■ 巻 頭 言
薬局薬剤師が生き残るには? (社)福岡市薬剤師会 副会長 光安龍彦

薬価基準制度が発足してから的半世紀が経過する。この制度をめぐって色々な問題が提起されてきた。その提起のほとんどが「薬価差益」にかかわるものだ。薬価差益がもたらした悪影響は色々な社会現象を生んでいる。

ここでは特別に例記はしない。薬価差益により日本の医薬分業が遅々として進まなかった事に我々薬剤師皆歯がゆい思いをしながら生きてきた。しかし、昨今、医療経済のリストラとして薬価差益が限りなく「零」に近づいている事は、大いに歓迎すべき事である。

物と技術の分離が進みさらに一層医薬分業が推進されると思われる。ここで、推進されると思われると記したのは、1つの大前提すなわち「国民が分業のメリットを実感できる医薬分業を薬剤師自らの手で実現出来る」かどうかにかかっている。

先般、新聞誌上で医薬分業に対するアンケート調査の結果が報告されていた。

分業に対して、
  「メリットあり」  22.4%
  「メリットなし」  52.6%
  「どちらでもない」 13.4%
  「特になし」    10.6%

「メリットあり」が2割もある、2割しかないの2通りの受けとり方ができるが、およそ8割の患者さんが医薬分業のメリットを感じないまま、二度手間と高い負担金を払って薬を受けとられている事をまず認識しなければ、薬剤師の一人よがりの医薬分業の推進もスローダウンしてしまう。色々な情報公開、消費者の要求度のアップ、権利意識のアップなど様々な新しい事に対してきちんと対応出来なければ、薬局・薬斉服市は消費者・患者さんから支援を得られなくなるだろう。

保険調剤の世界にも競争原理が働き、薬剤師の質向上、薬局の機能、設備の向上等を計り、競争に耐えた薬局のみが消費者や患者さんに認知されるものと信じそいる。

福岡市薬剤師会では、事業の一番大きな柱に「かかりつけ薬局」の育成をかかげており、色々なチャンスをとらえて「かかりつけ薬局」をPRしている。その一弾として「処方せん受付ポスター」を新規作製した。(56頁参照)「すべての病院・診療所の処方せんを受け付けております」との表示ポスターをはる勇気を是非もって頂きたい。このポスターを見てあなたの薬局に来局したお客さんが、あなたの薬局を「かかりつけ薬局」として認知するかどうかの大事な一歩である。この一歩を大事にして、地域住民から支えられる「かかりつけ薬局」になりたいものである。

<日薬学術大会 in SAPPORO>

第31回日本薬剤師会学術大会 札幌
薬局新聞H10.5.30「今、薬剤師は何をすべきか」 やはり北海道産のホップは違う!

<日薬学術大会 in SAPPORO> 自然のぬくもりを全身に感じて 参加者/学薬理事 坂田博子

樹齢数百年?の大樹に寄らばH10年9月18日(金)〜20日(日)札幌にて開催の第31回日本薬剤師会学術大会に参加して参りました。札幌ではその間、幸いにも好天気に恵まれ、北大や街の散策も、又味覚(タラバガニ、ビール)も全てマル。プラタナス、ポプラ、ナナカマド(赤い実が可愛い!)白樺と樹齢数百年?の大樹に圧倒されつつ、同時に自然のぬくもりを全身に感じました。「千歳の川で鮭の産卵が始まった・‥」今福岡に帰ってきてテレビのニュースを開くと懐かしくなります。

学校薬剤師部会は 「地域医療活動と社会活動」のセッションの発表が多くそちらに出席 しました。福岡からは県学薬として木原副会長が「シンナー・薬物乱用防止啓発活動の取 り組みについて」県下一斉のアンケートの報告をされました。この様なテーマについては他に3件の報告が他の部会でなされ、今、シンナー・薬物乱用防止に対する啓発の重要性の声が上っているのを感じました。

又どの発表も地域に密着した研究ばかりでしたが、特に興味深かった例を紹介してみたいと思います。

*小樽市のプール事情について

市の小、中学校45校のうちプール設置校は6校のみ、設置率はL%(全国では75%)海水浴場を利用して小学生対象に水泳講習会を開催しているとのこと。毎年、小樽市学校薬剤師会で海水浴場の水質検査を実施してから、水質を確認した後に講習会を開催しているということでした。小樽という土地柄、良好な海水浴場に恵まれているからこそ可能なことなのでしょうが、一般の市民に対しても検査結果は大切なところでしょう。海水浴場とプールが隣接していてもプールの利用者が多い昨今、消毒剤を使用しない海水浴、自然の中での子供達の水泳講習会の楽しそうな顔が浮かびます。

*札幌市学校薬剤師会で実施されている学校検尿について

札幌市学校薬剤師会では昭和47年より尿中の蛋白、糖、潜血の3項目の検査を市立の小学、中学、高校で実施、受検率は98%。2回の検査を行ない連続陽性の者について検査センターにて検査を受け、専門の医師による判定を保護者に通知。過去12年間で診断が確定された2,806名の中、無症候性血尿が1,409名で最も多く、次いで無症候性蛋白尿、糖尿、慢性腎炎と報告されました。

学校医と学校薬剤師の協力のもと「おしっこはえらい」というイラスト入りのパンフレットを作成し、各家庭に呼びかけているとのこと。そのパンフレットは学校検尿は検査のための検査ではなく健康教育の一環として考えられていること、また学校三師の説明も記載されていてわかり易い、可愛らしいパンフレットでした。昔、自分の学校での苦い検尿の経験を思い出しながら、その大変な努力に驚くと同時に、学校薬剤師と学校医の協力体制の太さを感じる発表でした。

*保健室備え付け医薬品について

釧路市学校薬剤師会では養護教諭による保健室医薬品について正しい知識をという要望を受け、アンケートをとり、それをふまえ医薬品使用マニュアルを作成し、各学校に配布したと報告がありました。アンケートにより使用薬品名、保管状況を、関心度としては副作用、使用選択、使用法などあげられ、特に使用する内容も学校で異なり、小学校では外用薬(マキロン(R))、高校では内服薬(バファリン(R)・ビオフェルミン(R))が多いということ、これらを把握して作成されたそうです。

今、薬物乱用の低年齢化や医薬品による事故など新聞、テレビなどで報道され医薬品への関心が高まっており、時機にあった活動だと思いました。

他にも、神戸市学校薬剤師会の中学生と一緒に実施した砂場の検査の報告や、東京の教室の換気についてなどありましたが、どれも地域に溶け込んだ顔の見える薬剤師活動の数々、その努力に触れて有意義な学会参加でした。学会の講演要旨集を読まれたい方はご連絡ください。

北海道厚生年金会館前で

<日薬学術大会 in SAPPORO> ポスターセッション・薬剤業務と情報 発表者/博多区 社保委員 森千江子

「PTPシート誤飲についてのアンケート調査」(第2報)についてポスター発表をおこなった。今回は、ヒート誤飲の事例も紹介し、第1報(平成9年 九州・山口大会)参照より問題意識を高める発表となった。

他には、在宅をテーマにした発表も多く、介護保険導入をふまえ、医療だけでなく、福祉にも薬剤師がどのようにかかわっていくか、など在宅へのかかわり方が少しずつ変わりはじめていると感じた。

千代丸先生・森先生・鶴原先生

<日薬学術大会 in SAPPORO> 〜ポスターセッション〜  PTPシートの形態変更(中央分割線の除去)による
患者の服用実態について(PartU)
発表者/大賀薬局 千代丸康重

<はじめに>

PTPシートの誤飲による硬い鋭角部の食道粘膜への刺入、穿孔が原因した縦隔洞炎症等の重篤な合併症の多数の症例から、昨年よりシート形態の変更(中央分割線の除去)が実施され、添付文書中においても使用上の注意、薬剤交付時の注意として喚起されるようになりました。前回の調査(市薬ジャーナル7月号掲載)において、切取線がなくなった事により半数近くの人が不便に感じており、3〜5割の患者が事前にハサミで切断して服用している事が明らかとなりました。

そこで今回、何故切断するのか?またどのように切断しているのか?ということについて、患者からのアンケートと処方箋の薬剤数等から考察してみました。

<方 法>

博多区の6つの薬局において薬剤師自身により直接患者からアンケートをとり、その人の処方内容も添付してもらい集計を行いました。

<結果と考察>

●PTPシートの誤飲の経験があると答えた患者が4名存在しました。 ●PTPシートを事前に切断して服用している患者が5割程度存在しました。 ●内服薬の数の増加に伴い5種類以上で6割以上の患者が、また9種類以上ではすべての患者がPTPシートを事前に切断している事が明らかとなりました。 ●男女間では1〜2種類の場合男性では1割程度の人しか切断していないが、女性では男性の3倍にあたる3〜4割弱の人が切断している事が明らかとなりました。 ●さらに、ただ漠然と切断しているわけではなく、飲み忘れ防止や薬剤の携帯の必要性から切断しており、その実態については別表で示すように患者各々が実に多様な切り方をしている事が明らかとなりました。

以上のことから、中央の分割線の除去や押し出して服用することを注意喚起することのみではPTPシートの誤飲をなくすことはできないということが明らかとなりました。今後は、直接患者にPTPシートが渡らない投与方法やPTPシートの材質(柔らかいものにする等)や形状(シートを大きくして口に入らないほどにする等)の変更など医療機関と製薬メーカーとの間で協力して研究していく必要があると考えます。

最後に今回のアンケートをお願いし快く御協力下さいました各薬局の薬剤師の皆様方、また、多大なご指導とご協力をしていただきました森先生、木原先生、九州大学の澤田先生にこの場をかりて感謝の意を表したいと思います。

何故、切断したのですか?薬剤数毎の切断している割合
服用するために何か工夫をしてますか?にこやかに解説

<日薬学術大会 in SAPPORO> 〜発  表〜
「地域医療活動と社会活動」分科会
=第13回福岡県学校薬剤師全県下一斉調査
薬物等乱用防止活動の取組みについて=
発表者/福岡県学校薬剤師会 副会長 木原三千代

札幌市で開催された「第31回日本薬剤師会学術大会」で、県下一斉調査と福岡市における取り組みについて提言した。

福岡市薬剤師会における「ダメ。ゼッタイ。」キャンペーンの参加協力は、昨年度@福岡県保健福祉部薬務課、A福岡市保健福祉局地域医療課、B西警察署・少年補導連絡会・酉福岡防犯協会等各主催の3回を数える。この中で教育委員会が参加しているのは、Bの旧西区で開催されているものだけであり、学校保健活動のより積極的な地域保健活動への取り組みが待たれる。

このような活動が評価され、今秋の福岡市学校保健大会で「福岡市薬剤師会長表彰」が、初めて子どもたちに授与されることになっている。例年、福岡市学校保健大会では、教育委員会と医師会で健康に関する図画・ポスター・作文を募集し、優秀な作品に市長賞やあいれふ賞、そして医師会長賞が贈られている。歯科医師会は、独自に日本歯科医師会で募集したもので表彰されている。このように三師会のなかで、薬斉蠣両会長表彰だけが無かったのだが、教育委員会の課長、係長、指導 主事の先生方、そして医師会の大変なご理解により実現できることになったことを発表して終わった。市の学校保健大会は12月であり、札幌での発表に間に合わなかったのが残念である。

質問は3点、@薬剤師が使いやすいスライドや資料などは作成されているか Aこのような活動に対する行政の補助金は獲得しているか B県下一斉調査はどのような意義があるのかについて、自己満足に過ぎないのではと言いたげに尋ねられた。@は今年度計画していること、Aは残念ながら行政の助成は得られていないこと、Bについては各地区薬剤師会ごとに集計して、学校保健会など対外的に活動報告していることを伝えた。

薬物等乱用防止活動については、他のいくつかの分科会でもすばらしい報告が発表されており、地域における薬剤師活動として重要な位置づけになっていることが伺えた。ただ、「薬剤師会長表彰」のような対外的アピールの手段が報告されている例は、まだ全国レベルでもないようであった。

「薬剤師会長表彰」では対外的アピール喫煙・飲酒・シンナー等薬物乱用防止活動の取り組み

<日薬学術大会 in SAPPORO> 「医療保険制度と薬剤師」分科会 参加者/(社)福岡市薬剤節会 副会長 光安龍彦

新千歳空港

@ 量と質の問題

処方箋枚数

上記の様に発行枚数は急激に伸びている。1億枚アップの応需の為に10,000人の薬剤師が新たに必要となる。

右肩上がりの時代では医薬分業も経済的プラスにより上昇していたが、今後は量より質、本当の意味の分業のメリットを薬剤師自ら示さねばならない。

A 薬価改訂

薬剤比率

薬価改訂が実施されているが、新薬シフトの為薬剤比率はほとんど変わらない。

B 新薬価制度

与党協、日医、メーカー、卸連合、各々の立場に差があり調整はかなり困難を呈している。

仏、独等でも新給付制度を実施しているが2〜3年でパンクしている。

C 新薬剤師の誕生への条件

文部省、大学等への要求は別として、医療現場の薬剤師の理解や協力なしに薬剤師教育は成立しない。病院の薬局、地域の薬局での実習を確保するためには現薬剤師の資質向上も必要である。

<日薬学術大会 in SAPPORO> クラーク博士に会ってきました 参加者/(社)福岡市薬剤節会 副会長 合澤英夫

日薬大会に行って来ました。

佐谷会長の特別講演、医薬品の流通と供給、薬剤師業務と情報等の分科会に出席しました。流通と供給の分科会に大いに期待していたのですが、予想していた内容ではなく少し残念に思っています。而し、全国の薬剤師が、それぞれの立場で随分がんばっている姿を見聞し、僕ももうひとがんばりしなければと思いました。又ポスターセッションには興味深いテーマがあり、いくつか資料を送ってもらうようにしています。ゆっくり勉強してみるつもりです。

少し時間がありましたので、小樽、北大の構内を見物し、クラーク博士に会って来ました。札幌は異常に暑く、政治も経済も気象までもが少々狂い気味のようです。有名なすすき野、札幌ラーメンを体験したかったのですが、機会がありませんでした。帰宅して家人にそう話したら、“何云ってんの、4年前の北海道方衆行の時、夜のすすき野も、ラーメンも食べたじゃないの”との事。そう云えばそんな気もします。どうも最近物忘れがひどく、ボケが始まったのかも知れません。

中年よ 大志を抱いているか?

<日薬学術大会 in SAPPORO> 日 薬大会出席 〜心の洗濯inススキノ〜 参加者/(社)福岡市薬剤節会 常務理事 井上嘉明

9月18日快晴

日薬大会への出発日、空港にて、会長、副会長、学薬理事の先生方と合流。

初めての北海道、期待に胸が膨らむ。

11時40分、新千歳空港定刻着。機内より見えた雄大な大地に感動した。

翌日からの大会に備え、美味、珍味を求めて小樽の町へ。残念ながら小樽での夜景は見ることが出来なかったが、中野先生と夜のススキノで心の洗濯。街並が美しく、ネオンのまぶしさが中洲とは一味違って見えた。

学術大会では、流通分科会、情報分科会、ポスターセッションを中心として勉強させてもらった。詳細については機会があれば紹介したい。又、「かかりつけ薬局」の育成の為に役立てたいと思っている。

疲れた脳に明日の英気を!

<私のやっている医療薬学研究 連載第3回> 「レセプター」が関係した薬の作用(上) 九州大学薬学部薬剤学講座 澤田康文

A レセプターに作用する薬物

薬物とレセプターとの相互作用について考える場合、アゴニストおよびアンタゴニストに分ける必要があります。ではどのような薬物がアゴニストあるいはアンタゴニストとして医療の場で用いられているのでしょうか。

近年では、生体の生理機構や病因の解明にともない、薬物の薬効発現機構も詳細に検討されるようになり、それに併って特異的なレセプターに作用して治療効果を発揮する薬物も数多く開発されるようになってきました。またその一方で、主作用に関連するレセプター以外のレセプターに薬物が作用して副作用を惹起するものも存在しています。

a)レセプターに作用して治療効果を発揮する医薬品

<アンタゴニスト>
 

生体内のレセプターと相互作用することにより、薬効・薬理作用を発揮する薬物が開発され、種々のアンタゴニストが医薬品として疾病の治療に主要な役割を担うようになってきました。現在臨床で用いられているアンタゴニストとしての主な薬物を表1に示しました。

表1 レセプターに作用して治療効果を発現する主な医薬品(アンタゴニスト)

主に内服で用いられる薬物を示しましたが、ベンゾジアゼピンレセプター桔抗薬、アドレナリンレセプター遮断薬、ヒスタミンレセプター遮断薬など多種多様の薬物がアンタゴニストとして臨床で繁用されているのが分かります。そして、同じアドレナリンレセプターでもαやβ、ヒスタミンレセプターでもH1やH2など、種々のサブタイプに特異的に作用する薬物が開発され、それらのサブタイプの違いにより治療効果すなわち適応症が異なっています。

例えば、ヒスタミンH1レセプターアンタゴニストは抗アレルギー薬としてヒスタミンH2レセプターアンタゴニストは消化性潰瘍治療薬として用いられています。これは、レセプターのサブタイプの違いによりそのレセプターの機能も異なっている場合が多く、それらを特異的に遮断することにより適応症も相違することによります。

また同じサブタイプのレセプターに作用する薬物でも、治療効果が異なるものがあります。例えばアドレナリンαレセプター遮断薬では、タムスロシンは排尿障害のみに、プラゾシンは排尿障害の他に高血圧症にも適応が認められています。これは、アドレナリンαレセプターにさらにサブタイプが存在するか、薬物の臓器選択性が関与していると考えられます。

また、ドパミンD2レセプター遮断薬では、ドンペリドンが消化管賦括薬として、スルビリドが消化管轄括薬および精神分裂病治療薬として、ハロペリドールが精神分裂病治療薬として用いられています。これは主に薬物の臓器移行性の相違によるものと考えられています。ドンペリドンは血液脳関門の透過性が悪いため主に末梢での作用しか示さず、ハロペリドールは血液脳関門の透過性が良いため中枢での作用を目的に用いられています。

スルビリドの血液脳関門透過性は両薬物の中間に位置するため、中枢での作用を期待する場合に600mg/日、末梢での作用を期待する場合には150mg/日というように、用量を変えることにより両方の治療効果を発揮させることができます。

一方、錐体外路系の副作用を考えた場合、これら3種類の薬物の中ではその危険性はドンペリドンが一番少ないことになります。このように、同じレセプターに作用する薬物でも、サブタイプ選択性などの薬力学的相違や薬物の臓器移行性などの体内動態学的相違などにより、その薬物の適応症が異なることに注意が必要となります。

レセプターに作用する最近開発された新規のアンタゴニストとしては、精神分裂病の治療に用いられるセロトニン5−HT2レセプター遮断薬であるリスペリドンや、気管支喘息の治療に用いられるトロンボキサンA2レセプター遮断薬であるセラトロダストなどがあります。

<アゴニスト>

現在臨床で用いられているアゴニストの主なものを表2に示しました。

表2 レセプターに作用して薬効・薬理作用を発現する主な医薬品(アゴニスト)

主に内服で用いられる薬物を表に示してありますが、アンタゴニストと同様に同じレセプターでも、薬物の違いにより治療効果すなわち適応症が異なっているのが分かります。例えば、アドレナリンβ2レセプターアゴニストでは、サルブタモールが気管支拡張薬として喘息の治療に、リトドリンが子宮収縮抑制薬として切迫早産の治療に用いられています。

レセプターに作用する最近開発された新規のアゴニストとしては、精神安定剤として用いられるセロトニン5−HT1Aレセプター刺激薬であるク主ン酸タンドスピロンなどがあります。

b)レセプターに作用して副作用を惹起する医薬品

治療効果発現に関係するレセプターと相互作用する薬物の他に、生体内の種々のレセプターと相互作用して副作用を起こす薬物もあります。それには、治療効果発現に関係するレセプターに作用することにより副作用を起こす薬物と、治療効果発現に関係しない別のレセプターに作用して副作用を惹起する薬物とがあります。

前者の例としては、β一遮断薬が挙げられます。表3にβ−遮断薬の副作用を示しましたが、その多くのものがβ−レセプター遮断作用に基づくものとして知られています。

表3 β−遮断薬の主な薬効と副作用

例えば、気管支喘息は気管支のβ2−レセプター遮断、不眠などの中枢神経障害は脳内のβ2−レセプター遮断によるものと考えられています。また、β一遮断薬を点眼投与で緑内障の治療に用いた場合には、全身循環へ移行したβ一遮断薬が心臓のβトレセプターおよび気管支のβ2−レセプターを遮断することにより、全身性副作用を惹起するこ とが報告されています。

後者の例としては、抗うつ薬が挙げられます。表4に抗うつ薬の種々のレセプター遮断に関係する副作用を示しましたが、何れも抗 うつ薬の主作用に関連したものではありません。

特に抗うつ薬の場合は、治療効果よりも副作用の方が速やかに発現するため、ノンコンプライアンスの原因の一つにもなっています。主な副作用は、表4にも示した通り、ヒスタミンHlレセプター遮断作用による傾眠、ムスカリニックアセチルコリンレセプター遮断作用による口渇・尿閉、アドレナリンα1レセプター遮断作用による起立性低血圧、ドパミンD2レセプター遮断作用による錐体外路症状などであります。

c)同じレセプターに作用する薬物間の比較

臨床で用いられているレセプターに作用する薬物の概略を述べましたが、ある特定のレセプターに対するアンタゴニストあるいはアゴニストは1種類だけではなく、他種類の同種同効薬が開発されているのが一般的です。例えばβ−遮断薬では、本邦で26種類もの同種同効薬が市販されており、それらの用量には薬物間で最大6株{の相違が見られています。

しかし、各薬物間での薬効・薬理作用および用法・用量の相違に関する解析はほとんどなされていないため、実際の治療においては十分な比較情報が無く、薬物療法の多様化と混乱を招く一因となっています。

また、抗うつ薬のように種々のレセプターと相互作用して副作用を起こすものに関しては、どの薬物が副作用が多く、どの薬物が少ないかということも明確にはされていません。これらの薬物群、例えばβ一遮断薬や抗うつ薬、の個々の薬物を薬学的に比較検討できるならば、薬物療法における適正な薬物の選択に有用であるばかりでなく、薬剤師から医師へ薬物療法に関する薬学的な提言を適切に行うことができると考えられます。それには、各薬物の薬物動態学的情報および薬力学的情報が必須であります。しかし、それら単独の情報のみからでは評価が困難であるため、両者を統合して解析する方法論が不可欠であります。

その一つの方法として、薬物がレセプターに結合している量を指標として検討することが考えられます。次項からは、薬物とレセプターとの結合量あるいは結合率に焦点を当て、これらの薬物が実際に生体に投与したときにどのようにレセプターと相互作用しているのか、そして薬物個々においてどこが違うのかについて、解析の実例とともに解説していきたいと思います。

B レセプター結合占有率

次にアゴニストおよびアンタゴニストとしての薬物と細胞膜レセプターとの結合について考えてみることにします。

a)細胞膜レセプターと相互作用する薬物の薬物作用発現過程

細胞膜レセプターと相互作用して薬物作用を発揮する薬物の場合、その過程を簡単に考えると、図1のように表すことができます。

図1 細胞膜レセプターと相互作用する薬物の投与から作用発現までの概念図

図には医薬品を経口投与した後に、薬物が全身血中に移行し、さらに作用発現部位の細胞膜上にあるレセプター近傍まで到達し、レセプターと結合することにより薬物作用が発現する過程を示してあります。薬物作用を考える場合、投与量あるいは血中薬物濃度を革に検討しているのが現状であります。この場合、投与量には投与されてからの体内動態が加味されていないため、体内動態が加味されている血中濃度の方がより精度良く薬物作用を推定できることは周知のごとくであります。しかし、β一遮断薬の例を表5に示しましたが、狭心症に適晦のある同効薬は20品目以上あり、これらの薬物における臨床使用時の常用量あるいは血中濃度には薬物間で100倍以上の相違があります。

表5 β−遮断薬の共振治療における常用量と臨床有効率

従って薬物間の薬物作用を比較をする場合には、常用量あるいは血中濃度では難しいことが分かります。

これは薬物個々のレセプターへの結合のし易さとしての薬力学的特徴が加味されていないためであります。レセプターに薬物が結合してからの反応が、同薬効間で同じであるならば、この体内動態と薬力学を考慮した薬物のレセプターへの結合占有率が薬物間での共通の指標になると考えられます。

b)薬物とレセプターとの結合

それでは薬物とレセプターとの結合を考えてみることにしましょう。例えばβ一遮断薬のような、可逆的にレセプターと結合する薬物の場合、図2のように模式化することができます。

図2 薬物とレセプターと可逆的な結合

すなわち、薬物は一定の速度(Kon)でレセプターに結合し、一定の速度でレセプターから解離(Kon)していると考えます。これが平衡状態になった場合、次式のように表すことができます。

式1

ここで、〔R〕はレセプターの濃度、〔D〕はレセプター近傍の薬物濃度、〔DR〕はレセプターと薬物の複合体の濃度を表わします。

このレセプターからの薬物の結合解離を表す指標として、KoffとKonの比(Koff/Kon)が用いられており、これを解離定数(Kd)とよんでいます。この値が小さいほど、少ない薬物濃度でレセプターに結合できることになり、レセプターに対する親和性が高いということになります。

c)薬物のレセプター結合占有率

それでは、レセプター結合占有率(◎)とは何でしょうか?これはレセプター総数(総濃度)〔Ro〕に対する薬物とレセプターとの複合体数(複合体濃度)〔DR〕の比であり、次式で表すことができます。

式2

レセプターの数(濃度)に変化が無い場合には、レセプターへの薬物の結合量を示す指標となるため、薬物作用を検討する場合において各薬物間で共通の尺度として考えることができます。それでは、このレセプター結合占有率はどのように求めることができるのでしょうか?現在ではPET(ポジトロンエミッショントモグラフィー)を用いて、ヒトに放射性薬物(放射性リガンド)を投与した後に直接測定する方法と、推定したレセプター近傍の薬物濃度から算出する方法などがあります。式(1)で示した薬物とレセプターとの反応は、質量保存の法則に従うので、解離定数Kdは各々の濃度を用いて表すことができます。

式3

また、レセプターの総数(総濃度)であるRoは、薬物と結合していないレセプターと結合しているレセプターとの和で表すことができます。

式4

薬物のレセプターへの結合占有率(◎)は式(2)で表すことができ、ここで式(3)と式(4)を式(2)に代入して展開すると、式(5)のように表すことができます。

このように、レセプター結合占有率(◎)はレセプター近傍の薬物濃度と解離定数から算出できることが分かります。

d)レセプター解離定数

レセプター解離定数(Kd)は、前述のようにKo茸とKonの比(Koff/Kon)であるこ蓼 とは既に述べましたが、その実態は分かりにくいものです。それでは、分かりやすくするために、式(5)から考えてみることにします。結合占有率が50%の時を考えてみると、式(5)は以下のようになります。

これを整理するとKd=〔D50〕となり、Kdはレセプターの50%を占有するのに必要なレセプター近傍の薬物濃度と考えることができます。従って、先にも述べたように、このKdの値が小さいほど、レセプターに結合しやすいということになります。例えば、Kdが10nMの薬物Aと20IIMの薬物Bの例を図3に示します。

薬物Aではレセプター近傍の薬物濃度が10nMでレセプターを50%結合占有することができるし、薬物Bの場合には20nMないと50%結合占有できないことになります。

このように薬物のレセプターからの解離定数は、薬物の作用を考える上で重要な薬力学的パラメータとなります。解離定数は、薬物を放射性物質で標識してレセプターへの結合の濃度依存性から求めたKd値、同じレセプタ一に結合する放射性リガンドの結合を薬物を添加したときの阻害作用の濃度依存性から求めたKi値、薬理学的な反応の濃度依存性などから算出されるKB値として求められます。

この解離定数はレセプターへの結合の親和性を示すものであり、新薬のパンフレットなどにも掲載されていることが多いようです。その一例としてガナトン錠(R)のパンフレットの記載例を図4に示しました。

ここでは放射性リガンドである3H−スピペロンの結合を、3種の薬物が阻害する曲線から求めたPki値(Pki=logKi)が示されています。

e)薬物濃度とレセプター結合占有率

次に、レセプター近傍の薬物濃度とレセプター結合占有率との関係を考えてみましょう。式(5)を用いてKd=lnMとした場合に、薬物濃度(D)を変えていったときのレセプター結合占有率の変化を図5に示しました。

図5

また、図5の薬物濃度をノーマルスケールにしたものを図6に示しました。

図6

この図から、レセプター近傍の薬物濃度とレセプター結合占有率との関係は、濃度が低い範囲では濃度変化にともない占有率は変化しますが、その反面濃度が増加するにつれて頭打ちになることが分かります。従って、臨床において必要な薬物作用が、低い結合占有率で十分な薬物の場合には、薬物濃度の変化は作用に大きく影響を与える可能性があり、逆に高い結合占有率で効果が得られる場合には、薬物濃度の変化は大きく影響を及ぼさないとも考えられます。

〜次号につづく〜

<研修> 澤田ゼミ・ステップアップセミナー ファーマコキネティクスV. 博多区・中央区 社保委員会
九州大学薬学部教授 澤田康文

今回は、薬物の代謝・排泄についてです。臨床で使われている薬の80%以上が、チトクロームP450により代謝されるといわれており、P450の阻害と酵素誘導が問題になることがあります。また、腎疾患、肝疾患時にはクリアランスが腎型か、肝型かを考慮して薬を選択することが必要です。

<テーマ>
 薬の代謝、排泄
<担 当>
 そよかぜ薬局 木村幸子

チトクロームP450の酵素誘導について

P450はアユノバルビタール、リファンピシンなどの薬物により、酵素誘導を受ける。P450自身だけでなく併用薬の代謝も促進する。このため、十分な薬効が得られない事があるが、薬物がプロドラッグの場合、逆に作用が増強してしまう可能性がある。

酵素誘導

Q;酵素誘導剤との併用で、活性代謝物の濃度が上昇する薬物にどのようなものがあるか?

・テガフール‥・CYP3Aの誘導により、5-Fu の血中濃度が上昇。CYP3Aの誘導剤として、リファンピシンがある。
・シクロホスファミド‥・CYP2B6の誘導により、活性化され、血中濃度が上昇。CYP2B6の誘導剤として、フェノバルビタールがある。

<参 考>

狭心症発作をニフェジピンでコントロールしている患者が、リファンピシンを服用。1ケ月後、痍心症発作が再発した。リファンピシン中止後、発作はなくなった。しかし再投与により狭心症発作が出現した。これはニフェジピンがリファンピシンにより酵素誘導されたため、血中濃度が低下したためと考えられる。

ニフェジピンとリファンピシンの薬物相互作用(狭心症/治療経過)
薬の胆汁排泄のメカニズム
腎疾患、肝疾患時には、薬物の排泄経路に注意しなければいけない

例)胆汁排泄型のセフビラミド(セハトレン)

A;腎疾患患者では、血中濃度の変化は少ないため、投与スケジュールの大きな変更は必要ない。

腎疾患患者

B;肝疾患患者では、血中濃度が増大するため、投与スケジュールの変更が必要。

肝疾患患者

§β遮断薬による呼吸器系副作用§ 〜今回のPK&PD講義〜

β遮断薬は心臓のβ1とともに、肺のβ2レセプターも遮断して、呼吸器系副作用を惹起することがある。心選択性薬物は、呼吸器疾患患者に対して、「慎重投与」となっているが、非選択性薬物では「投与禁忌」となっている。このことをβ2レセプター占有率から理解してみる。

チモロールアテノロール

両薬物とも、常用量投与時にはβ1レセプターへの結合占有率は90%以上で、同等の治療効果が得られている。

β2レセプターへの結合占有率は、チモロール(非選択性)では90%になり、禁忌である。

アテノロールでは、心選択性があるため、40%程度と低くなっているため、慎重投与である。しかし、肺への十分な作用を発現し、呼吸器系副作用の可能性が推測される。

市薬ジャーナル1998.9月号 P18左9行目
ASHPは、アメリカン ソサエティー オブ ホスピタル ファーマシー米国勤務部会(病院薬剤節会)や薬剤師会ではありません。 薬剤師会はAPHA(アメリカン ファーマシューテイカル アソシエーション)です。                          あらまき薬局 荒巻 滋先生より

<在宅介護>

 そろそろケアマネジャーの試験の発表です。

 薬剤師も福祉がわかるようになろうと、ケアマネジャーの試験を受けました。講演会や3度の模擬テストが企画されました。「過熱する介護支援専門員試験」と、マスコミは報じました。このような世の中を介護を必要とされる方は、どのように感じておられるのでしょうか。合格者の発表を前にして「介護保険」とは何かを、原点にもどって考えられたらと思います。
            (M)

日本経済新聞 H10.9.24
市薬でのケアマネージャー模擬テスト
西日本新聞 H10.9.9

<会員の広場> 匿名っていいな 九大歯学部病院薬剤部 唐澤博順

家庭には、トイレ以外に自由空間が無いと言われる。

人はしがらみの中で生かされている。

人は自分の名前やその他のことを、他の人に知られることから、世の中に受け入れて貰える。家族や社会が名前を頼りに、しがらみを張り巡らす。歳を取るとそのしがらみを嫌ったり、イヤになることがある。一人にしておいてくれと方如こ出る人が居る。時には失踪という形を取ったりする。昔で言えば、出家とか放浪の旅だろう。匿名の投書をする。ペンネームで本を書くようになる。

個人が、個人のプライバシーをちょっと消したいとき、匿名や第2の名前が有効だ。 いままでの悪いしがらみを断ち切る方法でもある。

いま、携帯電話が流行っている。電話の応対に自分の名前を言わない。これが匿名電話の良い処だろうか、このために使用者が増えているのではないか?とも思う。

たとえば、援助交際の女子高校生は、縁を切るのに携帯電話を変えるそうな。名前や住所を相手に知らせない(つまり匿名)交際のようだ。

匿名っていいな、自由があって。(時には) 何が良いのか?発言や行動の責任を取らなくても良いから。

東京って匿名の街だって。あこがれちゃうな。観光地の落書き、本人は気持ち良いだろうな。

人生長いこと生きてると良い付き合いもあ茹だろうが、よろしくない付き合いもあるだろう。よろしくない付き合いを精算したくもなろう。再出発したい。かといって、知ってる人に、突然明日から知らないフリもできないし、…。現在の環境から抜け出したい心境は過去にも,多くの先輩が居た、隠居するとか、山にこもる、旅行に出る、犯罪は匿名で行われる。ジキルとハイドも、今の自分とは違うもう一人の自分として、他人に知られていない個人を生きたお話。

人って二重人格を嫌うみたいだが、自分は二重も三重も人格をもっているのではないか?(勝手なものだ)その時々に応じて、顔を作れるのがすばらしい。いつも同じ顔、というのは芸が無い。クリントンの別の顔が見えたが、議会は騒いでいる。

よく犯罪が発生した後、犯人の近所の人の言葉は決まっている、[あんな人には見えませんでした‥・]、報道は同じ事を訊き、同じ回答を報道している。〈人間ってそんなに性善説で生きてると思ってるのか〉止めどもなく脇道に入りそうなので、これ位で停める。

同じ人でも、時間が経てば成長し考え方も変わる、人格も変えられない筈はない。何でも時と共に変わり得るのだ。只ただ、成長する方向には変わりたいのだが…。

考えって言うのは、関連性がある方向に、移り変わっていくのだが、頭と尻尾をみると、全く無関係なモノになることもあり、面白い。

理論的というのは首尾一貫するときに言われるが、考えは、ふわふわと捕えがたい。

女性の話は首尾一貫しないので面白い。この発言はセクハラになるだろうか? 「ある知ってる女性は、話が飛んで飛んで面白い」と、言い換えよう。

理科系を出た男性薬剤師でも、似た話し方をする人は居る。こころは女性か? こんな文章を書いて何になるの?[もう一人]がささやいている。もうやめよう。気持ちを文字として並べていたら、こうなっただけ、徒然草と同じかな? この会報と関連付けるなら、会報に“匿名の投書欄”があると、突拍子もない面白い意見が飛んで来ないかな?と思った。

言論の自由という言葉の中にも枠がありそう。匿名でないので言いたいことが、総ては現れてはおりません=総てが本心とは限りませんので念のため。

このウソ本当?という謎解きがある。

◎上記の私の発言は本当のことでしょうか? 以下、拾い話
◎「クレタ人のうそ」
  エーゲ海にクレタ島という島がある。クレタ人が言った。
 「すべてのクレタ人はうそつきである。」ではそのクレタ人はうそつきか?
◎「例外のないルールはない」といわれる。
  ではこのルールに例外はあるのか?
◎「この塀に落書きするな」と塀に書いてある([ヘーイ]、何ぞと返事する小咄もある)。
◎「貼り紙するな!」という貼り紙がしてある。
◎「静かにしろ!」と大声で言う。
◎「分からないことがあったらお尋ね下さい」と患者さんに言う。
  患者さんは、[何処が分からないのか分からない]のに。

おそまつ。

唐澤先生、大変ユニークな原稿と楽しいヒントを頂き、ありがとうございます。早速匿名の投稿欄を作りたいと思います。ぜひ第1号で思いの丈を述べて下さい。ん?…。 (K)

<会員の広場> 『炭de洗濯』 早良支部 原南部会 温和堂薬局 福岡秀樹

京都の牧野裕子さんといわれるグリーンコンシューマ(地球に優しい意識を持って生活している市民)の方が作られた、私達にも実践出来る環境問題対策の資料がありましたので紹介します。

炭de洗濯

排水溝の向こう側で
暮らす生き物たちのためにも
優しい生活を

予洗いはいっそう効果的です。 合成洗剤は絶対に使わないでください備長炭の力が無くなってしまいます。

水の汚染はとっても深刻!!
水の死は人間の死です

炭de洗濯

<薬剤業務懇話会> かかりつけ薬局の現状と問題点
(H10.9薬剤業務懇話会に出題したものです)
九大病院 院外処方せん窓口 薬剤師 花岡明希子

【はじめに】

九大病院で院外処方箋の発行が開始されましてから6年の月日が経過いたしました。そこで、九大病院の患者さんの動きと福岡市薬剤師会が行ったアンケートをもとに、面分業を支える保険薬局が患者さんにとってかかりつけ薬局となっているのか、現状と気付きました問題点をご報告したいと思います。

【かかりつけ薬局の現状】

まず、九大病院の院外処方箋の流れをご紹介します。

現在、九大病院の院外処方箋は419件(市内202件、市外217件)の登録された保険薬局に月平均16,200枚、また登録されていない薬局にも月平均300枚程度発行されております。

院外処方箋の発行率は九大病院の処方箋全体の約56%(H10.7月現在)で内訳は九大病院の前の薬局すなわち門前薬局29%一般の薬局27%となっております。ご覧頂きますとおわかりのように、院外をご希望になられる患者さんの半数以上は門前薬局に行かれています。

図1はH10年5月18日〜5月29日の2週間の処方箋を診療科ごとに表にしてみました。 診療科の特徴中ら整形外科、精神科の患者さんは院内でお薬をもらう方が多いようですが、それ以外の該療科は門前薬局一般薬局を合わせると院外でお薬をもらっている患者さんが多いようです。門前薬局を利用する患者さんが多いのは内科、心療内科、精神科、眼科です。心療内科、精神科はかかっていることを知られたくない心理から門前でもらっていかれる患者さんが多いと思われます。

また、一般薬局を利用する患者さんが多いのは小児科、外科、脳外科、心臓外科、皮膚科です。説明に細かい配慮を必要とする小児科の患者さんはマンツーマンで投薬できる一般薬局を利用される方が特に多いようです。 皮膚科も塗り薬を混合してもらうのに待ち時間を要する為、待ち時間の少ない一般薬局を利用される方が多いようです。

次に患者さんの地域性をみてみます。(図2)院外処方箋を患者さんのご住所ごとに分けてみました。東区、博多区、市外遠隔地の患者さんが門前薬局を、その他の市内、粕屋、前原、宗像、筑紫地区の患者さんは一般薬局を利用する方が多いという結果になりました。

次に、一般薬局の患者さんの動きを3ヶ月間追ってみました。(図3)85%の患者さんはずっとおなじ一般薬局を利用し続けていました。残り15%のお薬をもらう所を変えている患者さんの変更の理由ですが、九大病院の場合は院内製剤があったり、初めて処方されるお薬があった時に最初は院内でもらって様子を見たり、その日の院内のお薬の待ち時間や出掛ける都合などがあげられると思われます。

さらに、一般の薬局を利用される患者さんがどういう所にある薬局を利用されるのか調べてみますと自宅と同じ地区でもらっている患者さんが83%で、職場近くあるいは帰り道であると思われる博多区中央区でもらわれる患者さんが10%となっていました。(図4) まとめますと、九大病院の処方箋に関しては院外に行かれる患者さんの約半数は病院の前の門前薬局を利用されている状況ですが一度、一般薬局を利用される.とおおかた定着して行かれるようです。また、一般薬局を利用される患者さんに地域性がある結果になりました。

ここで、福岡市薬剤師会が九大病院の患者さんに行ったアンケートをご紹介しますと、九大病院にしかかかっていない患者さんは27%で残り73%の患者さんが2,3…複数の病院・診療所にかかっていらっしゃるそうです。ここ一年間でお薬を調剤してもらった薬局の数をたずねたところ1軒と答えた人は48%、残り半数以上の患者さんが複数の薬局でお薬をもらっているということです。処方してもらった薬局はやはり病院の近くが一番多く45%、自宅近くは33%、その他職場の近くや帰り道となっています。他の病院・診療所を利用してもやはり病院の前の門前薬局に行かれる患者さんが多いという結果です。患者さんが常に同一の保険薬局を利用している割合は低く、患者さんのすべての処方箋を一元管理している‘‘かかりつけ薬局’’の定着率は低いようです。

【患者情報に関する問題点】

さて、H9年4月から薬剤師によ.る患者さんへの調剤した薬剤の適正な使用に関する情報提供が義務付けられています。提供する情報としては薬品名、効能効果、使用方法、副作用などがあげられます。今、現在保険薬局では院外処方箋を受ける際に診療側からの患者情報の提供を受けずに投薬しています。

ここで、薬局での問題点を二つご紹介いたします。表1Aをご覧ください。一つは数種の効能効果の保険適応が認められている薬剤を投与するときの説明です。

医師から窓口に受けた苦情なのですが、ある患者さんにβブロッカーが処方されていました。“薬局では血圧を下げる薬です。”と説明を受けた患者さんは次の診察のとき医師に“血圧は高くないはずですが”と不安げに訴えたそうです。実は医師は心室性期外収縮の治療の目的で処方していたのでした。カルシウム括抗剤についても医師は狭心症の治療目的で処方していたのに、薬局の説明は“血圧を下げるお薬”と説明してしまい患者さんを困惑させてしまったことがあるそうです。これは薬局側からも患者さんに対して情報を聞き出し処方内容から判断し、与える情報を的確に取拾選択しなかったために起ったと思われます。

もう一つは表1Bのような保険適応外の使われ方をする処方が薬局に送られた場合です。当然のことながら一般の薬局では困惑してしまうでしょう。例えば、小児科の処方で“セファランチンをこんなに大量に使ってよいのでしょうか”とか、眼科で“ガスロンNが処方されていますが胃潰瘍の説明ではおかしいとおもわれますが”など疑問が生じてくるのです。また、最近のことですが婦人科で多毛症の患者さんにアルダクトンAが処方されていました。薬局では、“生理痛がひどくそう言えばむくんでいる”と言う患者さんとの会話から効能効果の説明はむくみをとるお薬と説明し、副作用として倦怠感、月経不順、多毛…と説明したことから、患者さんは多毛症でかかっているのに…と不信に思われ病院へ電話をしてこられたことがありました。このような場合、添付文書の副作用項目に多毛があがっていることと、患者さんとしては話しにくい疾患だったために薬局では説明が難しかったと思われます。以前、適応外の使われ方をするお薬についても九大病院の先生方にご尽力いただいて処方検討会で勉強させていただいたんですが、薬局の職員が入れ替わったり処方箋を応需する薬局も増え理解が足りないところもあるようです。このように、薬局で患者さんのお薬の説明を適切にするには、一枚の処方箋から得られる情報だけでは難しいものがあるようです。

【まとめ】

最後に患者さんアンケートによると“かかりつけ薬局”をご存知ですか?の質問に“知っている”と答えた患者さんは31%で残り70%近くの患者さんからは“知らない”と言う答えが返ってきました。

九大病院では7月から“お薬手帳”をお渡しして、患者さん自身で薬歴の一元管理をするというアイディアがとられていますが、“かかりつけ薬局”のイメージのうすい現時点では患者さんと我々医療関係者をつなぎ適切な服薬指導をする上でもとても有益であると思います。

医薬分業の目的の一つは“かかりつけ薬局”をつくり、そこでお薬の一元管理をし、安全かつ有効な服薬指導を行うことであるはずです。そして、患者さんに対して適切に情報提供することは患者さんと薬局の信頼関係を築く上でかなめとなります。

そのためには、保険薬局は患者さんとの会話から得られる最新の患者情報と、そして最新の医療情報が必要となります。患者さんとは日頃から会話のキャッチボールをして信頼関係を築いていなければ心を開いてもらえないし、当然情報を得ることは出来ません。また、処方された薬剤について薬剤師が医師と異なる指導をすることがないように十分注意しなければなりません。そのためには診療側と薬局の情報交換をもっとオープンにし、将来医療情報の開示へと発展することを願ってやみません。医療の担い手として診療側と保険薬局が信頼関係のもとに、さらに協力し合い、患者さん本位の医療が根付いていくことを希望します。

注1:H9九州・山口薬学会で白木先生が発表されたものを参考にしました。
注2:H10.6月から始まった処方オーダリングシステム導入により院内の調剤時間がぐっと縮まり、8月の発行率は53%と残念ながら減少しています。

図1 診療科別処方箋
図2 地域別の院外処方箋数
図3 患者さんの動き
図4 九大病院・院外一般薬局にいかれている患者さんの利用する薬局

<薬局実務研修会> 平成10年度(第9回)薬局実務研修会の報告 (社)福岡市薬剤師会 学術・研修委員会

会長あいさつ平成10年度(第9回)薬局実務研修会が、9月に入っても残暑の厳しい5日(土)、6日(日)、12日(土)、13日(日)の4日間、38頁のスケジュール通り行なわれました。そして滞りなく無事終了しました。藤原良春会長の挨拶に始まり、県薬務課・小路清勝先生、県薬・未田順子先生、県薬薬事センター・神雅子先生、九薬・石飛達男先生を外部講師に迎えました。又、福岡市薬の若手、ベテランのそうそうたる先生方にも講師をお願いし、快く引受けて頂きました。更に、熱心に受講された受講生の方々にも厚くお礼申し上げます。

今年は34名の申し込みがあり、33名の方が受講されました。4日間受講されると、最終日に終了証を発行しますが、今年は25名の方に終了証を発行しました。去年までに約290名の方々が、研修を受けられ、医療現場の第一線で活躍されております。今後の更なる分業進展に伴ない、視野の広い、そして力強いリーダー性を発揮していただく事を期待しております。

去年までは福岡市薬独自の研修事業として開催しておりました。別に県薬も同じような内容で“ステップアップセミナー”を開催しておりましたが、都合により中止する事となりました。その代りとして、今回、福岡市薬主催、福岡県薬後援という形で開催された経過があります。このため、3点程例年と異なる特徴があります。

第1点目は、受講生の出身地です。受講者の顔ぶれを見ますと、福岡市内はもちろんですが、遠く北九州から筑後と県下広範囲に散らばっております。受講への往復ほんとうにご苦労様でした。

第2点目は、受講者の実務経験の長さです。本研修会の初期の目的は薬剤師不足を補うため、未就業薬剤師の掘り起こしのための研修会でした。そのため、新卒の薬剤師の方も含め、実務経験があまりない方の受講が主でした。今回は、初心者から、5年位の職場の中堅の方、10年以上のベテランの方の受講と幅広いものがありました。この点では、知識を幅広く修得する事、又、整理する事として有益だったと思います。

第3点目は、テキストの改訂です。講師13名の内、7名が新講師となりました。一部は去年と同じテキストを使用しましたが、新講師の場合は講師に合わせてテキストも改訂してもらいました。最新情報を届けるため、当日配布した資料もあります。

以上、今年の薬局実務研修会の報告を致しました。会員、非会員を問わず、広く門戸を開放し、今後の分業推進・確実な処方せん応需に必要な薬剤師の掘り起こし、確保、研修等に対応出来るのもきちんとした組織があるためです。今後共、会員の皆様の期待に添えるよう努力する次第です。

<薬局実務研修会> 薬局実務研修会に出席して (有)あけぼの薬局 中島和則

今回、表題の研修会に出席させて戴きまして、誠に有り難うございました。

四日間を通して、浜の町病院 千阪先生をはじめとして、講師の諸先生、福岡市薬剤師会役員の諸先生方に厚く御礼申し上げます。

さて、私事で恐縮ですが、こども病院感染症センター市花先生と同期です。大学病院を経て外資系製薬企業に長年勤務の後、一昨年9月より、某薬剤師会営調剤薬局に勤務しています。主な業務内容は下記のものです。

1.412床の自治体病院の院外処方箋受付け
  350枚前後/日/2軒
  (会営薬局 2軒特例にて認可)
2.土・日・祝祭日も開局  (8:30〜20:30)
3.O.T.C製品も販売中

地域住民に密着し、患者ニーズに対応しています。

「薬事関連法規と農務行政」県薬務課 小路清勝講師 しかし〈理想と現実〉のギャップも大きく、苦悩しているのが現状です。今回の研修会について、実際に現場で活躍され指導的立場の先生方の意見が、非常にわかりやすく親切丁寧で、しかも体系的に学習出来たことを非常に嬉しく思います。理論武装が出来た事を誇りに思います。生涯学習そのものです。 refresh出来ました。しかしながら、残念な事が一つあります。それは、研修会の会場として福岡市薬剤師会薬局を、何故利用しなかったのかと言う事です。稼働中の業務システムを見学し、2階研修室を活用すれば、明日からの日常業務に直ちに応用出来ると思います。1時間でもいいので研修会の1日に福岡市薬剤師会薬局の見学をさせてもらいたかったと思います。ご検討をお願い致します。

最後になりましたが、薬剤師免許を有する老若男女に、広く門戸を開放し、教育、研修、の場を提供されている福岡市薬剤師会、役員並びに会員の先生方の、今後の益々の御活躍を祈念してやみません。

<薬局実務研修会> 講師の貴重な経験を交えた講義 大賀薬局 西新店 平山徹

市薬で実務研修会が催されるとの話を聞き、10年以上前に薬剤師免許は取得していたものの保険薬剤師となって1年足らずの小生にとっては良い機会と思い参加することにした。受講するにあたり、薬歴、医薬品情報提供、服薬指導等の保険調剤実務に関する最新の情報を得られればと期待して臨んだ。

研修初日、まず渡されたものは分厚いファイル2冊とテキスト数冊。これらには、あたかも1990年代の薬剤師が置かれた環境の変化を象徴するかのように情報がぎっしりと詰まっていた。これらの資料を用いて講師の方々の貴重な経験を交えた講義が行われた。薬事法規・行政に始まり、薬剤師の倫理ト薬歴の取り方、服薬指導、医薬品情報の収集・管理、医療保険、在宅医療に至るまで現在の薬局実務に不可欠なそして充実した内容であった。

この研修を通して痛切に再認識したことは、薬剤師の存在価値をいま広く社会に認めてもらわなければ我々の将来はとても暗いものになるということである。言い換えれば、薬剤師の存在価値とは薬剤師が患者(社会)に対してどのような利益をどのくらい寄与することができるのかによって決定されるが、もしこの寄与度が患者(社会)の満足いくものでなければ我々の存在価値は低下していくであろう。そうならないためには個々の薬剤師が何を行っていかねばならないかを自覚し、即、実践しなければならないと考える。

私のように保険調剤薬局に勤務する者として考えた場合、今回の研修において講師の方々が力説されていたように @薬歴の更なる充実 A個々の患者に則した適切な服薬指導(医薬品情報提供)の徹底が第一歩となるであろう。だが、これだけでは社会に対して薬剤師の存在価値を認識してもらうには消極的であると思う。(行うべき事を行ったうえで)「薬剤師がこれだけのことを行うことによって患者(社会)はこれだけの有形無形の利益を受けていますよ!」というような情報・サービスをよりわかり易いかたちで個々の薬剤師、各薬局及び薬剤師会等の組織などすべてのレベルから社会に対してもっと積極的に発信・提供していかなければいけないと思う。

瀬尾講師(薬歴の取り方)余談になるが、「ファーマシューティカルケア」という概念の発祥の地である米国においても、患者の利益の追求を第一義としたうえで薬剤師の存在価値を更に高めていこうという動きは当然のことながらわが国と同様になされており、私も米国の薬科大学在籍時にインターンとして“洗脳教育”を受けた経験がある。しかしながら、彼地で現在(調剤)薬局に勤務している友人達は、「(薬歴管理料や医薬品情報提供料などの報酬がないので)多くの時間を処方箋の調剤に費やさざるを得ず、すべての患者に充分な服薬指導やカウンセリングを行うのはとても難しい」と現実の厳しさを話してくれる。また、最近の米国薬剤節会雑誌に掲載されていたある論説においても、前出の例をはじめ様々な外来(調剤)薬局の現行システムの不十分さが指摘されていた。このように順風満帆に思われがちな米国の薬剤師業務でも問題山積のようである。

この研修を終えて当初の目的はほぼ果たせたと感じているが、いざ職場に戻ってこの成果を完壁に実践するとなると言わずもがなである。しかし、少しでも多くの患者利益を提供すべく、より充実した患者指向の業務に励んでいる今日この頃である。

最後に、本研修会を開催していただきました福岡市薬剤師会、4日間にわたりお世話戴きました千阪先生、講師の先生方並びに各理事・委員の先生方に感謝申し上げます。

<薬局実務研修会> 薬局実務研修を受講して そうごう薬局 野方店 小藤瑞恵

 豊福講師(調剤実務)今回この薬局実務研修を受講して、いろいろな勉強をさせていただきました。実務経験がほとんどなく分からないことが多い私にとって、これから仕事や勉強をやっていくうえで参考になりました。特に先生方の実際に体験された話は、共感を持ったり説得力があったり、いろいろなことを考えさせられました。
 今回は研修が土曜日にもあったので、仕事の都合上すべての講習に参加することができなかったけれど、これからも時間がある限り、いろいろな講習会に参加して行きたいと思います。

<薬局実務研修会> 意気込んで参加して そよかぜ薬局 徳永佳奈子

私は、今年の4月に働きだしたばかりなのでまだ分からないことが多くあります。在学中は国家試験に合格するために勉強してきましたが、薬局での実務においては直接役に立つことが少ないのが現状です。

未田講師(接遇)そこで、実務研修会ではしっかり勉強してこようと意気込んで参加しました。私にとって特に有り難かったことをひとつあげれば、相互作用についての話でした。大学時代には、一般名で相互作用などを理解していたのですが、商品名で書いてある処方箋ではなかなか合致することがありません。私はまだ、この薬は何に効く薬か覚えている段階で、成分名や相互作用のあるなし、どのような相互作用が起こり、どのような結果を引き起こすのかはまだよく理解できていません。そこで、商品名を添えての相互作用の話は、特にわかりやすく非常に役に立ちました。

しかし、まだ講師の言葉の意味がよく理解できなかったり、実際日常行っている薬局での業務とは、少しずれがあるような話もありました。

また、今回の研修会では一度に多くのことが入ってきたので、薬局実務経験の少ない私にとっては、少し厳しいところもありましたが、これから薬剤師として働いていくうえで、この研修に参加したことを実務の役に立てていきたいと思います。

できることならもう少し実務を経験した後に、もう一度研修を受けられればさらに有意義なものとなるはずです。実務に関するいろいろな話を聞くことができますし、皆様方も必ず役に立つことがあると思いますので参加されてみてはいかがでしょうか。


アンケート結果について

受講者31名の方にアンケート用紙を配布し、22名の方から回答を得ました。(回収率71.0%)

質問1:実務研修会への申し込みのきっかけについては、案内ハガキ(40.9%)、県薬会報(27.3%)を見てという方が、多数を占めました。今回の研修会は市薬会員より、会員外の受講生が多かったためです。市薬会員の受講のきっかけとしては市薬ジャーナルを見て、オーナーや市薬会員の薦めでした。

質問2:受講生の現在の業務内容については、調剤薬局(59.1%)が1番多ぐ、その他病院勤務(18.2%)OTC、薬品メーカー、卸勤務及び無職でしたn−

質問3:これまでの調剤経験年数については、この1〜2年の方(22.7%)が多かった。 5年から10年と中堅からベテランの方もおられました。逆に、7年から40年以上も前に経験ありの方(18.2%)や経験なしの方もおられました。

質問4:調剤実習希望については、実際の調剤にタッチしてない方(13.6%)が希望していました。

質問5:受講してみて、興味のあった科目(複数回答可)については現在の業務内容や調剤経験年数によって、講義12科目それぞれバラツキがありました。

大多数の方が現在調剤業務にタッチしている関係上、服薬指導、薬歴、接遇、医療保険、情報関係、更に現在話題を集めている在宅医療にも興味が集中していました。また、調剤経験が少ない人は調剤に、メーカー勤務の方やベテランの方には、法規、薬務行政に興味がある結果になっていました。 このように、1人ひとりの置かれている現在の業務内容によって興味は異なっていました。

研修会を受講しての意見として、土曜日は勤務した後の午後半日、日曜日はフルタイムという土、目連続4回の研修のため、きついという意見と、同時に大変勉強になったという意見でした。保険関係で、実例による具体的な各種の計算例、レセプト請求の手順、コンピューター操作等即戦力を期待した希望もありました。

薬局実務研修日程と講義内容
受付の先生方お疲れさまです修了証書授与
睡魔とたたかいながら

<リレー・書いていい友!> センブリ、じゅうやく、なんばの毛 東支部 和白部会 かめや薬局 荒木康子

私事で恐縮ですが、早いものですネ。大学を卒業して、また、国家試験に合格してもう十数年になります。

そして、病院、調剤薬局を経て開業しましたが、大学では、アセトアミノフェンとかエフェドリンなど一応の合成薬の知識はあったのですが、いざ開業してみるとセンブリ、じゆうやく、なんばの毛、Lやぜんそうなど私のいままでの薬の範疇になかったものの薬効を聞かれて本当に慌てふためいた事がいまでも昨日の事のように覚えています。

国家試験に受かって鼻高々だった、それ迄の自信が音をたてて崩れていく。一一応、薬理とか病理、日本薬局方、薬事関係法そういうものが全てだと思っていました。

実社会に出ると、なんと役に立たないこと、一般の人は日本薬局方さえも知らないんですから、それから開かれることもなんでこんな病気になるのかとか、血液検査の紙を持ってきてこの値が高いとどうなるのとか、私は医者じゃないので病理なんかちょっとしかやってないのに、内科はもちろん、外科、婦人科、泌尿器科などありとあらゆる病気の知識にたけてないと予測もしない患者さんやお客さんが来られた時には本当に困りました。そんな時、以前から興味はあったのですが本格的(ちょっと本格的)に漢方を勉強する機会に出会って自分なりに少しずつですが講習会とか専門書を読んで四千年の歴史にひかれるようになりました。

また、西洋医学では説明のつかない東洋医学の不思議さに感動しました。まあ、私達薬剤師はお医者さんみたいに身体に触れたり、検査出来ないので望診とか問診でその人の今の悩みをどれくらい解決出来るかが陰陽五行説などで僅かでしょうが手助け出来るのではないかと思って現在に至っています。漢方の教えは奥が深いのですぐにとはいきませんが、とにかく毎日めげずに苦手な漢文なんかも訳も解からず読んでいます。いろんな人に出会って教えを頂けたらと思っています。

(次回はしずか薬局のしずか先生にお願い致します)

<頓服>

医薬分業、医薬分業とお題目のように唱えながら久しくなります。今、日本は面分業、かかりつけ薬局を推進する気運が高まってきている所ですが、お隣台湾でも医薬分業が開始され、大衆へのアピールへやっきのようです。台湾の新聞に載っていた医薬分業への取り組みを紹介しながら、中国語を勉強されている方は、ご自分の勉強の為に訳してみるといかがでしょうか?そんなにむずかしい文章ではないので是非チャレンジして下さい。                       (T.S.)

医薬分業宣伝、巡回活動展開

医薬分業宣伝、巡回活動展開 数千名の人々が健保カードにて受診、受け取った処方箋で専門の薬師が調剤 記者張宝珠/龍澤報道

医薬分業拡大宣伝の為、桃園県薬師(薬剤師)、薬剤生公会(台湾の薬剤師会)等が昨日龍渾郷石門山で「享受青山、享受健康」巡回医療活動を行い、数千人の人々が健保カー ドを持参して現場で診察を受け、併せて順序に従い処方箋を受け取り専門の薬剤師による調剤を受け、薬を用いる上で、薬のことを知る権利、服薬の意義について知る事の感覚を初めて味わってもらった。

石門山は古くから登山客に最も喜ばれる場所で、桃園県薬師、薬剤生公会及び桃園県健保薬局協会では医薬分業の宣伝活動をするのに特にかの地を選択、並びに各大病院の有名な医師を招いて診察を請うたことで、現場は人大人、参加した人々は一万人に近い数になった。挑園県衛生局長途坤都もその現場を視察して、薬師公会理事長蘇私及び秘書長の張金河等の人々も現場で人々に医薬分業のメリットについて解説した。

今回の活動の主要なねらいは人々にどういうものを医薬分業と言うのかをよく知ってもらうことであり、人々はただ健保カードや、身分証明書を持ってくるだけで各科に受診でき、薬剤費の一部負担は全て薬師、薬剤生公会からの負担として、人々には費用の負担はないとした。人々は受診後、医師から処方箋を受け取って、その場で薬を受け取る場所を選択するか、或いは持ち帰って自宅近くの健保特約薬局で薬を受け取る事が出来る。

主に診察を要請し招いた省立桃園医院、新永和医院、大渓普済連合診療所及び龍渾五福診療所の医師が現場に赴き診療に当たり、新永和医院院長洪政武、前龍渾衛生所主任県議員間中傑も現場で診療に当たり、医薬分業への支持を身を以て表した。

この他にも、多くの健保特約薬局からも派遣された人々が現場で調剤に当たり、現場には千種以上の薬剤が準備され、人々は医師の発行した処方箋を持って来さえすれば薬師、薬剤生の面々が即座に人々に薬を持ってきて、併せて人々の服薬に対する疑問について応えていた。

昨日の活動時間は午前6時に始まり正午の12時まで、現場にはカラオケもあり、気分はおおいに盛り上がった。多くの登山客は下山後、医師の診察を受けて、医薬分業の宣伝資料を参考にして、自分の健康について更に一歩認識を前進させたようだ。

<シリーズ「ダメ。ゼッタイ。」薬物乱用防止活動A>

「ダメ。ゼッタイ。」麻薬・覚せい剤・シンナーの乱用をなくそう。

福岡市の薬物乱用防止対策について 福岡市保健福祉局地域医療課 医薬務係長 檜垣順子

秋も深まってまいりましたが、この好季節を会員の皆様方はお健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます。また、日頃より社団法人福岡市薬剤師会並びに会員の皆様方には、本市の薬務行政に多大なご協力をいただき、この場をお借りして心より厚く御礼申し上げます。

さて、ご存知のように地方分権の流れを受けて薬事法が改正され、平成9年4月1日から本市も新たに薬務行政を担うことになり、私も皆様方と新たな関係でお付き合いさせていただくことになりました。そこで、本題に入ります前に、簡単に私が所属します組織と仕事の内容をご紹介します。

左・長田(おさだ)富三夫氏、右・宮尾義浩氏(薬剤師)組織は、「保健福祉局保健医療部地域医療課医薬務係」という4文字熟語が並ぶちょっと長めの名称です。場所は天神にある市役所本庁舎の12階の東側(アクロス側)のフロアーの真ん中あたりです。スタッフは、長い名称に比べ非常にシンプルで、係長以下3名です。ちなみに、昨年は薬務行政に携わる薬剤師は本市で私1名と何とも厳しいというか寂しい状況でしたが、今年度待望の新人(役所生活は5年目)薬剤師が加わりました。大学の後輩でもあるまじめで優秀な彼にどんどん仕事を押しつけ?そして昨年からペアで仕事をしてきた心優しくこれまた優秀な事務職の男性にサポートされ、今年は少しは太れるかなと思っています。

担当している仕事は、係の名称のとおり医務と薬務です。所管している法律は、医療法,薬事法,臨床検査技師・衛生検査技師等に関する法律をはじめ関連法令は20以上にわたります。具体的には、病院や診療所,衛生検査と所(臨床検査を行う民間の検査機関),歯科技工所,あんま・はり灸院,整骨院などの許認可と指導などです。そして皆様方とのご縁がある薬事法では、医薬品一般販売業,特例販売業の許認可と指導の仕事に携わっています。このうち、診療所,歯科技工所,あんま・はり灸院,整骨院の許認可は各区の保健所が担当し、本庁と役割分担をしています。

さて、大変前置きが長くなりましたが、今日のメインテーマである本市の薬物乱用対策の概要をご紹介します。皆様もよくご存じのように、終戦後の第一次乱用時代、1980年代の第二次乱用時代に続いて、今は第三次乱用時代といわれ社会的にも大変深刻な問題となっております。特に中高生の検挙人員が激増しているのが特徴で、薬物が日常生活の一部としてこどもたちのすぐ身近なところでまん延しています。一方、薬物の使用について「一回なら構わない」「本人の考えに任せればいいと思う」と一部の中高生は考えており、若年層への啓発が非常に重要な課題となっております。

そこで、保健福祉局では平成9年度から各区の保健所と一体となり、主に若年層を対象とした啓発事業を実施しています。その一環として、若者が集まる繁華街での薬物乱用防止啓発展の実施や各保健所健康フェアでのパネル展示などを行っています。昨年のキャナルシティ博多に続き、今年の薬物乱用防止啓発展は、福岡大丸エルガーラのパサージュ広場で7月10日(金)、11日(土)の二日間にわたり開催しました。福岡市薬剤師会の皆様方には、「なんでもお薬相談コーナー」「薬用茶・薬用酒試飲コーナー」の開設・運営にご協力いただき大変ありがとうございました。

啓発展は、パネルや模擬麻薬の展示とビデオを上映し市民のみなさんに薬物乱用の恐ろしさを学んでいただく常設コーナーと麻薬探知犬のデモンストレーションなどのアトラクション,会場でのリーフレット等の配布が主な内容です。少しでもキャンペーンの意義を高めるため若者に参加してもらうようにしていますが、今年は第一保育短期大学のみなさんにはチアリーディングの演技を、警固中学校のみなさんにはブラスバンド演奏をしてもらいました。迫力のある演奏がパサージュ広場にこだまし、みなさん足を止めて見入って下さいました。迫力のある演奏がパサージュ広場にこだま また、いつもながらワンちゃんたちの賢さには感心してしまいます。おかげさまで天気もよく夏のバーゲン時期のため通行量も多く、用意していた啓発リーフレットなど6,000部はスムーズに配り終えることができました。

このようなイベントの他に、今年から保健所では若年層を対象にした薬物乱用防止教育にも力を入れ、医師・保健婦などが地域や学校などへでかけ出前講座を行っています。対象は小学校高学年、中学生、高校生などです。

少しでも薬物乱用の恐ろしさや薬物に対する正しい知識を身につけてほしいと思っています。また、今年新たに啓発冊子「薬物乱用Q&A」とダイジェスト版のリーフレットを作成しております。その他、薬物依存者の社会復帰支援対策として、各保健所で一般相談の中で薬物依存者や家族からの相談を受けているほか、保健福祉局では禁物依存者の社会復帰のためのグループホームや共同作業所への助成を行っております。

迫力のある演奏がパサージュ広場にこだまいつもながらワンちゃんの賢さに感心

また、市の他のセクションでも、薬物乱用防止のため様々な取り組みを行っております。一部をご紹介すると、市民局では大人向けや小学生向けの市政だより等の広報誌を活用したり、テレビスポットによって薬物乱用の恐ろしさなどについて啓発しています。また教育委員会では各学校において視聴覚教材の活用や体験学習、専門家の講話等を取り入れ薬物乱用防止教育の定着を図っております。さらに、各区役所でも愛護パトロール員や校区青少年育成連合会をとおし地域パトロールによる早期発見・早期指導を進めています。

いずれにしても薬物に対する正しい知識を持つことが乱用防止の第一歩です。そのためにも専門家でいらっしゃる薬剤師会の皆様方と行政が手を携えて「ダメ。ゼッタイ。」を合い言葉に啓発活動を進めていけたらと思っています。

 「ダメ。ゼッタイ。」キャンペーンシリーズの2回目です。今回は第1回目のおさらいの形でQ&Aで薬物中毒について考えて下さい。
 意識の中では薬物中毒というものを捉えていても、現実の世界でどのように把握していますか?現実に悩める薬物中毒の中学生が薬局に飛び込んできて、技け出したいと泣いて訴えたとしたら、皆さんはどうしますか?薬物中毒の専門医療施設は現実には存在しません。精神病院等の施設は労力多くして利益少なしのこれらの人々を患者として受け入れるのは原則として拒否しているようです。私達薬剤師はこのキャンペーンを只あおるだけでなく、私達に今できることを考えて行かなければならないと思います。実に消極的ではありますが、施設に収容するような事態にならない前になんとか抜け出せる道を見つけてやる必要があると考えています。3回目以降は各論になりよりいっそう興味を増す内容になっていますが、この機会に厳しい現実を一人一人が把握してこのキャンペーンを明日には自分の薬局に降りかかってくる現実と理解して考えていって欲しいと思っています。
(T.S.)

薬物が君の脳や体を破壊する

Q:薬物を乱用するとからだにどんな影響が出るでしょう?
・いろいろな薬物を一度に使用しなければ何の影響もない。
・エイズにかかりやすくなる。
・ぐっすり眠れなくなる。

Q:一度だけなら健康は損なわれないと思いますか?
・はい。なんの問題もない。
・はい。ちょっと頭がボーッとするだけ。
・いいえ。後からいろいろな害が出てくることもある。

Q:薬物乱用の影響はどれぐらい続くのでしょうか?
・一晩たったら消えてしまう。
・一か月ぐらい続く。
・一生いつまでも繰り返し現れる。

Q:薬物の乱用は内臓にどんな影響を与えますか?
・胃腸が侵されて出血したり吐いたりする。
・肺がぼろぼろになって生涯健康にもどれなくなる。
・肝臓や腎臓の細胞が死んで病気になる。

Q:薬物の乱用は脳や神経にどんな影響を与えますか?
・脳の細胞の一部が萎縮して手足が震えるようになる。
・脳の細胞が侵されて正しい判断や知的活動ができなくなる。
・脳の一部が侵されて、感情のコントロールができなくなり気が狂う。

脳を溶かすシンナー

Q:薬物乱用で健康をそこなっても麻薬をやめれば元にもどるでしょうか?
・麻薬さえやめればすぐ元に戻る。
・脳や内臓の細胞は元には戻らない。
・ある程度は健康になっても不安感が何度も戻って頭がおかしくなってくる。

Q:一度中毒になったら絶対に治らない麻薬はどれでしよう?
・シンナーや向精神薬だけがそうなる。
・大麻や覚せい剤だけがそうなる。
・すべての麻薬。

Q:麻薬をやっているかいないかはすぐにばれてしまいます。どんな方法があるでしょう?
・血液検査や尿検査。
・その人の日常の習慣。
・その人の態度や言葉つき。

Q:以下のうち、どれが薬物の乱用にあてはまるでしょう?
・睡眠薬や精神安定剤を医師等の正しい指示にしたがって飲む。
・覚せい剤や大麻など違法の薬だけが乱用にあてはまる。
・本来の目的以外で薬物を使えば全部乱用になる。

Q:普通に暮らしていれば、麻薬など手に入らない、と思いますか?
・はい。自分は別に買いたくないから。
・いいえ。麻薬と言わないで「ダイェットの薬」「元気が出る薬」といって売っていることもあるから。
・はい。自分だけは関係ない。

Q:薬物中毒の人による被害があなたに及ぶのはどんな時でしょう?
・身近な人が薬物乱用でおかしくなったとき。
・いいえ、自分だけには害はないと思う。
・中毒になった人があなたにも薬物を勧めにきたとき。

Q:たった一回の薬物乱用は、どの程度からだに影響するでしょう?
・しばらく具合が悪くなる程度。
・たった一回ではなんともない。
・たった一回でも死んでしまうこともある。

Q:眠れない時に睡眠薬を飲むのは乱用になるでしょうか?
・お医者さんに処方してもらったとおりに飲めば乱用にはならない。
・自分でちゃんと判断して飲めば乱用にはならない。
・どんな薬を飲んでも乱用にはならない。

Q:日本では薬物の乱用はどんな罪にとわれるでしょう?
・持っているだけなら無罪。
・罪にならない。
・最高刑は無期懲役。

Q:薬物乱用は、あなたをどういう人格の人間にするでしょう?
・賢くて優しい人間。
・強くてたくましい人間。
・凶暴で感情のコントロールがなく、いつもイライラした人間。

Q:からだのなかでひどい影響を受けるところはどこでしょう?
・肝臓や腎臓。
・脳と神経。
・手足。

想像をこえる「依存性」

薬物乱用とは、医薬品を本来の医療目的から逸脱した用法や用量あるいは目的のもとに使用すること、医療目的にない薬物を不正に使用することをいいます。 もともと医療目的の薬物は、治療や検査のために使われるものです。それを遊びや快感を求めるために使用した場合は、たとえ一回使用しただけでも乱用にあたります。

現代人の多くは薬物(くすり)に対する正しい知識が薄れています。医薬品は長年の英知の結果生まれた産物であって、治療等には欠かせない大切なものです。医師の指示に従って用法と用量を守って使うことが大切です。

Q:麻薬を続けると精神的な影響が出てきます。それはどんなもの?
・感情のコントロールができなくなる。
・恐怖や罪悪感、幻覚など。
・いつもハッピーで幸せな気分。

Q:薬物乱用はすぐにやめられるものでしょうか?
・遊びで始めた人はすぐにやめられる。
・やめようと思えばいつでもやめられる。
・依存性が強いので一度やってしまったらやしめられない。

■精神的依存

楽しさや満足感をもたらす作用があるか、若しくは、不安・不眠・抑鬱状態等の不快感を低減させることができるとの期待から、ある種の薬物の反復的使用を渇望し、または強迫的に使用を迫られる傾向が存在して,いることをいう。精神的依存の対象としては、薬物をはじめとして、食物、性、人間関係、余暇活動その他諸々の事物が考えられます。なお、「精神的依存」は主要な禁断症状が全く見られないか若しくは極軽度に見られる「満足感型依存」と、使用の中断により重い禁断症状が発現する「情緒的依存」と分けることができるでしょう。

■身体的依存

習慣作用として、一定の習慣性化学物質が継続的に体内組織に存在していることが欲求される状態で、使用を中止すれば、死に繋がりかねない重大な禁断症状を呈する。身体的依存の程度及び禁断症状の軽重は、使用する薬物の量、頻度、使用期間等によって異なる。

恐ろしいフラッシュバック

■再燃現象(フラッシュバック)

薬物の乱用の害は半永久的に続きます。薬物の乱用などでひとたび幻覚・被害妄想などの精神病の症状が生じると、治療によって表面上は回復しているかにみえても、精神異常が再び起こりやすい下地が残ってしまうのです。乱用をやめ、普通の生活に戻ったようでも、何かの刺激によって再び幻覚・妄想などの精神異常が再燃することがあります。これをフラッシュバック(自然再燃)現象といい、お酒を飲んだり心的なストレスなど、ほんの小さなきっかけでおこってしまうのです。

覚せい剤の恐怖

■薬物乱用がもたらす社会的影響

薬物乱用がもたらす影響は個人にとどまらず、周囲の人や社会全体に害をもたらします。

薬物乱用は個人の問題だから、別にかまわないのでは…という人がいますが、それはおろかな考えというしかありません。薬物乱用ほど、周囲に深刻な影響を与えるものはほかにないからです。

代表的なひとつが暴力です。長い間、薬物を乱用していると、知覚障害・食欲減退・情緒障害、幻覚や被害妄想が強くなり、家族に乱暴したり、常に凶器をもち歩くなどの異常行動がめだつようになります。家族や周囲の人たちはそれらにふりまわされ、恐怖と苦痛の毎日を強いられることになります。

また、乱用薬物の密売価格は非常に高いため、一家の大黒柱である父親が仕事をやめ、家財道具を売り払い、ぱく大な借金に追い回されたあげく、家庭崩壊、生活破綻にまでいきついたり、未成年の子どもが家の金品を持ち出したりするなど、薬物乱用は経済的にも深刻な事態を招きます。

さらに、薬物乱用はさまざまな犯罪にもむすびついています。幻覚や妄想、フラッシュバック現象によってひきおこされる殺人、放火、監禁、傷害などの凶悪な事件や、薬代欲しさの窃盗などがあとをたちません。

このほか、乱用薬物が国際麻薬犯罪組織や日本の暴力団の資金源になるといった社会問題など、薬物乱用による影響は広い範囲にわたり、さまざまな角度から市民生活をおびやかしています。


手記 息子に忍び寄る魔の手 主婦 D子(43歳)

今まで、テレビや雑誌などで見るだけ、聞くだけのことが、まさか自分の息子に降りかかってくるとは思ってもいませんでした。

私の息子は、仲の良い友達と同じ高校へ通い、「学校が楽しい」と毎日元気に通学しておりました。

しかし、あるときから、電車通学の息子は、今までの友達とは少し違った友達ができ、服装や行動、言葉遣いが変わってきました。息子に注意をすると、家を飛び出し、夜中に帰宅したり、無断外泊をするようになりました。

その頃から、毎月決まった小遣いをあげていたにもかかわらず、「参考書を買うから」とか「友達と食事をする」と言っては頻繁にお金をせびるようになりました。

あんなに楽しみに通学していた学校をよく休むようになり、話しかけても、今まで見たこともないすごい目つきで暴言を吐くようになりました。

自分の部屋に閉じこもり、昼間にもかかわらず雨戸を閉め、電気もつけずに真っ暗にして、わけのわからない言葉を言い、時には大きな奇声を発するようになりました。そして、高校も退学せざるを待なくなり、自主退学後は、部屋に閉じこもりがちになってしまいました。

まだその時点で、わたしは覚せい剤のせいともわからず、精神科の病院にでも連れて行こうかと思っていた矢先、私が息子の部屋を開けると、コソコソとカバンに何かを隠すのを目撃しました。

息子がトイレに行ったすきにカバンの中を見てみると、白い粉が入った小さなビニール袋を見つけました。

まさか‥…・

背筋がゾ一っとしたことを今でも覚えています。

どうしてもっと早く気づいてあげられなかったのか、悔やんでも悔やみきれません。覚せい剤など、私にはまったく違う世界のものだと思っていたのに、こんな身近なところで、まして子どもに簡単に入手できるなんて、信じられない気持ちでいっぱいです。

覚せい剤は一度やるとやめられず、薬におぼれてしまうと聞いています。息子のこれからがとても心配です。

その後、だれに相談してよいのかわからないままいましたが、やはり警察に行くことにしたのです。

警察の方はとても親切に相談にのって下さるし、最初は「私の監督不行き届き」だと責めるだけの主人も前向きに考えてくれるようになったので、また笑顔で暮らせる日を夢見ながら息子と頑張りたいと思います。

一日も早く、この世から覚せい剤がなくなることを願っております。

<フレッシュさん> 私の思い 東支部 箱崎部会 弘慈堂薬局 安部有弘

皆様、はじめまして。6月より薬剤師会に入会させていただくこととなりました。よろしくお願い致します。

さて何を書けばよろしいのでしょうか?とりあえず思うままにペンをすすめることにしましょう。私が勤務します弘慈堂薬局は、すぐ背中が箱崎宮に面しており、いつも見守られている様なそんな気がする所でございます。

弘慈堂薬局では「そうぞう性を大切に」というモットーの下、活動させていただいています。「そうぞう」と言いますと、想像,創造がパッと思い浮かびますが、これだけにとらわれず、想造、創像などなど自分でいくらでも作りあげることができます。このようにとらわれることなく自由に、さらなる広がりを持たせるという意味も込めてひらがなで「そうぞう」としたというわけです。

この業界も保険財政の悪化,規制緩和などでかなりの逆風がこれからどんどん吹き荒れてくることが予想されますが、「そうぞう」があれば、逆風を追い風に変えることも可能ではないかと考えています。

こんな変わったことを考えている薬剤師です、と終わりたいところなのですが、ちょっと字数が足りないようですのでもう少し頑張ってみます。

どんな時代になっても愛される薬局とは、薬剤師とは何だろうとよく考えます。特に現在は、不況、不況と耳にします。以前、歴史の時間に学んだ世界恐慌とやらに様子は酷似しているようです。しかしながら便利な物という物に本当に豊かに囲まれています。それでも落ち込んでいる人、そうではなく元気はつらつな人、どこにどう違いがあるのかなと観察していると、その人に宿る躍動感、前向きな目的を兄い出して豊かな発想を持つことができる、こんなところで大きく分かれているのかなと感じています。そんな豊かな人は、周囲に心の豊かさ、勇気を与えてくれます。

そこには高齢だとか若いとかは関係ないと思います。お金持ちかそうでないかも関係ないと思います。病気をされた方でも積極的な方とそうでない方とでは随分と回復のしようも違ってくると思います。

扱う商品だけでなく薬局そのものがすべての人に求められるには、どれだけの心の豊かさを与えることができるか、そんな時代にさしかかった様な気がします。さらに、与えた豊かさがより継続するにはどうすればよいのか。

そんなことを日々「そうぞう」しながら調剤に励んでいます。

うちの看板娘(No.10)

朝日調剤薬局編


 「シロちゃん」という愛称で呼ばれて、あっという間に一年が過ぎました。
 人見知りだった私が、すっかり朝日調剤薬局の色に染り、のびのびと仕事ができるのも薬局の親切な皆さんのおかげだと思います。
 まだまだ勉強不足なところがありますが、明るく元気にがんばりたいと思います。


《スタッフより》

「お大事に!!」患者さんへの彼女の元気な一言は周りのスタッフへも次々と「お大事に」を伝染させていきます。
 元気で大きな声は、彼女の“一押し”ですが、人見知りだったとは今日まで知りませんでした。

《広報委員会より》

 このコーナーも10回目を迎えていろんな薬局の方々に登場して頂きました。これからまだまだ続きます。どんな方に出逢えるか、とっても楽しみにしている編集委員会です。独身男性(女性)諸氏!!ピン!とくる方あらば、どうぞ恥ずかしがらずに即、御一報下さい。 早い者勝ちです。
 また、登場者も募集しています。老若男女、自選・他選、未婚・既婚を問いません。今や自己アピールの時代です。気軽に応募してみませんか。

<学薬のページ>

第4回学薬理事会

日 時 平成10年8月5日(水)

報告事項
・福岡市近郊学校プール水質検査(授業プール)
  6月9日〜7月1日  古賀市・新宮町・篠栗町・久山町
  7月6日〜7月8日  志免町・粕屋町・宇美町・須恵町
・平成10年度第1回福岡市立学校給食センター運営委員会
  平成10年7月10月 吉田斌副会長出席
・博多区学校薬剤師研修会 平成10年7月24日 於 三井アーバンホテル地下「日本亭」
・東区学校薬剤師研修会 平成10年7月11日 於 リーセントホテル
・中央区学校薬剤師会 平成10年8月21日 於 観山荘
・南区学校薬剤節会 平成10年10月7日 於 公彦
・平成10年度全国学校保健調査実施 市薬〆切り 9月10日
・第48回九州地区学校保健研究協議大会 (於 長疇)
  7月23・24・25日 吉田斌副会長出席
・第48回全国学校保健大会(於 仙台)
  平成10年11月5・6日 細井・、吉田斌・古賀・三津家先生出席
・平成10年度 喫煙・飲酒・薬物乱用防止教 育指導者研修会の講師依頼 木原専務へ
・平成10年8月26日 福岡市教育センター406研修室
  対象 市立小学校、養護学校の校長・教頭 保健主事・学校保健関係者


第5回学薬理事会

日 時 平成10年9月11日(金)
協議事項
・平成10年度 福岡市学校保健大会について 12月7日 於 都久志会館
特別講演 福岡教育大学教授 横山正幸
研究発表・活動報告と協議
 座長 宮竹中学校  校長 川野司
 福岡市学校薬剤師会 理事 樋口昌嗣
 南福岡養護学校 養護教諭 菅靖子
                 他

プールの水質検査について
 開放プール・2学期授業プールの水質検査結果がでました。いろんな不適がありますが、まず、残留塩素の濃度不足のものは、すぐに水泳を中止して、顆粒剤を注入器に入れたりして、至適濃度になったのを確認して、再び水泳をさせるべきである。
 プール日誌なども見て、不適で泳がしていないか見てみることです。
 プールの責任者に濃度を改善す盲よう申し入れをして下さい。その場の先生や責任者以外に言っても、その学校のプールの塩素濃度が改善しない場合があるからです。(来年の参考までに。)

薬物乱用防止について
 今回も薬物乱用防止の保健活動報告書が多く届いています。警察の発表でも青少年の薬物使周が拡がるばかりです。学薬の先生の活動で、一人でも防止できれば幸いです。

<試験センターより> 試験センター委員会 平成10年度計画的試験検査についての基本的方針

1.平成10年度計画的試験検査における基本姿勢

本年3月31日、薬局等構造設備規則が改正され、薬局医薬品製造業の許可を受けている薬局以外にあっては、医薬品の試験に係わる試験器具を設置する義務がなくなった。しかし、この改正によって試験検査の実施義務が廃止されたわけではない。試験検査の実施義務は薬事法施行規則第11条及び29条の3によって以前と変わりなく明確に規定されている。

今後試験検査センターに求められることは、単にデータを出すことではなく、例えば、薬局製剤や薬局等に長期間保存されている医薬品について試験検査を実施するなど、薬局等にとって有益な試験検査を意図をもって行い、考察を加えたデータを施設に返すことである。特に計画的試験検査は薬剤師会でなければ実施できない要素を多く含んでいる。 個々の試験検査センターだけではなく全国の試験センターが有機的にデータの交換や分析法の情報交換を行って試験検査を行っていく必要がある。

薬局等構造設備規則の改正によって試験検査の実行性が失われたとする考え方が一部にあるが、試験検査センターが薬物治療において患者・消費者のために果たされなければならない目的がさらに明確になったといえる。

そのためには、計画的試験検査の位置づけを明確にするた桝こ、流通医薬品の品質確保のほかに、下記3点の計画的試験検査実施の目的をより明確にして試験検査の品目と項目を選定し、薬局等の施設に理解を求めていく必要がある。
 @ 製剤学的同等性の確認
 A 服薬指導の根拠となるデータの収集
 B 調剤技術の向上のための試験

また、計画的試験検査の試験品目及び試験項目の選定に当たっては、過去から不適正な医薬品が多く見つかっている製品について、重点的に実施されたい。

2.計画的試験検査実施目的の明確化

契約施設が新たに設定した計画的試験検査の目的を充分理解して検体を提出できるよう、その試験品目・項目について、試験を実施する背景、意図、評価目的を検体提出依頼時に明確にするように努められたい。なお、この件については各都道府県衛生主管部(局)薬務主管課等とも相談し試験品目の選定に当たられたい。

3.医薬品製造承認書・標準品の入手

医薬品製造承認書を製薬メーカーに請求する場合は、試験の目的と必要な部分(試験方法及び規格値等)を指定して提供を求め、あわせて、試験に必要な標準品の提供を依頼し、製薬メーカーに理解を求めること。なおかつ製造承認書の入手が困難な場合には各都道府県衛生主管部(局)薬務主管課に協力を求められたい。入手できない場合は日本薬局方に準じて試験検査を実施されたい。

4.「不適」発生時の対応

不通と思われる医薬品を発見した場合に備えて、各都道府県衛生主管部(局)薬務主管課と十分に協議し、その対応方法を決めておく必要がある。少なくとも「不適」と思われる医薬品を発見した場合は各都道府県衛生主管部(局)薬務主管課に速やかに報告し、当該医薬品について廃棄等を含めた薬局での対応法を指導されたい。

不適の原因究明については製造工程過程・流通過程・薬局での管理等における原因を推測し、可能なかぎり実施されたい。究明に当たっては、検体を提出した薬局、当該製造メーカー(輸入販売)に対して検査結果を報告、照会し協力を求められたい。

特に、薬局から提出された検体で有効期限(または使用期限)の表示等がなく、古いと思われる医薬品について「不適」が生じた場合には、当該医薬品について廃棄等を含めた薬局での対応を指導されたい。

5.試験検査の対象とする医薬品

計画的試験検査は流通する医薬品を対象としていることから、有効期限切れの医薬品については廃棄が基本であり、試験検査の対象としない。契約施設からの依頼として期限切れ、経時変化等の医薬品の試験検査依頼があった場合には、計画的試験検査とは別に試験検査を行うこと。

なお、試験検査の具体的な対象品目及び試験方法については、平成9年度以前の試験結果及び厚生省医薬安全局監視指導課が隔月作成・公表している「監視速報」に記載される「最近の不良品等回収事例一覧」等を参考に決定されたい。

6.計画的試験検査結果の公表について

契約施設には個々の試験データとともに計画的試験検査の実施目的に添った総括と考察を加えた報告書を添付することが望ましい。

7.計画的試験検査を実施する上での留意点

@ 計画的試験の試験項目については、GEの品目が増えることが予想されることか ら、特に溶出試験の実施について留意されたい。 A 医薬品等は、経時変化によって品質が低下することが予想されることから、有効期間、使用期限、当該薬局の購入年月日、開封年月日を記録し、または保管条件(場所、開封の有無、日光の照射状況等)もできるだけ詳細に記載してもらうよう依頼すること。 B 同様に、検体を薬局から搬送した条件(手渡し、郵送、クール便等)、試験検査機関での保存状況についても上記にしたがって詳細に記録すること。 C 異物混入等による自主回収が多く発生していることから、外観及び性状試験を積極 的に実施することが望ましい。また、異物混入時点を明確化するため、契約施設に対して医薬品が納入された時点で検収しているかを確認しておく必要がある。 D 検体の数量については「不適」等によって再試験を実施する必要性を生じる場合があるので3回試験を実施できる量(同一ロット)の提出を求めることが望ましい。

[参 考]溶出試験について

医療費の増大に伴って、薬価基準制度の廃止、参照価格制度への移行問題が具体化する中でジェネリック・ドラッグ(GE又は後発医薬品)の利用拡大が進んでいくと考えられる。GEの利用については薬物治療学的な同等性が問題になっており、厚生省は平成9年2月に医薬品品質再評価成分として12成分(次表)を指定し、生物学的な同等性を証明する資料の提出と溶出試験データの添付を製薬企業に求めた。平成10年1月からは改訂された「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン」が医療用後発医薬品に適用され、申請時に生物学的同等性に関するデータと溶出試験データが添付されている。本年7月15日には第2次医薬品品質再評価指定成分として16成分(次表)が追加され、厚生省では後発医薬品の品質再評価事業として最終的に550成分、約5,000品日を対象にするとしている。

後発医薬品の再評価事業ではこ先発製薬企業に対して標準となる製剤を選出させ、あわせて公的溶出試験案を作成することとしている。この公的溶出試験案はすぐには公表せず、厚生省審査管理課の検討会で科学的妥当性が審査される。科学的妥当性は国立医薬品食品衛生研究所を中心に10都府県(埼玉・東京・神奈川・富山・静岡・愛知・京都・大阪・兵庫・福岡)の衛生試験所で試験を実施して検証するようである。審査には1〜2ケ月かかる。

こうして、まず標準となる成分・製剤ごとの公的溶出試験を作成し、GEメーカーに内示する。GEメーカー各社は溶出試験を実施してデータを作成することとなる。このデータを元に後発医薬品の再評価申請が行われ、先発メーカーのデータと比較される。厚生省はGEメーカーに3ケ月程度で溶出試験データを提出するよう求めている。

結果の公表は平成16年までに実施されると思われるが、厚生省が求めているのは医薬品承認時における生物学的同等性である。流通段階での物理的環境変化が溶出試験データに与える影響については研究されたことがなく、不明のことが多い。計画的試験において、溶出試験を実施し、製剤学的な同等性に変化が起こっていないかを確保することが必要である。

表 品質再評価指定成分(28成分)

<お知らせのコーナー> 保険薬局店頭表示の新標示のご案内 (社)福岡市薬剤節会 会長 藤原良春

いま、保険薬局の店頭に掲示されている処方箋受付けの表示は、何種類かありますが、その内容、形ともまちまちで、利用される患者、家族からはその内容が充分に理解され難いものとなっており、清潔を旨とする薬局の美観からもその改善が求められています。

福岡市薬では、「かかりつけ薬局」育成事業の発展を図りたいとして、このほど北九州市粟がすでに実施している「すべての処方箋を受け付けております」と表示する2種類の「商標」を福岡市薬用にアレンジして、来る10月1日から掲示して頂くよう会員の薬局のみに配布することとしました。

この「商標」には、「すべての病院・診療所からの処方箋」を応需しますとの標示になっており、現在限られた病院などからの処方箋を主体に応需されている保険薬局では、今後すべての処方箋に対応できるかとの不安もあります。市薬では、これに対応する医薬品の供給システムを早急に確立することが急務として努力を続けることとしています。

本来、国が推進している医薬分業の姿は、「面分業」であり、患者がその地域で信頼して選ぶ薬局は、すべての薬が調達できる「かかりつけ薬局」でなければなりません。

直ちに、「すべての処方箋」を応需すると掲示することには多少の不安があるにしても、薬剤師の職務として調剤を拒否しないという自覚と、対応できる自信を持って、患者・家族の要望に応えられるよう、一層のご研鎌をお願いするとともに、この新しい標示が「かかりつけ薬局」の育成・発展に役立つものにしたいと思います。

新しい標示は、会員の皆様に無料で配布しますので、スッキリとした店頭に表示して頂きますようよろしくご協力の程お願い申し上げます。

保険薬局店頭表示の新標示

<商組のページ>

ご協力よろしくお願い申し上げます。
ヒシルックGO ヒシライトU ヒシピレ ヒシライト(分包)

〜三師会開催さる〜 (社)福岡市薬剤節会 専務理事 入江理裕

8月18日、市長を交えての福岡市三師会恒例の行事は薬剤師会の当番のもとに『三光園』に於て大変なごやかにとどこおりなく終える事が出来ました。

この会を催すに当って、松嶋健康増進課長には大変お世話いただき心より感謝申し上げます。又、医師会・歯科医師会の先生方のご協力ありがとうございました。

ご出席していただいた方々は、市からは桑原市長・井口助役・川口保健福祉局長・坂本医監、市医師会からは、竹島会長・福田副会長・田中副会長・江崎専務、市歯科医師会からは、秋山会長・薄地副会長・永ノ江副会長・永田専務、薬剤師会は藤原会長・光安副会長・合澤副会長と専務の私でした。

会は、色々な話が出て大変盛り上がりましたが、その中で一番びっくりした事は、市長が使命感にあふれ、その使命をはたさんと大変エネルギッシュに活動してある事でした。一年の内120回の東京往復、信じられませんでした。私なんか日薬での会議に東京日帰りで行ってきますが、2〜3日は疲れがとれません。しんどい事なのです。市長は少なくとも3日に一度は東京に行っているわけです。スゴイ! 次にビックリした事は、まったく市長が気さくなことです。なんでも話しやすくテレビや新聞、ラジオからの印象とこれほどちがうとは!実にいいおやじさんでした。ちなみに竹島医師会会長・秋山歯科医師会長のご両方も、お話が大変しやすい方々でした。

さて、私達薬剤師が気になる保健・医療・福祉の事についても、これだけ忙しいのにどこで勉強されているのか知識の豊富さにびっくりさせられました。話だけでなくそれらの実現に向けて予算や優先順位をからませて、1時間以上も熱弁をふるわれている姿は青年のごとく、お話を聞いている時は市長の年齢をすっかり忘れていました。実に有意義な会でございました。三師会は市長を盛り上げ、三師会の結束はますます強固なものとなるでしょう。市長には、市民の保健・医療・福祉の「総合した福祉の街づくり」の一環として市民のもよりの相談出来る所として、かかりつけの薬局の育成にご尽力をお願いしたいと思います。

三師会

<薬連のコーナー> 支部推薦の市議と福岡市薬剤師連盟役員との懇談会出席者名簿

 日時:平成10年9月25日
 場所:「てら岡」

福岡市議会議員

    (市議団世話人 大江健一先生)
 自民党  大江健一 (城南区)
  〃   稲員大三郎(中央区)
  〃   福田康男 (博多区)
  〃   浜地輝一 (西 区)
  〃   津田隆士 (早良区)
 福政全  国分節雄 (南 区)
  〃   手島敏文 (東 区)
  〃   渡辺史人 (早良区)

福岡市薬剤師連盟

身を乗り出して熱心に懇談 顧  問 久保田秀己
 会  長 藤原良春
 副会長  光安龍彦
  〃   合澤英夫
 専務理事 入江理裕
 常務理事 藤田 彰
  〃   北島啓子
  〃   市原和郎
  〃   中野勝郎
  〃   田中範江
  〃   吉田 斌
  〃   瀬尾 隆
  〃   井上嘉明

支  部  長

  東   伊東美穂
 博 多  鶴原 潔
 中 央  梅未芳彦
 早 良  本村精也
 城 南  松島照幸
  酉   占部吉幸
  南   末田順子

市薬顧問の久保田先生をはじめ各区選出の議員の先生方に来て頂いて、市薬からの要望をお伝えして各先生方へ実現して頂くようにお願いしたところ、これらの件に対し前向きに活動していきますとありがたい御返事を頂きました。

そののち宴のなかでは、これからの行政問題、健康談義などそれぞれめ先生方をまじえながらの有意義な会となりました。

中野達也(東支部長代理)

<市薬薬草観察&バーベキュー大会> 薬局委員会 カワラタケとダイオキシン 〜薬草観察会〜

例年の市薬薬草観察&バーベキュー大会が、9月13日今年は東区久山町の三日月山で行なわれた。集合場所は三日月山霊園駐車場だったが、横に広い芝生の公園が広がっていた。現地集合は10時20分で、薬局委員会により周到に作られ前もって配られた地図を手にして、間違えることなく現地に着いた。

第一薬科大学の木村教授と、冷川先生の丁寧な解説を聞きながら、2班に別れて三日月山を一周した。今回の薬草は全部で36種類あったが、地図を片手に番号を確認しながら登っていく。最終確認は10月4日になっている。

木村教授のお話の中で特にカワラタケについてはダイオキシン等の解毒の問題にまで話が及んで、興味深い薬草観察になった。

今年はテントを張り、バーベキューは本格的に業者に依頼したとのことで手際が良かった。薬局委員会が骨付きカルビやホルモンを休むことなく焼いてほとんど待ち時間もなく食べることが出来たが、委員会の方は大変だつ.たと思う。最後は焼きそばで締め括った。

テント内は広くゆったりとして、久しぶりの休息を満喫できた。支部間の交流といった点からもこのバーベキュー大会は非常に意味のある大会だと思う。薬局委員の先生方お疲れ様でした。歴史があるとはいえ、用意周到さには毎回頭が下がる思いがする。

今回の出席者は41名で、天気にも恵まれ非常に楽しいバーベキュー大会だった。

(広報委員:上村義徳)

それでは出発します講師の面々
食べる手を休めてポーズ くつろぐ3人の美女


皆さん参加してみて下さい

9月13日に市薬会員のための薬草観察会&バーベキュー大会が、今年は東区の香椎三日月山・長谷ダム周辺で行われました。

直接、現地に集合される市薬会員のために朝早くから、薬局委員の先生方が途中2ヶ所ほど道案内の看板を持って立っておられました。現地が初めての人にとっては、大変心強く思われたことでしょう。

50名近くの市薬会員の方が参加され、2班に分かれて薬草観察会が始まりました。講師は、はなたれ薬局の冷川先生と第一薬科大学生薬学教室の木村教授にお願いして、『健康ウォークを兼ねて薬草を観察し効用を楽しく学ぶ』が目的の観察会らしく、自然の中を歩き回り、薬草を見つけると立ち止まって薬局委員の先生が薬草に名札を付け、講師のジョークやエピソードを交えての解説と楽しく学ぶことができました。

約1時間半かけての観察会が終わりバーベキュー会場へ行くと、ここでも薬局委員の先生方が肉を焼いたり、ビールをついだりと頑張っておられました。会員の方は、テントの中や木陰など思い思いの場所で焼き肉を食べ、ビールを飲み、会話を楽しんでいました。

この薬草観察会&バーベキュー大会は親睦会も兼ねています。まだ、参加したことがない会員の方は一度参加されてみて下さい。

(広報委員:森山健次郎)

足もとに注意次にすすみます
フルムーンパーベQ活躍の薬局委員

薬草観察コース

[代議員会報告]

第42回 社団法人福岡市薬剤師会 通常代議員会(通算第70回総会)

日 時
平成10年6月26日(金)午後7時30分
場 所
福岡市薬剤師会館 講堂

代議員会次第

1.開  会
1.会長演述
1.議  事
(1) 報 告
  第1号 平成9年度事業報告(学薬、勤務薬、女子薬、商組事業概況報告)
(2) 議 案
  第1号 平成9年度歳入歳出決算確認の件
1.監査報告
1.閉  会

総会次第

1.開  会
1.会長演述
1.第42回福岡市薬剤節会臨時代議員会決定事項報告
1.閉  会

〔1〕報  告

報告第1号 平成9年度事業報告

 医療保険制度の抜本的改革が重要な課題とされるなかで、薬剤師の医療に対する責任、あるいは地域医療を担う→員としての地位の確保などを念頭に、組織の強化、広域病院対策、在宅医療への参加と推進を図りながら「かかりつけ要局」の育成に努めた。
 また福岡医療園内の薬事情報交換の場としている「福岡医療圏協議会」は、3ケ月毎の開催として定例化され、広域病院の分推状況などの情報、各種研修会への参加協力など近隣する薬剤師会と相互協力の態勢が整いつつある。
 さらに、多年の懸案であった九大病院事業の移管問題は、平成9年10月30日、県薬会長室における「覚書」調印式をもって、市薬への業務移管手続きを終え、平成9年11月1日からは、窓口要員を引き継ぎ、市薬の事業として運営されており、医薬分業推進の要として福岡医療圏に果す役割は、ますます重みを増している。
 以下、各担当委員会が活動した業務実績を、つぎのとおり報告する。

(1)組織委員会

 会運営の根幹である定款の見直し問題、役員改選、恒例の親睦行事などを実施して会員の相互理解と親睦に努めた。

イ.定款改正作業は、行政機関との調整を図りながら問題点を整理し、改正の原案をまとめて当局に事前審査をお願いしている状況である。
  なお、平成9年8月に設置した「定款検討委員会」は、5回に亘る協議を重ね、会長に意見を答申して検討作業を終わった。
ロ.役員の改選事務は、前回の例にならって選挙管理委員会を設け、選挙の告示から当選人の確定ませの事務処理にあたった。
ハ.平成9年度初めての試みとして、各委員会合同の忘年懇親会を開催したが、参加者からは顧問をはじめ全役員との交流が図られたと好評であった。(参加者115名)
ニ.親睦事業
(1) 第18回ソフトボール大会
  日 時:平成9年10月19日(日)
  参加者:170名
  場 所:武田薬品工業グラウンド
  優 勝:南支部
(2) 第15回ボウリング大会
  日  時:平成10年2月15日(日)
  参加者:160名
  場  所:城山スポーツパレス
  優  勝:勤務部会
  個人優勝:長谷川和美

(2)薬局委貞会

 薬局製剤研修会の開催、及び地域医療における薬剤師の役割をアピールする行事への参加を積極的に推進した。
イ.市行政が主催する「市民の薬草観察会」
  (10月12日)「あいれふ秋空ウオーク」
  (11月9日)行事を支援した。
ロ.各区で開催される「健康フェア」には、各支部それぞれが趣向をこらして参加、市民の参加者も増えて恒例行事として定着してきた。
ハ.薬物乱用防止のキャンペーン事業に参加して、市民への啓発活動を支援した。

(3)社保・分推委員会

 分業の適正化と薬斉礪市の資質向上を図る処方検討会の実施、あるいは健保法改正についての説明会の開催、内科医会との話し合い、さらには面分業に対する患者の意識調査等々、分業推進に向けて積極的に活動した。
イ.処方検討会は、九州医療センター医師の ご協力を得て、年間11回開催され(うち特別講演6回)(資料参照)、毎回多数の参加者があり、処方箋応需業務の研鐙に役立っている。
ロ.面分業に対する患者の意識調査を3つの広域病院で行ない、1,297件の有効回答を得たので、その集計分析の内容を、熊本市で開催された九州山口薬学大会で発表、多大の反響を得て参加者からの問い合わせも多かったが、今後とも患者の立場に立った医薬分業を推進していかなければならないと認識を深めたところである。

(資料)福岡市薬剤師会処方検討会
第26回 平成9年4月24日(木)
 演者:近藤 正一先生(整形外科医長)
 場所:福岡市薬剤師会館 参加者:187名
第27回 平成9年5月22日(木)
 演者:古賀 英之先生(呼吸器内科医師)
 場所:あいれふ  参加者:161名
第28回 平成9年6月26日(木)
 演者:井口 厚司先生(泌尿器科医長)
 場所:福岡市薬剤師会館 参加者:155名
第29回 平成9年7月24日(木)
 演者:冷牟田浩司先生(循環器内科医長)
 場所:福岡市薬剤師会館 参加者:173名
第30回 平成9年8月28日(木)
 演者:安藤 文英先生(消化器内科医長)
 場所:あいれふ  参加者:104名
特別講演 平成9年9月25日(木)
 演題:「患者理解とカウンセラー」
 演者:矢永由里子先生(カウンセラー)
 場所:あいれふ  参加者:137名
特別講演 平成9年10月23日(木)
 演題:「服薬指導と処方検討」
 演者:真鍋 健一先生(調剤主任)
 場所:あいれふ  参加者:171名
特別講演 平成9年11月27日(木)
 演題:「心臓血管外科治療における最近の話題から」
 演者:川内 義人先生(心臓血管外科医長)
 場所:福岡市薬剤師会館 参加者:130名
特別講演 平成10年1月22日(木)
 演題:「輸血と血液製剤」
 演者:隅田 幸男先生(心時血管外科医長)
 場所:あいれふ 参加者:93名
特別講演 平成10年2月26日(木)
 演題:「医薬品情報とネットワーク」
 演者:西野  隆先生(業務主任)
 場所:あいれふ  参加者:72名
特別講演 平成10年3月26日(木)
 演題:「医療現場におけるネットワークシステムの展開イメージ」
 演者:中島 淳博先生(心臓血管外科医師)
 場所:あいれふ  参加者:150名

(4)広報委員会

 市薬の事業内容、あるいは薬事情報などを会員に知らせる唯一の広報紙「市薬ジャーナル」は、2ケ月毎に発行している。また常に内 ̄容の充実を心がける広報委員は、総力を結集して情報の収集、行事の取材などにあたった。
 とくに、編集にあたっては、会員への情報提供を第一義として特集・シリーズものを充実させ、会員からの寄稿・委員会・役員会議の報告・支部だより・お知らせコーナーなどを設けて親しみやすく、興味を引く広報紙をめざして活動した。

イ.「市薬ジャーナル」は2ヶ月ごとに1,300部発行して、全会員に送付するとともに、議員、行政機関などの関係者にも送付して、市薬の動向を紹介している。

ロ.とくに、平成9年度の特集記事には早良区の在宅ケアほっとライン活動報告、南区の厚生省在宅ケアモデル事業をとり上げ、シリーズものとしては、薬剤情報提供、環境問題を連載した。

ハ.そのほか、日薬学術大会、九山薬学大会の報告、「ダメ。ゼッタイ。」キャンペーンの連載等、時宜に適した記事の掲載に心がけ、経費節減の一助にと表紙の裏面に「商業広告」を掲載、また、鑑の部分、見出し、キャッチコピーにも配慮工夫し、表紙の体裁も改めてイメージの一新を図った。

(5)在宅医療委員会

 在宅医療に対する認識の周知徹底を目的とした「在宅医療研修会」の開催、厚生省のモデル事業「在宅介護相談薬局」の募集と所轄保健所との連携、「ケアマネジャー」養成のための研修と講習会などを開僅して、創設される介護保険制度のなかで薬剤師が関わる居宅療養管理指導などを含め、制度全般について理解を深める努力を続けている。

イ.在宅医療研修会
(1)日時:平成9年4月25日(金)午後7時30分
  場所:福岡市薬剤師会館 講堂
  第1部「在宅ケアホットラインについて」
      福岡市早良区保健所 予防課在宅ケア担当主査 宗 龍江先生
  第2部「在宅患者の服薬実態、その問題点と解決に関する研究」
      博多薬剤師会 森 千江子先生

(2)日時:平成9年6月24日(火)午後7時30分
  場所:福岡市薬剤師会館 講堂
  第1部「在宅医療・介護保険は薬局の柱となりうるか」
      在宅担当 常務理事 入江 理裕先生
  第2部「介護保険の基本」
      城南区在宅委員 原田美代子先生

(3)日時:平成9年7月30日(水)午後7時30分
  場所:福岡市薬剤師会館 講堂
  演題:「福祉のまちづくり推進について」
  講師:福岡市保健福祉局 総務部計画課長 松田 潤嗣先生

(4)日時:平成9年11月27日(日)午後7時30分
  場所:福岡市薬剤師会館 第1会議室
  演題:「介護保険について」
  講師:福岡県薬剤節会常務理事 井上 章治先生

ロ.モデル事業参加者のための研修会
  日時:平成9年11月11日(火)午後7時
  場所:福岡市薬剤師会館 講堂
  演題:「在宅ケアホットラインの情報提供について」
  講師:福岡市高齢保健福祉課主査 梅田美谷子先生

ハ.在宅介護相談薬局の活動状況

(6)学術委員会

 薬剤師職能の資質向上を図る生涯教育の一環として、毎月開催される学術研修会または薬物療法研究会は、会員に定着して好評を得ている。また一般の薬剤師を対象とする薬局実務研修会は第8回目を迎えたが、参加者は前年より少なかった。
研修会の事業実績は下記のとおり。

1)学術研修会
  日時:平成9年4月17日(木)午後7時
  場所:福岡市薬剤師会館 受講者:153名
  演題:「小児免疫疾患の基礎と臨床(U)」
  講師:九大病院 小児科助手 大賀 正一先生

2)薬物療法研究会
  日時:平成9年5月21日(水)午後7時
  場所:福岡市薬剤師会館 受講者:140名
  演題:「点眼剤の使い方」点眼剤の眼内移行と服薬指導、
     白内障手術ビデオ、点眼剤の製剤設計と開封後の留意点
  講師:参天製薬 品質管理室長 植村 攻先生

3)学術研修会
  日時:平成9年6月18日(水)午後7時
  場所:福岡市薬剤師会館 受講者:222名
  演題:「大腸菌O−157感染症について」
  講師:福岡市立こども病院・感染症センター 感染症科部長 青木 知信先生

4)学術研修会
  日時:平成9年7月23日(水)午後7時
  場所:福岡市薬剤師会館 受講者:129名
  演題:「緑内障の診断と治療」
 講師:九大病院 眼科学教室講師 久保田敏昭先生

5)薬物療法研究会
  日時:平成9年9月10日(水)午後7時
  場所:福岡市薬剤師会館 受講者:144名
  演題:「高脂血症治療薬の種類と特徴」
  講師:キッセイ薬品工業梶@福岡支店 学術室室長 小宮 芳伸先生

6)学術研修会
  日時:平成9年10月22日(水)午後7時
  場所:福岡市薬剤師会館 受講者:122名
  演題:「高脂血症薬の診断と治療」
  講師:九大病院医学部 第二内科講師 吉成 元孝先生

7)薬物療法研究会
  日時:平成9年11月19日(水)午後7時
  場所:福岡市薬剤師会館 受講者:160名
  演題:「抗不安薬の種類と特徴」
  講師:住友製薬 福岡支店学術担当 平野さかえ先生

8)学術研修会
  日時:平成9年1月21日(水)午後7時
  場所:福岡市薬剤師会館 受講者:151名
  演題:「生活習慣病とその治療」
  講師:九大病院医学部 心療内科教授 久保 千春先生

9)薬物療法研究会
  日時:平成10年2月19日(水)午後7時
  場所:福岡市薬剤師会館 受講者:106名
  演題:「抗ウイルス剤の種類と特徴」
  講師:日本ウエルカム梶@ウイルス感染グループ 加藤 一也先生
     HIV学術担当 湯川 梯尚先生

10)薬物療法研究会
  日時:平成9年3月19日(水)午後7時
  場所:福岡市薬剤師会館 受講者:92名
  演題:「発疹症について」
  講師:福岡市立こども病院・感染症センター 感染症科部長 青木 知信先生

11)第8回薬局実務研修会
  日 時:平成9年8月30日(土)午後2時
  受講者:22名
  日 時:平成9年8月31日(日)午後10時
  受講者:26名
  日 時:平成9年9月6日(土)午後2時
  受講者:23名
  日 時:平成9年9月7日(日)午後10時
  受講者:23名
  場 所:福岡市薬剤師会館

(7)試験センター委員会

 厚生省が指定する試験検査機関として機能する市薬試験センターは、日薬の全国統一試験、あるいは医薬品の計画的試験を実施するとともに、福岡市との委託契約による学校飲料水、水泳プール水の水質検査並びに給食センターの環境調査を行った。実施状況は下記のとおり。
(1) 医薬品関係
 1)福岡県 医薬品計画的試験
  検  体:ジクロフェナクナトリウム錠(17検体)
  試験項目:3項目(性状、溶出試験、定量試験)
 2)日薬 医薬品全国統一試験
  検  体:塩酸チクロピジン錠(4検体)
  試験項目:溶出試験
(2) 環境関係
 1)市立学校飲料水水質検査
  毎学期1回234校(分校を含む)
  1学期 5月19日(月)〜6月6日(金)
  2学期 10月13日(月)〜10月30日(木)
  3学期 2月16日(月)〜3月6日(金)
 2)市立学校水泳プール水水質検査 年2回
  第1回 6月23日(月)〜7月18日(金)220校
  第2回 9月2日(火)〜9月12日(金)213校
 3)市立学校プール開放プール水水質検査
  1回  7月22日(火)〜8月22日(金)214校
 4)給食センター環境衛生調査
  毎学期1回 4給食センター
  1学期 5月12日(月)〜5月15日(木)
  2学期 11月10日(月)〜11月13日(木)
  3学期 3月9日(月)〜3月12日(木)

(8)急患委員会

 福岡市急患診療センターの診療体制を支援する薬剤師の出勤表作製をはじめ、設備の改善、深夜勤務者の増員など、コ・メディカル部会への要望、あるいは新規出勤者説明会の開催など急患診療センターの円滑な業務運営について協議を重ねた。
 なお、平日夜間及び準夜勤務は6月2日(月)から、平日夜間の深夜勤務は10月1日(水)から開始されている。
 また、3月末の出勤者登録数は170名、実働者は160名となっており、平成9年度における平日診療の状況は、下表のとおりとなっている。

平成9年度 平日診療の状況(6月〜3月)


(9)市薬薬局委員会

 福岡医療圏の医薬分業支援センターとしての機能を果たすため、研修、調剤、情報、備蓄、在宅の支援事業に努めながら、薬局実務研修生の受け入れ(表1参照)あるいは全国から来訪される視察団の対応(表2参照)にあたり、さらには、医薬分業を支える薬剤の分譲業務あるいは、相互作用の検索依頼に応じるため、これに対応する時間が調剤業務を圧迫することもしばしば見受けられ、処方箋受付の集中率は年平均15.9%となっている。

(表1)
  平成9年度 市薬薬局研修報告
H9.5〜H9.11 長期研修生   1名
H9.5.19〜23  研修生     1名
H9.7.29〜30  学生実習生   5名
H9.8.5〜6  学生実習生   5名
H9.8.19〜20  学生実習生   6名
H9.8.26〜27  学生実習生   5名
H9.8.19〜29  研修生     1名
H9.10.22〜24  薬局実務研修生 5名
H9.10.27〜31  薬局実務研修生 1名
H9.11.5〜7  薬局実務研修生 1名
H10.2.24〜25  県薬ステップアップセミナー 3名
H10.1.27〜28  学生実習生   5名
H10.2.3〜4  学生実習生   5名
H10.2.10    学生実習生   6名
H10.2.17〜18  学生実習生   5名
H10.2.24〜25  学生実習生   2名
H10.3.10〜11  学生実習生   2名
H10.3.17〜18  学生実習生   5名
H10.3.24〜25  学生実習生   6名
H10.3〜H10.5 研修生     1名

実習生の研修にあたってはA.B.Cのランクづけをして実施しているが、習得の実態は千差万別であり一人の実習生に1人の薬剤師を必要としている。
 また、1ケ月以内の短期の実習は手をとることも多く、実習のめんどうを見るのは大変な作業となっている。

(表2)
   平成9年度 市薬薬局視察報告
H9.4.16 宮崎県薬剤師会 事務局長 他14名
H9.8.21 和歌山県福祉保健部薬務課 湯浅保健所衛生環境課長 他3名
H9.9.2 韓国釜山市薬剤師信用組合 理事長 他15名
H9.10.2 久留米市薬剤節会 薬剤 他3名
H9.10.3 久留米市薬剤師会 事務 他8名
H9.10.6 佐賀県薬剤節会 養正会薬剤師 他3名
H9.10.21 財団法人 秋田厚生会 理事長 他8名
H9.11.25 和歌山県薬剤師会 県立医大附属病院薬局長 他13名
H9.12.10 大阪府薬剤師会 国立大阪病院 循環器科医長 他6名
H10.2.17 群馬県保健福祉部薬務課 薬務課課長 他7名
H10.2.26 直方薬剤節会 会長 他2名
H10.3.4 和歌山県湯浅保健所 有田市立病院院長 他7名

 上記来訪者に対する接遇には、1団体平均3時間余を要している。また応援する担当副会長は、その説明等に6時間以上を要し19時をすぎることもある。

議案第1号 平成9年度歳入歳出決算認定の件














代議員会議事録

〔司会 瀬尾常務理事〕
〔開会挨拶 光安副会長〕

会長演述

30周年には記念行事を

皆さん、こんばんは。本日の代議員会が通算で42回となるわけでございますが、第1回は昭和46年でございます。昭和46年に社団法人になりました。それから数えまして42回ということで、27年目に当たるわけでございます。そこで、これは提案でございますが、3年後には、社団法人になり30周年になりますので、何か記念行事を、皆様方のご提言で、できないものかと思います。この30周年記念行事はかなり前から準備がありますので、今日は冒頭にお願いしたいということで申し上げました。

平成9年度は一生懸命九大の件に当たり、6年がかりになりましたが、一応の決着を見ました。そして、今、オーダリングもスタートにこぎ着けまして、面分業の推進で始まった九大の処方箋応需の件、やっとここに来て日の目を見、軌道に乗ってきて、大変喜ばしいことだと考える次第でございます。

昨年度も、「かかりつけ薬局」の育成ということで、事業を行ってまいりました。個々の問題については、担当の常務からご報告があるようになっております。

前回の代議員会のときにも申しましたが、試験センターの契約の件が急遽出てまいりまして、この問題は、福岡市、北九州市、県の薬剤師会、薬務課と相談をし、対応をどうするかということは、決まっております。この件も、後ほど、説明があろうと思いますが、この件が出たために、試験センターの存在の意義が、改めて認識されたと思います。一つには、組織を維持するという問題。もう一つは、基本料の中に試験センターの運営費が含まれているという日薬の見解の問題。この間題をさらにいろいろと検討して充実していかなければならないということを、今回は再認識されたのではないかと考えております。

薬剤師会として、キーポイント

それから、介護保険の問題が目前に迫っております。薬剤師会として、キーポイントになるケアマネジャーの育成にできるだけ多くの会員の先生方の参加をお願いしたいということで、研修会その他いろいろやっております。ケアマネジャーになったから、すぐにどうということではございませんが、これも地域医療と介護保険の問題に密接に絡んでまいりますので、積極的な参加をお願いしたいと思います。

本日は、十分、議論を尽くされ、有意義な一日になるよう祈念いたしまして、ご挨拶といたします。本日はありがとうございました。

〔正副議長登壇〕
○式町議長 今回の代議員会から懸案でありましたブロック代表質問を実施することになりました。市薬を4ブロックに分けまして、そのブロックごとに本日のこの会に臨む前に、付議事項のチェックや、また代議員としてどのような市薬とするべきかというようなことについて、各ブロックで話し合われたことだろうと思います。
 定款第35号により出席代議員数、定数が72名中出席者49名という報告が参っております。よって、この代議員会が成立することを宣言します。

〔議事録署名人指名〕
○式町議長 定款第42条により、会議録著名人2名を南区の芝山代議員、酉区の占部代議員にお願いいたします。

〔議事運営委員長日程説明〕
○梅末議事運営委員長 代表質問制の順番につきまして、城南・早良・西ブロックを1番目に、南・中央のブロックを2番目に、3番目が博多・東のブロック、最後に勤務のブロックという順序で、時間が許す限り、後は個人質問ということで予定いたしております。

議  事

(1) 報  告
 報告第1号平成9年度事業報告を理事者よりご報告

薬剤師会に入ってよかった
○入江専務理事 大庭代議員より、前回、言いっ放し、聞きっ放しを改善してくれと。それとこ薬剤師会に入ってよかったなと思えるようにしてくれということで、まず、前回までのご質問、ご要望について、ご報告させていただきます。

 まず、梅未代議員より、今まで1週間前の議案をせめて2週間前に送ってほしいということは、ブロック質問ができるように送らせていただきました。

 村岡代議員より、火災保険のことについてお尋ねでございますが、コピーを用意させていただいております。このコピーによりますと、建物3,500万円、什器2,500万円、薬品1,000万円に対して、薬品というのは商品のことですが、料率とか、詳しいことはわかりませんが、こういうふうになっております。

 詳しくお知りになりたい方は、コピーしておあげしますので、お申し出ください。

 それと、これが総合保険になっておりまして、この前の台風での被害は保険で請求ができるようになっておりました。

 松島先生、木原先生から、支部の助成について何とかしてはしいということで、これも今、合澤副会長初めとして、鋭意検討中でございます。

両方からのコミュニケーション
 本村代議員の方から、薬剤師会は何を助成できるのか、何か計画があればというご質問がでたときに、合澤副会長から、今、それは私たちもわからんから、ぜひ教えてほしいということに、この前の代議員会でなっておりました。この中の皆様方もOTC専門の方もおありになるし、今、こういうことで困っているとか、こういうことができないとかいう注文を合澤副会長あてに、市薬にFAXを送っていただき、皆様方と考えていきたいと思います。というのは、こういう双方向型のコミュニケーションというのは、今から大事ではないかと思います。こういうことを通じて、また最初に戻りますが、大庭代議員から言われた、薬剤師会に入っていてよかったなということを目指していけると思っております。

 それと、薬局の実態調査は7月号のジャーナルに載せる予定でございます。(7月号79頁参照) また、蔵元代議員より出されていましたデッドストック及び備蓄リストの件、この件もあと藤田常務よりコンピューターの進み具合とともにご報告させていただきます。

 藤野代議員ほかから市薬薬局のお金を少しでも早く返した方がいいのではないかというのが出ておりましたが、このことに関しては合澤副会長より、後でご報告させていただきます。

 木原代議員ほかから学薬のお金についてどうにかしてほしいということがありましたので、これは有馬会計からこれぐらい予算が要るというのが出されておりますので、今、前向きに検討しておりますので、よろしくお願いします。

(2) 議  案
 平成9年度歳入歳出決算認定の件

質  疑

1.代表質問

城南・早良・西ブロック
城南・早良・西ブロック

○本村代議員(早良) 平成9年6月23日決算におきまして、冷川案がまず最初に出まして、執行部裁量で借入金の一部を返済するということを、緊急動議で、一応決定されましたが、そこに議事録があればそのあたりを読んでいただけませんか。そのときに33:16で可決になっています。

○式町議長 読ませていただきます。


目標に向かりて努力
 「33名:16名、1,000万円以内でその金額は上限は1,000万円だけれども、その範囲内でできるだけ借入金を少なくする意味で、予備の方から出していくと、これは今期中にということだったねというふうに執行部にお願いすることに決定いたしましたので、よろしく目標に向かって努力していただきたいと思います」

○本村代議員 結構です。議事録を見ますと、今期の決算分までにこれを1,000万円以内で執行部の裁量で入れるということでしたが、今度の決算には、これはついておりませんので、そこのところのご答弁をお願いいたします。

○合澤副会長 平成9年度の緊急動議が成立するか成立しないかは別にして、代議員さんたちのそういう意見が多数であったということを重く受けとめて、平成10年度の予算の執行の中でできる限り対処していきます。
 一度通った予算の中で、新しく項目をつけるかどうかは、ちょっと堀家先生に聞いてみます。予算の執行そのものが、先ほど申しましたように、試験センターの収入1,500万円、それから専務が言っておりました学薬の補助金も試験センターの中から300万円出ているだけです。有馬会計からの予算をいただきましたが、ちょうど300万円のマイナスが出る、少し補助してくれみたいな要望もありますし、1,500万円の収入がなくなって、そのまま出すとすれば300万円の支出が増える状況にもありますので。

○本村代議員 結局、決算が3,758万4,000円ありますね。予算に3,500万円あるわけです。
そこでお金が250万円残ります。そして結局、分推費の850万円と250万円、そのあたりでいかがでしょうか。

○合澤副会長 分経費には850万円と250万円と、前年度からの残りの510万円あります。

○本村代議員 そうしますと、そこまでは言いませんが、切りのいいところでいかがなものでしょうか。

○合澤副会長 金額ですか。

○本村代議員 ええ。

○台澤副会長 金額はやっぱりちょっと考えさせていただけませんか。

○本村代議員 それでは縛るか縛らないか、決をとってもらいましょうか。

○合澤副会長 それは結構です。皆さんの意見でしたら。

○樋口副議長 今、時間が超過いたしておりますし、執行部の方も即答できないということでございますので、この件については、今日、また時間がございましたらもう一度ご質問をということで、一応これで今の城南・早良・西ブロックの代表質問は打ち切らせていただきます。

 時間がございましたら後でやらたいと思います。その点、執行部の方もご了承いただきたいと思います。

南・中央ブロック
南・中央ブロック

○末田代議員(南) 今回はとても詳しくご説明くださいましたので、質問事項を出しておりましたが、ほとんど回答していただき、質問はもうございません。そういうことで、要望だけさせていただきたいと思います。

 1番目に付議事項、款項目の明確化について出しております。今回、代表質問制ということになりましたので、私どもは皆で集まりまして予備代議員会をやりまして、いろいろ検討させていただきました。この決算書をしっかり見せていただきましたが、やはりわからないことが多うございました。そういうことで、私どもにわかるような款項目の明確化ということで、それから項目の明細情報の公開ということをお願いしたいと思います。

 仕訳はだれがしているのだろうかということも、この仕訳の仕方が、かなりわかりにくいのでできるだけわかりやすい形で私どもに見せていただきたいと思っております。


薬剤師の任務
 3番目の支部活動費の助成についてですが、やはり活動している支部にはたくさんの助成をお願いしたい。この厳しい医療行政の中で、地域の中で活動するというのが、私ども薬剤師会の任務じゃないかと思っております。薬剤師会はこういう活動もしているということで職能のPRなどをすることがとても大事なことで、そういうことが薬剤師会にはね返ってくると思うんです。一生懸命活動している支部が、お金が足りなくてなかなかできない、そういうことにならないように、やっているところには、できるだけたくさんの助成をお願いしたいと思います。2つ要望でございます。

○藤原会長 850万円という分椎の積立金をやっております。本当を言えば、これは返済に回せば回せる財源です。ただ、今、要望が出ました。各支部に対する補助金の増額の問題が出てきているわけです。これだけの財源があるというのは間違いない事実です。

 ですから、一方で増額の要望があり、一方で返済金の要望がある。このバランスをどうとるかという問題と、もう一つ、先ほどから試験センターの問題が入っておりますが、来年度の予算が非常に不透明なんです。それでも来年度の予算の中で、試験センターは、やはり溶質試験をするとかこういう問題も日薬あげての事業でございますから、当然対応していかなきやなりません。そうすると、ここでもまた金が要る。一応今回は不透明な部分が余りにも多過ざるから分業推進積立金、ここで若干言葉を濁らせた面はございます。しかし、皆様方の要望には十分検討しておこたえしていきたい。

博多・東ブロック
博多・東ブロック

○鶴原代議員(博多) 市薬の分業推進事業のおかげをもちまして、聞いたことのないような薬、こういうのが処方でボツボツと出てきております。これに対して強い味方になるものが備蓄薬品リストでございます。第41回の通常代議員会で、光安副会長が「備蓄薬品リストは2ヵ月以内につくりたい」、こうおっしゃっておりましたが、現状はいかがでしょうか。

 「リスト表をつくっても、1ヵ月、2ヵ月ではデッドストックとかいろんな在庫切れとかがありまして、生きたリスト表になっておりません」。こうおっしやいましたが、今でもその認識はお変わりありませんか。


情報を入れて初めてタイムリー
○光安副会長 今、市薬のコンピューター化を早急に図っています言多分11月ぐらいにそういうコンピューター化が実現する。それと同時に、備蓄の情報、採用、不採用の情報を入れてもらって初めてタイムリーな情報リストができると思いますので、その面でご協力もぜひよろしくお願いいたします。

○鳥原代議員 今年の11月に稼働するんですか。

○光安副会長 まず事務サイドのコンピューター化、それから備蓄体制も構築しようと思っております。

○鶴原代議員 今現在つくっている備蓄リスト、これは最初にデータを送ったところは3ヵ月ないしはそれ以上古いわけですね。

○光安副会長 当然そこには各薬局で採用取り消しの情報も入りますが、今の現状ではやむを得ないところだと思います。


今度の新しいシステム
○鵜原代議員 もうちょっと詳しく聞きたいのですが、今度の新しいシステム、考えていると思いますが、どのような感じで構築されようと思っていますか。

○藤田常務理事 備蓄に関しては、現状でほ、もうこれが限界だと思います。実際にデータ収集というのが一番かかりますので、これは外部的なものとドッキングする方法が必要だろうと思います。私自身もやっておりまして、だれでも一々不採用になったものは教えません。そういう時間のロス等もありますので、そこで外部等のいろんなものとコンピューターでネットワークをつなげたらいいと思うのです。

○鶴原代議員 我々とし七は薬がどこにあるかというのをタイムリーに早く知って、そして早く対処する必要があると思います。ソフト開発、これは費用が必ず発生するわけでありますが、我々が日常業務をする上で、非常に必要なことでありますので、費用がかかっても、こういうところに使って、我々のためにこのシステムを開発していただきたいと思います。

 次に、決算書の歳出の部の通信費のことについてお伺いいたします。

○藤田常務理事 鶴原先生の2番目の質問にありますように、情報等電話代等はやはり増ことですので、そういうものを踏まえながら、市薬の方でも、大々的にそういうのを会員向けにやっていただいて、受け側が増えれば、そういう面では切手、はがき等の通信費の分は削減できるのじゃないかと思っております。


日薬の方向性を取り入れ
○鵜原代議員 昨年の9月に日薬の方で「日本薬剤師会の取り組むべき中期的2000年を目標として医薬品情報システム構築の提言」というのが出ております。日薬では、いろんな情報をまずはファックスそして後はコンピューターによって、ホームページあるいはメールによって各末端まで伝えようとしております。ですからこの日薬の方向性を取り入れて、我々も昔ファックス分業をやったときに、これだけファックスをふやすことができましたよね。

 現在、レセコンを使っているところがどれぐらいあるのでしょうか。今、わかりますか。

この前実態調査したときのデータがありませんか。

○光安副会長 去年のデータで50%を超えています。レセコンだけです。

○鶴原代議員 レセコンだけで50%あるということで、例えば、できないものもあるのですが、レセコンでウインドウズに乗っていたら通信ソフトを乗せられます。そうすることによって、ウイルスの問題とか、セキュリティーの問題はありますが、そういうことをクリアすれば、そのレセコンで備蓄リストとリンクさせることもできます。そうすると、今、ネックになっている情報を集めてそれを今の古いシステムのコンピューターで打つことも手間が省けますし、よりタイムリーな情報、備蓄薬品の情報提供、そしてデッドストックまでもが、そのオンタイムの情報として利用できるようになるのではないかと思っております。

 ですから、これは提言ですが、私としては「早急に」じゃなくて、今すぐからこの方向に進んでいってもらいたい。

勤務ブロック
勤務ブロック

救急センターのルール
○長谷川代議員(勤務) 急患委員長に質問します。現在、急患診療に出動している薬剤師数は160名となっていますが、その人数をどう考えていますか。と申しますのは、先ほど3ヵ月に1回のペースと言われましたが、そのくらいのペースでは、ふだん調剤をされていない先生方は、急患センターのルールや調剤を、特に小児の調剤をマスターするのは大変だと思うんです。このことは調剤ミスにもつながる危険性も十分あると思われます。

そのような経験の少ない出動者に対して再研修とかそういう対策を考えているのかどうかをお聞きしたいと思います。

○市原常務理事 急患の方ですが、今年から平日夜間が始まりました。それで我々執行部としては、出動者の人数が足らないんじゃないかということで、急患センターは小児科、粉薬とかシロップがメインになってきますので、まず薬局で小児科を扱っているところ、これを薬剤師会の方からお願いしまして8名出動していただいております。そしてまた『市薬ジャーナル』などで募集しまして、現在の登録は170名、実働が160名となっております。

 今、質問がありましたように3ヵ月に1回、これが多分急患センターのルールとか調剤に関してなれていくいいペースで、これ以上サイクルが長く、4ヵ月とか5ヵ月に1回ですと調剤ミスにもつながってくると思われます。

 そういうことで、急患委員会の方でこれについて検討していきたいと思います。

 また、今、160名ですが、今から質の問題も見直していきたいと思います。特に少ない人数で対応しておりますので、計算をもたもたしているとか、計量を間違うとかいうようなことがありますと問題ですので、再研修も今、考えております。

○長谷川代議員 もう1点、土曜日とか日曜日の勤務の活動をふやす考えは、今のところありますでしょうか。今、土曜日の準夜は2名で行っているのですが、土曜日は患者さんが多くて、2名では対処できないことが結構あると思うんです。特に土曜日の準夜に関しては3名にふやすなり、そういったことは考えられているのでしょうか。

○市原常務理事 これは医師会の方で今、コ・メディカル部会が開かれていますので、ここで要望しないと、私が急患委員長だから1名ふやすわけにはいかないんです。

○長谷川代議員 要望は出してあるわけですか。

○市原常務理事 その件に関しましては、まだ要望が上がってきませんでしたので、今のところ増員というのはゴールデンウィークの深夜、これを1人増員してほしいということを医師会の方には要望しております。

○樋口副議長 代表質問の時間が残っております。最初の城南・早良・西ブロックの代表質問が1つ残っていましたので松島代議員、お願いいたします。

勤務ブロック

○松島代議員(城南) やはり土曜日の閉館は困るということでございます。この件に関しましては、前回の代議員会でも出まして、会長のご意見では「試行期間である、要望があれば対応する」とおっしゃっていました。

実際問題として、過去の経験から言って、土曜日はかなり来訪者が少なかったとは思いますが、急に4月にファックスで「土曜日休み」と言われると、非常に会員は困るわけでございます。

○藤原会長 私の答弁の中で、これは一応1年間の試行期間というふうに申し上げました。会員の先生方から、どうしても土曜日やっぱり開けてもらわないと困るということであるならば、対応していきます。

 もう一度、これは支部長会できちんと、そういう要望が全部からあるのであれば、そのようにしたいと思います。


第1土曜日と月末の土曜日
○松島代議員 今、会長がおっしゃったように、土曜日の要望の問題があるだろうと思いますが、ただ市薬の大方の会員が、土曜日の午前中まで各薬局で業務をしているという部分があると思うんです。それともう一点は、緊急の連絡の体制、連絡も構築されない状況で、完全に各土曜日は休むというのはやはり困るだろうと。少なくとも、これは私の個人的な要望ですが、第1土曜日と月末の土曜日ぐらいは、やはり1人の事務職員を置いてほしいということです。

2.一般質問

一般質問

○大庭代議員(南) 藤原会長に2点質問を申し上げます。
 第1点、「定款改正作業は終わり、会長に答申した」とありますが、会長は今後どのように対処されるのでしょうか。
 第2点、決算についてですが、歳入、歳出87%、九大病院移管費修正をすれば、大体85.1%で、結果責任は果たされたことは評価いたします。九大病院、市薬薬局、南病院も軌道に乗ってきた今日、余剰金も多くなっているようであります。
 そこで、先ほど本村代議員より発言のありましたように、第1点、余剰金ができましたら、これは借入金の返済に回す、これは代議員会で決をとられておりますので、代議員会の立場をお考えになってほしい。第2点、目的事業を設定していただきたい。第3点、もしそういうものがないとするならば、保険薬局費応需負担金の見直しも考慮しなければならないのではないかと思いますが、この点について質問申し上げます。


強引に推し進めれば
○藤原会長 定款の最大の問題は、総会制にするか代議員会の今の制度を維持するかという問題です。そしてこれを強引に改正にもっていったときには、必ず半数の理事が外部からもってこなければならない。これがいいか悪いか、少なくとも今の薬剤師会の事業をする上において、そういう理事会になれば、相当の職員数がいないと事業はできないだろう。つまり外部から入ってくる人は、ただ、理事会に出て意見をいうだけの話であって、事業をするために入ってくるわけじゃないですね。強引に推し進めればそういう結果になるということです。それを承知の上で改正を進めるならば、それはそれでまた別な話になります。しかし、私は、現時点としては、この定款改正、根本改正を強引に進めるべきではないという見解です。

 そこで、部分的にできることはどういうことだろうかということで、定款改正委員会から出された案、これを薬務課に預けているという段階で、少し消極的な考え方が事実です。

 それから金の問題がございました。これはちょっとかわって答えていただきます。


執行部の気持ち
○台澤副会長 いろんな条件がありまして、今ここでどのぐらいの余剰金が出たら幾らぐらい返すみたいなことを言いたいのですが、やっぱりもう少し検討させていただかないと、金額までは及ばないと思います。それから当然それをやっても、余剰金が出ることになれば、今の会費なり、県薬会費なり、そういったものに検討しなければならない時期が来るだろうとは思います。ですが、もう一、二年ちょっと様子を見せていただきたいというのが、私たち執行部の気持ちです。

○松島代議員(城南) 1点だけ、決算書の4款の14項支部活動費ですが、予算が354万円で執行されたのが279万円ということでございまして、この中で県薬からいただいている2,000円の583名ですから116万円ですね。

あとの残りが部会活動費です。この部会活動費は皆さんご存じと思いますが、要するに会費を完納した後の歩戻金なんです。過去をさかのぼると、この部会活動費は90〜100%近いぐらい部会に入っているわけです。このたびこれを見ると、75万円ぐらいの差損、マイナスになっているわけです。75万円の4,500円ですので、恐らくこれに対応されなかった薬局さんの件数が60〜70件ぐらいあるだろうというふうに思うんです。

 多分、この代議員会の中に部会長さんがいらっしゃると思いますが、部会の中に部会活動費が入っていないところがあるじゃないかと思うんです。そういう意味で、私は前から申し上げているけれども、昔からある会費を完納したときの歩戻りというのは、そろそろ時期的にもおかしいのじゃないか。これをするなら会費を下げるか、何かの方法をとった方がいいんじゃないかと思うわけです。

 したがって、この部会活動費というのは、最初から支部におろしていただいて、それを支部で部会に必要なところに申し渡しするという方法をとられないと、今回初めてかなりのマイナスになっているんです。その辺は会計常務はご存じですか。

○藤田常務理事 部会活動費が162万4,500円、360件ほどの分が入っております。今、松島先生が言われたとおり、部会費を完納したところに戻すということになっております。実際にこれはどういう方法がいいのかということは、また支部長会でお話していただきたいとは思いますし、現実に部会に戻って、これを部令費で活動している部会もあるということもお聞きしておりますので、どういう方法論がいいのかということは、今から支部長会を通して検討させていただきたいとは思っております。

○松島代議員 わかりました。それで、支部長サイドで言いますと、支部助成金等を含めて、予算のときに言うべきだろうと思いますが、時期がかなりいろいろと違うわけです。

7月に入ったり、翌年、年を越してから入るということがありますので、7月末日が会費の納入期間でありますので、少なくとも8月いっぱいまでは、支部助成金等を含めて支部活動費を入れてほしいとお願いして、質問を終わります。


部会費で活動している部会
○大庭代議員 今の松島先生の拡大発言でございますが、いわゆる部会費、私は7年前から言っておるんですが、やはり懸賞金的な継ぎはぎではなしに、あれは昔、会費が非常に集まりにくかったことがあるんです。私も長く役員していますが、それで完納したところには返すという、いわゆるリベート方式みたいな形になったんです。だから、完納した時点で、松島先生の提案どおり、支部に返してやる。払わんところは要らんですよ、払ったところは何月何日までで、この部会は1軒が払わんやったからだめとかじゃなしに、払ったところは全額返してあげる。懸賞金的な考えはもう古いんですよ。一本釣りというのはですね。どうでしょう、会長。確答をお願いしておきます。

○藤原会長 会長、会長とおっしやいますが、こういう問題はきちんと理事会にかけて申し上げるべきだろうと思います。何でもかんでも私が一人で決めるわけにはまいりません。

ただ先生のおっしゃることはよくわかりますので、十分検討いたします。

○樋口副議長 どうもありがとうございました。

 それではここで一般質問を打ち切らせていただきたいと思います。

 先ほどの代表質問にありました本村代議員の件につきまして、途中、会長からも答弁があったと思いますが、いかがいたしましょうか。本村代議員、要望としてご意見がありましたら。


何も見えていない
○本村代議員(早良) 結局、何も見えていないんです、合澤副会長。ただ「金額は勘弁してくれ」ということで、結局どういう回答で、いつまで待てばいいのか、その金額が妥当か妥当でないのかという討論はいつなされるのか、ほかの代議員の方の意見も聞いてみたい感じもするのですが、そこのところの回答をよろしくお願いします。

○式町議長 実はちょうど1年前、この問題で33:16ということが出て、その後たしか総会のときに合澤先生から意見が出て、帰った後、私は定款を読みました。たしか34条だろうと思います。もう一回読みます。「代議員会においては、出席した代議員の2分の1以上の同意を得たときに限り、あらかじめ通知のあった事項以外の事項についても議決することができる」、私はこれがそのときに生きたものだと、その後思いました。

 それと、実は私はこの席におります。それで前回の第41回の予算の審議のときに、付議録が送ってきたときに、「これはここにも書いていないな」と思いました。返済金のことについて何も書いてありませんでした。しかも今回のときにも書いておりませんでしたので、私の立場かち、そのことについてはなかなか言いづらい。だから41回のときの平成10年度の予算案を出されるときも、本当は前々回の代議員会で33:16で決まっていることであれば、幾らかを計上するべきであろうと、私はそのとき思っていたのですが、ここの席では、そのことについては一言も発言する資格がございませんでしたので言いませんでした。


代議員1人に9人
 私は、41回の代議員会のあいさつの中で、「代議員1人に9人がついている」ということと、「十分、付議録を読んできてあるんだという前提でいきます」ということも言っていたはずだと思います。私は33:16で決まったことについて、だれも発言されなかったので、「ああ、これはいいのかな」と理解をした。ですから、41回のときは、ここにおられる代議員の方はだれもこのことについては言われなかったという事実もございます。

○樋口副議長 いかがいたしましょう。時間も迫ってきておるのですが、先ほどの本村代議員の触こつきましては、執行部の方で早急に回答をいただきたいと思うのですが。

○冨永代議員(早良) ただいま議長が意見を出されました。議長裁定というのは非常に大きな裁定になります。一番最初、今おっしゃる前にも、議長は何かしかるべき数字が出ているのが本当じゃないかとおっしゃったと思うのですが、それを本村代議員がいろいろお尋ねしていったり、金額の件を出していっておりますと、済んだことだからこのまま通してくれという回答だけが執行部から来ております。もし過ぎたことだからそのまま通してくれとおっしゃるんだったら、何もこの代議員会をする必要はないわけです。報告会になります。例えばここで賛否をとって否決されれば、この代議員会は何も意味がないことになります。その結果は、昨年、県の代議員会のときに九大の分を否決したのでわかると思います。それと同じことが、ここでまた起これば意味がないわけです。


双方とも数字は合う
 ですから何らかの数字をここで提示されれば、一応出された方の立場も立ちます。そちらも代議員会で決めれば、何も今、決算の数字を変更してもおかしいわけではございません。ましてや議長のご意見があって変更するわけですから、大義名分は立派に立ちます。

明らかに数字として出していい数字、先ほどから、1,100万円とか大きい数字が出ていましたが、今年の翌期への繰越が3,700万円出ています。ところが予算案のときの繰越金は3,500万円です。明らかに250万円の金額は余分に出ています。ですから、最低250万円の返済積立金という項目をここで緊急につくれば、双方とも数字は合います。

 ただもう一つ、本村先生がおっしゃるように、分業推進積立金という項目で850万円も積み立てたら、これはあくまでも分業推進であって、試験センターのお金として流用することに対しては非常に難関がございます。ですから、この場合も、ここで予算のときに明らかに試験センター契約積立金という項目を700万円つくってありますので、今年もその分に名目を変更して、分業推進積立は今年度の予算の中には250万円しかとっていません。

ですから、分業推進費の250万円をここで上げたとして、後の600万円は試験センターの方にお金を回して、名目をここで新たにつくれば、今、おっしゃるように緊急動議を出さなくても採決でできるはずです。そうすれば落ちつくんじゃないかと思いますが、どうでしょう。

○樋口副議長 今の冨永代議員のご意見につきまして、ご意見ございませんか。

○大庭代議員 折衷案として非常にいいご意見じゃないかと思います。後は理事の先生方の決断あるのみでございます。


余裕ある状況で推移
○台澤副会長 財政問題については、この決算書を、市薬薬局の分も土地代金その他の分も、よく見ていただきますと、かなり市薬は余裕のある状況で推移していることは確かです。財政問題については、これからも皆さんにご迷惑をかけないような形でできるだけやっていきたいと思います。繰り返しますが、今回の代議員会において検討され決議されました、平成10年度の予算の執行に於いて充分反映されるように致します。

○樋口副議長 ただいまの執行部のご答弁に賛同していただける方、挙手でお願いいたしたいと思いますが、よろしゅうございますか。

 では先ほどの冨永代議員の提案に対しましての執行部の答弁について、賛成の方挙手をお願いいたします。

       〔賛成者挙手〕

○樋口副議長 賛成多数ということで、今の冨永代議員の意見は承認されました。執行部の方、どうぞよろしくお願いいたしておきます。

 これをもちまして質疑を終わらせていただきます。

採  決

○式町議長 まず、報告第1号を理事者報告どおり承認することに賛成の方は挙手をお願いいたします。
      〔賛成者挙手〕

○式町議長 挙手多数で承認されました。
 次に、議案第1号、平成9年度歳入歳出決算認定の件、これにつきまして賛成の方は挙手をお願いいたします。
      〔賛成者挙手〕

○式町議長 挙手多数と認めまして、議案第1号は、理事者報告のとおり議決されました。

〔閉会の辞 合澤副会長〕

    〔午後11時00分 閉会〕

<NEWS> 情報委員会 処方せんを読む

近日発刊  

(仮題)処方せん応需薬局の対応と処方医による処方解説

全国に例のない、処方せん発行側・応需側双方向に情報共有を目指した福岡市薬剤節会方耳の処方検討会。この度、情報委員会では昨年より、この勉強会のうち過去3年分(第1回〜第30回)を書籍化し、面分業における薬局薬剤師の対応事例集として広く活用いただきたいとの趣旨のもと、現在、年内発刊を目指して編集作業も大詰めを迎えています。

内容は、患者の背景と処方医の診断・治療方針決定から生まれる処方について、その意図が詳しく解説され、一方その患者への薬局の対応は、何に重点を置き、どう行われたのかが紹介されています。

この本は、医療機関・教育機関・行政等各団体へも福岡市薬剤師会のこれまでの分業への取り組みとして理解を深めてもらおうと配布を予定しています。会員の皆様には、他には見当たらないこのような実践的な事例集は、必ず日々の調剤業務ひいては患者に対する薬局の役割の認識アップのために活用できると信じています

目を血走らせて作成に励む(?)情報委員会の面々

[代議員会報告]

第70回総会議事録 平成10年6月26日 福岡市薬剤師会館講堂

会長演述

 恒例によりまして、総会の承認を得るということになっております。もちろん出席されている方は皆さん一緒でございますので、ここで、今代議員会で決められたことを拍手でもって御承認いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
       〔拍  手〕
○藤原会長 ありがとうございました。今、合澤副会長が申し上げたように、私も同じ気持ちでございます。真撃に取り組んでまいりますので、今後ともよろしく御協力をお願いいたします。本日はありがとうございました。 (拍手)

閉  会

○合澤副会長 これをもちまして総会を終わりたいと思います。長い間、ありがとうございました。お疲れさまでした。
    〔午後11時05分 閉会〕

(社)福岡市薬剤師会代議員名簿

[広報]

会議報告

【理事会】

日 時
平成10年8月19日(水)

議 事

1.会長挨拶
 桑原市長と三師会の懇親会を昨日(18日)しました。17日に桑原市長は来期の出馬表明をした直後でした。三師会一致して応援を表明したので喜ばれ成功裏に終わりました。
 これからやらないといけない事に「かかりつけ薬局の育成」と「介護保険」があります。認定審査委員等については平成11年6月の市議会で詳細が決まります。「介護保険」は今後も重要な問題なので、それに向けてやっていきます。
 また福岡市は新保健福祉総合計画策定を行っています。(これは保健・医療・福祉の連携を一層強化し、時代の変化に対応した総合的・一体的な施策の推進を図ることを目的としている)薬剤師会にできる事を提言し、より良い計画作りに参加したいと思います。

2.報告事項(委員会報告参照)

3.協議事項
(1) かかりつけ薬局特別委員会及び定款特別委員会の設置について
 ・かかりつけ薬局の育成は今年度の最重要項目である。それぞれの委員会で取り組んでいるが横のつながりが希薄なため結果が目に見えにくい。それで各委員会から常務理事が出て実務機関としての委員会を作り実効のある事業をする。市民へのかかりつけ薬局のPRの為“ステッカー”を作成・配布する。
 またどこの処方箋でも応需できるように医薬品の小包装(10錠等)配送の可能性を検討する。来年の3月迄の期限付きで設置が承認された。
 ・定款改正は暗礁に乗り上げているが、薬務課等への対応のため定款特別委員会は存続させる。
(2) 第42回代議員会の総括及びその対応について
(3) その他
 ・支部への助成金は学薬、南区、城南区、博多区より申請が出ている。
 ・介護保険へのモデル事業に薬剤師会を代表して原田在宅理事と木原在宅委員が認定委員として出る。
 ・明日(8/20)から市薬のコンピューターが作動する。

4.今後の日程
 6月26日予算臨時代議員会に向けての日程

(M.I.)


日 時
平成10年9月16日(水)

議 事

1.会長挨拶
 副会長業務を入院の為離れておられた市花先生が本理事会をもって復帰されました。
 日本薬剤師会第85回臨時代議員会に出席してまいりました。内容的には大きく2つありました。先ず日本薬剤師連盟推薦候補の大敗であり、この結果を率直に受けとめて、3年後の参院選に活かしていきたいと思っていること。全国的には院外処方せん発行率に反し、国庫財政の逼迫から「医薬分業」を見る目は日々厳しさを増しておること。第2は、医薬品の溶出試験であります。これは、医薬品の情報と品質という両面から安全性へのアプローチであり、薬剤師職能の社会性のアピールでもあります。
 広域病院のFAX分業で会員、非会員という差別をつけることで公正取引委員会の立入りがあった例が他県で出てきている。
 しかし会員、非会員に差は当然必要であろうと思われるのでこのことを考えていきたい。FAXを送らないということはできない。
 溶出試験等、試験センターの利用は地域ブロック単位で行なっていく。
 日薬も日医の持つような施設が必要な時が来た。日医総健を参考としたい。
 大型門前対策。
 厚生省統計情報部の分業に対するアンケート(日薬誌8月号5貢)が適切であったか。
 以上について話し合ったことを報告します。

2.報告事項
(1) 会務報告
   (会務日誌のページに記)
(2) 委員会報告(今回より前もって報告あり)
ア 組織委員会
  8月7日(金)
   @今後の流通について
    ・分割販売の可能性
    ・東大阪市の事例検討
  8月28日(金)
   @流通情報
   Aソフトボール大会について
    (10月18日(日))
   B未入会薬局について
イ 社保・分推委員会
  8月19日
   @処方検討会の製本化
   A実務研修会の打合せ
   B処方説明会の打合せ
  8月27日
   @処方医による処方検討会
ウ 薬局委員会
  8月26日(水)
   @あいれふ薬草観察会について
   A第3期薬局製剤研修会について
   Bかかりつけ薬局について
エ 急患委員会
オ 学術委員会
  8月18日(火)
   薬物療法研究会「在宅における疼痛管理」について
  8月25日(火)・26日(水)
   薬局実務研修会テキスト作成
力 広報委員会
  8月17日(月)・18日(火)
   @市薬ジャーナル9月号 第1校正、編集 
   A理事会支部長会の取材方法について
   B原稿締切について
  8月28日(金)・29日(土)
   @市薬ジャーナル9月号 第2校正
   Aジャーナル送付先検討
   B「かかりつけ薬局」の広報の取り組みについて
キ 市薬薬局委員会
   資料101頁記
ク 試験センター委員会
  ・今月北九州試験センターを訪問
  ・25日九州ブロック会議
  ・溶出試験器を購入するか否かを検討
ケ 在宅医療委員会
  8月24日(月)
   @在宅研修会(ケアマネジャーテスト模擬テスト)
コ かかりつけ薬局特別委員会
  8月20日(木)
   @かかりつけ薬局の育成について
   A東大阪市への視察について
   B分割配送業務について

(3) その他
 @日薬大会出席者(北海道)
  藤原会長・光安副会長・合澤副会長・井上常務理事 以上4名
 A城南・博多・早良区の補助金について
 ・博多‥・日英大会発表者の件
 ・早良‥・薬草観察会の件
 B三節会及び行政関係報告
 ・民生局とのコンタクトがとれるようになった
 ・内科医会
   医薬分業と質の向上について来年3月迄に分業ガイドラインを作る
 C議員懇談会
 ・9月25日6:00PM 常務理事以上の役員が出席する。
 ・早良区市議の一本化について
 D中間監査報告(第1回)
 ・中島英之先生より監査報告
 ・未入会、開局の入会について組織委員会に期待する。
 ・市薬薬局分は後日監査する。

3.協議事項
(1) ロゴマーク使用時の問題点
 ・保険薬局に1枚ずつ無料配布する。2枚目より有料としたい。
  使用は自由ということではなく、ぜひ全店入口に示してもらいたい。
 ・OTC薬局で調剤をあつかっている薬局には休日夜間の対応が難しそうである。
(2) 12第都市薬剤節会連絡協議会の開催について
 ・第1回目は平成9年11付13〜14日横浜市で開催、第2回目は福岡市薬剤師会が引き受ける予定。
(3) 各委員会における報告書の提出締切について
 ・理事会開催1週間前までに提出
 ・事務局に委員会担当の事務職員を決めてもらいたい。
(4) 九州山口大会出席の件
 ・常務理事以上の全役員及び広報委員数名
 ・各支部に補助を出すので1〜数名出席してもらいたい。
 ・大会は11付14日(土)〜15日(日)に行なわれる。

(K.T.)


【支部長会】

日 時
平成10年9月29日(火)

議 事

1.会長挨拶
 薬剤師(薬剤師会)の顔が地域住民に見えるようになっていかなければならない。
 介護保険協力薬局、相談薬局を行政の中へ位置付けていく。また、議員懇談会では、予算獲得の為の陳情書提出についてアドバイス頂いた。
 試験センターの充実は、薬剤師(薬剤師会)の当然の義務である。
 老人クラブ連合会より「医療と薬についての研修について」申し入れがあり、この件で昨日、福岡市保健福祉局高齢者部高齢保健福祉課の荒瀬恭子課長が市薬会館に来館され各区毎に行なう等、また内容について説明された。
 日薬学術大会に市薬より4名出席した。
 今大会では、ポスターセッションを含め、若い先生方が一生懸命取組んでいることがよくわかった。
 ホームページを見て、市薬ほど大きな組織の中で役員ではあたり前と思っているようなことでも新人薬剤師では悩みということも多いということがわかる。こういったこともとり上げていく必要がある。医薬分業、「かかりつけ薬局」も原点にもどる必要がある。

2.報告事項
(1) 委員会報告
(2) 第31回日本薬剤師会学術大会(9/19〜20)の報告
(3) 12大都市薬剤師会連絡協議会の開催について
(4) 「日薬FAX情報システム試行事業」実施地区の募集について

3.協議事項
(1) ロゴマーク使用について
  薬剤師がいない診療所から処方せんを地元薬局に出して頂くよう全会員保険薬局店頭に表示する。
  会員、非会員の差別化にもなる。
  このロゴマークは、老人クラブの「医療と薬の学習・実践活動」の研修で各区 で示して説明する。
  TVコマーシャルも検討中である。
(2) 九州山口薬学大会について
  常務理事以上の役員及び、各支部より1名以上出席。
(3) 議員懇談会について一(陳情書)
  市に予算の件で陳情書を提出する。
  早良区の市議一本化について。
(4) 老人クラブの「在療と薬の学習・実践活動」推進事業について
  老人の服薬と薬管理について全区統一内容で説明する。
 「かかりつけ薬局」の役割をアピール。
(5) その他
  健康フェアの薬草茶について

(K.T.)

委員会報告

9月31日までに提出された議事録を基に報告します

【組織委員会】

日 時
平成10年8月7日(金)

議 事
○今後の流通について
・分割販売の可能性
・東大阪市の事例検討


日 時
平成10年8月20日(木)

議 事
○かかりつけ薬局の育成について
 ・広報活動
○東大阪市への視察について
 ・布施薬剤節会
 ・東大阪市立総合病院
 ・協進東大阪支店
○分割配送業務
 ・薬剤師会としての対応
 ・卸側としての対応


日 時
平成10年8月28日(金)

議 事
○流通情報プロジェクトチーム参加
 合澤副会長、井上常務
○ソフトボール大会について10月18日(日)
 ・支部長、部会長にFAX メンバー〆切り2週間前
 ・最初の試合に女性1人入れる(原則として)
 ・篠崎先生にグラウンドチェック、ライン引頼む
 ・組織委員は7:30出動
 ・実行委員長 東先生
  副実行委員長 松浦先生
○未入会薬局の事情とデメリット検討
 ・ソフトボールが終って詳しく
  9/25現在未入会分のみ調べる

【薬局委員会】

日 時
平成10年8月26日(水)

議 事
○あいれふ薬草観察会について、今後の予定
・8/30(日)第2回下見
  現地が複雑な地形なので、道路地図
  薬草類確認のため
・9/13(日)市薬会員の観察会
  当日薬草種類決定(3種)
  有馬指導員にパンフレット原稿作成依頼
・10/6(火) 
  @市民向け薬草集120部印刷して、あいれふ藤崎さんに渡し、10/11当日市民に配布してもらう。
  A薬草名札31種類作ること
  B9/13、10/6、10/11あいれふに出席連絡
〇第3期薬局製剤研修会について
・市薬ジャーナル9月号に会員募集(約15名)、9品目(9回)で材料代30,000円程度
・9回中の7回は局方晶製造、2回は確認試験
  責任者:国武、行実
○かかりつけ薬局について
・薬局委員会としてどう対処するか、検討した
・各区健康フェア、開催予定日は次の通り
  東区10/9(金)、博多区11/7・8、中央区10/14・15・16、南区10/7(水)、城南区10/7(水)、早良区10/15(木)、西区10/8(木)
  なお今回より薬局委員会備品保管ロッカーができあがった
  (薬局製剤実習備品)

【在宅委員会】

日 時
平成10年8月24日(月)

議 事
○介護支援専門員受験のための模擬試験(会員70余名参加)
○次回直前模擬テストについて(9月9日予定)


日 時
平成10年9月9日(水)

議 事
○介護支援専門員受験のための直前模擬テスト(会員70会名参加)
○次回委員会について
 ・かかりつけ薬局における在宅の位置づけについて宿題(10月16日予定)


日 時
平成10年9月8日(火)

議 事
○福岡市医師会への要望事項
 ・分包機の購入
 ・錠剤鑑別表
 ・土曜日の準夜の増員
○出動者160名の現場に即した見直し
○11/10(火)・11/17(水)再度研修会予定

【かかりつけ薬局委員会】

日 時
平成10年9月1日(火)

議 事
○東大阪市病院薬剤部、協進、視察報告及び検討会
 ・備蓄センターの現況
 ・分割販売に対する検討


日 時
平成10年9月8日(火)

議 事
○7・8月業務報告
 ・お盆期間中の患者対応について
○学生実習について
 ・毎週、火曜日・水曜日の午後 3〜4名ずつ
 ・福岡大学より8/18〜20 1名
        9/8〜10  2名
○見積もりについて
 ・7/24 各卸問屋に説明会
  8/10 入札
 ・6〜8月分は値引き伝票をいれてもらう
○レセコンについて
 ・8/1よりバージョン3(ノア)導入
○医薬品情報提供について 
 ・8/6 医療センター薬剤部との話し合い:藤田常務理事、江田薬局長
○視察について
 ・7/16 佐世保より視察 6名
○研修生について
 ・長期研修生1名終了
 ・大学に対しての長期研修生制度のアピール
○医薬品の廃棄処分について
 ・1997.10〜1998.7分 合計金額95,222円
○窓口でのトラブルについて
 ・光安副会長、藤田常務理事が対応
○九大処方箋発行率について
 ・オーダリング後、若干の低下

【広報委員会】

日 時
平成10年8月17日(月)

議 事
○市薬ジャーナル9月号
・第1校正、編集、その@
・薬物乱用防止啓発展を大きく取り上げることで一致。大幅にレイアウトやり直し。
  写真追加。
・覚醒剤→覚せい剤、ボーリング→ボウリングと統一する。
・研修ファーマコキネティクスは濃い内容を2ページにまとめているのでレイアウト慎重に。
○理事会、支部長会の取材方法について
・会議の雰囲気や、広報として市薬の行っていることの流れを知る為に広報委員全員、輪番で担当。
○校正、編集がスムーズに運ぶように、原稿締め切り日はなるべく守って頂く。


日 時
平成10年8月18日(火)

議 事
○ジャーナル9月号 第1校正A
・追加原稿、写真の差し替えで構成再考。


日 時
平成10年8月28日(金)

議 事
〇第2校正
 ・表紙の写真決定
○ジャーナル送付先の検討
 ・医師会の広報担当者に送付してはどうか
O「かかりつけ薬局」について
 ・広報で具体的に何をするか検討。9月初旬に再度検討予定。


日 時
平成10年8月29日(土)

議 事
○ジャーナル9月号 第2校正A
 ・前日欠席者の校正部分の検討
 ・表紙カラー決定(ピンク)
O「かかりつけ薬局特別委員会」への広報の取組
 ・OTCと調剤を両方されている薬局の先生へ「かかりつけ薬局」とは、という題の原稿を依頼する
  たとえば早良区の冨永先生


日 時
平成10年9月5日(土)

議 事
○ジャーナル11月号企画(11/10発刊予定)
 ・巻頭言(光安副会長)、私と薬(唐澤先生)、フリートーク(清水貞知先生)、
  会員の広場(小林先生)、リレー書いていい友!(東区かめや薬局)、
  フレッシュさん(東区から)、かんばん娘(息子)(博多区から)、
  代議員会報告(H10.6.2626分)、日薬学会報告(参加者・発表者に)、
  在宅介護(ケアマネジャー関連)(模擬試験状況)、
  「ダメ。ゼッタイ。」(ダルクの方に)、
  私のやっている医療薬学研究No.3(澤田先生)、
  ファーマコキテティクス(ステップアップセミナー)
  (今回は8月分のみ、次回から2ケ月分ずつ)、
  支部だより(健康フェア、薬草観察会etc.)、支部訪問おじゃまします(未定)、
  囲み記事(頓服、くすり箱、ケアマネジャー試験てん木記etc.)、
  食べ歩る記、女子薬(小松先生)、学薬(吉村先生)、文芸、会議報告、委員会報告、
  会員の移動(事務局上田さん)、会務日誌、編集後記、広告、
  来月号への取り組み方(上村先生より)
○イベントについて
 ・薬草観察会
  (バーベキューを主にするのでなく薬草の紹介。講師、あいれふよりの参加数名)
 ・薬草クイズについて(印象に残った薬草etc.の記事)
 ・ソフトボール大会(全スコアの発表、試合ごとのホームラン打者の名、本数)
 ・役員がどのような苦労をしているのか、どのような工夫をしているのか、
  どのような努力をしているのかを書くことが必要ではないか。
 ・かかりつけ薬局キャンペーンについて
  まずは住民への情報に重点をおく。
  広報委員会・代議員会要旨作成班

支部だより

〔中央〕

〜中央区薬剤師会春吉・平尾台同部会〜

日 時 平成10年8月11日
場 所 福岡ビューホテル
司 会 遠藤 誉理男(平尾部会長)
来賓挨拶
 福岡市薬剤師会会長 藤原 良春
 中央区薬剤師会会長 梅末 芳彦
 福岡市市議会議員  稲員大三郎
今後の日薬、厚生省の動向:
    福岡県薬剤師会専務理事 小野 信昭
乾杯挨拶:福岡市薬剤師会副会長 光安 龍彦
支部連絡:中央区薬剤師会副会長 樋口 昌嗣
監事挨拶:福岡市薬剤師会監事  中島 英之
閉会挨拶:春吉部会長      平島久美夫
                (敬称略)

先ず、藤原会長よりかかりつけ薬局の始動に向けて、各薬局に於いても積極的に行動して欲しいとの挨拶があり、その骨子に肉付けするように梅末先生より、各支部の横の連携をより密接にしていきたいと言うことと、北九州薬剤師会が商標登録申請中のサービスマークを福岡市に於いても使用出来るよう交渉中であることなどのお話があり、小野県薬専務理事から、今後は夜間受け入れも積極的に取り入れ、服薬指導の徹底を調剤薬局、OTC共に積極的に行って薬剤師の必要性を社会的に認識させていかなければ、薬剤師の生き残れる道は非常に狭まってくるであろう。

ここ1、2年が勝負の時と、従来までの安閑とした薬剤師像では今後はやってはいけないと激をとばされ、光安先生も7件の調剤薬局の新設の裏で5件の調剤薬局の閉店という厳しい現実を認識して欲しい、薬剤師の社会的必要性の認識が今後のフィーの向上にも繋がるとお話があった。遅れて来られた稲員議員からも介護保険の認定者に薬剤師会からは2名の枠が現在決まっているが今後も薬剤師会を惜しみなくバックアップしていくとの頼もしいご発言を受けた。それに答えて藤原会長、梅末会長、光安副会長よりも積極的にやっていく旨の発言があり中島監事からも今こそ厳しい現実を見据える時と、いつもながら静かではあるが重いご発言もいただいた。樋口副会長からは、今年10月に行われる健康フェアで市民へのアピールとして、「ダメ。ゼッタイ。」キャンペーンを出して行くこと、他に薬草観察会、会の親睦を深める為ソフトボール大会などを行っていくこと等の具体的な行事が紹介され、会は両支部の各薬局から多数の方の参加をいただいて、盛会の内に終了した。


 〜簀子当仁・六本松合同部会開催〜

広報:鮫島千織日 時 平成10年8月17日(月)PM6:45
場 所 赤坂3丁目(松幸)
参加者 善子当仁部会(7名)
    六本松部会(12名)  計19名
来 賓 中央区薬剤師会会長:梅末先生
    市議会議員:稲員先生
議 題 @健康フェア推進に関する件
    A今後の部会活動について
    Bその他:支部連絡(区薬剤節会樋口専務)等
※稲員先生の紹介
※今後のかかりつけ薬局育成の一助に、イメージアップを図る“福岡市薬剤節会会員パネル”の紹介があった。
※健康フェアの課題の一部(シンナー、覚せい剤等の薬物乱用防止啓発活動の必要性)等が話題になり、その後は宴が進むにつれ、心温まる親睦が計れ、和やかな内に閉会する事が出来た。

六本松部会長:松尾可恵

〜中央区薬剤師会会議〜

日 時 平成10年9月14日
場 所 市薬剤師会館
10月15日(木)中央区健康フェアについて
○ポスター レイアウト決め
○ベストレンタルにテレビ、ビデオレンタル。
 薬務課にビデオテープレンタル。
○バス(「ダメ。ゼッタイ。」キャンペーン・全国で2台)レンタルは中止。
○麻薬検知犬でのデモンストレーションはあいれふ了解済み。門司税関に交渉中。
 ミニ講演会1回目と2回目の間(30分)に予定。晴天なら外で。
○薬剤師には周知の用語について、又今回の行事へのアンケート調査について。
○中央区の小中高大学へのパンフレット配布。各薬局へのパンフレット配布。

(広報:鮫島千織)


〔城南〕

〜支部研修会〜

日 時 平成10年8月21日(金)19時
場 所 城南市民センター 第2会議室
参加者 25名
研修内容
@市薬(8/27)処方説明会の研修
A萬有製薬
・高血圧について
・新製品の説明
B支部連絡事項
Cその他
 萬有製薬の上西学術課長より現在の降圧剤の動きと新製品『ニューロタン』について解説していただく。並行して8月27日の処方説明会の処方についてディスカッションをする。久しぶりの研修会でしたが、活発な意見質問等があった。

(社保・分推:瀬尾 隆)


〜支部運営委員会〜

日 時 平成10年9月8日(火)
場 所 市薬講堂
 9・10・11月の支部事業予定並びに運営についての委員会が行われた。
 秋は、薬草観察ハイキング、健康展、ソフトボール大会などイベントがいっぱい。各イベントの入念な打ち合せが行われた。

(広報:森山健次郎)


〜支部研修会〜

日 時 平成10年9月17日(木)19時
場 所 城南市民センター 第2会議室
参加者 20名
研修内容
@介護保険モデル事業について
 城南保健所 予防課長 (医師)西野紀子先生
A市薬(9/24)処方説明会の研修
 A 血栓症…森山先生(太陽薬局長尾店)
 B ビュルガー病…大久保先生(オリーブ薬局)
 C 閉塞性動脈硬化症…東先生(ログ調剤薬局)
B支部連絡事項
Cその他
 初めに保健所より介護保険モデル事業について説明があり、質問等いろいろ出ました。
 今回より処方説明会は病態と薬剤を中心に上記の3名の先生方を指名して解説をしてもらいました。全員でディスカッションをするので大変もり上がりました。次回からもこの形式でやりたいと思っています。

(社保・分推:瀬尾 隆)


〜支部会員の薬草観察ハイキング〜

日 時 平成10年9月23日(水)
場 所 油山市民の森
 はなたれ薬局冷川先生を招き、城南保健所の方を含め10人で、油山市民の森にて10月4日に行う第2回城南区薬草観察ハイキングの下見を行った。
 前日まで雨や台風で天候は良くなかったが、当日は回復し無事に観察コースを決め、46種の薬草を選んだ。前回に比べ少し起伏のあるコースになったが、ひと汗かくのにはちょうどよい観察コースとなった。
 今回、南区とは下見、本番と同じ日になり下見終了後一緒に抽山モーモーランドにてバーベキューを食べ、本番当日の成功を願ってカンパイをした。
下見を終えて


〔早良〕

〜早良区薬草観察会〜

 9月27日早良区スポーツフェスタの一環で薬草観察会が行なわれた。早良区役所振興課・早良保健所・早良区薬剤師会の共催で行なわれ、ウォーキング組と薬草観察会組に別れた。今回は資料等も振興課に作成の手伝いをして頂いたので、協力して行なったという意識が出来て非常に良かったと思う。早良保健所長の村上 浩氏も、薬草観察会の方へ駆けつけていただき今年は一段と力がはいった。
 早良区薬剤師会としても、部会長や違ったメンバーが集まって、薬草観察会の層の厚さを感じさせた。もっともっと層を厚くして広げていくことによって、より充実したものになっていくのではないだろうか。
 今年は薬草名の立て札を早良区薬剤節会独自で作成した。針金も緑色に塗った見栄えの良いもので、薬草名のパネルも紙ではあるが防水加工の立派なもので、来年再来年と使える。出席者は以下の通りだった。
  1班 有馬 純、行実公男、北 優
  2班 西岡啓子、本村敏子
  3班 西岡正俊、藤永美恵子
  4班 根津繁喜、上村義徳
  5班 清水達三、本村精也、坂口公海
 薬草は全部で41種類
 ツリガネニンジン・クズ・ヨモギ・ウツボグサ・ゲンノショウコ・センニンソウ・サクラ・クスノキ・ヌルデ・アカメガシワ・ヤマモモ・ホウノキ・テリハノイバラ・サルトリイバラ・オトギリソウ・キンミズヒキ・ミツバアケビ・メナモミ・タラ・ヤブコウジ・トウゲシバ・ドクダミ・カキドウシ・ハナミョウガ・ゼンマイ・ヤマノイモ・マムシグサ・クサギ・ニワトコ・オナモミ・イヌホウズキ・イヌザンショウ・ネズミモチ・ヒヨドリバナ・サネカズラ・カラスウリ・アケビ・オニドコロ・ジャノヒゲ・オオバコ・ツユクサ
 今年のクイズの問題は、
  1.ツユクサ
  2.ゲンノショウコ
  3.ドクダミ
  4.キンミズヒキ
  5.オナモミ
で、商品は毎回喜ばれる石釜豆腐だった。
 四箇田小学校で閉会式を終えて、近くの俵屋でちゃんこ鍋を食べ薬草観察会の成功を祝った。ちゃんこといえば、2敗同志の若貴の戦いは決定戦を待たず、貴乃花の優勝が決まった。

(上村義徳)

四箇田小学校会場
薬草の立て札を持って全員集合葛根湯ですよ〜
村上早良保健所長(中央)も参加ヌルデの五倍子はどこかな


〜平成10年度早良区三師会〜

日 時 平成10年9月18日(金)午後7時
場 所 西新福寿飯店 851-2910
       −会 次 第−
  司会 早良区薬剤節会理事    福岡 秀樹
1.開会の辞
   早良区薬剤師会 副会長    清水 達三
2.幹事挨拶
   早良区薬剤節会 会 長    本村 精也
3.挨  拶
   早良区医師会  会 長    岡田象二郎
   歯科医師会 早良支部長    村上 義和
4.三師会の現状(各師会より10分ずつ)
   早良区医師会  副会長    原口 信一
   歯科医師会早良支部 副支部長 坂牧 大陸
   早良区薬剤師会 副会長    清水 達三
5.三師会の今後のあり方について
   座長 早良区医師会 理 事  北口 安芳

      − 懇 親 会−
6.乾  杯
   早良区医師会 副会長     原口 信一
7.三師会役員の自己紹介 各節会より
8.万歳三唱
   歯科医師会早良支部 副支部長 坂牧 大陸
9.閉会の辞
   早良区薬剤師会専務理事 上村 義徳
(敬称略)


出席者名簿
 今年の三師会は薬剤師会の担当で行なわれたが、医師会・歯科医師会よりの要望もあり「三師会の現状」「三節会の今後のあり方について」の真剣な討論がなされた。例年の懇親会のみという形式を破って、前向きの姿勢が感じられた。これは医師会の役員が変わったこと、最近の厳しい現状に三師会の結束を図りたい考えが三師会の役員のほとんどにあったことが考えられる。
 特に医師会の新執行部の前向きの姿勢が伺われた。東区・南区等の三師会の在り方等が話題に上り、地域差はあるものの近づきたい等の意見が出された。
 一度広く会員を募って三師会をやってみようとの意見も出され、次回幹事役医師会の活躍が待たれる。

(上村義徳)

早良区薬剤師会の現状は・・医師会役員
歯科医師会役員活発だった今年の各テーブル


第27回早良支部だより

〔東〕

〜役 員 会〜

日 時 平成10年8月21日(金)
場 所 東市民センター
出席者 伊東・吉村・中野(達)・伊藤・楠本・津崎・原口・井原
報 告
(1)支部長会 8/10分(伊東)
 ・「かかりつけ薬局」特別委員会の設置
 ・支部補助金のあり方について
議 題
(1)社保・分推(楠本)
 ・処方説明会の勉強会について
 ・千早病院の勉強会について
(2)薬  局(津崎)
 ・会員のための薬草観察会(9/13)
   三日月山
 ・健康フェアについて
(3)在  宅(原口)
 ・ケアマネジャー試験について
(4)組  織
 ・三師会ゴルフコンペ(伊藤)
 ・ソフトボール大会(吉村)


〜役 員 会〜

日 時 平成10年9月25日(金)
場 所 東市民センター
出席者 伊東・伊藤・楠本・津崎・原口・井原・篠崎・馬場(智)・中野(偉)
議 題
(1)社保担当の勉強会について
(2)市薬の代議員選出について
(3)市薬ソフトボール大会について
(4)東区三節会ゴルフコンペ
(5)健康フェア

※役員の変更
 ・伊藤 一郎先生 組織委員→社保・分推委員へ
 ・吉相きく子先生 組織委員を兼任

※香椎部会の分割
 香椎西部会(13)香椎西部会長 荒木 雅広(松仙堂薬局)
  大賀薬局香椎店、きしだ薬局、城香調剤薬局、松仙堂薬局、松仙堂薬局宮前店、みどり調剤薬局、ダイエー香椎店薬局、タカラ調剤薬局ネクサス、福岡ファーマシイ森薬局、富士調剤薬局、村田薬局、和光東調剤薬局、香椎浜調剤薬局
 香椎東部会(20)香椎東部会長 伊藤 一郎(フラワー調剤)
  オーケイ薬局、オレンジ薬局、かえん前薬局、香椎コクミン薬局、香椎スガムラ薬局、香椎薬親会薬局、くすりのコメット香椎駅前薬局、恵命堂香住ヶ丘店、コクミンドラッグ香椎店、新生堂薬局香椎店、新生堂薬局東店、ダイエー香椎駅前店薬局、タカラ薬局、博方堂薬局、福岡東洋漢方薬局、まさおか薬局香住ヶ丘店、薬親会薬局大通店、フラワー調剤薬局、アガペ香椎駅東薬局、タカラ薬局オークタウン

※平成10年度福岡市薬剤師会代議員(9名)
 篠崎正十郎・藤野哲郎・中野達也・荒木雅広・伊藤一郎・加藤正剛・江藤克己・楠本哲也・伊東美穂


〜ケアマネジャー受験のための勉強会〜

日 時 8月6日(木)・28日(金)19:00〜
場 所 東市民センター
 2回にわたり田中先生による講義で、標準テキストの重要ポイントをおさえました。
 参加者1回目:16名 2回目:10名


〔西〕

〜支部役員会〜

日 時 平成10年9月10日(木)19時より
場 所 アステム
 占部支部長の進行で、支部入会金値下げの件、健康フェア、ソフトボールについて会議を行った。
 内容が充実していたのに加え委員会等の重なりもなく総会以後全役員が顔を合わせたことは今後大きな意味をもってくると思う。


〜健康フェア〜

日 時 平成10年10月8日(木)
場 所 西保健所
 何といっても西区は薬局委員中野常務理事が会員、冨永先生が前常務という支部。その上占部支部長と3本柱でおのずと力が入る。
 フェアは例年に増して大盛況、身近な薬草についての質問が多かった。また、薬草茶は美人になれますよと勧めると「これ以上美人ならんでよかよ」と言いながら何杯も飲まれる方もおられ後で笑いもあった。
 服薬相談は数件でもの足りなかった。これをもう少し増やさなければ分業の説明までもっていくのは難しく残念であった。

(広報:津田和敏)

支部長・副支部長の後姿へ〜!この草も薬になるんだ!!
薬局新聞 H10.9.2

<市薬薬局のコーナー>

福岡市薬剤師会薬局現状報告

文芸

中医略史(13)

ターヘルアナトミアへの道@

一本堂の香川修庵先生、本当に惜しい先生を亡くしました。私と修庵先生とは、若い頃後藤良山先生に就いて学び、強く影響を受けました。後藤良山先生は伊藤仁斎先生に儒学を学び、それを私たちに教えてくれたのです。

伊藤仁斎先生の講義は、孔孟の昔に戻ってしっかりとその本質を見つめなおすということなのです。復古の流れから、私たちは医道も仲景の昔に戻るべきだと考え、後藤良山先生を初めとし、香川修庵先生や吉益東洞先生などと真剣に語り合ったものです。

後藤良山肖像

儒医は一本であるということで、仁の道を一筋に歩かれた修庵先生は、先輩として私に多くのことを教えてくれました。年齢も私とは22歳も離れておりますが、修庵先生はいろいろと親切に教えてくれたものです。私が昨年、蛮人の書は全く読めないけれどその図と照らし合わせながら、刑屍の解剖図を描き修庵先生に見て頂いたとき、先生は驚いて自分が進んできた古方の道が間違っていなかったことを確信したとおっしやいました。

現在後世方がなされて、補剤ばかりが使われ患者は治り切らず亡くなっております。私たち古方の道は仲景に則って、多くの患者を救っていかなければなりません。最近では桂枝や麻黄なども順調に輸入されているようで、私たちも助かっています。

一本堂香川修庵先生、あなたの遺志は多くのお弟子さんが継いでくれるでしょう。私たちも頑張りますのでどうか安らかにお眠り下さい。最後になりましたが、修庵先生は播州へ請われて治療へ行き京への帰途、丹波で亡くなられたということです。最後まで医と仁に徹せられた先生は、まさに一本堂の道だったと思います。

宝歴5年 山脇東洋

山脇東洋肖像

香川修庵享年73歳、宝歴5年1755年のことである。

小杉玄適は山脇東洋の門にいたが、香川修庵や吉益東洞をも師と仰いでいた。宝暦5年修庵の葬儀に参列した時、小杉玄適はすでに江戸へ帰る決心をしていた。

「小杉殿ではありませんか」

小杉が振り向くと東洞先生の鋭い目が笑っていた。

 「東洞先生、これは失礼をいたしました。気がつきませんでした」
 「小杉殿は江戸へ帰られるとか」
 「もうご存じでしたか。まだまだ学問は足りませんが、東洋先生と昨年思いもかけず刑屍の解剖もご一緒させて頂きましたし、今日修庵先生の葬儀も済ませましたし、江戸へ帰りまして古方を伝えたいと思います。東洞先生にも本当にお世話になりました。修庵先生もそうですが、東洞先生にお会いできていなければ私など本当にまだまだ医道の何たるか分かっておりません」
 「人の出会いというものは不思議なものです」吉益東洞は思い出すように目をつむった。
 「私がまだ37歳の頃、今から丁度17年くらい前のことです。私は医で身を立てようと広島から京へ出てきました。長崎へ行って帰ってきたら医者という昨今の風潮に、私は憤りを感じていたのです。そのような医者が人参ばかりの補剤を使って、病を長引かせ、悪化させているのです。しかし意に反して患者は来ず力を発揮することも出来ないまま、空しく月日を送っていました。明日の米さえない有り様で、人形などを作って食を繋いでいたのです」

吉益東洞肖像

小杉は東洞先生がこのような話をするのに戸惑った。東洞先生はあまり自分のことを話したことがなかった。江戸へ帰るはなむけに話していただいているのかも知れない、医で身を立てることの難しさを教えていただいているのかも知れないと、小杉は有り難く聞き入った。

 「あるとき人形問屋へ作った人形を持っていったのです。いつになく店がざわついて、番頭さんが店先を右往左往していました。詳しく訪ねてみると、その家の主人のご母堂が病気で寝込んでおり、苦しがっているとのことでした。そこで私は自分は医者であり、今でこそこのような人形を作っているけれど、片時も医書を離したことがなく、診察させてもらえるなら何とかなるかも知れないといったのです。番頭さんはすぐに奥へ行くとしばらくして、今をときめく山脇東洋先生にかかっておりますが、良かったら診てくださいとのことでした。診察をして東洋先生の処方を見せてもらいました。証は変わっておりすでに石膏は外すべきだと思ったので、そのように書き東洋先生が来られたら見せるようにいって帰りました。それからしばらくして東洋先生がお弟子さんを数名連れて、訪ねてみえたのです。石膏はそろそろ外そうかと思っていたとのことで、それからいろいろ処方の話をし、仲景の話などをしました。東洋先生は私の仲東の話がひどく気に入って、それから何かと引き立てて頂き、今の私がいるのです。本当に人の出会いというものは不思議なものです」
 「そのようなことがありましたか。東洋先生からはそのような話は聞いたことがありません」
 「東洋先生も修庵先生もりっぱな方です。今日修庵先生を失ったということは、残念なことです。しかし悲しんでばかりいても仕方ありません。今私は、仲景の『傷寒論』をまとめてみようと思っています。いつになるか分かりませんが近いうちに取りかかる予定です」
 「それはすばらしい仕事だと思います」

小杉は東洞先生がそこまで話してくれたことに感激していった。「是非みんなのために頑張っていただきたいと思います。私には江戸に杉田玄白という朋友がいます。その父は外科をやっておりますが、昨年の東洋先生の解剖図はきっと玄白殿の土産になるに違いないと思っております。『蔵志』という名前で公にされるそうです。江戸に帰って私は京での出来事を伝え、古方の医術を伝えます。東洞先生にも本当にお世話になりました」 吉益東洞は7年後『類東方』を出した。医家はそれによって方意を素早く理解できるようになった。

小杉玄適はそれからまもなく江戸へ帰った。杉田玄白が京での出来事を聞いて驚愕したのは、小杉が予想した通りだった。『蔵志』も杉田玄白に強い衝撃を与えた。

「疾医家には巳に豪傑起て施旗を関西に樹てたり、我其撰尾に附かんは口惜し、幸にして我瘍医の家に生る、乞う斯業を以て誓て一家を起さん」杉田玄白22歳のことである。

儒医後藤良山、山脇東洋、香川修庵、吉益東洞は後に古方の四大家と呼ばれるようになる。

香川修庵は『一本堂行余医言』『一本堂薬選』を残した。山脇東洋は『蔵志』のほか、『外台秘要』の翻刻も行なった。吉益東洞は『類衆方』のほか、『方極』『薬徴』などを残した。

そして杉田玄白の誓いは後に「ターヘルアナトミア」の翻訳へとつながり、和蘭学の発展につながった。


山脇東洋が一本堂の弔辞を読んだかどうかは定かではない。吉益東洞が小杉玄適に自分のことを話したかどうかも定かではないが、運命を変える出会いがあることは東洞自身感じていたに違いない。

(上村義徳)

川柳

訃報

会員の移動

会員の移動 9月末現在

会 務 日 誌

8月19日  理事会                 19:30
      社保・分推委員             18:00
  20日  組織委員会               19:30
  21日  福岡医療圏協議会            19:30
  22日  徳山薬剤師会来館            15:00
      医鍼会(ソラリア)           18:30
  24日  在宅研修会               19:30
  25日  高齢者サービス総合調整会議       18:00
      モデル審査会委員研修会
      学術委員会               18:00
  26日  学術委員会               18:00
      薬物乱用防止研修会(教育センター)   14:05
  27日  処方医による処方説明会         19:00
      飯塚市薬剤師会より訪問(市薬薬局)   14:30
  28日  組織委員会               19:30
      広報委員会               19:30
  29日  広報委員会               19:30
9月1日  かかりつけ薬局特別委員会(流通委員会) 19:00
  4日  内科医会との会議            19:00
  5日  薬局実務研修会             12:00
      広報委員会               19:30
  6日  薬局実務研修会              9:00
  7日  三役会                 19:30
  8日  市薬薬局委員会             19:30
      急患委員会               19:30
  9日  在宅委員会(ケアマネジャー模擬テスト) 19:30
  11日  学薬理事会               19:30
      監査会                 17:30
  12日  薬局実務研修会             13:00
  13日      〃                9:00
      市薬薬草観察会(三日月山)       10:00
  16日  理事会                 19:30
  18目  薬業研修会               14:00
  19日  日薬学会
  20日      〃
  22日  社保分推情報管理委員会         19:00
      かかりつけ薬局特別委員会        19:00
  24日  処方説明会               19:00
  25日  組織委員会               19:30
      議員懇談会(てら岡)          18:00
      学術委員会               19:00
  28日  在宅委員会               19:30
      薬局委員会               19:30
  29日  支部長会                19:30

[CONCLUDING REMARKS]

〜 ピーク 〜

支部だよりが充実してきた。11月号・正月号は支部だよりが充実する。

9月・10月はそれだけ支部の動きがあるのだろう。早良区でも三師会・健康フェア・薬草観察会があった。また市薬ではバーベキュー大会・薬草観察会があり、薬局委員会の忙しさはピークに達する。

広報委員会としては、手際の良い薬局委員会の段取りなどを書き上げたいが、隠れたご苦労などは数えると切りがない。手書きの地図などを掲載して、結果を追うしかない。

会長・副会長も必ず参加し、市薬の年間行事の大きな柱となっている。薬剤師の市民へのアピールという点では、格好の行事だと思う。特に行政とのタイアップは非常に地域に密着した活動だ。支部単位でも積極的に活動を続けてほしいと思う。

またピークといえば、個人的には敬老会・太極拳大会・ゼミナール・文化祭と続く。

丁寧に一つずつこなしていくしかない。

“正月号はトソ気分の醒めないうちに会員の手元へ”の通達が北島先生よりあった。そのためには11月号を早めに出さなければならない。11月号の原稿は9月末で完全に切った。 そして11月号の校正をしながら、広報委員会はすでに正月号の構想を練っている。ピーク!

(上村義徳)

〜「ダメ。ゼッタイ。」〜

広報委員になってなんとか9月号を出すことが出来た。9月号から「ダメ。ゼッタイ。」のキャンペーンの一環としてホームページの資科を基に記事を載せているが、覚醒剤というのを覚せい剤としなければだめだという。

何故ならやっている人間は醒なんていう難しい漢字は理解できないと言うのであるが、暴走族なんかがスプレー缶で落書きしている字を見ると蠍とか餓鬼なんていう言葉があって辞書で調べたのかもしれないけど恐れ入ってしまう。文盲の世界が存在しないとは言わないが、薬物中毒の人間の教育程度が低いという考え方にはいささか疑問を感じてしまう。

それこそ差別じゃないかと考えるのは私だけだろうか?昔の薬物中毒の資料をひもとくと、医師や医療関係者も多い。時代が違うよと言われるかもしれないが、教育の行き届いた日本でひらがなやカタカナでしかものを理解出来ない人間なんてそう存在しないと考えるのは甘いだろうか?

(鮫島千織)

〜理事の席〜

広報委員で2期目に入り、初めて代議員会報告を担当しました。今回は特に会議の流れを中心に要旨を書きました。当然これはページの都合上全てを掲載することは出来ません。内容でもっと詳しく知りたい方は議事録の原本がありますので事務局で確認して頂くか、代議員に尋ねてください。

又、会議報告では、委員会報告と重なる内容が多いということで理事会、支部長会の報告中当ジャーナルでは原則として略しています。今号だけは、前もってプリントされたものが今回の会議から配られるようになったということを表わしたいのでこのプリント内容を掲載しました。

※市薬ジャーナル編集に興味の有る方、ぜひ見学に来られませんか。理事の席をみやげとしてプレゼント致します。

(津田和敏)

「かかりつけ薬局」へ、更に一歩前進

平成10年11月10日発行
福岡市中央区今泉1丁目1番1号
社団法人 福岡市薬剤師会
TEL 092-714-4416
FAX 092-714-4421
担当副会長 合 澤 英 夫
常務理事  北 島 啓 子
委 員   石 井 雅 明
      伊 東 美 穂
      上 村   徳
      鮫 島 千 織
      津 田 和 敏
      戸 田 昭 洋
      森 山 健次郎
発行人   藤 原 良 春
発行部数  1、3 5 0 部
印刷所   (有)興英社印刷