

○光安副会長

 そうです。火災保険等です。

かなり高濃度の保険

○村岡代議員(早良)

 金額からして、1年分だと考えれば、少し高いと思うんです。火災保険と家財保険と、休業補償費1日10万円か20万円つけても、もう少し安い金額で、通常、私たちは掛けていますので、この金額は結構高い。かなり高濃度の保険を掛けてあるんだと思うんです。

 それだったら、先ほど管理雑費のところで320万円ほどかかったという例の中で、台風のときに割れた表のドアとかトイレの修理をそれから支払ってもらえないぐらいの保険であれば、この保険料は少し高過ぎないかと思うんです。

○光安副会長

 台風のは多分管理雑費で払っています。保険料は、詳しく調べて、後で報告しますが、他に入っています。火災保険1本ではございません。それと管理雑費の中に、一部トイレを2階に増設した費用を含んでいます。それが丸々管理雑費に入っています。

○樋口副議長

 ただいまの25万円の保険料につきまして、執行部の方に、今日ではなくて、後ほど内訳等を説明していただきたいと思います。

○大庭代議員(南)

 今まで情報の公開がされていない。いわゆる領収書の公開が全くないのですが、いかがでしょうか、会長。

○藤原会長 

 領収書の公開、それは代議員会で公開せよということだろうと思うんです。皆さんがそうおっしゃるのなら、やることは一向にやぶさかではありません。隠しているわけでは決してない。ただ、皆様方が選んだ監事がきちっとチェックしているわけです。問題があれば、当然監事から指摘があるはずです。監事を信用すべきではないかと思います。

○大庭代議員(南)

 それでは中島先生、今後よろしくお願いいたします。ご決意のほどをご発表お願いしたいんですが。

○中島監事

 監事の仕事というのは、会長、副会長と、理事の先生方と同列に、非常に責任が重いと思っております。そういうつもりで監事の仕事をこの2年間させていただきたいと思います。

監 事

監事は、法人の財産状況および業務を執行する機関の働き具合を監視する法人の機関である(59条)。監事は、定款・寄附行為または社員総会の決議によっておくことのできる任意機関であって(58条)、理事のような必須の梯関ではない。任意機関としたのは、法人の業務執行は主務官庁がこれを監督する【昭和54年の民法一部改正(法68号)により、公益事業の積極化と法人の事業運営の適切化をはかるため監督権を強化した。すなわち、主務官庁の命令に違反したり公益を害する行為をしたときは設立許可を取り消しうるものとした(71条前段)】仕組になっていることに基づく。なお、この職務権限は、法人の財産状況の監査、理事の業務執行状況の監査、財産状況または業務執行につき不整の廉あることを発見したときの総会または主務官庁への報告などである。
民法(1)総則〔第3版〕有斐閣双書 (S.T.)

○清水代議員(早良)

 市薬薬局が900万円ほど赤字になっているということについて。支援センターは市薬が苦労してつくったものであり、今後もいろいろ活用していかなくてはならないんですが、市薬薬局に対してのマイナスをどのように考えるのか。今後、どのような方向に持っていこうとするのかを教えてもらいたい。

集中度を下げるためには

○光安副会長

 特別会費、会費に396万円、会営であるにもかかわらず同等に払っています。多分、この分は、月に備蓄に10万円、情報に10万円、研修に10万円、年間360万円ぐらいの費用負担です。

 そのように考えれば、これと減価償却を入れますと、赤字分の900万円位になるんです。ただ、これから市薬薬局も非常に厳しくなります。我々薬局も厳しくなります。その中で、どこをどうスリムにするかというと、ある程度集中度を下げなくてはいけないと思います。集中度を下げるためには、会員の先生方は患者さんを逃がさないことです。しかし現在集中度が上がってきているんです。

 多分17%か18%で、これは今の薬局のスペースとか調剤能力からいって限界です。我々も窓口でそういう話をしていますが、そういう患者さんの流れをどうしてもとめられないのが現状です。我々はそういう認識のもとに市薬薬局をもう一度見直さなくてはいけないと思っています。

○大庭代議員(南)

 集中度と経営とは、また別なんです。その点、よろしくお願いいたします。

各活動にもそれぞれ温度差

○松島代議員(城南)

 事業計画に「支部の組織の強化」ということで、今年度は、第15項の「支部助成金」を、昨年より100万円アップしていただいて、支部長として非常にありがたいと思っております。

 2月に、甚だ借越でしたが、支部長懇談会を持ちまして、各支部の財務状況等を話していただきました。支部の各活動にもそれぞれ温度差がありまして、支部活動費、予算を持っている支部と持たない支部があるようでした。

 さて、先ほど会計常務から説明がありましたが、3年前から37万円の研修費用等を在宅、健康フェアに関する基本的な補助等、それから分業推進費ということで、これも6,7年ぐらい前から総枠の160万円を保険薬局数で割り算した数字に3,500円を掛けていただいているわけです。

 昨年は620万円ということで、恐らく、200万円ぐらい余ったようで、各支部に28万円ずついただきました。城南支部においては、37万円と28万円と、10万幾らということで手厚く助成していただいたわけでございます。

 今回720万円になっておりますが、あとは支部の活動の状況によるということですが、何分にもお金がない状況の中で計画していくのは非常に辛いものがあります。いただいた予算の中で計画を練っていきたい。それによって前向きな支部の活力が生まれてくるんではないかと思います。その辺は、去年からの37万円と、支部の助成金を主体にした助成金ということでしょうか。

手厚く助成していくのが本当

○合澤副会長

 助成金として出しているお金は720万円のうちの、420万円です。あと300万円は活動計画によって助成するよう今年度は組んでいるわけですが、この使い方、あるいは助成の仕方は、支部長さんと相談していいんじゃないかと思っています。

 本質的には、先ほども言われましたように支部間の温度差があります。活動している支部に手厚く助成していくのが本当です。私たちも当然入りますが、支部長さんの中で、300万円というお金が十分であるかどうか、そこについてはまだわかりませんが、相談しながら助成していく方法がいいのではないかと、今のところは考えております。

支部間の格差も是正

○松島代議員(城南)

 これはあくまでも個人的な希望ですが、支部分業推進費、いわゆる160万円を保険薬局数で割り算した分はそろそろやめて各支部から出ている処方箋枚数によって分配したらどうかと思います。

 37万円はきちっとした症例検討会や健康フェアの資金として各支部に分配されて、あとは保険薬局会費等を含めれば、各保険薬局を各支部ごとの会員の数によって、3,500円ずついただいていたのを1軒当たり7,000円か8,000円ずついただければ、大体支部間の格差も是正できるんではないか。

 試算してみると、大体600万円ぐらいになりますから、あとは各支部の活動の状況によっていただければと思っていますので、一応希望を含めて申し上げておきます。

○上村代議員(早良)

 質問というよりも要望ということでお聞き願いたいと思います。執行部も新たな人材を迎えていよいよ船出をしていくわけですが、薬業界のみではなく、あらゆる業界が今こ不況の状態にあるわけです。これはいつも早良の支部長であります本村先生が『早良支部だより』で書かれていますように、非常に危機感に満ちたものがございます。

かなりのスピードで消えていっている

 そのような中にあって、OTC薬局がかなりのスピードで消えていっているのも現実です。さらに今回の10%の薬価基準引き下げ等で調剤薬局も厳しい状態にさらされつつあるということも聞くわけです。

 薬剤師会の今後を考えますと、その舵取りは非常に難しい。複雑な現状を考えますと、非常に困難な時代と言わざるを得ません。私は現在、広報委員をさせていただいておりますが、先立って、会長の行動というか、仕事内容を『ジャーナル』で公開していけばどうだろうかと、そういった話がありました。非常に大事なことだと認識しております。

 そういった中から、将来的な展望とか、あるいは方向性が見えてくるのではないかと期待しているわけです。会長、また役員の先生方、忙しい中を頑張っていただいて、どうかこの難しい局面を乗り切ってほしい。どうかしっかりと薬剤師会の将来を見つめていただいて、舵取りをしていただきたいと願っております。

 さて、そのような観点から、今回の平成10年度事業計画(案)の4番目で「薬局の活性化」という項目は、今の時期、非常に大事な計画になってくるのではないかと、認識しております。もちろん医薬分業の推進、在宅医療等、重要な課題がありますが、時期的にも会員薬局の活性化を図っていくことは、非常に重要なことだと考えます。

活性化ということを意識

 特に、地域住民への「かかりつけ薬局」の啓発促進、あるいは地域医療への参加協力等は非常に大事だと思います。特に、今の時期、活性化ということを意識していただいて、今後はこの方面の活動をもっと増やしていくとか、力を入れていくとか、考えていただきたいと思います。

 そのようなことを踏まえまして、会長に一言だけ、現状の分析と将来の展望、そういったことをお聞かせ願いたいと思います。よろしくお願いいたします。

その1点に絞り

○藤原会長

 大変温かいご質問をいただきまして、ありがたく受けとめております。「将来の展望」と、非常に難しいんですが、ただ、我々が今、しなければならないことは、結局「かかりつけ薬局」になれるかどうか、ここにかかっているんだろうと思います。なれなかったら潰れていく以外にないと、そのように思います。

 したがって、かかりつけ薬局にどうしたらなれるのか。その1点に絞りまして、これからいろんなご提案をさせていただきたいと思っております。その具体的中身は、まだ細かなことの詰めを行っておりません。今スタートしたばかりで合澤副会長もいろいろ案は持っております。いずれ近いうちに出します。

○本村代議員(早良)

 今の上村代議員の関連質問です。薬剤師会の協同組合をつくってPB商品とか何かを運営するような話をちょっと耳にしたことがあるんですが、その話をもっと具体的にここで発表してもらいたいと思います。

まず調査研究から始めて

○藤原会長

 「参照価格制度」がいずれ近く導入されるということを一応前提条件に会員の先生方が、特に医薬品の仕入れの問題では非常に困る状況になってくるのではないかと思っているわけです。そうなると、協同組合をつくって対応する以外にないのではないかと、この問題に取りかかろうと考えている次第です。具体的な青写真はまだありません。

 福岡市の規模でどれだけのことができるのか、今のところさっぱりわからない状況です。したがって、まず調査研究から始めて、1年でどれだけの案ができるか、恐らく2つか3つの案はつくらないといけないだろうと思います。2年がかりでできるかどうかということだろうと思うんです。

 今度、事務局も1人増やしましたし、特に局長にはこういうことの全面的な中心に入っていただいて、そこからまず手がかりとしてやっていきたいと思います。ですから、今の時点では、こういう形のもの、どういう中身のものというのはまだございません。それはこれからのことです。

何のメリットもない

○本村代議員(早良)

 医薬分業が中心の薬剤師会ですが、この間、支部長会でいただきました受け取り枚数を分析した資料によりますと、調剤報酬で食べられる薬局は、会員の中には、半分もいかないんじゃないかと思うんです。それでOTCを中心にやっている薬局に対して、薬剤師会は今から何かを助成するなり、計画なりがおありでしたらお聞きしたいと思います。

 というのは、OTC薬局は薬剤師会に入って何のメリットもないんです。今度試験センターがもし契約しなくていいということになったら、増々何もメリットがないんです。そこをどういうふうに考えていらっしゃるのか、それも質問したいと思います。

○合澤副会長

 おっしゃるとおりだと思います。それから、さっきの質問のPB商品のことについてですが、全商連はPB商品を現在持っています。福岡の薬局で商組に参加してる方で、PB商品を扱っているというのを聞いたことはほとんどありませんが、現在幾つかPB商品を持っています。これはOTCです。

具体的な要望をぜひ出して

 現在、私たちも会員の何分の1かがOTCを中心にやっている事を十分知っておりますし、その中で何をするべきかは考えておりますが、OTCを中心にやっている方は、こういうことをしてくれ、ああいうことをしてくれと具体的な要望をぜひ出してください。

 私たちは何年も前から考えていますが、どうしていいか、どうしてあげるべきか解らないんです。OTCに対してどういうふうな援助をするのか、具体的に「こういうことを」ということがあれば、ぜひ薬剤師会に提案願いたいと思います。申し訳けありませんが、現在ではそういうふうな回答しかできません。

○大庭代議員(南)

 以前、支部長をしている時代に経験したことですが、某薬局などは、支部会に入ってくれということを申し上げに行ったら、「薬剤師会には入るけど、支部には入らない」ということがありました。このように規制緩和、規制緩和という時代になったら、もろ手を挙げて会をやめるんじゃないでしょうか。全然メリットがない。

OTC問題を真剣に

 これから先は薬局製剤等々ありますが、これまた経費が出るとか出ないとか、非常に難しい問題です。OTC問題を真剣に我々も考えていかないといけません。世の中が変わりましたから仕方ないんですが、我々も考えますので、ご助力をお願いしたいんですが、会長、いかがなものでしょうか。

○藤原会長

 今、OTC薬局の問題は大変難しい状況です。OTCで生き残っていこうと思えば、現在、OTCとして生き残っている様な薬局が1つの生き方だろうと思います。ただ、多くの福岡の会員の先生方の薬局は、こういった全国大手チェーンみたいな生き方はまず不可能な話です。

 となると、OTC薬局に何ができるかといえば、結局、今の状況で医療に参加していただいて処方箋を中心にやっていく以外に、道はなかろうと思うんです。そういうことを薬剤師会は進めなければならないと思っております。

 それから今、薬局製剤も薬局委員会でやっております。これもOTC薬局対策の1つです。これはまた試験センター問題も絡んでくる問題で、これから特に薬局製剤をやるところはきちんとした試験のデータを持っておかないと、何かあったときに非常に困るわけです。経済的に弱っているところをどうしてあげられるか、これを執行部に求められても、それは無理だろうと思います。

薬剤師会に入ってよかったな

○大庭代議員(南)

 そういうふうに経済的におんぶに抱っこということは、無理なことだと思います。しかし、何か考えてあげないと会としての求心力は飛んでいってしまいます。会として、皆さんから会費をそれ相当にいただいているんですから、調剤薬局の大きい所など特別会費等々、それから会費等々、支店まで全部やっていただいています。しかしそんなところもパーツと退会しかねません。

 ひょっとしたらOTCの会員の中でも逃げていかれる方も出るかもしれません。そうしますと、歳入は右下がりに急激に減るんじゃないでしょうか。皆さんが、薬剤師会に入ってよかったな、と言うようにお願いしたい。

○光安副会長

 会長がおっしゃったようにOTCあり、調剤あり、いろいろありますが、早急に医師会といろいろ話し合って、町のお医者さんと町の薬局がタイアップして、これからどういうふうに医療に貢献できるかということを考えていきたいと思います。

○阿波代議員(博多)

 第2次藤原体制ということで期待を申し上げておりましたが、緊急が入ったということで演述にならないご挨拶だったかと思います。その中で「かかりつけ薬局」云々、これについては、今から具体的に出すということですので次回にご質問等をさせていただきます。先ほどの試験センターの件で、新しくどういう事業をやるかということを藤原会長の得意とすることだと思いますので、一言、お願いします。

○藤原会長

 試験センターの事業を、今の予算絡みでどうするかというのを、今、答えるのに非常に苦労しているところです。ただ言えることは、今、受託事業がございます。水の試験、プールの試験そのほかです。医薬品の試験をどうするのかが、厚生省あるいは日薬は、一生懸命、全国の試験センターでやれと言ってきているが、一方において契約の問題が必要ないと言ってきています。この整合性がとれていないわけです。ですから、日薬がどう考えているのかを聞いた上で福岡市としてはどう対応するか、決めたいと思っております。

○阿波代議員(博多)

 まさにその溶出試験をどうするか、これは日薬は前年度に募集していると思います。その条件としましては溶出試験器を持っている所だということです。今回3月15日云々という話でございますが、多分その時には、これは局長ですから、多分省令でしょうけど、決まっているわけです。

 具体的に申し上げましてこれをどうこうするということは多分ないと思います。その時の話は、次に関連しますけど、別の話が出る予定だと思うんです。むしろ試験センター受託金は今、全部人件費に回るわけですから、別途新規事業をするべきではないか。福岡市薬としても試験センターとして、何か出すべきではないかと思っていますが、いかがですか。

日薬会長が打ち出している問題

○藤原会長

 今の医薬品の試験に関して言えば、薬剤師会試験センターは福岡市のではなく、福岡県の試験センターの1つであるわけです。本来ならば、もう少し県からそういうものに対する助成金を出すべきではないかと思います。これは福岡だけに限らず北九州もそうでございます。県の試験センターという意味合いを持っておりますので、それが必要ということであれば、それもひとつ考えていただきたいと思っております。

 今おっしゃいましたように溶出試験、これは今度、新しく日薬の会長が打ち出している問題でもあるわけです。これをやろうとしたら、また膨大な費用がかかります。今度新しい試験器具を北九州が入れますが、460万円ぐらいの新しい器械が必要になっております。今、福岡市が持っているのは100万円の器械です。これでは対応ができません。そういうもろもろの問題がございますので、もう少し検討したいと思っております。

○木原代議員(博多)

 学校薬剤師会という立場で質問させていただきます。試験センターの事業、入っている費用はほとんどが学校保健絡みではないかと思っています。その割には、学校保健という考え方が市薬の執行部の中にないような気がします。

 学校薬剤師会で監事の監査を受けておりましたときに、学校薬剤師会の監事は、前の市薬の監事でもありますが、市薬の三役会の予算編成のときには、学校薬剤師会に対する助成とか、学校保健活動に対する補助金、助成金というようなことI はほとんど上がってこないというのを聞いております。

 昨年度の代議員会のときに、急患センターの委員会が市薬の中の委員会として委員会費を使っているのに、学校薬剤師会のは学校薬剤師会ということで別建てです。年間に30万円の補助金をいただいて、もちろん市薬事務員さんがお手伝いしている部分もありますが、この辺、学校保健に対して、市薬がどう取り組まれようとしているのかを示すためにも、もう少し助成金を出してほしいと言いましたときに、会長は確かに前向きに検討するような発言をされたと、うちの学校薬剤師会の会計の有馬先生が覚えてありました。

 さっき大庭先生より、ここで発言しても言いっ放しになるという指摘がありましたが、私も昨年のことを引き出しまして、再度、市の薬剤師会が学校保健に対して、どのように考えて取り組もうとしていらっしゃるか、お聞きしたいと思ってます。

薬剤師会長賞

 福岡市の学校保健会というのは、医師会から歯科医師会、全部入っている教育委員会の公的会議です。その中に、児童生徒の絵画・ポスター、作文などを表彰するものがあるんですが、それが今までは、医師会と歯科医師会はありましたが、薬剤師会はありませんでした。

 今年度からようやく会長表彰をつくることができたんですが、その表彰の名前が、福岡市の「学校薬剤師会会長」ではなくて、福岡市の「薬剤師会長表彰」になっています。市長賞、あいれふ賞、市医師会長賞、その間に入れてもらうには、福岡市の学校薬剤師会長表彰ではどうしてもだめなんです。

 それで、福岡市の薬剤師会長表彰ということで教育委員会の方も皆さん、学校保健会の理事会で御承認いただいて、今年から創設されます。そのような中で、薬物乱用防止活動も含めて、市の薬剤師会がどのように取り組もうとされているのか、会長にお考えを伺いたいと思います。

○藤原会長

 学校保健活動というのは、薬剤師会活動の非常に大事な事業の1つです。弁解するわけではありませんが、学校薬剤師会に対する理解が、まだ全市的になかなかされていないというのが1つございます。まず、30万円の話ですが、前は市から30万円出して、学薬から30万円返してきておりまして、プラスマイナスゼロだったんです。

 これを1つ改めました。30万円が実質プラス残って、学薬の助成という形になったわけです。本来、1,450万円の事業に関して、ほとんど学校薬剤師の協力でやっているわけですから、もう少し助成金はアップすべきだろうと思います。

節約すべきは節約し

 こういう意見がこの中で出てきて、皆さんのご理解が得られれば、当然そういう形にしたいと思います。ただ、ご承知のように非常に厳しい状況に立ち至っております。節約すべきは節約し、必要なものは必要という形で使わなければなりませんのでもう一度申し上げますが、前向きに検討させてください。

○木原代議員(博多)

 「前向きに検討する」とおっしゃっていますので、よろしいでしょうか、有馬先生。いい、ということですので、よろしくお願いいたします。

支部における介護保険

○阿波代議員(博多) 

 事業計画等につきまして、2、3。途中経過で結構ですが、特にその中で、先ほど福岡市の西岡医監のご挨拶の中の、介護保健法はご存じのように、平成12年ということになっていますが、実際は11年 10月実施になるわけです。保険がつくのが12年4月ですが、当然ながら、今、全国的にモデルでやっておりまして、第2次、第3次という段階に入っております。

 その中で、福岡市が「支部における在宅医療及び介護保険」云々と示してありますが、介護保険は支部でやれるわけですか。

○入江専務理事

 福岡市の場合は各支部に下してやるということを聞いております。

○阿波代議員(博多)

 具体的に市の方で条文化か何かしているわけでしょうか。

○入江専務理事

 去年のモデル事業の認定委員会に出たときに、そういうふうなことを言ってありました。しかし福岡市が各区におろしてやりたいという文書はまだ読んでおりません。

○阿波代議員(博多)

 今やっているのがそのままいくんだというようなふうにも聞いていますが、そうなると、福岡市薬剤師会として今、市の方には入っていませんね。果たしてそのまま今のお話のとおりいけるのか、あるいは「申し訳けございませんでした」となるのかで随分違うと思うんです。

薬剤師の先生方にも頑張っていただきたい

○入江専務理事

 このことに関しましては、市の方が決めることですから、何とも言えませんが、4月1日に福岡市に三役でご挨拶に参りましたところ、保健衛生局の川口局長から、今回、認定委員に、薬剤師の先生方にも頑張っていただきたいと、全区とは約束できませんでしたが、そのようなお言葉をいただいております。

○阿波代議員(博多)

 日にちが4月1日ですか、すごくいい日に、いい言葉をいただいたので、間違いなくそのようになるように、是非頑張っていただきたいと思います。

○藤原会長

 今の問題は、再三再四、市の行政に申し入れをしています。福岡市はご存じのように、福岡市一本で認定委員会をつくっても機能いたしません。それだけ数が多いわけです。たしか対象の人口が12万近くおります。ですから、これは各区で認定委員会をつくって、認定業務に入らないと、機能しないわけです。

 そういうことで、去年は東区だけでしたが、今度新しく福岡市では全区でモデル事業を行います。恐らくこの中のほとんどのところに認定委員として入れるというふうな大体の見通しです。一部欠ける可能性はあるんですが、また強力な後押しをしておりますので、そういうことで進んでいくと思います。

○坂田代議員(城南)

 会費等の銀行口座の引き落としについてお願いしたいと思います。といいますのも、毎月レセプトをお出しするときに、会費を持っていっております。保険薬局500軒が、たった何日間かの間にお金を持ってこられて、事務の方が一々領収書を作っていく。そういった手間を考えますと、振込でなくて、引き落としを是非検討していただきたいと思います。

○藤田常務理事

 今、いいソフトもありますので、事務的な部分をコンピューター会社と総務の山本先生と一緒に詰めております。多分そういう方向でいくと思います。その時には又お知らせをいたします。

○冨永代議員(早良)

 まず事業計画案のことですが、この事業計画案は今年度も昨年度も何処もほとんど変わっていないというのが正直なところではないかと思います。その中で、先ほどもOTC薬局の現状がつかめないとおっしゃいましたが、昨年の事業の中に、「薬局の実態調査の結果と検討」という項目がございました。実際に、薬局の実態調査をされて、OTCの薬局、調剤薬局を含めて、その検討がどうだったのかという問題がございます。

 それから、昨年の「医薬分業推進」の項目の中に「保険薬局調査の有効的利用」という項目もございます。この2点を考えますと、大体薬局の現状はつかめていたんじゃないかということが推測できます。そのことについては、現在は新執行部でございますので、引き継がれた会長にご返答をお願いいたします。

せっぱ詰まった予算の時代

 それから幾つかをお尋ねしたいと思います。こういうせっぱ詰まった予算の時代でもございますが、先程会長は、事務局は人を1人増やしたということでございます。今はどこの社会でも、会社でも、リストラの時代で、人を入れずに、いかに有効に仕事をするかということが問題です。我々薬局をしていましても、人が入れば仕事ができるという問題ではございません。それは一応記憶にとどめてい ただきたいと思います。

 もう1つ、市薬薬局のことでございますが、これは収益事業ではなく、全くの欠損事業でございます。この状態は、先はど光安副会長の話の中にございました、一部、わずか小さいことですが、交通費の中で、タクシーで配達しないといけないことがあると。

 こんなばかな話はないと思います。なぜかといいますと、会営というのは、どうしても市薬薬局でないといけない患者さん、本当は対馬とか、壱岐とか、そういうところの患者さんのために必要だという話が、最初はあったぐらいです。

 ですから、タクシーで配達をしないといけないように遠いところの患者さんならば、当然その近くの薬局を紹介し、そこに行ってもらうようにする、その説得をしないといけないものではないかと思います。

本来あるべき姿

 光安副会長の話の中に「かかりつけ薬局で自分で患者を逃さないようにせよ」という言葉がございましたが、恐らくだれでも病院の前に薬局があれば、そこに持っていきやすくなるのは当然です。むしろ、市薬薬局が、自分本来のあるべき姿というものを決めて、その範囲内で受けられるようにするのが本当だと思います。

 今、薬剤師4名、パート3名、事務1名、これだけの人数をフルに活用していましたら、もっと調剤はできるはずですし、逆に言えば、このくらいのものだったら、もっと人件費も減らせるはずです。ただ、医薬品の一般販売及び分譲という事務的なこと、それからいろいろな研修ということがありますので、人数が多いということには、そういう事態が起こっても問題はないかもしれませんが、もっとそこを実質的に効率よく運営していただきたいと思います。

○藤原会長

 只今のご質問の実態調査の件、これはすべて光安副会長が担当でやっておりますので、副会長から答弁をさせていただきます。

○冨永代議員(早良)

 会長にしてください。というのは、会長がそれを把握していないで、結局、今度また立候補して、当然会を運営していくということで去年からしていらっしゃるんだから、会長がどれだけ自分で把握しているか。会長が把握をしていないと、幾ら理事会を開いても、副会長に任せているから私は知らないでは済みません。

○藤原会長

 知らないということではございません。ただ、実際に会を動かしているのは担当の副会長であるわけです。今の会の運営といいますのは、すべて私が細かなことまでチェックし命令し、やっているわけでは決してありません。この前の実態調査の件につきましても、きちんとした報告は受けております。ただ問題は、それをきちんと対応するだけの能力といいますか、そこまで至っていないというところもございます。そういうことで、細かな点までは少し不満があるだろうと思いますが、一応委員会としてはきちんとやっておりますので、その中身は副会長に答弁させていただきたいと思います。

大体の把握

○冨永代議員(早良)

 もちろん会長が小さなことまで知っていないのが本当なんです。それはわかっています。当然副会長に指示して、副会長がそれを把握している。小さなものはそれでいいんですが、一応副会長から報告を受けたものをどのくらい頭の中に把握していらっしゃるかが聞きたいんです。だから、大体の把握で結構でございます。会長から答えてください。

○藤原会長

 何と何をお答えすればよろしいんですか。

○冨永代議員(早良)

 では、もう1つ、先に申し上げます。去年から出ていました薬局の実態調査の結果の検討を決める事業計画はどなたが決めたんですか。会長は知らないんですか。会を運営しているのは副会長ですか。 それから保険薬局の調査の有効利用も、これは副会長が決めたことですか。事業計画はだれが決めるんですか。

 何を知りたいんですかとおっしゃるけど、去年の計画に出ていたものが今年の事業にどれほど反映されているかを聞きたいんです。この間から言っているのは、執行部の返答は、逃げ腰といいますか、はっきりとした返答がないんです。もう少しはっきりした返答をしていただかないと、全てが万事、事業をしていく上において、そういう結果が生じるんではないか。

 会長が小さいことをご存じないの は分るんです。当然担当者にさせていいんです。しかし、どういう結果になっているのか、今、会員の現状がどういう状態なのか。それを会長が知って県薬にも行かないといけない、日薬にも行かないといけない。OTCの薬局の実態調査が、私には解らないでは、日薬に行ってもOTCの薬局の話ができないんじゃないですか。そういうことでは困るんではないでしょうかということです。

 もし私が 間違っているのであれば、皆さんがこの質問はおかしいとおっしゃれば、取り下げます。

○樋口副議長

 副会長でいいですか。

つかんでいただきたい

○冨永代議員(早良)

 いや、さっきから会長にどの程度知っていらっしゃるか、知っていらっしゃる現在の状態で結構ですと言っているんです。もし、ご存じないんだったら、「知りません」と、埠っきり言えないと困る んです。今、言いましたように、県薬にも、日薬にも行かないといけない。だから、会長がどの程度、薬局、会員のことを知っていらっしゃるか。
 会長はこの間、県薬での質問のときにも、情報は非常によくつかんでいる、というお話を自分でしていらっしゃいました。それだけ外部の情報はつかんでいるし、パソコン通信でもインターネットでも通じているとおっしゃっているんですから、福岡市の会員の自分の支部の実態調査のときには、いかに熱心になさったかと思います。

 調剤薬局ばかりの問題ではなく、OTCの薬局の問題もあると思います。何も実際に自分でする必要はないんです。つかんでいただきたいということです。ご存じなければ「自分が勉強不足でした」とおっしゃって結構です。ただ、知っていらっしゃるんだったら、知ってる範囲でお答えくださいということです。

○藤原会長

 今の実態調査の件ですが、福岡市の保険薬局が500です。全体で言えば600軒。

 その中で、細かな数字は今ここでは覚えておりませんが、処方せんの枚数の平均が600〜1,000枚の範囲内にあるとか、調剤薬局の中でOTCを扱っているところの、医薬品の仕入れが非常に厳しくなっている状況とか、そういう実態については、一応は承知しております。

○冨永代議員(早良)

 承知していただいたことはありがたく思いますが、その検討はどういう検討をされましたでしょうか。私は今日は、全部会長に聞きたいんです。検討するときには、会長はいないわけではないでしょう。

○藤原会長

 細かな検討の中には入っておりません。

○冨永代議員(早良)

 検討した結果は、どういうのをお聞きになりましたか。

○藤原会長

 今申し上げましたように、いろんなデータ、数字は聞いております。

○冨永代議員(早良)

 わかりました。では、光安副会長、どうぞ満足のいくように説明してください。

麻薬を申請していない薬局

○光安副会長

 どの程度満足いくかわかりませんが、実態調査は去年やりまして、各支部の委員の先生に全部資料を出しました。各支部にも提供しています。有効利用といいますのは、去年、広域病院を回ったときの資料として、お会い出来た所だけですが各薬局長、院長に提供しています。随時、新しい保険調剤薬局だけの資料も作りまして、それも広域病院を訪問するときに提供しています。

 検討の中では、例えばその中に、保険だけに限って言いますと、麻薬とか、そういったところの登録、その辺の把握が初めてわかりました。九大を応需しているにもかかわらず、麻薬を申請していない薬局もかなりあるんです。今後、私たちは、面分業、面分業と言いながら、そういう麻薬さえ指定を受けていない薬局にどうやって申請を勧めるか、1つの宿題が残っております。

 調査の方はその程度でよろしいでしょうか。市薬薬局の件ですが、1つ、旅費交通費の問題があります。これはどうしても市薬薬局ということで限定されまして、1例ですがタクシーで運んだのは事実です。というのは、職員の車で運ぶのは、事故とかいろんなことがありまして、タクシーを許可しております。今はとまっております。

 本来、離島とか、そういう条件つきの開設であったにもかかわらず、今、集中度が上がっているというのは、いろんな事情があります。小児科の薬とか、備蓄の薬とか、我々自身も反省しなくてはいけない問題も多々あります。

強制均に患者を振り分けるな
 私たちが一番最初、執行部に入ったときに、突然集中度を落とした時があります。先生方の記憶にあると思いますが、あの時は6%ぐらいに落ちました。そのとき我々執行部にかなりクレームが来ました。「何で急に落としたんだ」と。確かに、事前に先生方といろんな協議をしないで、落ちたということは、私たちの手落ちだったかもしれませんが、そのままでいけば多分6%とか、7%、10%を切った数字でいったかもしれません。

 それから医療センターからクレームがあったわけです。強制的に患者を振り分けるなと。それで、今のところは患者さんの自由にしています。自由にすると、先程冨永先生のお話にあったように、病院のロビーで患者さん同士が情報交換をし合うんですね。どうしても近くにある、全部揃う、そういったところに優先的に行くものですから、目の前の薬局の集中度がだんだん上がってきているんです。

会員のための市薬薬局

○冨永代議員(早良)

 今のように、どんどん市薬薬局の方に処方箋が集中していきますと、恐らくまた人手が足りない、また薬剤師を入れる、パートを入れる。恐らくあそこに入り切るいっぱいの患者さんが来て結局得たないといけないという状態になるんじゃないかと思います。その辺は考えながら、できるだけ面分業のため、会員のための市薬薬局であるということに留意しながら運営していただきたいと思います。

○光安副会長

 見積損益計算書を見て、この数字をいつも頭の中に入れて行動したいと思います。実際、去年も大体これだけの数字が出ていたんです。縮小にならないんです。逆に薬価差とか、その辺の対外的な条件によって、損益の数字が大きくなっていきます。ですから、これはある程度集中度を下げざるを得ない状態です。同時に、大庭先生がおっしゃったようにリストラは当然並行してやらなくてはいけないことだと思っています。

○蔵元代議員(博多)

 「備蓄情報ネットワークの構築」とありますが、今後具体的にはどのようにされるのか。たしか備蓄のリスト表が3年程経ってできておりますが、今後どういうふうな方式で作っていくのか。確かにいっぱいコンピューターを入れているところもありますが、そうでない場所もあります。まして、情報というか、だんだん薬の備蓄は変っていくわけです。その辺も含めて、どんなふうにしていくのか、教えて頂ければと思います。

生きた備蓄情報

○光安副会長

 リスト表をつくっても、1カ月、2カ月ではデッドストックとか、在庫の切れとか、生きたリスト表になっておりません。先ほど予算絡みで説明があったように、コンピューター化して、その中に生きた備蓄情報を提供できるようなシステムを早急に図りたいと思います。そのコンピューター化もちょっと時間がかかるものですから、とりあえず各支部における備蓄リストをつくります。2カ月以内ぐらいで作りたいと思っています。

○蔵元代議員(博多)

 それはどんな感じのものですか。というのは、個々の薬局が協力しなければ、備蓄リストはできません。それはペーパーもしくはフロッピーで送りつけるのですか。

○光安副会長

 今、市薬にはフロッピー云々で活用するコンピューターはありません。ですから、ペーパーにならざるを得ません。

○蔵元代議員(博多)

 将来的には、まだ、その辺は実態調査でどのくらいの薬局にそういうレセコンとは別にコンピューターがあって、使える人たちがいるのかというところまで把握して、出来るだけ生きた情報が使えるようにしていただくとありがたい。備蓄リストの本が出るか出ないかは別として、市薬に一番新しい情報が集中していれば、電話でそれをお聞きするだけでも、自分の近くの薬局で交換なりができるので、できるだけデッドストックを少なくできるかなと思います。

○光安副会長

 福岡市の場合、これだけ分業が進んでいる割には、そういう備蓄とか、その辺のシステムは全く遅れています。逆に分業率が低い所ほど、会員の立場に立った、そういうシステムが非常にうまく図られています。その辺を我々は見習って、早急にシステム化を図りたいと思いますので、先生方のご協力をよろしくお願いいたします。

○井上代議員(南)

 今、我々のところでもデッドの問題がすごく出てきているわけです。市薬薬局の方からデッドというのは来ていますが、我々個人薬局のデッド情報。先ほど蔵元代議員が言われたように、備蓄リストをつくられるんだったら、その中にデッドの情報も一緒に入れていただければ、少しでもデッドストックの問題が解消できるのではないかと思います。

 4月に入ってから、ファックスが一枚来ました。市薬が週休2日になるということです。仕事が忙しいので人員は増しました、しかし週休2日にしますと。それはちょっと違うんじゃないかと、感じたんですが。

○藤原会長

 事務局は土曜日はほとんど会員の出入りもないし、機能していないわけです。そういうことで職員に対する福利厚生の問題もあり、ただただ厳しいというわけにはいきません。一応ベースアップは中止いたしております。ただ昇給はやっております。そういうことで一応試行期間をおいて、今年1年、事務局の実情を見た上でやろうということで実施しているわけです。

月はじめの土曜日

○井上代議員(南) 

 そうであればそれで結構ですが、ただ、前置きもなしに、4月から週休2日にしますということでは、我々は納得できない。まして、レセプト時期に例えば月末、月初めの土曜日になりますと、どうし ても明細書が足りない、レセプト用紙が足りないという問題が起こってくるんじゃないか。」

 4週5休とか4週6休とか、試行されるんだったら全休にしなくてもそういう形のやり方があったのではないか。先ほど言われた「忙しいから、人員をふやさなくてはいけない」ということからすれば、少し矛盾してくるんじゃないかなと思いました。

○藤原会長

 今の忙しいという問題と、事務職員の仕事の分担の問題はちょっと違うんですね。今は特に女性の職員の問題で言っているわけで、これはあくまでも試行期間ですから、特別なときにはあけてくれという要望が多いようであれば、また考え直さなければいけません。これは支部長会でもご説明しておりますが、そういう意見をお伺いしながら、改めるべき点は改めたいと思っております。

○井上代議員(南)

 せめて月末、月初のレセプトの提出期間ぐらいは、どなたかお1人でも結構ですし、交代制にされるなどして開けていただければと要望いたします。

○藤原会長

 対応いたします。

分析とかデータのヒント

○末田代議員(南)

 先ほどの冨永代議員の質問に関して、市薬理事の方たちに要望です。県薬の薬局実態調査に先駆けて、市薬は薬局実態調査をなさいました。光安副会長は一応出したということですが、それに関して分析も報告も我々は一切受けておりません。

 どういうふうにかかりつけ薬局、その他OTC薬局を伸ばしていくか。そういうものがつかめていないと合澤副会長はおっしゃいましたが、その実態調査の中をよく考察していけば、その分析とかデータのヒントがあると思うんです。それをもう一度振り起こして分析してください。

 県の薬剤師会でやった分は、私ども薬局委員できちんとデータを出しまして分析いたしまして、県薬会報に載せております。そういうふうな形で、もう一度実態調査を調べ直して、私どもに詳しい報告をしていただきたい。

 その中に、我々今からの薬局がどういうふうな方向で生き抜いていけるかというヒントがきっとあると思うんです。これはあくまでも要望です。せっかく実態調査があって、会員が何かいい結果が出るんじゃないかと期待していたことが何も報告されないのはとても残念なことです。近いうちに『市薬ジャーナル』などに報告していただけたらと思っております。

○本村代議員(早良)

 試験センター契約料、これは入らないんでしょう。

○合澤副会長

 製造許可を取っている薬局は試験センター契約料を払うような形になると思いますが、実際的に、例えば私も製造許可を取っていますが、実態は何も製造しておりません。具体的に言えば、製造許可を取っている薬局は約170軒ありますが、その方たちはこのままの状態でいくと、試験センター契約料を払うことになると思います。

 その中でも実際的に薬局製剤を製造してある方は、当然試験センターと契約しなければいけないことになります。全体的に申しますと、恐らくそれは1割前後ぐらいだと思いますのでほとんどが、この予算の中から消えていくだろうと思います。

○本村代議員(早良)

 それはもう確定ですか。

○合澤副会長

 確定です。

○本村代議員(早良)

 説明してくれますか。今「確定」と言われましたが、では、薬事法の11条の条文はどうなるんですか。

○合澤副会長

 さっき県の薬務課の方と代理の方がみえてました。それで、宮崎先生と3人で、「それはどうなるんですか」と薬務課にお尋ねしているんですが、その方も、11条の件について「日薬はどういう見解を出すんですか」なんです。昨日も一昨日も新規の薬局の申し込みが2件あり、契約料の更新に来られた方もありました。

 現状の中で、最初の日は僕がいたから、来られた方に「こうなりました」と説明をしました。そうしたら、「それでは契約しません」と言って帰られました。

 それから、新規の方にも事務の方で説明したら、「それではちょっと新規契約をするのは待ってください」と帰られました。

薬剤師会の存在価値

 本村先生の言われている契約料だけの問題ではないと思っています。新規入会、それから先ほどからも言っておられますOTCの方たちのメリットが少なくなるということになってくれば、この予算案の中の第1款の第1項の「会費」「入会金」。

 それから何軒か経営してある理事の方に、これが始まる前に「特別会費と会費はどれぐらい払っている」と聞いたら、「200万円払っている」とおっしゃっていました。それは検査センターの契約が必要ですからね。しかし薬剤師会の存在価値というのはそれだけではないです。

 それでも「それだけ払わないでいいようになったら助かる」とおっしゃっていました。ですから、会費、入会金、特別会費の収入、これまでに影響する大きな問題だと思います。そして、これは今、事務局長に、更新に来られた方の様子を見ていてくださいと、頼んでいるんです。

 それでも「契約します」とおっしゃるか、「やめた」と言って帰られるか、ここ3カ月なり半年なり様子を見てやっていかないと、財政状態が薬剤師会の根幹にかかわる問題になってくるだろうと思います。

存続の危様

 それと、市薬薬局はとても厳しくなると思います。今年の予算で、このままいけば約800万円、900万円の赤字になります。これとこの検査センターの契約のことも含めて。皆さんの現在の薬局も9月の改正、それから今度の4月の改正でかなり厳しくなっていると思います。

 個々の薬局も、それから薬剤師会も本当に真剣にどういうふうにやっていくか考えないと、存続の危機に瀕する状態になることもあり得るというふうに感じております。

 予算案をつくってしまいましたが、できれば、6月の決算のときまでに修正できる箇所があれば、修正して、お金は必要なとき、使わなければいけないときは使いますが、全体的に緊縮財政的な予算に修正していかなければいけないだろうと思います。

○本村代議員(早良)

 薬剤師会員になるためには試験センターの契約が大きな柱だったんです。だから、今からこういうのがなくなるということになって、例えばOTCなどに入会しなさいと言ったって、だれも入らなくなるんじゃないかと思います。すると薬剤師会の会員はみんな調剤薬局ばかりになってしまうんです。そこをどういうふうに考えられているかおたずねします。

 価値あるものにしていかないと

○合澤副会長

 かかりつけ薬局と関連してくると思いますが、僕は20年間、OTCをやっておりました。OTCと調剤薬局の状況は、現在はそう変わらないと思います。かかりつけ薬局というのは、OTCであれ、調剤薬局であれ、本質的には変わらないと思います。

 今の質問に具体的に答えるとすれば、薬剤師会に入っていて、1年間10数万円か払っています。それから普通の調剤薬局ですと、30万、40万円払ってあります。これだけ会費を払って薬剤師会に入る理由があるかどうか、メリットがあるかどうか。それを皆さんと一緒にそれだけの価値のあるものにしていかないといけないだろうと思います。

 それは私たち執行部で一生懸命考えますので、何か皆さん方もいい提案があったら、ぜひ教えて頂きたいと思います。みんなで一緒にやっていきたいと思います。

〔樋口副議長、式町議長に交替〕


採  決

○式町議長

 議案第1号平成10年度事業計画決定の件、これに関しまして、理事者の提案どおり可決することに賛成の方は挙手をお願いいたします。

〔挙手多数で可決〕

議案第2号平成10年度会費決定の件

〔挙手多数で可決〕

議案第3号平成10年度歳入歳出予算決定の件

〔挙手多数で可決〕

議案第4号借入金限度額決定の件

〔挙手多数で可決〕

〔閉会の辞 合澤副会長〕

〔午後6時27分 閉会〕


第69回総会議事録平成10年4月11日 福岡市薬剤師会館講堂

〔午後6時29分 開会〕

会長演述

 本日の代議員会におきましては、数々の批判もございました。それらすべて真撃に受けとめまして、前向きに運営してまいりたいと思います。この総会で、代議員会で決まりましたことを承認していただくことになっておりますので、何とぞご承認をいただきますようにお願いしたいと思います。どうか拍手でお願いいたします。

〔拍  手〕

○藤原会長

 ありがとうございました。一応総会で承認していただいたということで、次に、一つ、ご提案を申し上げたいと思います。顧問就任の件でございます。木村英樹先生に新しく顧問になっていただきたいと思います。皆様方に温かく顧問就任をご了承いただきたいと思います。いかがでございますでしょうか。

〔拍  手〕

○藤原会長

 ありがとうございます。なお、久保田顧問は継続して頂く予定でございます。

○司会

 最後に、閉会の辞、合澤副会長、よろしくお願いいたします。

〔閉会の辞 合澤副会長〕

 無事代議員会が終わりました。それから代議員会で質問されて、回答しなければいけないことが幾つかあると思います。例えば薬局実態調査を『ジャーナル』に載せること。次号は間に合わないと思いますので、早急に載せます。

 それから保険料のこと。議事運営委員会のあり方について、どういうふうな見解をもって検討するのか。それからまだ幾つか回答をしなければいけないことがあったと思いますが、議長にお聞きしながら、回答する必要があるものがあれば、追って回答していきたいと思います。

〔午後6時34分 閉会〕

 

薬局実態調査

以下のとおり467薬局のデータが回収できましたので報告します。

今後とも面分業の発展推進のためには、保険薬局の機能充実を計らなければなりません。とりわけ、麻薬の取扱い許可は、保険薬局として当然とるべき条件ですので、よろしくお願いします。

また、「訪問薬剤管理指導」「労災」「結核」「原爆」「生保」等の届出も積極的に申請して、どんな種類の処方箋が来ても応需できる体制を作って頂きたいと思います。

福岡市薬剤師会 社保・分推委員会

 

試験検査センターとの利用契約について(ご案内) 社団法人福岡県薬剤師会

平成10年3月30日付薬事法施行規則の改正により、薬局開設・一般販売業等の許可要件で ある「指定試験検査機関」との利用契約は、必ずしも必要ないこととされましたが、この規 制緩和措置で薬局が取扱う医薬品の品質試験の実施義務が廃止されたものではありません。

薬事法施行規則 第11条第1項(同第29条の3により一般販売業〔卸売一般販売業を含む〕にも準用されています)
 薬局開設者は、薬局の管理者が医薬品の適切な管理のために必要と認める医薬品の試験検査を、薬局の管理者に行わせなければならない。
 ただし、当該薬局の設備及び器具を用いて試験検査を行うことが困難であると薬局の管理者が認めた場合には、薬局開設者は厚生大臣の指定した試験検査機関を利用して試験検査を行うことができる。

したがって、自ら、又は厚生大臣の指定する試験検査機関と契約、又は委託して医薬品の試験検査を行うべきことについては、何ら変更はありません。

また、薬局薬品製造業の許可をあわせて取得している薬局については、新たに指定された 試験検査設備を備える必要があり、自ら備えない場合は、「指定試験検査機関」との契約が 必要となります。

つきましては、自ら設備を備えられる以外の薬局開設等に際しましては、医薬品の品質管 理上必要として「指定試験検査機関」と利用契約を締結されますようご案内申し上げます。

なお、利用契約の期間は、薬局等の許可の期限と同じ期間でご契約をお願いします。

 

試験センター利用契約について(お知らせ) 社団法人 福岡市薬剤師会
会 長 藤 原 良 春

会員各位すでにご高承のとおり、本年3月末日の法律改正によって、今まで薬局の開設ま たは同許可更新の際に添付していた「試験センターとの利用契約書」が必要でなくなりまし たが、薬局が取扱う医薬品の品質検査を行うべきことについては、何ら変更はありません。

したがって、試験検査設備及び器具を自ら備えない場合は「指定試験検査機関」との契約 が必要となります。

つきましては、今後、新規開設あるいは許可の更新の折には、自ら備えない場合は従来ど おり市薬試験センターとの利用契約を締結頂きますようお願い申し上げます。

薬局等における医薬品試験の実施状況については、薬事監視の対象になると考えられ、試 験検査機関との契約または委託による試験検査も、その実施実績と見なされます。

なお、契約料金は北九州試験センターと同額の下記統一料金となっていますので申し添え ます。

              記

      試験センター利用契約料 年額1,200円

[広報]

会議報告

【理事会】

日 時
平成10年5月20日(水)

議 事

1.会長挨拶
(会長は早良支部総会出席で少し遅れられた為、光安副会長挨拶)
 今理事会は協議事項に時間を取りたいので報告事項の時間を短縮したい。
 次回6月15日の理事会には各理事会の議事録を1週間前迄に出してもらいこれによって報告事項の大半を省略できるかを試してみたい。

2.報告事項(委員会報告参照)

3.協議事項
(1) 常置委員会委員の推薦について
 総会が終わった支部から順次委員の推薦があり委員が揃いつつあります。常務理事の先生方は各委員の先生を早急に覚え次第活動を軌道に乗せて頂きたい。
(2) 試験センターの契約について
 薬事法施行規則の改正による規制緩和措置を受けての契約内容・契約金額について承認願いたい。(拍手により承認)
(3) 三津家先生叙勲受章祝賀会について
 常務理事以上の役員が発起人と成り150人規模で行なう。
(4) 指定外応需薬局に対する負担金徴収について
 応需薬局以外一覧(九大病院)では平成10年3月分応需薬局以外合計枚数が現院外処方せん発行率55〜60%で379件であるのでオーダリングが始まればもっと増えるであろうと考えられるので応需薬局以外からも負担金を徴収する。
(5)その他
 7月10日・11日 9:00〜17:00にエルガーラにて福岡市保健衛生局主宰の「ダメ・ゼッタイ」運動が行なわれる。
 これに市薬も後援し、薬局委員会と学校薬剤師会が中心となり薬草茶と薬酒と共に出動する。

4.今後の日程
 6月26日予算臨時代議員会に向けての日程

(K.T.)

【支部長会】

日 時
平成10年5月19日(火)

議 事

1.会長挨拶
 各支部の総会が終わった支部で、支部長が交代され新体制で活動を始められたところだと思います。来月は決算の代議員会を開きます。今日は試験センターとの契約について協議したいと思います。委員会のスタートはもう少しかかるだろうと思いますが、皆様のご協力をよろしくお願い致します。
 ・新支部長の抱負
  〔博多〕鶴原潔
    博多は在宅で木原先生が頑張って来られましたのでこれは継続していきたい。
    会員各々が自分からアクションをしてもらうようにしていく。
  〔西〕占部吉幸
    50歳代の支部長というのではなく、これからは、40代・30代の若手が支部長に
    誰もが成れるように育成していきたい。
    かかりつけ薬局の問題も抱えてはいるが、これを充実させる為にも支部そして
    市薬に役立つ若手を育成することを急ぎたい。

2.報告事項(委員会報告参照)

3.協議事項
(1)常置委員会委員の推薦について
 ・支部選出の委員の選出を早くし、報告を急いでもらいたい。
  実際全委員会が動き出すのは6月に成ると思われる。
(2)試験センターとの契約について
 ・今回の規制緩和措置で薬局が取扱う医薬品の品質試験の実施義務が廃止されたものではない。
  県薬会員の利用契約料は月にすると100円で6年契約。
(3)県薬及び市薬代議員の確認について
 ・支部選出代議員交代の確認
 ・県代議員に合澤(市)副会長を選出したいので各支部に検討してもらいたい。
(4)その他
 ・市薬には試験センターがあるということをもっと医師等にアピールする必要がある。
  (くすりの専門家であること)
 ・三津家元市薬会長の叙勲祝いは7/18ニューオータニにて17時より行う。
 ・ダメ・ゼッタイに協力を。

委員会報告

【在宅委員会】

日 時
平成10年4月27日(月)

議 事
○モデル事業集計報告
○反省点及び今後の課題
○ケアマネージャーの試験について
○マリンメッセで開催される介護イベントのPR(福岡市より企画部長春口さんへ)

日 時
平成10年5月26日(火)

議 事
○ケアマネージャーの試験に対する取り組みについて
○その他

 

【市薬薬局委員会】

日 時
平成10年4月14日(火)

議 事
○平成10年度における市薬薬局の動向
○医療センター、処方箋発行窓口の移動(5/1より)
○平成9年度、業務報告
 予算に対して業績はアップしているが、収支においては、負債がでている。
○受付事務員、補充の件
・九大オーダリング及び上記の点を考慮した上で、業務の見直しをはかる。
○長期研修生の件
・ももち浜調剤薬局より申し出の研修生は受け付ける事とする。
・長期研修制度について各会員に報告及び募集を行う。
○デッドストックの件
・各会員に市薬薬局のデッドストック一覧、DS用分譲用紙、記入法を郵送する。
○平成10年4月分、見積りについて
・4/14 見積りについての説明会
・4/17 入札
・4/21 開札
○市薬薬局横に横断歩道設置依頼
・入江専務が対処
○市薬薬局委員会の開催日について
・毎月、第2火曜日とする。
○九大オーダリングの現状について

日 時
平成10年5月12日(火)

議 事
○4月分業務報告
・昨年度平均との比較
○デッドストック分譲の状況
・8件19剤
○コンピューターデモの件
・ノア、エプソンのデモを行い、ノアより見積りをとる。
○薬剤情報提供の取り方
・薬剤情報提供の意義を患者に説明する事を前提とし、基本的に毎回、算定する。
○事務員の件
・市薬薬局におけるルーチン業務の見直しを行いながら、考慮する。
○厚生省薬剤師実務研修事業について
・九州医療センターにおいては、5月末より3名実施予定
・市薬薬局における研修予定は県薬を通じて確認する。
○市薬薬局スタッフの研修希望
・ルーチン業務を踏まえた上での研修ならば支障無し。
・九州医療センター薬剤部に相談
○横断歩道の件
・継続して要望を出す。
○緑化協定の件
・ツツジより他の植物への変更等を考える。
○その他
・備蓄薬品、分譲の動きは2〜3ケ月様子をみる。
・一年に2回、デッドストック情報を流す。
・九大附属病院、5月25日よりオーダリング予定。
 5月17日 全体テストに理事も立ち会う。

 

【薬局委員会】

日 時
平成10年5月27日(水)

議 事
○平成10年度の事業計画
・かかりつけ薬局
 在宅介護相談などを通じて、気軽にお客、患者とコミュニケーションをもつ。
 具体性をもたせ実行しなければならない−> 例)表示看板etc.
・薬局製剤の件
(1) 4月より試験センターとの契約で一部改正になったが、薬局及び薬局製剤製造には
 契約必須のため新規会員には、積極的に加入をすすめる。
(2) 過去の薬局製剤実習について、アンケートをとり、それを生かして、継続するとの
 意見。責任者は国武委員。
・あいれふ薬草観察会(市薬会員も含む)
 ケアマネージャーの試験予定日
 9/20・9/27・10/4・10/11 はできるだけ避けねばならないので、
 10/18(日)or10/25(日)
 あいれふ側と打ち合わせの為、近日中に面会にいく予定(光安、中野、毛利)。
・その他
(1) 7/10(金)・7/11(土)
 市保健福祉局主催で薬物乱用防止キャンペーンを、大丸エルガーラで行う。
 去年同様、市学薬、薬局委員会に協力要請あり。
 今年は、薬草茶、薬酒の提供予定。

 

【広報委員会】

日 時
平成10年4月15日(水)

議 事
○ジャーナル5月号
・第1校正、編集 その(1)
 (今回初めて試みとして第1校正を4/15・17で行う予定)
・追加原稿、写真etc.を加えてレイアウトやり直し。
○ジャーナル7月号
・取材計画

日 時
平成10年4月17日(金)

議 事
○ジャーナル5月号
・第1校正、編集 その(2)
・追加原稿、写真取り込み

日 時
平成10年4月27日(月)

議 事
○ジャーナル5月号
・第2校正、編集
・追加原稿、写真を加えてレイアウト再度考える。
○ジャーナル7月号
・企画
○同時間に4F講堂での在宅委員会の取材を兼ねていたので、あわただしい委員会となった。

日 時
平成10年5月23日(土)

議 事
○ジャーナル7月号掲載の4/11代議員会要旨作成の経過報告
○“広報委員会のシステム化を考える”第1回
・今後の課題として続けてゆく予定

日 時
平成10年6月5日(金)

議 事
○市薬ジャーナル7月号
・原稿集め
・委員会報告作成
・7月号の企画をつめる
○それぞれ自己紹介
・石井先生、鮫島先生を迎えて
○「薬物乱用」への広報の取り組み
・薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」ホームページを全員へ配布。
 これを基に各自、企画を練る(ジャーナルでシリーズに取り組む)。
・市薬、又は市学薬、又は広報で薬物乱用のスライドを作成したいという意見−>実現させたい。

支部だより

〔南〕

日薬のモデル事業「在宅介護相談薬局支援事業」が3月で終了しました。2年後の介護保険の実施に向けて、少しでも多くの事例を集めいい実績が出るように頑張りました。参加した11薬局のデータを集計しましたので、報告致します。

地域住民に一番近い位置での対応が可能な薬局が、相談の窓口として地域住民の切実な介護、医療に関する悩みなどに対応しました。この成果が在宅医療の中で薬剤師の職能をみつける道標になるような気がしています。

在宅保健、医療、福祉委員会でもご協力いただきました。介護保険の設立に伴いケアチームの中に必ず薬剤師が参入できるよう、力をつけておかねばなりません。薬剤師の目を通した在宅ケアに知識と職能を見つけたい ものです。

 

「在宅介護相談薬局モデル事業」

介護、福祉分野における薬局、薬剤師の存在を地域住民に理解していただくための一方法として、「在宅介護支援センターへ相談協力員制度」への組織的参加のために、「街角相談薬局」としての職能を十分にはたす努力 をしています。

全 国  60地区・3000薬局が参加
福岡市  70薬局



相談内容

1.介護方法
・退院後のリハビリ
・褥瘡の手当て
2.介護用具
・介護用ベッド
・電動ベッド(リースはないか)
・ポータブルトイレと消臭剤
・ストマー用品
・週間投薬カレンダー
・車椅子
・治療用ピンセット
・リハビリ用品
3.施設入所
・老人ホームに入りたいが保証人が要ると言われ、自分には身寄りが無い。
・介護者が病気でショートステイに入れたい。
・デイサービスに行きたい(入れたい)。
4.住宅改造
・退院後の1人暮らしが不安。歩行不自由のため住宅改造したい。
5.医療相談
・糖尿病、痴呆、被害妄想、尿失禁、薬の飲み忘れ、薬の飲み過ぎ、重複投与
6.悩み相談
・独居の不安
・介護に対する不安
・介護者の疲労、不満
7.在宅福祉サービス
・おばあちゃん退院後の介護に在宅福祉サービスを利用したい。
・神戸に住む高齢姉夫婦のケアについて
・入浴サービス
・ホームヘルパーを頼みたい

 

10年度「南保健所予防課健康づくり会議」

  進行:予防課長

1.開  会
2.あいさつ       自治連合会長
3.グループ紹介
4.資料説明・質疑    予防課長
「健診の意義について」 医師会副会長・内科医会
5.グループ討議・・大まかに団体ごとに3グループに分ける
「強化週間に健診受診者を増やすための各団体の取り組みについて」

6.グループ討議内容発表
7.出席者へのお願い
(1)地域医療機関の先生方へ 医師会長
 ・受診者に「健康教室」受講のお奨めを
(2)地域役員へ       区衛連会長
 ・強化週間には誘い合わせて受診を
8.閉会あいさつ       保健所長

 

「医薬研究会みなみ」

  国立南福岡病院

第1回 小児喘息 院長 西間三馨先生
    大人の肺気腫 副院長 鶴谷秀人先生
第2回 花粉症について アレルギー科医長 岸川種子先生
第3回 アトピー性皮膚炎について 小児科医長 柴田瑠美子先生
第4回 最近の結核について 内科医長  池田東吾先生
第5回 小児における感染症について 小児科  加野草平先生

 毎回多数の薬剤師に参加していただき、とても密度の高い医薬研究会です。

 6/7の国立南福岡病院の健康フェアに両区薬剤師会も参加し院外処方せんの推進「かかりつけ薬局」のPRを行う予定です。

(支部長 末田順子)

 

 

〔西〕

〜支部総会〜

日 時 5月22日(金)19時より
場 所 三四郎
出席者 21名市薬より1名

一連の議題は承認され、支部選出委員は、在宅委員が仲上一成先生から中間道子先生(愛宕浜梅薬局)にバトンタッチされた以外は前年度同様に担当して頂く様に決定しました。委員以外の先生方も各委員と共に西支部の為に活躍されることを期待致します。

市薬(合澤副会長)より、商組加入薬局について、又吉田斌常務理事より試験センターの利用契約について連絡がありました。

中野勝郎常務理事より 〜Shall we dance?〜 健康フェア、薬草観察会等本年度の計画も聞きたかったのですが、話の盛上りでいつの間にか22時を過ぎ和やかななかで閉会しました。

吉田先生、長期間支部長の役目大変ご苦労さまでした。執行部でのご活躍を期待致します。

(支部長 占部吉事)

 

 

〔博多〕

〜 定期総会を開催 〜

日 時 平成10年5月9日(土)5:00PM
場 所 ホテルステーションプラザ

第21回定期総会が開かれ、2期4年がんばっていただいた木原会長の挨拶と、4年間のまとめを織り込んだ話がありました。ほんとうにお疲れ様でした。つづいて、来賓として、福岡市薬剤師会副会長光安先生、日本薬剤師 会副会長荒巻先生より「これからはOTCも調剤も大変厳しい時代にさしかかっている」ということが話されました。

つぎに議題に入り、各報告事項と議案事項の審議がなされ、承認されました。今期で2期4年会長を務められた木原先生が勇退され、会長選挙が行われました。新会長に鶴原潔先生、副会長に森川公雄先生、監事に細井徹一先生が選任されました。

懇親会は多くの来賓の方々をお迎えして、薬剤師会を取り巻くさまざまな人々の心温まる話が、至る所で行われていました。美味しいものを食べながら語り合う楽しいひとときも夜のとばりと共に盛況のうちにお開きとなりました。

 

〜博多支部理事会〜

日 時 平成10年5月21日
場 所 市薬会館

 執行部の紹介が行われ、役割分担がきめられました。
役員名簿

会 長 鶴原  潔(十字堂)
副会長 森川 公雄(森川誠心堂)
専 務 蔵元 良行(聖和堂)
会 計 平野光佐子(サンエフビル)
薬 局 真鍋登代子(スマイル調剤)
組 織 見元 希六(KCA)
分 推 高木 淳一(そよかぜ)
社 保 森 千江子(双和)
広 報 石井 雅明(若菜)
在 宅 木原三千代(シティ)
学 薬 堀之内真紀(いずみ)
損 保 磯田 秀幸(若草)
監 事 細井 徹一(住吉)

“一生懸命博多支部の仕事をして行きますのでよろしくお願いします。”

(専務理事 蔵元良行)

 

 

〔早良〕

〜早良区薬剤師会 総会報告〜

日 時 平成10年5月20日 19:00〜
場 所 「喜水亭」荒江店
会員出席者 82名中   27名
      (委任状) 40件
来 賓 市薬会長:藤原良春
新役員 支部長:本村精也
    副会長:清水達三・浦上光子

 平成10年度総会は支部長の本村先生の挨拶に始まり、式次第にそった議事が福岡先生の司会で進行されました。
 会員の方々の拍手承認のあと、5名の議員の先生方を交じえた懇親会にうつり、終始和やかな雰囲気の中、情報交換等、交流を楽しみました。

(書記 西岡啓子)

【支部訪問】おじゃましま〜す!

今号より広報委員が各支部のイベントや講演会、時には薬局の方に訪問して、取材するコーナーを作りました。おじやましました折にはどうぞ宜しくお願いしま〜す。

広報が皆様のお呼びをお待ちしております。 (K)

 

中央区編〜中央区薬剤師会総会にて〜

中央区薬剤師会総会が5月15日に行なわれた。今回の企画は吉原顧問弁護士の特別講演「今後心配される医療現場及び店頭におけるトラブルに対するトーク」がメインだったが、40分程のビデオを挟んでの講演ですばらしい 内容だった。

さらに会場も出来上がって4カ月程の市民福祉プラザということで、非常にタイムリーな企画だった。梅末支部長ほか役員の先生方のご努力の結果であろう。

懇親会も盛り上がって広報関係についてもいろいろとアドバイスを頂いた。山崎拓政調会長も駆けつけて、薬価基準等のかなり細かなお話までしていただいた。4日前の12日に連絡したので、日程的には無理だろうと思っていたところ、スケジュールの合間を縫って駆けつけていただいた山崎拓議員に梅末支部長も感激を隠しきれず、「今後も後援はしっかりやっていかなければならない」と話された。

他支部の総会を見学する機会に恵まれ、今後支部間の交流も大事ではないだろうかと考えさせられた。今回の中央区薬剤節会総会の成功は役員の先生方の企画のすばらしさだったと思う。

(上村義徳)

 

もしトラブルに巻き込まれたら…〜吉原弁護士の講演を聴いて〜

「今後心配される医療現場および店頭におけるトラブルに対するトーク」(講師 吉原淳治市薬顧問弁護士)これは中央区薬剤師会総会に引き続いて行われた講演会の演題である。まず暴力団対策のビデオがあった。ビデオの前半では暴力団の手口を紹介。

見るからに暴力団と思われる兄貴と弟分の迫力に、もし道でこの二人に出合ったら絶対に係わり合いにならないように反対側へ避けるし、もし係わり合いになってしまっても早々に要求を受け入れ逃げ出したいと思った。手をかえ晶をかえ食い下がってくる二人の暴力団に、小心な私はビデオなのに怯えてしまった。

ビデオの後半ではその有効な対策が示された。ビデオのあと吉原弁護士が暴力団とはどんな組織なのか歴史をひもときながら説明され有効な対応を示された。

(1) 相手を知る(名刺をもらう、車のナンバーを控えるなど)
(2) 尋常ではないと思われる時には所轄の警察署(派出所ではだめ)に相談すると人物の特定はしてくれる
(3) 要求を正確に聞く(テープレコーダーなどでしっかり記録する)
(4) 根拠がない時は早い時期にはっきりと断る
(5) 警察・弁護士に相談していることを相手に告げる
(6) 文書は絶対に書かない
(7) 「調剤ミス」や「説明不足による間違った服薬」などこちらに落ち度がある時も対応は同じ
(8) 相手の指定する場所には行かない(詳細は市薬ジャーナル97年9月号P.2〜3を参照)

恐がって逃げ腰になればなるほどつけ込まれる、他のお客様と同じ態度で冷静に毅然とした対応をするように(これができるかどうか問題だが‥・)とのお話だった。

講演を聞いて、人の困惑につけ込むような不当なことも「早期に専門家に相談J(相談料30分5000円)など、ごく常識的な対応で対処できることが判りちょっと安心した。

それに「私も暴力団の介入を経験しましたが、全く吉原先生のおっしゃる通りだと思います」という会員の発言に勇気づけられた。内心そうは言っても教科書通りに事が運ばないかも知れないと思っていたので。

わが薬局は暴力団のターゲットになることはないと思うが、間違っても要求に屈するような選択はしないと思う。また彼等は法に触れるような暴力の行使はしないということも心強い助言だ。

(M)

 

事務局だよりはじめまして (社)福岡市薬剤師会事務局 次長 金房守

姓は「かなふさ」昭和12年、レトロ門司の生れ。生来の動物好きが高じて、獣医師に。親の目の届かぬ所で羽根を伸ばそうと、福岡市に衛生管理職として就職。中央保健所を皮切りに、東保健所を除く全保健所と、鮮魚・ 青果・食肉の各市場検査室で食品衛生検査に従事。

昭和53年から5年間、市教育委員会学校保健課に勤務、学薬の先生方との出会いはこの頃から始まり、昭和62年度からの、市学校給食センター在職中は、学校や給食センターの衛生管理で大変お世話になりました。

又、平成5年頃問題になった、砂場の細菌・寄生虫汚染問題の際にも市衛生試験所(現保健環境研究所)で学薬の先生方と、久々の出会いもありました。さらに、平成8年度から、「油山市民の森・自然観察の森」の自然の中 で、各区薬剤師会の薬草観察会にお付き合いさせていただきました。この度、市薬のお誘いにより勤務することになりましたのも、何かの御縁と、少しでもお役に立てたらと考えております。

趣味は高校時代に始めた動植物採集と、大学時代に始めた馬術。未だに馬術連盟の仕事や、学生馬術の指導で、日曜・祭日を楽しんでいます。それに時折りの魚釣り、兎に角、アウトドア志向です(乗馬をしてみたい方には県内外の乗馬クラブも紹介致します)。

“草を頭にのせ楽しんでいる姿”が薬と云う字だそうですが、残りの人生も無理をせず、自然と共に生きて行ければと考えております。どうぞよろしく。

【学薬のページ】第47回九州地区学校保健研究協議大会出席報告 福岡県学校薬剤師会 監事 古賀隆

第2回学薬理事会

日 時 平成10年5月7日(水)
出席者 藤原会長、吉田・女賀両副会長、木原専務、
    吉村・樋口・坂田・中野・深見・井上各理事、野口・木村両監事
協議事項
1.学校プール衛生研修会について 5/25に行う。
2.本年度事業の進め方について、テーマを薬物乱用についてとする。


○新任学校薬剤師に対して、水道水検査の講習実施

 出席者 福岡市:9名 市外:6名

○H10年度第一回学校水道水質検査

 H10年5月実施

○学校プール衛生管理講習会

 H10.5.25(月)福岡市薬剤師会
 出席者 福岡市:91名 市外:27名

 今年は学校プール衛生管理研修会要録が大巾に変りました。

 教育委員会の平川先生よりプール施設の管理や教育指導の話、女賀先生よりプール水管理と残留塩素測定法のオルトートリジン法に変って採用されて行くDPD法(ジェチル−P−フェニレンジアミン法)の説明がありました。

 DPD法採用時は、現在使っているアドバンテック社の器具に使える同社のDPD比色板(¥6,000)を購入し、試薬は安定性の良いハック社の使い切りキットのDPD顆粒分包を使えば安定した結果が得られるとの事です。

 試験センターによりますとハック社とアドバンテック社の比色板は吸光度を測定した所、一致したそうです。本年度はDPD法による残留塩素試験には、学薬は対応しません。

 今回のテキストは、塩素の特色やろ過器などの説明がキチンとあって好評です。

(理事 吉村きく子)

 

第49回十三大都市学校保健協議会 ‥ 京 都 市 ‥

平成10年5月17日(日)・18日(月)
国立京都国際会館

課題別協議内容
 第1分科会〔健康教育〕
 第2分科会〔保健管理〕
 第3分科会〔精神保健〕
 第4分科会〔地域保健〕

 十三大都市学校保健協議会は、このような4つのテーマをもって分科会に分かれて協議する。福岡市学校保健会からの提言は「地域保健活性化に向けた学校三師の活動について」であり、福岡市学校薬剤師会に与えられたのは口頭提言であった。

 昨年(大阪市)は福岡市医師会から「福岡市における学校検尿の現状と問題点について」を紙上提言されていた。

 今回も次のような口頭提言4題、紙上提言4題について協議された。

 

課題別協議内容

第4分科会 〔地域保健〕
  学校、家庭、地域の連携による、保健活動の活性化と防災教育の推進。

ルーム157 1F
 助言者  山口 豊(京都市消防局安全救急部長)
 助言者  糸岡 悟(京都市学校薬剤節会監事)
 座 長  今村 馨(京都市学校保健会副会長・薬剤師会長)
 運営委員 原田敬子(京都市学校保健会理事)

福岡市学校薬剤師会は「学校保健研究大会の開催について」提言した。医薬分業が進むなか、学校薬剤師会が直接検査にたずさわることが少なくなってきたこと、また培地や廃液処理の問題などでも衛生管理の試験が薬局でやれなくなり、薬剤師会の試験センターでしていること。そして、薬物乱用防止活動への取り組みについてスライドを使って報告した。

質問になり、会場に来ておられた広島県医師会副会長の桑原先生から、「薬剤師会に試験センターがあることは学校薬剤師の試験検査の精度の点で非常に信頼がおけて素晴らしい。学校でなんとなくちょっとやってあるように見える検査は、大丈夫なんだろうかと思っていたので」との発言があった。現場でしかできない検査は、それなりにとても重要な検査であることを理解してもらった。

大きな会場で参加者全員で弁当を食べる昼食時間。北九州市の先生方と一緒になった。

見回すと、少し離れたテーブルに福岡市医師会の竹嶋会長と学校保健担当の先生方がおられた。さっそく第1回学校保健研究大会における特別講演のお礼と今秋予定している児童生徒の図画・ポスターを募集しての『福岡市薬剤師会長表彰』のお願いに行った。戻って食事をしていると肩越しに声をかけられた。

振り返ると医師会の先生方が名刺を持ってあいさつにこられていたのには恐縮、名刺を持ってなかったもので、慌てて会長に振ってご挨拶をお願いした。

医師会がポスターの審査をされるとき、薬物乱用防止活動については本当に良い作品があり、薬剤師会がなさることはとってもよいことだとの言葉をいただけたのは、本研究協議会に参加しての最大のお土産なのかも知れないと思いつつ帰路についた。

(専務理事 木原三千代)

 

学校プール衛生管理研修会

5月25日市薬会館で学校プール衛生管理研修会が開かれた。保健体育課の平田課長は挨拶の中で、プール日誌の変更の部分に触れより細かくなった検査項目に、今後はもっと厳しく指導していきたい旨を語られた。

またプールには入れない場合の頭じらみなどいじめのケースもあるので慎重に対応するなどの問題点も出された。

講演では保健体育課の指導主事平川壮先生の分かり易く実際的なお話、また福岡市学校薬剤師会副会長の女賀信子先生の具体的な滅菌器・プール用殺菌剤のお話があった。

さらに残留塩素測定法がオルトートリジン法からDPD法に変わりつつあることから、DPD法についても説明があった。

セットした机だけでは収まりきれず、後方にさらに椅子をセットして、市薬の講堂は熱心な会員の先生方で一杯になった。

市薬会員91名、糸島・宗像・筑紫・粕屋より27名、計118名の出席者であった。

(上村義徳)

お知らせのコーナー

文芸

中医略史(7)

足利学校にて「導道練師記念講演」要旨より

今日は足利学校へお招き項きまして有難うございます。実は私もこの足利学校の卒業生なのです。経史、諸子百家の書を学んで志を厚くしておりました。

私が医学に志を立てたのは15歳の時です。妙心寺派に入って僧侶となりましたが、その後この足利学校へ入ったのです。

しかしながらいま行われている医法は『頓医抄』が主で、これは唐代に巣元方が著わした『諸病源侯論』の綱目にそって『千金方』『千金翼方』『聖恵方』『三国方』『百一方』『事証方』『済生方』『和剤局方』などを参考に梶原性全が著わしたものです。

まだまだ不備な点があると思い、当時の私は明に渡って勉強したいと強く思っていました。元の時代に李東垣、朱丹渓が出ておりその医法が広く行われていると聞いて、その医法がどのようなものであるか勉強してみたいと思っていました。

長享元年(1487年)私が23歳の時、商船に便乗して明に渡りました。唐の鑑真は日本に渡るのに5たび遭難に会っています。それを思えば私の旅などは楽なものでした。

明では銭塘におられた潤徳斎先生について勉強しました。潤徳斎先生は李東垣と朱丹渓を研究して僧医として人々から尊敬されていました。先生は私より早く明に渡っていました。そして朱丹渓について深く研究していた虞天民よりその医法を習ったのです。

私は潤徳斎先生について12年間勉強しました。確かにその医法は『和剤局方』とは段違いで、感激した私は一生懸命勉強しました。そして明応7年、私が34歳の時に意を決して帰国したのです。その時潤徳斎先生は自分で書かれた『類証弁異全九集』『済陰方』をくださり、私はそれらをありがたく持ち帰ったのです。

潤徳斎先生はしっかりと私の手を握って 〈頑張りなさい〉 とひとことおっしゃったまま涙を流しておられました。私も泣きながら二度と先生にお目にかかることはないかも知れないと思いましたが、帰郷の気持ちは変わりませんでした。

潤徳斎先生には親身になって考えていただき本当にお世話になりました。ご恩に報いることなく帰郷することを考えると後ろ髪を引かれる思いで、何度も船の上から手を振りました。

潤徳斎先生の師事された虞天民は朱丹渓のみではなく張仲景や孫子過、李東垣の影響を受けており、『医学正伝』を著わしています。潤徳斎先生の『全九集』もその流れから『医学正伝』に似てすばらしい出来映えになって います。すばらしい書を有難うございましたと、もう一度改めてここでいわせてください。

私は日本に帰ってきて李東垣、朱丹渓の医法を伝えなければならないとまず考えました。いま行われている『和剤局方』による単純な医法を改めなければならないと強く思っています。ですから今日このような機会を戴いたことは私にとって非常に嬉しいことなのです。

さていよいよ私が明で学んできたことをお話していきたいのですが、潤徳斎先生の『全九集』に次のようにあります。

これは巻の三の養生法の中にありますが、何事も過ぎてはならないことをいっています。

以下略

導道練師と名乗った人物こそ田代三善に他ならなかった。記念講演はこの後李東垣、朱丹渓の医法について詳しく語られた。『和剤局方』が主だった当時の若い医家にはその講演内容は非常に衝撃的であった。講演が終って立ち上がった学生の拍手はいつまでも鳴り止まなかった。16世紀初めのことである。

そして実はその学生の中に曲直瀬一漠がいた。後の道三である。この初めての出会いが道三にとって運命を決める出会いとなった。

田代三喜はその後も関東一円を巡って診療し、李朱医学の普及に務め李朱医学の始祖となった。後に三享は『三帰廻翁医書』(『三帰十巻書』)を著わした。幻の名著といわれ長く失われていたが、たまたま昭和38年に山形書店より見つけだされ幻の名著は再び日の目を見ることになった。

導道練師記念講演要旨は残っていない。後に直曲瀬一渓が田代三喜を訪れていることを考えると、足利学校での講演内容がいかにすばらしかったかが伺える。

(上村義徳)

会員の移動

会 務 日 誌

4月3日  支部長会            19:30
  7日  議事運営委員会         19:30
  8日  学術委員会           19:30
      急患委員会           19:30
  10日  常務理事会           19:30
  11日  第41回通常代議員会       15:00
  14日  市薬薬局委員会         19:30
  15日  学術研修会           19:00
      広報委員会           19:30
  17日  広報委員会           19:30
      薬業研修会           14:00
  23日  顧問会             19:00
  27日  広報委員会           19:30
      在宅医療委員会         19:00
5月7日  急患委員会           19:30
      学術委員会           19:00
  12日  薬業研修会           14:00
      市薬薬局委員会         19:30
  13日  学術研修会           19:30
      在宅医療委員会         17:00
  19日  支部長会            19:30
  20日  理事会             19:30
      試験センター連絡協議会     11:00
  22日  福岡医療圏協議会        19:30
  23日  広報委員会           19:00
  26日  在宅委員会           19:30
  27日  薬局委員会           19:30
  28日  学術研修会           19:00
      処方検討会           19:00

[編集後記]

〜 温度差〜

在宅の考え方、取組み方には体温計の範囲 を超えた温度差がある。今期会長も2期目を 迎え、理事の先生方にも油が注がれ、高温傾 向へと平均化していくと期待する。 とても残念なのは、“インタビュー”で「特 にマンツーマンの所はやりやすいと思いま す」というアドバイス、これは面分業を目指 す市薬としては意味不明の言葉といえよう。 在宅と分椎の連携、又他の委員とのスクラ ムを堅固なものとしてほしいものだ。

(津田和敏)

〜 はじめまして 〜

この度広報委員になりました。初めての事 でうろうろしてるばかりですが、市薬ジャー ナルの良い紙面作りのお手伝いが出来ればと 考えています。今まで漫然と読んでいたジ ャーナルでしたが、仕事が終わってから集ま ってひたむきに紙面作りに勤しんでいらっし ゃる他の広報委員の方達を見ていると、皆さ ん!もっとしっかり読んで下さい!と叫ばず にはおられません。そして、なにより読まず にはいられない、次の号が待ち遠しいと思わ ずにいられないようなそんなジャーナルが作 れたらいいなと、思っています。まだまだ自 分のやることを把握する事で精一杯の段階で すが、皆さんに助けられながら頑張っていく つもりですので宜しくお願いします。

(鮫島千織)

〜 再確認〜

編集作業の一部に初めて携わり、長時間の 根気のいる仕事に驚きと自分自身の国語力の 無さを再確認させられた日々です。

(石井雅明)

〜究極の愛〜

「私、介譲って、究極の愛だと思うの」と 森高千里女史はのたまう。また、さる方は「5 k痩せることが出来る人と家族の介護をやっ ている人は尊敬する」とも。ズシリと重くグ サリと深い胸にこたえる言葉である。いろん な意味での余裕や潤いが今の私には欠けてい る。まだまだ修養が足りません‥・。 さて、話はコロツと変わるが、我が広報委 員会も強力なスタッフが加わり、いよよ華や いでとても新鮮。皆で手をつないで大波小波 を乗り越えたい。 辛口、甘口、冷やかしの御意見(まるで利 き酒?)お待ちしております。

(北島啓子)

〜特  権〜

総会の季節も終った。早良区の総会はもち ろんであるが、広報委員として中央区・南区 の総会にも立ち会った。 地区によってそれぞれの特徴があり、役員 の先生方のご苦労のほどが分かる。 考えてみると部外者が他支部の総会に参列 出来るということは、大変な特権である。そ の支部の状況、雰囲気などが分かり、比較す ることによって自分の支部が見えてくる。 良い点、悪い点、強いところ、弱いところ などを考えると、本当に役員の先生方はそれ ぞれに頑張っておられる。 それにしても広報委員は、理事会や支部長 会さらに代議員会と参列できる。執行部にピ ッタリとくっついていきながら、公平な目で 書いていくことができる。 『市薬ジャーナル』はもっともっと良くな っていける。みんなのジャーナルを、みんな で良くしていこう。

(上村義徳)

 

問題の答

問題A・・・正解3
問題B・・・正解5
問題C・・・正解1
問題D・・・正解5

  

平成10年7月15日発行
福岡市中央区今泉1丁目1番1号
社団法人 福岡市薬剤師会 TEL 092-714-4416
FAX 092-714-4421
担当副会長 合 澤 英 夫
常務理事  北 島 啓 子
委 員   石 井 雅 明
      伊 東 美 穂
      上 村   徳
      鮫 島 千 織
      津 田 和 敏
      戸 田 昭 洋
      森 山 健次郎
発行人   藤 原 良 春
発行部数  1、3 5 0 部
印刷所   (有)興英社印刷