会報第9号 昭和55年6月15日
 ■ 巻 頭 言

「会長再任にあたって」     福岡市薬剤師会 会長  藤 野 義 彦

 第8回代議員会において、再度会長の要職に選任されました。総員580名の代表として今後2年間、一層の精進をして期待にこたえて行く覚悟です。会員諸兄の御支援をひとえにお願いする次第です。

 あたかも本年は1980年代に突入した意義ある年であり、また薬剤師制度が発足して90年にあたり、福岡市薬剤師会の歴史の新しい頁に如何なる足跡を残すかを思うとき、おのずから身の引き締まる思いを深く感ずるものです。

 去る2年を回顧するとき、諸状況も多難な年であったにもかかわらず本会は大局において会員諸兄の良識ある連帯感と協力によって一段と地歩を固めつつあることは、諸君と共に自負しうると信じるものである。しかしながら時局の変遷は我々の予想または理想、希望とは無関係に進展するものであります。これに対処するためには、薬剤師としての自覚と不断の精進が要求されるところである。

 昨年、時代の要求から、新しい理念のもとに薬事法の一部改正が成立し、国民に対する薬事行政の改善が計られ、薬局製剤および医薬品の供給と管理に関する薬剤師の責務が一層強化されました。私共執行部は日薬、県薬の意向に副って、医薬品の管理と被害防止のため、本会に試験設備の充実と電話ファクシミリの活用のもとに医薬品情報のシステム化に会館建設と合わせて努力して参ります。 これらの充実こそが本会が地域に貢献することを第一義と考えるところです。これら一連の活動は薬剤師職の特権として定着させねばならない。これはひいては本会はじめ薬剤師会に属することが当然の要件になる時代の到来を意味することを充分に留意されたい。

 医薬分業の進捗状況ですが、会員の努力で確実に前進をみている。医薬品の合理的使用と国民医療の健全化のためには、分業の実施は不可欠の要件であり、執行部においては最大の努力を傾注しているところです。同時に会員諸兄の奮起を要望する次第です。最近ほ医師会側も、その合理性を理解し、むしろ積極的である。ことにおいて本会が最も苦慮するのが、これに対応するための施策である。分業実施の形態は過度期の状態にみられるように、わが意にそわぬものも数多く出ているが、調剤薬局設置三原則に従って五者間のモラルの尊重以外には防止しようのない事実であり、これに積極的に対応している。  歯科医師との協調においては、関口けいぞう氏の参院選を共闘している関係で、処方例集の作成とあわせて処方せんの増発が予想される。

 一般販売業における管理薬剤師も、その責任を明確にし自己に託された職域を自主的に改善することが望ましい。世にいう雇われマダムさえも充分なる責任と権利を負わされていることを考えるとき、嘆かわしい事態のあることを非常に遺憾に思う次第です。これについても今後新年度の重点施策として、その認裁と職域を自主的に改善するとともに、行政と共に改造して行く覚悟です。

 国民医療の第一段階である自己治療、自己管理用としての大衆薬の流通と安定には多大の力を注ぎ、商組と協調して努力して参ります。また私共の開局薬剤師の基盤の安定と定着化のためにはOTCこそわが生命であり、これの拡大と共に薬局製剤の活用を慎重に行ないながら経営の安定をしなければならぬのは勿論である。これらのためにも最大の努力を払って行きたい。

 次に本会会館の建設事業は7月末の完成をめざしています。市内の最中心地に、だんだんとその偉容をみせて参りました。本会がこの夢とも思われた会館建設の目標を設定以来、実に8年有余、前会長斉田和夫先生の意志を継承して全力をあげて取り組んでいる。この大事業についての福岡市当局の非常な御理解と御支援に対し衷心より感謝いたします。特に本会相談役で久保田議長先生には、その労苦をいとわず行動していただきました。

 この大事業には県薬はもちろん、医師会、歯科医師会など関係団体や行政の注目するところであり、多量化する事務の処理と時代の要望に応えた試験、情報センターと研修室と学薬関係の検査処理機能とを合わせ持った会館です。御期待下さい。

 今年度の特別事業としては事業計画、承認事項の通りですが、特に
@ 会館建設に伴う付帯事業の推進
A 組織の強化とともに分業の組織的な推進
B 地域医療における職能の強化
を強力に推進する考えであります。

 最後に今回承認を受けました55年度収支予算は太会としては未曾有の時期であり、分業推進事業費以外の必要経費もできるだけ緊縮しました。その趣旨は建設事業費の返済を最重点においた健全運営を主とし、会員のよりどころを全たからしめるためです。

 特に本年度県薬会費の負担増にもかかわらず、据置いた次第であることを認識されたい。これほ現在のエネルギー不安による物価変動が不明で小手先の修正では無理であり、長期的な見通しがたてにくいためで、次年度予算において会費を考えたいと思っています。

 社団法人福岡市薬剤師会は、常に新しく、自らの道を切り開く誇り高い団体であることを願う。御退任頂いた役員先生には自己犠牲のもとに誠心誠意、本会のために奉仕して頂いたことを、会長としてこの機会に心から感謝を申し上げます。新しく御就任頂いた下記の役員諸氏には今後、ますます御精進頂いて事業執行に当って頂きますよう特にお願いする次第です。


◆ 専務のデスクから ◆

福岡市薬剤師会 専務理事 古賀 隆

 4月26日の代議員会で、藤野会長が再選された。不肖私、会長から専務を指名されたので、ふただび会務に携わることになった。この2年間、専務を経験して薬剤師会について思うことを、一、二述べてみたいと思う。

 まず対内的には、今日ほど組織の結束が求められる時はないと思う。民主政治の定着しつつあるわが国においては、理屈はどうであれ、個々の力ではどうにもならない。組織の力、数の力が使先するのは自明の理である。

 われわれ薬局は下は薬種商から上はスーパーの資本攻勢に業権を攪乱され、目先を生きるのに精一杯、とても他のことに目を向ける余裕などないのがその実態である。しかし、ここで薬剤師は考える。落ちるところまで落ちての居直りである。

 まず部会の結束、20年前の部会には、会員みな心の通いがあった。これをとりもどそう。そして今は支部がある。支部活動をみんなで、盛り上げよう。次には大福岡市薬の団結である。そこから医師、歯科医師との対話が始まり、ほんとうの分業が生まれると思う。これができない限り第二薬局または類似の薬局の増加に一層拍車がかかるであろう。

 80年代は、開局者と否とを問わず、いかに薬剤師が目ざめるか、結束できるか、まさに岐路に立たされた年代といえる。次に対外的には、薬剤師は政治的活動が苦手であり、消極的、遠慮がちで、おとなしい。日薬、県薬、地方薬みんな同様だが、これは対内的に結束と行動と後押しがないのだから仕方がない。

 過日、山崎拓氏が厚生次官日記「転換期の光芒」を出版した。それを読んで、他の多くの団体に比して薬剤師会の当局に対する折衝のなさに、薬剤師会の弱さの実態をみた思いであった。また薬剤師会は社会に対するPRも不足である。世の中で医師会を知らぬ者ほないが、薬剤師の団体は薬業団体と言うのかなどは、ざらである。学薬で学校からの文書に、薬剤師を薬剤士と書かれた経験の持ち主は案外多いのではないか。まして、薬局と薬店、スーパー薬品部との違いなど、わかろうはずがない。

 電気製品や書籍を買ったとき、その中に封入されているアンケートのハガキの「あなたの職業」欄に医師、弁護士はあっても、薬剤師というのにはお目にかかったことがない。このように、いちいちとり上げたらきりがない。ここで薬剤師ほもう一度考える。

 薬剤師は、すすんで地域の中に溶けこんでゆこう。町内でもPTAでも結構、地域の世話を積極的にやろう。地域の行事もいろいろある。なかでも地方選挙のときは結束して当たろう。支部で決めた候補は総動員であたろう。やったかやらなかったかは、候補者には必ずわかるものである。薬剤師票の価値がわかると、次回から相手がほうっておかない。これらの結果が大きな選挙に反映し、政治家を動かしうる団体に成長する。どうしても、そこまでゆきたい。

 折しも参議院、衆議院と大きな二つの選挙が目前にある。関口けいぞうに薬剤師の票がどう出るか、試されるひとつの機会が今きている。

 どうやら次元の低い話に終始したようだが、いま疲弊しつつある薬局薬剤師が、ないないづくしで、やれることといったら、これしかないと思うし、また薬剤師会が常にまっ先に掲げている組織の強化という点でも、実際に会員自身が行動に踏み切らない限り、空念仏に終ってしまうもので、あえて雑言を呈した次第である。乞御批判。


第8回社団法人福岡市薬剤師会通常代議員会

1.日 時 昭和55年4月26日(土)午後1時
2.場 所 福岡市博多区住吉2丁目20番15号  福岡県薬剤師会館2階会議室
3.出席者 60名(役員17名、代議員33名)(一般会員10名)  役員 藤野会長、冨永・荒巻副会長、古賀専務理事、藤原・竹尾・成沢・河野・高倉常務理事、坪根・江口・山手・三津家・有田・吉本理事、三根・松尾監事
 支部長 磯田、堀江、国武、大黒、本川
 代議員 正岡、井原、馬場(勘)、磯田、内田.木原、児島、高杉、堀江、冷川、森田、小松、大庭、安藤、副島、西森、国武、栗田、長野、富田、冨永(昇)、野田、中野、本川、小田、吉田、岩永、村田、赤坂、高島、大黒、豊福、清水
 一般会員 木村、馬場(正)、高倉(英)、高倉(等)、青柳、若狭、自勢、戸田、大隈、鶴田

4.会議の模様 竹尾常務理事司会により開会
 1)開会あいさつ         富永副会長
 2)会 長 演 述
 3) 来 賓 祝 辞
  神谷武信県薬会長殿、進藤一馬福岡市長殿、久保田秀己市議会議長殿、山崎拓衆議院議員殿

 4)議 事
  議長堀江秀男、副議長本川栄その席につき、議長より代議員数43名中32名出席(最終33名)代議員会の成立を宣し、のち死亡会員5名の冥福を祈り黙とうする。
  ついで議事録署名人2名についは議長一任となり議長ほ下記の者を指名し一同了承す。  内田数彦(博多区)、野田靖夫(西区)
 5)報告第1号 昭和54年度会務並びに事業報告
 古賀専務理事が述べる。

T.一般会務関係事項
 @ 会員数 昭和54年3月末現在 560名
       昭和55年3月末現在 574名   (内訳 薬局339名、一般販売業93名、薬      種商販売業5名、勤務その他109名、名      誉会員2名、賛助会員26名)
   部会数 昭和55年3月末現在 31部会
   東支部4部会38名、博多支部8部会89名、中央支部7部会89名、西支部6部会94名、商支部6部会55名
 A 会 議
 (1)第6回通常代議員会 昭54.4.24
 (2)理事会15回    (3)監事会 1回
 (4)顧問会 3回    (5)支部長会11回
 (6)部会連絡協議会11回(7)委員会 24回
 B 表彰関係(順序不同)
 日本薬剤師会有功貴 重松荒太郎
 福岡県知事表彰(計量事業功労)藤野義彦
 福岡市長感謝状(福岡市学校薬剤師15年以上勤続者)
 三津家正友、古賀隆、小村正治、柴田伊津郎、綱島幸枝、冨永雄造、冨永昇蔵、冨永泰資、土肥善衛、中野佐、野口美智子、馬場正守、藤野嘉道、藤田胖、真崎甚三郎、槇野英子、瀬越寿、村田正利、矢野憲太郎、山手嘉子
 福岡市長表彰状(学校保健功労)馬場正守
 厚生大臣賞(薬事功労)工藤益夫
 福岡県学校保健会表彰(学校保健功労)江頭溜、冨永雄造
 福岡市教育委員会表彰(教育功労)獺越寿
 福岡県公衆衛生協会理事長表彰(公衆衛生事業功労)坪板百彦、山口博

U、恒常的事業報告
 @ 共済事業
 (1)会員死亡  樋口昌徳、大塚正美、矢野憲太郎、花田一郎、友納英一
 A 薬剤師研修会
 (1)第1回処方せん応需に当って必要な基礎講座(昭和54年9月9日)
  (2)医薬分業推進講習会(昭和朗年11月17日)
 (3)第2回処方せん応需に当って必要な基礎講座(昭和54年11月24日)
 (4)第3回処方せん応需に当って必要な基礎講座(昭和55年2月17日)
 (5)休日急患センター年末年始出勤者研修会(昭和55年12月15日)
 (6)その他
  第27回福岡県公衆衛生大会ならびに第3回福岡県健康づくり県民大会(昭和55年3月10日)
  薬と健康の週間(昭和54年10月17日から23日まで)

V、重点事業報告
 昭和54年度は支部制を実施して2年目に入り、組織整備の過渡期における種々の困難さと不備を克服して組織の強化と活動に大きく一歩前進、成果をみている。
 特に臨時代議員会において指摘された会員への情報伝達については、県薬、市薬情報を逐一支部長へ通知、隔月に支部長会を開催し、また市薬会報の活用などその徹底につとめた。
 また、今年度最大の懸案であった市薬会館建設については、代議員会、総会の決議にもとづいて万全の態勢でのぞみ、55月1月末に着工、現在順調に工事が進行している。今年7月末には完成予定である。

 @ 組織の強化
  (イ)支部制実施による定款改正について代議員 会の決議を経て、福岡県に改正認可を申請54年7 月3日付にて正式に認可された。
  支部制実施2年目に入り種々問題点について理 事会、支部長会で協議、円滑な運営と組織の強化確立をめざした。また会員の親睦、体力増強を目的として支部対抗ソフトボール大会を10月21日(日)に開催し好評をえた。
  継続事項として未加入者の加入促進について、組織部、支部長を中心としてその具体策について協議をつづけている。
  (ロ) 広報活動の強化
  最も重要な行事のひとつとして、今年度も年4回発行した。紙面の制約もありまた不慣れの面もあるが、今後さらに努力を重ねて会員に密着した会報を目指しているので、意見・要望を聞かしてもらいたい。
  (ハ) 委員会活動
  組織、薬局、社保、学術、休日急患、各委員会に常務理事の担当責任制をとり、積極的に担当分野に取組んだ。

 A 地域医療における職能の強化開発
  (イ)地域医療に対応できる職能の育成に力点をおき、前記各研修会を実施した。
  (ロ)ホーム薬局の育成については、国民に信頼される薬局を目途として推進しているが、薬局自身の自覚が先決で今年度も抗生物質など指示医薬品の小売販売、シンナーの安易な取扱いなど、行政当局より警告を受けた自省すべき事例もおきている。また薬局製剤の活用についても継続的に研究成案をいそいでいる。
  (ハ)休日急患センター運営への協力
  会員の中から出動希望者を登録し、順次出動してもらっているが、勤務部会の協力で支障なく行われている。また河野常務理事を委員長として医薬品集の改定が行われ新しい休日急患医薬品集が出版された。
  (ニ)福岡市よりの今年度の事業補助金は次の通りである。
  民生行政推進協力費(民生局) 240万円
  薬剤師研修費 (衛生局) 110万円

B 医薬分業の推進および正常化
  (イ)医師会との連携
 医薬分業については正しい分業推進をはかることを基本理念として、具体的には五者協議会の申し合わせにもとづいて医師会との連携を密にして対処している。しかし経済分業といわれる謂ゆる第二薬局と疑わしい申請が続発する傾向があり、今後、行政、県薬、医師会とも密接に連携、協議をもち、これらについては極力排除していくよう努力する。今年3月には市医師会主催の分業説明会が開催され.40数名の医師会員が出席、要請により藤野会長、神谷県薬専務、藤田県薬常務が出席し、活発な質疑がなされた。県薬では分業推進月間を2月、3月に設定、会員の行動をうながしているが、市薬では医師会と協議、別個に行う考えである。
  (ロ)保険薬局への業務指導
 保険薬局の業務推進に必要な分業伝達講習会を開催した。また、今年度は不正請求による保険薬局取消処分を受けた事例も発生している。全体的には確実に分業推進の道をたどっており、54年12月では8万枚、2億円の請求金額となっている。
  (ハ) 歯科医師会との連携
 今回日薬と日歯の間で新たに処方例集の作成をみた。市薬ではこの中より実用に合わせて簡単な処方例集案を作成(河野常務理事担当)市歯科医師会と合意をみ、市薬の手で印刷完了している。

C 薬剤師会館建設
 (イ)懸案の会館建設は1月未着工7月末にほ完成の運びとなった。第7回臨時代議員会・総会においての決議は、@船舶振興会の助成金が得られれば4階建、A自主建設の場合は2階建とする、との決定をみており、その後@の助成金は不可能であることが明瞭となり、自主建設の線でプロジェクトチーム、理事会、顧問会、支部長会で慎重に計画を練り、協議を重ねた結果、建設については八千代建設鰍ノ設計、見積を依頼し、これを西南技建鰍ノ依頼して内容を詳細にチェック、検討の上、正式に施工を指名、契約することを決定、上記手続きを経て見積価格を修正、9,600万円で11月24日八千代建設鰍ニ正式に契約した。また工事期間中の工事監督を西南技建に依頼した。
 建設資金については、特に福岡市当局に補助金の交付を陳情し、久保田議長をはじめ関係者の温い示唆を受け、諸般の経過を経て、54年11月24日に建設趣意書、建築計画書、事業計画書、定款の書類を付し正式に陳情書を福岡市長あて提出した。 12月25日吉日に地鎮祭を行い無事完成を祈願した。

建築概要
 土地 156.18坪
 鉄筋コンクリート3階建
 (電車側よりは地下1階、地上2階)
 建築面積 928.56u (281.4坪)
   1階  348.781u(105.7坪)
   2階  282.761u( 85.7坪)
   3階  281.519u( 85.3坪)
   塔上 15. 506u( 4.7坪)

会館建設費用
 建築費(契約金額)9,600万円、追加工事250万円、工事監督費30万円、什器備品費340万円、事務関係費25万円、電話設備費20万円、看板等50万円 小計1億315万円 記念事業費180万円 合計1億495万円
資金計画
 会員拠出金(向う5カ年間)3,000万円、市薬一般会計よりA(向う10カ年間)5,995万円、市薬一般会計よりB(向う10カ年間)4,070万円、※借入金利に充当
 福岡市補助金1,500万円
  合計1億4,565万円
当初資金(借入、返済計画)
 借 入
  54年12月 4,600万円(うち1,400万円は土地購入借入金の返済にあてた)
  55年 2月 1,600万円、6月 1,600万円、7月 2,200万円  計 1億円
 返 済
  55年度 540万円、56年度1,080万円〜63年度1,080万円、64年度820万円
  10年 計 1億円
  利息:7.4%(昭和54年12月現在)として計算す 約4,070万円
   合計 1億4,070万円

 (ロ)学薬を強力支援し市薬会館3階に充分なスペースをとり、水質試験事業受入れをはかる。
 (ハ) 検査センターの設置
 市薬会館3階に検査センターを設置し、現在、薬局開設に義務づけられている試験設備と試験の代行が可能な設備を設置する。
 (ニ) 薬事情報センター
 県薬剤師会では日薬による薬事情報センターの設置を受入れ、すでに電話ファクシミリーの設置を終っているが、孫ファックスを福岡、北九州、飯塚、大牟田各市薬、九大、久大の6カ所に設置の計画である。
 市薬では市薬会館に図書DI室を設け、受入れ態勢をととのえる。

D その他
 (イ) 薬局等開設他諸問題につき、薬務課、保健所との懇談会を開催した。昭和54月6月19日
 (ロ)市薬薬品センターは、54年度利用ゼロの実績により、昭和55年3月31日をもって廃止することを決定した。
  ○関係団体の事業概況報告が下記のとおりなされた。
  @ 福岡市学校薬剤師会関係 会  長 馬場正守
  A 福岡市病院薬剤師会関係 常務理事 河野義明
  B 福岡市女子薬剤師会関係 会  長 江口春子
  C 福岡市商業組合関係   常務理事 山手陽一

 6)報告第2号 第40回(臨時)第41回(通常)福岡県薬剤師会代議員会出席報告 高倉理事

 7)議案第1号 昭和54年度歳入歳出決算認定の件  藤原常務

議案第1号 昭和54年度歳入歳出決算認定の件
  昭和54年度 福岡市薬剤師会歳入歳出決算書
    自 昭和54年4月 1日     自 昭和55年3月31日
歳入の部 

款  項  昭和54年度決算額        昭和54年度予算額
 第1款  会   費        27,413,550  27,796,000
 第1項  会   費        27,167,550  27,210,000
 第2項  過年度会費         246,000    586,000
 第2款  保険薬局会費       16,990,166  12,000,000
 第1項 保健調剤特別会費      16,990,166  12,000,000
 第3款 雑 収 入         1,204,580    50,000
 第1項 雑 収 入         1,204,580    50,000
 第4款 報 償 金         2,064,000   2,064,000
 第1項 県薬よりの報償金      2,064,000   2,064,000
 第5款 繰 入 金         19,771,565   3,400,000
 第1項 福岡市よりの事業補助金   2,400,000   2,400,000
 第2項 福岡市よりの事業補助未収金 1,000,000   1,000,000
 第3項 特別会計より        16,371565       0
 第6款 借 入 金         62,000,000       0
 第1項借 入 金          62,000,000       0
 第7款 繰 越 金          5,871265   5,871,265
 第1項 前年度よりの繰越現金     343,778    343,778
 第2項 前年度よりの銀行預金    5,527,487   5,527,487
    合  計          135,315,126  51,181,265

歳出の部

款 項  昭和54年度決算額       昭和54年度予算額
 第1款 事務 費      8,193,951    8,323,000
 第1項 費用弁償      1,190,000    1,200,000
 第2項 給   料     4,129,500    4,133,000
 第3項 職員諸給与       88,360      60,000
 第4項 臨時雇費        99,000     100,000
 第5項 旅費交通費      470,490     500,000
 第6項 交 際 費      615,160     400,000
 第7項 通 信 費      546,450     700,000
 第8項 器具什器費       94,140     200,000
 第9項 消耗品費       111,633     200,000
 第10項 福利厚生費      281,418     280,000
 第11項 光熱水費       500,000     500,000
第12項 事務諸雑費       67,800      50,000
第2款 会 議 費      2,077,735    1,600,000
 第1項 代議員会費      550,000     400,000
 第2項 総 会 費      324,150     300,000
 第3項 役員会費      1,002,760     700,000
 第4項 諸会議費       200,825     200,000
第3項 事 業 費      9,043,808    8,014,000
 第1項 総務部費       204,325     300,000
 第2項 調査企画費      594,166     130,000
 第3項 組織部費       492,057     450,000
 第4項 学術部費       326,000     400,000
 第5項 事業部費       393,385    1,650,000
 第6項 広報部費       514,235     500,000
 第7項 宣 伝 費      100,000     100,000
 第8項 印 刷 費      373,750     250,000
 第9項 補 助 金      500,000     500,000
 第10項 支部交付金     1,840,000    1,844,000
 第1頂 会館建設事業費   1,439,874     100,000
第12項 事業経済対策費     600,000     800,000
 第13項 職能対策費      866,840     660,000
 第14項 清水文庫費       9,710      10,000
 第15項 事業諸雑費      786,666     300,000
第4款 分業推進費      3,027,505    3,700,000
 第1項 推進事務費     1,940,910    2,200,000
 第2項 三師会対策費     320,460     300,000
第3項 分業推進事業費     766,135    1,200、000
第5款 負 担 金      19,171,496    18,783,000
 第1項 県薬負担金     14,800,000    14,800,000
第2項 調剤基本料負担金   1,976,796    1,560,000
 第3項その他負担金     2,394,700    2,423,000
第6款 積 立 金       260,000    3,260,000
第1項 職員退職積立金     260,000     260,000
第2項 保健薬局特別会費積立金    0    3,000,000
第7款 報 償 金      1,307,800    1,260,000
第1項 部会への報償金    1,307,800    1,260,000
第8款 雑  費        718,920     500,000
 第1項 雑   費      718,920     500,000
第9款 会館購入費          0    4,760,000
第1項 県薬会館購入費        0    4,760,000
第10款 予 備 費       373,500     981,265
 第1項 予 備 費      373,500     981,265
第11款 仮 払 金       200,000        0
 第1項 仮 払 金      200,000        0
第12款 借入金利息      2,112,705        0
 第1項 潜入金利息     2,112,705        0
第13款 会館建設費     84,636,500        0
 第1項 会館建設費     48,000,000        0
 第2項 土 地 代     36,636,500        0
     計        131,123,920        0
 歳入歳出差引残高      4,191,206        0
   合  計       135,315,126    51,181,265

 8) 議案第2号 昭和55年度事業計画決定の件

  荒巻副会長より説明がなされた。
 薬事二法の改正に伴い薬剤師の社会的責務もまた重大さを増したが、本年度はさらに健保法の改正、薬価基準の引き下げ、また医師特別税制の改廃に伴う分業の進展等か予想される。

  日本薬剤師会は、80年代初頭の上記変革に対応する方策として、中央、地方の薬事情報センターによる全国情報ネットの整備および都道府県検査センターの設立とその共同利用による職能の確立を打ち出している。

 福岡市薬剤師会は、昭和48年の土地取得以来新会館建設が懸案となっていたが、上記日薬の志向に応じ、また学薬ならびに公衆衛生事業の拡大に伴う必要性から、急拠その具体化をせまられ、現在すでに7月未完工をめざして着工している。従って、本年度の実質的な最重点事業は会館建設の健全管理に集約されることになる。

  一般的継続事業は、極力その推進につとめるが上記理由から多少の減速はまぬがれない状況にあり、事業費の配分についても極端な緊縮予算となった。

  しかし、一方会館完成に伴う会員の帰属意識の高まりは、今後の会員団結の大きな支えになるものと確信し、次の諸事業を推進する。

 A.会館建設および付帯事業の推進
  イ)会館建設の設計、施工、管理
  ロ)建設後の設備什器、備品の設置、整備
  ハ)披露および記念事業
  ニ) 検査・DIセンターの設立推進
 B、組織強化
  イ、広報機関の充実および活動強化
  ロ、支部の自主運営および活動の支援
  ハ、勤務管理薬剤師の組織化
  ニ、末入会薬剤師(新卒者含む)の情報化
 C、地域医療における職能の強化
  イ、薬事情報の提供
  ロ、各種研修会の開催
  ハ.勤務管理薬剤師の特別研修
  ニ、薬局製剤活用の研究開発
  ホ、行政と協力し薬局管理自主指導機構の研究・開発
  へ、医薬品の管理および流通の適正化
  卜、休日急患診療への協力
  チ、商業組合および諸団体への支援協力
  リ、ホーム薬局の育成
 D、医薬分業の推進および正常化
  イ、分業ニーズに呼応する支部態勢の確立
  ロ、個別的分業情報の把握および対応
  ハ、医師・歯科医師会との情報交換
  ニ、行政とのタイアップによる分業正常化
  ホ、請求業務の指導

 つぎに、薬事法の改正で薬局試験室の設備が強化される。日薬で厚生省と折衝中であるが会が基準に従い設備すれは、会員は会と契約し、各人の設備は不要となる(案)、個人が設置すれば千万円位かかる。もっとも日薬では全県下にその設備を要望している。現在数県が設備に問題を残している。会館建設費用に流用のため一般事業はひかえめにする。

9)議案第3号 昭和55年度福岡市薬剤師会会費決定の件         藤原常務理事 (1)昭和55年度の会費は次の通りとする。
  A 薬局・一般販売業者 53,500円
  A 薬種商販売業老   34.000円
  B 勤務・その他    19,000円     (いずれも現行据置き)
(2)昭和55年度の新入会者の入会金を次の通りとする。
  A会員  8万円 (入会時即金納入)
  A会員 1万円 (    )
  B会員1万円(入会時即金納入)

 10)議案第4号 昭和55年度歳入歳出予算決定の件          藤原常務理事

  昭和55年度   福岡市薬剤師全歳入歳出予算(案)
        自 昭和55年4月 1日
        至 昭和56年3月31日
 歳入の部

    款   項      昭和55年度予算額(案)
 第1款 会   費       31,253,000
  第1項 会     費    30,553,000
  第2項 入  会  金      700,000
 第2款 保険薬局費       17,000,000
  第1項 保険調剤特別会費   17,000,000
 第3款 雑 収 入        1,000,000
  第1項 雑  収  入     1,000,000
 第4款 報 償 金        2,187,600
  第1項 県薬よりの報償金    2,187,600
 第5款 繰 入 金       18,800,000
 第1項 福岡市よりの事業補助金  2,700,000
  第2項    未収金     1,100,000
  第3項 会館建設補助金    15,000,000
 第6款 借 入 金       38,000,000
  第1項 借  入  金    38,000,000
 第7款 繰 越 金        4,191,206
 第1項 前年度よりの繰越現金    73,293
  第2項   銀行預金     4,117,913
 第8款 仮 払 金         200,000
  第1項 仮  払  金      200,000
    合    計        200,000
                112,631,806

 歳出の部

    款    項     昭和55年度予算額(案)
 第1款 事 務 費       10,270,000
 第1項 費 用 弁 償          0
 第2項 給     料      6,306,000
 第3項 職員諸給与         50,000
 第4項 臨 時 雇 費       300,000
 第5項 旅費交通費         400,000
 第6項 交  際  費       200,000
 第7項 通  信  費       800,000
 第8項 器具什器費            0
 第9項 消 耗 品 費       400,000
 第10項 福利厚生費        414,000
 琴11項 光 熱 水 費      800,000
 第12項 公 租 公 課      500,000
 第13項 事務諸雑費        100,000
 第2款 会 議 費        1,600,000
 第1項 代議員 会費        450,000
 第2項 総  会  費       350,000
 第3項 役 員 会 費      700,000
 第4項 諸 会 議 費       100,000
第3款 事 業 費         5,640,000
 第1項 総 務 部 費       50,000
 第2項 調査企画費         50,000
 第3項 組 織 部 費      500.000
 第4項 学 術 部 費       300,000
 第5項 事 業 部 費      1,000,000
 第6項 広 報 部 費       550,000
 第7項 宣  伝  費       50,000
 第8項 印  刷  費       300,000
 第9項 補  助  金       500,000
 第10項 支 部交付金      1,340,000
 第11項 薬業経済対策費      600,000
 第12項 職能対策費        200,000
 第13項 清水文庫費        100,000
 第14項 事業諸雑費        100,000
第4款 分業推進費         2,900,000
 第1項 推進事務費        2,000,000
 第2項 三師会対策費        300,000
 第3項 分業推進事業費       600,000
第5款 負 担 金        21,237,000
 第1項 県薬負担金       15,624,000
 第2項 調剤基本料負担金     3,240,000
 第3項 その他の負担金      2,373,000
第6款 積 立 金          392,000
 第1項 職員退職積立金       392,000
第7款 報 償 金         1,485,000
 第1項 部会への報償金      1,485,000
第8款 雑   費          300,000
 第1項 雑     費       300,000
第9款 会館建設費        56,950,000
 第1項 会館建設費       48,000,000
 第2項 記念事業費        1,800,000
 第3項 器具什器費        3,850,000
 第4項 追加工事費        3,000,000
 第5項 雑     費       300,000
 第10款 利   息       5,600,000
 第1項 借入金利息        5,600,000
第11款 借入金返済金       5,400,000
 第1項 借入金返済金       5,400,000
第12款 予 備 費         857,806
 第1項 予 備 費        857,806
    合    計      112,631,806

 11)議案第5号 借入金限度額決定の件
   藤原会計常務理事より説明
  昭和55年度福岡市薬剤師会の借入金の限度額はつぎのとおりとする。   一金、壱億円

 12)選挙  下記の通り決定。
  会 長  藤 野 義 彦(留任)
  副会長  冨 永 奉 賛( )
      荒 巻 幸之助( )
      吉 本 喜四郎(新任)
  監 事  三 根 孫 一(留任)       松 尾 良 一( )

 13)閉会 河野常務理事閉会のあいさつ。


 第36回社団法人福岡市薬剤師会   通 常 総 会

1.日時 昭和55年4月26日(土)午後5時5分
2.場所 福岡市博多区住吉2丁目20番15号     福岡県薬剤師会館2階会議室
3.出席者  総数 302名
  (出席者60名、委任状242、会員数574名)

4.会議の模様  竹尾常務理事司会により開会
 1)開会あいさつ         藤野会長
 2)会長演述
 3)第8回福岡市薬剤師会代議員会決定事項報告
  @ 昭和54年度会務ならびに事業報告
  A 第40回・41回福岡県薬剤師会代議員会出席報告
 B 昭和54年度歳入歳出決算認定の件
 C 昭和55年度事業計画決定の件
 D 昭和55年度会費決定の件
 E 昭和55年度歳入歳出予算決定の件
 F 借入金限度額決定の件
 G 任期満了につき役員選挙
 4) 部会表彰
 藤野会長より会費完納部会(指定期日まで)に記念品代を贈呈す。
 5)高齢者会員表彰(80才以上)
 中村吾一郎、高倉 等、若狭半吉、青柳慶輔、重松荒太郎  6)還歴会員(大正9年生まれ)
 安西みよ(奈多薬局)、白水保美(金星堂薬局)、木村耕平(中央調剤薬局)、瀬尾周二(せお薬局)、 白勢栄次(鳥飼病院)、谷 横(逓信病院)、 久保田秀己(市会議長)、
 多賀文子(大名2丁目)、灘谷敏子(周船寺病院)
 7)閉会あいさつ         富永副会長


   = 市  薬  日  誌 =

 2月26日(市薬)三役会
 3月 3日 麻薬対策委員会(藤野)
   4日 理事・支部長会
   10日 福岡県公衆衛生大会・県民健康大会 (藤野他)
   17日 八千代建設渡辺副社長と打合せ(藤野)
   19日 友納英一先生葬儀参列(藤野会長他)
     理事会
   24日 市医師会分業懇談会(平安閣) (藤野会長、県薬=神谷、藤田)
     理事会
   26日 県薬代議員会  神谷新会長就任
   29日 支部長会
 4月 2日 三役会
     谷口よしのりパーティー
   7日 監事会  会計監査
   18日 東区歯科医師会との打合せ(藤野他)
   22日 理事会
   23日 久保田市会議長と打合せ
   26日 第8回市薬代議員会・第36回通常総会
   28日 蔵内修治後援会事務所開き(藤野会長他)
 5月 2日 理事会・三役会
      広州友好都市1周年記念式典(藤野)
   3日 福大20周年記念式典(藤野会長)
   6日 理事会・支部長会
   10日 山崎拓出版記念会(博多スターレン)
     八千代建設と打合せ
   15日 博多支部歯科医師・薬剤師懇談会
   16日 中央支部歯科医との部会長、班長懇談会
     内閣不信任案可決、衆議院解散
   19日 緑新会議事務所開き(藤野会長他)
     支部長会
   20日 衛生局訪問(古賀、藤原)
     市長室、議長室訪問(古賀)
     福岡市計量普及協会定期総会(藤野)
     退任理事者へお礼挨拶(藤野、古賀)
   24日 博多支部総会
   28日 東支部総会
   30日 常務理事会、(参議院議員選挙公示)
   31日 支部長会
 6月 2日 衆議員総選挙公示
   3日 理事会・顧問会合同会議
   7日 中央支部総会


市薬役員名簿

会 長  藤野 義彦
副会長  冨永 泰資 組織・事業
同    荒巻善之助 調査・企画
同    吉本喜四郎 学術
専務理事 古賀  隆 総務
会計理事 藤原 良春 経理・共済
常務理事 竹尾 啓司 組織・薬局
同    三津家正友 広報
同    成沢 哲夫 休日休急
同    野仲 範子 学術
同    高倉  博 社保
理 事  木村 英樹 学薬・試験
同    石井多嘉子 女子薬
同    山手 陽一 組織・商組
同    小村 正治 薬局・組織
同    木原三千代 学術
同    井原 俊一 社保
監 事  三根 孫一
監 事  松尾 良一
顧 問  四島  久
顧 問  久保田秀己
顧 問  斉田 和夫
顧 問  白木大四郎
支部長名簿

東 支部 礒田 正之
博多支部 堀江 秀男
中央支部 国武 一人
西 支部 本川 栄
南 支部 大黒 隆男



事務局

 事務長 吉田 義生
     肥高 豊子
     吉岡千賀子